(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ペリクル膜及びペリクル
(51)【国際特許分類】
G03F 1/62 20120101AFI20240214BHJP
【FI】
G03F1/62
(21)【出願番号】P 2019200898
(22)【出願日】2019-11-05
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 直也
(72)【発明者】
【氏名】関 和範
(72)【発明者】
【氏名】小寺 豊
【審査官】菅原 拓路
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194840(JP,A)
【文献】特開2012-153540(JP,A)
【文献】国際公開第2009/054422(WO,A1)
【文献】特開2018-115083(JP,A)
【文献】特開2019-049077(JP,A)
【文献】特開2012-213716(JP,A)
【文献】特開2013-234116(JP,A)
【文献】特開2011-038238(JP,A)
【文献】国際公開第2007/099975(WO,A1)
【文献】M. Zhang et al.,Strong, Transparent, Multifunctional, Carbon Nanotube Sheets,SCIENCE,米国,2005年08月19日,309,1215-1219
【文献】M.Y. Timmermans et al.,Free-standing carbon nanotube films for extreme ultraviolet pellicle application,Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS,米国,SPIE,2018年11月27日,17 (4),043504
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/62
C01B 32/158
D03D
SCIENCE
SPIE Digital Library
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第1カーボンナノチューブと、
前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第2カーボンナノチューブと
を含み、
前記複数の第1カーボンナノチューブは第1カーボンナノチューブウェブを形成し、前記複数の第2カーボンナノチューブは、前記第1カーボンナノチューブウェブと重なり合った第2カーボンナノチューブウェブを形成し
ているペリクル膜。
【請求項2】
前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブの少なくとも一方に複数の孔が設けられた請求項1に記載のペリクル膜。
【請求項3】
前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブのうち、少なくとも前記複数の孔が設けられたものを被覆した1以上の被覆層を更に含んだ請求項2に記載のペリクル膜。
【請求項4】
前記複数の孔の最大径は100nm以下である請求項2又は3に記載のペリクル膜。
【請求項5】
複数の第1カーボンナノチューブから各々がなり、第1方向に各々が伸びた複数の第1カーボンナノチューブ糸と、
複数の第2カーボンナノチューブから各々がなり、前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸びた複数の第2カーボンナノチューブ糸と
を備え、
前記複数の第1カーボンナノチューブ糸と前記複数の第2カーボンナノチューブ糸とは織布を形成しているペリクル膜。
【請求項6】
前記複数の第1カーボンナノチューブ糸の隣り合ったものの距離及び前記複数の第2カーボンナノチューブ糸の隣り合ったものの最大距離は100nm以下である請求項5に記載のペリクル膜。
【請求項7】
前記複数の第1カーボンナノチューブ糸及び前記複数の第2カーボンナノチューブ糸の1以上は、長さ方向に沿って径が変化している請求項5又は6に記載のペリクル膜。
【請求項8】
厚さが500nm以下である請求項1乃至7の何れか1項に記載のペリクル膜。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のペリクル膜と、
前記ペリクル膜を支持したフレームと
を備えたペリクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペリクルに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィ技術によって形成可能なパターンの最小寸法は、露光に使用する光の波長に依存する。この最小寸法は、波長がより短い光を露光に使用することにより、小さくすることができる。
【0003】
これまで、露光には、波長が193nmのArFエキシマレーザ光が用いられていた。近年では、より微細なパターンを形成可能なフォトリソグラフィ技術への要求が高まっており、波長が13.5nmの極端紫外線(EUV光)が使用されつつある。
【0004】
ペリクルは、フォトマスク又はレチクルへの埃等の付着を防止するために使用されている。EUV光は様々な物質に吸収されやすいため、極端紫外線リソグラフィ(EUVL)では、EUV光に対する吸収率が低いポリシリコンを用いたペリクル膜の開発が進められている。
【0005】
しかしながら、ポリシリコンからなるペリクル膜は耐熱性に劣る。そこで、グラフェンやカーボンナノチューブなどの炭素材料からなるペリクル膜が注目されている(特許文献1乃至3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-194838号公報
【文献】特開2018-194840号公報
【文献】国際公開第2018/008594号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カーボンナノチューブを含んだペリクル膜は、カーボンナノチューブが不均一に分布することに起因して、透過率の面内均一性が不十分となる可能性がある。
【0008】
本発明は、カーボンナノチューブからなり、透過率の面内均一性に優れたペリクル膜を実現可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1側面によると、第1方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第1カーボンナノチューブと、前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第2カーボンナノチューブとを含み、前記複数の第1カーボンナノチューブは第1カーボンナノチューブウェブを形成し、前記複数の第2カーボンナノチューブは、前記第1カーボンナノチューブウェブと重なり合った第2カーボンナノチューブウェブを形成しているペリクル膜が提供される。
【0011】
本発明の他の側面によると、前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブの少なくとも一方に複数の孔が設けられた上記側面に係るペリクル膜が提供される。
【0012】
本発明の更に他の側面によると、前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブのうち、少なくとも前記複数の孔が設けられたものを被覆した1以上の被覆層を更に含んだ上記側面に係るペリクル膜が提供される。
【0013】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の孔の最大径は100nm以下である上記側面の何れかに係るペリクル膜が提供される。
【0015】
本発明の第2側面によると、複数の第1カーボンナノチューブから各々がなり、第1方向に各々が伸びた複数の第1カーボンナノチューブ糸と、複数の第2カーボンナノチューブから各々がなり、前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸びた複数の第2カーボンナノチューブ糸とを備え、前記複数の第1カーボンナノチューブ糸と前記複数の第2カーボンナノチューブ糸とは織布を形成しているペリクル膜が提供される。
【0016】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の第1カーボンナノチューブ糸の隣り合ったものの距離及び前記複数の第2カーボンナノチューブ糸の隣り合ったものの最大距離は100nm以下である上記側面に係るペリクル膜が提供される。
【0017】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の第1カーボンナノチューブ糸及び前記複数の第2カーボンナノチューブ糸の1以上は、長さ方向に沿って径が変化している上記側面の何れかに係るペリクル膜が提供される。
【0018】
本発明の更に他の側面によると、厚さが500nm以下である上記側面の何れかに係るペリクル膜が提供される。
【0019】
本発明の第3側面によると、上記側面の何れかに係るペリクル膜と、前記ペリクル膜を支持したフレームとを備えたペリクルが提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、カーボンナノチューブからなり、透過率の面内均一性に優れたペリクル膜を実現可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】フォトマスクに取り付けられた、本発明の一実施形態に係るペリクルを概略的に示す断面図。
【
図2】
図1のペリクルに使用可能なペリクル膜の一例を概略的に示す斜視図。
【
図3】
図2のペリクル膜の製造に使用可能なカーボンナノチューブアレイの一例を概略的に示す斜視図。
【
図4】カーボンナノチューブウェブの製造方法の一例を概略的に示す斜視図。
【
図5】カーボンナノチューブアレイの一変形例を概略的に示す斜視図。
【
図6】
図5のカーボンナノチューブアレイを用いて得られるカーボンナノチューブウェブの一例を概略的に示す平面図。
【
図7】
図1のペリクルに使用可能なペリクル膜の他の例を概略的に示す平面図。
【
図8】
図7のペリクル膜に使用可能なカーボンナノチューブ糸の一例を概略的に示す図。
【
図9】カーボンナノチューブ糸の製造方法の一例を概略的に示す斜視図。
【
図10】一変形例に係るカーボンナノチューブ糸を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。なお、以下で参照する図において、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図において、寸法比や形状は、実物とは異なる可能性がある。
【0028】
図1は、フォトマスクに取り付けられた、本発明の一実施形態に係るペリクルを概略的に示す断面図である。
図1において、ペリクル1が取り付けられたフォトマスク2は、EUVリソグラフィ用の反射型フォトマスクである。ペリクル1は、他のフォトマスクに取り付けてもよい。
【0029】
フォトマスク2は、基板21と、多層反射膜22と、キャッピング膜23と、吸収層24とを含んでいる。
【0030】
基板21は、平坦な表面を有している。基板21は、例えば、合成石英のように熱膨張率が小さい材料からなる。
【0031】
多層反射膜22は、基板21の上記表面上に設けられている。多層反射膜22は、EUV光に対する屈折率が異なる2以上の層を含んでいる。多層反射膜22は、繰り返し反射干渉により、EUV光に対して高い反射率を示し、他の光に対して低い反射率を示すように設計されている。
【0032】
ここでは、多層反射膜22は、EUV光に対する屈折率が互いに異なり、交互に積層された反射層22a及び22bを含んでいる。反射層22a及び22bは、例えば、一方が珪素からなり、他方がモリブデンからなる。なお、
図1では、多層反射膜22は、反射層22a及び22bの組み合わせを3つ含んでいるが、通常は、より多くの組み合わせを、例えば、40程度の組み合わせを含む。
【0033】
キャッピング膜23は、多層反射膜22上に設けられている。キャッピング膜23は、吸収層24を得るためのパターニングの際やフォトマスク2を洗浄する際に、エッチング剤や洗浄剤から多層反射膜22を保護する役割を果たす。キャッピング膜23は、例えば、ルテニウムからなる。
【0034】
吸収層24は、キャッピング膜23上に設けられている。吸収層24には、半導体ウエハ上のフォトレジスト層に対する露光パターンに対応したパターンの開口部が設けられている。
【0035】
吸収層24は、EUV光に対して高い吸収率を示す材料からなる層である。吸収層24は、例えば、タンタル、酸化インジウム、酸化テルル、又はテルル化錫からなる。
【0036】
ペリクル1は、フォトマスク2に取り付けられている。ペリクル1は、ここでは、フォトマスク2の反射面に埃等が付着するのを防止する。なお、フォトマスクが透過型である場合には、ペリクル1は、フォトマスクの両面に取り付けてもよい。
【0037】
ペリクル1は、フレーム11とペリクル膜12とを含んでいる。
フレーム11は、図示しない接着剤を介して、フォトマスク2に取り付けられている。フレーム11は、ペリクル膜12をフォトマスク2から離間させるスペーサとしての役割を果たす。フレーム11は、例えば、アルミニウムからなる。
【0038】
ペリクル膜12は、露光光、ここではEUV光に対して高い透過率を示す膜である。ペリクル膜12は、フレーム11を間に挟んでフォトマスク2と向き合うように、フレーム11に支持されている。具体的には、ペリクル膜12の周縁部は、例えば、接着剤によってフレーム11に固定されている。
【0039】
ペリクル膜12は、カーボンナノチューブ膜である。具体的には、ペリクル膜12は、第1方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第1カーボンナノチューブと、第1方向と交差する第2方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第2カーボンナノチューブとを含んでいる。一例によれば、ペリクル膜12は、第1及び第2カーボンナノチューブのみからなる。
【0040】
図2は、
図1のペリクルに使用可能なペリクル膜の一例を概略的に示す斜視図である。
【0041】
図2のペリクル膜12は、第1カーボンナノチューブウェブ121aと第2カーボンナノチューブウェブ121bとを含んでいる。第1カーボンナノチューブウェブ121a及び第2カーボンナノチューブウェブ121bは重なり合っている。
【0042】
第1カーボンナノチューブウェブ121aは、複数の第1カーボンナノチューブ1200aによって形成されている。第1カーボンナノチューブ1200aは、第1方向D1に各々が伸び、径方向に配列している。
【0043】
第2カーボンナノチューブウェブ121bは、複数の第2カーボンナノチューブ1200bによって形成されている。第2カーボンナノチューブ1200bは、第1方向D1と交差する第2方向D2に各々が伸び、径方向に配列している。一例によれば、第1方向D1と第2方向D2とは直交している。第1方向D1と第2方向D2とは、斜めに交差していてもよい。
【0044】
なお、第1カーボンナノチューブウェブ121aには、第1方向D1以外の方向に伸びたカーボンナノチューブや、屈曲したカーボンナノチューブが不可避的に存在し得る。同様に、第2カーボンナノチューブウェブ121bには、第2方向D2以外の方向に伸びたカーボンナノチューブや、屈曲したカーボンナノチューブが不可避的に存在し得る。
【0045】
また、
図2では、第1カーボンナノチューブウェブ121aは、第1カーボンナノチューブ1200aが面内方向にのみ配列し、厚さ方向に積層されていない単分子膜の如く描かれているが、第1カーボンナノチューブ1200aは、面内方向に配列するとともに、厚さ方向に積層されていてもよい。同様に、
図2では、第2カーボンナノチューブウェブ121bは、第2カーボンナノチューブ1200bが面内方向にのみ配列し、厚さ方向に積層されていない単分子膜の如く描かれているが、第2カーボンナノチューブ1200bは、面内方向に配列するとともに、厚さ方向に積層されていてもよい。
【0046】
図2では、第1カーボンナノチューブウェブ121aは同じ径を有しているが、それらの径は同じでなくてもよい。同様に、
図2では、第2カーボンナノチューブウェブ121bは同じ径を有しているが、それらの径は同じでなくてもよい。また、
図2では、第1カーボンナノチューブウェブ121aと第2カーボンナノチューブウェブ121bとは同じ径を有しているが、それらの径は同じでなくてもよい。
【0047】
また、
図2では、第1カーボンナノチューブウェブ121aと第2カーボンナノチューブウェブ121bとは接しているが、それらは互いから離間していてもよい。即ち、第1カーボンナノチューブ1200aと第2カーボンナノチューブ1200bとは、互いに接触していてもよく、互いから離間していてもよい。
【0048】
ペリクル膜12は、3以上のカーボンナノチューブウェブを含んでいてもよい。この場合、ペリクル膜12は、2以上の第1カーボンナノチューブウェブ121aと、1以上の第2カーボンナノチューブウェブ121bとを含んでいてもよい。或いは、ペリクル膜12は、1以上の第1カーボンナノチューブウェブ121aと、2以上の第2カーボンナノチューブウェブ121bとを含んでいてもよい。或いは、ペリクル膜12は、1以上の第1カーボンナノチューブウェブ121aと、1以上の第2カーボンナノチューブウェブ121bと、それらとはカーボンナノチューブの長さ方向が異なること以外は同様の構造を有する1以上のカーボンナノチューブウェブとを含んでいてもよい。
【0049】
ペリクル膜12の厚さは、500nm以下であることが好ましい。ペリクル膜12を厚くすると、露光光、ここではEUV光に対する透過率が低下する。ペリクル膜12の厚さは、10nm以上であることが好ましい。ペリクル膜12を薄くすると、その機械的強度が低下するとともに、ペリクル膜12を埃等が透過する可能性が高まる。
【0050】
ペリクル膜12は、径が30nm超の埃等を透過させないことが好ましい。即ち、ペリクル膜12におけるカーボンナノチューブ間の隙間は、径が30nm超の埃等を透過させないものであることが好ましい。
【0051】
上述したペリクル膜12は、例えば、以下の方法により製造することができる。
図3は、
図2のペリクル膜の製造に使用可能なカーボンナノチューブアレイの一例を概略的に示す斜視図である。
図4は、カーボンナノチューブウェブの製造方法の一例を概略的に示す斜視図である。
【0052】
上記のペリクル膜12を製造するに際しては、先ず、
図3に示す構造を準備する。
図3に示す構造は、基板31と触媒層32とカーボンナノチューブアレイ120とを含んでいる。
【0053】
基板31は、平坦な表面を有している。基板31は、例えば、シリコン基板、ガラス基板、又はサファイア基板である。
【0054】
触媒層32は、基板31の表面上に設けられている。触媒層32は、例えば、鉄、ニッケル及びコバルトなどの金属からなる。
【0055】
基板31と触媒層32との間には、下地層が介在していてもよい。下地層は、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、又は酸化シリコンからなる。
【0056】
カーボンナノチューブアレイ120は、多数のカーボンナノチューブ1200の集合体である。これらカーボンナノチューブ1200は、触媒層32上で、触媒層32の表面である支持面から、この面に対して略垂直に伸びている。なお、用語「カーボンナノチューブアレイ」は、用語「カーボンナノチューブフォレスト」と同義である。
【0057】
カーボンナノチューブ1200は、シングルウォールナノチューブであってもよく、マルチウォールナノチューブであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。また、カーボンナノチューブ1200は、アームチェアチューブ、ジグザグチューブ、カイラルチューブ、及びそれらの2以上の組み合わせの何れであってもよい。
【0058】
カーボンナノチューブ1200の長さは、例えば、0.1mm乃至5mmの範囲内にある。なお、
図3におけるカーボンナノチューブ1200の長さと径との比は、実際の比よりも遥かに小さい。
【0059】
カーボンナノチューブアレイ120は、例えば、スーパーグロースCVD(水分添加CVD)などのCVD(Chemical Vapor Deposition)によって製造することができる。
【0060】
次に、
図4に示すように、カーボンナノチューブアレイ120の端面から、カーボンナノチューブ1200をウェブ状に引き出す。径方向に隣り合ったカーボンナノチューブ1200には、ファンデルワールス力が作用する。それ故、例えば、カーボンナノチューブアレイ120の端面又はその一部を把持し、これをカーボンナノチューブアレイ120から遠ざかる方向へ引っ張ると、カーボンナノチューブ1200が次々にカーボンナノチューブアレイ120から引き出される。従って、接着剤等を使用することなしに、カーボンナノチューブウェブ121が得られる。
【0061】
なお、このようにして得られるカーボンナノチューブウェブ121は、それ自体を単独で取り扱うことが可能な自立膜である。また、このカーボンナノチューブウェブ121では、カーボンナノチューブ1200の多くは、それらを引き出した方向に伸びた形状を有している。
【0062】
その後、複数のカーボンナノチューブウェブ121を、それらが含んでいるカーボンナノチューブ1200の長さ方向が交差するように重ね合わせる。そして、この積層体をプレスする。このプレスは、積層体の全体に対して行ってもよく、1以上の部分に対してのみ行ってもよい。また、プレスは行わなくてもよい。
【0063】
以上のようにして、カーボンナノチューブ膜を得る。このようにして得られるカーボンナノチューブ膜は、上記のペリクル膜12として使用可能である。
【0064】
このペリクル膜12は、透過率の面内均一性に優れている。これについて、以下に説明する。
【0065】
カーボンナノチューブ膜は、例えば、カーボンナノチューブの分散液から塗膜を形成し、この塗膜から分散媒を除去することによって得ることも可能である。しかしながら、このような方法によると、分散媒を除去する過程でカーボンナノチューブの凝集を生じ得る。それ故、この方法で得られるカーボンナノチューブ膜では、カーボンナノチューブが高密度に存在している部分と、カーボンナノチューブが低密度に存在している部分とを生じ易い。
【0066】
また、カーボンナノチューブの分散液から得られるカーボンナノチューブ膜では、カーボンナノチューブの多くは湾曲及び/又は屈曲した形状を有している。それ故、この方法で得られるカーボンナノチューブ膜は、カーボンナノチューブが交差した部分を数多く含む。EUV光の吸収は交差したそれぞれのカーボンナノチューブによっておこり、交差するカーボンナノチューブの数が多くなるほど吸収されるEUV光の量は多くなる。そのためカーボンナノチューブが交差した部分と、カーボンナノチューブが交差していない部分とでは、吸収されるEUV光の量が異なることが考えられる。また、これら交差部は、均一に分布している訳ではなく、不均一に分布している。
【0067】
従って、カーボンナノチューブの分散液から得られるカーボンナノチューブ膜は、透過率の面内均一性が不十分である。
【0068】
これに対し、上記のカーボンナノチューブウェブ121では、カーボンナノチューブ1200の多くは、それらを引き出した方向に伸びた形状を有している。即ち、カーボンナノチューブ1200は、一方向に各々が伸び、径方向に配列している。
【0069】
このような構造は、カーボンナノチューブの分散液を使用して得ることはできず、
図4を参照しながら説明した方法によって得られるものである。それ故、このカーボンナノチューブウェブ121では、カーボンナノチューブ1200は均一に分布している。また、このカーボンナノチューブウェブ121では、カーボンナノチューブ1200が交差した部分は多くはない。それ故、カーボンナノチューブウェブ121を、それらが含んでいるカーボンナノチューブ1200の長さ方向が交差するように重ね合わせると、カーボンナノチューブ1200の交差部を均一に分布させることができる。
従って、このペリクル膜12は、透過率の面内均一性に優れている。
【0070】
このペリクル膜12には、様々な変形が可能である。
図5は、カーボンナノチューブアレイの一変形例を概略的に示す斜視図である。
図6は、
図5のカーボンナノチューブアレイを用いて得られるカーボンナノチューブウェブの一例を概略的に示す平面図である。
【0071】
図5のカーボンナノチューブアレイ120は、複数の孔又は凹み120Hが設けられていること以外は、
図3を参照しながら説明したカーボンナノチューブアレイ120と同様である。
【0072】
孔又は凹み120Hは、例えば、貫通孔である。この場合、孔又は凹み120Hを有するカーボンナノチューブアレイ120は、例えば、
図3を参照しながら説明した触媒層32を、孔又は凹み120Hに対応した位置で開口させておくことにより得られる。
【0073】
或いは、孔又は凹み120Hは、止まり孔、即ち、カーボンナノチューブアレイ120の表面に設けられ、底面が複数のカーボンナノチューブ1200の先端で構成された凹みである。この場合、孔又は凹み120Hを有するカーボンナノチューブアレイ120は、例えば、
図4に示すカーボンナノチューブアレイ120を製造し、その上に、孔又は凹み120Hに対応した位置で開口したマスク層を形成し、その後、これら開口部の位置でカーボンナノチューブ1200をエッチングすることにより得られる。
【0074】
このようにして、孔又は凹み120Hを有するカーボンナノチューブアレイ120を準備し、次いで、これを使用すること以外は、
図4を参照しながら説明したのと同様の方法により、カーボンナノチューブウェブ121を得る。カーボンナノチューブアレイ120には孔又は凹み120Hが設けられているので、このようにして得られるカーボンナノチューブウェブ121は、
図6に示すように、複数の孔121Hを有している。これら孔121Hの最大径は、100nm以下であることが好ましい。
【0075】
これら孔121Hは、カーボンナノチューブアレイ120に設ける孔又は凹み120Hの位置及び寸法並びにカーボンナノチューブウェブ121を引き出す速度等を適宜設定することにより、任意の位置に任意の寸法で形成することができる。従って、これら孔121Hが設けられたカーボンナノチューブウェブ121をペリクル膜12において使用すると、例えば、フォトマスク2を使用したパターニングへ悪影響を及ぼすことなしに、ペリクル膜12の透過率を高めることができる。
【0076】
なお、孔121Hが設けられたカーボンナノチューブウェブ121をペリクル膜12において使用した場合、ペリクル膜12を厚くしても、孔121Hが設けられたカーボンナノチューブウェブを使用した場合と同等の透過率を達成することができる。孔121Hが設けられたカーボンナノチューブウェブ121をペリクル膜12において使用する場合、ペリクル膜12の厚さは、1000nm以下であることが好ましい。
【0077】
以上、複数のカーボンナノチューブウェブを積層してなる構造について説明したが、ペリクル膜12には、他の構造を採用することも可能である。
【0078】
図7は、
図1のペリクルに使用可能なペリクル膜の他の例を概略的に示す平面図である。
図8は、
図7のペリクル膜に使用可能なカーボンナノチューブ糸の一例を概略的に示す図である。
【0079】
図7に示すペリクル膜12は、第1方向D1に各々が伸びた複数の第1カーボンナノチューブ糸122aと、第1方向D1と交差する第2方向D2に各々が伸びた複数の第2カーボンナノチューブ糸122bとを含んでいる。第1カーボンナノチューブ糸122aと第2カーボンナノチューブ糸122bとは、織布を形成している。織布は、平織りされていてもよく、綾織りされていてもよく、朱子織りされていてもよい。
【0080】
第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの各々は、例えば、
図8に示すカーボンナノチューブ糸122と同様の構造を有している。
図8に示すカーボンナノチューブ糸122は、カーボンナノチューブ糸122の長さ方向に各々が伸びた複数のカーボンナノチューブ1200を含んでいる。
【0081】
このペリクル膜12の厚さは、500nm以下であることが好ましい。ペリクル膜12を厚くすると、露光光、ここではEUV光に対する透過率が低下する。このペリクル膜12の厚さは、10nm以上であることが好ましい。ペリクル膜12を薄くすると、その機械的強度が低下するとともに、ペリクル膜12を埃等が透過する可能性が高まる。
【0082】
第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの各々の太さは、100nm以下であることが好ましい。これらの太さを大きくすると、ペリクル膜12が厚くなる。第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの各々の太さは、1nm以上であることが好ましい。これらの太さを小さくすると、それらの機械的強度が低下するとともに、織布の生産性が低下する。
【0083】
ペリクル膜12は、径が30nm超の埃等を透過させないことが好ましい。即ち、第1カーボンナノチューブ糸122aの隣り合ったものの距離及び第2カーボンナノチューブ糸122bの隣り合ったものの最大距離は、100nm以下であることが好ましい。なお、第1カーボンナノチューブ糸122aの隣り合ったものの距離及び第2カーボンナノチューブ糸122bの隣り合ったものの最大距離が100nmの場合、径が30nmの埃等が透過する可能性があるが、
図7を参照しながら説明したペリクル膜12と同様の構造を有するカーボンナノチューブ層を複数重ね、これをペリクル膜とすることで、透過させないようにすることができる。
【0084】
このペリクル膜12は、例えば、以下の方法により製造する。
図9は、カーボンナノチューブ糸の製造方法の一例を概略的に示す斜視図である。
先ず、
図3を参照しながら説明したのと同様の方法により、
図9に示すカーボンナノチューブアレイ120を準備する。
【0085】
次に、
図9に示すように、カーボンナノチューブアレイ120の端面から、カーボンナノチューブ1200を糸状に引き出す。径方向に隣り合ったカーボンナノチューブ1200には、ファンデルワールス力が作用する。それ故、例えば、カーボンナノチューブアレイ120の端面又はその一部を把持し、これをカーボンナノチューブアレイ120から遠ざかる方向へ引っ張ると、カーボンナノチューブ1200が次々にカーボンナノチューブアレイ120から引き出される。従って、接着剤等を使用することなしに、カーボンナノチューブ糸122が得られる。
【0086】
なお、カーボンナノチューブ糸122は、撚ってもよく、
図8に示すように撚らなくてもよい。撚らない場合、このカーボンナノチューブ糸122では、カーボンナノチューブ1200の多くは、それらを引き出した方向に伸びた形状を有している。
【0087】
その後、カーボンナノチューブ糸122を用いて織布を形成する。そして、この織布をプレスする。このプレスは、織布の全体に対して行ってもよく、1以上の部分に対してのみ行ってもよい。また、プレスは行わなくてもよい。
【0088】
以上のようにして、カーボンナノチューブ膜を得る。このようにして得られるカーボンナノチューブ膜は、上記のペリクル膜12として使用可能である。
【0089】
このカーボンナノチューブウェブ121では、カーボンナノチューブ1200で第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bを形成し、それらで織布を形成している。第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの各々の太さは高い精度で制御でき、第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの配置も高い精度で制御できる。それ故、カーボンナノチューブ1200やそれらの交差部を均一に分布させることができる。従って、このペリクル膜12も、透過率の面内均一性に優れている。
【0090】
このペリクル膜12には、様々な変形が可能である。
図10は、一変形例に係るカーボンナノチューブ糸を概略的に示す図である。
【0091】
図8を参照しながら説明したカーボンナノチューブ糸122は、その長さ方向に沿って径がほぼ一定である。これに対し、
図10に示すカーボンナノチューブ糸122は、その長さ方向に沿って径が変化している。この点を除き、
図10に示すカーボンナノチューブ糸122は、
図8を参照しながら説明したカーボンナノチューブ糸122と同様である。このカーボンナノチューブ糸122は、例えば、
図5を参照しながら説明したカーボンナノチューブアレイ120を使用すること以外は、
図9を参照しながら説明したのと同様の方法により製造することができる。
【0092】
孔又は凹み120Hの配置及び寸法並びにカーボンナノチューブウェブ121を引き出す速度等を適宜設定することにより、カーボンナノチューブ糸122の最大径及び最小径並びにそれらのピッチ等を制御することができる。また、織布におけるカーボンナノチューブ糸122の大径部や小径部の位置も高い精度で制御することができる。従って、このカーボンナノチューブ糸122をペリクル膜12において使用すると、例えば、ペリクル膜12の透過率やその面内均一性を調節することができる。
【0093】
ペリクル膜12は、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ糸、カーボンナノチューブウェブ、カーボンナノチューブ糸からなる織布、又はそれらの2以上を被覆した被覆層を更に含むことができる。被覆層を設けると、埃等の透過をより生じ難くすることができる。
【0094】
例えば、
図2を参照しながら説明したペリクル膜12は、第1カーボンナノチューブウェブ121a及び第2カーボンナノチューブウェブ121bの少なくとも一方を被覆した1以上の被覆層を更に含んでいてもよい。この場合、被覆層は、例えば、第1カーボンナノチューブウェブ121a及び第2カーボンナノチューブウェブ121bを重ね合わせる前に、それらウェブの少なくとも一方に設ける。被覆層は、第1カーボンナノチューブウェブ121a及び第2カーボンナノチューブウェブ121bを重ね合わせた後に、それらウェブの少なくとも一方に設けてもよい。特に、
図6を参照しながら説明したように、孔121Hを設けたカーボンナノチューブウェブ121をペリクル膜12において使用する場合、被覆層を設けることにより、高い透過率を達成することと、埃等の透過を生じ難くすることとの両立が容易になる。
【0095】
或いは、
図4を参照しながら説明したペリクル膜12は、第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの少なくとも一方を被覆した1以上の被覆層を更に含んでいてもよく、第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bが形成している織布を被覆した1以上の被覆層を更に含んでいてもよい。前者の場合、被覆層は、例えば、織布を形成する前に、第1カーボンナノチューブ糸122a及び第2カーボンナノチューブ糸122bの少なくとも一方に設ける。これらの場合も、高い透過率を達成することと、埃等の透過を生じ難くすることとの両立が容易になる。
【0096】
被覆層は、例えば、金属又は半導体からなる。一例によれば、被覆層は、珪素、モリブデン、ルテニウム、ホウ素、窒素、ゲルマニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる1以上の元素を含む。他の例によれば、被覆層は、ホウ素、炭化ホウ素、窒化ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、炭化ケイ素、窒化チタン、アモルファスカーボン、グラフェン、又はそれらの2以上の組み合わせを含む。
【0097】
なお、ここで説明したカーボンナノチューブウェブ、カーボンナノチューブ糸、及びカーボンナノチューブ膜は、ペリクル以外の用途に使用してもよい。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
第1方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第1カーボンナノチューブと、
前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第2カーボンナノチューブと
を含んだペリクル膜。
[2]
前記複数の第1カーボンナノチューブは第1カーボンナノチューブウェブを形成し、前記複数の第2カーボンナノチューブは、前記第1カーボンナノチューブウェブと重なり合った第2カーボンナノチューブウェブを形成している項1に記載のペリクル膜。
[3]
前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブの少なくとも一方に複数の孔が設けられた項2に記載のペリクル膜。
[4]
前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブのうち、少なくとも前記複数の孔が設けられたものを被覆した1以上の被覆層を更に含んだ項3に記載のペリクル膜。
[5]
前記複数の孔の最大径は100nm以下である項3又は4に記載のペリクル膜。
[6]
前記複数の第1カーボンナノチューブは、複数のカーボンナノチューブから各々がなる複数の第1カーボンナノチューブ糸を形成し、前記複数の第2カーボンナノチューブは、複数のカーボンナノチューブから各々がなる複数の第2カーボンナノチューブ糸を形成し、前記複数の第1カーボンナノチューブ糸と前記複数の第2カーボンナノチューブ糸とは織布を形成している項1に記載のペリクル膜。
[7]
複数の第1カーボンナノチューブから各々がなり、第1方向に各々が伸びた複数の第1カーボンナノチューブ糸と、
複数の第2カーボンナノチューブから各々がなり、前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸びた複数の第2カーボンナノチューブ糸と
を備え、
前記複数の第1カーボンナノチューブ糸と前記複数の第2カーボンナノチューブ糸とは織布を形成しているペリクル膜。
[8]
前記複数の第1カーボンナノチューブ糸の隣り合ったものの距離及び前記複数の第2カーボンナノチューブ糸の隣り合ったものの最大距離は100nm以下である項6又は7に記載のペリクル膜。
[9]
前記複数の第1カーボンナノチューブ糸及び前記複数の第2カーボンナノチューブ糸の1以上は、長さ方向に沿って径が変化している項6乃至8の何れか1項に記載のペリクル膜。
[10]
厚さが500nm以下である項1乃至9の何れか1項に記載のペリクル膜。
[11]
項1乃至10の何れか1項に記載のペリクル膜と、
前記ペリクル膜を支持したフレームと
を備えたペリクル。
[12]
一方向に各々が伸び、径方向に配列した複数のカーボンナノチューブを含み、複数の孔が設けられたカーボンナノチューブウェブ。
[13]
第1方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第1カーボンナノチューブを含んだ第1カーボンナノチューブウェブと、
前記第1方向と交差する第2方向に各々が伸び、径方向に配列した複数の第2カーボンナノチューブを含んだ第2カーボンナノチューブウェブと
を備え、
前記第1カーボンナノチューブウェブ及び前記第2カーボンナノチューブウェブの少なくとも一方は、複数の孔が設けられたカーボンナノチューブ膜。
[14]
複数のカーボンナノチューブからなり、長さ方向に沿って径が変化しているカーボンナノチューブ糸。
[15]
支持面から各々が伸びた複数のカーボンナノチューブからなり、1以上の孔又は凹みを有しているカーボンナノチューブアレイを準備することと、
前記カーボンナノチューブアレイの端面からカーボンナノチューブをウェブ状に引き出すことと
を含むカーボンナノチューブウェブの製造方法。
[16]
支持面から各々が伸びた複数のカーボンナノチューブからなり、1以上の孔又は凹みを有しているカーボンナノチューブアレイを準備することと、
前記カーボンナノチューブアレイの端面からカーボンナノチューブを糸状に引き出すことと
を含むカーボンナノチューブ糸の製造方法。
【符号の説明】
【0098】
1…ペリクル、2…フォトマスク、11…フレーム、12…ペリクル膜、21…基板、22…多層反射膜、22a…反射層、22b…反射層、23…キャッピング膜、24…吸収層、31…基板、32…触媒層、120…カーボンナノチューブアレイ、120H…孔又は凹み、121…カーボンナノチューブウェブ、121a…第1カーボンナノチューブウェブ、121b…第2カーボンナノチューブウェブ、121H…孔、122…カーボンナノチューブ糸、122a…第1カーボンナノチューブ糸、122b…第2カーボンナノチューブ糸、1200…カーボンナノチューブ、1200a…第1カーボンナノチューブ、1200b…第2カーボンナノチューブ、D1…第1方向、D2…第2方向。