(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
G01L 19/00 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
G01L19/00 Z
(21)【出願番号】P 2019212273
(22)【出願日】2019-11-25
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【氏名又は名称】井上 彰文
(72)【発明者】
【氏名】宮城 勝
(72)【発明者】
【氏名】大原 健治
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-017588(JP,A)
【文献】国際公開第2013/147253(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/021278(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が通過可能な流路を有するボディに設置して用いられるセンサユニットであって、
端子を有し、前記流路を通過する前記流体の圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサを前記ボディに対して押し付ける板状のブラケットと、
前記圧力センサの前記端子に電気接続されるバスバーとを備え、
前記ブラケットは、厚さ方向に貫通し、前記圧力センサが取り付けられるセンサ用孔と、前記センサ用孔を介して配置され、厚さ方向に貫通し、ボルトが挿入される2つのボルト用孔と、前記センサ用孔の縁部に沿って配置され、少なくとも一方の面から厚さ方向に突出するリブとを有
し、
前記リブは、互いに離間して配置された複数の突片を含むことを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
前記リブは、1つの環状部を含む請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記ブラケットは、長尺状をなし、その長手方向の中心線を介して非対称である請求項1~
2のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記センサ用孔を介した長手方向の両側に、その平面視で直線形状をなすストレート部を有する請求項
3に記載のセンサユニット。
【請求項5】
さらに、前記センサ用孔を介して配置され、前記ブラケットを前記ボディに対して位置決する2つの位置決め部を有し、
前記2つの位置決め部の中心同士を結ぶ仮想線と前記2つのボルト用孔の中心同士を結ぶ仮想線との交点は、前記センサ用孔の内側に位置する請求項1~
4のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記位置決め部は、前記2つのボルト用孔の間に配置される請求項
5に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記バスバーは、その長さ方向の一端部が前記ブラケットの前記センサ用孔から露出している請求項1~
6のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記ブラケットの厚さ方向と前記バスバーの長さ方向とが直交している請求項1~
7のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項9】
さらに、前記バスバーを支持するとともに、前記ブラケットに固定するケースを備える請求項1~
8のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記圧力センサは、さらに、前記端子の軸と直交する方向に突出するフランジ部を有し、
前記圧力センサを前記センサ用孔に取り付けた状態で、前記リブが前記フランジ部に接触する請求項1~
9のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車等の車両に搭載され、油圧の制御を行う油圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の油圧制御装置は、オイルが流れる油路を有する油路ボディと、油路内を流れるオイルの圧力を計測する油圧センサと、ボルトを介して油圧センサを油路ボディに押し付けて固定する固定部材とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の油圧制御装置では、固定部材の変形により、圧力センサをボディに対して均一かつ安定して押し付けることができないという問題があった。圧力センサをボディに対して均一かつ安定して押し付けることができない場合、圧力センサで計測される圧力が不正確となるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、圧力センサをボディに対して均一かつ安定して押し付けることができるセンサユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のセンサユニットの一つの態様は、流体が通過可能な流路を有するボディに設置して用いられるセンサユニットであって、端子を有し、前記流路を通過する前記流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサを前記ボディに対して押し付ける板状のブラケットと、前記圧力センサの前記端子に電気接続されるバスバーとを備え、前記ブラケットは、厚さ方向に貫通し、前記圧力センサが取り付けられるセンサ用孔と、前記センサ用孔を介して配置され、厚さ方向に貫通し、ボルトが挿入される2つのボルト用孔と、前記センサ用孔の縁部に沿って配置され、少なくとも一方の面から厚さ方向に突出するリブとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセンサユニットの一つの態様によれば、ブラケットの圧力センサと接触する部分の剛性を高め、変形を防止または抑制して、圧力センサをボディに対して均一かつ安定して押し付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のセンサユニットの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すセンサユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すセンサユニットが備えるブラケットの平面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示すブラケットに圧力センサを取り付けた状態の側面図である。
【
図6】
図6は、異なる構成のリブを有するブラケットの平面図である。
【
図7】
図7は、異なる位置にリブを有するブラケットに圧力センサを取り付けた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図7を参照して、本発明のセンサユニットの実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸を設定する。一例として、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。本明細書中において、上下方向、水平方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0010】
図1に示すように、圧力制御装置100は、ボディ20と、ボディ20に設置されたセンサユニット1とを備える。圧力制御装置100は、例えば自動車等の車両に搭載され、油圧の制御を行う油圧制御装置として用いられる。
図3に示すように、ボディ20は、流体Qが通過可能な流路201を内部に有する。ボディ20は、例えば、複数枚の板状の部材が重なって組み立てられた組立体で構成される。なお、流体Qとしては、特に限定されず、例えば、圧力制御装置100が自動車用の油圧制御装置として用いられる場合、トランスミッションオイルとすることができる。
【0011】
センサユニット1は、ボディ20の上部に設置して用いられる。センサユニット1は、圧力センサ2と、バスバー6と、ケース5と、キャップ8と、ブラケット3と、位置決め部4とを備える。以下、各部の構成について説明する。
圧力センサ2は、流路201を通過する流体Qの圧力を検出する。圧力センサ2は、回路基板(図示せず)が内蔵されたセンサ本体23と、センサ本体23の上部に突出した3本の端子21と、センサ本体23の下部に設置された圧力検出素子24とを有する。
【0012】
センサ本体23は、外形形状が円柱状または円盤状をなす部分である。センサ本体23の外周部には、周方向に沿ったリング状のフランジ部22が設けられている。本実施形態では、フランジ部22は、端子21の軸と直交する方向、すなわち、XY平面と平行な方向に突出した状態となる。
各端子21は、Z軸方向に向かって突出しており、センサ本体23の内部で前記回路基板と電気接続されている。
【0013】
圧力検出素子24は、例えば歪ゲージを有し、流体Qから作用する力によって、歪ゲージの抵抗値が変化するよう構成される。そして、前記回路基板は、圧力検出素子24での抵抗値を、流体Qの圧力値として変換することができる。
図3に示すように、本実施形態では、ボディ20は、XY平面と平行な流路201につながる側孔202がZ軸方向に沿って設けられている。流路201を通過した流体Qは、側孔202に入り込んで、圧力検出素子24を押圧することができる。このとき、圧力検出素子24は、流体Qから力を受けて、前記のように流体Qの圧力値が検出される。
【0014】
また、圧力センサ2とボディ20との間には、リング状のパッキン203が側孔202と同心状に配置されている。これにより、流体Qが圧力センサ2とボディ20との間から漏出するのを防止することができる。パッキン203は、弾性を有し、圧力センサ2とボディ20との間で圧縮状態となっているのが好ましい。これにより、圧力センサ2とボディ20との間の液密性が高まり、流体Qの漏出防止に寄与する。
【0015】
圧力センサ2に対してボディ20と反対側、すなわち、圧力センサ2の上側には、バスバー6が配置される。バスバー6は、線状をなし、導電性を有する金属材料で構成される。バスバー6は、圧力センサ2の各端子21に電気接続されており、
図2に示すように、電流供給用バスバー6Aと、接地用バスバー6Bと、出力用バスバー6Cとを含む。電流供給用バスバー6Aは、圧力センサ2への電流供給に用いられる。接地用バスバー6Bは、圧力センサ2の接地に用いられる。出力用バスバー6Cは、圧力センサ2の出力に用いられる。電流供給用バスバー6Aと、接地用バスバー6Bと、出力用バスバー6Cとは、XY平面と平行な一方向に間隔を置いて配置されている。
【0016】
また、バスバー6には、外部コネクタ(図示せず)が電気接続される。そして、バスバー6と外部コネクタとが電気接続された状態では、電流供給用バスバー6Aを介して、外部からの電流が圧力センサ2に供給される。また、接地用バスバー6Bを介して、圧力センサ2が外部に接地される。また、出力用バスバー6Cを介して、圧力センサ2の出力が外部に送信される。
【0017】
バスバー6は、長さ方向の途中で屈曲または湾曲しており、一端部64および他端部65のうちの他端部65がX軸方向に沿う。このように、バスバー6は、その長さ方向の一端側をブラケット3の短手方向とし、他端側をブラケット3の長手方向として屈曲または湾曲する形状をなしている。これにより、センサユニット1を、少なくとも面方向において、小型化することができる。
【0018】
バスバー6は、ケース5の内側で、支持、固定されている。これにより、バスバー6の不本意な変形を防止するとともに、バスバー6を圧力センサ2の各端子21に対して、より正確に電気接続することができる。
図1、
図2に示すように、ケース5は、長尺状をなすブラケット3の長手方向の途中に配置されている。なお、後述するように、ブラケット3は、圧力センサ2をボディ20に対して押し付ける部材である。また、ケース5は、ブラケット3に固定される固定部50を有する。これにより、ケース5がブラケット3から離脱するのを防止することができ、よって、バスバー6と圧力センサ2との位置関係を維持する、すなわち、バスバー6と圧力センサ2との電気接続を維持することができる。
【0019】
固定部50は、当該固定部50をZ軸方向に貫通する中空部51を有する。中空部51内では、バスバー6の長さ方向の一端部64が露出する。中空部51の下方には、圧力センサ2の一部が収納され、すなわち、各端子21が露出する。これにより、圧力センサ2の各端子21と、当該各端子21に電気接続されるバスバー6の一端部64とを保護することができ、バスバー6と圧力センサ2とのより確実な電気接続が可能となる。
【0020】
また、ケース5は、固定部50から連続して延びるコネクタ部52を有する。コネクタ部52は、前記外部コネクタがX軸方向負側から挿入される凹部521を備える。凹部521内では、バスバー6の長さ方向の他端部65が露出する。これにより、簡単な構成で、前記外部コネクタとの電気接続が可能となる。
ケース5は、樹脂製であるのが好ましい。これにより、センサユニット1全体の軽量化を図ることができる。なお、ケース5を構成する樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルを用いることができる。
【0021】
ケース5の固定部50には、キャップ8が着脱自在に装着される。キャップ8は、板部81と、板部81から厚さ方向下側、すなわち、Z軸方向負側に突出する突出部82と、板部81の縁部に沿って厚さ方向下側に突出する側壁部83とを有する。
板部81は、キャップ8がケース5の固定部50に装着された状態(以下「装着状態」と言う)で、固定部50の中空部51を上側から覆うことができる。これにより、中空部51内に、例えば塵や埃の異物等が入り込むことによる、端子21同士間のショートや、圧力センサ2の誤作動を防止することができる。
【0022】
また、中空部51内において、キャップ8の板部81と、バスバー6の一端部64とは離間している、すなわち、非接触状態となっている。これにより、例えば、流路201を通過する流体Qの圧力変動により圧力センサ2がZ軸方向に若干移動しても、これに追従して、バスバー6の一端部64が変形することができる。その際、板部81は、一端部64から離間しているため、一端部64の変形を許容することができる。これにより、バスバー6と各端子21との電気接続の状態を好適に維持することができる。
【0023】
突出部82は、弾性変形可能な弾性片で構成されている。そして、装着状態で、突出部82が固定部50の外壁部に接触することにより、キャップ8が固定部50に固定される。これにより、キャップ8の固定部50からの離脱をより確実に防止することができ、よって、中空部51内が不本意に露出するのを防止して、中空部51内を確実に保護することができる。
【0024】
また、弾性片で構成された突出部82には、厚さ方向に貫通する貫通孔821が設けられている。貫通孔821は、固定部50の外壁部に突出して設けられた爪501に引っ掛かることができる。貫通孔821の爪501との引っ掛かりと、突出部82の固定部50との接触との相乗効果により、キャップ8の固定部50からの離脱をさらに確実に防止することができる。なお、爪501は、突出量が下方に向かって漸増し、X軸方向から見たときの形状が楔状をなすのが好ましい。
【0025】
側壁部83は、装着状態で固定部50の外壁部(外周側)に接触する。これにより、側壁部83の分、キャップ8の固定部50に対する固定力がより大きくなり、よって、キャップ8の固定部50からの離脱をさらに確実に防止することができる。
また、側壁部83により、キャップ8の固定部50を覆う面積が増大して、中空部51内への異物の侵入をより確実に防止することができる。
なお、側壁部83の下方への突出量は、本実施形態では突出部82の下方への突出量よりも小さいが、これに限定されず、例えば、突出部82の下方への突出量と同じであってもよいし、突出部82の下方への突出量よりも大きくてもよい。
【0026】
キャップ8も、ケース5と同様に、樹脂製であるのが好ましい。これにより、ケース5とともに、センサユニット1全体の軽量化を図ることができる。なお、キャップ8を構成する樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、ケース5と同じ樹脂材料を用いることができる。
【0027】
図1~
図3に示すように、圧力センサ2の上側には、ブラケット3が配置されている。ブラケット3は、X軸方向に沿った長尺状な板部材で構成されている。ブラケット3は、厚さ方向がZ軸方向と平行となる姿勢で、圧力センサ2を下側に向かって、すなわち、ボディ20に対して押し付けることができる。
図4に示すように、ブラケット3は、センサ用孔31と、2つのボルト用孔32と、リブ34とを有する。
【0028】
センサ用孔31は、Z軸方向に貫通し、圧力センサ2が下側から挿入されて取り付けられる円形の孔である。また、センサ用孔31の縁部には、
図5に示すように、圧力センサ2のフランジ部22が当接する。そして、
図3に示すように、ブラケット3は、ボルト30を介して、ボディ20に固定されれば、圧力センサ2をボディ20に対して押し付けることができる。これにより、圧力センサ2の圧力検出素子24が流体Qから力を受けることができる。
【0029】
また、センサ用孔31からは、バスバー6の一端部64が露出している。これにより、バスバー6を圧力センサ2の各端子21に電気接続する際、上側から中空部51を介して、バスバー6および各端子21を一括して視認することができ、よって、電気接続作業をより簡単に行うことができる。
【0030】
2つのボルト用孔32は、センサ用孔31を介して、X軸方向両側に配置されている。各ボルト用孔32は、Z軸方向に貫通し、ボルト30が上側から挿入される円形の孔である。
図3に示すように、各ボルト用孔32に挿入されたボルト30は、雄ねじ301が、ボディ20に設けられた雌ねじ204に締結される。これにより、ブラケット3をボディ20に固定することができる。なお、ボルト用孔32の配置数は、本実施形態では2つであるが、これに限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。また、ボルト30は、ねじの呼びがM5以上M10以下であるのが好ましく、M6以上M8以下であるのがより好ましい。
【0031】
なお、ブラケット3の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼等の金属材料、ケース5と同じ樹脂材料等を用いることができる。
また、センサユニット1では、ブラケット3、バスバー6およびケース5は、インサート成形による一体成形品であるのが好ましい。これにより、センサユニット1を簡便に製造することができる。
【0032】
図4に示すように、ブラケット3は、長尺状をなし、その長手方向の中心線を介して非対称(中心線に関して非線対称)の外形形状である。これにより、ブラケット3を表裏反転して用いるのを防止することができる。ここで、「中心線O3」とは、センサ用孔31の中心O31を通るX軸方向と平行な線のことである。
また、ブラケット3は、センサ用孔31を介した長手方向の両側に、その平面視で直線形状をなすストレート部30A、30Bを有している。かかるストレート部30A、30Bを設けることにより、ブラケット3による押圧力を圧力センサ2により均一に付与することができる。また、ブラケット3の寸法管理がし易くなるという利点もある。
【0033】
また、
図2に示すように、ブラケット3の厚さ方向とバスバー6の長さ方向とが直交している。これにより、例えばブラケット3の厚さ方向とバスバー6の長さ方向とが同じ方向となる構成に比べて、センサユニット1を小型化、特に、高さ方向へ小型化することができる。
【0034】
位置決め部4は、ブラケット3をボディ20に対して、XY平面方向、X軸回り、Y軸回りおよび圧力センサ2回り(Z軸回り)の方向とに位置決めする部分である。
例えば位置決め部4が省略されている場合、センサユニット1を組み立てる組立作業者等の技量によって、ボディ20に対するブラケット3の位置や姿勢が変わってしまうおそれがある。ボディ20に対するブラケット3の位置や姿勢が組立作業者によって変わってしまうと、ブラケット3が正確に位置決めされず、ブラケット3で圧力センサ2をボディ20に対して均一に押し付けることができないおそれがある。均一に押し付けられていない圧力センサ2では、計測される圧力が不正確となるおそれがある。
これに対し、センサユニット1では、位置決め部4により、ブラケット3がボディ20に対して正確に位置決めされることで、センサ用孔31の縁部が圧力センサ2のフランジ部22に対して位置ずれすることなく当接できるため、圧力センサ2をボディ20に対して均一に押し付けることができる。これにより、圧力センサ2で正確な計測を行うことができる。
【0035】
図1、
図2に示すように、本実施形態では、位置決め部4は、ブラケット3のZ軸方向に貫通する2つの位置決め孔33と、各位置決め孔333に圧入された位置決めピン41とを有する。これにより、位置決め部4を簡単な構成とすることができる。
図4に示すように、2つの位置決め孔33(位置決め部4)は、センサ用孔31を介して、X軸方向両側に配置される。すなわち、2つの位置決め孔33の間に、センサ用孔31が配置される。これにより、2つの位置決め孔33をできる限り離間させることができ、よって、ボディ20に対するブラケット3の位置決め精度が向上する。
【0036】
また、各位置決め孔33(位置決め部4)は、センサ用孔31の中心O31と各ボルト用孔32の中心O32とを結ぶ仮想線VL3-1から離れた位置、すなわち、仮想線VL3-1と交差しない位置に配置される。これにより、例えば、ブラケット3を表裏反転して用いるのを防止することができる。
【0037】
2つ位置決め孔33(位置決め部4)の中心O33同士を結ぶ仮想線VL3-2と、2つのボルト用孔32の中心O32同士を結ぶ仮想線VL3-3との交点O30は、センサ用孔31の内側(センサ用孔31の輪郭線上を含む)に位置する。これにより、圧力センサ2をボディ20に対して安定して、より均一に押し付けることができる。
【0038】
なお、位置決め部4は、2つの位置決め孔33を有するが、位置決め孔33の配置数については、2つに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上であってもよい。
また、各位置決め孔33の直径は、例えば、3mm以上8mm以下であるのが好ましく、5mm以上6mm以下であるのがより好ましい。
また、各位置決め孔33は、本実施形態ではブラケット3を貫通する貫通孔であるが、これに限定されず、ブラケット3の厚さ方向の途中までの非貫通孔であってもよい。
【0039】
各位置決め孔33には、位置決めピン41が圧入されている。これにより、各位置決めピン41は、下側に向かって突出した状態となる。そして、
図1に示すように、各位置決めピン41は、ボディ20に設けられた位置決め孔205に挿入され、はめ合わされる。これにより、ブラケット3をボディ20に対して、XY平面方向、X軸回り、Y軸回りおよび圧力センサ2回りの方向とに正確に位置決めすることができる。なお、位置決めピン41と位置決め孔205とのはめ合いは、「すきまばめ」が好ましい。
【0040】
なお、位置決め部4は、本実施形態では位置決め孔33および位置決めピン41を有する構成となっているが、これに限定されず、位置決めピン41が省略されていてもよい。位置決めピン41が省略されている場合、ボディ20には、位置決め孔33に挿入され、はめ合わされる位置決めピンが設けられている。
【0041】
また、位置決め部4は、本実施形態では位置決めピン41がブラケット3と別体で構成されているが、これに限定されず、位置決めピン41とブラケット3とが単一の部材となっていてもよい。
また、本実施形態では、位置決め部4は、2つのボルト用孔32の間に配置される。これにより、例えば、位置決め部4をセンサ用孔31に近づけて配置したい場合に有効な構成となる。
【0042】
リブ34は、センサ用孔31の縁部に沿って配置され、ブラケット3の上面から厚さ方向上側、すなわち、Z軸方向正側に突出している。かかるリブ34を設けることにより、ブラケット3の圧力センサ2と接触する部分の剛性を高め、変形を防止または抑制して、圧力センサ2をボディ20に対して均一かつ安定して押し付けることができる。
本実施形態のリブ34は、
図4に示すように、1つの環状部で構成されている。かかる構成によれば、ブラケット3の圧力センサ2と接触する部分の剛性をより高めることができる。よって、上記効果をより向上させることができる。
【0043】
リブ34は、
図6および
図7に示す構成とすることもできる。
図6に示すリブ34は、互いに離間して配置された複数(図示の構成では、8個)の突片341で構成されている。また、複数の突片341は、ほぼ等間隔で配置されている。かかる構成によれば、ブラケット3の圧力センサ2と接触する部分の剛性を十分に高めつつ、リブ34を設けることによるブラケット3の重量の増大を抑制することもできる。
なお、突片341の数は、8個に限定されず、7個以下であってもよく、9個以上であってもよいが、偶数個であるのが好ましい。
また、1つの環状部で構成される第1リブ34と、複数の突片341で構成される第2リブ34とを同心状に配置してもよい。
【0044】
図7に示すリブ34は、ブラケット3の下面から厚さ方向下側、すなわち、Z軸方向負側に突出している。そして、圧力センサ2をブラケット3のセンサ用孔31に取り付けた状態で、リブ34が圧力センサ2のフランジ部22に接触する。かかる構成によれば、上述したような効果に加えて、ブラケット3による圧力センサ2に対する押圧力を、リブ34を介してフランジ部22に集中させることができ、よって、圧力センサ2をボディ20に対して、より均一に押し付けることができる。
なお、リブ34は、ブラケット3の上面および下面の双方に配置するようにしてもよい。
【0045】
以上、本発明のセンサユニットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、センサユニットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0046】
また、ブラケット3は、2つの位置決め孔33(位置決め部4)の間に2つのボルト用孔32が配置されていてもよい。
また、ブラケット3は、ボルト用孔32と位置決め孔33(位置決め部4)とがブラケット3の長手方向に沿って交互に配置されていてもよい。
また、圧力センサ2の端子21と、バスバー6とは、例えば、レーザ溶接等により接合されていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
100…圧力制御装置、1…センサユニット、2…圧力センサ、21…端子、22…フランジ部、23…センサ本体、24…圧力検出素子、3…ブラケット、30A、30B…ストレート部、31…センサ用孔、32…ボルト用孔、33…位置決め孔、34…リブ、341…突片、4…位置決め部、41…位置決めピン、5…ケース、50…固定部、501…爪、51…中空部、52…コネクタ部、521…凹部、6…バスバー、6A…電流供給用バスバー、6B…接地用バスバー、6C…出力用バスバー、64…一端部、65…他端部、8…キャップ、81…板部、82…突出部、821…貫通孔、83…側壁部、20…ボディ、201…流路、202…側孔、204…雌ねじ、203…パッキン、30…ボルト、301…雄ねじ、O6…中心線、Q…流体、VL3-1…仮想線、VL3-2…仮想線、VL3-3…仮想線