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特許7434877電子機器、サーバ装置、データ管理システム、引継方法、引継管理方法、データ管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】電子機器、サーバ装置、データ管理システム、引継方法、引継管理方法、データ管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20240214BHJP
【FI】
H04L67/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019230590
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099620
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 瞭
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-217320(JP,A)
【文献】特開2012-221236(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0078575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
移行先処理を実行する
電子機器。
【請求項2】
前記移行先処理は、
前記他の機器に対して個体識別番号の送信を要求し、この要求に応じて前記他の機器から送信されてくる前記他の機器の第1個体識別番号を受信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にすることを指示する指示信号を前記他の機器に送信し、この指示信号の送信に応じて前記他の機器から送信されてくる前記応答信号を受信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記第1個体識別番号が登録済みであることを確認した前記サーバ装置から前記引継許可信号を受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
処理を含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、
自機が前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態であり、前記他の機器が前記第1データを用いた処理の実行が許可状態である状態で、前記引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、前記移行先処理を実行する
請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記移行先処理は、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記第2個体識別番号に対応する機器が前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態であり、前記第1個体識別番号に対応する機器が前記第1データを用いた処理の実行が許可状態であることを確認した前記サーバ装置から前記引継許可信号を受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、更に、
前記他の機器が前記第1データを用いた処理の実行が許可状態である状態で、
前記他の機器に対して個体識別番号の送信を要求する信号を送信し、
前記他の機器から前記他の機器の個体識別番号を受信した場合に、前記他の機器に対して前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にすることを指示する指示信号を送信する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、更に、
引継元として前記引継処理を実行することが指示された場合に、自機の個体識別番号を前記他の機器に送信し、自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にし、自機による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にとなったことを示す応答信号を前記他の機器に送信する、移行元処理を実行する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、更に、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、前記他の機器から自機へと排他的に移行させる処理を実行する第1モードと、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、自機から前記他の機器へと排他的に移行させる処理を実行する第2モードと、のうちのいずれかのモードを設定し、
前記設定されたモードに応じて前記移行先処理と前記移行元処理を選択的に実行する
求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1の通信手段は、ホスト側とクライアント側とが予め決められており、ホスト側からクライアント側へと電源を供給する機能を有するケーブルによる通信手段であり、
前記制御部は、更に、
前記ケーブルが接続された場合に、自機がホスト側に接続されているかクライアント側に接続されているかを判定し、ホスト側に接続されていると判定された場合には前記第1モードに設定し、クライアント側に接続されていると判定された場合には前記第2モードに設定する
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、更に、
自機がホスト側に接続されている場合に、クライアント側に接続されている他の機器を起動させる起動信号を送信する
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
外部から取得したデータを記憶するメモリを有し、
前記制御部は、更に、
前記メモリに記憶された前記第1データを用いた処理を実行し、
前記サーバ装置または前記他の機器から受信した前記第1データを前記メモリに記憶させ、
前記メモリに記憶された前記第1データを消去することで、前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態とする
請求項1ないし請求項9の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記許可状態と前記不許可状態は、前記第1データ以外の前記サーバ装置が提供可能な第2データを用いた処理の実行の許可状態と不許可状態も示し、
前記許可状態に設定されている場合には、前記サーバ装置から前記第2データを新たに受信することが許可されており、前記不許可状態に設定されている場合には、前記サーバ装置から前記第2データを新たに受信することが禁止されている
請求項1ないし請求項10の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である自機から引継先である前記他の機器へと排他的に移行させる引継処理を実行する場合に、
自機の個体識別番号を要求する要求信号を前記他の機器から受信したことに応じて、自機の第1個体識別番号を前記他の機器に送信し、
自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にすることを指示する指示信号を前記他の機器から受信したことに応じて、自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にするとともに、自機による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にとなったことを示す応答信号を前記他の機器に送信し、
前記第1データを提供するサーバ装置が前記引継処理の実行を許可し、かつ、前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が許可状態に設定されたことを示す引継完了信号を前記他の機器から受信したことに応じて、前記引継処理を終了する、
電子機器。
【請求項13】
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器との間で通信を行う通信手段と、
前記複数の機器に対して前記第1データを提供するとともに、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を更新する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
第1個体識別番号を引継元に指定するとともに第2個体識別番号を引継先に指定して、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元の機器から引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理の実行を要求する引継要求信号を、前記第2個体識別番号に対応する機器から受信した場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新する、
サーバ装置。
【請求項14】
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器と、前記複数の機器に対して前記第1データを提供するサーバ装置とが通信可能に接続されたデータ管理システムであって、
前記サーバ装置は、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を記憶し、
前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となっている機器を引継元とし、前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となっている機器を引継先として、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を前記引継元の機器から前記引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理を実行する場合に、
前記引継先の機器が前記引継元の機器から、前記引継元の機器の第1個体識別番号を受信し、
前記引継先の機器が前記サーバ装置に、前記受信した前記第1個体識別番号と前記引継先の機器の第2個体識別番号とを送信し、
前記サーバ装置が、前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新するとともに、前記引継先の機器に前記引継処理を許可することを示す許可信号を送信し、
前記引継元の機器が、前記引継先の機器からの指示に応じて、前記引継元の機器による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にし、
前記引継先の機器が、前記サーバ装置から前記許可信号を受信したことに応じて、前記引継先の機器による前記第1データを用いた処理の実行を許可状態にする、
データ管理システム。
【請求項15】
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備えた電子機器の前記制御部により、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
ようにした引継方法。
【請求項16】
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備えた電子機器の前記制御部に、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
移行先処理を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器との間で通信を行う通信手段と、
前記複数の機器に対して前記第1データを提供するとともに、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を更新する制御部と、
を備えたサーバ装置の前記制御部により、
第1個体識別番号を引継元に指定するとともに第2個体識別番号を引継先に指定して、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元の機器から引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理の実行を要求する引継要求信号を、前記第2個体識別番号に対応する機器から受信した場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新する、
ようにした引継管理方法。
【請求項18】
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器との間で通信を行う通信手段と、
前記複数の機器に対して前記第1データを提供するとともに、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を更新する制御部と、
を備えたサーバ装置の制御部に、
第1個体識別番号を引継元に指定するとともに第2個体識別番号を引継先に指定して、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元の機器から引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理の実行を要求する引継要求信号を、前記第2個体識別番号に対応する機器から受信した場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新する、
引継管理処理を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器と、前記複数の機器に対して前記第1データを提供するサーバ装置とが通信可能に接続されたデータ管理システムによるデータ管理方法であって、
前記サーバ装置は、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を記憶し、
前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となっている機器を引継元とし、前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となっている機器を引継先として、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を前記引継元の機器から前記引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理を実行する場合に、
前記引継先の機器が前記引継元の機器から、前記引継元の機器の第1個体識別番号を受信し、
前記引継先の機器が前記サーバ装置に、前記受信した前記第1個体識別番号と前記引継先の機器の第2個体識別番号とを送信し、
前記サーバ装置が、前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新するとともに、前記引継先の機器に前記引継処理を許可することを示す許可信号を送信し、
前記引継元の機器が、前記引継先の機器からの指示に応じて、前記引継元の機器による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にし、
前記引継先の機器が、前記サーバ装置から前記許可信号を受信したことに応じて、前記引継先の機器による前記第1データを用いた処理の実行を許可状態にする、
ようにしたデータ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のデジタルコンテンツ(コンテンツ)に基づき動作する電子辞書などの電子機器、サーバ装置、データ管理システム、引継方法、引継管理方法、データ管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電子辞書は、メモリに記憶されている辞書コンテンツのデータに基づいて、ユーザによって入力される任意の見出し語を検索し、当該見出し語に対応付けられた訳語などの説明情報を読み出して表示等により出力する。
【0003】
電子辞書は、その機種によって組み合わせが異なる複数種類の辞書コンテンツを標準で搭載(記憶)しているが、ユーザが、例えば第二外国語辞典のように、標準で搭載されていない種類の辞書コンテンツが必要になった場合、必要になった辞書コンテンツを、ネットワーク上のWebサイト(サーバ)にて購入し自身の電子辞書にダウンロードして使用することができる。
【0004】
ユーザが購入した各種のコンテンツ(購入した電子辞書に標準に搭載されたコンテンツも含む)は、新たな電子辞書を購入した場合でも、当該新たな電子辞書にダウンロードして使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-062227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一度しか購入されていないコンテンツが、複数の電子辞書に拡散されて使用されてしまうのを防ぐため、当該コンテンツの使用は、それを購入したユーザが持つ複数の電子辞書のうち一つの電子辞書のみでの排他的な使用が条件となっている。
【0007】
このため、新たな電子辞書を購入した場合、ユーザは、(1)旧い電子辞書をサーバに接続して同旧い電子辞書内のコンテンツを削除し、当該ユーザの旧い電子辞書内のコンテンツの削除がサーバによって確認された後に、(2)新たな電子辞書をサーバに接続してコンテンツをダウンロードする、という二重に手間の掛かる作業が必要になる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば新旧機器間でのコンテンツの引継ぎに要するユーザの作業負担を軽減することが可能になる電子機器、サーバ装置、データ管理システム、引継方法、引継管理方法、データ管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子機器は、
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、移行先処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の電子機器の実施形態に係るコンテンツ引継ぎシステムの構成を示す図。
図2】電子辞書10(10H/10C)の電子回路の構成を示すブロック図。
図3】電子辞書管理サーバ20の電子回路の構成を示すブロック図。
図4】電子辞書管理サーバ20の電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶された電子辞書管理データの一例を示す図。
図5】電子辞書10(10H/10C)の電子辞書プログラム12aに従った処理(その1)を示すフローチャート。
図6】電子辞書10(10H/10C)の電子辞書プログラム12aに従った処理(その2)を示すフローチャート。
図7】電子辞書管理サーバ20の管理サーバプログラム22aに従った処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の電子機器の実施形態に係るコンテンツ引継ぎシステムの構成を示す図である。
【0013】
本実施形態のコンテンツ引継ぎシステムでは、本発明の電子機器を電子辞書10とし、旧電子辞書10Cから新電子辞書10Hへのコンテンツの引継ぎを仮定して説明する。
【0014】
なお、本発明の電子機器は、電子辞書10に限らず、各種のコンテンツに基づき動作する機能を有するPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成され得る。
【0015】
コンテンツ引継ぎシステムは、旧電子辞書10C、新電子辞書10H、電子辞書管理サーバ20を備え、新電子辞書10HのUSB-OTG接続部(ホスト)18と旧電子辞書10CのUSB-OTG接続部(クライアント)19とを、USB-OTGケーブルUCを介して接続し、新電子辞書10Hを、Wi-Fi(登録商標)等のルータWRを介してネットワーク(クラウド)N上のWebサーバ(ここでは電子辞書管理サーバ)20に通信接続して構成する。
【0016】
このように構成したコンテンツ引継ぎシステムにおいて、電子辞書10(10H/10C)は、ホスト側の新電子辞書10Hを操作することにより、クライアント側の旧電子辞書10Cから新電子辞書10Hへのコンテンツの引継ぎを行なう機能を有する。また、ホスト側の新電子辞書10Hからクライアント側の旧電子辞書10Cに給電(電源を供給)する機能を有する。
【0017】
図2は、電子辞書10(10H/10C)の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0018】
電子辞書10の電子回路は、コンピュータであるCPU(プロセッサ)11を備える。
【0019】
CPU11は、フラッシュROMなどの記憶部(ストレージ)12に予め記憶された電子辞書プログラム12a、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体13から記録媒体読取部14により読み取られて記憶部12に記憶されたプログラム12a、あるいは通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)20から通信部15を介してダウンロードされ記憶部12に記憶されたプログラム12a、に従って回路各部の動作を制御する。
【0020】
CPU11には、データ及び制御バスを介して、記憶部12、記録媒体読取部14、通信部15を接続するほか、キー入力部16、タッチパネル式表示部17、USB-OTG接続部(ホスト)18、USB-OTG接続部(クライアント)19を接続する。
【0021】
記憶部12は、電子辞書プログラム12aを記憶するプログラム記憶エリア(12a)のほか、ユーザ認識データ記憶エリア12b、標準コンテンツデータ記憶エリア12c、追加コンテンツデータ記憶エリア12d、および表示データ記憶エリア12e、などを含む。
【0022】
ユーザ認識データ記憶エリア12bは、電子辞書10の例えば製造時に設定された個体識別番号のデータと共に、電子辞書10を電子辞書管理サーバ20に初めて接続した際に初期設定されたユーザIDとパスワードのデータを記憶する。
【0023】
標準コンテンツデータ記憶エリア12cは、電子辞書10の機種により標準で搭載すべきコンテンツとして予め選定された、例えば「国語1」「国語2」「英語1」「英語2」「英語3」の各辞書コンテンツ[A](国語1)12c1~[E](英語3)12c5のデータを、該当するコンテンツの処理をCPU11に実行させるアプリケーションとして記憶する。
【0024】
追加コンテンツデータ記憶エリア12dは、ユーザが必要に応じて追加で購入した、例えば「国語ドリル」「英語ドリル」の各学習コンテンツ[a](国語ドリル)12d1、[b](英語ドリル)12d2のデータと、例えば「英語4」の辞書コンテンツ[F](英語4)12d3のデータを、該当するコンテンツの処理をCPU11に実行させるアプリケーションとして記憶する。
【0025】
表示データ記憶エリア12eは、電子辞書10の動作に応じてCPU11がタッチパネル式表示部17に表示させる、例えばビットマップ形式の画像データを記憶する。
【0026】
電子辞書プログラム12aは、電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部15を介して通信ネットワークN上のWebサーバ20と通信接続するためのプログラム、各コンテンツデータ記憶エリア12c、12dに記憶されている各コンテンツデータ[A](国語1)12c1~[E](英語3)12c5、[a](国語ドリル)12d1~[F](英語4)12d3を含む種々のデータを使って、各コンテンツに対応する種々の機能を実行するためのプログラム、Webサーバ(ここでは電子辞書管理サーバ)20に接続して当該電子辞書管理サーバ20に対する電子辞書10の登録/削除、各コンテンツの登録/削除の機能を実行するためのプログラム、USB-OTG接続部(ホスト)18またはUSB-OTG接続部(クライアント)19を介して接続された外部の電子機器に対してホスト側機器またはクライアント側機器としての機能を実行するためのプログラム、およびUSB-OTG接続部(ホスト)18または(クライアント)19を介して外部の電子辞書10(10H/10C)と接続された状態で、Webサーバ(ここでは電子辞書管理サーバ)20に接続して各コンテンツデータの引継ぎ機能を実行するためのプログラムなどを含む。
【0027】
CPU11は、USB-OTGケーブルUCがUSB-OTG接続部(ホスト)18に接続された場合、電子辞書プログラム12aのホスト側機器としての処理を実行し、USB-OTGケーブルUCがUSB-OTG接続部(クライアント)19に接続された場合、電子辞書プログラム12aのクライアント側機器としての処理を実行する。
【0028】
このように構成された電子辞書10(10H/10C)は、CPU11が、電子辞書プログラム12aに記述された命令従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような、コンテンツ引継ぎ機能を含む各種の機能を実現する。
【0029】
図3は、電子辞書管理サーバ20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0030】
電子辞書管理サーバ20は、例えば、ユーザが購入した電子辞書10(10H/10C)内の各コンテンツを管理する機能を有し、その電子回路は、コンピュータであるCPU(プロセッサ)21を備える。
【0031】
CPU21は、フラッシュROMなどの記憶部(ストレージ)22に予め記憶された管理サーバプログラム22a、あるいはCD-ROMなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶されたプログラム22a、あるいは通信ネットワークN上の他のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)20から通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶されたプログラム22a、に従って回路各部の動作を制御する。
【0032】
CPU21には、データ及び制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、キー入力部26、表示部27を接続する。
【0033】
記憶部22は、管理サーバプログラム22aを記憶するプログラム記憶エリア(22a)のほか、電子辞書管理データ記憶エリア22b、辞書コンテンツデータ記憶エリア22c、および学習コンテンツデータ記憶エリア22d、などを含む。
【0034】
辞書コンテンツデータ記憶エリア22cは、電子辞書10のユーザにとって購入可能な各種の辞書コンテンツ[A](国語1)22c1、[B](国語2)22c2、…のデータを記憶する。
【0035】
学習コンテンツデータ記憶エリア22dは、電子辞書10のユーザにとって購入可能な各種の学習コンテンツ[a](国語ドリル)22d1、[b](英語ドリル)22d2、…のデータを記憶する。
【0036】
なお、記憶部22は、各種の辞書コンテンツ22c1,22c2,…、各種の学習コンテンツ22d1,22d2,…以外にも、図示はしないが、図鑑、文学書、法律書など、ユーザにとって購入可能な多種多様なコンテンツを記憶する。
【0037】
図4は、電子辞書管理サーバ20の電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶された電子辞書管理データの一例を示す図である。
【0038】
電子辞書管理データ記憶エリア22bは、電子辞書10のユーザ毎に、当該ユーザによって購入されたコンテンツのコンテンツ名を登録コンテンツとして記憶して管理する。
【0039】
ユーザ毎の登録コンテンツは、ユーザ毎に設定されたユーザIDおよびパスワードと、当該ユーザが使用する電子辞書10の個体識別番号とに対応付けられて記憶される。登録コンテンツとして記憶された各コンテンツ名には、個体識別番号が示すユーザの電子辞書10に対して当該コンテンツ名のコンテンツがダウンロード済みであることを示すDL済フラグ“1”が対応付けられて記憶される。
【0040】
なお、電子辞書管理データ記憶エリア22bにおいて、登録コンテンツに含まれる標準コンテンツの各コンテンツ名と追加コンテンツの各コンテンツ名とは、電子辞書10の標準コンテンツデータ記憶エリア12cに標準で記憶された各コンテンツのコンテンツ名と追加コンテンツデータ記憶エリア12dに追加で記憶された各コンテンツのコンテンツ名とに対応する。
【0041】
管理サーバプログラム22aは、電子辞書管理サーバ20の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25から通信ネットワークNを介して外部の電子機器(ここでは電子辞書10)と通信接続するためのプログラム、通信接続された電子辞書10(10H/10C)との間での、当該電子辞書10の登録、登録された電子辞書10の削除、コンテンツデータの登録、登録されたコンテンツデータの削除、ホスト側電子辞書10Hとクライアント側電子辞書10Cとのコンテンツデータの引継ぎ機能を含む各種の機能を実行するためのプログラムを含む。
【0042】
このように構成された電子辞書管理サーバ20は、CPU21が、管理サーバプログラム22aに記述された命令従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような、コンテンツ引継ぎ機能を含む各種の機能を実現する。
【0043】
次に、実施形態に係る電子辞書10(10H/10C)および電子辞書管理サーバ20によるコンテンツ引継ぎシステムの動作について説明する。
【0044】
図5は、電子辞書10(10H/10C)の電子辞書プログラム12aに従った処理(その1)を示すフローチャートである。
【0045】
図6は、電子辞書10(10H/10C)の電子辞書プログラム12aに従った処理(その2)を示すフローチャートである。
【0046】
図7は、電子辞書管理サーバ20の管理サーバプログラム22aに従った処理を示すフローチャートである。
【0047】
<電子辞書10の電子辞書管理サーバ20への接続>
電子辞書10において、例えばタッチパネル式表示部17に表示されたメニュー画面内の電子辞書管理サーバ20に接続するためのアイコンがタッチ操作され、CPU11により電子辞書管理サーバ20への接続要求ありと判定されると(ステップD27(Yes))、CPU1は、ユーザ操作に応じて入力されたユーザID、パスワード、およびユーザ認識データ記憶エリア12bに記憶されている電子辞書10の個体識別番号の各データを指定して、電子辞書管理サーバ20へ接続要求(ログイン要求)を送信する(ステップD28)。
【0048】
以降、電子辞書管理サーバ20を管理サーバ20と呼称する。
【0049】
管理サーバ20において、CPU21により電子辞書10からのログイン要求が受信されたと判定されると(ステップS1(Yes))、CPU21は、当該ログイン要求と共に受信されたユーザID、パスワード、および個体識別番号と一致する各データが電子辞書管理データ記憶エリア22b(図4参照)に記憶されているか否かを確認し(ステップS2)、管理サーバ20に登録済みのユーザからのログイン要求であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0050】
電子辞書10からのログイン要求と共に受信されたユーザIDおよびパスワードと一致する各データが電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されてなく、管理サーバ20に登録済みのユーザからのログイン要求ではないと判定された場合(ステップS2(No))、CPU21は、ログインエラーを電子辞書10へ通知する(ステップS4)。
【0051】
管理サーバ20において、登録済みのユーザからのログイン要求であると判定されると(ステップS3(Yes))、CPU21は、ログイン要求元の電子辞書10と通信接続し、ログイン要求と共に受信された個体識別番号が、登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けられて電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されている個体識別番号と一致するか否かにより、接続した電子辞書10が登録済みの電子辞書10であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0052】
<電子辞書10のコンテンツの追加/削除>
管理サーバ20に接続された電子辞書10において、当該電子辞書10のコンテンツを追加または削除するための操作が行われると(ステップD37(Yes))、CPU11は、操作に応じたコンテンツの追加または削除の要求を管理サーバ20へ送信し、当該コンテンツの追加または削除を行なう(ステップD38)。
【0053】
管理サーバ20において、接続した電子辞書10が登録済みの電子辞書10であると判定された状態で(ステップS5(Yes))、当該電子辞書10から送信されたコンテンツの追加または削除の要求が受信されると(ステップS6(Yes))、CPU21は、要求に応じたコンテンツの追加または削除の処理を実行する(ステップS7)。
【0054】
すなわち、管理サーバ20において、電子辞書10からあるコンテンツの追加の要求が受信された場合、CPU21は、追加の要求があったコンテンツのデータを、各コンテンツデータ記憶エリア22c,22d,…から選択的に読み出して電子辞書10へダウンロードし、電子辞書管理データ記憶エリア22bの当該電子辞書10の個体識別番号に対応付けられた追加コンテンツとして、ダウンロードしたコンテンツのコンテンツ名とDL済フラグを記憶させる。
【0055】
電子辞書10のCPU11は、管理サーバ20からダウンロードされたコンテンツのデータを、追加コンテンツデータ記憶エリア12dに追加して記憶させる。
【0056】
また、電子辞書10において、あるコンテンツの削除を要求した場合、CPU11は、削除の対象のコンテンツのデータを各コンテンツデータ記憶エリア22c,22d,…から選択的に削除し、当該削除したコンテンツの削除の完了を管理サーバ20へ通知する。
【0057】
管理サーバ20のCPU21は、電子辞書10からのコンテンツの削除の完了の通知に応じて、電子辞書管理データ記憶エリア22bの当該電子辞書10の個体識別番号に対応付けられた登録コンテンツ内の削除の完了が通知されたコンテンツ名のDL済フラグを消去する。
【0058】
<電子辞書10の電子辞書管理サーバ20への登録の削除>
管理サーバ20に接続された電子辞書10において、当該電子辞書10の管理サーバ20に対する登録の削除を指示する操作が行われると(ステップD29(Yes))、CPU11は、管理サーバ20に対して、登録削除の要求を送信すると共に(ステップD30)、各コンテンツデータ記憶エリア12c,12dに記憶されている全てのコンテンツのデータを削除し(ステップD31)、当該全てのコンテンツの削除の完了を管理サーバ20へ通知する(ステップD32)。
【0059】
管理サーバ20において、接続した電子辞書10が登録済みの電子辞書10であると判定された状態で(ステップS5(Yes))、当該電子辞書10から送信された登録削除の要求が受信され(ステップS8(Yes))、また当該電子辞書10からの全てのコンテンツの削除の完了の通知に基づき、全てのコンテンツの削除の完了が確認されると(ステップS9(Yes))、CPU21は、電子辞書管理データ記憶エリア22dの当該電子辞書10に対応する個体識別番号を削除すると共に、登録コンテンツとしての各コンテンツ名に対応付けられたDL済フラグを消去する(ステップS10)。
【0060】
<電子辞書10の電子辞書管理サーバ20への新規登録>
管理サーバ20に接続された電子辞書10において、当該電子辞書10の管理サーバ20への新規登録を指示する操作が行われると(ステップD33(Yes))、CPU11は、管理サーバ20に対して、新規登録の要求を送信する(ステップD34)。
【0061】
管理サーバ20において、接続中の電子辞書10からログイン要求と共に受信された個体識別番号が、登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けられて電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されている個体識別番号と一致しない場合、または登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けられた個体識別番号が電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されていない場合、当該電子辞書10は登録済みの電子辞書10ではないと判定される(ステップS5(No))。
【0062】
管理サーバ20において、接続中の電子辞書10が登録済みの電子辞書10ではないと判定された状態で(ステップS5(No))当該電子辞書10から送信された新規登録の要求が受信されると(ステップS11(Yes))、CPU21は、ログイン要求と共に受信された個体識別番号が、登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けられて電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されている個体識別番号と一致しない場合には、既に他の電子辞書10が登録されていると判定し(ステップS12(Yes))、接続中の電子辞書10に登録エラーを通知する(ステップS13)。
【0063】
一方、管理サーバ20のCPU21は、登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けられた個体識別番号が電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されていない場合には、接続中の電子辞書10から受信された個体識別番号を、電子辞書管理データ記憶エリア22bの登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けて記憶させ、当該電子辞書10を新規に登録する(ステップS14)。
【0064】
また、CPU21は、電子辞書管理データ記憶エリア22bに新規に登録した電子辞書10の個体識別番号のユーザIDおよびパスワードに対応付けられた登録コンテンツとして、DL済フラグが記憶されていないコンテンツ名のコンテンツが有るか否かを判定する(ステップS15)。
【0065】
DL済フラグが記憶されていないコンテンツ名のコンテンツが有ると判定されると(ステップS15(Yes))、当該コンテンツ名のコンテンツのデータを、各コンテンツデータ記憶エリア22c,22d,…から選択的に読み出して、新規に登録した接続中の電子辞書10にダウンロードし、電子辞書管理データ記憶エリア22bの個体識別番号に対応する登録コンテンツのダウンロードしたコンテンツ名に対応付けてDL済フラグを記憶させる(ステップS16)。
【0066】
管理サーバ20に新規登録した電子辞書10において、管理サーバ20からダウンロードされたコンテンツのデータは、各コンテンツのデータに応じた各コンテンツデータ記憶エリア12c,12dに記憶される(ステップD35,D36)。
【0067】
<旧電子辞書10から新電子辞書10へのコンテンツ引継ぎ>
例えば、あるユーザが電子辞書10を管理サーバ20に登録して使用してきた状況で、当該ユーザが新たな電子辞書10を購入し、旧い電子辞書(旧電子辞書)10から新しい電子辞書(新電子辞書)10へのコンテンツの引継ぎを行なう場合、図1で示したように、新電子辞書10HのUSB-OTG接続部(ホスト)18と旧電子辞書10CのUSB-OTG接続部(クライアント)19とを、USB-OTGケーブルUCにより接続する(ステップD1)。
【0068】
新電子辞書10HのCPU11は、USB-OTG接続部(ホスト)18にUSB-OTGケーブルUCが接続されたと判定し(ステップD2(ホスト側))、ホスト側機器としての処理を開始する。
【0069】
旧電子辞書10CのCPU11は、USB-OTG接続部(クライアント)19にUSB-OTGケーブルUCが接続されたと判定し(ステップD2(クライアント側))、クライアント側機器としての処理を開始する。
【0070】
新電子辞書10HのCPU11は、旧電子辞書10Cに対し、USB-OTGケーブルUCを介して、電力(電源)の供給を開始すると共に、当該旧電子辞書10Cを起動させるための起動信号を送信する(ステップD3)。
【0071】
旧電子辞書10Cは、例えばバッテリが消耗した状態であっても、新電子辞書10Hから供給された電力(電源)により動作可能になり、CPU11は、新電子辞書10Hからの起動信号に従い自機を起動させる(ステップD19)。
【0072】
新電子辞書10Hにおいて、当該新電子辞書10Hを新たに使用すること(機器変更)によるコンテンツの引継ぎを指示する操作が行われると(ステップD4(Yes))、CPU11は、自機を引継ぎ先に設定してコンテンツ引継ぎモード(引継先)に移行し(ステップD5)、旧電子辞書10Cに対してコンテンツ引継ぎモード(引継元)への移行要求を送信する(ステップD6)。
【0073】
また、旧電子辞書10Cに対して個体識別番号の要求を送信する(ステップD7)。
【0074】
旧電子辞書10Cにおいて、新電子辞書10Hからのコンテンツ引継ぎモード(引継元)への移行要求が受信されると、CPU11は、自機を引継ぎ元に設定してコンテンツ引継ぎモード(引継元)に移行する(ステップD20)。
【0075】
また、新電子辞書10Hからの個体識別番号の要求が受信されると(ステップD21(Yes))、ユーザ認識データ記憶エリア12bに記憶されている自機(旧電子辞書10C)の個体識別番号を読み出して新電子辞書10Hへ送信する(ステップD22)。
【0076】
新電子辞書10Hにおいて、旧電子辞書10Cから送信された個体識別番号が受信されると(ステップD8(Yes))、CPU11は、ユーザ操作に応じて入力されたユーザID、パスワード、およびユーザ認識データ記憶エリア12bに記憶されている自機(引継先)の個体識別番号の各データを指定して、管理サーバ20へ接続要求(ログイン要求)を送信する(ステップD9)。
【0077】
また、管理サーバ20に対し、新電子辞書10Hを新たに使用すること(機器変更)によるコンテンツ引継ぎの要求を送信する(ステップD10)。
【0078】
また、管理サーバ20に対し、ステップD8にて受信された旧電子辞書10Cの個体識別番号を、引継元の個体識別番号として送信する(ステップD11)。
【0079】
管理サーバ20において、新電子辞書(引継先)10HからのユーザID、パスワード、および個体識別番号を指定した接続要求(ログイン要求)が受信されると、前述したステップS1~S3の処理に従い、登録済みのユーザからのログイン要求であると判定される(ステップS3(Yes))。
【0080】
また、管理サーバ20において、登録済みと判定したユーザIDおよびパスワードと共に受信された新電子辞書10Hの個体識別番号は、電子辞書管理データ記憶エリア22bに同ユーザIDおよびパスワードに対応付けられて記憶されている個体識別番号(ここでは旧電子辞書10Cの個体識別番号)と一致しないので、新電子辞書10Hは登録済みの電子辞書10(旧電子辞書10C)ではないと判定される(ステップS5(No))。
【0081】
管理サーバ20において、新電子辞書(引継先)10HでのステップD10の処理に従い送信された機器変更によるコンテンツ引継ぎの要求が受信されると(ステップS17(Yes))、CPU21は、ログイン要求と共に受信された接続中の新電子辞書10Hの個体識別番号を引継先に設定する(ステップS18)。
【0082】
また、管理サーバ20において、新電子辞書(引継先)10HでのステップD11の処理に従い送信された引継元の個体識別番号が受信されると(ステップS19)、CPU21は、受信された引継元の個体識別番号が、登録済みのユーザであると判定したユーザIDおよびパスワードに対応付けられて電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されている個体識別番号と一致するか否かにより、旧電子辞書10Cが当該ユーザにより登録済みの機器である、すなわち引継元として正しい旧電子辞書10Cであるか否かを判定する(ステップS20)。
【0083】
ここで、受信された旧電子辞書(引継元)10Cの個体識別番号が、登録済みのユーザに対応付けられた個体識別番号と一致せず、引継元として正しい旧電子辞書10Cではないと判定されると(ステップS20(No))、CPU21は、新電子辞書10Hに対して引継ぎエラーを通知する。
【0084】
一方、受信された旧電子辞書(引継元)10Cの個体識別番号が、登録済みのユーザに対応付けられた個体識別番号と一致し、引継元として正しい旧電子辞書10Cであると判定されると、CPU21は、新電子辞書(引継先)10Hに対して引継許可の信号を送信する(ステップS20(Yes))。
【0085】
新電子辞書(引継先)10Hにおいて、管理サーバ20から送信された引継許可の信号が受信されると(ステップD12(Yes))、CPU11は、クライアント側機器である旧電子辞書10Cに対してコンテンツの削除の要求を送信する(ステップD13)。
【0086】
旧電子辞書10Cにおいて、ホスト側機器である新電子辞書10Hから送信されたコンテンツの削除の要求が受信されると(ステップD23(Yes))、CPU11は、各コンテンツデータ記憶エリア12c,12dに記憶されている全ての登録済みのコンテンツのデータを削除し(ステップD24)、新電子辞書10Hに対して全ての登録済みのコンテンツの削除の完了を通知する(ステップD25)。
【0087】
新電子辞書10Hにおいて、クライアント側機器である旧電子辞書10Cから送信されたコンテンツの削除の完了の通知が受信されると(ステップD14(Yes))、CPU11は、管理サーバ20に対して、旧電子辞書(引継元)10Cのコンテンツの削除の完了を通知する(ステップD15)。
【0088】
管理サーバ20において、新電子辞書10Hから送信された旧電子辞書(引継元)10Cのコンテンツの削除の完了の通知が受信されることで、引継元から全ての登録済みのコンテンツが削除されたことが確認されると(ステップS21(Yes))、CPU21は、ログインされた登録済みユーザのユーザIDおよびパスワードに対応付けられて電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されている旧電子辞書(引継元)10Cの個体識別番号を削除し、代わりに、ステップS18にて引継先に設定した新電子辞書10Hの個体識別番号を記憶させる(ステップS22)。
【0089】
またCPU21は、登録済みユーザのユーザID、パスワードおよびステップS22にて記憶された新電子辞書(引継先)10Hの個体識別番号に対応付けられて電子辞書管理データ記憶エリア22bに記憶されている全ての登録コンテンツのコンテンツ名に対応するコンテンツを対象として、ダウンロードの許可通知を新電子辞書(引継先)10Hへ送信する(ステップS23)。
【0090】
そして、ステップS23にてダウンロードの対象とした全ての登録コンテンツのコンテンツ名に対応するコンテンツのデータを、各コンテンツデータ記憶エリア22c,22d,…から順次読み出して新電子辞書(引継先)10Hへダウンロードし、電子辞書管理データ記憶エリア22bの当該新電子辞書(引継先)10Hの個体識別番号に対応するダウンロードしたコンテンツ名に対応付けてDL済フラグを記憶させる(ステップS24)。
【0091】
新電子辞書(引継先)10Hにおいて、管理サーバ20から送信された全ての登録コンテンツのダウンロードの許可通知が受信されると(ステップD16(Yes))、CPU11は、管理サーバ20から全ての登録コンテンツのデータをダウンロードし、ダウンロードした各コンテンツのデータを各コンテンツデータ記憶エリア12c,12dに記憶させる(ステップD17)。
【0092】
そして、クライアント側機器である旧電子辞書10Cに対してコンテンツの引継完了を通知し(ステップD18)、自機すなわちホスト側機器である新電子辞書(引継先)10Hの一連の処理を終了する。
【0093】
旧電子辞書10Cにおいて、ホスト側機器である新電子辞書(引継先)10Hから送信されたコンテンツの引継完了の通知が受信されると(ステップD26(Yes))、自機すなわちクライアント側機器である旧電子辞書(引継元)10Cの一連の処理を終了する。
【0094】
(実施形態のまとめ)
以上のように、実施形態に係る電子辞書10(10H/10C)および電子辞書管理サーバ20によるコンテンツ引継ぎシステムによれば、USB-OTGケーブルUCを介して、新電子辞書10HのUSB-OTG接続部(ホスト)18と旧電子辞書10CのUSB-OTG接続部(クライアント)19とを接続し、新電子辞書10Hにおいてコンテンツの引継ぎ指示する操作を受け付けると、ホスト側機器である新電子辞書10Hはコンテンツ引継モード(引継先)に移行し、クライアント側機器である旧電子辞書10Cはコンテンツ引継モード(引継元)に移行する。
【0095】
新電子辞書10Hは、通信ネットワーク(クラウド)N上の電子辞書管理サーバ20に通信接続し、自機(引継先)の個体識別番号と、旧電子辞書10Cから新電子辞書10Hへの、排他的に使用が許可されている登録コンテンツの引継要求と、旧電子辞書10Cに要求して受信した旧電子辞書(引継元)10Cの個体識別番号とを、管理サーバ20へ送信する。
【0096】
管理サーバ20において、旧電子辞書(引継元)10Cの個体識別番号が登録済みであることが確認され、管理サーバ20から新電子辞書10Hに登録コンテンツの引継許可が受信されると、新電子辞書(引継先)10Hは、旧電子辞書10Cへ登録コンテンツの削除要求を送信して旧電子辞書(引継元)10Cにコンテンツデータ記憶エリア12c,12dに記憶されている登録コンテンツを削除させ、旧電子辞書(引継元)10Cからの登録コンテンツの削除完了の通知に応じて、管理サーバ20へ旧電子辞書(引継元)10Cの登録コンテンツの削除完了を通知する。
【0097】
管理サーバ20において、旧電子辞書(引継元)10Cの個体識別番号が削除され、代わりに新電子辞書(引継先)10Hの個体識別番号が登録され、管理サーバ20から新電子辞書(引継先)10Hへ登録コンテンツのダウンロードの許可が通知されるのに応じて、新電子辞書(引継先)10Hは管理サーバ20から登録コンテンツをダウンロードしコンテンツ記憶エリア12c,12dに記憶させる。
【0098】
よって、新旧電子辞書10を、個別に管理サーバ20へ接続するという二重に手間の掛かる作業を要することなく、新旧機器間でのコンテンツの引継ぎに要するユーザの作業負担を軽減することが可能になる。
【0099】
(他の実施形態の説明)
前述した実施形態のコンテンツ引継ぎシステムでは、管理サーバ20の電子辞書管理データ記憶エリア22bにおいて、ユーザ毎の電子辞書10の個体識別番号に対応付けて、排他的に使用が許可された登録コンテンツがダウンロード済みであるか否かのDL済フラグを記憶させ、登録済みの個体識別番号を有する旧電子辞書10Cからの登録コンテンツの削除を確認してDL済フラグを一旦消去した後に、旧電子辞書10Cの個体識別番号を削除して新電子辞書10Hの個体識別番号を記憶させ、新電子辞書10Hに登録コンテンツをダウンロードする。これにより、ユーザが使用する電子辞書10(10H/10C)での登録コンテンツの排他的な使用を管理する構成とした。
【0100】
これに限らず、電子辞書10に記憶されている登録コンテンツに対応付けて、当該電子辞書10に登録コンテンツの使用を許可状態とするか不許可状態とするかを示す使用許可フラグを記憶させ、旧電子辞書10C内の登録コンテンツの使用許可フラグを消去し、新電子辞書10H内の登録コンテンツの使用許可フラグを記憶させることで、登録コンテンツ自体の削除と新たなダウンロードとを行なう必要なく、ユーザが使用する電子辞書10(10H/10C)での登録コンテンツの排他的な使用を管理する構成としてもよい。
【0101】
この場合、電子辞書10に追加で購入して使用したいコンテンツは、購入したコンテンツの使用許可フラグを当該電子辞書10に記憶させることで、当該追加のコンテンツのデータを管理サーバ20から当該電子辞書10にダウンロードすることが許可され、追加のコンテンツの使用許可フラグが記憶されていない電子辞書10への当該追加のコンテンツのデータのダウンロードが禁止される。
【0102】
また、旧電子辞書10Cから新電子辞書10Hへの登録コンテンツの引継ぎは、管理サーバ20において登録コンテンツの排他的使用を管理するのは勿論であるが、旧電子辞書10Cに記憶されている登録コンテンツのデータを、新電子辞書10Hへ移動によって転送することで行なう構成としてもよい。
【0103】
また、前述した実施形態のコンテンツ引継ぎシステムでは、旧電子辞書10Cに記憶されている全ての登録コンテンツを削除(使用不許可)し、新電子辞書10Hに全ての登録コンテンツをダウンロード(使用許可)する構成としたが、旧電子辞書10Cにてそのまま使用する登録コンテンツと、旧電子辞書10Cから新電子辞書10Hへ引継いで使用する登録コンテンツとを、ユーザが任意に選択して引継ぎする構成としてもよい。
【0104】
また、前述した実施形態のコンテンツ引継ぎシステムでは、コンテンツの引継の対象となる新電子辞書10と旧電子辞書10とを、USB-OTGケーブルUCにより、新電子辞書10がホスト側機器(10H)となり、旧電子辞書10がクライアント側機器(10C)となるように接続し、新電子辞書10Hを管理サーバ20へ接続してコンテンツの引継ぎを行なう構成としたが、旧電子辞書10がホスト側機器(10H)となり、新電子辞書10がクライアント側機器(10C)となるように接続し、旧電子辞書10Hを管理サーバ20へ接続してコンテンツの引継ぎを行なう構成としてもよい。
【0105】
以上の各実施形態において記載したコンテンツ引継ぎシステムによる各処理の手法、すなわち、図5図6のフローチャートに示す電子辞書10(10H/10C)による電子辞書プログラム12aに応じた処理、図7のフローチャートに示す電子辞書管理サーバ20による管理サーバプログラム20aに応じた処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器のコンピュータ(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、各実施形態において説明したコンテンツ引継き機能を含む各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0106】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述したコンテンツ引継き機能を含む各種の機能を実現することもできる。
【0107】
本願発明は、各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0108】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0109】
[付記1]
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
移行先処理を実行する
電子機器。
【0110】
[付記2]
前記移行先処理は、
前記他の機器に対して個体識別番号の送信を要求し、この要求に応じて前記他の機器から送信されてくる前記他の機器の第1個体識別番号を受信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にすることを指示する指示信号を前記他の機器に送信し、この指示信号の送信に応じて前記他の機器から送信されてくる前記応答信号を受信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記第1個体識別番号が登録済みであることを確認した前記サーバ装置から前記引継許可信号を受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
処理を含む、付記1に記載の電子機器。
【0111】
[付記3]
前記制御部は、
自機が前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態であり、前記他の機器が前記第1データを用いた処理の実行が許可状態である状態で、前記引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、前記移行先処理を実行する
付記1または付記2に記載の電子機器。
【0112】
[付記4]
前記移行先処理は、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記第2個体識別番号に対応する機器が前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態であり、前記第1個体識別番号に対応する機器が前記第1データを用いた処理の実行が許可状態であることを確認した前記サーバ装置から前記引継許可信号を受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
付記1ないし付記3の何れかに記載の電子機器。
【0113】
[付記5]
前記制御部は、更に、
自機が前記第1データを用いた処理の実行が許可状態である状態で、
前記他の機器から個体識別番号の送信を要求する信号を受信した場合に、自機の個体識別番号を前記他の機器に送信し、
前記他の機器から前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にすることを指示する指示信号を受信した場合に、自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にする処理を実行するとともに、自機による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にとなったことを示す応答信号を前記他の機器に送信する、移行元処理を実行する
付記1に記載の電子機器。
【0114】
[付記6]
前記制御部は、更に、
引継元として前記引継処理を実行することが指示された場合に、自機の個体識別番号を前記他の機器に送信し、自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にし、自機による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にとなったことを示す応答信号を前記他の機器に送信する、移行元処理を実行する
付記1に記載の電子機器。
【0115】
[付記7]
前記制御部は、更に、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、前記他の機器から自機へと排他的に移行させる処理を実行する第1モードと、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、自機から前記他の機器へと排他的に移行させる処理を実行する第2モードと、のうちのいずれかのモードを設定し、
前記設定されたモードに応じて前記移行先処理と前記移行元処理を選択的に実行する
付記5または付記6に記載の電子機器。
【0116】
[付記8]
前記第1の通信手段は、ホスト側とクライアント側とが予め決められており、ホスト側からクライアント側へと電源を供給する機能を有するケーブルによる通信手段であり、
前記制御部は、更に、
前記ケーブルが接続された場合に、自機がホスト側に接続されているかクライアント側に接続されているかを判定し、ホスト側に接続されていると判定された場合には前記第1モードに設定し、クライアント側に接続されていると判定された場合には前記第2モードに設定する
付記7に記載の電子機器。
【0117】
[付記9]
前記制御部は、更に、
自機がホスト側に接続されている場合に、クライアント側に接続されている他の機器を起動させる起動信号を送信する
付記8に記載の電子機器。
【0118】
[付記10]
外部から取得したデータを記憶するメモリを有し、
前記制御部は、更に、
前記メモリに記憶された前記第1データを用いた処理を実行し、
前記サーバ装置または前記他の機器から受信した前記第1データを前記メモリに記憶させ、
前記メモリに記憶された前記第1データを消去することで、前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態とする
付記1ないし付記9の何れかに記載の電子機器。
【0119】
[付記11]
前記許可状態と前記不許可状態は、前記第1データ以外の前記サーバ装置が提供可能な第2データを用いた処理の実行の許可状態と不許可状態も示し、
前記許可状態に設定されている場合には、前記サーバ装置から前記第2データを新たに受信することが許可されており、前記不許可状態に設定されている場合には、前記サーバ装置から前記第2データを新たに受信することが禁止されている
付記1ないし付記10の何れかに記載の電子機器。
【0120】
[付記12]
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である自機から引継先である前記他の機器へと排他的に移行させる引継処理を実行する場合に、
自機の個体識別番号を要求する要求信号を前記他の機器から受信したことに応じて、自機の第1個体識別番号を前記他の機器に送信し、
自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にすることを指示する指示信号を前記他の機器から受信したことに応じて、自機による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にするとともに、自機による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にとなったことを示す応答信号を前記他の機器に送信し、
前記第1データを提供するサーバ装置が前記引継処理の実行を許可し、かつ、前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が許可状態に設定されたことを示す引継完了信号を前記他の機器から受信したことに応じて、前記引継処理を終了する、
電子機器。
【0121】
[付記13]
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器との間で通信を行う通信手段と、
前記複数の機器に対して前記第1データを提供するとともに、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を更新する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
第1個体識別番号を引継元に指定するとともに第2個体識別番号を引継先に指定して、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元の機器から引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理の実行を要求する引継要求信号を、前記第2個体識別番号に対応する機器から受信した場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新する、
サーバ装置。
【0122】
[付記14]
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器と、前記複数の機器に対して前記第1データを提供するサーバ装置とが通信可能に接続されたデータ管理システムであって、
前記サーバ装置は、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を記憶し、
前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となっている機器を引継元とし、前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となっている機器を引継先として、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を前記引継元の機器から前記引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理を実行する場合に、
前記引継先の機器が前記引継元の機器から、前記引継元の機器の第1個体識別番号を受信し、
前記引継先の機器が前記サーバ装置に、前記受信した前記第1個体識別番号と前記引継先の機器の第2個体識別番号とを送信し、
前記サーバ装置が、前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新するとともに、前記引継先の機器に前記引継処理を許可することを示す許可信号を送信し、
前記引継元の機器が、前記引継先の機器からの指示に応じて、前記引継元の機器による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にし、
前記引継先の機器が、前記サーバ装置から前記許可信号を受信したことに応じて、前記引継先の機器による前記第1データを用いた処理の実行を許可状態にする、
データ管理システム。
【0123】
[付記15]
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備えた電子機器の前記制御部により、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
ようにした引継方法。
【0124】
[付記16]
外部から取得される第1データを用いた処理を実行する制御部と、
前記第1データを用いた処理を実行することが可能な他の機器との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第1データを提供するサーバ装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
を備えた電子機器の前記制御部に、
前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元である前記他の機器から引継先である自機へと排他的に移行させる引継処理を実行する指示操作を受けた場合に、
前記他の機器の第1個体識別番号を前記他の機器から受信し、
前記第1個体識別番号を引継元に指定するとともに自機の第2個体識別番号を引継先に指定して前記引継処理の実行を要求する引継要求信号を前記サーバ装置に送信し、
前記他の機器による前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となったことを示す応答信号を前記他の機器から受信し、かつ、前記引継処理の実行が許可されたことを示す引継許可信号を前記サーバ装置から受信した場合に、自機に対して前記第1データを用いた処理の実行を許可状態に設定する、
移行先処理を実行させるためのプログラム。
【0125】
[付記17]
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器との間で通信を行う通信手段と、
前記複数の機器に対して前記第1データを提供するとともに、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を更新する制御部と、
を備えたサーバ装置の前記制御部により、
第1個体識別番号を引継元に指定するとともに第2個体識別番号を引継先に指定して、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元の機器から引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理の実行を要求する引継要求信号を、前記第2個体識別番号に対応する機器から受信した場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新する、
ようにした引継管理方法。
【0126】
[付記18]
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器との間で通信を行う通信手段と、
前記複数の機器に対して前記第1データを提供するとともに、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を更新する制御部と、
を備えたサーバ装置の制御部に、
第1個体識別番号を引継元に指定するとともに第2個体識別番号を引継先に指定して、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を、引継元の機器から引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理の実行を要求する引継要求信号を、前記第2個体識別番号に対応する機器から受信した場合に、
前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新する、
引継管理処理を実行させるためのプログラム。
【0127】
[付記19]
第1データを用いた処理を実行することが可能な複数の機器と、前記複数の機器に対して前記第1データを提供するサーバ装置とが通信可能に接続されたデータ管理システムによるデータ管理方法であって、
前記サーバ装置は、前記複数の機器それぞれによる前記第1データを用いた処理の実行の可否を示す管理情報を記憶し、
前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となっている機器を引継元とし、前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態となっている機器を引継先として、前記第1データを用いた処理の実行を許可状態とする機器を前記引継元の機器から前記引継先の機器へと排他的に移行させる引継処理を実行する場合に、
前記引継先の機器が前記引継元の機器から、前記引継元の機器の第1個体識別番号を受信し、
前記引継先の機器が前記サーバ装置に、前記受信した前記第1個体識別番号と前記引継先の機器の第2個体識別番号とを送信し、
前記サーバ装置が、前記第1個体識別番号に対応する機器が、前記第1データを用いた処理の実行が許可状態の機器として登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された場合に、前記第1個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が不許可状態にするとともに、前記第2個体識別番号に対応する機器を前記第1データを用いた処理の実行が許可状態となるように前記管理情報を更新するとともに、前記引継先の機器に前記引継処理を許可することを示す許可信号を送信し、
前記引継元の機器が、前記引継先の機器からの指示に応じて、前記引継元の機器による前記第1データを用いた処理の実行を不許可状態にし、
前記引継先の機器が、前記サーバ装置から前記許可信号を受信したことに応じて、前記引継先の機器による前記第1データを用いた処理の実行を許可状態にする、
ようにしたデータ管理方法。
【符号の説明】
【0128】
10(10H/10C)…電子辞書
11 …電子辞書のCPU(プロセッサ)
12 …電子辞書の記憶部(ストレージ)
12a…電子辞書プログラム
12b…ユーザ認識データ記憶エリア
12c…標準コンテンツデータ記憶エリア
12d…追加コンテンツデータ記憶エリア
15 …電子辞書の通信部
16 …電子辞書のキー入力部(キーボード)
18 …USB-OTG接続部(ホスト)
19 …USB-OTG接続部(クライアント)
20 …Webサーバ(電子辞書管理サーバ)
21 …管理サーバのCPU(プロセッサ)
22 …管理サーバの記憶部(ストレージ)
22a…管理サーバプログラム
22b…電子辞書管理データ記憶エリア
22c…辞書コンテンツデータ記憶エリア
22d…学習コンテンツデータ記憶エリア
25 …管理サーバの通信部
UC …USB-OTGケーブル
WR …ルータ
N …通信ネットワーク(クラウド)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7