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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/06 20060101AFI20240214BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B41J29/06
B41J2/01 305
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020002007
(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公開番号】P2021109364
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】弥藤 圭一
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋介
(72)【発明者】
【氏名】竹内 敦彦
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-194291(JP,U)
【文献】特開2003-140416(JP,A)
【文献】特開2009-192579(JP,A)
【文献】特開2007-094264(JP,A)
【文献】特開2018-054835(JP,A)
【文献】特開2005-148171(JP,A)
【文献】特開2009-145507(JP,A)
【文献】特開2006-039070(JP,A)
【文献】特開2018-003976(JP,A)
【文献】米国特許第04637581(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/06
G03G 15/00
B41J 2/01
H05K 5/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアが芯部材に巻き回されたロール体から引き出されたメディアに対して記録する記録部を含む本体と、
前記本体を当該本体が設置される設置面から支持する脚部と、
を備えた記録装置であって、
前記脚部は、前記設置面に対して互いに異なる位置で接触可能な接触部を有し、
前記接触部は、同一の平面に位置する3つの基準接触部と、1つの可動接触部とを有し、
前記可動接触部は、前記平面に対して交差する高さ方向に弾性変形可能な弾性部材を介して前記本体に連結されており、
前記高さ方向からの平面視において前記ロール体の幅に沿う方向を幅方向、前記高さ方向からの平面視において前記幅方向と交差する方向を前後方向とするとき、
前記接触部は、前記高さ方向からの平面視において前記前後方向の一方側で前記幅方向に並ぶ第1接触部及び第2接触部と、前記高さ方向からの平面視において前記前後方向の他方側で前記幅方向に並ぶ第3接触部及び第4接触部と、を含み、
前記第1接触部及び前記第4接触部は、前記幅方向において前記ロール体の一端よりも外側に位置し、
前記第2接触部及び前記第3接触部は、前記幅方向において前記ロール体の他端よりも外側に位置し、
前記第4接触部は、前記前後方向からの平面視で前記幅方向において前記第1接触部よりも外側に位置し、
前記第1接触部、前記第2接触部及び前記第3接触部が前記基準接触部であり、
前記第4接触部が前記可動接触部であることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記本体は、前記平面と直交する方向から見て3つの前記基準接触部を直線で結んで形成される三角形状の領域内に重心を有していることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記本体に片持ち支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記本体は、前記弾性部材の前記本体側への弾性変形を制限する制限部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記可動接触部は、前記弾性部材の中央部に連結されていることを特徴とする請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記脚部を前記設置面と対向するように前記設置面から離れた状態で前記本体と共に水平な姿勢に保持した場合に、1つの前記可動接触部は、3つの前記基準接触部よりも前記設置面に対して近い位置に配置されることを特徴とする請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記本体は、
前記脚部によって支持されるベースフレームと、
前記ベースフレームから前記高さ方向に延びて前記ロール体の一端を保持する第1保持部を回転可能に支持する第1サイドフレームと、
前記ベースフレームから前記高さ方向に延びて前記ロール体の他端を保持する第2保持部を回転可能に支持する第2サイドフレームと、を有する請求項1~請求項6のうちいずれか一項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、用紙などのメディアの表面に対してインクなどの液体を吐出することにより、該メディアの表面に画像などを記録する記録装置が周知である。こうした記録装置においては、液体が吐出される部位でメディアを支持する支持台の平坦度が高いほど良質な画質を得ることができる。
【0003】
ところで、記録装置が設置される設置面は、完全な水平面であることは少なく凹凸が存在する。こうした設置面の凹凸に起因して記録装置に歪みが生じると、支持台にも歪みが生じて画質が低下してしまう。特許文献1には、メディアへの記録を行う本体と本体を設置面から支持する脚部との間にバネ材からなる変形吸収部材を介在させることにより、設置面の凹凸が本体に与える影響を低減する記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-196487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の記録装置においては、変形吸収部材が本体と脚部の2つの支柱部との間にそれぞれ介在しているため、2つの変形吸収部材が互いに逆方向に弾性変形した場合、特に本体と脚部との接合部で大きな歪みが生じる。この結果、本体が設置面の凹凸の影響を大きく受けてしまい本体に大きな歪みが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する記録装置は、メディアが芯部材に巻き回されたロール体から引き出されたメディアに対して記録する記録部を含む本体と、前記本体を当該本体が設置される設置面から支持する脚部と、を備えた記録装置であって、前記脚部は、前記設置面に対して互いに異なる位置で接触可能な接触部を有し、前記接触部は、同一の平面に位置する3つの基準接触部と、1つの可動接触部とを有し、前記可動接触部は、前記平面に対して交差する方向に弾性変形可能な弾性部材を介して前記本体に連結されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】記録装置の一実施形態の概略構成を示す前面斜視図。
図2】筐体内の内部構造の一部を模式的に示す断面図。
図3】筐体内の内部構造の一部を模式的に示す前面図。
図4】高さ方向からの平面視において、筐体内の構造の一部を模式的に示す図。
図5】高さ方向からの平面視において、各支持脚の配置を示す図。
図6】高さ方向からの平面視において、各支持脚の接触部と記録装置の重心との位置関係を示す図。
図7】記録装置における第4キャスターとその周辺を示す断面斜視図。
図8】記録装置の脚部を設置面から離れた状態で設置面に対向させたときの状態を示す要部拡大断面図。
図9】記録装置において、第1~第4キャスターが設置面に接触したときの状態を示す要部拡大断面図。
図10】記録装置において、第1~第3キャスターが設置面に接触し且つ第4キャスターが設置面における他の部分よりも低い陥没面に接触したときの状態を示す要部拡大断面図。
図11】記録装置において、第1~第3キャスターが設置面に接触し且つ第4キャスターが設置面における他の部分よりも高い隆起面に接触したときの状態を示す要部拡大断面図。
図12】変更例の弾性部材を介して第4キャスターを本体に連結したときの状態を示す側面模式図。
図13】別の変更例の弾性部材を介して第4キャスターを本体に連結したときの状態を示す側断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、記録装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
記録装置は、芯部材にメディアが巻き回されたロール体を回転可能に保持するとともに、ロール体から引き出されたメディアの表面に液体を吐出することにより、当該メディアに画像などを記録する。記録装置は、例えば液体の一例としてのインクを吐出することによって用紙などのメディアに印刷するインクジェット式の大判プリンターである。大判プリンターとは、短辺幅がA3(297mm)以上のメディアに印刷を行うことが可能なプリンターである。
【0009】
図1及び図2に示すように、記録装置10は、本体11と、本体11を本体11が設置される設置面Sから支持する脚部70とを備えている。本体11は、略直方体形状の筐体12を有している。筐体12は、前壁13、後壁14、第1側壁15、第2側壁16、及び上壁17を有している。筐体12は、脚部70によって支持されるベースフレーム20に連結されている。
【0010】
以下、記録装置10において、ベースフレーム20と上壁17とが対向する方向を記録装置10の高さ方向という。また、高さ方向に対して直交する面に沿う方向であって第1側壁15と第2側壁16とが対向する方向を記録装置10の幅方向という。さらに、高さ方向に対して直交する面に沿う方向であって前壁13と後壁14とが対向する方向を記録装置10の前後方向という。
【0011】
高さ方向、幅方向、及び前後方向は、互いに直交している。したがって、記録装置10は、幅方向と前後方向とが水平面に沿うように配置される場合、高さ方向が重力方向と平行な方向となる。なお、図1図13においては、記録装置10の幅方向をXで示し、前後方向をYで示し、高さ方向をZで示す。
【0012】
図1及び図2に示すように、本体11は、収容部21を有している。収容部21は、本体11が記録を行うメディア22が芯部材23に巻き回された円筒状のロール体25を収容する。収容部21は、筐体12の前壁13におけるベースフレーム20側に開口27を有して前壁13から後壁14に向かって延びている。本実施形態において、収容部21は、記録装置10の高さ方向Zに並んだ状態で一対のロール体25を収容可能に構成されている。
【0013】
図1図3に示すように、収容部21に収容された一対のロール体25の各々には、本体11に回転可能に装着される一対の保持部30が取り付けられている。保持部30は、ロール体25の一端を保持する第1保持部31と、ロール体25の他端を保持する第2保持部32とを有している。第1保持部31及び第2保持部32は、開口27を通じて本体11から取り外し可能になっている。
【0014】
第1保持部31及び第2保持部32は、本体11に装着された状態において、収容部21内に記録装置10の幅方向Xに並ぶ。そして、ロール体25の一端に第1保持部31を取り付けるとともにロール体25の他端に第2保持部32を取り付けた状態でロール体25を収容部21に載置すると、第1保持部31と第2保持部32とが幅方向Xに並んだ状態で一対のロール体25の姿勢が安定する。
【0015】
第1保持部31は、図3に示す第1サイドフレーム61に対して幅方向Xに延びる軸線を回転中心として回転可能に装着されている。第2保持部32は、図3に示す第2サイドフレーム62に対して幅方向Xに延びる軸線を回転中心として回転可能に装着されている。保持部30は、第1保持部31及び第2保持部32がロール体25を保持することにより、ロール体25を芯部材23の中心軸回りに回転可能に保持する。
【0016】
第1保持部31及び第2保持部32によって保持されたロール体25は、図3に示す駆動部33によって回転駆動される。駆動部33は、第1保持部31よりも第1側壁15側に位置している。駆動部33は、図示しない駆動モーターの正転駆動により、第1保持部31及び第2保持部32を、ロール体25に巻き回されたメディア22が筐体12内の後壁14側へと送出される方向に、回転させる。
【0017】
図1図3に示すように、本体11は、筐体12内に記録部35を備えている。記録部35は、支持台36、ガイド軸37、キャリッジ38、及び記録ヘッド39を備えている。
【0018】
支持台36は、収容部21よりも上壁17側に位置している。支持台36は、筐体12内で幅方向Xに延びる矩形板状をなす部材である。そして、ロール体25から巻き解かれたメディア22は、筐体12内を支持台36まで搬送された後、支持台36上を後壁14側から前壁13側に向かって搬送される。
【0019】
ガイド軸37は、支持台36よりも上壁17側に位置している。ガイド軸37は、幅方向Xに延びる棒状をなす部材である。ガイド軸37は、キャリッジ38をガイド軸37に沿って移動可能に支持している。キャリッジ38は、図3に示すキャリッジモーター40が駆動されることによりガイド軸37に沿って往復移動可能に構成されている。
【0020】
キャリッジ38には、記録ヘッド39が搭載されている。記録ヘッド39は、キャリッジ38における支持台36側の端部に支持台36と対向するように配置されている。そして、記録ヘッド39が支持台36上のメディア22に対して液体を吐出することにより、メディア22の記録が行われる。
【0021】
図2に示すように、本体11は、筐体12内に搬送部45を備えている。搬送部45は、保持部30と協働して、ロール体25から巻き解かれたメディア22を搬送する。搬送部45は、搬送経路形成部46、中間ローラー47、及び搬送ローラー48を有している。搬送経路形成部46は、一対のロール体25の各々に対応して設けられている。
【0022】
搬送経路形成部46は、収容部21に収容された一対のロール体25の各々に対して後壁14側に位置している。搬送経路形成部46は、保持部30の回転駆動によってロール体25から送出されたメディア22aを筐体12の後壁14側へと案内する搬送経路49を形成する。
【0023】
中間ローラー47及び搬送ローラー48は、搬送経路49を通過したメディア22aを搬送する。中間ローラー47及び搬送ローラー48は、幅方向Xに延びる軸線を回転中心として回転可能に支持された一対のローラーである駆動ローラーと従動ローラーとで構成されている。中間ローラー47及び搬送ローラー48は、駆動ローラーと従動ローラーとでメディア22aの表裏両面から挟んで支持する。
【0024】
搬送部45は、図示しない駆動モーターの正転駆動によって中間ローラー47及び搬送ローラー48を回転駆動することにより、搬送経路49を通じてメディア22aを支持台36へ搬送するとともに支持台36上を後壁14側から前壁13側へと搬送する。なお、図2では一対のロール体25の双方からメディア22aが送出されている状態を示しているが、実際に記録を行う際には一対のロール体25のうちの一方のみからメディア22aが送出される。
【0025】
図2に示すように、本体11は、筐体12内に排紙口部材50と切断部51とを有している。排紙口部材50は、支持台36に対する前壁13側に位置しており、支持台36を通過したメディア22を支持するとともに、前壁13に形成された排紙口53へとメディア22を案内する。切断部51は、記録後のメディア22を切断する。切断部51によって切断されたメディア22は排紙口53から排出される。
【0026】
図2及び図4に示すように、本体11は、筐体12内に基板収納室54を有している。基板収納室54は、後壁14とベースフレーム20とが形成する角部に位置する空間である。基板収納室54には、各種の基板55が収納される。基板収納室54は、第1サイドフレーム61と第2サイドフレーム62との間に設けられている。基板収納室54には、例えば、記録装置10に対して電源を供給する2つの電源基板55aの他、搬送部45や記録部35などの各種制御対象を制御する3つの制御基板55bなどが収納される。
【0027】
電源基板55aは、第1サイドフレーム61と第2サイドフレーム62との間の領域において第1サイドフレーム61側に配置されている。制御基板55bは、第1サイドフレーム61と第2サイドフレーム62との間の領域において第2サイドフレーム62側に配置されている。
【0028】
図3及び図4に示すように、本体11は、記録ヘッド39に供給される液体を収容したカートリッジ56が装着される装着部57を有している。装着部57は、第1保持部31及び第2保持部32よりも第2側壁16側の位置であって、第1保持部31及び第2保持部32よりも上壁17側の位置に位置している。
【0029】
カートリッジ56は、装着部57へ装着することにより、図示しない可撓性のチューブを介して記録ヘッド39に接続される。そして、液体の吐出に伴って記録ヘッド39内の液体の圧力が低下すると、カートリッジ56から図示しないチューブを通じて記録ヘッド39に液体が供給される。
【0030】
本体11は、記録ヘッド39のメンテナンスを行うメンテナンスユニット58を有している。メンテナンスユニット58は、保持部30よりも第2側壁16側に位置している。メンテナンスユニット58は、第1保持部31及び第2保持部32よりも上壁17側であって、記録ヘッド39よりもベースフレーム20側に位置している。メンテナンスユニット58は、装着部57に対する上壁17側に位置する部分、すなわち高さ方向Zにおいて装着部57に重なる部分を有している。
【0031】
換言すれば、メンテナンスユニット58は、高さ方向Zからの平面視において、装着部57に重なる。メンテナンスユニット58は、例えば、図示しないキャップや排出ポンプを用いて記録ヘッド39内を減圧することにより、記録ヘッド39から液体を排出するクリーニング動作を行う。
【0032】
図1図3、及び図4に示すように、本体11は、操作部59を有している。操作部59は、筐体12の上壁17に設けられている。操作部59は、上壁17に対して前壁13が接続される部分と上壁17に対して第2側壁16が接続される部分とがなす角部に位置している。
【0033】
操作部59は、例えばタッチパネルなどによって構成され、ユーザーが各種の情報の入力を行う際に使用される。操作部59は、装着部57に対する上壁17側に位置する部分、すなわち高さ方向Zにおいて装着部57に重なる部分を有している。換言すれば、操作部59は、高さ方向Zからの平面視において、装着部57に重なる。
【0034】
図1図3に示すように、本体11は、フレーム体60を有している。フレーム体60は、筐体12のほか、上述した保持部30、記録部35、搬送部45、装着部57、及びメンテナンスユニット58など、本体11に搭載される各種の部材やユニットを支持する。
【0035】
フレーム体60は、ベースフレーム20、第1サイドフレーム61、及び第2サイドフレーム62、第1連結フレーム63、及び第2連結フレーム64を含んで構成されている。第1サイドフレーム61と第2サイドフレーム62とは、記録装置10の幅方向Xにおいて対向するように配置されている。
【0036】
ベースフレーム20は、筐体12の底壁を形成するように筐体12内で幅方向Xに延びている。ベースフレーム20は、脚部70によって設置面S側から支持されている。第1サイドフレーム61は、収容部21よりも第1側壁15側に位置している。第1サイドフレーム61は、ベースフレーム20に連結されており、ベースフレーム20から高さ方向Zに延びている。
【0037】
第1サイドフレーム61は、幅方向Xに延びる軸線を回転中心として回転可能に保持部30の第1保持部31を支持している。第1サイドフレーム61は、保持部30を駆動する駆動部33を支持している。駆動部33は、第1サイドフレーム61に対して第2サイドフレーム62の反対側に位置している。
【0038】
第2サイドフレーム62は、収容部21よりも第2側壁16側に位置している。第2サイドフレーム62は、ベースフレーム20に連結されており、ベースフレーム20から高さ方向Zに延びている。第2サイドフレーム62は、幅方向Xに延びる軸線を回転中心として回転可能に保持部30の第2保持部32を支持している。
【0039】
第1連結フレーム63は、第2サイドフレーム62に連結されて第2サイドフレーム62と第2側壁16との間に位置する部材である。第1連結フレーム63には、装着部57が支持されている。すなわち、装着部57は、第2サイドフレーム62に対して第1サイドフレーム61の反対側において第2サイドフレーム62から離れた位置に位置し、第1連結フレーム63を介して第2サイドフレーム62に支持されている。
【0040】
第2連結フレーム64は、第2サイドフレーム62に連結されて第2サイドフレーム62と第2側壁16との間に位置する部材である。第2連結フレーム64は、第1連結フレーム63よりも上壁17側に位置している。第2連結フレーム64には、メンテナンスユニット58が支持されている。すなわち、メンテナンスユニット58は、第2サイドフレーム62に対して第1サイドフレーム61の反対側に位置し、第2連結フレーム64を介して第2サイドフレーム62に支持されている。
【0041】
図3及び図5に示すように、ベースフレーム20を設置面S側から支持する脚部70は、設置面Sに対して接触可能な接触部を有する支持脚として、第1キャスター71、第2キャスター72、第3キャスター73、及び第4キャスター74を有している。第1キャスター71~第4キャスター74は、高さ方向Zからの平面視において互いに異なる位置に配置されている。
【0042】
第1キャスター71~第4キャスター74は、記録装置10の移動に伴って転動する車輪を有しており、高さ方向Zに延びる軸線を回転中心として回転することにより車輪の向きが変更可能に構成されている。第1キャスター71~第4キャスター74は、車輪の回転を阻害可能な図示しないロック機構を有している。なお、設置面Sは、本体11(記録装置10)が設置される面である。
【0043】
第1キャスター71及び第2キャスター72は、高さ方向Zからの平面視において、前後方向Yにおける前壁13側で幅方向Xに並ぶ位置に配置されている。すなわち、第1キャスター71及び第2キャスター72は、収容部21に収容された状態のロール体25の芯部材23よりも前壁13側で幅方向Xに並んでいる。第1キャスター71及び第2キャスター72は、高さ方向Zからの平面視において、第1保持部31と第2保持部32とを幅方向で挟む位置に位置している。
【0044】
第3キャスター73及び第4キャスター74は、高さ方向Zからの平面視において、前後方向Yにおける後壁14側で幅方向Xに並ぶ位置に配置されている。第1キャスター71及び第4キャスター74は、互いにほぼ前後方向Yに並んでいる。第2キャスター72及び第3キャスター73は、互いに前後方向Yに並んでいる。
【0045】
第1キャスター71及び第4キャスター74は、第1サイドフレーム61に対して第2サイドフレーム62の反対側に位置している。第1キャスター71は、高さ方向Zからの平面視において、保持部30を回転駆動する駆動部33と重なる位置に位置している。駆動部33は、第1サイドフレーム61と第1側壁15側で隣り合う位置に位置している。
【0046】
第4キャスター74は、前後方向Yからの平面視において第1キャスター71よりも第1側壁15側に位置している。換言すれば、幅方向Xにおいて、第1サイドフレーム61から第4キャスター74までの距離は、第1サイドフレーム61から第1キャスター71までの距離よりも長くなっている。
【0047】
第2キャスター72及び第3キャスター73は、第2サイドフレーム62に対して第1サイドフレーム61の反対側に位置している。第2キャスター72及び第3キャスター73は、高さ方向Zからの平面視において前後方向Yに並んでいる。第2キャスター72及び第3キャスター73は、幅方向Xにおいて第2サイドフレーム62と装着部57との間に位置している。
【0048】
図3図5及び図6に示すように、第1キャスター71~第4キャスター74のうちの第1キャスター71~第3キャスター73は、ベースフレーム20に対して固定された固定支持脚である。第1キャスター71~第3キャスター73が有する接触部は、それぞれ基準接触部71a,72a,73aとされている。これら3つの基準接触部71a,72a,73aは、同一の平面に位置している。
【0049】
図6及び図7に示すように、第4キャスター74は、上述した3つの基準接触部71a,72a,73aが位置する平面に対して直交(交差)する高さ方向Zに弾性変形可能な弾性部材80を介して本体11のベースフレーム20に連結された可動支持脚である。本実施形態では、弾性部材80が略矩形状をなす金属製の板ばねによって構成されている。第4キャスター74が有する接触部は、1つの可動接触部74aとされている。
【0050】
本体11(記録装置10)は、上述した3つの基準接触部71a,72a,73aが位置する平面と直交する高さ方向Zから見て3つの基準接触部71a,72a,73aを直線で結んで形成される三角形状の領域75内に重心Gを有している。
【0051】
図5及び図7に示すように、ベースフレーム20は、前後方向Yにおける後壁14側の端部に位置する第1プレート部20aと、第1プレート部20aよりも低い位置に位置する第2プレート部20bと、第1プレート部20aと第2プレート部20bとを連結する連結プレート部20cとを有している。第1プレート部20a、第2プレート部20b、及び連結プレート部20cは、前後方向Yに並んだ状態で一体に形成されている。
【0052】
第1プレート部20aと第2プレート部20bとは互いに平行になっており、連結プレート部20cは第1プレート部20a及び第2プレート部20bの双方に対して垂直になっている。つまり、連結プレート部20cは、第1プレート部20aと第2プレート部20bとの間に段差を形成している。第1プレート部20aにおける第1側壁15側の端部には、矩形状の切欠部81が形成されている。切欠部81は、前後方向Yにおいて連結プレート部20cまで及んでいる。
【0053】
第2プレート部20b上における前後方向Yで切欠部81と対応する位置には、弾性部材80の長手方向の一端部である基端部が固定されている。本実施形態では、弾性部材80の長手方向と前後方向Yとが一致している。弾性部材80の長手方向の基端部は、第2プレート部20bに沿う矩形板状をなしている。
【0054】
弾性部材80の長手方向の基端部には、第2プレート部20b上に突設された板状の挿入片82が挿入される挿入孔83と、第2プレート部20bにおける挿入孔83と幅方向Xで隣り合う位置に形成された図示しないねじ孔と高さ方向Zで対向する図示しない孔とが形成されている。
【0055】
弾性部材80は、挿入孔83に挿入片82を挿入することによって位置決めされた状態で、上述した図示しない孔においてねじ84によって第2プレート部20bの上述した図示しないねじ孔に固定されている。弾性部材80は、第2プレート部20b上に固定された長手方向の基端部から前後方向Yにおいて後壁14側に向かって徐々に上昇するように延びた後、第1プレート部20aに沿うように後壁14に向かって真っ直ぐに延びている。
【0056】
この場合、弾性部材80は、切欠部81を通過して切欠部81よりも後壁14側まで延びている。つまり、弾性部材80の先端部は、前後方向Yにおいて切欠部81よりも後壁14側に位置している。前後方向Yにおける弾性部材80の先端部は、上方に向かって膨らむように湾曲した状態で第1プレート部20aの下面に接触している。したがって、弾性部材80は、第2プレート部20bに片持ち支持されており、高さ方向Zに弾性変形するようになっている。
【0057】
弾性部材80における下面の中央部には、1つの可動接触部74aを有する第4キャスター74が連結されている。切欠部81の上方には、弾性部材80の中央部と高さ方向Zで対向するように矩形板状の制限部85が配置されている。弾性部材80と制限部85との間には、例えば8mm程度の隙間が形成されている。
【0058】
制限部85は、第1プレート部20aと一体形成されており、第1プレート部20aにおける他の部位よりも高い位置に位置している。制限部85は、弾性部材80が本体11側である上側に向かって過剰に弾性変形した場合に弾性部材80が接触することで、弾性部材80の上側への弾性変形を制限する。
【0059】
図6及び図8に示すように、記録装置10は、脚部70を設置面Sと対向するように設置面Sから離れた状態で本体11と共に水平な姿勢に保持した場合に、第4キャスター74は、第1キャスター71~第3キャスター73よりも設置面Sに対して近い位置に配置される。
【0060】
すなわち、記録装置10は、脚部70を設置面Sと対向するように設置面Sから離れた状態で本体11と共に水平な姿勢に保持した場合に、1つの可動接触部74aは、3つの基準接触部71a,72a,73aよりも設置面Sに対して近い位置に配置される。この場合、高さ方向Zにおける可動接触部74aと基準接触部71a,72a,73aとの差Dは、例えば4mm程度に設定される。
【0061】
次に、記録装置10を設置面Sに設置したときの作用について説明する。
図9に示すように、記録装置10を設置面Sにおける凹凸のない部分に設置した場合、設置面Sには第1キャスター71~第4キャスター74が接触するが、本体11の重量は第1キャスター71~第3キャスター73で支えられる。このとき、第4キャスター74に連結がされた弾性部材80は、可動接触部74aと基準接触部71a,72a,73aとの差Dだけ前後方向Yの中央部が上方に膨らむように湾曲しながら弾性変形する。この場合、本体11に作用して本体11を歪ませようとする力は、弾性変形した弾性部材80の反力のみである。この反力は小さいので、当該反力によって本体11が歪むことはほとんどない。
【0062】
図10に示すように、記録装置10を設置面Sにおける陥没した陥没面Kがある部分に第4キャスター74が陥没面Kに接触するように設置した場合、設置面Sには第1キャスター71~第3キャスター73が接触する。このとき、設置面Sと陥没面Kとの差が可動接触部74aと基準接触部71a,72a,73aとの差Dと同じ場合には、弾性部材80が弾性変形しないので、本体11が歪むことはない、
また、設置面Sと陥没面Kとの差が可動接触部74aと基準接触部71a,72a,73aとの差Dよりも小さい場合には、これらの差分だけ第4キャスター74に連結がされた弾性部材80が前後方向Yの中央部が上方に膨らむように湾曲しながら弾性変形する。この場合、本体11に作用して本体11を歪ませようとする力は、弾性変形した弾性部材80の反力のみである。この反力は上述した図9の場合よりもさらに小さいので、当該反力によって本体11が歪むことはほとんどない。
【0063】
図11に示すように、記録装置10を設置面Sにおける隆起した隆起面Rがある部分に第4キャスター74が隆起面Rに接触するように設置した場合、設置面Sには第1キャスター71~第3キャスター73が接触する。このとき、第4キャスター74に連結がされた弾性部材80は、可動接触部74aと基準接触部71a,72a,73aとの差Dに設置面Sと隆起面Rとの差を加えた分だけ前後方向Yの中央部が上方に膨らむように湾曲しながら弾性変形する。
【0064】
この場合、本体11に作用して本体11を歪ませようとする力は、弾性変形した弾性部材80の反力のみである。この反力は、上述した図9の場合よりも大きいが、本体11を歪ませるほどの大きさではない。したがって、当該反力によって本体11が歪むことはほとんどない。
【0065】
このように、設置面Sの凹凸に伴う本体11のねじれが弾性部材80の弾性変形によって抑制されるので、本体11に設置面Sの凹凸に起因した歪みが生じることが抑制される。
【0066】
なお、記録装置10を設置面Sに設置する際に、設置面Sが水平面に対して傾斜している場合や、設置面Sに多数の凹凸があって基準接触部71a,72a,73aを含む平面が水平面に対して傾斜している場合であっても、弾性部材80が弾性変形することにより、第4キャスター74が設置面Sの傾斜や凹凸に追従して設置面Sに接触する。このため、設置面Sの凹凸や傾斜に伴う本体11のねじれが弾性部材80の弾性変形によって抑制されるので、本体11に設置面Sの凹凸や傾斜に起因した歪みが生じることが抑制される。
【0067】
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)記録装置10において、本体11を設置面Sから支持する脚部70は、設置面Sに対して互いに異なる位置で接触可能な接触部を有し、接触部は同一の平面に位置する3つの基準接触部71a,72a,73aと1つの可動接触部74aとを有している。可動接触部74aは上記平面に対して交差する方向に弾性変形可能な弾性部材80を介して本体11に連結されている。
【0068】
この構成によれば、設置面Sに凹凸がある場合に、3つの基準接触部71a,72a,73aを設置面Sに接触させると、弾性部材80の弾性変形により可動接触部74aが凹凸に追従して設置面Sに接触する。このため、設置面Sの凹凸に伴う本体11のねじれが弾性部材80の弾性変形によって抑制されるので、本体11に設置面Sの凹凸に起因した歪みが生じることを抑制できる。
【0069】
(2)記録装置10において、本体11は、3つの基準接触部71a,72a,73aを含む平面と直交する方向から見て3つの基準接触部71a,72a,73aを直線で結んで形成される三角形状の領域75内に重心Gを有している。この構成によれば、基準接触部71a,72a,73aが位置する平面で記録装置10を支持したときの記録装置10の姿勢を安定させることができる。
【0070】
(3)記録装置10において、弾性部材80は、本体11に片持ち支持されている。この構成によれば、弾性部材80における本体11に片持ち支持された側とは反対側の端部が自由端になるので、弾性部材80が外力の作用によって弾性変形され易くすることができる。したがって、可動接触部74aの設置面Sに対する追従性を高めることができる。
【0071】
(4)記録装置10において、本体11は、弾性部材80の本体11側への弾性変形を制限する制限部85を備えている。この構成によれば、制限部85により弾性部材80の弾性変形が制限されるので、弾性部材80に過度の外力が作用した場合でも、弾性部材80が塑性変形することを抑制できる。
【0072】
(5)記録装置10において、可動接触部74aは、略矩形板状をなす弾性部材80の中央部に連結されている。通常、可動接触部74aをキャスターによって構成してキャスターを弾性部材80の端部に連結した場合、弾性部材80が弾性変形すると、キャスターを方向転換させる際の回転軸の向きが設置面Sに対して大きく傾いてしまうので、キャスターを方向転換させることが困難になってしまう。この点、この構成によれば、弾性部材80が弾性変形した場合でも、キャスターを方向転換させる際の回転軸の向きが設置面Sに対して傾くことを抑制できるので、キャスターを容易に方向転換させることができる。
【0073】
(6)記録装置10において、脚部70を設置面Sと対向するように設置面Sから離れた状態で本体11と共に水平な姿勢に保持した場合に、1つの可動接触部74aは、3つの基準接触部71a,72a,73aよりも設置面Sに対して近い位置に配置される。この構成によれば、記録装置10を設置面Sに設置したときに可動接触部74aが設置面Sに接触する頻度を高めることができる。このため、記録装置10が1つの可動接触部74a及び3つの基準接触部71a,72a,73aを含む4点以上で支持される頻度が高まるので、ユーザーが記録装置10に荷重をかけた場合でも記録装置10ががたつくことを抑制できる。
【0074】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0075】
図12に示すように、弾性部材80は、弾性部材90に変更してもよい。弾性部材90は、略矩形状の金属製の板ばねによって構成され、水平な第1端部91と、水平な第2端部92と、第1端部91と第2端部92とを第1端部91の方が高くなるように連結する連結部93とを備えている。そして、弾性部材90は、第1端部91が本体11のベースフレーム20に上側から重ねた状態でねじによって固定され、第2端部92の下面にねじによって第4キャスター74が固定される。
【0076】
図13に示すように、弾性部材80は、コイルばねによって構成された弾性部材94に変更してもよい。この場合、弾性部材94は、伸縮方向が高さ方向Zとなるように、一端が本体11のベースフレーム20の下面に固定され、他端が第4キャスター74に固定される。さらにこの場合、ベースフレーム20の下面には、弾性部材94が高さ方向Zに伸縮するようにガイドする筒状のガイド部材95が弾性部材94を囲むように設けられる。
【0077】
・脚部70を設置面Sと対向するように設置面Sから離れた状態で本体11と共に水平な姿勢に保持した場合に、1つの可動接触部74aは、必ずしも3つの基準接触部71a,72a,73aよりも設置面Sに対して近い位置に配置される必要はない。
【0078】
・可動接触部74aは、必ずしも弾性部材80の中央部に連結される必要はない。例えば、可動接触部74aは、弾性部材80の端部に連結されてもよい。
・制限部85は省略してもよい。
【0079】
・弾性部材80は、必ずしも本体11に片持ち支持される必要はない。すなわち、弾性部材80は、例えば両端部が本体11に支持されるようにしてもよい。
・本体11は、必ずしも3つの基準接触部71a,72a,73aを含む平面と直交する方向から見て3つの基準接触部71a,72a,73aを直線で結んで形成される三角形状の領域75内に重心Gを有している必要はない。
【0080】
・弾性部材80は、ゴムや合成樹脂によって構成してもよい。
・接触部を有する支持脚は、必ずしもキャスターで構成する必要はない。例えば、接触部を有する支持脚は、転動しないものであってもよい。
【0081】
・記録装置10は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする記録装置であってもよい。記録装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、記録装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。記録装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する装置がある。記録装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。記録装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する装置であってもよい。記録装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置であってもよい。
【0082】
・記録装置10は、インクジェット方式以外の記録装置であってもよい。すなわち、記録装置10は、記録部35として、感光ドラムと、露光ユニットと、転写ユニットとを有する電子写真方式の記録装置であってもよい。
【0083】
上記実施形態及び変更例から導かれる内容について記載する。
記録装置は、メディアが芯部材に巻き回されたロール体から引き出されたメディアに対して記録する記録部を含む本体と、前記本体を当該本体が設置される設置面から支持する脚部と、を備えた記録装置であって、前記脚部は、前記設置面に対して互いに異なる位置で接触可能な接触部を有し、前記接触部は、同一の平面に位置する3つの基準接触部と、1つの可動接触部とを有し、前記可動接触部は、前記平面に対して交差する方向に弾性変形可能な弾性部材を介して前記本体に連結されている。
【0084】
この構成によれば、設置面に凹凸がある場合に、3つの基準接触部を設置面に接触させると、弾性部材の弾性変形により可動接触部が凹凸に追従して設置面に接触する。このため、設置面の凹凸に伴う本体のねじれが弾性部材の弾性変形によって抑制されるので、本体に設置面の凹凸に起因した歪みが生じることを抑制できる。
【0085】
上記記録装置において、前記本体は、前記平面と直交する方向から見て3つの前記基準接触部を直線で結んで形成される三角形状の領域内に重心を有していてもよい。
この構成によれば、3つの基準接触部が位置する平面で記録装置を支持したときの記録装置の姿勢を安定させることができる。
【0086】
上記記録装置において、前記弾性部材は、前記本体に片持ち支持されていてもよい。
この構成によれば、弾性部材における本体に片持ち支持された側とは反対側の端部が自由端になるので、弾性部材が外力の作用によって弾性変形され易くすることができる。したがって、可動接触部の設置面に対する追従性を高めることができる。
【0087】
上記記録装置において、前記本体は、前記弾性部材の前記本体側への弾性変形を制限する制限部を備えていてもよい。
この構成によれば、制限部により弾性部材の弾性変形が制限されるので、弾性部材に過度の外力が作用した場合でも、弾性部材が塑性変形することを抑制できる。
【0088】
上記記録装置において、前記可動接触部は、前記弾性部材の中央部に連結されていてもよい。
通常、可動接触部をキャスターによって構成してキャスターを弾性部材の端部に連結した場合、弾性部材が弾性変形すると、キャスターを方向転換させる際の回転軸の向きが設置面に対して大きく傾いてしまうので、キャスターを方向転換させることが困難になってしまう。この点、この構成によれば、弾性部材が弾性変形した場合でもキャスターを方向転換させる際の回転軸の向きが設置面に対して傾くことを抑制できるので、キャスターを容易に方向転換させることができる。
【0089】
上記記録装置において、前記脚部を前記設置面と対向するように前記設置面から離れた状態で前記本体と共に水平な姿勢に保持した場合に、1つの前記可動接触部は、3つの前記基準接触部よりも前記設置面に対して近い位置に配置されてもよい。
【0090】
この構成によれば、記録装置を設置面に設置したときに可動接触部が設置面に接触する頻度を高めることができる。このため、記録装置が1つの可動接触部及び3つの基準接触部を含む4点以上で支持される頻度が高まるので、ユーザーが記録装置に荷重をかけた場合でも記録装置ががたつくことを抑制できる。
【符号の説明】
【0091】
D…差、G…重心、K…陥没面、R…隆起面、S…設置面、X…幅方向、Y…前後方向、Z…高さ方向、10…記録装置、11…本体、12…筐体、13…前壁、14…後壁、15…第1側壁、16…第2側壁、17…上壁、20…ベースフレーム、20a…第1プレート部、20b…第2プレート部、20c…連結プレート部、21…収容部、22,22a…メディア、23…芯部材、25…ロール体、27…開口、30…保持部、31…第1保持部、32…第2保持部、33…駆動部、35…記録部、36…支持台、37…ガイド軸、38…キャリッジ、39…記録ヘッド、40…キャリッジモーター、45…搬送部、46…搬送経路形成部、47…中間ローラー、48…搬送ローラー、49…搬送経路、50…排紙口部材、51…切断部、53…排紙口、54…基板収納室、55…基板、55a…電源基板、55b…制御基板、56…カートリッジ、57…装着部、58…メンテナンスユニット、59…操作部、60…フレーム体、61…第1サイドフレーム、62…第2サイドフレーム、63…第1連結フレーム、64…第2連結フレーム、70…脚部、71…第1キャスター、72…第2キャスター、73…第3キャスター、71a,72a,73a…基準接触部、74…第4キャスター、74a…可動接触部、75…領域、80,90,94…弾性部材、81…切欠部、82…挿入片、83…挿入孔、84…ねじ、85…制限部、91…第1端部、92…第2端部、93…連結部、95…ガイド部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13