(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】検索システム、検索方法及び検索プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9032 20190101AFI20240214BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240214BHJP
G06F 16/90 20190101ALI20240214BHJP
【FI】
G06F16/9032
G06Q50/10
G06F16/90 100
(21)【出願番号】P 2020006645
(22)【出願日】2020-01-20
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100141232
【氏名又は名称】飯塚 達
(72)【発明者】
【氏名】谷本 恒野
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-237912(JP,A)
【文献】特開2018-045498(JP,A)
【文献】特開2019-095940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 40/00-40/58
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索者により作成された検索クエリであって回答情報を得るための該検索クエリを受け付ける受付部と、
前記検索クエリを用いて情報の検索を行って検索結果を出力する検索部と、
前記検索により得られた前記検索結果に前記回答情報が含まれていないとの判断がなされた場合の該検索に用いられていた前記検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、
前記検索クエリ取得部が取得した前記検索クエリを作成した前記検索者からの問合せに応対した応対者により行われた、該問合せにおいて該検索者から得た問合せ情報に基づいた該情報の検索によって前記回答情報が得られた場合に、該応対者によって該問合せ情報若しくは該回答情報に基づき設定されるキーワードを、拡張キーワードとして取得するキーワード取得部と、
前記検索クエリ取得部が取得した前記検索クエリに前記拡張キーワードを関連付けて管理する管理部と、
を備え、
前記検索部は、前記検索クエリ取得部が取得した前記検索クエリを用いる情報の検索を改めて行う場合には、前記管理部において該検索クエリに関連付けられている前記拡張キーワードを該検索クエリと組み合せた検索クエリを用いて前記検索を行う、
ことを特徴とする検索システム。
【請求項2】
前記拡張キーワードは、前記問合せ情報に基づき設定されるキーワードである問合せキーワードと、前記回答情報に基づき設定されるキーワードである回答キーワードとを含むことを特徴とする請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記検索部は、前記検索クエリ取得部が取得した前記検索クエリを用いて情報の検索を改めて行う場合には、前記管理部において該検索クエリに関連付けられている前記問合せキーワード及び前記回答キーワードを取得し、取得した前記問合せキーワードの論理積と取得した前記回答キーワードの論理積との論理積と該検索クエリとの論理積を用いて、若しくは、取得した前記問合せキーワードの論理積と取得した前記回答キーワードの論理積との論理和と該検索クエリとの論理和を用いて、前記検索を行うことを特徴とする請求項2に記載の検索システム。
【請求項4】
前記検索部により行われた情報の検索に用いられた前記検索クエリを前記検索者毎に格納する格納部を更に備え、
前記検索クエリ取得部は、前記格納部に格納されている前記検索クエリであって前記問合せを行った前記検索者についての該検索クエリのうちから選択された、前記検索結果に前記回答情報が含まれていないとの判断がなされた場合の前記検索に用いられた1の検索クエリを取得する、
ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の検索システム。
【請求項5】
検索者により作成された検索クエリであって回答情報を得るための該検索クエリを受け付け、
前記検索クエリを用いて情報の検索を行って検索結果を出力し、
前記検索により得られた前記検索結果に前記回答情報が含まれていないとの判断がなされた場合の該検索に用いられていた前記検索クエリを取得し、
取得した前記検索クエリを作成した前記検索者からの問合せに応対した応対者により行われた、該問合せにおいて該検索者から得た問合せ情報に基づいた該情報の検索によって前記回答情報が得られた場合に、該応対者によって該問合せ情報若しくは該回答情報に基づき設定されるキーワードを、拡張キーワードとして取得し、
取得した前記検索クエリに前記拡張キーワードを関連付けて管理し、
取得した前記検索クエリを用いる情報の検索を改めて行う場合には、該検索クエリに関連付けられている前記拡張キーワードを該検索クエリと組み合せた検索クエリを用いて前記検索を行う、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする検索方法。
【請求項6】
検索者により作成された検索クエリであって回答情報を得るための該検索クエリを受け付け、
前記検索クエリを用いて情報の検索を行って検索結果を出力し、
前記検索により得られた前記検索結果に前記回答情報が含まれていないとの判断がなされた場合の該検索に用いられていた前記検索クエリを取得し、
取得した前記検索クエリを作成した前記検索者からの問合せに応対した応対者により行われた、該問合せにおいて該検索者から得た問合せ情報に基づいた該情報の検索によって前記回答情報が得られた場合に、該応対者によって該問合せ情報若しくは該回答情報に基づき設定されるキーワードを、拡張キーワードとして取得し、
取得した前記検索クエリに前記拡張キーワードを関連付けて管理し、
取得した前記検索クエリを用いる情報の検索を改めて行う場合には、該検索クエリに関連付けられている前記拡張キーワードを該検索クエリと組み合せた検索クエリを用いて前記検索を行う、
処理をコンピュータに実行させるための検索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で議論される実施態様は、コールセンター等の、電話等の通信手段による顧客からの問合せにオペレータが応対するコンタクトセンターでの使用に好適である、情報検索の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品・サービスに関する問題・疑問を顧客自身のみで解決できるようにするために、過去の問合せ内容に基づいたFAQ(Frequently
Asked Questions)の整備が多くの企業において行われている。しかしながらFAQのみでは解決が難しい問題も少なくない。このような問題に直面した顧客は、電話等の通信手段を用いてコールセンター等のコンタクトセンターに問合せを行う。コンタクトセンターでは、応対業務に現在従事しているオペレータ(応対者)が、この問合せに応対して回答を顧客に提供する。
【0003】
近年、コンタクトセンターにおけるオペレータの人材不足が深刻化しており、顧客からの問合せに十分に対応できない状況が発生している。少ないオペレータの人数で顧客からの問合せへの適切な応対を行うには、顧客からの問合せの件数を減らすことが効果的である。そのための手法の一つとして、FAQを改善して、問題の全解決件数に対する、顧客自らの作業によってオペレータの支援無しに解決できた問題の解決件数の割合(自己問題解決率)を向上させるというものがある。
【0004】
FAQを改善する手法として、例えば、FAQの参照履歴と問合せの対応履歴とを対応付けて管理するという技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した技術では、不特定多数の顧客に関する参照履歴と問合せ対応履歴との対応関係を利用してFAQの修正が行われる。このため、関心を持っているのが一部の顧客のみであって、他の顧客には全く興味のない内容であってもFAQが修正されてしまうことがある。このような修正がFAQの内容を煩雑にしてしまい、結果として、他の顧客が所望の情報を見つけ出し難くなり、自己問題解決率を却って低下させてしまうこともあり得る。
【0007】
FAQにおいて、求められている情報がそこに含まれているにも関わらず、当該情報の検索者である顧客が当該情報を得ることができない場合がある。より具体的には、例えば、FAQの規模が大きいために所望の情報を探し出せない場合や、所望の情報が含まれているFAQを探し出せたが、そのFAQで用いられていた表現が顧客の想定していたものと異なっていたために、当該情報を見逃してしまう場合がある。
【0008】
1つの側面において、本発明は、検索者自らが行う情報の検索を支援する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの実施形態によれば、検索システムは、受付部と、検索部と、検索クエリ取得部と、キーワード取得部と、管理部とを備える。受付部は、検索者により作成された検索クエリであって回答情報を得るための検索クエリを受け付ける。検索部は、検索クエリを用いて情報の検索を行って検索結果を出力する。検索クエリ取得部は、検索により得られた検索結果に回答情報が含まれていないとの判断がなされた場合の検索に用いられていた検索クエリを取得する。キーワード取得部は、検索クエリ取得部が取得した検索クエリを作成した検索者からの問合せに応対した応対者により行われた、当該問合せにおいて検索者から得た問合せ情報に基づいた情報の検索によって回答情報が得られた場合に、応対者によって問合せ情報若しくは回答情報に基づき設定されるキーワードを、拡張キーワードとして取得する。管理部は、検索クエリ取得部が取得した検索クエリに拡張キーワードを関連付けて管理する。この検索システムにおいて、検索部は、検索クエリ取得部が取得した検索クエリを用いる情報の検索を改めて行う場合には、管理部において検索クエリに関連付けられている拡張キーワードを検索クエリと組み合せた検索クエリを用いて検索を行う。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、検索者自らが行う情報の検索を支援する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】検索システムの機能的構成例を示す図である。
【
図6】顧客情報管理処理の例を示すフローチャートである。
【
図7】FAQサービス提供処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】オペレータ作業支援処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】応対終了時処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
【0013】
【0014】
検索システム10はFAQを提供する。情報の検索を行う検索者である顧客1は、自身の所有するコンピュータ1aを操作して検索システム10へアクセスする。検索システム10へのアクセスは通信網3を介して行われる。このアクセスには検索クエリが含まれている。検索クエリは、FAQから回答情報を得るために、顧客1により作成されるものである。
【0015】
検索システム10は、受付部11、検索部12、検索クエリ取得部13、キーワード取得部14、及び管理部15を備えている。
【0016】
受付部11は、顧客1からのアクセスに含まれている検索クエリを受け付ける。
【0017】
検索部12は、FAQからの回答の情報の検索を、受付部11が受け付けた検索クエリを用いて行い、検索結果を出力する。出力された検索結果は、通信網3を介してコンピュータ1aに送られて、例えば画面表示によって出力されて顧客1に提供される。
【0018】
顧客1は提供された検索結果を参照する。ここで、顧客1は、所望の回答情報が検索結果に含まれていないと判断した場合、すなわち、自身が作成した検索クエリでは所望の回答情報が得られなかったと判断した場合には、電話機1bを用いてコールセンターへ問合せのためのコールを行う。このコールは、通信網3を介して、コールセンターで電話応対業務に従事しているオペレータ2が使用している電話機2bに届く。以降、電話機1bと電話機2bとを用いて行われる顧客1とオペレータ2との対話の内容に基づいた、顧客1が所望している回答の情報の検索が、オペレータ2によって行われる。
【0019】
顧客1からの問合せに応対する応対者であるオペレータ2は、自身が使用しているコンピュータ2aを操作して、当該問合せにおいて得られた問合せ情報に基づいて、FAQからの回答の情報の検索を検索システム10に対して行う。なお、コンピュータ2aと検索システム10との間の情報の授受についても通信網3を介して行われる。オペレータ2は、この検索によって得られた検索結果を顧客1に提供する。この検索結果から顧客1が所望している回答情報が得られれば、顧客1とオペレータ2との対話は終了する。
【0020】
オペレータ2は、コンピュータ2aを操作して、顧客1からの問合せへの応対が終了したことを検索システム10へ通知する。なお、オペレータ2は、この通知を行う際に、顧客1からの問合せにおいて得られた問合せ情報に基づいて、若しくは、検索結果から得られた回答情報に基づいて、キーワードを設定し、このキーワードをこの通知に含める。
【0021】
検索システム10では、この通知を受け取ると以下の処理が行われる。
【0022】
まず、検索クエリ取得部13が、顧客1が行った検索、すなわち、検索結果に所望の回答情報が含まれていないとの判断がなされた検索に用いられていた検索クエリを取得する。
【0023】
次に、キーワード取得部14が、顧客1からの問合せへの応対が終了したことの通知に含まれるキーワードを取得する。前述したように、このキーワードは、顧客1からの問合せにおいて得られた問合せ情報、若しくは、検索結果から得られた回答情報に基づき設定されたキーワードであり、以降、このキーワードを「拡張キーワード」と称することとする。
【0024】
管理部15は、検索クエリ取得部13が取得した検索クエリに拡張キーワードを関連付けて管理する。
【0025】
検索部12は、検索クエリ取得部13が取得した検索クエリを用いる情報検索を改めて行う場合には、当該検索クエリの拡張を行う。この拡張は、管理部15において当該検索クエリに関連付けられている拡張キーワードを当該検索クエリと組み合せることによって行われる。このようにすることで、検索クエリ取得部13が取得した検索クエリを用いる情報検索を例えば別の顧客1が行う場合に、当該別の顧客1自らが行う回答情報を得るための情報の検索によって、所望の回答情報を得られるようになる。所望の回答情報を自ら得ることができた顧客1はコールセンターへの問合せを行わないので、コールセンターへの問合せの件数が削減される。少ないオペレータ2の人数でも顧客1からの問合せへの応対を適切に行えるようになる。
【0026】
なお、キーワード取得部14が取得する拡張キーワードが、問合せ情報に基づいて設定されたキーワードである問合せキーワードと、回答情報に基づいて設定されたキーワードである回答キーワードとの両方を含むものであってもよい。この場合において、検索部12は、検索クエリ取得部13が取得した検索クエリと管理部15において関連付けられている問合せキーワード及び回答キーワードとを取得し、これらを当該検索クエリと組み合せた検索クエリを用いて検索を行うようにしてもよい。より具体的には、検索部12は、取得した問合せキーワードの論理積と取得した回答キーワードの論理積との論理積と、検索クエリ取得部13が取得した検索クエリとの論理積を用いて検索を行うようにしてもよい。あるいは、検索部12は、取得した問合せキーワードの論理積と取得した回答キーワードの論理積との論理和と、検索クエリ取得部13が取得した検索クエリとの論理和を用いて検索を行うようにしてもよい。
【0027】
また、検索システム10は格納部16を更に備えてもよい。格納部16は、検索部12により行われた情報の検索に用いられた検索クエリを、検索者である顧客1毎に格納する。この場合、検索クエリ取得部13は、格納部16に格納されている、問合せを行った顧客1により作成された検索クエリのうちからオペレータ2によって選択された、検索結果に回答情報が含まれていないと判断された検索に用いられた1の検索クエリを取得する。このようにすることで、格納部16に格納されている検索クエリとキーワード取得部14が取得する拡張キーワードとの適切な関連付けを管理部15に行わせることができる。
【0028】
次に、検索システム10の詳細構成例について、
図2を参照しながら説明する。
【0029】
図2に示されているように、検索システム10は、サブシステムA20、サブシステムB30、サブシステムC40、及びサブシステムD50を備えて構成されている。なお、サブシステムA20、サブシステムB30、サブシステムC40、及びサブシステムD50は、相互にデータの授受を行えるように接続されている。
【0030】
サブシステムA20は顧客1の情報の管理を行うシステムであり、顧客情報管理サーバ21、顧客情報DB(データベース)22、及び検索履歴DB23を備えている。
【0031】
サブシステムB30はFAQの機能を提供するシステムであり、FAQサーバ31、FAQDB32、及び紐付け情報DB33を備えている。
【0032】
サブシステムC40はオペレータ2が行う電話応対の作業の支援を行うシステムであり、オペレータ作業支援サーバ41、オペレータ情報DB42、及び問合せ履歴DB43を備えている。
【0033】
サブシステムD50は、紐付け情報DB33に格納される紐付け情報の編集を行う際に使用されるシステムであり、紐付け情報編集サーバ51を備えている。
【0034】
図2の構成を有する検索システム10の動作を説明する。
【0035】
初めに、ユーザ登録の要求が顧客1から送られてくる。この登録要求は顧客情報管理サーバ21が受け付ける。顧客情報管理サーバ21は、この登録要求を受け付けると、顧客1を識別するためのユーザIDを顧客1に対して付与する。顧客情報管理サーバ21は、このユーザIDを、顧客情報DB22に登録すると共に、顧客1のコンピュータ1aへ送付する。
【0036】
その後、顧客1から、顧客1自身のユーザIDを含むFAQの利用要求が送られてくる。この利用要求は顧客情報管理サーバ21が受け付ける。顧客情報管理サーバ21は、この利用要求を受け付けると、利用要求に含まれているユーザIDと、顧客情報DB22に登録されているユーザIDとの照合を行い、両者が一致した場合にFAQの利用を許可し、その旨をコンピュータ1aに通知する。なお、この照合の処理を、パスワードを用いる等してより安全に行うようにしてもよい。
【0037】
FAQの利用許可を得た顧客1はFAQへのアクセスを行う。このアクセスはFAQサーバ31が受け付ける。一対の質問文と回答文との組合せであるFAQの各々にはFAQを識別するためのFAQ番号が付与されており、FAQとFAQ番号とが対応付けられてFAQDB32に蓄積されている。FAQサーバ31は、FAQへのアクセスを受け付けると、FAQDB32に蓄積されているFAQの情報を取得し、その一覧を例えばWebページの様式でコンピュータ1aに送付して表示させる。
【0038】
また、顧客1は、所望の回答情報を含むFAQを得るために検索システム10へのアクセスを行う。このアクセスはFAQサーバ31が受け付ける。なお、このアクセスには顧客1自身のユーザIDと顧客1が作成した検索クエリとが含まれており、検索クエリにはFAQから回答情報を得るための検索キーワードが含まれている。
【0039】
FAQサーバ31は、まず、このアクセスに含まれているユーザIDと検索クエリとを、アクセスを受け付けた日時の情報と共に顧客情報管理サーバ21へ送付する。顧客情報管理サーバ21は、FAQサーバ31から送られてきたこれらの情報を関連付けて検索履歴DB23に格納する。
【0040】
また、FAQサーバ31は、このアクセスに含まれている検索クエリを用いてFAQDB32に対する情報検索を行い、検索結果として得られた回答の情報であるFAQを、例えばWebページの様式でコンピュータ1aに送付して表示させる。つまり、FAQサーバ31は、
図1における受付部11の機能と検索部12の機能とを提供する。
【0041】
なお、FAQサーバ31は、検索結果として得られた回答の情報であるFAQに対応付けられているFAQ番号を顧客情報管理サーバ21に送付する。顧客情報管理サーバ21は、受け取ったFAQ番号を、顧客1からのアクセスに含まれていたユーザID及び検索クエリに関連付けて、検索履歴DB23に更に格納する。つまり、検索履歴DB23は、
図1における格納部16として機能する。
【0042】
その後、顧客1は提供された検索結果を参照する。ここで、顧客1は、検索結果に所望の回答情報が含まれていないと判断した場合に、電話機1bを用いてコールセンターのオペレータ2に問合せを行う。
【0043】
オペレータ2は、電話機2bを用いて顧客1からの問合せを受けると、コンピュータ2aを操作して、電話応対業務を支援する画面の取得要求を検索システム10に対して行う。この取得要求には、オペレータ2を識別するためのオペレータIDが含まれている。なお、オペレータIDはオペレータ2の各々に予め付与されている。
【0044】
この画面の取得要求はオペレータ作業支援サーバ41が受け付ける。オペレータ作業支援サーバ41は、まず、この取得要求に含まれているオペレータIDと、オペレータ情報DB42に予め登録されているオペレータIDとの照合を行う。オペレータ作業支援サーバ41は、これらのオペレータIDが一致した場合、
図3に例示されているような、電話応対業務を支援する画面をコンピュータ2aに送付する。なお、この照合の処理を、パスワードを用いる等してより安全に行うようにしてもよい。
【0045】
【0046】
業務画面60は、顧客通話欄61とオペレータ通話欄63とを備えている。顧客通話欄61及びオペレータ通話欄63は、それぞれ、顧客1とオペレータ2との対話における顧客1とオペレータ2との通話内容を書き起こした文が表示される欄である。
【0047】
なお、本実施形態では、通話内容の書き起こしはオペレータ作業支援サーバ41が行うものとする。顧客1とオペレータ2との対話における通話内容は、電話機2bから、例えば、コンピュータ2aを介してオペレータ作業支援サーバ41に送付される。オペレータ作業支援サーバ41は、既存の音声認識手段を利用して通話内容の書き起こしを行い、得られた書き起こし文を順次コンピュータ2aに送付して、表示中の業務画面60における顧客通話欄61及びオペレータ通話欄63に表示させる。なお、オペレータ作業支援サーバ41は、通話内容の収録も行う。
【0048】
顧客通話欄61及びオペレータ通話欄63には、それぞれスクロールバー62及び64が付加されている。オペレータ2は、スクロールバー62及び64の操作を行うことで、それぞれ顧客通話欄61及びオペレータ通話欄63に表示される顧客1及びオペレータ2の通話内容についての書き起こし文をスクロールさせることができる。
【0049】
図3の業務画面60は、更に、ユーザID入力欄65、検索ボタン66、及び検索履歴表示欄67を備えている。
【0050】
オペレータ2が、例えば顧客1との対話によって顧客1から得た、顧客1のユーザIDをユーザID入力欄65に入力して検索ボタン66を押下操作すると、ユーザIDがコンピュータ2aからオペレータ作業支援サーバ41に送付される。オペレータ作業支援サーバ41は、コンピュータ2aからユーザIDを受け取ると、このユーザIDを含む検索履歴取得要求を顧客情報管理サーバ21へ送付する。顧客情報管理サーバ21は、検索履歴DB23を参照して、受け取ったユーザIDに関連付けられている顧客1の検索履歴の情報(検索日時、検索クエリ、検索結果として得られたFAQについてのFAQ番号)を読み出す。顧客情報管理サーバ21は、読み出した検索履歴の情報をオペレータ作業支援サーバ41に送付する。オペレータ作業支援サーバ41は、受け取った検索履歴の情報を順次コンピュータ2aに送付して、表示中の業務画面60における検索履歴表示欄67に表示させる。また、オペレータ作業支援サーバ41は、受け取った検索履歴の情報と問合せ履歴DB43の情報との対比によって、各履歴について過去に顧客1から電話での問合せがあったか否かを表す情報を取得して、検索履歴表示欄67の「問合せ有無」の欄に表示させる。
【0051】
オペレータ2は、検索履歴表示欄67に表示される顧客1の検索履歴を参照し、その履歴の中から、応対中の顧客1からの問合せに関連している検索履歴を、検索履歴の代表として1つ選択する。
【0052】
図3の業務画面60では、検索者である顧客1により作成された検索クエリが配置され表示される欄である「ユーザ入力クエリ」の欄に、「排熱回収ボイラー AND 漏水」が配置されて表示されている。また、業務画面60は、この「排熱回収ボイラー AND 漏水」が配置されている行が、検索履歴の代表として選択された様子を、ハーフトーンにより表している。なお、検索履歴の代表が選択されると、検索履歴表示欄67の選択された行における「問合せ有無」の欄は空欄となる。
【0053】
このように、検索履歴の代表には、応対中の顧客1からの問合せに関連している検索クエリ、すなわち、検索結果に回答情報が含まれていないとの判断が顧客1によりなされた場合の検索に用いられていた検索クエリが含まれている。
【0054】
続いて、オペレータ2は、コンピュータ2aを操作して、応対中の顧客1からの問合せにおいて顧客1との対話により得られた問合せ情報に基づいて、FAQにおける回答の情報の検索を、検索システム10に対して行う。この検索はFAQサーバ31において行われる。
【0055】
FAQサーバ31は、検索結果として得られた回答の情報であるFAQを、例えばWebページの様式でコンピュータ2aに送付して表示させる。オペレータ2は、電話機2bを使用して、得られた情報に基づいて顧客1に対して問合せへの回答を通話により行う。この回答が顧客1の所望していたものであれば、顧客1とオペレータ2との対話は終了する。
【0056】
ところで、
図3の業務画面60は、更に、問合せキーワード入力欄68、回答キーワード入力欄70、及び参照FAQ番号入力欄72と、追加ボタン69及び71と、終了ボタン73とを備えている。
【0057】
顧客1との対話の終了後、オペレータ2は、顧客1からの対話による問合せの内容に基づいてキーワードを1つ以上設定する。このキーワードが拡張キーワードのうちの問合せキーワードである。オペレータ2は、設定した問合せキーワードを問合せキーワード入力欄68に1つずつ入力し、1つ入力する毎に追加ボタン69を押下操作する。
【0058】
また、オペレータ2は、顧客1の所望していた回答の情報であるFAQに基づいてキーワードを1つ以上設定する。このキーワードが拡張キーワードのうちの回答キーワードである。オペレータ2は、設定した回答キーワードを回答キーワード入力欄70に1つずつ入力し、1つ入力する毎に追加ボタン71を押下操作する。
【0059】
なお、オペレータ2は、拡張キーワードとして、問合せキーワードと回答キーワードとの両方を設定することが望ましいが、どちらか一方でもよい。
【0060】
更に、オペレータ2は、顧客1の所望していた回答の情報であるFAQに付与されていたFAQ番号を、顧客1へ回答を提供するために参照したFAQを特定する情報である参照FAQ番号として、参照FAQ番号入力欄72に入力する。
【0061】
その後、オペレータ2は終了ボタン73を押下操作する。すると、コンピュータ2aは、顧客1からの問合せへの応対が終了したことを示している終了通知を検索システム10へ送付する。この終了通知には、オペレータ2によって入力されたユーザID、問合せキーワード、回答キーワード、及び参照FAQ番号と、オペレータ2により選択された検索履歴の代表の情報とが、オペレータ2についてのオペレータIDと共に含まれている。
【0062】
検索システム10では、この終了通知はオペレータ作業支援サーバ41が受け付ける。オペレータ作業支援サーバ41は、終了通知から、オペレータIDと、ユーザID、問合せキーワード、回答キーワード、及び参照FAQ番号と、検索履歴の代表の情報とを取得する。オペレータ作業支援サーバ41は、取得したこれらの情報に、収録しておいた顧客1とオペレータ2との対話における通話内容を関連付けて、問合せ履歴DB43に格納する。
【0063】
前述したように、検索履歴の代表の情報には、応対中の顧客1からの問合せに関連している検索クエリ、すなわち、検索結果に回答情報が含まれていないとの判断が顧客1によりなされた場合の検索に用いられていた検索クエリが含まれている。従って、このような、オペレータ2によって選択された検索履歴の代表の情報を取得する点において、オペレータ作業支援サーバ41は、
図1における検索クエリ取得部13としての機能を提供する。
【0064】
また、オペレータ作業支援サーバ41は、拡張キーワードである問合せキーワードと回答キーワードとを取得する点において、
図1におけるキーワード取得部14としての機能も提供する。
【0065】
オペレータ作業支援サーバ41は、これらの拡張キーワードの、取得した検索履歴の代表の情報に含まれる検索クエリへの関連付けを行う。このような、拡張キーワードの検索クエリへの関連付けを行うことを、以降「紐付け」とも称することとする。オペレータ作業支援サーバ41は、拡張キーワード(問合せキーワード及び回答キーワード)が検索クエリに紐付けられていることを表している紐付け情報を紐付け情報DB33に格納する。つまり、紐付け情報DB33は、
図1における管理部15として機能する。
【0066】
なお、オペレータ作業支援サーバ41は、紐付け情報の格納のための紐付け情報DB33へのアクセスを直接行ってもよく、また、FAQサーバ31を介して間接的に行うようにしてもよい。
【0067】
この紐付け情報について、更に詳しく説明する。
図4は、紐付け情報DB33のデータ構造例である。
図4に示されているテーブルの各行が1件の紐付け情報を表しており、このテーブルにはN件(Nは正の整数)の紐付け情報が表されている。
【0068】
「問合せID」の項目には、識別のために紐付け情報に個々に付与される番号が格納される。
【0069】
「ユーザ入力クエリ」の項目には、終了通知に含まれていた検索履歴の代表に含まれている検索クエリが格納される。
【0070】
その他の「ユーザID」、「オペレータID」、「問合せキーワード」、「回答キーワード」、及び「参照FAQ番号」の各項目には、それぞれ、終了通知に含まれていたものが格納される。
【0071】
図4における、問合せIDが「1」である紐付け情報に注目する。
【0072】
この紐付け情報は、ユーザIDが「U1」である顧客1についてのものである。この顧客1は、「(W1 AND W2) OR W3」なる検索クエリを作成して検索を行ったが所望の回答を得られなかった。なお、この検索クエリにおいて、W1、W2、及びW3はそれぞれ検索キーワードを表しており、「AND」及び「OR」は、それぞれ、検索クエリの論理積及び論理和を表している。つまり、この検索クエリは、「W1とW2との論理積と、W3との論理和」を表している。
【0073】
この顧客1からの問合せに対する電話応対は、オペレータIDが「O1」であるオペレータ2によって行われた。このオペレータ2は、顧客1との対話によって顧客1から得た問合せの情報に基づき、「W1’」及び「W2’」を問合せキーワードとして設定し、この問合せキーワードに基づいた検索により、参照FAQ番号が「F1」であるFAQを見つけ出した。このFAQの回答を顧客1に提示したところ、この回答が顧客1の所望のものであった。オペレータ2は、このFAQに基づき、「W1’’」、「W2’’」、及び「W3’’」を回答キーワードとして設定した。
【0074】
つまり、問合せIDが「1」である紐付け情報は、検索クエリ「(W1 AND W2) OR W3」に対して、問合せキーワード「W1’」及び「W2’」と、回答キーワード「W1’’」、「W2’’」、及び「W3’’」とが紐付けられたことを表している。
【0075】
次に、
図4における、問合せIDが「2」である紐付け情報に注目する。
【0076】
この紐付け情報は、ユーザIDが「U2」である顧客1についてのものである。この顧客1は、「W3 AND W4」なる検索クエリを作成して検索を行ったが所望の回答を得られなかった。
【0077】
この顧客1からの問合せに対する電話応対は、オペレータIDが「O1」であるオペレータ2によって行われた。なお、オペレータIDが同一であることから、問合せIDが「2」である紐付け情報と問合せIDが「1」である紐付け情報とのそれぞれに関する問合せに対する電話応対を行ったオペレータ2と同一人であることが分かる。
【0078】
このオペレータ2は、顧客1との対話によって顧客1から得た問合せの情報に基づき、「W1’」及び「W2’」を問合せキーワードとして設定し、この問合せキーワードに基づいた検索により、参照FAQ番号が「F1」であるFAQを見つけ出した。このFAQの回答を顧客1に提示したところ、この回答が顧客1の所望のものであった。オペレータ2は、このFAQに基づき、「W1’’」、「W2’’」、及び「W3’’」を回答キーワードとして設定した。
【0079】
つまり、このオペレータ2は、問合せIDが「2」である紐付け情報と問合せIDが「1」である紐付け情報とについて、同一の問合せキーワードを設定して同一のFAQを見つけ出して顧客1に提示し、同一の回答キーワードとして設定した。すなわち、問合せIDが「2」である紐付け情報は、検索クエリ「W3 AND W4」に対しても、問合せキーワード「W1’」及び「W2’」と、回答キーワード「W1’’」、「W2’’」、及び「W3’’」とが紐付けられたことを表している。
【0080】
次に、
図4における、問合せIDが「N-1」である紐付け情報に注目する。
【0081】
この紐付け情報は、ユーザIDが「Ui-1」である顧客1についてのものである。この顧客1は、「Wp-2」なる検索クエリを作成して検索を行ったが所望の回答を得られなかった。
【0082】
この顧客1からの問合せに対する電話応対は、オペレータIDが「OK-1」であるオペレータ2によって行われた。このオペレータ2は、顧客1との対話によって顧客1から得た問合せの情報に基づき、「Wq-3’」、「Wq-2’」、及び「Wq-1’」を問合せキーワードとして設定し、この問合せキーワードに基づいた検索により、参照FAQ番号が「FL」であるFAQを見つけ出した。このFAQの回答を顧客1に提示したところ、この回答が顧客1の所望のものであった。オペレータ2は、このFAQに基づき、「Wr-3’’」及び「Wr-2’’」を回答キーワードとして設定した。
【0083】
つまり、問合せIDが「N-1」である紐付け情報は、検索クエリ「Wp-2」に対して、問合せキーワード「Wq-3’」、「Wq-2’」、及び「Wq-1’」と、回答キーワード「Wr-3’’」及び「Wr-2’’」とを紐付けたことを表している。
【0084】
次に、
図4における、問合せIDが「N」である紐付け情報に注目する。
【0085】
この紐付け情報は、ユーザIDが「Ui」である顧客1についてのものである。この顧客1は、「Wp-1 OR Wp」なる検索クエリを作成して検索を行ったが所望の回答を得られなかった。
【0086】
この顧客1からの問合せに対する電話応対は、オペレータIDが「OK」であるオペレータ2によって行われた。このオペレータ2は、顧客1との対話によって顧客1から得た問合せの情報に基づき、「Wq-1’」及び「Wq’」を問合せキーワードとして設定し、この問合せキーワードに基づいた検索により、参照FAQ番号が「FL」であるFAQを見つけ出した。このFAQの回答を顧客1に提示したところ、この回答が顧客1の所望のものであった。このオペレータ2は、このFAQに基づき、「Wr-2’’」、「Wr-1’’」、及び「Wr’’」を回答キーワードとして設定した。
【0087】
つまり、問合せIDが「N」である紐付け情報は、検索クエリ「Wp-1 OR Wp」に対して、問合せキーワード「Wq-1’」及び「Wq’」と、回答キーワード「Wr-2’’」、「Wr-1’’」、及び「Wr’’」とを紐付けたことを表している。ここで、問合せIDが「N-1」である紐付け情報を参照すると、問合せキーワード「Wq-1’」及び回答キーワード「Wr-2’’」は、検索クエリ「Wp-2」と検索クエリ「Wp-1 OR Wp」との両方に紐づけられたことが分かる。
【0088】
なお、紐付け情報DB33に蓄積されている紐付け情報は、必要に応じて編集が可能である。サブシステムD50の紐付け情報編集サーバ51は、この紐付け情報の編集に用いられるものである。紐付け情報編集サーバ51は、紐付け情報DB33に蓄積されている紐付け情報の参照と、紐付け情報の編集の機能を、検索システム10の管理者に提供する。この紐付け情報編集サーバ51についての詳細な説明は省略する。
【0089】
図2の検索システム10は、各構成要素が前述したように動作することで、顧客1に対してFAQを提供しながら、検索クエリと拡張キーワードとの紐付け情報の蓄積を進めていく。すると、やがて、紐付け情報が紐付け情報DB33に格納されている検索クエリが含まれているアクセスが、別人である顧客1から、あるいは同一人である顧客1から、改めてなされることがある。
【0090】
FAQサーバ31は、受け付けたアクセスから、このような、紐付け情報が紐付け情報DB33に格納されている検索クエリが含まれているアクセスの検出を行う。このようなアクセスが検出された場合には、FAQサーバ31は、このアクセスに含まれる検索クエリに対して拡張を行い、拡張された検索クエリを用いてFAQDB32に対する情報検索を行う。この検索クエリに対する拡張は、紐付け情報DB33に格納されている紐付け情報によって、このアクセスに含まれる検索クエリへの紐付けが示されている拡張キーワードを当該検索クエリと組み合せることによって行われる。
【0091】
この検索クエリに対する拡張について、
図3の業務画面60での表示例を用いて説明する。
【0092】
図3の表示例は、顧客1が排熱回収ボイラーの漏水に関してオペレータ2に問合せを行っている場合の例である。オペレータ2は、検索履歴表示欄67に表示されている検索履歴を参照すると、この顧客1は、「排熱回収ボイラー AND 漏水」なる検索クエリを作成してFAQの検索を行っていたことが分かる。そこで、オペレータ2は、この検索クエリが含まれている検索履歴を、検索履歴の代表として選択する。
【0093】
ここで、オペレータ2は、この顧客1の検索履歴や、対話における顧客1の発言の内容などを参考にして、FAQサーバ31へアクセスしてFAQの検索を行う。
図3の表示例では、この検索の結果、この漏水は煙突ダンパーからの漏水によっても引き起こされることと、この漏水への対策は漏水箇所を補修材等で塞ぐことであることとが判明し、この対策が、顧客1が所望している回答であった場合を表現している。
【0094】
顧客1との対話の終了後、オペレータ2は、顧客1からの問合せの本質は煙突ダンパーの漏水であったと判断し、この判断に基づいて「煙突ダンパー」と「漏水」との2つを問合せキーワードとして設定して、問合せキーワード入力欄68に入力している。また、オペレータ2は、顧客1から問合せを受けた問題の解決に有効な処置として、「補修材」と「塞ぐ」との2つを回答キーワードとして設定して、回答キーワード入力欄70に入力している。更に、オペレータ2は、顧客1から問合せを受けた問題の解決のために参照したFAQについてのFAQ番号を、参照FAQ番号入力欄72に入力している。
【0095】
なお、顧客通話欄61やオペレータ通話欄63に表示される通話内容の書き起こし文に含まれるキーワードを選択した上で追加ボタン69若しくは71を押下操作することで問合せキーワードや回答キーワードの入力を行うようにしてもよい。
【0096】
その後、オペレータ2は、業務画面60に入力した各種情報の確認と修正とを必要に応じて行い、これらの作業の完了後、終了ボタン73を押下操作する。この押下操作によって業務画面60への入力内容は確定し、これらの入力内容の情報を含む終了通知が検索システム10へ送付される。
【0097】
検索システム10では、この終了通知はオペレータ作業支援サーバ41が受け付ける。オペレータ作業支援サーバ41は、終了通知から、オペレータIDと、ユーザID、問合せキーワード、回答キーワード、及び参照FAQ番号と、検索履歴の代表の情報とを取得する。オペレータ作業支援サーバ41は、これらの情報を問合せ履歴DB43に格納すると共に、拡張キーワードの検索クエリへの紐付けを行って紐付け情報を紐付け情報DB33に格納する。このときの紐付け情報は、「排熱回収ボイラー AND 漏水」なる検索クエリに対して、「煙突ダンパー」と「漏水」とが問合せキーワードとして紐付けられ、「補修材」と「塞ぐ」とが回答キーワードとして紐付けられたことを表している。
【0098】
このような紐付け情報が紐付け情報DB33に格納された後に顧客1が行う、「排熱回収ボイラー
AND 漏水」なる検索クエリによるFAQの検索では、FAQサーバ31は、この紐付け情報に基づいた検索クエリに対する拡張を行う。この拡張は、検索クエリと拡張キーワードとを組合せることによって行われる。
【0099】
FAQサーバ31は、例えば、拡張の第1の手法として、問合せキーワードの論理積と回答キーワードの論理積との論理積と検索クエリとの論理積を、拡張後の検索クエリとする。すなわち、
図3の表示例では、FAQサーバ31は、「(煙突ダンパー AND 漏水) AND (補修材 AND 塞ぐ) AND (排熱回収ボイラー AND 漏水)」を拡張後の検索クエリとして用いてFAQの検索を行う。
【0100】
また、FAQサーバ31は、例えば、拡張の第2の手法として、問合せキーワードの論理積と回答キーワードの論理積との論理和と検索クエリとの論理和を、拡張後の検索クエリとする。すなわち、
図3の表示例では、FAQサーバ31は、「(煙突ダンパー AND 漏水) OR (補修材 AND 塞ぐ) OR (排熱回収ボイラー AND 漏水)」を拡張後の検索クエリとして用いてFAQの検索を行う。
【0101】
FAQサーバ31が、このような検索クエリの拡張を行った上でFAQの検索を行うようにすることで、顧客1がオペレータ2の助け無しに所望の回答情報を得られる場合が増加し、前述した自己問題解決率の向上が期待できる。
【0102】
なお、検索クエリに対する拡張の手法としては、上述した第1の手法と第2の手法とのどちらを採用してもよい。また、これらの手法では、問合せキーワード同志の論理積を用いて拡張を行い、回答キーワード同志についても論理積を用いて拡張を行うようにしているが、これらのキーワード同志の一方若しくは両方を、論理和を用いて拡張を行うようにしてもよい。また、検索クエリの組合せに用いる「AND」や「OR」等の論理演算子の選択を変更してもよい。
【0103】
また、例えば、検索クエリに紐付けられた拡張キーワードのうちの一部のみを検索クエリと組合せることによって検索クエリの拡張を行うようにしてもよい。更には、各キーワードの出現頻度を記録し、出現頻度が高いものを重要な情報として扱って、検索クエリの拡張のために検索クエリと組合せる拡張キーワードの選択を行うようにしてもよい。
【0104】
次に
図5について説明する。
図5は、情報処理装置(コンピュータ)のハードウェア構成例を示している。
【0105】
この情報処理装置500は、
図2の顧客情報管理サーバ21、FAQサーバ31、及びオペレータ作業支援サーバ41の各々として用いることが可能である。また、情報処理装置500は、
図2の紐付け情報編集サーバ51として用いることも可能である。
【0106】
情報処理装置500は、CPU(Central Processing Unit)501、メモリ502、入力装置503、出力装置504、補助記憶装置505、媒体駆動装置506、及びネットワーク接続装置507を含む。これらの構成要素はハードウェアであり、バス508により互いに接続されている。
【0107】
メモリ502は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリであり、処理に用いられるプログラム及びデータを記憶する。
【0108】
CPU501(プロセッサ)は、例えば、メモリ502を利用してプログラムを実行することにより、顧客情報管理サーバ21、FAQサーバ31、及びオペレータ作業支援サーバ41の各々の機能を提供する。従って、CPU501は、メモリ502を利用してプログラムを実行することにより、
図1の受付部11、検索部12、検索クエリ取得部13、及びキーワード取得部14として動作可能である。
【0109】
入力装置503は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、検索システム10の管理者からの指示又は情報の入力に用いられる。出力装置504は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、当該管理者の問い合わせ又は指示、及び処理結果の出力に用いられる。
【0110】
補助記憶装置505は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、テープ装置等である。補助記憶装置505は、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリであってもよい。情報処理装置500は、補助記憶装置505にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ502にロードして使用することができる。また、補助記憶装置505は、
図2の顧客情報DB22、検索履歴DB23、FAQDB32、紐付け情報DB33、オペレータ情報DB42、及び問合せ履歴DB43の各々として用いることもできる。
【0111】
媒体駆動装置506は、可搬型記録媒体509を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体509は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等である。可搬型記録媒体509は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。検索システム10の管理者は、この可搬型記録媒体509にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ502にロードして使用することができる。
【0112】
このように、処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、メモリ502、補助記憶装置505、又は可搬型記録媒体509のような、物理的な(非一時的な)記録媒体である。
【0113】
ネットワーク接続装置507は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide
Area Network)等の通信ネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インタフェース回路である。情報処理装置500は、プログラム及びデータを外部の装置からネットワーク接続装置507を介して受信し、それらをメモリ502にロードして使用することもできる。
【0114】
なお、情報処理装置500が
図5の構成要素の全てを含む必要はなく、用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略することも可能である。例えば、可搬型記録媒体509を使用しない場合は、媒体駆動装置506を省略してもよい。
【0115】
次に、情報処理装置500のCPU501によって実行されることによってプログラムがCPU501に行わせる処理について、
図6から
図9の各図を参照しながら説明する。
【0116】
図6は顧客情報管理処理の例を示すフローチャートである。この処理は、顧客1へのユーザIDの付与と、登録された顧客1へのFAQサービスの利用許諾とを行う処理である。この処理をCPU501が実行することで、顧客情報管理サーバ21が提供可能な一部の機能を情報処理装置500が提供する。
【0117】
顧客情報管理処理が開始されると、まず、S601において、顧客1からのユーザ登録の要求を取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。この判定処理において、CPU501は、ユーザ登録要求を取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS602に処理を進め、取得していないと判定したとき(判定結果がNOのとき)にはS605に処理を進める。
【0118】
S602において、ユーザ登録の要求元の顧客1に対してユーザIDを付与する処理をCPU501が行う。
【0119】
続くS603において、付与したユーザIDを、顧客情報DB22として用いられている補助記憶装置505に格納する処理をCPU501が行う。
【0120】
続くS604において、ネットワーク接続装置507を制御して、付与したユーザIDを、ユーザ登録の要求元の顧客1のコンピュータ1aへ送付させる処理をCPU501が行う。その後、CPU501はS601へと処理を戻す。
【0121】
一方、S605では、顧客1からの、顧客1自身のユーザIDを含むFAQの利用要求を取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。この判定処理において、CPU501は、FAQの利用要求を取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS606に処理を進める。一方、FAQの利用要求を取得していないと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、CPU501はS601へと処理を戻す。
【0122】
S606において、顧客情報DB22として用いられている補助記憶装置505を参照し、FAQの利用要求に含まれているユーザIDと、補助記憶装置505の顧客情報DB22に登録されているユーザIDとを照合する処理をCPU501が行う。
【0123】
続くS607において、S606の照合の処理の結果、顧客情報DB22に登録されていたユーザIDに、FAQの利用要求に含まれているユーザIDと一致したものがあったか否かを判定する処理をCPU501が行う。
【0124】
このS606の判定処理において、CPU501は、一致したユーザIDがあったと判定したとき(判定結果がYESのとき)には、S607において、ネットワーク接続装置507を制御して、FAQの利用許可をコンピュータ1aへ通知する処理を行う。その後、CPU501はS601へと処理を戻す。
【0125】
一方、このS606の判定処理において、CPU501は、一致したユーザIDがなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、S608において、ネットワーク接続装置507を制御して、FAQの利用不許可をコンピュータ1aへ通知する処理を行う。その後、CPU501はS601へと処理を戻す。
【0126】
次に、
図7に示されている処理を説明する。
図7はFAQサービス提供処理の例を示すフローチャートである。この処理は、利用を許諾した顧客1へFAQサービスを提供するための処理である。この処理をCPU501が実行することで、FAQサーバ31が提供可能な一部の機能を情報処理装置500が提供する。
【0127】
FAQサービス提供処理が開始されると、まず、S701において、顧客1からの、利用許可の情報を含むFAQへのアクセスを取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。なお、利用許可の情報は、
図6のS607の処理において顧客1のコンピュータ1aへ送付されたFAQの利用許可の通知より得られる情報である。この判定処理において、CPU501は、このようなアクセスを取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS702に処理を進める。一方、CPU501は、このようなアクセスを取得していないと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、このようなアクセスを取得するまでS701の判定処理を繰り返す。
【0128】
S702において、取得したアクセスが、前述したような、所望の回答情報を含むFAQを得るための顧客1が作成した検索クエリと、顧客1のユーザIDとが含まれている、FAQの検索のためのアクセスであるか否かを判定する処理をCPU501が行う。
【0129】
このS702の判定処理において、取得したアクセスが、FAQの検索のためのものであると判定したとき(判定結果がYESのとき)には、CPU501はS704に処理を進める。
【0130】
一方、このS702の処理において、取得したアクセスが、FAQの検索のためのものではないと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、CPU501はS703に処理を進めて、そのアクセスの内容に応じた処理を実行する。例えば、取得したアクセスがFAQの一覧表示を要求するものであった場合には、CPU501は、FAQDB32からFAQの情報を取得し、ネットワーク接続装置507を制御して、取得した情報の一覧をコンピュータ1aに送付して表示させる処理を行う。このようなS703の処理の終了後、CPU501はS701へと処理を戻す。
【0131】
S704において、取得したアクセスからユーザIDと検索クエリとを取り出して取得する処理をCPU501が行う。
【0132】
続くS705において、S704の処理によって取得したユーザIDと検索クエリとを関連付けて、アクセスを受け付けた日時の情報と共に、検索履歴DB23に格納する処理をCPU501が行う。
【0133】
このS705の処理では、CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、取得したユーザIDと検索クエリとを、日時の情報と共に顧客情報管理サーバ21へ送付する処理を行う。顧客情報管理サーバ21は、送られてきたこれらの情報を関連付けて検索履歴DB23に格納する。
【0134】
なお、顧客情報管理サーバ21が行う、この関連付けの処理と格納の処理とを、FAQサーバ31として機能させるものとは別個の情報処理装置500に行わせて、顧客情報管理サーバ21としての機能を提供させるようにしてもよい。このためには、例えば、当該別個の情報処理装置500におけるCPU501に所定のプログラムを実行させて、送られてきた情報を関連付けて、検索履歴DB23として用いられている補助記憶装置505に格納させる処理を行わせるようにすればよい。
【0135】
続くS706において、紐付け情報DB33として用いられている補助記憶装置505を参照して、S704の処理によって取得した検索クエリについての紐付け情報が、紐付け情報DB33に存在するか否かを判定する処理をCPU501が行う。
【0136】
このS706の判定処理において、CPU501は、このような紐付け情報が存在すると判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS707に処理を進める。S707では、前述したようにして、存在した紐付け情報において検索クエリに紐付けられている拡張キーワードを当該検索クエリと組合せることによって拡張した検索クエリを作成する処理をCPU501が行う。そして、続くS708において、CPU501が、FAQDB32として用いられている補助記憶装置505に対する、拡張した検索クエリを用いた情報検索処理を行い、その後はS710に処理を進める。
【0137】
一方、S706の判定処理において、CPU501は、このような紐付け情報が存在しないと判定したとき(判定結果がNOのとき)にはS709に処理を進める。S709では、CPU501は、FAQDB32として用いられている補助記憶装置505に対する、S704の処理によって取得した検索クエリを用いた情報検索処理を行い、その後はS710に処理を進める。
【0138】
S710において、情報検索処理の検索結果として得られた回答の情報であるFAQを、アクセス元の顧客1のコンピュータ1aへ送付して表示させる処理をCPU501が行う。
【0139】
続くS711において、検索結果として得られた回答の情報であるFAQに対応付けられているFAQ番号を、顧客1からのアクセスに含まれていたユーザID及び検索クエリに関連付けて、検索履歴DB23に更に格納する処理をCPU501が行う。
【0140】
このS711の処理では、CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、当該FAQ番号を顧客情報管理サーバ21へ送付する処理を行う。顧客情報管理サーバ21は、送られてきたFAQ番号を、S705の処理によって格納したユーザID及び検索クエリに関連付けて、検索履歴DB23に更に格納する。
【0141】
なお、顧客情報管理サーバ21が行う、この関連付けの処理と格納の処理とを、FAQサーバ31として機能させるものとは別個の情報処理装置500に行わせて、顧客情報管理サーバ21としての機能を提供させるようにしてもよい。このためには、例えば、当該別個の情報処理装置500におけるCPU501に所定のプログラムを実行させて、送られてきた情報を関連付けて、検索履歴DB23として用いられている補助記憶装置505に格納させる処理を行わせるようにすればよい。
【0142】
その後、CPU501は、S711の処理を終えると、S701へと処理を戻す。
【0143】
次に、
図8に示されている処理を説明する。
図8はオペレータ作業支援処理の例を示すフローチャートである。この処理は、オペレータ2が行う電話応対の作業の支援を行う処理であって、紐付け情報の生成及び紐付け情報DB33への格納の処理を含むものである。この処理をCPU501が実行することで、オペレータ作業支援サーバ41が提供可能な一部の機能を情報処理装置500が提供する。
【0144】
オペレータ作業支援処理が開始されると、まず、S801において、オペレータ2のオペレータIDが含まれている、オペレータ2からの業務画面60の取得要求を取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。この判定処理において、CPU501は、この取得要求を取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS802に処理を進める。一方、CPU501は、この取得要求を取得していないと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、この取得要求を取得するまでS801の判定処理を繰り返す。
【0145】
S802において、オペレータ情報DB42として用いられている補助記憶装置505を参照し、業務画面60の取得要求に含まれているオペレータIDと、オペレータ情報DB42に登録されているオペレータIDとを照合する処理をCPU501が行う。
【0146】
続くS803において、S802の照合の処理の結果、オペレータ情報DB42に登録されていたオペレータIDに、業務画面60の取得要求に含まれているオペレータIDと一致したものがあったか否かを判定する処理をCPU501が行う。この判定処理において、CPU501は、一致したオペレータIDがあったと判定したとき(判定結果がYESのとき)には、S804に処理を進め、一致したオペレータIDがなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、S801へと処理を戻す。
【0147】
S804において、CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、業務画面60の雛形をコンピュータ2aへ送付して表示させる処理を行う。
【0148】
続くS805において、電話機2bからコンピュータ2aを介して送られてくる、顧客1とオペレータ2との対話における通話内容の音声データの収録を開始する処理をCPU501が行う。
【0149】
続くS806において、上述した顧客1とオペレータ2との対話における通話内容の書き起こしと、当該書き起こしにより得られた通話内容の書き起こし文のコンピュータ2aへの送付とを開始する処理をCPU501が行う。送付された通話内容の書き起こし文は、コンピュータ2aで表示されている業務画面60の雛形における顧客通話欄61とオペレータ通話欄63とにおいて表示される。
【0150】
続くS807において、業務画面60における検索ボタン66に対するオペレータ2による押下操作によってコンピュータ2aから送られてくる、ユーザID入力欄65に入力されたユーザIDを取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。
【0151】
このS807の判定処理において、ユーザIDを取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)には、S808において、CPU501は、受け取ったユーザIDに関連付けられている顧客1の検索履歴の情報をコンピュータ2aへ送付する処理を行う。
【0152】
このS808の処理では、CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、受け取ったユーザIDを顧客情報管理サーバ21へ送付する処理を行う。顧客情報管理サーバ21は、送られてきたユーザIDに関連付けられている顧客1の検索履歴の情報を検索履歴DB23から読み出して、オペレータ作業支援サーバ41として機能する情報処理装置500に送付する。CPU501は、送られてきた検索履歴の情報を順次コンピュータ2aに送付する。送付された検索履歴の情報は、コンピュータ2aで表示されている業務画面60の雛形における検索履歴表示欄67において表示される。また、CPU501は、受け取った検索履歴の情報と、問合せ履歴DB43として用いられている補助記憶装置505に格納されている情報との対比によって、各履歴についての顧客1からの電話での問合せの有無を表す情報を取得する。CPU501は、この問合せの有無を表す情報をコンピュータ2aに送付する。この問合せの有無を表す情報についても、コンピュータ2aで表示されている業務画面60の雛形における検索履歴表示欄67において表示される。
【0153】
なお、顧客情報管理サーバ21が行う、顧客1の検索履歴の情報の読み出し及び送付の処理を、オペレータ作業支援サーバ41として機能させるものとは別個の情報処理装置500に行わせて、顧客情報管理サーバ21としての機能を提供させるようにしてもよい。例えば、当該別個の情報処理装置500のCPU501に所定のプログラムを実行させて、ユーザIDに関連付けられている検索履歴の情報を、検索履歴DB23として用いられている補助記憶装置505から読み出して送付する処理を行わせるようにすればよい。
【0154】
このS808の処理の終了後、CPU501はS807へと処理を戻す。
【0155】
一方、S807の判定処理において、ユーザIDを取得しなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、CPU501はS809に処理を進める。
【0156】
S809において、オペレータ2の操作に応じてコンピュータ2aから送られてくる、顧客1との対話により得られた問合せ情報に基づき作成された検索クエリを含む、FAQの検索のためのアクセスを取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。
【0157】
このS809の判定処理において、FAQの検索のためのアクセスを取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)には、S810において、CPU501は、当該アクセスに含まれている、オペレータ2により作成された検索クエリを用いた情報検索処理を行う。
【0158】
このS810の処理では、CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、オペレータ2により作成された検索クエリを含むFAQの検索のためのアクセスをFAQサーバ31に転送する処理を行う。FAQサーバ31は、FAQDB32に対する、オペレータ2が作成した検索クエリを用いた情報検索処理を行い、情報検索処理の検索結果として得られた回答の情報であるFAQを、オペレータ作業支援サーバ41として機能する情報処理装置500へ送付する。CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、この回答の情報であるFAQを、コンピュータ2aへ転送する処理を行う。コンピュータ2aでは、回答の情報であるFAQの表示が行われる。
【0159】
なお、FAQサーバ31が行う情報検索処理を、オペレータ作業支援サーバ41として機能させるものとは別個の情報処理装置500に行わせて、FAQサーバ31としての機能を提供させるようにしてもよい。例えば、当該別個の情報処理装置500のCPU501に所定のプログラムを実行させて、オペレータ2が作成した検索クエリを用いた情報検索処理と、回答の情報であるFAQの送付の処理とを行わせるようにすればよい。
【0160】
このS809の処理の終了後、CPU501はS807へと処理を戻す。
【0161】
一方、S809の判定処理において、FAQの検索のためのアクセスを取得しなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)には、CPU501はS812に処理を進める。
【0162】
S812において、業務画面60における終了ボタン73に対するオペレータ2による押下操作によってコンピュータ2aから送られてくる終了通知を取得したか否かを判定する処理をCPU501が行う。
【0163】
このS812の判定処理において、CPU501は、終了通知を取得したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS813に処理を進め、取得しなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)にはS807へと処理を戻す。
【0164】
なお、前述したように、終了通知には、オペレータ2によって入力されたユーザID、問合せキーワード、回答キーワード、参照FAQ番号、オペレータ2が選択した検索履歴の代表の情報、及び、オペレータ2のオペレータIDの各種情報が含まれている。
【0165】
S813において、CPU501は、応対終了時処理を行い、その後はS801へと処理を戻す。この応対終了時処理の詳細について次に説明する。
【0166】
図9は応対終了時処理の例を示すフローチャートである。
【0167】
応対終了時処理が開始されると、まず、S901において、前述したS806の処理で開始された、顧客1とオペレータ2との対話における通話内容の書き起こしと、通話内容の書き起こし文のコンピュータ2aへの送付とを終了する処理をCPU501が行う。
【0168】
続くS902において、前述したS805の処理で開始された、顧客1とオペレータ2との対話における通話内容の収録を終了する処理をCPU501が行う。
【0169】
続くS903において、CPU501は、取得した終了通知から上述の各種情報を取得する処理を行う。
【0170】
続くS904において、CPU501は、取得した各種情報と、収録した上述の通話内容とを対応付けて、検索履歴DB23として用いられている補助記憶装置505に格納する処理を行う。
【0171】
続くS905において、CPU501は、S903の処理で取得した各種情報のうちの、検索履歴の代表の情報に含まれている検索クエリと、拡張キーワードである問合せキーワード及び回答キーワードとを紐付ける紐付け情報を作成する処理を行う。
【0172】
続くS906において、CPU501は、作成した紐付け情報を紐付け情報DB33に格納する処理を行う。
【0173】
このS906の処理では、CPU501は、ネットワーク接続装置507を制御して、作成した紐付け情報をFAQサーバ31へ送付する処理を行う。FAQサーバ31は、送られてきた紐付け情報を紐付け情報DB33に格納する。
【0174】
なお、FAQサーバ31が行う、この紐付け情報の格納の処理を、オペレータ作業支援サーバ41として機能させるものとは別個の情報処理装置500に行わせて、FAQサーバ31としての機能を提供させるようにしてもよい。このためには、例えば、当該別個の情報処理装置500におけるCPU501に所定のプログラムを実行させて、送られてきた紐付け情報を、紐付け情報DB33として用いられている補助記憶装置505に格納させる処理を行わせるようにすればよい。
【0175】
このS808の処理の終了後、CPU501は
図8のオペレータ作業支援処理へと処理を戻す。
【0176】
CPU501が以上の処理を行うことによって、顧客情報管理サーバ21、FAQサーバ31、あるいはオペレータ作業支援サーバ41の機能が情報処理装置500により提供される。
【0177】
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
【0178】
例えば、上述した紐付け情報に基づく検索クエリの拡張における、検索クエリと拡張キーワードとの組合せを、これより説明するようにして行ってもよい。
【0179】
例えば、紐付け情報DB33に蓄積されている紐付け情報のうちの、参照FAQ番号が共通の紐付け情報の各々の拡張キーワードについての和集合のキーワード数に対する当該拡張キーワードについての積集合のキーワード数の割合の大きさに注目する。ここで、当該割合が所定値よりも小さい場合には当該和集合の拡張キーワードを用いてユーザの検索クエリを拡張するようにし、当該割合が当該所定値よりも大きい場合には当該積集合の拡張キーワードを用いてユーザの検索クエリを拡張するようにする。
【0180】
上記の手法を
図4の紐付け情報DB33のデータ構造例を用いて説明すると、問合せIDが「N-1」である紐付け情報と「N」である紐付け情報とは、参照FAQ番号がどちらも「F
L」であって共通である。この2つの紐付け情報のどちらにも問合せキーワード「W
q-1’」と回答キーワード「W
r-2’’」とが含まれている。従って、この2つの紐付け情報において、問合せキーワードの積集合及び和集合のキーワード数はそれぞれ「1」及び「4」であり、回答キーワードの積集合及び和集合のキーワード数もそれぞれ「1」及び「4」である。従って、上記の割合は、問合せキーワードと回答キーワードとのどちらにおいても「0.25」である。
【0181】
ここで、上記の所定値が例えば「0.3」であった場合には、上記の割合は所定値よりも小さい。従って、この場合には、和集合の問合せキーワード及び回答キーワードを用いて検索クエリの拡張を行うようにする。すなわち、検索クエリ「Wp-2」及び「Wp-1 OR Wp」に対して、問合せキーワード「Wq-3’」、「Wq-2’」、「Wq-1’」、及び「Wq’」と、回答キーワード「Wr-3’’」、「Wr-2’’」、「Wr-1’’」、及び「Wr’’」とを組み合わせる拡張を行うようにする。
【0182】
また、上記の所定値が例えば「0.2」であった場合には、上記の割合は所定値よりも大きい。従って、この場合には、積集合の問合せキーワード及び回答キーワードを用いて検索クエリの拡張を行うようにする。すなわち、検索クエリ「Wp-2」及び「Wp-1 OR Wp」に対して、問合せキーワード「Wq-1’」と、回答キーワード「Wr-2’’」とを組み合わせる拡張を行うようにする。
【0183】
このようにすると、当該割合が小さい場合のFAQの検索漏れが少なくなり、また、当該割合が大きい場合のFAQの検索ノイズが少なくなるという効果が期待できる。
【0184】
また、例えば、上記の和集合に含まれる拡張キーワードの出現頻度を記録し、出現頻度が所定数以上の拡張キーワードを用いて検索クエリの拡張を行うようにしてもよい。このようにすることによっても、FAQの検索漏れの低減や検索ノイズの低減の効果が期待できる。
【0185】
また、
図4にデータ構造例を示した紐付け情報DB33に格納する紐付け情報を、これより説明するものとしてもよい。
【0186】
例えば、「参照FAQ番号」の項目として、問題解決のために有効なFAQが複数存在する場合には、当該複数のFAQについての複数のFAQ番号を登録するようにしてもよい。
【0187】
また、例えば、「参照FAQ番号」の項目に加えて、問題解決のために参照する必要のある文献についての情報を併せて紐付け情報として登録するようにしてもよい。このような情報としては、例えば、参照したインターネットコンテンツを特定するためのURL(Uniform
Resource Locator)の情報、技術文書やマニュアルの文書番号等がある。
【0188】
また、例えば、「ユーザ入力クエリ」の項目として、論理検索の内容の明確化のために検索キーワードと共に「AND」や「OR」等の論理演算子を含めて検索クエリを記録する代わりに、単に検索キーワードを羅列するのみとしてもよい。
【0189】
また、「問合せキーワード」及び「回答キーワード」の項目として、各キーワードをカンマで区切る代わりに、スペース等で区切るようにしてもよい。
【0190】
また、顧客1が作成した検索クエリは、検索履歴DB23、紐付け情報DB33、問合せ履歴情報DB43等で個々に格納されるが、この検索クエリを一意に特定する識別情報である検索クエリIDを導入して、検索クエリを管理するようにしてもよい。
【0191】
また、拡張キーワードのうちの問合せキーワードを、顧客1がFAQを参照する際の「カテゴリ」として扱い、拡張キーワードのうちの回答キーワードをこのカテゴリにおける「詳細」として扱うようにしてもよい。この場合には、まず、情報検索の対象とするFAQの範囲を、問合せキーワードを用いて絞り込み、その上で、回答キーワードを用いた検索クエリの拡張を行うようにする。こうすることで、検索クエリの拡張に伴う検索ノイズの発生の低減の効果が期待できる。
【符号の説明】
【0192】
1 顧客
2 オペレータ
1a、2a コンピュータ
1b、2b 電話機
3 通信網
10 検索システム
11 受付部
12 検索部
13 検索クエリ取得部
14 キーワード取得部
15 管理部
16 格納部
20 サブシステムA
21 顧客情報管理サーバ
22 顧客情報DB
23 検索履歴DB
30 サブシステムB
31 FAQサーバ
32 FAQDB
33 紐付け情報DB
40 サブシステムC
41 オペレータ作業支援サーバ
42 オペレータ情報DB
43 問合せ履歴DB
50 サブシステムD
51 紐付け情報編集サーバ
60 業務画面
61 顧客通話欄
62、64 スクロールバー
63 オペレータ通話欄
65 ユーザID入力欄
66 検索ボタン
67 検索履歴表示欄
68 問合せキーワード入力欄
69、71 追加ボタン
70 回答キーワード入力欄
72 参照FAQ番号入力欄
73 終了ボタン
500 情報処理装置
501 CPU
502 メモリ
503 入力装置
504 出力装置
505 補助記憶装置
506 媒体駆動装置
507 ネットワーク接続装置
508 バス
509 可搬型記録媒体