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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240214BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240214BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240214BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240214BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240214BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0484
G06F3/12 310
G06F3/12 334
B41J29/38 203
B41J29/42 F
B41J29/46 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020016330
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021125742
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草野 伸美
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-072923(JP,A)
【文献】特開2010-228419(JP,A)
【文献】特開2017-011517(JP,A)
【文献】特開2017-162293(JP,A)
【文献】特開2007-049750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/0484
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 29/42
B41J 29/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えた機器であって、
前記プロセッサは、
前記プロセッサを備える前記機器を操作しているユーザを識別し、
前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器の操作画面のうち、前記機器が持つリソースのうち前記処理が占有するリソースを用いる機能の実行指示を受け付け可能な操作画面が前記表示装置に表示された際又は表示されている場合に、前記通知を表示する制御である、
ことを特徴とする機器。
【請求項2】
プロセッサを備えた機器であって、
前記プロセッサは、
前記プロセッサを備える前記機器を操作しているユーザを識別し、
前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行し、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、競合しない場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、
ことを特徴とする機器。
【請求項3】
プロセッサを備えた機器であって、
前記プロセッサは、
前記プロセッサを備える前記機器を操作しているユーザを識別し、
前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行し、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、前記機器が実行している処理が使用する前記リソースと、その操作画面からの遷移先の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、
ことを特徴とする機器。
【請求項4】
前記通知は、前記機器が持つリソースのうち前記処理が占有しているリソースがあるために、前記処理が完了するまで、そのリソースを用いる他の処理が実行できないこと、を示す第1通知であり、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者である場合は、前記第1通知を表示しない制御である、請求項のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記通知は、前記機器が持つリソースのうちのいずれかを前記処理が占有している状態への対処を促す第2通知であり、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者である場合は、前記第2通知を表示する制御である、請求項のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
機器が備えるコンピュータが、
前記機器を操作しているユーザを識別し、
前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行する、
よう機能させるためのプログラムであって、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器の操作画面のうち、前記機器が持つリソースのうち前記処理が占有するリソースを用いる機能の実行指示を受け付け可能な操作画面が前記表示装置に表示された際又は表示されている場合に、前記通知を表示する制御である、
ことを特徴とするプログラム
【請求項7】
機器が備えるコンピュータが、
前記機器を操作しているユーザを識別し、
前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行する、
よう機能させるためのプログラムであって、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、競合しない場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、
ことを特徴とするプログラム
【請求項8】
機器が備えるコンピュータが、
前記機器を操作しているユーザを識別し、
前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行する、
よう機能させるためのプログラムであって、
前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、前記機器が実行している処理が使用する前記リソースと、その操作画面からの遷移先の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる複合機等の機器の中には、あるユーザから指示された処理を実行している間に、操作画面を表示して別の処理のための操作指示を受け付ける機能を持つものがある。その操作画面を操作するのは、実行中の処理を指示したユーザの場合もあれば、別のユーザの場合もある。また機器には、その機器を管理する管理者が設定されている場合がある。
【0003】
機器は、実行している処理に関する通知を、機器が備える表示装置の画面に表示する場合がある。例えば実行している処理が異常により停止した場合に、機器は、その旨を通知するメッセージを示した画面を表示する。
【0004】
機器又は情報処理装置が、ユーザに対してメッセージを通知する従来技術として、特許文献1及び2に示すものがある。これら文献に示される装置は、通知するメッセージの属性に応じて、メッセージの表示態様を切り替える。
【0005】
また特許文献3には、車両が検知したイベントを知らせるメッセージを車両に設けられた表示装置に表示するためのシステムが示されている。このシステムでは、メッセージ処理部は、ユーザ識別部が識別した現在ドライバとなっているユーザクラスがオーナーでない期間に、イベントが発生すると、メモリのメッセージテーブルから発生したイベントとユーザのクラスに対応するメッセージを抽出し、表示装置に表示すると共に、メッセージテーブルから発生したイベントとユーザのクラスに対応するメッセージを抽出し、未通知済メッセージデータとしてメモリに格納する。また、メッセージ処理部は、メモリに格納された未通知済メッセージデーが示すメッセージを、ユーザ識別部がユーザクラスがオーナーのユーザが現在ドライバとなっていることを識別した時点で、表示装置に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-253452号公報
【文献】特開2014-179038号公報
【文献】特開2004-314773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
機器が実行中の処理に関して通知が必要となった場合に、機器の管理者がその機器を操作している場合に操作画面にその通知を表示することとすると、その管理者が機器を操作するまでその通知が誰にも伝わらない。このため通知に対する対処が適時に行われない場合がある。一方、誰がその機器を操作しているかによらず、表示している操作画面上にその通知を表示すると、その通知に関係のないユーザを煩わせることとなったり、その通知が伝達すべきでないユーザに伝達されたりする事態が生じる。
【0008】
本発明は、機器が実行中の処理に関する通知を機器の管理者に対して表示する方式や、誰が機器を操作している場合でも表示する方式と比べて、より適切なユーザに通知を伝達できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備えた機器であって、前記プロセッサは、前記プロセッサを備える前記機器を操作しているユーザを識別し、前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器の操作画面のうち、前記機器が持つリソースのうち前記処理が占有するリソースを用いる機能の実行指示を受け付け可能な操作画面が前記表示装置に表示された際又は表示されている場合に、前記通知を表示する制御である、ことを特徴とする機器である。
請求項2に係る発明は、プロセッサを備えた機器であって、前記プロセッサは、前記プロセッサを備える前記機器を操作しているユーザを識別し、前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行し、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、競合しない場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、ことを特徴とする機器である。
請求項3に係る発明は、プロセッサを備えた機器であって、前記プロセッサは、前記プロセッサを備える前記機器を操作しているユーザを識別し、前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行し、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、前記機器が実行している処理が使用する前記リソースと、その操作画面からの遷移先の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、ことを特徴とする機器である。
【0010】
参考例1の構成は、前記表示制御は、前記表示装置上での前記通知の表示態様を制御するものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の機器である。
【0011】
参考例2の構成は、前記表示制御は、前記通知が前記処理の実行中に生じた異常に関するものであり、かつ識別した前記ユーザが前記指示者である場合は、当該ユーザが前記指示者でない場合における前記通知の表示態様よりも目立つ表示態様で前記通知を表示する制御である、ことを特徴とする参考例1に記載の機器である。
【0012】
参考例3の構成は、前記表示制御は、前記通知が前記処理の実行中に生じた異常に関するものであり、かつ識別した前記ユーザが前記指示者である場合は、前記異常が解消されるまで前記表示装置上から消去されない表示形態で前記通知を表示する制御である、ことを特徴とする参考例1又はに記載の機器である。
【0016】
請求項に係る発明は、前記通知は、前記機器が持つリソースのうち前記処理が占有しているリソースがあるために、前記処理が完了するまで、そのリソースを用いる他の処理が実行できないこと、を示す第1通知であり、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者である場合は、前記第1通知を表示しない制御である、請求項のいずれか1項に記載の機器である。
【0017】
請求項に係る発明は、前記通知は、前記機器が持つリソースのうちのいずれかを前記処理が占有している状態への対処を促す第2通知であり、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者である場合は、前記第2通知を表示する制御である、請求項~4のいずれか1項に記載の機器である。
【0018】
請求項に係る発明は、機器が備えるコンピュータが、前記機器を操作しているユーザを識別し、前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行する、よう機能させるためのプログラムであって、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器の操作画面のうち、前記機器が持つリソースのうち前記処理が占有するリソースを用いる機能の実行指示を受け付け可能な操作画面が前記表示装置に表示された際又は表示されている場合に、前記通知を表示する制御である、ことを特徴とするプログラムである。
請求項7に係る発明は、機器が備えるコンピュータが、前記機器を操作しているユーザを識別し、前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行する、よう機能させるためのプログラムであって、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、競合しない場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、ことを特徴とするプログラムである
請求項8に係る発明は、機器が備えるコンピュータが、前記機器を操作しているユーザを識別し、前記機器が実行している処理に関する通知の、前記機器の備える表示装置上での表示を、識別した前記ユーザが前記処理の実行を指示した指示者か否かに応じて制御する表示制御、を実行する、よう機能させるためのプログラムであって、前記表示制御は、識別した前記ユーザが前記指示者でない場合において、前記機器が実行している処理が使用するリソースと、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合には、前記機器が実行している処理が使用する前記リソースと、その操作画面からの遷移先の操作画面から実行指示が可能な処理が使用する前記リソースとが競合する場合よりも、目立つ表示態様で前記通知を表示する、ことを特徴とするプログラムである
【発明の効果】
【0019】
請求項1又はに係る発明によれば、機器が実行中の処理に関する通知を機器の管理者に対して表示する方式や、誰が機器を操作している場合でも表示する方式と比べて、より適切なユーザに通知を伝達できる。また、機器を操作しているユーザが、機器が実行中の処理が占有するリソースを用いる処理の実行を指示する可能性がある場合に、その処理に関する通知をそのユーザに知らせることができる。
【0020】
参考例1によれば、機器を操作しているユーザが指示者か否かに応じて適切な表示態様で通知を表示できる。
【0021】
参考例2によれば、機器を操作しているユーザが指示者である場合に、より目立つ表示態様の表示を用いて異常の解消を強く促すことができる。
【0022】
参考例3によれば、機器を操作しているユーザが指示者である場合に、そのユーザに異常を必ず解消するように仕向けることができる。
【0024】
請求項2又は7に係る発明によれば、機器が実行中の処理に関する通知を機器の管理者に対して表示する方式や、誰が機器を操作している場合でも表示する方式と比べて、より適切なユーザに通知を伝達できる。また、表示中の操作画面から実行指示が可能な処理が使用するリソースと、機器が実行中の処理が使用するリソースとが競合する場合に、競合しない場合よりも、操作者が通知を知得しやすくすることができる。
【0025】
請求項3又は8に係る発明によれば、機器が実行中の処理に関する通知を機器の管理者に対して表示する方式や、誰が機器を操作している場合でも表示する方式と比べて、より適切なユーザに通知を伝達できる。また、リソースの競合が生じる可能性が高いほど、より目立ちやすい表示態様で通知を表示することができる。
【0026】
請求項に係る発明によれば、機器が実行中の処理が占有しているリソースがあるためそのリソースを用いる他の処理が実行できない場合でも、そのことを知っているはずのその処理の指示者には、改めてそのことを通知しないようにすることができる。
【0027】
請求項に係る発明によれば、機器が実行中の処理がリソースを占有していることにより不具合が生じている場合に、その処理の指示者に対処を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】機器の機能構成を示す図である。
図2】機器の制御部、画面表示管理部等の機能を担うコンピュータのハードウエア構成を例示する図である。
図3】メッセージのバナー表示を説明するための図である。
図4】メッセージの全画面表示を説明するための図である。
図5】ジョブ管理データを例示する図である。
図6】ジョブ種別ごとの使用するリソースの管理データを例示する図である。
図7】操作画面ごとの使用するリソースの管理データを例示する図である。
図8】操作画面の表示の遷移を例示する図である。
図9】メッセージの対象となるイベントについての管理データを例示する図である。
図10】タイムアウト待ちのイベントが発生中に表示される、全画面表示のメッセージ画面を例示する図である。
図11】画面表示管理部が行うメッセージ表示処理の手順を例示する図である。
図12】別の例における、メッセージの対象となるイベントについての管理データを例示する図である。
図13】別の例において画面表示管理部が行うメッセージ表示処理の手順の一部を例示する図である。
図14】別の例において画面表示管理部が行うメッセージ表示処理の手順の別の一部を例示する図である。
図15】別の例において画面表示管理部が行うメッセージ表示処理の手順の更に別の一部を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<機器の概略的な機能構成>
図1を参照して、実施形態の機器の機能構成の一例を説明する。この機器は、処理機構16が実行する処理をユーザに提供する装置である。機器の種類は特に限定されるものではなく、プリンタ、スキャナ、複写機、ファクシミリ装置、複合機(プリンタ、スキャナ、複写機の機能を併せ持つ装置)、キオスク端末、撮影装置、映像機器等のどのようなものであってもよい。例えば機器が複合機である場合、その機器は、1以上の処理機構16を備える。処理機構16として、例えば、プリンタ、スキャナ、スキャナの原稿送り装置、ネットワーク通信のためのネットワークインタフェース、ファクシミリ装置、ジョブ管理その他の情報処理のための情報処理機構等がある。
【0030】
表示装置10は、機器のユーザインタフェースのための表示情報を表示する装置である。この例では、表示装置10の画面は、ユーザの指等が接触(タッチ)した画面上の位置を検知するタッチパネルである。
【0031】
画面表示管理部12は、機器の操作のための指示を受け付けるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)方式のユーザインタフェース画面の表示情報を生成し、その表示情報を表示装置10に供給して表示させる。このユーザインタフェース画面のことを操作画面と呼ぶ。操作画面は、背景、ウィンドウ、アイコン、メニュー、ボタン等の表示要素から構成される。また画面表示管理部12は、表示装置10(タッチパネル)からのタッチ位置を示す信号に基づき、操作画面内の表示要素に対するユーザの操作を検知し、その操作が示す指示を制御部14に伝えたり、その操作に応じて操作画面の表示内容を更新したりする。また、画面表示管理部12は、後述するメッセージの画面表示の制御を行う。
【0032】
制御部14は、機器内の各処理機構16を制御することで、ユーザの操作入力に対応する処理が実行されるようにする。制御部14は、各処理機構16からフィードバックやエラー発生等の動作状態の通知を受け取り、それら通知に基づいて各処理機構16の状態を常時把握している。
【0033】
機器内には、機器の各部の状態を検知するためのセンサ18が設けられている。個々のセンサ18は、各々の監視対象の部位の状態を検知するのに適した種類のセンサである。例えば、機器が複合機である場合、処理機構16の1つである印刷機構に設けられるセンサ18の例には、用紙搬送路の各部にある用紙検知センサ、給紙トレイの残量を検知するセンサ、各色のトナーの残量を検知するセンサ等がある。制御部14は、これらセンサ18から通知される信号から、各センサ18に対応する部位の状態を検知する。
【0034】
さて、画面表示管理部12が生成する操作画面には、例えば機器が提供する機能(処理)の一覧を示すメインメニュー画面、個々の機能についてのパラメータを設定する機能画面等がある。表示装置10に表示される画面は、トリガとなるイベントに応じて遷移する。画面遷移のトリガイベントには、ユーザからの操作もあれば、制御部14が各処理機構16及び各センサ18からの信号から検知した機器の状態もある。例えば、ユーザが、複合機の表示装置10に表示されたメインメニュー画面上のコピー機能を示すボタンを押下(タッチ)すると、画面表示管理部12は、表示装置10に表示させる操作画面を、メインメニュー画面からコピー機能についての機能画面に遷移させる。
【0035】
また、画面表示管理部12は、機器からユーザへのメッセージ(すなわち操作者への通知)を示した表示要素を表示するための処理を実行する。画面表示管理部12は、特定のイベントが生じたことを制御部14から通知されると、そのイベントに対応するメッセージを示した表示要素を、例えば現在表示中の操作画面上に重畳する形で、表示装置10に表示させる。例えば、制御部14が、ある色のトナーの残量センサからの信号に基づき、そのトナーの残量が警戒閾値以下になったという状態を検知した場合、そのトナーの残量が少なくなった旨の注意喚起のメッセージを表示したバナー等の表示要素を、表示装置10が表示中の操作画面内に表示する。
【0036】
<ハードウエア構成の例>
機器のうちの画面表示管理部12及び制御部14は、コンピュータにそれら機能要素の機能を表すプログラムを実行させることにより実現される。
【0037】
ここでのコンピュータは、例えば、図2に示すように、ハードウエアとして、プロセッサ102、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のメモリ(主記憶装置)104、フラッシュメモリやSSD(ソリッドステートドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)等の不揮発性記憶装置である補助記憶装置106を制御するコントローラ、各種の入出力装置108とのインタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース110等が、例えばバス112等のデータ伝送路を介して接続された回路構成を有する。画面表示管理部12及び制御部14の処理内容が記述されたプログラムが、ネットワーク等を経由してコンピュータにインストールされ、補助記憶装置106に保存される。補助記憶装置106に記憶されたプログラムが、プロセッサ102によりメモリ104を用いて実行されることにより、画面表示管理部12及び制御部14が実現される。
【0038】
ここでプロセッサ102とは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0039】
また、プロセッサ102の動作は、1つのプロセッサ102によってなすのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサ102が協働してなすものであってもよい。また、プロセッサ102の各動作は、以下の実施形態において説明する順序のみに限定されるものではなく、適宜に変更してもよい。
【0040】
<メッセージの表示態様>
機器からのメッセージの表示態様には、バナー表示、全画面表示、アイコン表示等、複数の表示態様がある。
【0041】
バナー表示は、図3に例示するように、操作画面(図ではその一例のコピー画面200を例示)の下端部分に、メッセージを示したバナー210を表示するという表示態様である。バナー210は、コピー画面200の下端側の一部のみを覆う。図3の(a)、(b)、(c)は、バナー210の表示の時間的な推移を示す。この例では、図示のように、バナー210は、コピー画面200の下端から徐々にスライドしながら出現することを表すアニメーションの形で表示される。(c)は、バナー210が完全に表示された状態を示す。この後、このバナー210の表示は、所定の時間が経過するか、又は、ユーザが消去ボタン212を押下すると消去される。消去後は、元のコピー画面200が表示される。
【0042】
全画面表示は、図4に例示するように、操作画面(例えばコピー画面200)全体を覆うようにメッセージ画面220を表示する表示態様である。例示したメッセージ画面220は、スキャナの原稿送り装置内で原稿が詰まったことを示す画面であり、「原稿詰まり」という見出しと、「スキャナの原稿送り装置に原稿が詰まりました。原稿送り装置のカバーを開いて、原稿を取り除いてください。」というメッセージ本文を表示している。例示したメッセージ画面220は、詰まった原稿が除去されると消去される。逆に言えば、このメッセージ画面220は、いったん表示されると、詰まった原稿が除去されるまでは消去されない。メッセージ画面が消去された後は、元の操作画面が表示される。
【0043】
ただし、全画面表示のメッセージ画面の中には、図3の例の消去ボタン212と同様のボタンを備え、操作者がそのボタンを押すと消去されるものがある。このように、全画面表示のメッセージ画面の中には、原因となったエラー等が解消するまで消去されないものと、操作者の指示により消去可能なものとがある。なお、ここでのジョブのエラーとは、機器に発生した異常状態であって、そのジョブの実行を中断させる異常状態のことである。
【0044】
また、図示は省略するが、アイコン表示は、操作画面内にアイコンの形でメッセージを表示する態様である。
【0045】
<管理データの例>
次に、画面表示管理部12によるメッセージ表示の制御のために用いられる管理データの例を説明する。これら管理データは、例えば、機器の制御部14及び画面表示管理部12が実装されるコンピュータの補助記憶装置106に保存されている。
【0046】
図5には、ジョブの管理のために制御部14が管理しているジョブ管理データが例示される。ジョブとは、制御部14がユーザからの指示に基づいて1以上の処理機構16を制御して行う処理のことであり、例えばプリントジョブ、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、ファイル転送ジョブ等がその例である。また、原稿をスキャンしてユーザの指定したメールアドレスに送信する「スキャン・メール送信」ジョブのように複数の処理機構16の処理を連携させる複合的なジョブが存在してもよい。
【0047】
例示したジョブ管理データは、ジョブID、ジョブ種別、ジョブオーナー、状態等の項目を含む。ジョブIDは、制御部14がジョブに対して付与した一意な識別情報である。以下では、識別情報のことをIDと略称する。ジョブ種別は、そのジョブの種別であり、例えば、プリント、スキャン等がその例である。ジョブオーナーの欄には、そのジョブの実行を指示したユーザ(すなわち指示者)の識別情報が登録される。状態は、そのジョブの現在の状態を示す。ジョブの状態には、実行待ち、実行中、完了、エラーの発生による中断、等がある。なお、図1に例示した機器は、複数の処理機構16を有しており、同じ処理機構16を用いないジョブであれば、複数のジョブを同時に並列して実行可能である。
【0048】
図6には、ジョブが使用するリソースをジョブ種別ごとに示す管理データである。ジョブが使用するリソースは、そのジョブの実行の際に稼働する処理機構16がその代表例である。またジョブの実行のために用いられる制御部14のソフトウエア的なリソースも、ジョブが使用するリソースの例である。例えば、セキュリティ等の何らかの理由で機器から外部へのFTP通信の接続数を所定数以下に制限している場合、FTP通信を行うジョブではその通信のための接続自体が、そのジョブで使用するリソースである。図示例では、ジョブ種別の欄に示す種別のジョブは、右側の「使用するリソース」の欄に示すリソースを用いるが、他のリソースは使用しない。例えば、プリントジョブは、機器が備える処理機構16の1つであるプリンタを使用するが、スキャナやファクシミリ装置等の他のリソースは使用しない。
【0049】
図7は、画面表示管理部12が表示する操作画面ごとに、その画面から実行指示が可能なジョブで使用されるリソースを示す管理データである。機器の操作画面群は、表示している操作画面に対するユーザの操作に応じて別の操作画面へと遷移する形で設計されている。
【0050】
例えば図8に例示するように、機器のメインメニュー画面250内に列挙して表示されたアプリボタン252のうちの1つをユーザがタッチ等の操作により選択すると、表示装置10に表示される操作画面は、そのアプリボタン252が示すアプリのパラメータを指定するための操作画面に遷移する。図示例では、ユーザがメインメニュー画面250上のアプリボタン252の1つであるコピーボタンにタッチした結果、表示される画面はコピー画面200に遷移する。コピー画面200には、コピーの開始を指示するスタートボタン202、コピー部数を示す部数欄204、その部数欄204に表示させる部数を入力するためのテンキー206、コピーに関する個々の設定項目の値を表示しその値の変更のための操作画面を呼び出す設定項目208群が表示される。図示された表示状態では、1つの設定項目208のみが表示されているが、コピー画面200をスクロールすることでその下に配列された他の設定項目208も表示される。この例のように、表示される操作画面は、概略的にいえば、大まかな機能をするためのものから詳細な設定のためのものへと遷移していく。画面表示管理部12は、どの操作画面上のどのボタンが選択されるとどの操作画面に遷移するかを表す、画面遷移の管理データ(図示省略)を保持しており、この管理データに従って、ユーザの操作に応じて操作画面を遷移させる。
【0051】
操作画面の遷移には、順方向の遷移と逆方向の遷移がある。順方向は、例えば複合機能のメイン画面から、その複合機能を構成する基本機能についての入力のための画面に遷移する例のように、大まかな指定のための画面からより詳細な指定のための画面へと遷移する方向である。逆方向の遷移は、順方向の逆向きの遷移である。例えば「戻る」ボタンの押下に応じて現在表示中の操作画面に遷移する直前に表示していた操作画面を表示する遷移や、「メインメニューに戻る」ボタンの押下に応じてメインメニュー画面を表示する遷移が、逆方向の遷移の例である。
【0052】
図7の管理データには、操作画面の識別情報である画面IDに対応付けて、「使用するリソース」と「遷移先の画面で使用するリソース」とが含まれている。
【0053】
様々な種別の操作画面のうち、メインメニュー画面250に表示されたアプリボタン252の押下により開かれる操作画面は、機器が提供するアプリ、すなわちアプリケーション機能、のための指示の入力を受け付ける画面である。機器が提供するアプリには、スキャン、コピー、ファクシミリ送信等のような基本機能の他に、1以上の基本機能を組み合わせた複合機能もある。例えば、スキャン・メール送信機能は、スキャン機能とメール送信機能を組み合わせた複合機能である。また、ボックス機能は、ボックス一覧を表示する機能、ボックス一覧の中から選択されたボックスに保存された文書の一覧を表示する機能、文書の一覧から選択された文書を印刷する機能、文書の一覧から選択された文書をユーザの指定するメールアドレスに送信する機能、文書の一覧から選択された文書をユーザの指定するネットワーク上の格納場所に転送する機能、等を組み合わせた複合機能である。このようにアプリが呼び出されたときに表示される操作画面の画面IDは、そのアプリ自体のIDともいえる。
【0054】
ユーザの操作に応じて、アプリの操作画面から、そのアプリで実行するジョブのパラメータを設定するための操作画面へと画面遷移することも一般的である。例えば、アプリ画面の一例であるコピー画面200から、印刷色のモード(例えば、白黒かフルカラーか)を選択するための画面へと遷移するのがその一例である。また、複合機能のアプリの画面から、その複合機能を構成する基本機能の画面へと遷移することもある。例えば、ボックス一覧から選択されたボックス内の文書群を一覧表示する画面上で、ユーザが文書を選択し、実行するジョブとしてプリントを選択すると、表示装置10に表示される画面はプリント画面に遷移する。プリント画面は、前述したコピー画面200と同様の画面であり、プリント部数の指定を受け付けるGUI部品や、各種のパラメータの設定を受け付ける画面を呼び出すGUI部品、スタートボタン等を含む。ユーザが、このプリント画面や各種パラメータの設定画面で部数の設定やパラメータの変更を行った上で、そのスタートボタンを押下すると、制御部14は、ユーザが選択した文書を、処理機構16の1つであるプリンタに印刷させる。
【0055】
なお、ボックスとは、機器内(例えば補助記憶装置内)に設けられる、文書データを記憶するための論理的な記憶領域である。機器内には複数のボックスを設けることができ、個々のボックスには、そのボックスを利用可能なユーザが設定される場合もある。ユーザは、例えば機器のスキャナでスキャンした文書のデータを自分が利用可能なボックスに保存したり、自分宛の受信ファクシミリのデータがそのボックスに保存されるように設定したりすることができる。ボックスは、親展ボックス又はセキュリティボックスと呼ばれることもある。
【0056】
図7の管理データのうち、項目「使用するリソース」は、その操作画面から実行開始を指示するジョブが使用するリソースである。例えば、図8に例示したコピー画面200の場合、そのコピー画面200が表示された状態でユーザがスタートボタン202を押下すると、機器内のスキャナ及びプリンタが稼働して、原稿をコピーする。したがって、コピー画面が「使用するリソース」は、スキャナとプリンタである。一方、ボックス画面は、機器内に設けられているボックスの一覧を表示するだけであり、その一覧からボックスが選択された場合にはそのボックス内の文書一覧を表示する画面に遷移するのみである。すなわち、ボックス画面を表示した状態で、限定されたリソース(例えば、処理機構16や、上限がある接続数)を使用するジョブの実行開始がユーザから指示されることはない。したがって、ボックス画面についての「使用するリソース」はない。
【0057】
項目「遷移先の画面で使用するリソース」は、当該画面から順方向に遷移した先の画面から実行開始を指示するジョブが使用するリソースである。例えば、上に例示したボックス画面は、何段階かの画面遷移を経て、ユーザがボックス内から選択した文書をプリントするためのプリント画面は、選択した文書をメール送信するためのメール送信画面へと遷移する。そして、プリント画面が表示された状態でスタートボタンが押下されると、機器内のプリンタがその選択された文書を印刷する。また、メール送信画面が表示されたた状態でスタートボタンが押下されると、機器内のメール送信ソフトウエア及びネットワークインタフェース等により、その文書が添付された電子メールが送信される。したがって、ボックス画面には、「使用するリソース」はないが、「遷移先の画面で使用するリソース」としてプリンタやネットワークインタフェースがある。
【0058】
図9には、メッセージ表示の管理データを例示する。この管理データには、イベントID、操作者種別、メッセージ、及び表示態様の各項目が含まれる。
【0059】
このうちイベントIDは、メッセージの対象となるイベントの種別を識別する識別情報である。制御部14が検知するイベントの中には、そのイベントに対応するメッセージをユーザに通知すべきものがある。図9に例示した管理データには、このようにメッセージの対象となるイベントごとの情報が含まれる。
【0060】
操作者種別は、現在、すなわちそのイベントに対応するメッセージを表示装置10に表示する時点で、機器を操作しているユーザ(すなわち操作者)の種別である。操作者種別には、ジョブオーナー(以下「オーナー」とも呼ぶ)と非ジョブオーナー(以下「非オーナー」とも呼ぶ)とがある。ジョブオーナーは、メッセージの対象となったイベントが発生したジョブのオーナー、すなわちそのジョブの実行を指示した指示者である。非ジョブオーナーは、そのイベントが発生したジョブのジョブオーナー以外のユーザである。
【0061】
あるジョブを実行しているときに、そのジョブの実行に関連する処理機構16や情報処理にエラー等のイベントが生じた場合、そのジョブが、そのイベントについての「イベントが発生したジョブ」である。イベントが発生したジョブは、実行中にエラー等で中断しているジョブか、実行中のジョブであることが多い。イベントが発生したジョブのことは、以下では、メッセージの対象となるジョブという意味で「対象ジョブ」と呼ぶ。
【0062】
メッセージは、そのイベントに関してユーザに通知するメッセージである。図9の例では、操作者種別ごとにメッセージが用意されている。
【0063】
表示態様は、そのイベントに関してユーザに通知するメッセージの表示態様である。メッセージの表示態様には、例えば、前述した全画面表示、バナー表示等がある。また、この例では、メッセージを表示しないことを、そのメッセージの表示態様の1つとして扱っている。
【0064】
また、図9の例では、操作者種別が非オーナーの場合のメッセージの表示態様は、対象ジョブと、表示装置10に現在表示中の操作画面(以下「現画面」と呼ぶ)との間での、使用するリソースとの競合の有無に応じて選択される。対象ジョブが使用するリソース(図6参照)の中に、現画面が使用するリソース(すなわち、現画面から開始されるジョブが使用するリソース。図7参照)のうちの少なくとも1つが含まれる場合、対象ジョブと現画面は、使用するリソースが「競合」する。対象ジョブが使用するリソースと、現画面が使用するリソースとの間に重複するものがない場合は、それら両者の使用するリソースは競合しない。図9の例では、リソースの競合がある場合の方がリソースの競合がない場合よりも、より目立つ表示態様が用いられる。
【0065】
図9の管理データ中のイベントID「0002」のイベントについてのデータについて詳しく説明する。このイベントは、スキャナの原稿送り装置に原稿が詰まったというイベントである。すなわち、このイベントは、スキャンジョブやコピージョブ等の、原稿送り装置を用いるジョブの実行が中断されたことを示すエラーイベントである。
【0066】
このイベントについてのメッセージの表示処理では、その表示の時点での機器の操作者が対象ジョブのジョブオーナーである場合には、「スキャナの原稿送り装置に原稿が詰まりました。・・・・」というメッセージが全画面表示(図4参照)で表示される。すなわち、そのエラーの原因となったジョブの実行を指示したジョブオーナーには、詰まった原稿を取り除いて処分する責任がある。したがって、そのメッセージを表示する時点での機器の操作者がそのジョブオーナーである場合には、最も目立つ表示態様である全画面表示でそのメッセージを表示するのである。この全画面表示のメッセージは、エラーの原因である原稿が原稿送り装置から除去されるまで、表示し続けられる。原稿が取り除かれると、この全画面表示が消去され、全画面表示がなされる直前に表示されていた操作画面が表示される。
【0067】
また操作者が非ジョブオーナーである場合にその操作者に通知するメッセージは、この例では、操作者がジョブオーナーである場合と同じ内容である。そして、この場合において、更に現画面から実行開始を指示するジョブと、対象ジョブ、すなわちその原稿の詰まりが生じたジョブとの間で、使用するリソースに競合がある場合には、そのメッセージが全画面表示で表示される。原稿を取り除かない限り、その画面から実行開始を指示するジョブが実行できないので、全画面表示により操作者に原稿の除去を促すのである。原稿が除去されると、その全画面表示が消去され、全画面表示が行われる直前に表示されていた操作画面(すなわちこの段落の冒頭の「現画面」)が表示される。これにより、操作者はその操作画面から、原稿送り装置及びスキャナを用いるジョブの実行を指示することが可能になる。
【0068】
また、操作者が非ジョブオーナーであり且つ現画面から実行開始を指示するジョブと、対象ジョブとの間で、使用するリソースに競合がない場合には、図9の例では、メッセージを表示しない。この場合、操作者が現画面から実行しようとしているジョブは、原稿送り装置を利用しないため、原稿送り装置にエラーが生じていても、実行可能である。なお、この場合にも、原稿詰まりが早く解消されるよう、そのメッセージを、バナー表示やアイコン表示等、全画面表示よりも、目立ちにくい、又は現画面に対する操作を妨げにくい表示態様で表示してもよい。
【0069】
また、図9では省略したが、操作者が非ジョブオーナーであり且つ現画面から実行開始を指示するジョブと対象ジョブとの間で使用するリソースに競合がない場合、更に現画面からの遷移先の画面と対象ジョブとの使用するリソースの競合の有無に基づいて、メッセージの表示態様を切り替えてもよい。例えば、更に現画面からの遷移先の画面と対象ジョブとの間で、使用するリソースが競合する場合、そのメッセージをバナー表示やアイコン表示等、現画面に対する操作を全画面表示よりも妨げにくい表示態様で表示してもよい。そして、現画面からの遷移先の画面と対象ジョブとの間で、使用するリソースが競合しない場合には、そのメッセージを表示しないか、又は競合する場合よりも目立ちにくい表示態様で表示してもよい。
【0070】
次に、図9に示す管理データ中の、イベントID「0055」のイベントに関するデータについて詳しく説明する。このイベントは、ネットワーク経由のデータ転送を伴うジョブの実行の際に、転送先へ送った接続要求に対して転送先からの応答がないというイベントである。例えば、そのジョブの実行開始から所定長さの時間が経っても転送先から応答がないため転送先との接続が確立できない場合、このイベントが発生する。ジョブの実行開始から所定長さのタイムアウト時間が経過しても、転送先との接続が確立できない場合、そのジョブの実行は失敗し、終了する。実行開始からタイムアウト時間の間は、ジョブ自体は中断されずに続いているが、そのジョブの本体の処理(すなわち文書の転送)は実行されないままである。ジョブの実行開始からタイムアウト時間が経過するまでの間は、機器から外部へのネットワーク接続はそのジョブにより占有されており、ネットワーク接続を用いる他のジョブは、そのジョブがタイムアウトするか完了するまで実行できない。したがって、このイベントは、エラーそのものではないものの、ネットワーク接続というリソースを占有する点でエラーに近いといえる。
【0071】
このイベントについてのメッセージの表示処理では、その表示の時点での機器の操作者が対象ジョブのジョブオーナーである場合には、その操作者に対してイベント内容を知らせて対処を求める。すなわち、この場合、画面表示管理部12は、その操作者のジョブがネットワーク接続を占有しているために他のユーザの妨げになっていることを示すメッセージを示す画面を全画面表示で表示する。図10に、このとき全画面表示するメッセージ画面230を例示する。メッセージ画面230には、上述の趣旨のメッセージに加え、実行中のジョブ(すなわちそのイベントの原因となった、ネットワーク接続占有中のジョブ)を取り消すか否かの問合せと、これに対する応諾(「はい」)又は拒否(「いいえ」)の指示を入力するためのGUIボタンとが含まれる。操作者が「はい」を選べば、現在実行中のジョブの実行が強制終了され、ネットワーク接続が解放される。この後機器は、例えば、リモートのクライアント装置から、ネットワーク経由でのデータ転送を伴うジョブを受け付けて即座に実行することが可能になる。この全画面表示は、操作者が問合せに対して「はい」又は「いいえ」を選ぶか、またはタイムアウト時間が経過すると、消去される。
【0072】
また操作者が非ジョブオーナーである場合にその操作者に通知するメッセージは、別のジョブによりネットワーク接続が占有中であること、及びそのジョブがタイムアウトするまでの残り時間を示すものである。そして、この場合において、更に現画面から実行開始を指示するジョブと、対象ジョブ、すなわちその原稿の詰まりが生じたジョブとの間で、使用するリソースに競合がある場合には、そのメッセージがバナー表示等のように、全画面表示よりも目立たない表示態様で表示される。上述の原稿詰まりのケースでは、非ジョブオーナーも原稿詰まりを解消する処置をとることができたが、このケースでは、非ジョブオーナーは実行中のジョブを取り消すことができない。このため、そのメッセージを全画面表示で表示することで操作者に対処を求めるのではなく、単に操作者にタイムアウトまでの残り時間の情報を提供するにとどめる。情報提供のみなので、この例では表示態様としてバナー表示を採用したが、この代わりに、消去ボタンを含んだ全画面表示を採用し、操作者がその全画面表示で状況を把握した後、消去ボタンを押下することでその表示を消去できるようにしてもよい。
【0073】
また、操作者が非ジョブオーナーであり且つ現画面から実行開始を指示するジョブと、対象ジョブとの間で、使用するリソースに競合がない場合には、メッセージを表示しない。この場合、操作者が現画面から実行しようとしているジョブは、ネットワークを利用しないため、ネットワーク接続が他のジョブに占有されていても、実行可能である。
【0074】
次に、図9に示す管理データ中の、イベントID「0123」のイベントに関するデータについて詳しく説明する。このイベントは、プリントに要する時間が長いジョブを実行している場合に起こるイベントである。
【0075】
例えば、プリントに要する所要時間は、対象の文書のページ数とプリント部数等から概算できる。また、プリントを実行中の時点では、プリント開始からその時点までに既に経過した時間をその所要時間から差し引くことで、そのジョブの完了までの残り時間が概算できる。そのジョブが完了するまでは、そのジョブの実行を指示した本人も、他のユーザも、機器内のプリンタを使用するジョブの実行を開始できない。すなわち、このケースは、正常に実行中のジョブのために、別の新たなジョブの開始が待たされるものである。このイベントは、実行中のプリンタを使用するジョブの完了までの残り時間が所定の閾値以上である場合に発生する。
【0076】
このイベントが発生中の場合でも、そのイベントの原因となったジョブ、すなわち現在実行中のプリントを伴うジョブについてのジョブオーナーは、自分が先ほど大量のプリント処理を行うジョブの開始を指示したことを知っている。したがって、そのジョブオーナーは、新たに別のプリントを伴うジョブを指示する場合、その新たなジョブの開始がある程度遅くなることは当然分かっている。このため、図9の管理データでは、現在の操作者が、イベントの原因となったジョブのジョブオーナーである場合には、メッセージ表示を行わない。
【0077】
また、図9では省略したが、操作者が非ジョブオーナーであり且つ現画面から実行開始を指示するジョブと対象ジョブとの間で使用するリソースに競合がない場合でも、更に現画面からの遷移先の画面と対象ジョブとの間で使用するリソースの競合がある場合には、その非ジョブオーナー向けのメッセージを、バナー表示やアイコン表示等、現画面に対する操作を全画面表示よりも妨げにくい表示態様で表示してもよい。
【0078】
また操作者が非ジョブオーナーである場合にその操作者に通知するメッセージは、別のジョブによりプリンタが占有中であること、及びそのジョブが完了するまでの残り時間を示すものである。そして、図9の例では、この場合において更に現画面から実行開始を指示するジョブと、対象ジョブ、すなわちプリンタを占有中のジョブとの間で、使用するリソースに競合がある場合には、そのメッセージがバナー表示等のように、全画面表示よりも目立たない表示態様で表示される。このケースでは、非ジョブオーナーは実行中のジョブの完了を待つことしかできない。このため、そのメッセージを全画面表示で表示することで操作者に対処を求めるのではなく、単に操作者にそのジョブの完了までの残り時間の情報を提供するにとどめる。情報提供のみなので、この例では表示態様として操作画面の表示を妨げにくいバナー表示を採用する。
【0079】
また、操作者が非ジョブオーナーであり且つ現画面から実行開始を指示するジョブと、対象ジョブとの間で、使用するリソースに競合がない場合には、メッセージを表示しない。この場合、操作者が現画面から実行しようとしているジョブは、プリンタを利用しないため、プリンタが他のジョブに占有されていても、実行可能である。
【0080】
また、図9では省略したが、操作者が非ジョブオーナーであり且つ現画面から実行開始を指示するジョブと対象ジョブとの間で使用するリソースに競合がない場合でも、更に現画面からの遷移先の画面と対象ジョブとの間で使用するリソースの競合がある場合には、その非ジョブオーナー向けのメッセージを、バナー表示やアイコン表示等、現画面に対する操作を全画面表示よりも妨げにくい表示態様で表示してもよい。
【0081】
<処理手順の例>
次に、図11を参照して、画面表示管理部12が実行するメッセージ表示の手順の一例を説明する。図11の手順は、表示装置10に操作画面が表示されている状況でメッセージ通知の対象となるイベント(すなわち図9に例示した管理データに登録されているイベント)が発生した場合に実行される。また、図11の手順は、そのようなイベントが発生中(すなわち、そのイベントの原因が解決していない期間)に操作者が操作画面を開いたときにも実行される。
【0082】
図11の手順では、まず画面表示管理部12は、この手順の実行のトリガとなった、発生した又は発生中のイベントのイベントIDと、そのイベントが発生したジョブ(すなわち「対象ジョブ」)のジョブIDとを制御部14から取得する(S10)。制御部14は、それらイベントID及びジョブIDを把握している。また画面表示管理部12は、現在機器を操作中のユーザ(すなわち操作者)のユーザIDを制御部14から取得し、表示装置10に現在表示中の操作画面の画面IDを取得する(S12)。ユーザは、機器を使用する際に、機器が提供するログイン画面へのユーザID、パスワード等を入力したり、又は機器に設けられたICカードリーダに自分の認証情報を保持するICカードを読み取らせたりする方法で、機器にログインする。制御部14は、そのログイン処理により認識したユーザIDを、現在の操作者のユーザIDとして管理している。S10及びS12の実行順序は図示の通りでなくてもよい。
【0083】
次に画面表示管理部12は、対象ジョブのジョブIDをキーとしてジョブ管理データ(図5参照)を検索することで、その対象ジョブのジョブオーナーとジョブ種別を特定する(S14)。また画面表示管理部12は、特定したジョブ種別に対応する「使用するリソース」をジョブ種別ごとの使用リソースの管理データ(図6参照)から検索する。また画面表示管理部12は、S12で取得した画面IDをキーとして、画面ごとの使用リソースの管理データ(図7参照)を検索することにより、現在表示中の操作画面から実行開始が指示できるジョブが使用するリソースを特定する(S16)。S14とS16の実行順序は図示の順序と異なっていてもよい。
【0084】
次に画面表示管理部12は、図9に例示したイベントごとのメッセージの管理データから、S10で取得したイベントIDに対応する情報を取得する(S18)。
【0085】
次に画面表示管理部12は、S12及びS14で取得した情報に基づき、現在の機器の操作者が、対象ジョブのジョブオーナーと一致するか否かを判定する(S20)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、図9の管理データ内の当該イベントIDに対応するジョブオーナー向けのメッセージを、ジョブオーナー向けの表示態様で表示装置10に表示させる(S22)。例えば、イベントIDが「0002」又は「0055」の場合、メッセージが全画面表示で表示される。また、イベントIDが「0123」の場合には、メッセージは表示されない。
【0086】
S20の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、対象ジョブと現在表示中の操作画面との間でリソースの競合が生じるか否かを判定する(S24)。対象ジョブの使用するリソースが複数ある場合、S24では、それら複数のリソースのうちこの処理手順のトリガとなったイベントの原因となったリソースと、現画面から実行指示を受け付けるジョブが使用するリソースとの間で、競合の有無を判定してもよい。S24の判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、図9の管理データ内の当該イベントIDに対応する非ジョブオーナー向けのメッセージを、リソース競合がある場合に対応する表示態様で表示装置10に表示させる(S26)。S26では、例えば、イベントIDが「0002」の場合、メッセージが全画面表示で表示され、イベントIDが「0055」又は「0123」の場合には、メッセージはバナー表示で表示される。
【0087】
また、S24の判定の結果がNoの場合、画面表示管理部12は、図9の管理データ内の当該イベントIDに対応する非ジョブオーナー向けのメッセージを、リソース競合がない場合に対応する表示態様で表示装置10に表示させる(S28)。図9の管理データの例では、S28では、メッセージの表示は行われない。
【0088】
以上に説明したように、本実施形態では、現在の操作者が対象ジョブのジョブオーナーと一致するか否かが判定され、その判定の結果に応じて、表示されるメッセージの内容や表示態様が制御される。したがって、ジョブオーナーにはジョブオーナー向けのメッセージがジョブオーナー向けの表示態様で、非ジョブオーナーには非ジョブオーナー向けのメッセージが非ジョブオーナー向けの表示態様で、それぞれ表示される。
【0089】
図9及び図11を用いて説明した例における、操作者が非ジョブオーナーである場合の、リソース競合の有無に応じたメッセージの表示態様の制御は、別の角度から見れば、以下のような制御と捉えることができる。すなわち、この制御は、現在表示中の操作画面が、対象ジョブが占有するリソースを用いるジョブの実行指示を受け付け可能である場合に、メッセージを表示するものといえる。これは、現在表示中の操作画面と対象ジョブとの間でリソースの競合がある場合に、メッセージを画面表示することである。
【0090】
図9及び図11に示した例は、イベントごとのメッセージの管理データ内に、そのメッセージを表示する際の表示態様を規定する情報が含まれていたが、このような方式はあくまで一例に過ぎない。
【0091】
別の例として、イベントの種別に基づいてメッセージの表示態様を決定してもよい。図12に、この例のための、イベントごとのメッセージの管理データの例を示す。この管理データは、イベントIDごとに、当該イベントの種別の情報と、当該イベントに対応するメッセージの情報を含んでいる。この例では、イベント種別には、エラー、タイムアウト待ち、処理完了待ちがある。イベント種別「エラー」は、上述したイベントID「0002」のイベントのように、実行中のジョブを中断させる種類のイベントである。イベント種別「タイムアウト待ち」は、上述したイベントID「0055」のイベントのように、実行中のジョブがタイムアウト待ちになっていることを示すイベントである。イベント種別「処理完了待ち」は、上述したイベントID「0123」のイベントのように、実行中のジョブがリソースを占有する残り時間が閾値以上であることを示すイベントである。
【0092】
この例における画面表示管理部12のメッセージ表示制御の手順を、図13図15に例示する。図13に示す手順のうち、S10~S18の処理は、図11の処理手順の同符号のステップの処理と同じである。
【0093】
S18の後、画面表示管理部12は、S10で取得したイベントIDに対応するイベント種別を図12の管理データから取得し、そのイベント種別がエラー、タイムアウト待ち、処理完了待ちのいずれであるかを判定する(S30)。イベント種別がエラーの場合、画面表示管理部12は、現在の操作者が、対象ジョブのジョブオーナーと一致するか否かを判定する(S32)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、図12の管理データ内の当該イベントIDに対応するメッセージを、ジョブオーナー向けの表示態様として予め定められた全画面表示で表示装置10に表示させ(S34)、処理を終了する。
【0094】
S32の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、対象ジョブと現在表示中の操作画面との間でリソースの競合が生じるか否かを判定する(S36)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、イベントIDに対応するメッセージを、リソース競合がある場合の表示態様として予め定められたバナー表示で表示装置10に表示させる(S38)。S36の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、イベントIDに対応するメッセージを表示装置10に表示させない(S40)。なお、S40では、メッセージを表示しない代わりに、バナー表示よりも目立ちにくい表示態様(例えばアイコン表示)で表示させてもよい。
【0095】
S30でイベント種別がタイムアウト待ちで有ると判定した場合、画面表示管理部12は、図14に示すように、画面表示管理部12は、現在の操作者が、対象ジョブのジョブオーナーと一致するか否かを判定する(S42)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、図12の管理データ内の当該イベントIDに対応するメッセージを、ジョブオーナー向けの表示態様として予め定められた全画面表示で表示装置10に表示させ(S44)、処理を終了する。S42の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、対象ジョブと現在表示中の操作画面との間でリソースの競合が生じるか否かを判定する(S46)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、イベントIDに対応するメッセージを、リソース競合がある場合の表示態様として予め定められたバナー表示で表示装置10に表示させる(S48)。S46の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、イベントIDに対応するメッセージを表示装置10に表示させない(S50)。
【0096】
S30でイベント種別が処理完了待ちで有ると判定した場合、画面表示管理部12は、図15に示すように、画面表示管理部12は、現在の操作者が、対象ジョブのジョブオーナーと一致するか否かを判定する(S52)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、メッセージ表示を行わない(S54)。S52の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、対象ジョブと現在表示中の操作画面との間でリソースの競合が生じるか否かを判定する(S56)。この判定の結果がYesの場合、画面表示管理部12は、イベントIDに対応するメッセージを、リソース競合がある場合の表示態様として予め定められたバナー表示で表示装置10に表示させる(S58)。S56の判定結果がNoの場合、画面表示管理部12は、メッセージ表示を行わない(S60)。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明した。上述の実施形態はあくまで例示的なものにすぎない。本発明の範囲内で、様々な変形や改良が可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 表示装置、12 画面表示管理部、14 制御部、16 処理機構、18 センサ、102 プロセッサ、104 メモリ、106 補助記憶装置、108 入出力装置、110 ネットワークインタフェース、112 バス。
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