(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】回転操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/06 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
H01H25/06 E
(21)【出願番号】P 2020020882
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】上田 拓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 久伸
(72)【発明者】
【氏名】栗田 直明
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034198(JP,A)
【文献】特開2012-174293(JP,A)
【文献】特開2003-323831(JP,A)
【文献】特許第5432026(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するステッピングモータと、
前記回転軸に設けられて前記回転軸を回転させる操作子と、を備え
、
少なくとも前記操作子が、前記回転軸の軸方向に移動可能とされ、
前記軸方向において前記操作子が向かうことで作動するスイッチをさらに備え、
前記ステッピングモータは、前記操作子と共に前記軸方向に移動可能とされ、
前記ステッピングモータは、モータ本体と、モータ本体に対して回転可能に取り付けられた前記回転軸と、を有し、
前記モータ本体を含む前記ステッピングモータ全体が、前記操作子と共に軸方向に移動可能とされる回転操作装置。
【請求項2】
前記回転軸の回転位置を検出する回転位置検出部をさらに備え、
前記ステッピングモータは、モータ本体と、モータ本体に対して回転可能に取り付けられた前記回転軸と、を有し、
軸方向における前記回転軸の第一端部及び第二端部は、前記回転軸の軸方向における前記モータ本体の両側から延び、
前記回転軸の第一端部に、前記操作子が設けられ、
前記回転軸の第二端部に、前記回転位置検出部が設けられている請求項1に記載の回転操作装置。
【請求項3】
前記ステッピングモータが前記スイッチに向かって移動することで、前記スイッチが作動する
請求項1又は請求項2に記載の回転操作装置。
【請求項4】
前記回転軸が前記スイッチに向かって移動することで、前記スイッチが作動する
請求項3に記載の回転操作装置。
【請求項5】
少なくとも前記操作子に対し、前記操作子を前記スイッチから離す方向に弾性力を付与する弾性部材を備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転操作が可能な操作子(ダイヤル操作部)と、操作子を回転駆動するステッピングモータ(ダイヤル駆動モータ)と、ステッピングモータの動作を制御する制御部と、を備える回転操作装置(操作装置)が開示されている。特許文献1の回転操作装置では、制御部がステッピングモータの回転軸(出力軸)に静止トルクを発生させる制御を実行することで、操作者による操作子の回転操作に対してクリック感を付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の回転操作装置では、操作子とステッピングモータの回転軸とが、ギヤ(駆動ギヤ、従動ギヤ)を介して連結されている。このため、ステッピングモータによるクリック感(静止トルク)が、ギヤにおいて劣化し、操作子を操作する操作者の手指にダイレクトに伝わらない、という問題がある。操作者が感じるクリック感の程度は、操作者による操作子の操作のしやすさに関わるため、ステッピングモータによるクリック感は、操作者の手指にダイレクトに伝わることが好ましい。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ステッピングモータによるクリック感を、操作子を操作する操作者の手指にダイレクトに伝えることが可能な回転操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、回転軸を有するステッピングモータと、前記回転軸に設けられて前記回転軸を回転させる操作子と、を備え、少なくとも前記操作子が、前記回転軸の軸方向に移動可能とされ、前記軸方向において前記操作子が向かうことで作動するスイッチをさらに備え、前記ステッピングモータは、前記操作子と共に前記軸方向に移動可能とされ、前記ステッピングモータは、モータ本体と、モータ本体に対して回転可能に取り付けられた前記回転軸と、を有し、前記モータ本体を含む前記ステッピングモータ全体が、前記操作子と共に軸方向に移動可能とされる回転操作装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ステッピングモータによるクリック感を、操作子を操作する操作者の手指にダイレクトに伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る回転操作装置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る回転操作装置の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の第二実施形態に係る回転操作装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第一実施形態〕
以下、
図1~4を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1~3に示すように、本実施形態に係る回転操作装置1は、ステッピングモータ2と、操作子3と、を備える。また、回転操作装置1は、回転位置検出部4と、スイッチ5と、弾性部材6と、を備える。
【0010】
ステッピングモータ2は、モータ本体21と、回転軸22と、を有する。回転軸22は、モータ本体21に対して回転可能に取り付けられている。軸方向における回転軸22の第一端部221及び第二端部222は、回転軸22の軸方向におけるモータ本体21の両側から延びている。本実施形態において、回転軸22は、モータ本体21に対して軸方向に移動不能である。
【0011】
ステッピングモータ2は、フレーム7に取り付けられている。フレーム7は、ベース板71と、下側支持板72と、上側支持板73と、支柱74と、を備える。ベース板71、下側支持板72及び上側支持板73は、これらの板厚方向に間隔をあけて下から上に順番に配される。
【0012】
支柱74は、ベース板71、下側支持板72及び上側支持板73を相互に接続して、ベース板71、下側支持板72及び上側支持板73の間隔を保持する。支柱74は、第一支柱部材741及び第二支柱部材742を含む。第一支柱部材741は、ベース板71と下側支持板72との間に介在し、ベース板71と下側支持板72との間隔を一定に保つ。第二支柱部材742は、下側支持板72と上側支持板73との間に介在し、下側支持板72と上側支持板73との間隔を一定に保つ。第一支柱部材741は、ネジ止め等によってベース板71に固定される。第二支柱部材742は、ネジ止め等によって第一支柱部材741に固定されることで、第一支柱部材741との間に下側支持板72を挟んで固定する。第二支柱部材742の先端には、ネジ止め等によって上側支持板73が固定される。支柱74の数は、図示例のように二つであってよいが、これに限ることはない。
【0013】
ステッピングモータ2のモータ本体21は、フレーム7の下側支持板72と上側支持板73との間に配される。回転軸22の第一端部221は、上側支持板73に形成された貫通孔731に挿通される。回転軸22の第二端部222は、下側支持板72に形成された貫通孔721に挿通される。下側支持板72及び上側支持板73の貫通孔721,731の径寸法は、回転軸22の径寸法と同等とされている。
【0014】
下側支持板72及び上側支持板73に取り付けられた回転軸22は、フレーム7に対して回転可能であり、また、回転軸22の軸方向に移動可能である。なお、下側支持板72、上側支持板73のうち貫通孔721,731の形成部分における板厚は、下側支持板72、上側支持板73の他の部分の板厚よりも大きい。これにより、下側支持板72、上側支持板73における貫通孔721,731の長さを確保して、回転軸22を下側支持板72及び上側支持板73によって安定に支持することができる。
【0015】
モータ本体21は、下側支持板72や上側支持板73に固定されない。これにより、回転軸22及びモータ本体21を含むステッピングモータ2全体は、フレーム7に対して回転軸22の軸方向に移動可能に取り付けられる。フレーム7に対するステッピングモータ2の軸方向への移動範囲は、主に下側支持板72と上側支持板73との間隔によって規定される。
【0016】
上側支持板73には、案内ロッド75が設けられている。案内ロッド75は、回転軸22(貫通孔731)に対して径方向に離れた位置において、上側支持板73から回転軸22の軸方向に延びている。案内ロッド75は、モータ本体21に形成された案内孔23に挿入される。これにより、モータ本体21は、フレーム7に対して回転軸22の軸方向にのみ案内され、フレーム7に対して回転軸22の軸周りに回転することはない。なお、案内ロッド75は、例えば下側支持板72に設けられてもよい。
【0017】
弾性部材6は、ステッピングモータ2に対して回転軸22の軸方向への弾性力を付与する。弾性部材6は、モータ本体21と下側支持板72との間に配置される。これにより、ステッピングモータ2をベース板71に近づけるように移動させた際には、弾性部材6が弾性的に変形し、ステッピングモータ2をベース板71から離す方向への弾性力がステッピングモータ2に付与される。本実施形態の弾性部材6は、コイルばねであり、回転軸22を挿通させるように配されている。なお、弾性部材6は、例えばゴムやクッションなどの弾性体であってもよい。
【0018】
操作子3は、回転操作装置1の操作者によって操作される部品であり、ステッピングモータ2の回転軸22に設けられている。具体的に、操作子3には挿入孔31が形成されている。挿入孔31は、例えば操作子3を貫通してもよいが、本実施形態では貫通しない。操作子3は、回転軸22の第一端部221が操作子3の挿入孔31に挿入されることで、回転軸22の第一端部221に取り付けられる。回転軸22の第一端部221に取り付けられた操作子3は、モータ本体21との間に上側支持板73が介在する位置に配される。
【0019】
回転軸22に取り付けられた操作子3は、回転軸22に対して回転軸22の軸周りに回転しない。また、操作子3は、回転軸22に対してその軸方向に移動しない。すなわち、操作子3は回転軸22に対して移動不能に固定される。これにより、操作子3は、回転軸22と共に回転軸22の軸周りに回転可能である。また、操作子3は、回転軸22を含むステッピングモータ2と共にフレーム7に対して回転軸22の軸方向に移動可能である。
【0020】
回転位置検出部4は、回転軸22に設けられて回転軸22の回転位置を検出する。回転位置検出部4は、円板状部材41と、検出部42と、を備える。
【0021】
円板状部材41は、回転軸22に設けられて回転軸22と共に回転する。具体的に、円板状部材41の中心部分には挿入孔411が形成されている。挿入孔411は、例えば円板状部材41をその板厚方向に貫通してもよいが、本実施形態では貫通しない。円板状部材41は、回転軸22の第二端部222が円板状部材41の挿入孔411に挿入されることで、回転軸22の第二端部222に固定される。なお、円板状部材41の中心部分における円板状部材41の板厚は、径方向において中心部の外側に位置する円板状部材41の他の部分の板厚よりも大きい。これにより、円板状部材41の挿入孔411の長さを確保して、円板状部材41を安定に回転軸22に固定することができる。回転軸22の第二端部222に固定された円板状部材41は、回転軸22の軸方向においてフレーム7のベース板71と下側支持板72との間に配される。
【0022】
検出部42は、円板状部材41の回転位置を検出する。検出部42は、円板状部材41の板厚方向において円板状部材41の外周部分に対向するように配置される。検出部42は、例えば一つでもよいが、本実施形態では円板状部材41の周方向に間隔をあけて複数(図示例では二つ)並んでいる。
検出部42は、回路基板8に実装されている。回路基板8は、ネジ止め等によってフレーム7のベース板71に固定される。これにより、回路基板8は、回転軸22の軸方向においてモータ本体21との間に円板状部材41が配されるように位置する。
【0023】
本実施形態の回転位置検出部4は、反射型フォトインタラプタである。このため、円板状部材41の外周部分には、円板状部材41の板厚方向に貫通するスリット412が複数形成されている。複数のスリット412は、円板状部材41の周方向に等間隔で並んでいる。また、検出部42は不図示の発光部及び受光部を含む。図示例では、発光部及び受光部が一体化されているが、これに限ることはない。
【0024】
反射型フォトインタラプタである回転位置検出部4では、回転軸22の回転位置に応じて、発光部からの光が、円板状部材41の外周部分において反射することで受光部に到達する、あるいは、スリット412を通して円板状部材41の外周部分を透過することで受光部に到達しない。回転位置検出部4は、受光部が発光部からの光を受光するか否かに基づいて、回転軸22の回転位置を検出することができる。
【0025】
なお、回転位置検出部4は、例えば透過型フォトインタラプタであってもよい。また、回転位置検出部4の検出部42は、例えばホール素子であってもよい。検出部42がホール素子である場合、円板状部材41の外周部分には、スリット412の代わりに、円板状部材41の周方向にN極とS極とを交互に配列した磁石が設けられればよい。
【0026】
スイッチ5は、操作子3が当該スイッチ5に向かうことで作動する。本実施形態のスイッチ5は、回転軸22の軸方向において外力を受けることで作動する押しボタンスイッチである。押しボタンスイッチは、例えばタクトスイッチ、メンブレンスイッチ、圧力スイッチなどであってよい。なお、スイッチ5は、押しボタンスイッチに限らず、例えば光学式スイッチや静電容量式スイッチであってもよい。
スイッチ5は、回転軸22の軸方向において回転軸22の第二端部222の先端に対向する。スイッチ5は、検出部42と同様に、ベース板71に固定された回路基板8に実装されている。スイッチ5は、ステッピングモータ2及び操作子3が、回転軸22の軸方向においてスイッチ5に向かって移動することで作動する。本実施形態では、ステッピングモータ2の回転軸22がスイッチ5を押すことでスイッチ5が作動する。
【0027】
回転操作装置1は、
図4に示すように、制御部9をさらに備える。制御部9は、回転位置検出部4から出力された回転軸22の回転位置に応じてステッピングモータ2を制御してステッピングモータ2に静止トルクを発生させる。これにより、操作者による操作子3の回転操作に対してクリック感が付与される。操作子3(回転軸22)の一周あたりのクリックのポイント数は、任意に設定することができる。
【0028】
以上のように構成される本実施形態の回転操作装置1では、操作者が操作子3を回転操作することができる。この際、操作者の手指にはステッピングモータ2によるクリック感が伝わる。これにより、操作者は、操作子3を視認しなくても、操作子3をどの程度回転させたか把握することができる。
【0029】
また、回転操作装置1では、操作者が操作子3を回転軸22の軸方向に押すことができる。この際には、ステッピングモータ2及び操作子3がスイッチ5(ベース板71)に近づくように移動し、スイッチ5が作動する。また、弾性部材6が、ステッピングモータ2及び操作子3に対してこれらをスイッチ5から離す方向に弾性力を付与する。このため、操作者が操作子3の押し動作を解除した際には、ステッピングモータ2及び操作子3が弾性部材6の弾性力によってスイッチ5から離れる方向に移動し、スイッチ5の作動が解除される。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の回転操作装置1によれば、操作子3がステッピングモータ2の回転軸22に直接設けられているため、操作子3と回転軸22との間にはギヤなどが介在しない。これにより、ステッピングモータ2によるクリック感を、操作子3を操作する操作者の手指にダイレクトに伝えることができる。
【0031】
また、本実施形態の回転操作装置1では、回転軸22の第一端部221及び第二端部222が、軸方向におけるモータ本体21の両側から延びている。そして、操作子3が回転軸22の第一端部221に設けられ、回転位置検出部4の円板状部材41が回転軸22の第二端部222に設けられている。このため、操作子3及び円板状部材41が回転軸22の第一端部221及び第二端部222の一方のみに設けられる場合と比較して、モータ本体21から延びる回転軸22の第一端部221及び第二端部222の各長さを短くすることができる。このため、回転軸22が撓んだり、ぶれたりすることを抑制できる。これにより、ステッピングモータ2によるクリック感が、回転軸22の撓みやブレに基づいて劣化することを抑制できる。したがって、ステッピングモータ2によるクリック感を、操作子3を操作する操作者の手指によりダイレクトに伝えることができる。
【0032】
また、本実施形態の回転操作装置1では、モータ本体21及び回転軸22を含むステッピングモータ2全体が操作子3と共に軸方向に移動する。このため、操作子3を軸方向に移動させても、モータ本体21と回転軸22との相対的な位置が変化しない。これにより、操作子3の軸方向の位置が変化しても、ステッピングモータ2によるクリック感が変化することを防止できる。
【0033】
また、本実施形態の回転操作装置1では、ステッピングモータ2が操作子3と共にスイッチ5に対して離れたり近づいたりするように移動可能とされている。そして、ステッピングモータ2及び操作子3がスイッチ5に向かって移動することで、スイッチ5が作動する。これにより、操作子3及びステッピングモータ2を、スイッチ5を作動させるための部品として活用することができる。スイッチ5を作動させるための部品を別途用意する必要がないため、スイッチ5を含む回転操作装置1を簡素に構成することができる。
【0034】
また、本実施形態の回転操作装置1は、ステッピングモータ2及び操作子3をスイッチ5から離す方向に弾性力を付与する弾性部材6を備える。これにより、操作者は、ステッピングモータ2及び操作子3をスイッチ5に近づけてスイッチ5を作動させた状態において、操作子3から手を離すだけで、弾性部材6の弾性力によってステッピングモータ2及び操作子3をスイッチ5から離して、スイッチ5の作動を簡単に解除することができる。
【0035】
〔第二実施形態〕
次に、
図5~7を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0036】
図5~7に示すように、第二実施形態の回転操作装置1Bは、第一実施形態と同様に、ステッピングモータ2Bと、操作子3と、回転位置検出部4と、スイッチ5と、を備える。また、図示しないが、回転操作装置1Bは、操作子3の回転操作に対してクリック感を付与するための制御部9(
図4参照)も備える。
【0037】
ただし、第二実施形態のステッピングモータ2Bでは、回転軸22が操作子3と共にモータ本体21に対して回転軸22の軸方向に移動可能とされている。また、モータ本体21と回転軸22との間には、図示しない弾性部材が設けられている。弾性部材は、回転軸22をモータ本体21に対してスイッチ5から離す方向(
図7において上方向)に弾性力を付与する。
【0038】
ステッピングモータ2Bは、第一実施形態と同様に、フレーム7Bに取り付けられている。フレーム7Bは、ベース板71と、支持板73Bと、支柱74Bと、を備える。ベース板71と支持板73Bとは、これらの板厚方向に間隔をあけて配される。支柱74Bは、ベース板71と支持板73Bとを接続して、ベース板71と支持板73Bとの間隔を保持する。支柱74Bは、ベース板71と支持板73Bとの間に介在することで、ベース板71と支持板73Bとの間隔を一定に保つ。支柱74Bは、ネジ止め等によってベース板71に固定される。支柱74Bの先端には、ネジ止め等によって支持板73Bが固定される。
【0039】
モータ本体21は、支持板73Bにネジ止め等によって固定され、ベース板71と支持板73Bとの間に配される。回転軸22の第一端部221は、支持板73Bに形成された貫通孔731Bに挿通されている。支持板73Bの貫通孔731Bの径寸法は、回転軸22の径寸法以上であればよい。
モータ本体21が支持板73Bに固定された状態では、回転軸22がモータ本体21及びフレーム7Bに対して回転軸22の軸方向に移動可能である。また、回転軸22の第二端部222の先端が、回転軸22の軸方向においてスイッチ5に対向する。
【0040】
第二実施形態の回転位置検出部4は、第一実施形態と同様の円板状部材41及び検出部42を備える。ただし、回転位置検出部4の円板状部材41に形成された挿入孔411は、円板状部材41の板厚方向に貫通している。このため、回転軸22の第二端部222は、円板状部材41の挿入孔411に挿通され、円板状部材41を介さずにスイッチ5に対向する。
【0041】
以上のように構成される第二実施形態の回転操作装置1Bでは、第一実施形態と同様に、操作者が操作子3を回転操作した際に、操作者の手指にはステッピングモータ2Bによるクリック感が伝わる。
また、第二実施形態の回転操作装置1Bでは、操作者が操作子3を回転軸22の軸方向に押すことができる。この際には、回転軸22が、操作子3と共にモータ本体21に対してスイッチ5に近づくように移動し、スイッチ5が作動する。一方、操作者が操作子3の押し動作を解除した際には、操作子3及び回転軸22がモータ本体21と回転軸22との間に設けられた弾性部材の弾性力によってスイッチ5から離れる方向に移動し、スイッチ5の作動が解除される。
【0042】
第二実施形態の回転操作装置1Bによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態の回転操作装置1Bでは、ステッピングモータ2Bの回転軸22が、操作子3と共にモータ本体21に対して回転軸22の軸方向に移動可能とされている。これにより、回転軸22よりも重いモータ本体21をフレーム7Bに固定できるため、ステッピングモータ2B全体をフレーム7Bに対して移動可能に取り付ける場合と比較して、ステッピングモータ2Bをより簡単かつ安定にフレーム7Bに取り付けることができる。また、第一実施形態のフレーム7と比較して下側支持板72や案内ロッド75(
図1~3参照)が不要となるため、フレーム7Bの構成部品点数を減らしてフレーム7Bの簡素化を図ることができる。また、重いモータ本体21は、操作子3及び回転軸22と共に軸方向に移動しないため、より小さい力で操作子3を軸方向に動かすことができる。すなわち、操作子3を軸方向に動かす操作を容易に行うことができる。
【0043】
また、第二実施形態の回転操作装置1Bでは、ステッピングモータ2Bの回転軸22が操作子3と共にスイッチ5に対して離れたり近づいたりするように移動可能とされている。そして、回転軸22及び操作子3がスイッチ5に向かって移動することで、スイッチ5が作動する。これにより、操作子3及び回転軸22を、スイッチ5を作動させるための部品として活用することができる。スイッチ5を作動させるための部品を別途用意する必要がないため、スイッチ5を含む回転操作装置1Bを簡素に構成することができる。
【0044】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0045】
本発明の回転操作装置において、スイッチ5は、ステッピングモータ2,2Bやその回転軸22の軸方向への移動に伴って作動することに限らず、例えば操作子3の軸方向への移動のみに伴って作動してもよい。すなわち、スイッチ5は、操作子3だけがスイッチ5に向かうことで作動してもよい。この場合、操作子3は、回転軸22と共に回転するように、かつ、回転軸22に対してその軸方向に移動可能となるように、回転軸22に取り付けられてよい。また、スイッチ5は、回転軸22の軸方向において操作子3に対向するように、第一実施形態の上側支持板73や第二実施形態の支持板73Bに設けられてよい。また、操作子3と回転軸22との間には、操作子3を回転軸22に対してスイッチ5から離す方向に弾性力を付与する弾性部材が設けられてもよい。
このような構成では、スイッチ5を作動させるために、ステッピングモータ2,2Bやその回転軸22を軸方向に移動させる必要がなくなる。これにより、ステッピングモータ2,2B及びこれを取り付けるフレーム7,7Bの簡素化を図ることができる。
【0046】
本発明の回転操作装置において、回転位置検出部4の検出部42は、例えば回転軸22の軸方向において円板状部材41に対向するモータ本体21の部位に設けられてもよい。この場合には、回転位置検出部4がステッピングモータ2,2Bに一体化されるため、回転操作装置の組み立てを容易に行うことができる。
【0047】
本発明の回転操作装置において、回転軸22はその軸方向におけるモータ本体21の一方側のみから延びていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,1B…回転操作装置、2,2B…ステッピングモータ、21…モータ本体、22…回転軸、221…第一端部、222…第二端部、3…操作子、4…回転位置検出部、5…スイッチ、6…弾性部材