IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOTO株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-水洗大便器 図1
  • 特許-水洗大便器 図2
  • 特許-水洗大便器 図3
  • 特許-水洗大便器 図4
  • 特許-水洗大便器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/08 20060101AFI20240214BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
E03D11/08
E03D11/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020020960
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021127564
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 博
(72)【発明者】
【氏名】陳 晶
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-166315(JP,A)
【文献】特開2004-003382(JP,A)
【文献】特開2009-097172(JP,A)
【文献】特開2015-124598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00- 7/00
E03D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源から供給された洗浄水が流れる主導水路が形成される主導水部と、
複数の吐水口から前記洗浄水を吐水させる複数の分岐導水路が形成される分岐導水部と、
前記主導水部と前記分岐導水部との間に設けられ、前記主導水路と前記複数の分岐導水路とを接続する接続路が形成される分岐部と
を備え、
前記分岐部には、前記接続路の内側方向に向けて突出する突出部が形成され
前記突出部は、前記分岐導水路に近づくにつれて高さが低くなる傾斜部
を備える
ことを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記傾斜部は、前記分岐導水路の上流端まで延設される
ことを特徴とする請求項に記載の水洗大便器。
【請求項3】
前記傾斜部は、前記主導水路に近づくにつれて高さが低くなる
ことを特徴とする請求項またはに記載の水洗大便器。
【請求項4】
給水源から供給された洗浄水が流れる主導水路が形成される主導水部と、
複数の吐水口から前記洗浄水を吐水させる複数の分岐導水路が形成される分岐導水部と、
前記主導水部と前記分岐導水部との間に設けられ、前記主導水路と前記複数の分岐導水路とを接続する接続路が形成される分岐部と
を備え、
前記分岐部には、前記接続路の内側方向に向けて突出する突出部が形成され、
前記突出部の幅は、前記主導水路における前記接続路への接続口の幅よりも大きい
ことを特徴とする水洗大便器。
【請求項5】
前記突出部は、前記分岐部の底面に形成される
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の水洗大便器。
【請求項6】
前記突出部の頂部は、面状に形成される
ことを特徴とする請求項5に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主導水路を流れる洗浄水を分岐させて、分岐導水路を介して複数の吐水口から洗浄水を吐水させる水洗大便器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記水洗大便器では、主導水路と分岐導水路との間に下方に窪んだ凹状の滞留部を有する屈曲導水路が形成されており、滞留部に洗浄水の一部を滞留させることによって、洗浄水に空気が巻き込まれることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-112005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記する水洗大便器では、滞留部によって洗浄水の勢いが低減され、吐水口から吐水される洗浄水によるボウル部の洗浄性が低下するおそれがある。
【0006】
実施形態の一態様は、ボウル部の洗浄性を向上させる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、給水源から供給された洗浄水が流れる主導水路が形成される主導水部と、複数の吐水口から前記洗浄水を吐水させる複数の分岐導水路が形成される分岐導水部と、前記主導水部と前記分岐導水部との間に設けられ、前記主導水路と前記複数の分岐導水路とを接続する接続路が形成される分岐部とを備え、前記分岐部には、前記接続路の内側方向に向けて突出する突出部が形成される。
【0008】
これにより、水洗大便器は、各分岐導水路に洗浄水を分流する際に、各分岐導水路に洗浄水をスムーズに導くことができる。そのため、水洗大便器は、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【0009】
また、水洗大便器は、分岐部において洗浄水が空気を巻き込むことを抑制し、気泡の発生を抑制することができる。そのため、水洗大便器は、洗浄水が吐水口からボウル部に吐水された場合に、洗浄水が水洗大便器の外側に飛散することを抑制することができる。
【0010】
また、前記突出部は、前記分岐導水路に近づくにつれて高さが低くなる傾斜部を備えることを特徴とする。
【0011】
これにより、水洗大便器は、傾斜部に沿って洗浄水を各分岐導水路へ流入させることができる。そのため、水洗大便器は、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【0012】
また、前記傾斜部は、前記分岐導水路の上流端まで延設されることを特徴とする。
【0013】
これにより、水洗大便器は、傾斜部に沿って各分岐導水路まで洗浄水を確実に導くことができ、各分岐導水路に洗浄水をスムーズに流入させることができる。そのため、水洗大便器は、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【0014】
また、前記傾斜部は、前記主導水路に近づくにつれて高さが低くなることを特徴とする。
【0015】
これにより、水洗大便器は、主導水路から流入する洗浄水に対する突出部の抵抗を小さくすることができ、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【0016】
また、前記突出部は、前記分岐部の底面に形成されることを特徴とする。
【0017】
これにより、水洗大便器は、重力によって接続路の底面側を流れる洗浄水を各分岐導水路にスムーズに導くことができ、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【0018】
また、前記突出部の頂部は、面状に形成されることを特徴とする。
【0019】
これにより、水洗大便器は、主導水路から流入する洗浄水に対する突出部の抵抗を小さくすることができ、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【0020】
また、前記突出部の幅は、前記主導水路における前記接続路への接続口の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0021】
これにより、水洗大便器は、接続路に流入した洗浄水の多くを突出部を通過させ、突出部によって洗浄水を各分岐導水路へ流入させることができる。そのため、水洗大便器は、各吐水口から吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
実施形態の一態様によれば、ボウル部の洗浄性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態に係る水洗大便器の左側面図である。
図2図2は、実施形態に係る便器本体の平面図である。
図3図3は、図2のIII-III断面図である。
図4図4は、図3のIV-IV断面における便器本体の断面図である。
図5図5は、図4のV-V断面における便器本体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0025】
<水洗大便器の全体構成>
まず、図1を参照して実施形態に係る水洗大便器1の全体構成について説明する。図1は、実施形態に係る水洗大便器1の左側面図である。また、図1では、壁面8および床面9を断面で示している。
【0026】
また、図1には、説明をわかりやすくするために、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、他の図においても図示している場合がある。かかる直交座標系では、Y軸の負方向を前方、Y軸の正方向を後方、X軸の正方向を右方、X軸の負方向を左方と規定している。このため、以下の説明において、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0027】
また、実施形態に係る水洗大便器1は、壁面8に取り付けられる、いわゆる壁掛け式の水洗大便器である。なお、水洗大便器1は、床面9に設置される、いわゆる床置き式の水洗大便器であってもよい。
【0028】
水洗大便器1は、便器本体2と、局部洗浄装置3とを備える。実施形態に係る水洗大便器1は、洗浄水源から供給される洗浄水により便器本体2を洗浄して汚物を排出する洗い落とし式大便器(ウォッシュダウン式便器)である。なお、水洗大便器1は、サイホン式大便器であってもよい。また、便器本体2は、例えば、陶器製である。便器本体2の詳細については、後述する。
【0029】
局部洗浄装置3は、洗浄ノズル、ノズル駆動用モータ、モータ制御装置(いずれも不図示)などを備える。局部洗浄装置3は、使用者の局部洗浄用として便器本体2の上部に設けられ、洗浄ノズルから噴出させた洗浄水によって使用者の局部を洗浄する。
【0030】
水洗大便器1では、貯水タンク4(給水源の一例)に接続された給水配管4aを経て、便器本体2に洗浄水が供給される。また、水洗大便器1は、汚物を洗浄水と共に排水配管5へ排出する。なお、貯水タンク4は便器本体2の後方に載置され、貯水タンク4から便器本体2へ直接洗浄水を供給するものであってもよい。
【0031】
また、水洗大便器1は、局部洗浄装置3に局部洗浄用の洗浄水を供給する給水ホース6aと、局部洗浄装置3に電力を供給する電源ケーブル6bとを備える。
【0032】
<便器本体>
次に、実施形態に係る便器本体2について図2図5を参照し説明する。図2は、実施形態に係る便器本体2の平面図である。図3は、図2のIII-III断面図である。図4は、図3のIV-IV断面における便器本体2の断面図である。図5は、図4のV-V断面における便器本体2の断面図である。
【0033】
便器本体2は、ボウル部10と、リム部11と、吐水部12と、溜水部13と、排出部14とを備える。便器本体2は、吐水部12によって洗浄水を吐水し、汚物を排出部14から排出する。
【0034】
ボウル部10は、ボウル形状に形成され、汚物を受ける。リム部11は、ボウル部10の上部に設けられる。リム部11は、洗浄水が外に飛び出さないように、オーバーハングした形状に形成される。
【0035】
吐水部12は、主導水部20と、分岐部21と、分岐導水部22とを備える。
【0036】
主導水部20は、給水配管4a(図1参照)と接続され、給水配管4aから洗浄水が供給される。具体的には、主導水部20には、主導水路20aが形成され、給水配管4aから供給された洗浄水が主導水路20aに流通する。すなわち、主導水路20aには、給水源となる貯水タンク4(図1参照)から供給された洗浄水が流れる。
【0037】
主導水部20の下流端には、分岐部21に洗浄水を流入させる接続口20bが形成される。接続口20bは、例えば、円形に形成される。
【0038】
なお、「下流」とは、吐水部12における洗浄水の流れ方向を意味する。すなわち、「上流」、および「下流」は、給水配管4aからボウル部10へ吐水される洗浄水の流れにおける「上流」、および「下流」を意味する。
【0039】
分岐部21は、主導水部20の下流側に配置され、接続路21aが形成される。接続路21aは、主導水路20aと連通し、主導水路20aから洗浄水が流入する。分岐部21の詳細な構成ついては、後述する。
【0040】
分岐導水部22は、分岐部21の下流側に配置され、複数の分岐導水路30、および複数の吐水口31が形成される。具体的には、分岐導水部22には、第1分岐導水路30a、第2分岐導水路30b、第1吐水口31a、および第2吐水口31bが形成される。なお、分岐導水路30、および吐水口31の数は、これに限られることない。例えば、分岐導水路30、および吐水口31は、3つ以上設けられてもよい。
【0041】
第1分岐導水路30aは、分岐部21の接続路21aと連通し、接続路21aから左方に向けて延設される。第1分岐導水路30aの下流端には第1吐水口31aが形成される。第1吐水口31aは、ボウル部10の左方側に形成され、ボウル部10に向けて洗浄水を吐水する。
【0042】
第2分岐導水路30bは、分岐部21の接続路21aと連通し、接続路21aから右方に向けて延設される。第2分岐導水路30bの下流端には第2吐水口31bが形成される。第2吐水口31bは、ボウル部10の右方側に形成され、ボウル部10に向けて洗浄水を吐水する。
【0043】
第1吐水口31a、および第2吐水口31bから吐水された洗浄水は、ボウル部10において旋回流を生じさせ、ボウル部10を洗浄し、溜水部13、および排出部14を介して、排水配管5(図1参照)から汚物を排出する。
【0044】
溜水部13は、ボウル部10の下方に設けられる。溜水部13は、洗浄水の一部を溜水として貯留する。溜水部13は、排出部14に形成された排出路14aが接続され、汚物を洗浄水とともに排出路14aに排出する。排出路14aは、排水配管5(図1参照)に接続される。
【0045】
<分岐部>
次に、分岐部21について説明する。分岐部21は、主導水部20と分岐導水部22との間に設けられ、主導水部20の主導水路20aから流入した洗浄水を、接続路21aを介して分岐導水部22の第1分岐導水路30a、および第2分岐導水路30bに分流させる。
【0046】
分岐部21には、接続路21aの内側方向に向けて突出する突出部40が形成される。具体的には、突出部40は、接続路21aを形成する分岐部21の底面21bから上方に向けて突出する。突出部40は、頂部41と、傾斜部42とを備える。
【0047】
頂部41は、面状に形成される。傾斜部42は、頂部41と底面21bとを接続するように形成される。傾斜部42は、頂部41から左右方向、および前方に向けて形成される。
【0048】
傾斜部42は、下方となるにつれて高さが低くなるように形成される。具体的には、傾斜部42は、左右方向において分岐導水部22に近づくにつれて高さが低くなるように形成される。また、傾斜部42は、前後方向において主導水部20に近づくにつれて高さが低くなるように形成される。
【0049】
左右方向において傾斜部42は、分岐導水部22の上流端まで延設される。具体的には、左方の傾斜部42は、分岐導水部22の第1分岐導水路30aの上流端まで延設される。また、右方の傾斜部42は、分岐導水部22の第2分岐導水路30bの上流端まで延設される。
【0050】
なお、突出部40の左右方向における幅W2は、接続口20bの左右方向における幅W1よりも大きい。具体的には、突出部40の下端の幅W2は、接続口20bの幅W1よりも大きい。
【0051】
実施形態に係る水洗大便器1では、給水配管4aから洗浄水が主導水路20aに流入すると、主導水部20の接続口20bから分岐部21の接続路21aに洗浄水が流入する。
【0052】
分岐部21では底面21bから上方に向けて突出する突出部40が形成されている。そのため、接続路21aに流入した洗浄水の一部は、突出部40に衝突し、第1分岐導水路30a、および第2分岐導水路30bに流入する。
【0053】
突出部40は、分岐部21の底面21bから上方に向けて突出しているため、重力によって底面21b側を流れる洗浄水の流れ方向をスムーズに変更し、洗浄水が第1分岐導水路30a、および第2分岐導水路30bに流入する。
【0054】
第1分岐導水路30aに流入した洗浄水は、第1分岐導水路30aの下流端に形成された第1吐水口31aからボウル部10に吐水される。また、第2分岐導水路30bに流入した洗浄水は、第2分岐導水路30bの下流端に形成された第2吐水口31bからボウル部10に吐水される。
【0055】
<効果>
水洗大便器1は、主導水部20と、分岐導水部22と、分岐部21とを備える。主導水部20には、給水源から供給された洗浄水が流れる主導水路20aが形成される。分岐導水部22には、複数の吐水口31a、31bから洗浄水を吐水させる複数の分岐導水路30a、30bが形成される。分岐部21は、主導水部20と分岐導水部22との間に設けられる。分岐部21には、主導水路20aと複数の分岐導水路30a、30bとを接続する接続路21aが形成される。また、分岐部21には、接続路21aの内側方向に向けて突出する突出部40が形成される。
【0056】
これにより、水洗大便器1は、各分岐導水路30a、30bに洗浄水を分流する際に、各分岐導水路30a、30bに洗浄水をスムーズに導くことができる。そのため、水洗大便器1は、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0057】
また、水洗大便器1は、分岐部21において洗浄水が空気を巻き込むことを抑制し、気泡の発生を抑制することができる。そのため、水洗大便器1は、洗浄水が各吐水口31a、31bからボウル部10に吐水された場合に、水洗大便器1の外側に洗浄水が飛散することを抑制することができる。
【0058】
また、突出部40は、分岐導水路30に近づくにつれて高さが低くなる傾斜部42を備える。
【0059】
これにより、水洗大便器1は、傾斜部42に沿って洗浄水を各分岐導水路30a、30bへ流入させることができる。そのため、水洗大便器1は、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0060】
また、傾斜部42は、分岐導水路30の上流端まで延設される。
【0061】
これにより、水洗大便器1は、傾斜部42に沿って各分岐導水路30a、30bまで洗浄水を確実に導くことができ、各分岐導水路30a、30bに洗浄水をスムーズに流入させることができる。そのため、水洗大便器1は、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0062】
また、傾斜部42は、主導水路20aに近づくにつれて高さが低くなる。
【0063】
これにより、水洗大便器1は、主導水路20aから流入する洗浄水に対する突出部40の抵抗を小さくすることができ、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0064】
また、突出部40は、分岐部21の底面21bに形成される。
【0065】
これにより、水洗大便器1は、重力によって接続路21aの底面21b側を流れる洗浄水を各分岐導水路30a、30bにスムーズに導くことができ、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0066】
また、突出部40の頂部41は、面状に形成される。
【0067】
これにより、水洗大便器1は、主導水路20aから流入する洗浄水に対する突出部40の抵抗を小さくすることができ、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0068】
また、突出部40の幅は、主導水路20aにおける接続路21aへの接続口20bの幅よりも大きい。
【0069】
これにより、水洗大便器1は、接続路21aに流入した洗浄水の多くを突出部40を通過させ、突出部40によって洗浄水を各分岐導水路30a、30bへ流入させることができる。そのため、水洗大便器1は、各吐水口31a、31bから吐水される洗浄水の勢いが低下することを抑制し、洗浄水によるボウル部10の洗浄性を向上させることができる。
【0070】
<変形例>
変形例に係る水洗大便器1は、分岐部21の上面から下方に向けて突出する突出部40を設けてもよい。また、変形例に係る水洗大便器1は、接続口20bに対向する分岐部21の壁面から接続口20bに向けて突出する突出部40を設けてもよい。また、変形例に係る水洗大便器1は、複数の突出部40を設けてもよい。例えば、変形例に係る水洗大便器1は、分岐部21の底面21b、および上面に突出部40を設けてもよい。突出部40が接続路21aの内側方向に向けて突出することで、水洗大便器1は、上記する効果を得ることができる。
【0071】
また、変形例に係る水洗大便器1は、突出部40の頂部41を設けずに、頂部41を点状や、線状としてもよい。
【0072】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 水洗大便器
2 便器本体
4 貯水タンク(給水源)
10 ボウル部
12 吐水部
14 排出部
20 主導水部
20a 主導水路
20b 接続口
21 分岐部
21a 接続路
21b 底面
22 分岐導水部
30 分岐導水路
31 吐水口
40 突出部
41 頂部
42 傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5