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特許7434985外部コンピュータシステムの組立式コントローラ、方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】外部コンピュータシステムの組立式コントローラ、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240214BHJP
   A63F 13/98 20140101ALI20240214BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20240214BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/01 560
G06F3/01 570
A63F13/98
A63F13/24
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020021564
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2020135883
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】16/274,181
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アブラハミ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ダーク クリスティン マリー
(72)【発明者】
【氏名】スコット カーター
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-134131(JP,A)
【文献】特開2009-106398(JP,A)
【文献】特開2008-067877(JP,A)
【文献】特表2012-507091(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106730809(CN,A)
【文献】ark STAFF H,“モバイル端末用ゲームコントローラ「GAMEVICE」製品の取り扱いを開始”,Ark Tech & Marketニュース,日本,株式会社アーク,2018年08月21日,pp.1-13,https://www.ark-pc.co.jp/news/article/3002238,[2023年7月25日検索]
【文献】君国泰将、外1名,“Xperia対応の「DUALSHOCK 4」をフル活用しよう:Xperia周辺機器”,ASCII.jp x デジタル,日本,株式会社角川アスキー総合研究所,2017年01月15日,pp.1-5,https://ascii.jp/elem/000/001/417/1417012/,[2023年7月25日検索]
【文献】川村和弘,“専用アプリでスマホと連携! スマホ装着型3軸電動スタビライザー「Osmo Mobile」を使ってみた”,価格.comマガジン,日本,株式会社カカクコム,2016年11月25日,pp.1-13,https://kakakumag.com/camera/?id=4765,[2023年7月25日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01,3/033-3/039,3/048-3/04895
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ユーザにより保持されるように構成され、少なくとも1つの制御部品を含むグリップ部と、
b.処理部、メモリ、及び少なくとも1つのセンサを含み、前記グリップ部に取り付けられているスマートウォッチであって、
前記メモリは、前記スマートウォッチと外部コンピュータシステムの間の双方向通信を可能にし、前記少なくとも1つのセンサからのセンサ測定値を前記外部コンピュータシステムへ送信し、及び前記外部コンピュータシステムからのフィードバックを受信して前記受信したフィードバックを前記ユーザへ与えるための、複数の実行可能コンピュータ命令を記憶し、
前記スマートウォッチは、前記少なくとも1つの制御部品と連動して動作する、スマートウォッチと、
を含む、
外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項2】
前記外部コンピュータシステムが、拡張現実システムである、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項3】
前記外部コンピュータシステムが、仮想現実システムである、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項4】
前記スマートウォッチは、腕時計バンドを用いて前記グリップ部へ取り付けられる、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項5】
前記スマートウォッチは、腕時計バンドを外して磁気的取付け具を用いて前記グリップ部へ取り付けられる、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項6】
前記少なくとも1つの制御部品は、磁気トリガーである、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項7】
前記磁気トリガーは、ユーザの指で起動されるように構成される、請求項6に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザによる前記磁気トリガーでの起動を検出するように構成された磁力計である、請求項6に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項9】
前記グリップ部は、前記少なくとも1つのセンサの入力を前記スマートウォッチから前記グリップ部へ移動させるためのセンサ入力移動アセンブリをさらに含む、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサは心拍センサであり、前記センサ入力移動アセンブリは前記心拍センサへ光学的に結合された光ファイバである、請求項9に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項11】
前記スマートウォッチは、近距離無線通信(NFC)を介して前記少なくとも1つの制御部品と通信を行う、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項12】
前記少なくとも1つの制御部品は、アクチュエータである、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項13】
前記少なくとも1つの制御部品は、ボタンである、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項14】
前記少なくとも1つの制御部品は、スライダである、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項15】
前記少なくとも1つの制御部品は、近距離無線通信(NFC)を介して前記スマートウォッチにより電力が供給される、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項16】
前記グリップ部は、前記グリップ部の場所又は向きを追跡するための少なくとも1つの光源をさらに含む、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項17】
前記グリップ部は、前記グリップ部の場所又は向きを追跡するための少なくとも1つの光検出器をさらに含む、請求項1に記載の外部コンピュータシステムの組立式コントローラ
【請求項18】
ユーザにより保持されるように構成されたグリップ部であって少なくとも1つの制御部品を含むグリップ部を、処理部、メモリ、及び少なくとも1つのセンサを含むスマートウォッチを取り付けた場合に、
前記スマートウォッチの前記処理部が、
a.前記スマートウォッチと外部コンピュータシステムの間の双方向通信を可能にすること、
b.前記少なくとも1つのセンサからのセンサ測定値を前記外部コンピュータシステムへ送信すること、
c.前記外部コンピュータシステムからのフィードバックを受信すること、及び
d.前記受信したフィードバックを前記ユーザへ与えること、
e.前記スマートウォッチを、前記少なくとも1つの制御部品と連動して動作させること、を含む、
方法。
【請求項19】
ユーザにより保持されるように構成され、少なくとも1つの制御部品を含むグリップ部と、処理部、メモリ、及び少なくとも1つのセンサを含み、前記グリップ部に取り付けられているスマートウォッチとを含む外部コンピュータシステムの組立式コントローラにおいて、前記スマートウォッチの前記メモリに記憶されたプログラムであって、
コンピュータに、
a.前記スマートウォッチと外部コンピュータシステムの間の双方向通信を可能にすること、
b.前記少なくとも1つのセンサからのセンサ測定値を前記外部コンピュータシステムへ送信すること、
c.前記外部コンピュータシステムからのフィードバックを受信すること、及び
d.前記受信したフィードバックを前記ユーザへ与えること、
e.前記スマートウォッチを、前記少なくとも1つの制御部品と連動して動作させること、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は概して仮想現実(VR)システム及び拡張現実(AR)システムに関し、より具体的には、VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされたスマートグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の説明
VR及びARは市場で拡大し続けており、その全市場規模は2018年の270億米ドルから、2022年には2092億米ドルへ拡大すると予測されている。最近の技術的進歩により、仮想現実(VR)システム及び拡張現実(AR)システムの広がり、範囲、及び取得し易さが拡大してきた。より多くの人々が、かつてないほどVRシステム及びARシステムを使用できる。しかし、対話式制御の表現性はVR/ARアプリケーション市場の拡大に追いついていない。VR/ARシステムは、図1a、1b、1c、1dに示されるように、専用コントローラを採用する傾向があり、開発者がコントローラで実験して人間の能力のすべてに対応する余地をほとんど残していない。市場で入手可能な特定のシステム用に設計された一部の専用コントローラとして、HTC Viveシステム向けのViveコントローラ、Oculus Rift向けのOculus Touchコントローラ、Google Inc.から入手可能なDaydream View向けのDaydreamコントローラ、及びManus VR向けのManus VR Glovesコントローラが挙げられる。上記の理由で、開発者が人間の能力のすべてを活用するアプリケーションを作ることは難しいままである。
【0003】
新しいユーザアプリケーションを開発するのに不可欠な柔軟性を開発者に与える、VR/ARシステム向けの新しく改善された携帯型の物理的な制御装置が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8948832号明細書
【文献】米国特許第3608545号明細書
【文献】米国特許第3228391号明細書
【文献】米国意匠特許発明第D750074号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0059714号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0232715号明細書
【文献】国際公開第2016/189372号サーチレポート
【文献】欧州特許出願公開第3299930号明細書
【非特許文献】
【0005】
【文献】Google.com, Use the Daydream View Controller and Headset, [online], [retrieved 12-10-19], 1pg., URL:http://support.google.com/daydream/answer/7184597?hl=en
【文献】Alivecor.com, KardiaMobile, [online], [retrieved 12-10-19], 1pg., URL:http://store.alivecor.com/
【文献】Kickstarter.com, Smart Buckle: Convert Any Watch into a Fitness Tracker, [online], [retrieved 12-23-19], 38pg., URL:http://www.kickstarter.com/projects/20345353/smart-buckle-convert-any-watch-into-a-smartwatch-/
【文献】AHN, Y., et al. BandSense: Pressure-Sensitive Multi-touch Interaction on a Wristband, CHI'15 Extended Abstracts, Seoul, Republic of Korea, April 18-23, 2015, Pages 251-254.
【文献】ARAKI, H., et al., Development of a Horror Game that Route Branches by the Player's Pulse Rate, IUI'18 Companion, March 7-11-2018, Tokyo, Japan, 2 Pages.
【文献】ASHBROOK, D., et al., Nenya: Subtle and Eyes-Free Mobile Input with a Magnetically-Tracked Finger Ring, CHI 2011, May 7-12, 2011, Vancouver, BC, Canada, 4 pgs.
【文献】FUNK, M., et al., Using a Touch-Sensitive Wristband for Text Entry on Smart Watches, CHI 2014, April 26-May 1, 2014, Toronto Ontario, Canada, 7 pgs.
【文献】HARRISON, C., et al., Abracadabra: Wireless, High-Precision, and Unpowered Finger Input for Very Small Mobile Devices, UIST'09, October 4-7, 2009, Victoria, British Columbia, Canada, 4 pgs.
【文献】LANGEWITZ, W., et al., Spectral Analysis of Heart Rate Variability Under Mental Stress, Journal of Hypertension, 7(6), 1989, pp. S32-S33
【文献】LIANG, R-H., et al., GaussRFID: Reinventing Physical Toys Using Magnetic RFID Development Kits, CHI'16, May 7-12, 2016, San Jose, CA, 5 pgs.
【文献】PERRAULT, S, T., et al., WatchIt: Simple Gestures and Eyes-free Interaction for Wristwatches and Bracelets, CHI 2013, April 27-May 2, 2013, Paris, France. pgs. 1451-1460.
【文献】PAGANI, M., et al., Spectral Analysis of R-R and Arterial Pressure Variabilities to Assess Sympatho-Vagal Interaction During Mental Stress in Humans, Journal of Hypertension, 7(6), 1989, pgs. S14-S15
【文献】SAVIOT, L., et al., WRISTBAND.IO: Expanding Input and Output Spaces of a Smartwatch, CHI'17 Extended Abstract, May 6-11, 2017, Denver, CO, 9 pgs.
【文献】YOON, S.H., et al., TRing: Instant and Customizable Interactions with Objects Using an Embedded Magnet and a Finger-Worn Device, UIST 2016, October 16-19, 2016, Tokyo, Japan, pp. 169-181.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされたスマートグリップを実装するための制御アセンブリ、方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載される実施形態は、従来のVR/ARシステムに関連する上記の問題及び他の問題の1又は複数を実質的に取り除くシステム及び方法を対象としている。
【0008】
本明細書に記載される実施形態の一態様によれば、ユーザにより保持されるように構成され、少なくとも1つの制御部品を含むグリップ部と、処理部、メモリ、及び少なくとも1つのセンサを含み、前記グリップ部に取り付けられているモバイルコンピュータデバイスであって、前記メモリは、前記モバイルコンピュータデバイスと外部コンピュータシステムの間の双方向通信を可能にし、前記少なくとも1つのセンサからのセンサ測定値を前記外部コンピュータシステムへ送信し、及び前記外部コンピュータシステムからのフィードバックを受信して前記受信したフィードバックを前記ユーザへ与えるための、複数の実行可能コンピュータ命令を記憶し、前記モバイルコンピュータデバイスは、前記少なくとも1つの制御部品と連動して動作する、モバイルコンピュータデバイスと、を含む、コンピュータシステムの制御アセンブリが与えられる。
【0009】
1又は複数の実施形態では、前記外部コンピュータシステムは拡張現実システムである。
【0010】
1又は複数の実施形態では、前記外部コンピュータシステムは仮想現実システムである。
【0011】
1又は複数の実施形態では、前記モバイルコンピュータデバイスはスマートウォッチである。
【0012】
1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチは腕時計バンドを用いて前記グリップ部へ取り付けられる。
【0013】
1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチは、腕時計バンドを外して磁気的取付け具を用いて、前記グリップ部へ取り付けられる。
【0014】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つの制御部品は磁気トリガーである。
【0015】
1又は複数の実施形態では、前記磁気トリガーはユーザの指で起動されるように構成される。
【0016】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つのセンサはユーザによる前記磁気トリガーでの起動を検出するように構成された磁力計である。
【0017】
1又は複数の実施形態では、前記グリップ部は、前記少なくとも1つのセンサの入力を前記モバイルコンピュータデバイスから前記グリップ部へ移動させるためのセンサ入力移動アセンブリをさらに含む。
【0018】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つのセンサは心拍センサであり、前記センサ入力移動アセンブリは前記心拍センサへ光学的に結合された光ファイバである。
【0019】
1又は複数の実施形態では、前記モバイルコンピュータデバイスは近距離無線通信(NFC)を介して前記少なくとも1つの制御部品と通信を行う。
【0020】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つの制御部品はアクチュエータである。
【0021】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つの制御部品はボタンである。
【0022】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つの制御部品はスライダである。
【0023】
1又は複数の実施形態では、前記少なくとも1つの制御部品は近距離無線通信(NFC)を介して前記モバイルコンピュータデバイスにより電力が供給される。
【0024】
1又は複数の実施形態では、前記グリップ部は前記グリップ部の場所又は向きを追跡するための少なくとも1つの光源をさらに含む。
【0025】
1又は複数の実施形態では、前記グリップ部は前記グリップ部の場所又は向きを追跡するための少なくとも1つの光検出器をさらに含む。
【0026】
本明細書に記載される実施形態の別の態様によれば、ユーザにより保持されるように構成されたグリップ部であって少なくとも1つの制御部品を含むグリップ部を、処理部、メモリ、及び少なくとも1つのセンサを含むモバイルコンピュータデバイスへ取り付けること、前記モバイルコンピュータデバイスと外部コンピュータシステムの間の双方向通信を可能にすること、前記少なくとも1つのセンサからのセンサ測定値を前記外部コンピュータシステムへ送信すること、前記外部コンピュータシステムからのフィードバックを受信すること、及び前記受信したフィードバックを前記ユーザへ与えること、を含み、前記モバイルコンピュータデバイスが、前記少なくとも1つの制御部品と連動して動作する方法が与えられる。
【0027】
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様によれば、ユーザにより保持されるように構成され、少なくとも1つの制御部品を含むグリップ部と、処理部、メモリ、及び少なくとも1つのセンサを含み、前記グリップ部に取り付けられているモバイルコンピュータデバイスを含むコンピュータシステムの制御アセンブリと連動して実行されるプログラムであって、コンピュータに、前記モバイルコンピュータデバイスと外部コンピュータシステムの間の双方向通信を可能にすること、前記少なくとも1つのセンサからのセンサ測定値を前記外部コンピュータシステムへ送信すること、前記外部コンピュータシステムからのフィードバックを受信すること、及び前記受信したフィードバックを前記ユーザへ与えること、を実行させるためのプログラムが与えられる。
【0028】
本発明に関する追加の態様は、一部は以下の説明に記載され、一部はこの説明から明らかとなり、あるいは本発明の実施により知り得る。本発明の態様は、前記要素並びに以下の詳細の説明及び添付のクレームで特に取り上げられている様々な要素及び態様の組み合わせを用いて実現、達成することができる。
【0029】
前述の説明及び以下の説明は例示的で説明のためのものに過ぎず、請求項に係る発明又はその適用をいかなる方法によっても制限する意図はないことを理解されたい。
【0030】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は本発明の実施形態を例証しており、記述とともに本発明の技術の原理を説明し、例証する役割を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1a】市販のViveコントローラを示す。
図1b】市販のOpus Riftコントローラを示す。
図1c】Google Inc.から入手可能なDaydreamコントローラを示す。
図1d】市販のManus VR Glovesコントローラを示す。
図2】VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされたスマートグリップを組み込んだシステムの例示的な実施形態を示す。
図3】VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされたスマートグリップを組み込んだシステムの実施形態の例示的な操作シーケンスを示す。
図4a】VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされた前記スマートグリップの様々な実施形態を示す。
図4b】VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされた前記スマートグリップの様々な実施形態を示す。
図4c】VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされた前記スマートグリップの様々な実施形態を示す。
図4d】VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされた前記スマートグリップの様々な実施形態を示す。
図5】本明細書に記載される本発明の技術を実装するのに使用可能なコンピュータシステムの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細な説明では、同一の機能要素が類似した参照数字で指定されている添付の図面への参照がなされる。前述の添付の図面は実例として示されており、制限、特定の実施形態、及び本発明の原理に沿った特定の実装として示されているのではない。これらの実装は当業者が本発明を実施できるほど充分に詳細にわたって説明されており、他の実装が利用可能であること、及び本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく構造的な変更及び/又は様々な要素の置換を行うことができることを理解されたい。それゆえ、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではない。加えて、記述されたような本発明の様々な実施形態は、汎用コンピュータ上で動作するソフトウェアの形態、専用ハードウェアの形態、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせの形態で実装することができる。
【0033】
本明細書に記載される実施形態の一態様によれば、VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされたスマートグリップを実装するためのシステム及び方法が与えられる。一実施形態では、ユーザ個人のスマートウォッチは安価なグリップ又はシース(sheath)に結合される。様々な実施形態で、前述のスマートウォッチは、(腕時計バンドはそのままで)前記グリップへ直接結合するか、スマートウォッチ装置をバンドから外して前記グリップへ一体化するかのいずれかにより、前記グリップへ結合することができる。この手法で、開発者は様々な個別のグリップと組み合わせて使用してVR/ARアプリケーションを制御することができるスマートウォッチ用ソフトウェアアプリケーションを作り上げる。この手法には、最先端の技術及び他の代替手段に対していくつかの利点がある。
【0034】
1又は複数の実施形態では、計算ユニットを物理的なグリップから分離することで、開発者はもっと多種多様なコントローラ設計を統合することができて、これによりコントローラ設計を特定のVR/ARアプリケーションのユーザ体験に適合させることができる。さらに、この手法により設計者及び開発者は各アプリケーションの体験をより容易に個人向けにすることができて、スマートウォッチからインポートしたユーザの好みに合わせることができる。また、開発者は多数の異なる安価なグリップ又は従来とは異なる(異なる能力を持つ)ユーザに対応するグリップを発売して、ユーザに彼らのアプリケーションを体験する異なる方法を与えることができる。そして、前記グリップそのものは個別に電源を必要としない。スマートウォッチをグリップのボタンへ電力を供給することに利用するだけではなく、心拍センサなどのスマートウォッチの他のセンサを活用するのにスマートウォッチを利用する。
【0035】
比較すると、従来のコントローラは、異なるグリップ形式を組み込んだり、グリップの使い方を個人向けにしたり、外部センサを組み入れたりする方法を与えない。我々はVR/ARシステム向けの万能なコントローラについて意識していないが、従来のコントローラには、万能である物理的形態も無ければ、合意した相互作用装置のセット若しくはそのような装置へ内蔵するセンサも無いので、我々のシステムの前記利益のすべてを与えるコントローラを開発することは不可能であろう。
【0036】
様々な実施形態で、前述のシステム及び方法ではスマートウォッチが安価なグリップのセット又はシースのセットと結合されて、様々なVR/ARシステムを制御する。様々な実施形態で、前記スマートウォッチと前記グリップは2つの方法のうちの1つを使って結合される。第1の方法によれば、結合することには前記スマートウォッチ及びそのバンドを前記グリップへ取り付けることが含まれる。第2の方法によれば、取り付けることには前記スマートウォッチをそのバンドから外して、取り外されたスマートウォッチを前記グリップへ一体化することが含まれる。
【0037】
1又は複数の実施形態では、前記グリップには、特定のVR/ARアプリケーションへ合わせて成形することが可能な様々な無動力の機械的要素が組み込まれる。無動力の機械的要素は、磁化トリガー、ボタン、スライダ、LED、及び他のセンサを含むがこれに制限されない。1又は複数の実施形態では、前記グリップは、前記スマートウォッチからの近距離無線通信(NFC)を利用して搭載された機械的要素へ電力を供給するように設計される。1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチ上に配備されたソフトウェアアプリケーションは、前記グリップで検知されたイベントを、前記ソフトウェアアプリケーションが接続される前記VR/ARアプリケーションに関連するイベントへと変換することができる。
【0038】
1又は複数の実施形態における前述のシステム200が図2に示され、以下で詳細に説明される。本明細書に記載されるシステムは、ブルートゥース(登録商標)205又は他の適切な無線データ相互接続を介して前述のシステム200へ接続されたVR/ARシステム201と連動して操作される。当業者には理解されるように、前記データ相互接続の正確な性質は本明細書に記載される本発明の概念にとって重要ではない。専用のソフトウェアアプリケーション204が、前記VR/ARシステム201を実行する前記コンピュータデバイスと無線で通信するのに使用される。様々な実施形態で、そのようなシステムはコンピュータ、スマートフォン、又は類似のコンピュータデバイスでありうる。様々な実施形態で、ユーザはこの専用のソフトウェアアプリケーション204をスマートウォッチ202へダウンロードする。
【0039】
1又は複数の実施形態では、前記システム200には前記スマートウォッチ202及び低電力スマートグリップ203が組み込まれる。前記スマートウォッチ202には、慣性計測ユニット(IMU)206が組み込まれることがあり、この慣性計測ユニット206は、加速度計、ジャイロスコープ、また時には磁力計を組み合わせて使って、身体の特定の力、角速度、及び時には体の周りの磁場を測定し報告する電子デバイスである。加えて、前記スマートウォッチ202には、心拍数、血圧、血中酸素濃度、及び血糖値のセンサ並びに他のセンサなどの一定数の生理学的センサが組み込まれることがある。
【0040】
1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチ202の内部には、タッチパネルセンサ208、マイク209、画面210、触覚アクチュエータ211、オーディオスピーカ212、及び近距離無線通信(NFC)コントローラ213がさらに組み込まれることがある。上記のすべてのユニットの設計、製造及び動作は、当技術分野でよく知られており、既刊の文献で広く入手可能である。
【0041】
1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチ202は図2で参照数字203で指定される低電力スマートグリップと連動して操作される。様々な実施形態で、このグリップには1又は複数の機械的トリガー215、光ファイバ216、1又は複数のアクチュエータ217、NFCコントローラ218、及び低電力ディスプレイ219が組み込まれることがある。当業者には理解されるように、様々な実施形態で、図2で参照数字203で指定される前記低電力スマートグリップには他の適切な構成要素及びセンサが組み込まれることがある。それゆえ、本発明は上で列挙された構成要素のみに制限されない。
【0042】
図3は前述のシステム200の実施形態の例示的な操作シーケンス300を示す。1又は複数の実施形態では、まずユーザが前記スマートウォッチ202を外す(図3のステップ301を参照)。当技術分野でよく知られているように、前記スマートウォッチは腕時計バンドを使ってユーザの腕へ固定されている。前記グリップ203が前記スマートウォッチへの取り付けに前記腕時計バンドを使用しない場合(図3のステップ302)、ユーザは前記腕時計バンドを前記スマートウォッチ202から取り外す(ステップ303を参照)。その後、ユーザは、前記スマートウォッチ202を前記バンド付きで又は前記バンド無しで前記グリップ203へ取り付ける(ステップ304を参照)。
【0043】
1又は複数の実施形態では、ステップ305において、ユーザはカスタマイズ可能な前記スマートウォッチアプリケーション204をダウンロードして起動する。前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204は前記スマートウォッチ202により使用され、前記VR/ARシステム201を実行する前記コンピュータデバイス(コンピュータ、スマートフォン、又は任意の他のコンピュータデバイスでありうる)と無線で通信を行う。前記AR/VRシステムが校正を必要とする場合(ステップ306)、ユーザは前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204により与えられる指示を使って前記システムの校正を行う(ステップ307を参照)。そして、ステップ308において、データが前記グリップ203、前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204、及び前記AR/VRシステム201の間で送信される。
【0044】
1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチ202は、以下で詳細に説明される3つの方法のうちの1つを使って前記低電力スマートグリップ203へ取り付けることができる。一実施形態400では、スマートウォッチ401は、前記スマートウォッチのバンド402を使って前記スマートウォッチをグリップ403の専用のチャネルの周りに巻き付けることで、低電力スマートグリップ403へ取り付けることができる(図4aを参照)。ユーザは前記スマートウォッチ401が付いた前記グリップ403を自分の手404の中に入れて保持する。
【0045】
他の実施形態では、前記スマートウォッチ401は、図4b(図4bでは前記スマートウォッチの裏面のコネクタは示されていない)に示されるように、前記スマートウォッチ401をその腕時計バンド(図示せず)から取り外して前記スマートウォッチ401を前記グリップ411上の互換性のある電気コネクタへ取り付けることで、前記グリップ411へ取り付けられる。1又は複数の実施形態では、前記グリップ411は機械的トリガー412を備えることがある。前記グリップ411上の前記互換性のある電気コネクタは、前記スマートウォッチ401のために与えられた前記グリップ上の専用スロットに配置された複数のばね仕掛けの電気接続ピンを含むことがある。
【0046】
さらに別の実施形態では、前記スマートウォッチは図4c、4dに示されるように、前記スマートウォッチをバンドから取り外して前記スマートウォッチを磁気コネクタで前記グリップへ取り付けることで、前記グリップへ取り付けられる。具体的には、図4cに示されるように、前記スマートウォッチ401が前記腕時計バンドから取り外され、前記スマートウォッチの裏面及び前記グリップ421に配置された磁石を使って前記グリップ421へ取り付けられる。前記磁石は前記スマートウォッチを前記グリップ421上で所定位置に保持するように動作する。前記スマートウォッチ401の前記グリップ421への固定を容易にするため、前記グリップ421には特別な溝を備えていてもよい。図4cに示されるように、前記スマートグリップ421には追加で1又は複数のボタン423及び1又は複数のインジケータ422が組み込まれていてもよい。図4dに示されるように、前記スマートウォッチ401は前記腕時計バンドから取り外されて、ボールの形状を持つ球状のAR/VR制御装置432へ取り付けられる。
【0047】
別の実施形態では、前記スマートウォッチが前記スマートグリップへ取り付けられたら、ユーザが前記スマートウォッチ202上で動作する前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204を起動させる。前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204は、前記スマートウォッチ202を前記AR/VRシステム201へ無線で接続し、以下のデータ記録のうちの1又は複数のデータ記録の前記AR/VRシステム201へ送信を開始する。(1)加速度計及び磁力計のデータを含むがこれに制限されない、IMU206センサデータ、(2)前記スマートウォッチのタッチパネル210からのタッチイベント、及び(3)生理学的センサ207及びすべてのトリガーを押すことにより得たユーザの心拍数、血中酸素などの測定値。
これらのデータ記録は磁力計の測定値における変化に基づいて前記アプリケーションにより分類される(下記の「磁気の動きを使った無動力のトリガー」を参照)。加えて、前記スマートウォッチ202は、以下で詳細に説明されるように、前記スマートウォッチのNFCを介して伝達された(4)ボタン、スライダ、及び類似の制御装置などの低電力入力要素からのセンサ測定値を、前記AR/VRシステム201へ送信することができる。
【0048】
1又は複数の実施形態では、前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204は、前記VR/ARシステム201から以下のデータを受信することがある。(1)前記スマートウォッチの振動モータを作動させるシステムコール、(2)前記グリップ上の低電力ディスプレイ要素に、例えば前記スマートウォッチのNFCユニットを使って変更を加えるシステムコール、(3)前記スマートウォッチの画面210を明るくするシステムコール(ARのユースケース向け)、を受信することがある。
【0049】
1又は複数の実施形態では、ユーザが特定のグリップを使って前記アプリケーションを初めて実行する場合、ユーザはシステムのトレーニング/校正ステップを以下のようにして行う。(1)前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204がユーザに前記グリップを異なる向きで保持して空中でジェスチャを行うように依頼する。(2)前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204がユーザに前記スマートウォッチのタッチパネル上で上下左右へスワイプするように依頼する。(3)前記カスタマイズ可能なスマートウォッチアプリケーション204がユーザに異なるトリガーを実際に試す(例えば、主トリガーをいますぐに押す、又はスキップするために前記スマートウォッチの画面をタップする)ように依頼して、それらのトリガーを既知のイベントへマップする。
【0050】
一実施形態では、前記スマートウォッチのIMU206を活用して、前記VR/ARシステム201と結合されたスマートウォッチグリップシステムと前記VR/ARシステム201との間の6自由度インタラクションに対応する。前記システムは、タッチ入力に前記スマートウォッチのタッチパネル210を使用し、触覚フィードバックに前記スマートウォッチの振動触覚アクチュエータ211を使用する。また、この実施形態では、検出場所を光ファイバを使って「移動させる」ことで、前記スマートウォッチの心拍センサ207を利用することができる。加えて、一実施形態では、トリガー215などの無動力の機械的要素は磁石を含み、この磁石に基づいて前記スマートウォッチが前記スマートウォッチの磁力計の測定値の変化を認識できる(図2の214)。一実施形態では、NFCにより前記スマートウォッチと通信を行う、ボタン、スライダ、及びLEDなどの追加のI/O要素も含まれることがある。一実施形態では、これらの要素もNFCを使って充電することが可能で、したがって前記グリップ203は(電子的要素を含みながらも)充電する必要がまったくない。
【0051】
1又は複数の実施形態では、2つの異なる方法が前記スマートウォッチ202と前記関連するグリップ203を結合するのに使用される。第1の方法では、前記スマートウォッチ及びそのバンドが前記グリップへ装着される(図4aを参照)。図4aで、前記スマートウォッチ401及びバンド402は手首404に対して垂直に装着される。あるいは、前記スマートウォッチ401及びバンド402は手首404に平行に装着することもできる。第2の方法では、前記スマートウォッチはまずバンドから取り外されて、前記グリップへ装着される(図4b、4c、4dを参照)。前記第2の方法では、前記グリップは特製のバンド用の前記スマートウォッチの機械的インタフェースへ接着されている、又は磁気的結合を使用している。この磁気的結合は磁気トリガー412の検出を妨げないが、この実施形態では、トリガーとなるイベントを比較するベースラインを設定するために追加の校正が必要になる。
【0052】
当業者には理解されるように、今日のたいていのスマートウォッチは光学的心拍(HR)センサを含む。VR/HRシステムの文脈では、心拍数は、荒木隼人などによる"Development of a Horror Game that Route Branches by the Player's Pulse Rate"(プレーヤの脈拍数に応じてルートが分岐するホラーゲーム開発), Proceedings of IUI Companion 2018で記載されているように、例えばゲームの流れを制御するために使用されてきた。例えば、前記システムは、プレーヤの心拍数に基づいてVRゲームがどれだけ怖いかを制御することができる。以前の研究により、精神的ストレスと心拍数変動(HRV)の成分の変化との間の関係が明らかになった。上述の実施形態の場合の課題は、HRセンサを有するスマートウォッチは、前記センサが手首を通してHRを検出するように前記スマートウォッチの下面に前記センサがあることであるが、上述の実施形態の少なくとも一部では、前記スマートウォッチは手首に着けられていない。前記スマートウォッチのHRセンサをそれでも使用できるようにするため、一実施形態では、前記システムはこの着用されているHRセンサが光学的であることをうまく使って、前記スマートウォッチのHRセンサの検出場所を光ファイバを使って移動させる。
【0053】
具体的には、光電脈波(PPG)心拍センサでは、例えば米国特許第3,228,391号明細書、米国特許3,608,545号明細書及び米国特許8,948,832号明細書で記載されているように、1又は複数のLEDエミッタと光センサの組み合わせを使って、毛細血管内の血液の変化を検出する。図1に示される前述のシステムの実施形態では、前記グリップへ埋め込まれた光ファイバ221によって、放射され反射された光をユーザの指(又は掌)の下で捕捉することができる。この手法が機能するためには、前記スマートウォッチのセンサが前記光ファイバの上に正確に配置されている必要があることに留意されたい。これは、物理的手法(前記スマートウォッチ用の「溝」が位置ずれを防ぐ)及び磁気的手法(磁石が前記スマートウォッチを所定の位置へ「はめ込む」のに使われる)を含む多数の方法で実現することができる。
【0054】
当業者には理解されるように、今日のたいていのスマートウォッチは磁力計を含む。このセンサはナビゲーションアプリケーションで最も頻繁に使用されるが、スマートウォッチの近くで磁石を操作することにより無動力の入力を検出するのに活用することもできる。2009年のChris HarrisonとScott E. Hudsonによる先行文献、"Abracadabra: wireless, high-precision, and unpowered finger unpowered for very small mobile devices", Proceedings of UIST '09は、磁石を有するリングを使ってスマートウォッチの周りで行われたジェスチャの認識を実証している。米国意匠特許第D750,074号明細書に記載されるGoogle Cardboardの最初のバージョンには単純なボタンを置き換えるために磁石が含まれている。前記スマートグリップの一実施形態では、同様に物理的な無動力のトリガーが含まれる(図4bの要素412を参照)。各トリガー機構には磁石が含まれ、磁石の動きは前記スマートウォッチにより検出することができる。例えば、トリガーを押すことで、前記磁石を軸からずらして回転させて、はっきりした規則性を生み出すことができる。
【0055】
当業者には理解されるように、今日のたいていのスマートウォッチは内部に振動モータが埋め込まれている。前記スマートグリップの一実施形態ではこの形態の出力を利用して、仮想現実又は拡張現実に対して振動触覚フィードバックを与える。前記VR/ARシステム201は前記スマートウォッチ上で動作する前記コントローラアプリケーション204へメッセージを送信することで、仮想環境/拡張環境内の要素に基づいて前記スマートウォッチを振動させることができる。一実施形態では、前記VR/ARシステム201は前記スマートウォッチ202に対して前記触覚アクチュエータ211を使って短い振動を発生させるように指示して、ユーザに彼らが把持可能な仮想物体の上でホバリングしていることを示すことができる。
【0056】
1又は複数の実施形態では、前記スマートウォッチ上で動作する前記コントローラアプリケーションは前記VR/AR環境そのものに依存することなく、インタラクションのパラメータに基づいて振動触覚フィードバックを与えることができる。例えば、前記コントローラで実行される(そして前記スマートウォッチのIMU206で検出される)動き又は3Dジェスチャに応答して。又は、例えば、前記スマートウォッチ上でのタッチインタラクションが(ジョイスティックと類似した)連続して得られるインタラクション(指をドラッグして前記スマートウォッチの中心から離れるようにすることでより速い動きとなる)として扱われる場合は、振動触覚フィードバックを使ってユーザに対して中心点からの指の距離を示すことができる。
【0057】
当業者には理解されるように、今日のたいていのスマートウォッチは(一般的にNFCとして知られる)近距離無線通信能力を備えている。これはスマートな支払い(アップルペイ、アンドロイドペイなど)で最も頻繁に使用されるが、NFCは広範な装置の間でのデータ及び電力の移動を可能とする。前述の実施形態のいずれにおいても、前記スマートウォッチ202は前記スマートグリップ装置203に電力を供給し、通信することができる。このスマートグリップには、追加の入力(ボタン、スライダ、容量性センサなど)、追加の出力(LED、ディスプレイ、追加の振動モータ、スピーカなど)、又はこの2つの組み合わせが含まれることがある(図4c、4dを参照)。1又は複数の実施形態では、これらのI/O要素はNFCを使って電力を供給され、前記スマートウォッチ202とNFC220を介して通信を行う。ボタンや追加の振動モータなどの触覚要素はVR及びARの両方に適している一方で、視覚要素はARアプリケーションにより適しており、この視覚要素上でユーザは前記グリップの画面及び前記スマートウォッチの画面を物理的に見ることができる。
【0058】
1又は複数の実施形態では、前記出力のうちの1つは外部追跡に使用されるLEDであってもよい(図4cの要素422を参照)。前記AR/VRシステム201は、専用のコントローラを使ってそうするように、これらのLEDを使って前記コントローラを3D空間内に配置することができる。あるいは、これらの入力のうちの1つは、位置の追跡に同様に使用されるフォトダイオードであってもよく、前記AR/VRシステム201は発光し、当技術分野でよく知られている、従来のAR/VRコントローラが動作する動作モードと同様に、この光がフォトダイオード422に拾われる。
【0059】
(コンピュータシステムの例示的な実施形態)
図5は、本明細書に記載される技術及び、例えば前記AR/VRシステム201を実装するのに使用可能なコンピュータシステム500の例示的な実施形態を示す。1又は複数の実施形態では、前記コンピュータ500は、当業者によく知られているモバイルコンピュータデバイスのフォームファクタの範囲内で実装されることがある。別の実施形態では、前記コンピュータ500はラップトップコンピュータ又はノートブックコンピュータを基にして実装されることがある。さらに別の実施形態では、前記コンピュータ500は専用のコンピュータシステムでありえる。
【0060】
前記コンピュータ500は、前記コンピュータ500の様々なハードウェア構成要素の間で横断的に情報を伝えるためのデータバス504又は他の相互接続若しくは通信用の機構と、情報を処理し他の演算タスク及び制御タスクを実行するための前記データバス504と結合された中央処理装置(CPU、又は単純にプロセッサ)501を含むことがある。また、前記コンピュータ500は、前記データバス504に結合され、様々な情報及び前記プロセッサ501により実行される命令を記憶するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などのメモリ512も含む。また、前記メモリ512は磁気ディスク、光ディスク、半導体フラッシュメモリ装置、又は他の不揮発性半導体記憶装置などの永続記憶装置も含むことがある。
【0061】
1又は複数の実施形態では、前記メモリ512は前記プロセッサ501による命令の実行中にテンポラリ変数又は他の中間情報を記憶するのに使われることもある。所望により、コンピュータ500は、前記データバス504に結合され、前記コンピュータ500の動作に必要なファームウェア、基本入出力システム(BIOS)及び前記コンピュータ500の様々な設定パラメータなどの、前記プロセッサ501用の静的情報及び命令を記憶するための、読み出し専用メモリ(ROM若しくはEPROM)502又は他の静的記憶装置をさらに含むことがある。
【0062】
1又は複数の実施形態では、前記コンピュータ500には静止画及びリアルタイムのビデオを取得するためのカメラ510がさらに組み込まれていることがある。加えて、前記コンピュータ500には、音声を拾うためのマイク511及びユーザの頭部の姿勢に基づいて前記マイク511を自動的にミュート及びミュート解除するためのマイク制御モジュール509が組み込まれていることがある。
【0063】
1又は複数の実施形態では、前記コンピュータ500はネットワークインタフェース505などの前記データバス504へ結合された通信インタフェースをさらに含むことがある。前記ネットワークインタフェース505は、1つ以上のWIFIインタフェース507及びセルラーネットワーク(GSM(登録商標)又はCDMA)アダプタ508を使って前記コンピュータ500とインターネット524の間の接続を確立するように構成することができる。前記ネットワークインタフェース505は、前記コンピュータ500とインターネット524の間で双方向データ通信できるように構成することができる。前記WIFIインタフェース507は、当業者によく知られている802.11aプロトコル、802.11bプロトコル、802.11gプロトコル及び/又は802.11nプロトコル、並びにブルートゥース(登録商標)プロトコルに準拠して動作することができる。例示的な実装では、前記WIFIインタフェース507及び前記セルラーネットワーク(GSM(登録商標)又はCDMA)アダプタ508は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを伝える電気信号又は電磁信号を送受信する。
【0064】
1又は複数の実施形態では、インターネット524は典型的には1又は複数のサブネットワークを経由したデータ通信を他のネットワークリソースへ与える。このように、前記コンピュータ500は、インターネット524の任意の場所に位置する、リモートメディアサーバ、ウェブサーバ、他のコンテンツサーバ、及び他のネットワークデータ記憶リソースなどの様々なネットワークリソースへアクセスすることができる。1又は複数の実施形態では、前記コンピュータ500は、前記ネットワークインタフェース505を用いて、インターネット524を含む様々なネットワークを経由して、メッセージ、メディアデータ及びアプリケーションプログラムコードを含む他のデータを送受信するように構成されている。インターネットの例では、前記コンピュータ500がネットワーククライアントとして振る舞う場合、前記コンピュータ500は、前記コンピュータ500内で実行されるアプリケーションプログラム用のコード又はデータを要求することがある。同様に、前記コンピュータ500は様々なデータ又はコンピュータコードを他のネットワークリソースへ送ることがある。
【0065】
1又は複数の実施形態では、本明細書に記載される機能性は、プロセッサ501が前記メモリ512内に含まれる1又は複数の命令の1又は複数のシーケンスを実行するのに応答して、前記コンピュータ500により実行される。そのような命令は、別のコンピュータ可読媒体から前記メモリ512へ読み込まれることがある。前記メモリ512内に含まれる命令のシーケンスを実行することで、前記プロセッサ501は本明細書に記載される様々なプロセスのステップを実行する。別の実施形態では、配線回路をソフトウェア命令の代わりに、又は組み合わせて使用して、本発明の実施形態を実装してもよい。このように、本発明の実施形態はハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組み合わせに制限されない。
【0066】
本明細書で使用される用語「コンピュータ可読媒体」は、プロセッサ501が実行する命令をプロセッサ501へ与えるのに関与する任意の媒体を指す。前記コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載される方法及び/又は技術のいずれかを実装するための命令を運ぶことができる機械可読媒体の単なる一例に過ぎない。そのような媒体は、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含むがこれに制限されない多くの形態を取り得る。
【0067】
非一時的コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えばフロッピーディスク(登録商標)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ若しくは任意の他の磁気媒体、CD-ROM若しくは任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ若しくは穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、フラッシュドライブ、メモリカード若しくは任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又は、コンピュータが読み出すことができる任意の他の媒体、が挙げられる。様々な形態のコンピュータ可読媒体が、プロセッサ501が実行するための1又は複数の命令の1又は複数のシーケンスをプロセッサ501へ運ぶのに関わることがある。例えば、前記命令はまずリモートコンピュータから磁気ディスクで運ばれることがある。あるいは、リモートコンピュータは前記命令を動的メモリへロードすることができて、インターネット524を介して前記命令を送ることができる。具体的には、前記コンピュータ命令は、当技術分野でよく知られている様々なネットワークデータ通信プロトコルを使い、インターネット524を介して前記リモートコンピュータから前記コンピュータ500の前記メモリ512へダウンロードされることがある。
【0068】
1又は複数の実施形態では、前記コンピュータ500の前記メモリ512は、以下のソフトウェアプログラム、アプリケーション、及び/又はモジュールのいずれかを記憶することがある。
【0069】
1.オペレーティングシステム(OS)513であって、基本的システムサービスを実装し、前記コンピュータ500の様々なハードウェア構成要素を管理するためのモバイルオペレーティングシステムでありうる、オペレーティングシステム。前記オペレーティングシステム513の例示的な実施形態は当業者によく知られており、現在知られている、又は今後開発されるモバイルオペレーティングシステムを含みうる。さらに、前記ネットワークインタフェース505を使ってネットワーク通信を可能にするネットワーク通信モジュール514も与えられることがある。
【0070】
2.ソフトウェアモジュール515であって、例えば、前記コンピュータ500の前記プロセッサ501により実行され、前記コンピュータ500に前記スマートウォッチ202と通信する(モジュール517)及び/又は前記AR/VRシステムを動作させる(モジュール516)などの特定の所定の機能を実行させる、一連のソフトウェアモジュールを含みうるソフトウェアモジュール。
【0071】
3.データ記憶部518であって、例えば様々なパラメータ及びしきい値519を記憶するために使われうるデータ記憶部。
【0072】
最後に、本明細書に記載されるプロセス及び技術は本質的にいかなる特定の装置とも関連しておらず、構成要素の任意の適切な組み合わせにより実装しうることを理解されたい。さらに、様々な種類の汎用装置を本明細書に記載される教示に従って使用してもよい。また、本明細書に記載される方法のステップを実行するために専用の装置を作ることは有利になりうる。本発明は特定の例に関連して説明されたが、これらの例はあらゆる点で、制限的ではなくむしろ例証となることを意図している。当業者は、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの多くの異なる組み合わせが本発明を実践するのに適していることを理解するであろう。例えば、前述のソフトウェアはアセンブラ、C/C++、Objective-C、perl、shell、PHP、Java(登録商標)、及び、現在知られている、又は今後開発される任意のプログラミング言語若しくはスクリプト言語などの多種多様なプログラミング言語又はスクリプト言語で実装することができる。
【0073】
さらに、本発明の他の実装は、本明細書を検討し、本明細書で開示されている本発明を実践することで、当業者には明らかとなるであろう。前述の実施形態の様々な態様及び/又は構成要素は、VR/ARインタラクション向けの低電力で個人向けにされたスマートグリップを実装するためのシステム及び方法において、単独で、又は任意の組み合わせで用いることができる。本明細書及び実施例は例示的に過ぎず、本発明の真の範囲及び趣旨は以下の請求項により示されると考えられるべきであると意図している。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5