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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240214BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240214BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H04N1/00 350
A61B5/16 100
H04N1/00 912
G06F3/01 514
G06F3/01 515
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020021859
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021129180
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】槇野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰弘
(72)【発明者】
【氏名】遠田 周平
(72)【発明者】
【氏名】三觜 裕之
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-100316(JP,A)
【文献】特開2017-094679(JP,A)
【文献】特開2017-229035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
A61B 5/06 - 5/22
G06F 3/01
3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
データと、前記データを用いた処理の指示と、前記指示を行った利用者の生体情報とを取得し、
前記生体情報が閾値以上であることにより、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、予め定められた前記処理の開始時刻が、前記指示が取得された時点より後の時刻を示す場合でも、前記指示を取得した時点で前記処理を開始する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、前記処理を開始する契機となる操作が行われないまま第1時間が経過すると前記操作がなくても前記処理を開始することが予め設定されている場合でも、前記操作が行われないまま前記第1時間より短い第2時間が経過すると前記処理を開始する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、前記処理が開始されるまでに、前記処理を確認する操作を要せずに前記処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、前記処理が開始されるまでに、前記処理を確認する画面を表示せずに前記処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、記録媒体に一のデータだけが記録されている場合、前記一のデータを取得し、
前記記録媒体に記憶された前記一のデータを選択する画面を表示せずに前記処理を開始する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
データと、前記データを用いた処理の指示と、前記指示を行った利用者の生体情報とを取得するステップと、
前記生体情報が閾値以上であることにより、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、予め定められた前記処理の開始時刻が、前記指示が取得された時点より後の時刻を示す場合、前記指示を取得した時点で前記処理を開始するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の心理状態によって処理を変更する技術がある。例えば特許文献1には、ユーザが急いでいる状態を示す生体情報を取得すると、定期的に実行されるキャリブレーションを禁止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6222361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データを用いた処理には、処理が完了するまでに時間を要する条件が設定されている場合がある。その場合、利用者が急いでいる等の状態であるにも関わらず、そのような条件が設定されていると、処理が完了するまでに時間がかかってしまう。
本発明は、利用者が特定の心理状態である場合に、利用者の心理状態に関わらず、予め定められた条件で処理を実行する場合に比べて、利用者により指示された処理が完了するまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、データと、前記データを用いた処理の指示と、前記指示を行った利用者の生体情報とを取得し、前記生体情報により、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、予め定められた条件よりも前記処理が完了されるまでの時間が短くなる条件に従って、前記処理を実行することを特徴とする情報処理装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件よりも、前記処理が指示されてから前記処理が開始されるまでに要する時間が短くなる条件で前記処理を開始することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件が前記処理の指示が取得された時点より後の定められた時刻に前記処理を開始することを示す場合には、前記処理の指示の取得に応じた時点で前記処理が開始される条件で前記処理を開始することを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件が前記処理を開始する契機となる操作が行われないまま第1時間が経過すると前記操作がなくても前記処理を開始することを示す場合には、前記操作が行われないまま、前記第1時間より短い第2時間が経過すると前記処理を開始することを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定めた条件よりも、前記処理が開始されるまでに要する操作の手順が減る条件で前記処理を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項1又は5に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件よりも、前記処理が開始されるまでに表示部に表示される画面の遷移数が減る条件で前記処理を実行することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件が前記処理の開始前に前記処理の内容を表す画面を表示部に表示し、前記画面において予め定められた操作が行われたことを契機として前記処理を開始することを示す場合には、前記画面を非表示にし、前記操作がなくても前記処理を開始することを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項5又は6に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件が前記処理の開始前に前記処理に続く他の処理に関する画面を表示部に表示し、前記画面において予め定められた操作が行われたことを契機として前記処理を開始することを示す場合には、前記画面を非表示にし、前記操作がなくても前記処理を開始することを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項5又は6に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、記録媒体に記憶された一のデータを取得し、前記予め定められた条件が前記記録媒体に記憶された少なくとも一のデータの中から前記一のデータを選択する操作を受け付ける画面を表示部に表示し、前記画面が前記操作を受け付けたことを契機として前記処理を開始することを示す場合には、前記画面を非表示にし、前記操作がなくても前記一のデータを用いて前記処理を開始することを特徴とする。
【0014】
請求項10に係る発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた条件への変更を許可するか否かを示す操作を受け付ける画面を表示部に表示し、前記画面が受け付けた前記操作に応じて前記予め定められた条件に従って前記処理を実行するか前記時間が短くなる前記条件に従って前記処理を実行するかを制御することを特徴とする。
【0015】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記生体情報により前記利用者が特定の第1心理状態であることが示されると、前記画面を表示し、前記画面が受け付けた前記操作に応じて前記制御を行い、前記生体情報により前記利用者が特定の第2心理状態であることが示されると、前記画面を非表示にし、前記操作がなくても前記時間が短くなる前記条件に従って前記処理を実行することを特徴とする。
【0016】
請求項12に係るプログラムは、コンピュータに、データと、前記データを用いた処理の指示と、前記指示を行った利用者の生体情報とを取得するステップと、前記生体情報により、前記利用者が特定の心理状態であることが示されると、予め定められた条件よりも前記処理が完了されるまでの時間が短くなる条件に従って、前記処理を実行するステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、利用者が特定の心理状態である場合には、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、利用者により指示された処理が完了するまでの時間が短縮される。
請求項2に係る発明によれば、利用者が特定の心理状態である場合には、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、利用者により処理が指示されてから処理が開始されるまでの時間が短縮される。
請求項3に係る発明によれば、予め定められた条件が処理の指示が取得された時点より後の定められた時刻に処理を開始することを示す場合にも、処理の指示の取得に応じた時点で処理が開始される。
請求項4に係る発明によれば、予め定められた条件が処理を開始する契機となる操作が行われないまま時間が経過するとこの操作がなくても処理を開始することを示す場合に、この条件を変更せずに処理を実行する場合に比べて、この操作が行われないときに処理が早く開始される。
請求項5に係る発明によれば、利用者が特定の心理状態である場合には、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減る。
請求項6に係る発明によれば、利用者が特定の心理状態である場合には、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに表示される画面数が減る
請求項7に係る発明によれば、予め定められた条件が処理の開始前に処理の内容を表す画面を表示し、画面において予め定められた操作が行われたことを契機として処理を開始する場合に、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに表示される画面数及び処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減る。
請求項8に係る発明によれば、予め定められた条件が処理の開始前に処理に続く他の処理に関する画面を表示し、この画面において予め定められた操作が行われたことを契機として処理を開始することを示す場合に、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに表示される画面数及び処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減る。
請求項9に係る発明によれば、予め定められた条件が記録媒体に記憶された少なくとも一のデータの中から一のデータを選択する操作を受け付ける画面を表示し、この画面がこの操作を受け付けたことを契機として処理を開始することを示す場合に、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに表示される画面数及び処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減る。
請求項10に係る発明によれば、利用者が予め定められた条件への変更の許否を決めることができる。
請求項11に係る発明によれば、利用者の心理状態によって予め定められた条件の変更の許否を利用者に確認するか否かを変更することができる。
請求項12に係る発明によれば、利用者が特定の心理状態である場合には、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、利用者により指示された処理が完了するまでの時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。
図2】画像処理装置120の構成の一例を示す図である。
図3】画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図4】ログイン時の画面遷移の一例を示す図である。
図5】ファクシミリアプリが起動されたときに表示される画面遷移の一例を示す図である。
図6】変更された設定に従ってファクシミリ処理が実行される場合の画面遷移の一例を示す図である。
図7】変更された設定に従ってファクシミリ処理を実行する場合の画面遷移の一例を示す図である。
図8】予め定められた設定に従ってファクシミリ処理を実行する場合の画面遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.構成
図1は、実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。画像処理システム100は、利用者が急いでいる等の特定の心理状態である場合には、利用者により指示された処理が完了するまでの時間が短縮されるように処理の条件を変更する。画像処理システム100は、ウェアラブル端末110と、画像処理装置120とを備える。画像処理装置120は、本発明に係る情報処理装置の一例である。
【0020】
ウェアラブル端末110は、利用者に装着され、利用者の生体情報を計測する。ウェアラブル端末110は、図1に示すように例えば腕に装着するリストバンド型の形状を有する。ただし、ウェアラブル端末110の形状はリストバンド型に限定されない。例えばウェアラブル端末110の形状は、指に装着する指輪型、衣服に付けるクリップ型、頭部に装着する眼鏡型又はヘッドマウンド型等、どのような形状であってもよい。ウェアラブル端末110は、生体情報を計測する一又は複数のセンサ(図示せず)を有する。生体情報は、急いでいる等の心理状態を示す。この生体情報には、例えば心拍数又は血圧が含まれる。例えば生体情報に心拍数が含まれる場合、ウェアラブル端末110は心拍数を計測する心拍計を有する。生体情報に血圧が含まれる場合、ウェアラブル端末110は血圧を計測する血圧計を有する。また、ウェアラブル端末110は、通信部(図示せず)を有する。通信部は、例えばBluetooth(登録商標)に従って他の装置とデータ通信を行う。ただし、通信部が従う通信規格は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、他の通信規格であってもよい。例えばウェアラブル端末110は、通信部から画像処理装置120に生体情報を送信する。
【0021】
図2は、画像処理装置120の構成の一例を示す図である。画像処理装置120は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の画像を処理する複数の機能を有する。画像処理装置120は、これらの機能を実現する処理を行う。各処理には、予め処理の条件が設定されている。処理の条件には、一の設定値が含まれてもよいし、複数の設定値の組み合わせが含まれてもよい。画像処理装置120は、プロセッサ121と、メモリ122と、通信部123と、操作部124と、表示部125と、画像読取部126と、画像形成部127とを備える。これらの部位はバス128を介して接続されている。
【0022】
プロセッサ121は、プログラムを実行することにより、画像処理装置120の各部を制御し又は各種の処理を行う。プロセッサ121には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられる。メモリ122には、プロセッサ121により実行されるプログラムが記憶される。メモリ122には、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)が用いられる。また、メモリ122には、ROM及びRAMに加えて、例えばハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)が用いられてもよい。メモリ122には、画像処理装置120が有する複数の機能をそれぞれ実現するための複数のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)が記憶されている。この複数のアプリには、例えばコピー機能を実現するためのコピーアプリ、プリント機能を実現するためのプリントアプリ、スキャン機能を実現するためのスキャンアプリ、及びファクシミリ機能を実現するためのファクシミリアプリが含まれる。通信部123は、通信回線を介して接続された他の装置とデータ通信を行う。この通信回線は、有線の通信回線であってもよいし、無線の通信回線であってもよい。通信部123が従う通信規格には、例えばBluetooth(登録商標)が含まれる。操作部124は、利用者による画像処理装置120の操作に用いられる。操作部124には、例えばタッチパネルとキーとが用いられる。表示部125は、各種の情報を表示する。表示部125には、例えば液晶ディスプレイが用いられる。画像読取部126は、画像を読み取って画像データに変換する。画像読取部126には、例えばイメージスキャナが用いられる。画像形成部127は、画像データに応じた画像を用紙等の媒体上に形成する。画像形成部127には、例えばプリンターが用いられる。
【0023】
2.動作
以下の説明において、プロセッサ121を処理の主体として記載する場合、これは、それぞれメモリ122に記憶されたプログラムと、このプログラムを実行するプロセッサ121との協働により、プロセッサ121が演算を行い又は他のハードウェア要素の動作を制御することにより、処理が行われることを意味する。
【0024】
図3は、画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、利用者が画像処理装置120を利用するときに行われる。ステップS11において、利用者は画像処理装置120にログインする。画像処理装置120のプロセッサ121は、ログインした利用者の認証を行う。
【0025】
図4は、ログイン時の画面遷移の一例を示す図である。表示部125には、ログイン画面130が表示される。利用者は、操作部124を用いて自分のユーザ名とパスワードをログイン画面130に入力する操作を行う。続いて、利用者は、ログイン画面130に含まれる認証ボタン131を押す操作を行う。プロセッサ121は、利用者により入力されたユーザIDとパスワードを用いて利用者の認証を行う。利用者の認証に成功すると、処理はステップS12に進む。なお、利用者の認証に失敗した場合には処理は終了する。
【0026】
ステップS12において、プロセッサ121は、利用者のウェアラブル端末110とペアリングを行う。このとき、まず利用者のウェアラブル端末110が特定される。例えば利用者のユーザIDには、予め利用者のウェアラブル端末110の端末IDが対応付けられており、ステップS11において入力されたユーザIDに対応付けられた端末IDが特定され、特定された端末IDに対応するウェアラブル端末110が利用者のウェアラブル端末110として特定される。続いて、特定されたウェアラブル端末110とBluetooth(登録商標)に従ってペアリングが行われる。これにより、画像処理装置120と利用者のウェアラブル端末110とが無線で接続される。なお、画像処理装置120が一のウェアラブル端末110とペアリングを行っている間は、他のウェアラブル端末110とのペアリングは行われない。
【0027】
ステップS13において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110から生体情報の取得を開始する。例えばプロセッサ121は、ステップS12においてペアリングを行ったウェアラブル端末110に生体情報の取得要求を通信部123から送信する。ウェアラブル端末110は、この取得要求に応じて利用者から計測した生体情報を画像処理装置120に送信する。ウェアラブル端末110は、ウェアラブル端末110から送信された生体情報を通信部123にて受信する。この生体情報の取得は、ログインを契機に開始され、予め定められた時間間隔で繰り返し行われる。
【0028】
ステップS14において、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120にログインすると、表示部125にメニュー画面140を表示する。メニュー画面140は、利用者が画像処理装置120の複数の機能の中から所望の機能を選択する操作に用いられる。図4に示されるように、メニュー画面140には、画像処理装置120が有する各機能を選択する操作を受け付ける選択ボタン141~145が含まれる。例えば利用者は、ファクシミリ機能を利用する場合には、ファクシミリ機能に対応する選択ボタン143を押す操作を行う。この操作に応じて、ファクシミリアプリが起動される。
【0029】
ステップS15において、プロセッサ121は、処理の実行が指示されたか否かを判定する。この判定は、利用者により処理の実行を指示する操作が行われたか否かに応じて行われる。処理の実行を指示する操作が行われていない場合、ステップS15の判定はNOになる。この場合、ステップS15の判定が繰り返される。一方、処理の実行を指示する操作が行われた場合、ステップS15の判定はYESとなる。この場合、処理の実行指示と処理に用いられるデータとが取得され、処理はステップS16に進む。
【0030】
図5は、ファクシミリアプリが起動されたときに表示される画面遷移の一例を示す図である。ファクシミリアプリが起動されると、ファクシミリ画面150が表示される。ファクシミリ画面150には開始ボタン151が含まれる。開始ボタン151は、ファクシミリ処理の実行を指示する操作を受け付ける。例えば利用者は、ファクシミリ処理の実行を指示する場合には、開始ボタン151を押す操作を行う。この操作が行われると、ステップS15の判定がYESとなり、処理はステップS16に進む。
【0031】
ステップS16において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110から取得された生体情報を分析して、利用者の心理状態が特定の心理状態であるか否かを判定する。この特定の心理状態は、例えば利用者が急いでいることを示す心理状態である。この判定は、生体情報により利用者が特定の心理状態であることが示されるか否かによって行われる。例えば生体情報に心拍数又は血圧が含まれる場合、心拍数又は血圧が閾値以上になると、利用者が特定の心理状態であると判定される。この閾値は、例えば人が急いでいるときに計測される心拍数又は血圧に予め設定される。利用者の心理状態が特定の心理状態であると判定された場合、ステップS16の判定がYESになり、処理はステップS17に進む。
【0032】
ステップS17において、プロセッサ121は、処理の条件の変更を許可するか否かを確認するための確認画面160を表示するか否かを判定する。例えば管理者により予め確認画面160を表示することが設定されている場合、ステップS17の判定はYESになり、処理はステップS18に進む。
【0033】
ステップS18において、プロセッサ121は、確認画面160を表示部125に表示する。確認画面160は、処理の条件の変更を許可するか否かを示す操作を受け付ける。これは、利用者の操作を介さずに処理の条件が変更されると利用者が困る場合もあると考えられるため、利用者が変更の許否を決められるようにするためである。すなわち、確認画面160が受け付けた操作に応じて処理の条件を変更するか否かが制御される。
【0034】
例えば上述したステップS15においてファクシミリ処理の実行が指示されると、画像読取部126により原稿の画像が読み取られ、この画像を示す画像データが得られる。画像の読み取りが開始されると、図5に示されるように、原稿の画像の読み取りが開始されると、原稿の画像の読み取り中であることを示す通知画面155が表示される。この場合、画像の読み取りが完了すると、図5に示されるように、確認画面160が表示される。ここでは、ファクシミリ処理には、ファクシミリを指定された時刻に送信することを示す設定が予め定められているものとする。この場合、確認画面160には、ファクシミリを指定された時刻に送信するのではなく、直ぐに送信するか否かを問い合わせるメッセージが含まれる。また、確認画面160には、ファクシミリが直ぐに送信されるように設定を変更することを許可する操作を受け付けるボタン161と、設定を変更することを拒否する操作を受け付けるボタン162とが含まれる。ファクシミリが直ぐに送信されるように設定を変更することを許可する場合、利用者はボタン161を押す操作を行う。
【0035】
ステップS19において、プロセッサ121は、処理の条件への変更が許可されたか否かを判定する。この判定は、例えば確認画面160において処理の条件への変更を許可する操作が行われたか否かに応じて行われる。例えば図5に示す確認画面160においてボタン161が押されると、ステップS19の判定がYESになり、処理はステップS20に進む。
【0036】
また、上述したステップS17において、例えば管理者により予め確認画面160を表示しないことが設定されている場合には、ステップS17の判定がNOになる。この場合、処理は、ステップS18及びS19の処理を飛ばしてステップS20に進む。
【0037】
ステップS20において、プロセッサ121は、予め定められた条件よりも処理が完了されるまでの時間が短くなるように処理の条件を変更する。予め定められた条件は、例えば初期設定であってもよいし、管理者又はユーザにより予め定められた設定であってもよい。
【0038】
例えばファクシミリ処理についてファクシミリを送信する時刻が21時に予め設定されている場合を想定する。この時刻は、処理の実行が指示された時点よりも後の時刻であり、例えば管理者により予め定められている。この場合、ファクシミリが直ぐに送信されるように設定が変更される。この変更により、処理の実行が指示された時点で処理が開始されるようになるため、予め定められた条件よりも、処理の実行が指示されてから処理が開始されるまでに要する時間が短くなる。
【0039】
他の例において、ファクシミリ処理についてファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示することを示す設定が予め定められている場合を想定する。このプレビュー画面170は、ファクシミリの内容を表す。また、プレビュー画面170は、ファクシミリの送信を指示する操作を受け付ける。この操作が行われたことを契機として、ファクシミリが送信される。この場合、ファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示しないように設定が変更される。この変更により、プレビュー画面170が非表示となり、ファクシミリの送信を指示する操作がなくてもファクシミリが送信される。この場合、処理が開始されるまでに表示される画面の遷移数が減るとともに、処理が開始されるまでに要する操作の手順が減る。そのため、予め定められた設定よりも、処理の実行が指示されてから処理が開始されるまでに要する時間が短くなる。
【0040】
ステップS21において、プロセッサ121は、予め定められた条件又はステップS20において変更された条件に従って処理を実行する。例えばステップS20において処理の条件が変更された場合には、変更後の条件に従って処理が実行される。
【0041】
図6は、ファクシミリが直ぐに送信されるように変更された設定に従ってファクシミリ処理が実行される場合の画面遷移の一例を示す図である。なお、図6に示す例では、確認画面160の表示については省略されている。ファクシミリ画面150においてファクシミリ処理の実行を指示する操作が行われると、原稿の画像が読み取られて画像データが得られる。原稿の画像の読み取りが開始されると、原稿の画像の読み取り中であることを示す通知画面155が表示される。仮に予め定められた設定に従ってファクシミリ処理が行われる場合、この設定においてはファクシミリを送信する時刻が21時に指定されているため、原稿の画像データが得られても21時になるまでは画像データが送信されない。一方、ファクシミリが直ぐに送信されるように設定が変更されると、原稿の画像が読み取られて画像データが得られたときに、直ぐに画像データが送信される。すなわち、予め定められた設定の変更により、ファクシミリ処理の実行が指示されてからファクシミリ処理が開始されるまでに要する時間が短くなる。画像データの送信が開始されると、図6に示されるように、画像データの送信中であることを示す通知画面165が表示される。
【0042】
図7は、ファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示しないように変更された設定に従ってファクシミリ処理を実行する場合の画面遷移の一例を示す図である。なお、図7に示す例では、確認画面160の表示については省略されている。ファクシミリ画面150においてファクシミリ処理の実行を指示する操作が行われると、原稿の画像が読み取られて画像データが得られる。原稿の画像の読み取りが開始されると、原稿の画像の読み取り中であることを示す通知画面155が表示される。仮に予め定められた設定に従ってファクシミリ処理が行われる場合、ファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示するように定められているため、原稿の画像の読み取りが完了すると、図8に示されるように、ファクシミリで送信する画像を確認するためにプレビュー画面170が表示される。プレビュー画面170には、原稿の読み取り画像の他に、画像データの送信を指示する操作を受け付ける送信ボタン171が含まれる。利用者が送信ボタン171を押す操作を行うと、画像データが送信される。一方、ファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示しないように設定が変更されると、図8に示すプレビュー画面170を表示せずに、画像データが直ぐに送信される。図7に示す例では、図8に示す例に比べて、ファクシミリ処理の実行が指示されてからファクシミリの送信が開始されるまでに表示される画面の遷移数が1つ減る。また、図8に示す例では、ファクシミリを送信するために、送信ボタン171を押す操作を行わなければならないが、図7に示す例では、この操作が行われなくてもファクシミリが送信される。従って、図7に示す例では、図8に示す例に比べて、ファクシミリ処理の実行が指示されてからファクシミリの送信が開始されるまで要する操作の手順が1つ減る。このように、予め定められた設定の変更により、ファクシミリ処理が開始されるまでに表示される画面の遷移数が減るとともに、ファクシミリ処理が開始されるまでに要する操作の手順が減る。画像データの送信が開始されると、図7に示されるように、画像データの送信が開始されると、画像データの送信中であることを示す通知画面165が表示される。
【0043】
一方、上述したステップS16において利用者の心理状態が特定の心理状態ではないと判定された場合には、ステップS16の判定がNOになり、ステップS17~S20の処理を飛ばして処理はステップS21に進む。また、上述したステップS19において処理の条件への変更が許可されていないと判定された場合には、ステップS19の判定がNOになり、ステップS20の処理を飛ばして処理はステップS21に進む。これらの場合、ステップS21では、予め定められた条件に従って処理が実行される。例えばファクシミリ処理についてファクシミリを送信する時刻が21時に予め設定されている場合には、原稿の画像データは一旦メモリ122に記憶される。そして、21時になると画像データが送信される。ファクシミリ処理についてファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示する予め設定されている場合には、図8に示されるように、原稿の画像の読み取りが完了すると、プレビュー画面170が表示される。そして、プレビュー画面170において送信ボタン171が押されると、画像データが送信される。
【0044】
ステップS22において、利用者が画像処理装置120からログアウトすると、ステップS23において、プロセッサ121は、生体情報の取得を終了する。そして、ステップS24において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110とのペアリングを解除する。例えば処理が完了すると、図4に示すメニュー画面140が表示される。このメニュー画面140には、ログアウトの操作を受け付けるログアウトボタン146が含まれる。利用者がこのログアウトボタン146を押す操作を行うと、この操作を契機に生体情報の取得が終了し、ウェアラブル端末110とのペアリングが解除される。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、利用者が特定の心理状態である場合には、予め定められた条件よりも処理が完了されるまでの時間が短くなるように処理の条件が変更されるため、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、利用者により指示された処理が完了するまでの時間が短縮される。また、利用者が特定の心理状態である場合には、ファクシミリ処理についてファクシミリを送信する時刻が21時に予め設定されていても、ファクシミリが直ぐに送信されるように設定が変更されるため、処理の指示の取得に応じた時点で処理が開始される。
【0046】
さらに、利用者が特定の心理状態である場合には、ファクシミリ処理についてファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示するように予め設定されていても、ファクシミリの送信前にプレビュー画面170を表示しないように設定が変更されるため、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減るとともに、処理が開始されるまでに表示される画面数が減る。さらに、確認画面160が表示される場合には、利用者が予め定められた条件の変更の許否を決めることができる。
【0047】
3.変形例
上述した実施形態は、本発明の一例である。本発明は、上述した実施形態に限定されない。また、上述した実施形態が以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0048】
上述した実施形態において、利用者の心理状態が特定の心理状態である場合には、処理の開始前に処理に続く他の処理に関する画面を表示し、画面において予め定められた操作が行われたことを契機として処理を開始するという設定が予め定められていても、この画面を非表示にし、操作がなくても処理が開始されるように設定が変更されてもよい。例えばファクシミリ処理において、一の原稿を読み取ると次の原稿を読み取るか否かを確認するための確認画面を表示し、この確認画面において次の原稿を読み取らないことを示す操作が行われると、画像データを送信する処理が開始される場合がある。例えばファクシミリ処理についてこの確認画面を表示するように予め設定されている場合、この確認画面を表示しないように設定が変更されてもよい。このように設定を変更すると、予め定められた設定に従って処理を実行する場合に比べて、ファクシミリ処理が開始されるまでに表示される画面の遷移数が1つ減るとともに、ファクシミリ処理が開始されるまでに要する操作の手順が1つ減る。この変形例によれば、利用者の心理状態が特定の心理状態である場合には、一の原稿を読み取ると次の原稿を読み取るか否かを確認する画面が表示されないように処理の設定が変更されるため、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに表示される画面数及び処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減る。
【0049】
上述した実施形態において、利用者の心理状態が特定の心理状態である場合には、処理を開始する契機となる操作が行われないまま第1時間が経過すると操作がなくても処理を開始するという設定が予め定められていても、操作が行われないまま、第1時間より短い第2時間が経過すると処理が開始されるように設定が変更されてもよい。例えば図8に示すプレビュー画面170には、タイムアウト時間が設定されている場合がある。プレビュー画面170においては、基本的には送信ボタン171を押す操作がファクシミリを送信する処理の契機となる。ただし、プレビュー画面170において何の操作も行われままタイムアウト時間が経過すると、プレビュー画面170において送信ボタン171が押されなくても、ファクシミリを送信する処理が実行される。例えばプレビュー画面170のタイムアウト時間が1分に設定されている場合、タイムアウト時間が1分よりも短い時間、例えば10秒に変更されてもよい。タイムアウト時間が10秒に変更されると、プレビュー画面170において何の操作も行われないまま10秒が経過すると、送信ボタン171が押されなくてもファクシミリを送信する処理が実行される。このように設定が変更されると、タイムアウト時間が短くなるため、変更前のタイムアウト時間に従って処理を実行する場合に比べて、ファクシミリの送信を指示する操作が行われないときに、ファクシミリ処理の実行が指示されてからファクシミリ処理が開始されるまでに要する時間が短くなる。この変形例によれば、予め定められた条件を変更せずに処理を実行する場合に比べて、処理を開始する契機となる操作が行われないときに処理が早く開始される。
【0050】
上述した実施形態において、利用者の心理状態が特定の心理状態である場合において、記録媒体に一のデータだけが記憶されているときは、記録媒体に記憶された少なくとも一のデータの中から一のデータを選択する操作を受け付ける画面を表示し、この画面がデータを選択する操作を受け付けたことを契機として処理を開始するという設定が予め定められていても、この画面を非表示にし、データを選択する操作がなくても記憶媒体に記憶された一のデータを用いて処理が開始されてもよい。例えばプリント機能には、USB(Universal Serial Bus)メモリに記憶されているデータをプリントする機能がある。USBメモリに記憶されているデータをプリントする場合、通常はUSBメモリに記憶されたデータの一覧を示す一覧画面が表示され、この一覧画面においてデータを選択する操作が行われると、選択されたデータがプリントされる。この場合、データを選択する操作がプリント処理を開始する契機となる。ここで、利用者の心理状態が特定の心理状態である場合において、USBメモリにデータが1つしか記憶されていないときは、この一覧画面を表示するように予め設定されていても、この一覧画面を表示しないように設定が変更されてもよい。この場合、データを選択する操作が行われなくても、USBメモリに記憶されたデータがプリントされる。このように設定が変更されると、予め定められた設定に従って処理が実行される場合に比べて、プリント処理が開始されるまでに表示される画面の遷移数が1つ減るとともに、プリント処理が開始されるまでに要する操作の手順が1つ減る。この変形例によれば、利用者の心理状態が特定の心理状態である場合において、USBメモリにデータが1つしか記憶されていないときは、USBメモリに記憶されたデータの一覧を示す一覧画面を表示するように予め設定されていても、この一覧画面を表示しないように設定が変更されるため、予め定められた条件に従って処理を実行する場合に比べて、処理が開始されるまでに表示される画面数及び処理が開始されるまでに要する操作の手順数が減る。
【0051】
上述した実施形態において、設定が変更される処理は、ファクシミリ処理に限定されない。例えばスキャン処理又はプリント処理の設定が変更されてもよい。スキャン処理又はプリント処理についても、処理の実行前にプレビュー画面を表示するという設定が予め定めれている場合がある。この場合、処理前にプレビュー画面を表示しないように設定が変更されてもよい。また、例えばスキャン処理又はプリント処理についても、一の原稿の読み取りが完了したときに次の原稿を読み取るか否かを確認するための画面を表示するという設定が予め定められている場合がある。この場合、この画面を表示しないように設定が変更されてもよい。さらに、例えばスキャン処理又はプリント処理についても、タイムアウト時間が設定されている場合がある。この場合、タイムアウト時間が短くなるように設定が変更されてもよい。
【0052】
上述した実施形態において、処理の条件は、実施形態において説明した例に限定されない。この条件は、処理について予め定められた条件であって変更することにより処理が完了するまでの時間が短縮されるような条件であれば、どのような条件であってもよい。例えばスキャン処理、プリント処理、又はファクシミリ処理において画像の解像度が予め定められている場合、この解像度が下げられてもよい。解像度を下げると、画像の読み取りに要する時間が短くなるため、これらの処理が完了するまでの時間が短くなる。さらに、プリント処理において一のページ画像を媒体の一の面に形成するという設定が予め定められている場合、複数のページ画像を媒体の一の面に形成するよう設定が変更されてもよい。複数のページ画像を媒体の一の面に形成すると、画像が形成される媒体の数が減るため、プリント処理が完了するまでの時間が短くなる。
【0053】
上述した実施形態において、利用者が特定の第1心理状態である場合には、確認画面160を表示し、確認画面160が受け付けた操作に応じて条件の変更を制御し、利用者が特定の第2心理状態である場合には、確認画面160を非表示にし、確認画面160が操作されなくても条件が変更されてもよい。例えば生体情報を解析することにより利用者が非常に急いでいると判定された場合には確認画面160を表示し、利用者が少し急いでいると判定された場合には確認画面160を表示しなくてもよい。例えば心拍数又は血圧が第1閾値以上であれば、利用者が非常に急いでいると判定され、心拍数又は血圧が第1閾値より小さい第2閾値以上であれば、利用者が少し急いでいると判定されてもよい。これにより、利用者が非常に急いでいる場合には、確認画面160が表示されないため、確認画面160を用いた操作を行わなくても処理が実行される。一方、利用者が少し急いでいる場合には、確認画面160が表示されるため、条件の変更を許可するか否かを利用者が決めることができる。従って、利用者の心理状態によって予め定められた条件の変更の許否を利用者に確認するか否かを変更することができる。
【0054】
上述した実施形態において、利用者の心理状態が特定の心理状態であるか否かを判定する時期は、処理の実行が指示された後に限定されない。例えば生体情報を取得した後の期間において、生体情報が取得される度に、利用者の心理状態が特定の心理状態であるか否かが判定されてもよい。この場合、この期間において利用者の心理状態が特定の心理状態であると少なくとも一回判定された場合には、ステップS16の判定がYESになってもよい。或いは、この期間において利用者の心理状態が特定の心理状態であると予め定めらえた回数以上判定され、又は予め定められた回数以上連続して判定された場合には、ステップS16の判定がYESになってもよい。
【0055】
上述した実施形態において、生体情報の取得は、必ずしもログインを契機として開始されなくてもよい。例えば、画像処理装置120においてアプリが起動されたことを契機に生体情報の取得が開始されてもよい。
【0056】
上述した実施形態において、画像処理装置120において利用者の認証が行われない場合、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120を使用するタイミングで画像処理装置120に最も近いウェアラブル端末110を検出し、検出したウェアラブル端末110とペアリングを行ってもよい。このタイミングは、例えば画像処理装置120が節電モードを有する場合には節電モードから復帰した時点であってもよいし、画像処理装置120の起動時であってもよい。また、この場合、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120を使用しなくなるタイミングでウェアラブル端末110とのペアリングを解除してもよい。このタイミングは、例えば画像処理装置120が節電モードを有する場合には節電モードに移行した時点であってもよい。
【0057】
上述した実施形態において、特定の心理状態は、急いでいる状態に限定されない。特定の心理状態は、焦っている、緊張している等、処理が完了するまでの時間が短くなることを望むような心理状態であれば、どのような状態であってもよい。また、生体情報は、心拍数又は血圧に限定されず、このような利用者の心理状態を示す生体情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0058】
上述した実施形態において、画像処理装置120に代えて他の処理装置が用いられてもよい。例えば処置装置は、家電、オーディオ機器、コンピュータ等のあらゆる情報処理装置が含まれてもよい。また、処理装置により行われる処理は、画像データを用いた処理に限定されない。処理装置により行われる処理は、データを用いて条件に従って行われる処理であれば、どのような処理であってもよい。
【0059】
上述した実施形態における画像処理システム100の処理の主体は例示であり、この例に限定されない。例えば画像処理装置120において行われる処理の少なくとも一部が他の装置において行われてもよい。例えば画像処理装置120と端末装置とが通信回線を介して接続されており、端末装置から画像処理装置120にプリント処理の指示が送信される場合がある。この場合、端末装置が、上述したステップS12~S20の処理を行ってもよい。また、上述した実施形態における画像処理システム100の処理は例示であり、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。
【0060】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0061】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0062】
本発明は、画像処理装置120及びウェアラブル端末110のそれぞれにおいて実行されるプログラムとして提供されてもよい。なお、画像処理装置120及びウェアラブル端末110は、それぞれ本発明に係るコンピュータの一例である。このプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよいし、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
100:画像処理システム、110:ウェアラブル端末、120:画像処理装置、121:プロセッサ、122:メモリ、123:通信部、124:操作部、125:表示部、126:画像読取部、127:画像形成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8