(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20240214BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20240214BHJP
【FI】
G06F21/62 318
G06F21/60 340
(21)【出願番号】P 2020028171
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 章
(72)【発明者】
【氏名】三野 浩一朗
(72)【発明者】
【氏名】河村 智
(72)【発明者】
【氏名】黒沢 明日香
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-164419(JP,A)
【文献】特開2016-106328(JP,A)
【文献】特開2014-127058(JP,A)
【文献】特開2004-030300(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0304851(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06F 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
該プロセッサは、
サービスに対して、管理者権限を有さないユーザ端末が管理者権限によるアクセスが必要である場合に、前記ユーザ端末の無線通信機能により、管理者権限を有する管理者端末を検索し、該管理者端末を特定し、
前記ユーザ端末が前記管理者端末から管理者権限を委譲された場合に、
他のユーザ端末から、前記管理者端末として前記サービスへのアクセスの依頼を受け付け、
前記ユーザ端末が前記管理者端末と無線通信が可能な範囲の外側に位置する場合には、該管理者端末から委譲された前記管理者権限を無効にする
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
該プロセッサは、
管理者権限を有する管理者端末を特定する必要がある場合に、管理者権限を有さないユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索し、該管理者端末を特定し、
ユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索した結果、前記管理者端末が特定できない場合は、他のユーザ端末を検索し、該他のユーザ端末を特定した場合に該他のユーザ端末に前記管理者端末の検索を依頼する
情報処理装置。
【請求項3】
前記他のユーザ端末が前記管理者端末を検索し、該管理者端末を特定できた場合に、前記他のユーザ端末を経由して、サービスへの管理者権限によるアクセスを該管理者端末に対して依頼する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理者端末を特定する必要がある場合は、
サービスに対して、前記ユーザ端末が前記管理者権限によるアクセスが必要である場合である
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理者権限によるアクセスが必要である場合は、
前記ユーザ端末の前記サービスに対する設定の確認及び変更の少なくとも一方を行う場合である
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記管理者端末を特定した場合に、該管理者端末を経由したサービスへの前記アクセスを、該管理者端末に対して依頼する
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記依頼により前記サービスにアクセスした前記管理者端末が該サービスから得た情報を取得し、
該情報を前記ユーザ端末の表示部に表示させる
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記管理者端末から管理者権限を委譲された場合は、次回から前記サービスへ直接アクセスさせる制御を、前記ユーザ端末に対して行う
請求項4~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザ端末が前記サービスに直接アクセス可能な範囲は、前記管理者端末が指定した範囲である
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記管理者端末から管理者権限を委譲された場合に、
他のユーザ端末から、前記管理者端末として前記サービスへのアクセスの依頼を受け付ける
請求項4~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
サービスに対して、管理者権限を有さないユーザ端末が管理者権限によるアクセスが必要である場合に、前記ユーザ端末の無線通信機能により、管理者権限を有する管理者端末を検索し、該管理者端末を特定し、
前記ユーザ端末が前記管理者端末から管理者権限を委譲された場合に、
他のユーザ端末から、前記管理者端末として前記サービスへのアクセスの依頼を受け付け、
前記ユーザ端末が前記管理者端末と無線通信が可能な範囲の外側に位置する場合には、該管理者端末から委譲された前記管理者権限を無効にする
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
管理者権限を有する管理者端末を特定する必要がある場合に、管理者権限を有さないユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索し、該管理者端末を特定
し、
ユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索した結果、前記管理者端末が特定できない場合は、他のユーザ端末を検索し、該他のユーザ端末を特定した場合に該他のユーザ端末に前記管理者端末の検索を依頼する
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1以上の機器と、機器使用制御装置とを含み、前記機器使用制御装置は、ユーザから機器の使用要求を受け付ける受付手段と、前記機器の使用が予め許可されているユーザを内部ユーザとして登録する登録手段と、前記受付手段で受け付けた前記使用要求を発した前記ユーザが前記登録手段に登録された前記内部ユーザ以外のユーザである外部ユーザである場合に、前記機器の使用を許可する情報として特定の内部ユーザを介して発行された許可情報を受け付けたことを条件に、前記外部ユーザによる前記機器の使用を許可する許可手段と、を含む、機器使用制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザ端末がサービスに対して管理者権限によるアクセスが必要である場合では、ユーザ端末の周囲にいる管理者を探し出したい場合がある。
【0005】
本発明は、ユーザ端末の周囲にいる管理者を探し出すことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、プロセッサを備え、該プロセッサは、管理者権限を有する管理者端末を特定する必要がある場合に、管理者権限を有さないユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索し、該管理者端末を特定する。
【0007】
第2態様では、前記管理者端末を特定する必要がある場合は、サービスに対して、前記ユーザ端末が前記管理者権限によるアクセスが必要である場合である。
【0008】
第3態様では、前記管理者権限によるアクセスが必要である場合は、前記ユーザ端末の前記サービスに対する設定の確認及び変更の少なくとも一方を行う場合である。
【0009】
第4態様では、前記プロセッサは、前記管理者端末を特定した場合に、該管理者端末を経由したサービスへの前記アクセスを、該管理者端末に対して依頼する。
【0010】
第5態様では、前記プロセッサは、前記依頼により前記サービスにアクセスした前記管理者端末が該サービスから得た情報を取得し、該情報を前記ユーザ端末の表示部に表示させる。
【0011】
第6態様では、前記プロセッサは、前記管理者端末から管理者権限を委譲された場合は、次回から前記サービスへ直接アクセスさせる制御を、前記ユーザ端末に対して行う。
【0012】
第7態様では、前記ユーザ端末が前記サービスに直接アクセス可能な範囲は、前記管理者端末が指定した範囲である。
【0013】
第8態様では、前記プロセッサは、前記管理者端末から管理者権限を委譲された場合に、他のユーザ端末から、前記管理者端末として前記サービスへのアクセスの依頼を受け付ける。
【0014】
第9態様では、前記プロセッサは、前記ユーザ端末が前記管理者端末と無線通信が可能な範囲の外側に位置する場合は、該管理者端末から委譲された前記管理者権限が無効となる。
【0015】
第10態様では、前記プロセッサは、ユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索した結果、前記管理者端末が特定できない場合は、他のユーザ端末を検索し、該他のユーザ端末を特定した場合に該他のユーザ端末に前記管理者端末の検索を依頼する。
【0016】
第11態様では、前記他のユーザ端末が前記管理者端末を検索し、該管理者端末を特定できた場合に、前記他のユーザ端末を経由して、サービスへの管理者権限によるアクセスを該管理者端末に対して依頼する。
【0017】
第12態様は、コンピュータに、管理者権限を有する管理者端末を特定する必要がある場合に、管理者権限を有さないユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索し、該管理者端末を特定する処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
第1態様及び第12態様の構成によれば、ユーザ端末の周囲にいる管理者を探し出すことができる。
【0019】
第2態様の構成によれば、ユーザが管理者端末の特定を指示する操作をしなくても、管理者端末を特定できる。
【0020】
第3態様の構成によれば、ユーザ端末のサービスに対する設定の確認及び変更の少なくとも一方を行える管理者端末を特定できる。
【0021】
第4態様の構成によれば、管理者権限を委譲することを依頼する構成に比べ、ユーザ端末に権限を与え過ぎてしまうことを抑制できる。
【0022】
第5態様の構成によれば、サービスにアクセスした管理者端末がサービスから得た情報を、ユーザ端末の表示部に表示できない構成に比べ、ユーザの利便性が向上する。
【0023】
第6態様の構成によれば、管理者端末から管理者権限を委譲された場合にも、管理者端末を経由しなければサービスへアクセスできない構成に比べ、ユーザの利便性が向上する。
【0024】
第7態様の構成によれば、管理者端末が指定した範囲を超えて、サービスに直接アクセス可能である構成に比べ、ユーザ端末に権限を与え過ぎてしまうことを抑制できる。
【0025】
第8態様の構成によれば、管理者端末から管理者権限を委譲された場合にも、ユーザ端末としてしか機能しない構成に比べ、他のユーザ端末のユーザの利便性が向上する。
【0026】
第9態様の構成によれば、ユーザ端末が管理者端末と無線通信が可能な範囲の外側に位置する場合に、管理者端末から委譲された管理者権限が有効である構成に比べ、ユーザ端末に権限を与え過ぎてしまうことを抑制できる。
【0027】
第10態様の構成によれば、ユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索した結果、前記管理者端末が特定できない場合に処理を終了する構成に比べ、他のユーザ端末の周囲に存在する管理者端末を特定することができる。
【0028】
第11態様の構成によれば、管理者端末を特定する処理のみ可能である構成に比べ、ユーザ端末のユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態に係る情報処理システムの構成の変形例を示す概略図である。
【
図3】第1実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係るユーザ端末の情報処理装置によって実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態に係るユーザ端末による一般ユーザ権限での提供サービスへのアクセスが拒否された状態を示す概略図である。
【
図7】第1実施形態に係るユーザ端末が管理者端末を検索する状態を示す概略図である。
【
図8】第1実施形態に係るユーザ端末が管理者端末へ提供サービスへのアクセスを依頼する状態を示す概略図である。
【
図9】第2実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2実施形態に係るユーザ端末の情報処理装置によって実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態に係るユーザ端末が、管理者端末を経由せずに、提供サービスにアクセスする状態を示す概略図である。
【
図12】第2実施形態に係るユーザ端末が管理者端末と無線通信が可能な範囲外に位置することで、管理者権限が無効となった状態を示す概略図である。
【
図13】第2実施形態に係るユーザ端末が管理者端末として機能する場合の情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係るユーザ端末が管理者端末ではないと回答する状態を示す概略図である。
【
図15】第2実施形態に係るユーザ端末が管理者端末であると回答する状態を示す概略図である。
【
図16】第2実施形態に係るユーザ端末が管理者端末として、提供サービスに対してアクセスする状態を示す概略図である。
【
図17】第3実施形態に係るユーザ端末の情報処理装置によって実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図18】第3実施形態に係るユーザ端末が他のユーザ端末を検索する状態を示す概略図である。
【
図19】第3実施形態に係るユーザ端末が他のユーザ端末を経由して管理者端末へ提供サービスへのアクセスを依頼する状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
《第1実施形態》
(情報処理システム10)
まず、本実施形態に係る情報処理システム10の構成の一例を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を示す概略図である。
【0031】
情報処理システム10は、情報を処理するシステムであって、
図1に示されるように、提供装置12と、ユーザ端末14と、管理者端末16と、を備えている。以下、提供装置12、ユーザ端末14、及び管理者端末16の具体的な構成について説明する。
【0032】
なお、
図1では、提供装置12、ユーザ端末14及び管理者端末16を、それぞれ、1つ図示しているが、提供装置12、ユーザ端末14及び管理者端末16の個数に制限はない。
【0033】
(提供装置12)
図1に示される提供装置12は、ユーザに対してサービスを提供する装置である。具体的には、提供装置12は、一例として、ユーザが指示した処理を実行するサービスを提供する装置である。換言すれば、提供装置12は、一例として、ユーザが指示した処理を実行する実行装置である。さらに具体的には、提供装置12は、ユーザが指示したコピー、ファックス、スキャン、プリントなどの各種処理を実行する複合機である。以下、提供装置12が提供するサービスを「提供サービス」という。
【0034】
なお、提供装置12としては、複合機に限られず、例えば、プリント処理を実行するプリンターなどであってもよく、複合機以外の画像形成装置を用いてもよい。また、提供装置12としては、画像形成装置に限られず、パーソナルコンピュータなどであってもよく、画像形成装置以外の提供装置を用いてもよい。
【0035】
本実施形態では、提供装置12は、ワイファイ、及びブルートゥース(登録商標)などの無線通信機能により、予め定められた距離の範囲内において、ユーザ端末14及び管理者端末16の各々と、通信が可能とされている。
【0036】
(管理者端末16)
図1に示される管理者端末16は、管理者権限を有する端末である。すなわち、管理者端末16は、管理者権限を有する管理者によって利用される端末である。具体的には、管理者端末16には、一例として、管理者が持ち運び可能な機器が用いられる。さらに具体的には、管理者端末16には、例えば、タブレット型コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などが用いられる。なお、管理者端末16としては、管理者が持ち運び可能な機器に限られず、例えば、据え置き型のパーソナルコンピュータなどあってもよく、種々の機器を用いることが可能である。
【0037】
管理者端末16は、提供装置12及びユーザ端末14の各々と、ワイファイ及びブルートゥース(登録商標)などの無線通信機能により、予め定められた距離の範囲内において、通信が可能とされている。
【0038】
また、管理者端末16は、自身が、管理者権限を有する端末である情報を有している。すなわち、管理者端末16において、自身が管理者権限を有する端末であることが既知となっている。
【0039】
本実施形態では、具体的には、例えば、管理者端末16に登録されているアカウント情報(すなわち、ユーザID及びパスワード)が、管理者アカウントである場合に、管理者端末16は、自身が管理者権限を有する端末であることを認識する。
【0040】
管理者端末16に登録されているアカウント情報が管理者アカウントであることは、一例として、提供装置12から承認を得ることで管理者端末16が認識する。なお、アカウント情報が、管理者アカウントとして、管理者端末16に登録された場合に、管理者端末16が、管理者アカウントであると認識してもよい。
【0041】
また、アカウント情報が、
図2に示されるように、サーバ装置等の外部装置18に登録(すなわち保存)されている場合には、管理者端末16は、外部装置18に登録されたアカウント情報を参照する。
【0042】
(ユーザ端末14)
図1に示されるユーザ端末14は、管理者権限を有さない端末である。すなわち、ユーザ端末14は、管理者権限を有さないユーザ(以下、「一般ユーザ」という)によって利用される端末である。換言すれば、ユーザ端末14は、一般ユーザの権限(以下、「一般ユーザ権限」という)の範囲内で、利用可能な端末である。
【0043】
具体的には、ユーザ端末14には、例えば、一般ユーザが持ち運び可能な機器が用いられる。さらに具体的には、ユーザ端末14には、例えば、タブレット型コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などが用いられる。なお、ユーザ端末14としては、一般ユーザが持ち運び可能な機器に限られず、例えば、据え置き型のパーソナルコンピュータなどあってもよく、種々の機器を用いることが可能である。
【0044】
ユーザ端末14は、自身が、管理者権限を有さない一般ユーザの端末である情報を有している。すなわち、ユーザ端末14において、自身が管理者権限を有さない端末であることが既知となっている。
【0045】
本実施形態では、具体的には、例えば、ユーザ端末14に登録されているアカウント情報(すなわち、ユーザID及びパスワード)が、一般ユーザのアカウントである場合に、又は、管理者アカウントではない場合に、ユーザ端末14は、自身が管理者権限を有さない端末であることを認識する。
【0046】
また、アカウント情報が、
図2に示されるように、サーバ装置等の外部装置18に登録(すなわち保存)されている場合には、ユーザ端末14は、外部装置18に登録されたアカウント情報を参照する。
【0047】
図3には、ユーザ端末14のハードウェア構成を示すブロック図が示されている。ユーザ端末14は、表示部57と、情報処理装置50と、を有している。情報処理装置50は、コンピュータとしての機能を備え、
図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、通信インタフェース55を有している。表示部57及び情報処理装置50の各部は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0048】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラムを含む各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。
【0049】
ROM52は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶部により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0050】
通信インタフェース55は、提供装置12及び管理者端末16等の他の機器と通信するためのインタフェース(通信部)である。ユーザ端末14は、通信インタフェース55を介して、提供装置12及び管理者端末16の各々と、ワイファイ及びブルートゥース(登録商標)などの無線通信機能により、予め定められた距離の範囲内において、通信が可能とされている。なお、
図1では、ユーザ端末14の無線通信が可能な範囲の一例を一点鎖線14Rで示している。
【0051】
情報処理装置50では、上記のプログラムを実行する際に、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。以下、情報処理装置50が実現する機能構成について説明する。
図4は、情報処理装置50の機能構成の例を示すブロック図である。
【0052】
図4に示されるように、情報処理装置50は、機能構成として、アクセス制御部50Xと、特定部50Aと、依頼部50Bと、取得部50Cと、表示制御部50Dと、を有している。各機能構成は、CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された情報処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0053】
アクセス制御部50Xは、一般ユーザの指示により、提供サービスにアクセスさせる制御をユーザ端末14に対して行う。該アクセスは、一般ユーザ権限の範囲内におけるアクセスである。提供サービスへのアクセスには、例えば、提供装置12に対して処理の実行を指示するためのアクセスが含まれる。
【0054】
特定部50Aは、管理者端末16を特定する必要がある場合に、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索し、管理者端末16を特定する。管理者端末16を特定する必要がある場合は、具体的には、提供サービスに対してユーザ端末14が管理者権限によるアクセスが必要である場合である。換言すれば、管理者端末16を特定する必要がある場合は、一般ユーザ権限によるアクセスができなかった場合であるともいえる。さらに、管理者権限によるアクセスが必要である場合は、具体的には、ユーザ端末14の提供サービスに対する設定の確認及び変更の少なくとも一方を行う場合である。
【0055】
依頼部50Bは、特定部50Aが管理者端末16を特定した場合に、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスを、管理者端末16に対して依頼する。本実施形態では、該依頼を受け付けた管理者端末16によって、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスが行われる。
【0056】
取得部50Cは、依頼部50Bの依頼により、提供サービスにアクセスした管理者端末16が提供サービスから得た情報を取得する。本実施形態では、提供サービスにアクセスした管理者端末16が提供サービスから得た情報が、管理者端末16からユーザ端末14へ送信される。
【0057】
表示制御部50Dは、取得部50Cが取得した情報をユーザ端末14の表示部57に表示させる。換言すれば、情報処理装置50は、取得部50Cが取得した情報を一般ユーザへ提示する処理を行う。
【0058】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態の作用の一例について説明する。
図5は、情報処理装置50によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
本処理は、CPU51がROM52又はストレージ54から情報処理プログラムを読み出して実行することにより行なわれる。本処理は、一例として、
図6に示されるように、ユーザ端末14による一般ユーザ権限での提供装置12(提供サービス)へのアクセスが拒否された場合に実行が開始される。また、本処理は、例えば、ユーザ端末14による一般ユーザ権限での提供装置12への処理の実行指示が拒否された場合に実行が開始されてもよい。
【0060】
図5に示されるように、まず、CPU51は、提供サービスに対してユーザ端末14が管理者権限によるアクセスが必要である否かを判断する(ステップS102)。当該アクセスは、一例として、提供サービスに対する設定の確認のためのアクセスとされる。
【0061】
CPU51は、管理者権限によるアクセスが必要であると判断した場合に(ステップS102:YES)、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索する(ステップS104)。一方、CPU51は、管理者権限によるアクセスが必要ないと判断した場合は(ステップS102:NO)、本処理を終了する。
【0062】
CPU51は、ステップS104における検索の結果、管理者端末16を発見したか否かを判断する(ステップS106)。
【0063】
CPU51は、管理者端末16を発見したと判断した場合に(ステップS106:YES)、該端末を管理者端末16として特定する(ステップS108)。具体的には、CPU51は、
図7に示されるように、ユーザ端末14の無線通信機能により、管理者端末16及び他のユーザ端末14を含む端末を検索し、該端末を発見したら管理者端末16であるか否かを該端末へ問い合わせる。CPU51は、該端末が管理者端末16であった場合に、該端末を該管理者端末16として特定する。
【0064】
一方、CPU51は、管理者端末16を発見しなかったと判断した場合は(ステップS106:NO)、本処理を終了する。
【0065】
CPU51は、ステップS108にて管理者端末16を特定した場合に、
図8に示されるように、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスを、管理者端末16に対して依頼する(ステップS110)。このとき、CPU51は、アクセス対象の提供装置12、提供装置12におけるアクセス対象(提供サービス)、及びアクセスするユーザ端末14等の依頼情報を、管理者端末16に提供する。
【0066】
管理者端末16において該依頼が承認され、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスが行われる。具体的には、管理者端末16では、該依頼を受け付けると、ユーザ端末14のCPU51から提供された依頼情報と、依頼を承認するか否かを管理者に問い合わせる画面とを、管理者端末16の表示部に表示することで管理者に提示する。そして、管理者が該依頼を承認すると、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスが行われる。
【0067】
なお、管理者は、該依頼の承認の際に、次回以降に該ユーザ端末14から同じ依頼があった場合における該依頼に対しても承認することが可能となっていてもよい。該承認が行われた場合では、次回以降に該ユーザ端末14から同じ依頼があった場合に、管理者の承認を行わずに、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスが行われる。また、管理者は、該依頼の承認の際に、次回以降に該ユーザ端末14及び他のユーザ端末14から同じ依頼があった場合における該依頼に対しても承認することが可能となっていてもよい。該承認が行われた場合では、次回以降に該ユーザ端末14及び他のユーザ端末14から同じ依頼があった場合に、管理者の承認を行わずに、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスが行われる。
【0068】
次に、CPU51は、依頼により提供サービスにアクセスした管理者端末16が提供サービスから得た情報を取得する(ステップS112)。具体的には、CPU51は、管理者端末16が提供サービスから得た、設定情報等の情報を取得する。
【0069】
次に、CPU51は、管理者端末16から取得した情報をユーザ端末14の表示部57に表示させる(ステップS114)。これにより、一般ユーザが、表示部57を視認することで、ユーザ端末14の提供サービスに対する設定の確認がなされる。
【0070】
なお、ユーザ端末14から管理者端末16を介して、提供サービスに対する設定が変更可能な構成であってもよい。
【0071】
以上のように、本実施形態では、CPU51は、管理者端末16を特定する必要がある場合に、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索し、管理者端末16を特定する。これにより、ユーザ端末14の周囲にある管理者端末16を介して、管理者端末16を利用する管理者を探し出すことが可能となる。このように、本実施形態の構成によれば、ユーザ端末14の周囲にいる管理者を探し出すことが可能となる。
【0072】
また、本実施形態では、管理者端末16を特定する必要がある場合は、具体的には、提供サービスに対してユーザ端末14が管理者権限によるアクセスが必要である場合である。すなわち、本実施形態では、提供サービスに対してユーザ端末14が管理者権限によるアクセスが必要である場合に、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索し、管理者端末16を特定する。このため、一般ユーザが管理者端末16の特定を指示する操作をしなくても、管理者端末16の特定が可能となる。すなわち、本実施形態では、提供サービスに対してユーザ端末14が管理者権限によるアクセスが必要である場合に、自動的に、管理者端末16が特定される。
【0073】
また、本実施形態では、CPU51は、管理者端末16を特定した場合に、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスを、管理者端末16に対して依頼する。このため、管理者権限を委譲することを依頼する構成に比べ、ユーザ端末14に権限を与え過ぎてしまうことが抑制される。
【0074】
さらに、本実施形態では、CPU51は、依頼により、提供サービスにアクセスした管理者端末16が提供サービスから得た情報を取得し、該情報をユーザ端末14の表示部57に表示させる。このため、提供サービスにアクセスした管理者端末16が提供サービスから得た情報を、ユーザ端末14の表示部57に表示できない構成に比べ、ユーザの利便性が向上する。
【0075】
(変形例)
上記実施形態では、管理者端末16を特定する必要がある場合は、具体的には、提供サービスに対してユーザ端末14が管理者権限によるアクセスが必要である場合であったが、これに限られない。例えば、管理者端末16を特定する必要がある場合は、ユーザが管理者端末の特定を指示する場合であってもよい。すなわち、ユーザが管理者端末を特定することを指示した場合に、管理者権限を有さないユーザ端末の無線通信機能により該管理者端末を検索し、該管理者端末を特定してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、管理者権限によるアクセスが必要である場合は、ユーザ端末14の提供サービスに対する設定の確認及び変更の少なくとも一方を行う場合を例に挙げたが、これに限られない。例えば、管理者権限によるアクセスが必要である場合は、管理者権限による処理の実行指示が必要な場合であってもよい。
【0077】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0078】
上記の第1実施形態では、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスが管理者端末16に対して依頼された際に、管理者端末16から管理者権限は委譲されなかったが、管理者端末16からユーザ端末14へ管理者権限が委譲される構成であってもよい。すなわち、第2実施形態では、管理者端末16を経由した提供サービスへのアクセスを、ユーザ端末14から管理者端末16が依頼された場合に、管理者端末16は、例えば、ユーザ端末14へ管理者権限の委譲が可能となっている。このとき、管理者端末16において管理者権限の委譲の範囲を指定することが可能となっている。具体的には、管理者端末16では、例えば、ユーザ端末14の提供サービスに対する設定の確認について管理者権限を委譲したり、該設定の確認に加えて該設定の変更について管理者権限を委譲したりすることなどが可能となっている。
【0079】
第2実施形態では、さらに具体的には、
図9に示されるように、情報処理装置50は、機能構成として、アクセス制御部50Xと、特定部50Aと、依頼部50Bと、取得部50Cと、表示制御部50Dと、受付部50Eと、を有している。
【0080】
アクセス制御部50Xは、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合は、次回から提供サービスへ直接アクセスさせる制御を、ユーザ端末14に対して行う。
【0081】
このとき、ユーザ端末14が提供サービスに直接アクセス可能な範囲は、管理者端末16が指定した範囲である。ユーザ端末14が提供サービスに直接アクセス可能な範囲は、管理者端末16に依頼した範囲としてもよい。例えば、管理者端末16は、提供サービスにおける設定の確認について、ユーザ端末14から依頼を受けた場合には、提供サービスにおける設定の確認について管理者権限を委譲し、設定の変更については、管理者権限を委譲しないようにすることが可能である。
【0082】
また、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲外に位置する場合は、管理者端末16から委譲された管理者権限が無効となる。換言すれば、アクセス制御部50Xは、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合に、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲外に位置する場合は、提供サービスへ直接アクセスさせることを禁止する制御を、ユーザ端末14に対して行う。
【0083】
受付部50Eは、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合に、他のユーザ端末から、管理者端末16として提供サービスへのアクセスの依頼を受け付ける。
【0084】
また、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲外に位置する場合は、管理者端末16から委譲された管理者権限が無効となる。換言すれば、受付部50Eは、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合に、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲外に位置する場合は、他のユーザ端末から、管理者端末16として提供サービスへのアクセスの依頼を受け付けることを禁止する。
【0085】
次に、第2実施形態に係る作用を説明する。
【0086】
図10に示されるように、本実施形態では、ステップS114の後、CPU51は、管理者端末16から管理者権限を委譲されたか否かを判断する(ステップS122)。CPU51は、管理者端末16から管理者権限を委譲されたと判断した場合に(ステップS122:YES)、管理者権限に関する情報を登録する(ステップS124)。管理者権限に関する情報は、管理者権限を保持している旨、及び管理者権限の範囲の情報である。管理者権限の範囲は、ユーザ端末14が提供サービスに直接アクセス可能な範囲であり、該範囲は、管理者端末16が指定した範囲となる。
【0087】
一方、CPU51は、管理者端末16から管理者権限を委譲されていないと判断した場合は(ステップS122:NO)、本処理を終了する。
【0088】
そして、CPU51は、管理者権限に関する情報を登録することで(ステップS124)、次回から提供サービスへ直接アクセスさせる制御を、ユーザ端末14に対して行う。これにより、ユーザ端末14は、
図11に示されるように、管理者端末16を経由せずに、提供サービスに対してアクセスされる。
【0089】
また、CPU51は、
図12に示されるように、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲外に位置する場合は、管理者端末16から委譲された管理者権限を無効とする。換言すれば、CPU51は、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合に、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲外に位置する場合は、提供サービスへ直接アクセスさせることを禁止する制御を、ユーザ端末14に対して行う。なお、例えば、ユーザ端末14が管理者端末16に対して無線通信を行い、管理者端末16からの応答がある否かによって、無線通信が可能な範囲外に管理者端末16が位置するか否かを検出する。
【0090】
さらに、本実施形態では、管理者権限が委譲されたユーザ端末14は、他のユーザ端末14に対して管理者端末16として機能する。具体的には、
図13のフローチャートに示されるように、情報処理装置50によって処理が実行される。本処理は、一例として、他のユーザ端末14から、管理者端末16であるか否かの問い合わせを受け付けた場合に実行される。
【0091】
図13に示されるように、まず、CPU51は、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲の外側に位置するか否かを判断する(ステップS202)。CPU51が、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲の外側に位置すると判断した場合は(ステップS202:YES)、
図14に示されるように、問い合わせを受けたユーザ端末14に対して、管理者端末16ではないと回答し(ステップS204)、本処理を終了する。換言すれば、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲の外側に位置すると判断した場合には、管理者端末16から委譲された管理者権限が無効となる。なお、
図14では、管理者権限が委譲されたユーザ端末14をユーザ端末14(A)として図示している。
【0092】
一方、CPU51が、ユーザ端末14が管理者端末16と無線通信が可能な範囲の内側に位置すると判断した場合は(ステップS202:NO)、
図15に示されるように、問い合わせを受けたユーザ端末14に対して、管理者端末16であると回答する(ステップS206)。
【0093】
次に、CPU51は、他のユーザ端末14から、管理者端末として提供サービスへのアクセスの依頼を受け付け(ステップS208)、本処理を終了する。CPU51は、他のユーザ端末14から該依頼を受け付けると(ステップS208)、
図16に示されるように、提供サービスへのアクセスが行われる。
【0094】
以上のように、本実施形態では、CPU51は、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合は、次回から提供サービスへ直接アクセスさせる制御を、ユーザ端末14に対して行う。
【0095】
このため、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合にも、管理者端末16を経由しなければ提供サービスへアクセスできない構成に比べ、ユーザの利便性が向上する。
【0096】
また、本実施形態では、ユーザ端末14が提供サービスに直接アクセス可能な範囲は、管理者端末16が指定した範囲である。すなわち、管理者端末16から管理者権限を委譲されたユーザ端末14は、管理者端末16が指定した範囲において、提供サービスに直接アクセスが可能となる。
【0097】
このため、管理者端末16が指定した範囲を超えて、提供サービスに直接アクセス可能である構成に比べ、ユーザ端末14に権限を与え過ぎてしまうことが抑制される。
【0098】
また、本実施形態では、管理者権限が委譲されたユーザ端末14は、他のユーザ端末14に対して管理者端末16として機能する。
【0099】
このため、管理者端末16から管理者権限を委譲された場合にも、ユーザ端末14としてしか機能しない構成に比べ、他のユーザ端末14のユーザの利便性が向上する。
【0100】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0101】
上記の第1実施形態では、CPU51は、管理者端末16を発見しなかったと判断した場合は(ステップS106:NO)、本処理を終了していたが、これに限られない。第3実施形態では、他のユーザ端末14を利用して管理者端末16を検索する構成とされる。
【0102】
具体的には、第3実施形態では、特定部50Aは、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索した結果、管理者端末16が特定できない場合は、他のユーザ端末14を検索し、該他のユーザ端末14を特定する。
【0103】
依頼部50Bは、該他のユーザ端末14を特定した場合に、該他のユーザ端末14に管理者端末16の検索を依頼する。
【0104】
さらに、依頼部50Bは、該他のユーザ端末14が管理者端末16を検索し、管理者端末16を特定できた場合に、他のユーザ端末14を経由して、提供サービスへの管理者権限によるアクセスを管理者端末16に対して依頼する。
【0105】
次に、第3実施形態に係る作用を説明する。
【0106】
図17に示されるように、CPU51は、管理者端末16を発見しなかったと判断した場合に(ステップS106:NO)、他のユーザ端末14を検索する(ステップS302)。
【0107】
CPU51は、ステップS302における検索の結果、他のユーザ端末14を発見したか否かを判断する(ステップS304)。
【0108】
CPU51は、他のユーザ端末14を発見したと判断した場合に(ステップS304:YES)、該端末を他のユーザ端末14として特定する(ステップS306)。具体的には、CPU51は、ユーザ端末14の無線通信機能により、管理者端末16及び他のユーザ端末14を含む端末を検索し、
図18に示されるように、該端末を発見したらユーザ端末14であるか否かを該端末へ問い合わせる。CPU51は、該端末がユーザ端末14であった場合に、該端末を他のユーザ端末14として特定する。なお、
図18では、他のユーザ端末14をユーザ端末14(B)として図示している。
【0109】
一方、CPU51は、他のユーザ端末14を発見しなかったと判断した場合は(ステップS304:NO)、本処理を終了する。
【0110】
CPU51は、ステップS306にて他のユーザ端末14を特定した場合に、他のユーザ端末14に対して、管理者端末16の検索を依頼する(ステップS308)。
【0111】
次に、CPU51は、該他のユーザ端末14が管理者端末16を検索した結果、管理者端末16を特定できたか否かを判断する(ステップS310)。CPU51は、該他のユーザ端末14が管理者端末16を検索した結果、管理者端末16を特定できたと判断した場合に(ステップS310:YES)、
図19に示されるように、他のユーザ端末14を経由して、提供サービスへの管理者権限によるアクセスを管理者端末16に対して依頼する(ステップS312)。
【0112】
CPU51は、該他のユーザ端末14が管理者端末16を検索した結果、管理者端末16を特定できなかったと判断した場合に(ステップS310:NO)、本処理を終了する。
【0113】
以上のように、本実施形態では、CPU51は、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索した結果、管理者端末16が特定できない場合は、他のユーザ端末14を検索し、他のユーザ端末14を特定した場合に、他のユーザ端末14に管理者端末16の検索を依頼する。
【0114】
このため、ユーザ端末14の無線通信機能により管理者端末16を検索した結果、管理者端末16が特定できない場合に処理を終了する構成に比べ、他のユーザ端末14の周囲に存在する管理者端末16を特定することが可能となる。
【0115】
また、本実施形態では、CPU51は、該他のユーザ端末14が管理者端末16を検索し、管理者端末16を特定できた場合に、他のユーザ端末14を経由して、提供サービスへの管理者権限によるアクセスを管理者端末16に対して依頼する。
【0116】
このため、管理者端末16を特定する処理のみ可能である構成比べ、ユーザ端末14のユーザの利便性が向上する。
【0117】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0118】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、前述のCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0119】
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0120】
10 情報処理システム
12 提供装置
14 ユーザ端末
16 管理者端末
18 外部装置
50 情報処理装置
50A 特定部
50B 依頼部
50C 取得部
50D 表示制御部
50E 受付部
50X アクセス制御部
51 CPU(プロセッサの一例)
54 ストレージ
55 通信インタフェース
57 表示部
59 バス