(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】サンルーフ装置
(51)【国際特許分類】
B60J 7/02 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B60J7/02 Z
(21)【出願番号】P 2020038399
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】淺野 太紀
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-096741(JP,A)
【文献】特開平06-336117(JP,A)
【文献】特開2001-039166(JP,A)
【文献】特開2013-226963(JP,A)
【文献】実開平03-108557(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフ開口部に設けられた可動パネルと、
車両前後方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って摺動する摺動部材と、
前記摺動部材の動作に基づいて前記ガイドレールの上方に支持する前記可動パネルを開閉動作させる支持部材と、
車幅方向に離間して設けられた左右一対の前記ガイドレールの長手方向端部間を接続するハウジング部材と、
前記ガイドレールの長手方向に沿って延びる縦壁部を有して前記ガイドレールに固定されるサイドカバーと、
前記サイドカバーの縦壁部に連続して前記ハウジング部材に設けられた接続壁と、
を備え
、
前記ガイドレールは、該ガイドレールの長手方向に並ぶ複数の係合孔を備え、
前記サイドカバーは、前記係合孔に係合する複数の係合爪を備えるとともに、
前記各係合孔に対して前記各係合爪が挿入される取着位置と、
前記ガイドレールの長手方向に沿って前記取着位置よりも前記ハウジング部材に近接する方向に移動した係合位置と、を有し、
前記各係合孔内に挿入された前記各係合爪が前記係合位置において前記各係合孔の縁部に係合することにより前記ガイドレールに固定されるものであるサンルーフ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサンルーフ装置において、
前記ガイドレールと前記ハウジング部材との接続部に配置される前記縦壁部の長手方向端部には、前記係合位置において前記ハウジング部材に係合する係合突部が設けられること、を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のサンルーフ装置において、
前記係合突部は、前記接続壁と車幅方向に重複して配置されるとともに、
前記ハウジング部材には、前記係合突部と係合することにより該係合突部を車幅方向に押圧して前記縦壁部の長手方向端部を前記接続壁に近接させる押圧突部が設けられること、を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のサンルーフ装置において、
前記各係合孔の少なくとも何れか一つには、該係合孔に係合する前記係合爪を案内して該係合爪の車幅方向位置を規定することにより、前記係合突部が前記押圧突部に係合する車幅方向位置に、前記係合突部が設けられた前記縦壁部の長手方向端部を誘導するガイド面が設けられること、を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のサンルーフ装置において、
前記各係合孔のうち、前記ガイド面を有した位置決め係合孔は、該位置決め係合孔以外の前記係合孔に対し、前記押圧突部が前記係合突部を押圧する方向とは反対側にずれた車幅方向位置に設けられること、を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項6】
請求項3~請求項5の何れか一項に記載のサンルーフ装置において、
前記サイドカバーは、前記取着位置から前記係合位置に移動することにより、前記係合突部と前記押圧突部との係合力、及び前記各係合爪と前記各係合孔との係合力に基づいて、長手方向全長に亘って車幅方向に撓むように構成されること、
を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項7】
請求項2~請求項6の何れか一項に記載のサンルーフ装置において、
前記取着位置から前記係合位置に向かう前記サイドカバーの移動を許容するとともに前記係合位置に移動した前記サイドカバーの前記取着位置に向かう移動を規制するストッパ機構を備えること、を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか一項に記載のサンルーフ装置において、
車室側に臨む前記縦壁部の内壁面と前記接続壁の内壁面とが面一に設けられること、を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか一項に記載のサンルーフ装置において、
前記ハウジング部材は、車幅方向に沿って延びる縦壁部を有するとともに、
前記接続壁は、車幅方向内側に湾曲して前記ハウジング部材の縦壁部に連続すること、
を特徴とするサンルーフ装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか一項に記載のサンルーフ装置において、
前記ハウジング部材は、左右一対の前記ガイドレールの前端部間を連結するフロントハウジングであること、を特徴とするサンルーフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンルーフ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のサンルーフ装置には、車両前後方向に延びるガイドレールと、このガイドレールの長手方向に沿って摺動する摺動部材と、この摺動部材の動作に基づいて上方に支持する可動パネルを開閉動作させる支持部材と、を備えたものがある。また、例えば、特許文献1に記載のサンルーフ装置は、車幅方向に離間して設けられた左右一対のガイドレール間を接続するフロントハウジングを備えている。そして、このフロントハウジングに設けられたアクチュエータの駆動力に基づいて、その可動パネルを開閉動作させる構成となっている。
【0003】
また、車室内からルーフ開口部を見た場合に、このルーフ開口部が形成されたボディの内側面が見えることで質感が損なわれるおそれがある。そこで、ルーフ開口部の下方に設けられたガイドレール上に、その長手方向に沿って延びる縦壁部を有したサイドカバーを立設する。そして、これらのサイドカバー及びフロントハウジングによって、その車室内からルーフ開口部の周縁を眺める乗員の視線を遮ることにより、このルーフ開口部が設けられたボディの内側面を見え難くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、左右のガイドレール間を接続するハウジング部材は、多くの場合、そのガイドレールとの接続部位が湾曲したコーナー形状となっている。このため、そのガイドレールに設けられたサイドカバーの縦壁部との間に隙間が形成されやすいという問題がある。そして、この隙間を介してボディの内側面が見えてしまうことで、その質感が低下するおそれがあることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、質感の高いサンルーフ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するサンルーフ装置は、車両のルーフ開口部に設けられた可動パネルと、車両前後方向に延びるガイドレールと、前記ガイドレールの長手方向に沿って摺動する摺動部材と、前記摺動部材の動作に基づいて前記ガイドレールの上方に支持する前記可動パネルを開閉動作させる支持部材と、車幅方向に離間して設けられた左右一対の前記ガイドレールの長手方向端部間を接続するハウジング部材と、前記ガイドレールの長手方向に沿って延びる縦壁部を有して前記ガイドレールに固定されるサイドカバーと、前記サイドカバーの縦壁部に連続して前記ハウジング部材に設けられた接続壁と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、ガイドレールとハウジング部材との接続部において、そのガイドレールに設けられたサイドカバーの縦壁部とハウジング部材との間に隙間が形成され難くなる。即ち、サイドカバーの縦壁部に連続する接続壁が、車室内からルーフ開口部の周縁を眺める乗員の視線を遮る目隠し部材として機能する。そして、これにより、そのルーフ開口部が設けられたボディの内側面を見え難くすることで、高い質感を確保することができる。
【0009】
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記ガイドレールは、該ガイドレールの長手方向に並ぶ複数の係合孔を備え、前記サイドカバーは、前記係合孔に係合する複数の係合爪を備えるとともに、前記各係合孔に対して前記各係合爪が挿入される取着位置と、前記ガイドレールの長手方向に沿って前記取着位置よりも前記ハウジング部材に近接する方向に移動した係合位置と、を有し、前記各係合孔内に挿入された前記各係合爪が前記係合位置において前記各係合孔の縁部に係合することにより前記ガイドレールに固定されるものであって、前記ガイドレールと前記ハウジング部材との接続部に配置される前記縦壁部の長手方向端部には、前記係合位置において前記ハウジング部材に係合する係合突部が設けられることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、より一層、そのサイドカバーの縦壁部とハウジング部材との間に隙間が形成され難くなる。そして、これにより、更なる質感の向上を図ることができる。
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記係合突部は、前記接続壁と車幅方向に重複して配置されるとともに、前記ハウジング部材には、前記係合突部と係合することにより該係合突部を車幅方向に押圧して前記縦壁部の長手方向端部を前記接続壁に近接させる押圧突部が設けられることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、そのハウジング部材の接続壁とサイドカバーの縦壁部との一体性を向上させることができる。そして、これにより、更なる質感の向上を図ることができる。
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記各係合孔の少なくとも何れか一つには、該係合孔に係合する前記係合爪を案内して該係合爪の車幅方向位置を規定することにより、前記係合突部が前記押圧突部に係合する車幅方向位置に、前記係合突部が設けられた前記縦壁部の長手方向端部を誘導するガイド面が設けられることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、容易に、その係合突部がハウジング部材に係合する状態でサイドカバーをガイドレールに固定することができる。そして、これにより、組付け性の向上を図ることができる。
【0013】
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記各係合孔のうち、前記ガイド面を有した位置決め係合孔は、該位置決め係合孔以外の前記係合孔に対し、前記押圧突部が前記係合突部を押圧する方向とは反対側にずれた車幅方向位置に設けられることが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、係合突部と押圧突部との係合により縦壁部の長手方向端部が車幅方向に押圧されることによるサイドカバーの負荷を軽減することができる。
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記サイドカバーは、前記取着位置から前記係合位置に移動することにより、前記係合突部と前記押圧突部との係合力、及び前記各係合爪と前記各係合孔との係合力に基づいて、長手方向全長に亘って車幅方向に撓むように構成されることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、撓められたサイドカバーの弾性復元力に基づいて、このサイドカバーのガタつきを抑えることができる。そして、これにより、高い質感を確保することができる。
【0016】
上記課題を解決するサンルーフ装置は、前記取着位置から前記係合位置に向かう前記サイドカバーの移動を許容するとともに前記係合位置に移動した前記サイドカバーの前記取着位置に向かう移動を規制するストッパ機構を備えることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、ガイドレールに対するサイドカバーの組付け性を損なうことなく、容易に、その係合位置において、ガイドレールに対するサイドカバーの長手方向位置を固定することができる。
【0018】
上記課題を解決するサンルーフ装置は、前記車室側に臨む前記縦壁部の内壁面と前記接続壁の内壁面とが面一に設けられることが好ましい。
上記構成によれば、意匠性を高めて、その更なる質感の向上を図ることができる。
【0019】
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記ハウジング部材は、車幅方向に沿って延びる縦壁部を有するとともに、前記接続壁は、車幅方向内側に湾曲して前記ハウジング部材の縦壁部に連続することが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、より一層、サイドカバーの縦壁部とハウジング部材との間に隙間が形成され難くなる。そして、これにより、更なる質感の向上を図ることができる。
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記ハウジング部材は、左右一対の前記ガイドレールの前端部間を連結するフロントハウジングであることが好ましい。
【0021】
即ち、乗員の前方に位置するフロントハウジングは、そのガイドレールとの接続部が、乗員の視野に入りやすい。従って、このようなフロントハウジングにサイドカバーの縦壁部に連続する接続壁を設けることで、より顕著な効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、質感の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】ガイドレール、フロントハウジング、及びサイドカバーの斜視図。
【
図4】ガイドレール、フロントハウジング、及びサイドカバーの斜視図。
【
図14】フロントハウジングに設けられた接続壁近傍の斜視図。
【
図15】サイドカバーを構成する縦壁部の前端部に設けられた係合突部の斜視図。
【
図17】接続壁及び押圧突部、並びに係合突部が設けられた縦壁部の前端部近傍の平面図。
【
図20】第4係合爪に設けられた係合レバーの斜視図。
【
図22】係合レバー及び第4係合孔に設けられた三角係合爪が形成するストッパ機構の平面図。
【
図23】係合レバー及び第4係合孔に設けられた三角係合爪が形成するストッパ機構の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、サンルーフ装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び
図2に示すように、車両1のルーフパネル2に形成されたルーフ開口部3には、このルーフ開口部3を開閉可能な略平板状の可動パネル10が設けられている。そして、本実施形態の車両1は、この可動パネル10を開閉動作させるサンルーフ装置11を備えている。
【0025】
具体的には、
図2に示すように、本実施形態のサンルーフ装置11は、ルーフ開口部3の幅方向両側端部において、その車両前後方向に延びる左右一対のガイドレール20,20を備えている。また、このサンルーフ装置11は、これらの各ガイドレール20,20に係合する状態で、その長手方向に沿って摺動する左右一対のフロントシュー21,21及びリヤシュー22,22を備えている。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これらの各フロントシュー21,21及び各リヤシュー22,22に連結された状態で、その可動パネル10を上方に支持する左右一対の支持ブラケット23,23を備えている。
【0026】
また、本実施形態のサンルーフ装置11は、ルーフパネル2の車両前方位置において、その左右一対のガイドレール20,20間を接続するフロントハウジング30を備えている。更に、このサンルーフ装置11は、そのフロントハウジング30に設けられたアクチュエータ35を備えている。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、このアクチュエータ35の駆動力に基づいて、摺動部材としての各フロントシュー21,21及び各リヤシュー22,22を摺動させることにより、その支持部材を構成する支持ブラケット23に支持された可動パネル10を開閉動作させる構成になっている。
【0027】
具体的には、本実施形態のアクチュエータ35は、モータ35mを駆動源として、その左右のガイドレール20,20に沿って配索された左右一対の駆動ケーブル37,37を駆動する。更に、これらの各駆動ケーブル37,37は、それぞれ、その左右のガイドレール20,20に係合したリヤシュー22,22に連結されている。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これらの駆動ケーブル37,37を介して伝達されるアクチュエータ35の駆動力に基づいて、その各リヤシュー22,22がガイドレール20,20上を車両前後方向に摺動することにより、支持ブラケット23,23上に支持された可動パネル10がチルト動作及びスライド動作する構成になっている。
【0028】
尚、本実施形態のサンルーフ装置11において、上記のように構成された可動パネル10の支持構造及び駆動機構は、左右対称の構成となっている。このため、以下に示す各図中には、その一方の構成を記載するものとする。
【0029】
(サイドカバー及び目隠し構造)
次に、本実施形態のサンルーフ装置11に実装されたサイドカバー及び目隠し構造について説明する。
【0030】
図3及び
図4に示すように、本実施形態のサンルーフ装置11は、ガイドレール20の長手方向に沿って延びる縦壁部40を有して、そのガイドレール20に固定されるサイドカバー41を備えている。
【0031】
具体的には、
図5~
図7に示すように、本実施形態のサイドカバー41において、縦壁部40は、長尺略平板状の外形を有している。また、本実施形態のサイドカバー41は、その縦壁部40の下端から車幅方向外側(
図6中、上側)に向かって延びる底壁部42を備えた断面略L字状の外形を有している。そして、本実施形態のサイドカバー41は、
図3及び
図4に示すように、その底壁部42がガイドレール20に対して固定されることにより、その縦壁部40がガイドレール20上に立設される構成となっている。
【0032】
尚、本実施形態のサイドカバー41は、縦壁部40及び底壁部42に直交する略三角板状の外形を有して、これらの縦壁部40と底壁部42との間を接続する複数の補強リブ43を備えている。具体的には、これらの各補強リブ43は、そのサイドカバー41の長手方向に沿って略均等間隔で設けられている。そして、本実施形態のサイドカバー41は、その縦壁部40及び底壁部42、並びに、これらの各補強リブ43が、樹脂を用いて一体に形成されている。
【0033】
詳述すると、
図8に示すように、本実施形態のガイドレール20は、その溝形状の内側に上記フロントシュー21及びリヤシュー22を配置する摺動路45と、この摺動路45に略平行する状態でガイドレール20の長手方向の延びる排水路46と、を備えている。また、この排水路46の車幅方向外側となる位置には、水平方向の広がりを有した平板部47が設けられている。そして、この平板部47には、ガイドレール20の長手方向に略均等間隔で並ぶ複数の係合孔50が設けられている。
【0034】
また、
図7及び
図9に示すように、本実施形態のサイドカバー41は、底壁部42の下方に突出する状態で、その長手方向に略均等間隔で並ぶ複数の係合爪51を備えている。そして、本実施形態のサイドカバー41は、これらの各係合爪51が、それぞれ、そのガイドレール20の平板部47に設けられた各係合孔50に係合することにより、この平板部47上に固定される構成となっている。
【0035】
尚、本実施形態のサイドカバー41においては、これらの各係合爪51もまた、樹脂を用いて底壁部42と一体に形成されている。そして、サイドカバー41の底壁部42には、これらの各係合爪51を一体に成型するための複数の孔部42xが設けられている。
【0036】
さらに詳述すると、
図10及び
図11に示すように、本実施形態のサイドカバー41は、ガイドレール20の各係合孔50に対して各係合爪51が挿入される取着位置P1を有している。また、このサイドカバー41は、ガイドレール20の長手方向(各図中、左右方向)に沿って、その取着位置P1よりも前方側(各図中、左側)、即ち各ガイドレール20,20の前端部20f,20f間を接続するハウジング部材としてのフロントハウジング30に対して近接する方向に移動した係合位置P2を有している。更に、このサイドカバー41は、取着位置P1から係合位置P2に移動することにより、その各係合孔50内に挿入された各係合爪51が、それぞれ、これら各係合孔50の縁部に係合する。そして、本実施形態のサイドカバー41は、これにより、そのガイドレール20に固定される構成となっている。
【0037】
具体的には、
図12及び
図13に示すように、本実施形態の各係合爪51は、サイドカバー41の底壁部42から下方に突出して、そのサイドカバー41の前端部41f側(
図13中、左側)に向かって湾曲して延びる鉤爪状の外形を有している。尚、説明の便宜上、これらの各図中には、サイドカバー41の前端部41f(
図7及び
図9参照)に最も近い位置に設けられた第1係合爪51aのみを図示する。更に、これら各係合爪51の先端には、上方に突出する突起部52が設けられている。即ち、本実施形態の各係合爪51は、それぞれ、サイドカバー41が取着位置P1から係合位置P2に移動することにより、その突起部52とサイドカバー41の底壁部42との間にガイドレール20の平板部47を挟み込む。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、そのガイドレール20に対するサイドカバー41の上下方向移動を規制する構成になっている。
【0038】
更に、これらの各係合爪51は、サイドカバー41が取着位置P1から係合位置P2に移動することにより、そのサイドカバー41の底壁部42から下方に延びる基端部53が各係合孔50の前縁部54に当接する。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、上記フロントハウジング30の位置するガイドレール20の前端部20f側(
図13中、左側)に向かうサイドカバー41の移動を規制する構成になっている。
【0039】
また、
図3及び
図14に示すように、本実施形態のフロントハウジング30は、そのガイドレール20の前端部20fとの接続部に駆動ケーブル37の配索路55を形成する樹脂部品57を備えている。更に、この樹脂部品57は、上記のように構成されたサイドカバー41の縦壁部40に連続するかたちで、そのフロントハウジング30が延在する車幅方向内側に向かって湾曲して延びる接続壁60を有している。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、このフロントハウジング30に設けられた接続壁60を目隠し部材61として、その車室内からルーフ開口部3の周縁を眺める乗員の視線を遮る構成となっている。
【0040】
具体的には、本実施形態のフロントハウジング30は、その長手方向(
図2参照、同図中、上下方向)に延びる前方縦壁部62を備えている。また、本実施形態の接続壁60は、そのフロントハウジング30の長手方向に延びる第2端部60b側が、この前方縦壁部62に連続するかたちで設けられている。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、この接続壁60が、そのサイドカバー41の縦壁部40とフロントハウジング30の前方縦壁部62との間を接続する構成となっている。
【0041】
さらに詳述すると、
図15に示すように、本実施形態のサイドカバー41は、そのガイドレール20とフロントハウジング30との接続部に配置される縦壁部40の前端部40fに設けられた係合突部63を備えている。本実施形態のサイドカバー41において、この係合突部63は、縦壁部40の前端部40fから車幅方向外側にオフセットされた位置において、そのフロントハウジング30が位置する車両前方側に向かって延びる略平板状の係合部63aを有している。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、サイドカバー41が取着位置P1から係合位置P2に移動することにより、この係合突部63がフロントハウジング30に係合する構成となっている。
【0042】
具体的には、
図16及び
図17に示すように、本実施形態のフロントハウジング30は、そのガイドレール20との接続部に位置する接続壁60の第1端部60aに対向して、この接続壁60の第1端部60aよりも車幅方向外側(
図17中、上側)の位置に設けられた押圧突部65を備えている。また、本実施形態のサイドカバー41は、その取着位置P1から係合位置P2に向かってフロントハウジング30に近接する方向に移動することにより、その縦壁部40の前端部40fに設けられた係合突部63が、接続壁60の第1端部60aと車幅方向に重複する状態で、この第1端部60aと上記押圧突部65との間に挿入される。更に、本実施形態のサイドカバー41は、このとき、その係合突部63の係合部63aが車幅方向外側に位置する押圧突部65によって、車幅方向内側に押圧される。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、その係合突部63が設けられた縦壁部40の前端部40fが車幅方向内側に撓むかたちで、目隠し部材61を構成する接続壁60の第1端部60aに近接することによって、その車室側に臨む縦壁部40の内壁面40sと接続壁60の内壁面60sとが略面一に配置される構成になっている。
【0043】
さらに詳述すると、
図10及び
図18に示すように、本実施形態のサンルーフ装置11において、ガイドレール20に設けられた各係合孔50のうち、ガイドレール20の前端部20fに最も近い第1係合孔50aは、このガイドレール20に固定されるサイドカバー41の車幅方向位置を規定する位置決め係合孔70としての機能を有している。
【0044】
具体的には、
図18に示すように、本実施形態の第1係合孔50aは、その前縁部54の近傍に、他の部分よりも車幅方向(同図中、上下方向)の間隔が狭い幅狭部71を有している。更に、この第1係合孔50aは、その幅狭部71の側壁面71s,71sと、この幅狭部71よりも車両後方側(同図中、右側)に形成された幅広部72の側壁面72s,72sとの間を接続する斜面73s,73sを有している。即ち、位置決め係合孔70としての第1係合孔50aは、サイドカバー41が取着位置P1から係合位置P2に向かって車両前方側(同図中、左側)に移動する際、これらの斜面73s,73sをガイド面74として、その幅広部72から幅狭部71に移動する第1係合爪51aを案内することにより、この第1係合爪51aの車幅方向位置を規定する。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、上記係合突部63が設けられた縦壁部40の前端部40fを、その係合突部63がフロントハウジング30側に設けられた上記押圧突部65に対して係合する車幅方向位置に誘導する構成となっている。
【0045】
また、
図10及び
図11に示すように、本実施形態のサンルーフ装置11において、第1係合孔50aは、この第1係合孔50aよりもガイドレール20の後端部20r側に設けられた第2係合孔50b~第4係合孔50dよりも車幅方向外側(各図中、上側)にずれた位置に形成されている。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、上記のようにサイドカバー41の係合突部63がフロントハウジング30の押圧突部65に係合して、その縦壁部40の前端部40fが車幅方向内側に押圧されることによりサイドカバー41に加わる負荷を軽減する構成となっている。
【0046】
更に、本実施形態のサイドカバー41は、取着位置P1から係合位置P2に移動することにより、その係合突部63とフロントハウジング30の押圧突部65との係合力、及び各係合爪51とガイドレール20の各係合孔50との係合力に基づいて、その長手方向全長に亘って車幅方向に撓むように構成されている。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、これにより、そのサイドカバー41の弾性復元力に基づいて、このサイドカバー41のガタつきを抑える構成となっている。
【0047】
詳述すると、
図10及び
図19に示すように、本実施形態のサンルーフ装置11において、上記のように、位置決め係合孔70を構成する第1係合孔50aの後方に設けられた第2係合孔50bは、そのサイドカバー41の第2係合爪51bと係合することにより、この第2係合爪51bを車幅方向外側に押圧する係合力を発生する。更に、本実施形態のガイドレール20は、その最も後方の第4係合孔50dが、この第2係合孔50b及び第3係合孔50cよりも僅かに車幅方向内側に設けられている。そして、本実施形態のサイドカバー41は、これにより、その第2係合爪51bと第2係合孔50bとの係合により生ずる長手方向中間部分を車幅方向外側に押圧する力と、上記係合突部63と押圧突部65との係合により生ずる前端部41fを車幅方向内側に押圧する力とに基づいて、その長手方向全長に亘って略弓形に撓む構成となっている。
【0048】
具体的には、
図19に示すように、本実施形態の第2係合孔50bもまた、車両前後方向に並ぶ幅狭部77及び幅広部78を備えている。また、この第2係合孔50bは、その車幅方向内側において、幅狭部77の側壁面77sと幅広部78の側壁面78sとの間を接続する斜面79sを有している。即ち、本実施形態の第2係合孔50bは、その車両後方側に位置する幅広部78の側壁面78sよりも、車両前方側に位置する幅狭部77の側壁面77sの方が、車幅方向外側に位置している。そして、本実施形態の第2係合孔50bは、これにより、サイドカバー41が取着位置P1から係合位置P2に向かって車両前方側に移動する際、その斜面79sに案内されるかたちで幅広部78から幅狭部77に移動した第2係合爪51bを、その幅狭部77の側壁面77sが車幅方向外側に押圧する構成となっている。
【0049】
また、
図10及び
図11に示すように、本実施形態のサンルーフ装置11は、上記取着位置P1から係合位置P2に向かうサイドカバー41の移動を許容するとともに、その係合位置P2に移動したサイドカバー41の取着位置P1に向かう移動を規制するストッパ機構80を備えている。
【0050】
詳述すると、
図20に示すように、本実施形態のサイドカバー41は、最も後端部41rに近い位置に設けられた第4係合爪51dの基端部53から、その底壁部42に直交する広がりを有して後端部41r側(同図中、右側)に延びる長尺略平板状の係合レバー81を備えている。尚、本実施形態のサイドカバー41においては、この係合レバー81もまた樹脂を用いて底壁部42と一体に形成されている。そして、本実施形態のサイドカバー41は、この係合レバー81が底壁部42に干渉しないように、その底壁部42に設けられた孔部82を備えている。
【0051】
また、
図21及び
図22に示すように、本実施形態のガイドレール20において、その第4係合孔50dは、サイドカバー41の取着位置P1において、その第4係合爪51dとともに係合レバー81を挿入可能な長手方向(
図22中、左右方向)の長さを有している。更に、本実施形態の係合レバー81は、先端81aが縦壁部40の形成位置から車幅方向外側(
図22中、上側)に離間するように、その縦壁部40の延伸方向に対して斜めに延びている。そして、本実施形態の第4係合孔50dは、サイドカバー41が取着位置P1にある場合に、この係合レバー81に略平行する斜面83aを有して車幅方向外側の側壁面84から車幅方向内側(
図22中、下側)に突出する三角係合爪83を備えている。
【0052】
即ち、
図22及び
図23に示すように、本実施形態のサイドカバー41は、この三角係合爪83の斜面83aに摺接した係合レバー81が車幅方向内側に撓むことにより、その取着位置P1から係合位置P2に向かう移動が許容される。更に、本実施形態の三角係合爪83は、車両前方側(各図中、左側)に略正対する前端面83bを有している。そして、本実施形態のサンルーフ装置11は、サイドカバー41が取着位置P1にある場合には、この三角係合爪83の前端面83bに対して、係合レバー81の先端81aが係合することにより、その係合位置P2から取着位置P1に向かうサイドカバー41の移動が規制される構成となっている。
【0053】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のサンルーフ装置11においては、サイドカバー41の縦壁部40に連続してフロントハウジング30に設けられた接続壁60が目隠し部材61として機能する。そして、これにより、車室内からルーフ開口部3の周縁を眺める乗員の視線が遮られることによって、そのルーフ開口部3が設けられたボディの内側面が見え難くなる。
【0054】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)サンルーフ装置11は、車両1のルーフ開口部3に設けられた可動パネル10と、車両前後方向に延びるガイドレール20を備える。また、サンルーフ装置11は、各ガイドレール20の長手方向に沿って摺動するフロントシュー21及びリヤシュー22と、これらフロントシュー21及びリヤシュー22の動作に基づきガイドレール20の上方に支持する可動パネル10を開閉動作させる支持ブラケット23と、を備える。更に、サンルーフ装置11は、車幅方向に離間して設けられた左右一対のガイドレール20,20の前端部20f,20f間を接続するハウジング部材としてのフロントハウジング30と、各ガイドレール20の長手方向に沿って延びる縦壁部40を有して各ガイドレール20に固定されるサイドカバー41と、を備える。そして、サンルーフ装置11は、サイドカバー41の縦壁部40に連続して、そのフロントハウジング30に設けられた接続壁60を備える。
【0055】
上記構成によれば、ガイドレール20とフロントハウジング30との接続部において、そのガイドレール20に設けられたサイドカバー41の縦壁部40とフロントハウジング30との間に隙間が形成され難くなる。即ち、サイドカバー41の縦壁部40に連続する接続壁60が、車室内からルーフ開口部3の周縁を眺める乗員の視線を遮る目隠し部材61として機能する。特に、乗員の前方に位置するフロントハウジング30は、そのガイドレール20との接続部が、乗員の視野に入りやすい。そして、これにより、そのルーフ開口部3が設けられたボディの内側面を見え難くすることで、高い質感を確保することができる。
【0056】
(2)ガイドレール20には、その長手方向に並ぶ複数の係合孔50が設けられる。また、サイドカバー41は、これらの各係合孔50に係合する複数の係合爪51を備えるとともに、各係合孔50に対して各係合爪51が挿入される取着位置P1と、ガイドレール20の長手方向に沿って、その取着位置P1よりもフロントハウジング30に近接するガイドレール20の前端部20f側に移動した係合位置P2と、を有する。更に、サイドカバー41は、各係合孔50内に挿入された各係合爪51が係合位置P2において各係合孔50の前縁部54に係合することによりガイドレール20に固定される。そして、ガイドレール20とフロントハウジング30との接続部に配置される縦壁部40の前端部40fには、その係合位置P2においてフロントハウジング30に係合する係合突部63が設けられる。
【0057】
上記構成によれば、より一層、そのサイドカバー41の縦壁部40とフロントハウジング30との間に隙間が形成され難くなる。そして、これにより、更なる質感の向上を図ることができる。
【0058】
(3)係合突部63は、フロントハウジング30側の接続壁60と車幅方向に重複して配置される。そして、フロントハウジング30には、係合突部63と係合することにより当該係合突部63を車幅方向外側から内側に押圧して、その係合突部63が設けられたサイドカバー41側の縦壁部40の前端部40fを接続壁60に近接させる押圧突部65が設けられる。
【0059】
上記構成によれば、そのフロントハウジング30の接続壁60とサイドカバー41の縦壁部40との一体性を向上させることができる。そして、これにより、更なる質感の向上を図ることができる。
【0060】
(4)ガイドレール20に設けられた各係合孔50のうちの第1係合孔50aには、サイドカバー41が取着位置P1から係合位置P2に向かって車両前方側に移動する際、この第1係合孔50aに係合するサイドカバー41側の第1係合爪51aを案内するガイド面74が設けられる。そして、このガイド面74は、第1係合爪51aを案内して、この第1係合爪51aの車幅方向位置を規定することにより、上記係合突部63がフロントハウジング30側の押圧突部65に係合する車幅方向位置に、その係合突部63が設けられたサイドカバー41側の縦壁部40の前端部40fを誘導するように構成される。
【0061】
上記構成によれば、容易に、その係合突部63がフロントハウジング30に係合する状態でサイドカバー41をガイドレール20に固定することができる。そして、これにより、組付け性の向上を図ることができる。
【0062】
(5)ガイドレール20の各係合孔50のうち、上記ガイド面74を有した位置決め係合孔70としての構成を有する第1係合孔50aは、この第1係合孔50a以外の第2係合孔50b~第4係合孔50dに対して車幅方向外側にずれた位置に設けられる。
【0063】
即ち、位置決め係合孔70は、他の係合孔50よりも、そのフロントハウジング30の押圧突部65がサイドカバー41の係合突部63を押圧する方向とは反対側にずれた位置に配置される。そして、これにより、その係合突部63と押圧突部65との係合により縦壁部40の前端部40fが車幅方向内側に押圧されることによるサイドカバー41の負荷を軽減することができる。
【0064】
(6)サイドカバー41は、取着位置P1から係合位置P2に移動することにより、その係合突部63とフロントハウジング30の押圧突部65との係合力、及び各係合爪51とガイドレール20の各係合孔50との係合力に基づいて、長手方向全長に亘って車幅方向に撓むように構成される。
【0065】
上記構成によれば、撓められたサイドカバー41の弾性復元力に基づいて、このサイドカバー41のガタつきを抑えることができる。そして、これにより、高い質感を確保することができる。
【0066】
(7)サンルーフ装置11は、取着位置P1から係合位置P2に向かうサイドカバー41の移動を許容するとともに係合位置P2に移動したサイドカバー41の取着位置P1に向かう移動を規制するストッパ機構80を備える。
【0067】
上記構成によれば、ガイドレール20に対するサイドカバー41の組付け性を損なうことなく、容易に、その係合位置P2において、ガイドレール20に対するサイドカバー41の長手方向位置を固定することができる。
【0068】
(8)車室側に臨む縦壁部40の内壁面40sと接続壁60の内壁面60sとが面一に設けられる。
上記構成によれば、意匠性を高めて、その更なる質感の向上を図ることができる。
【0069】
(9)接続壁60は、フロントハウジング30が延在する車幅方向内側に向かって湾曲した形状を有する。更に、フロントハウジング30は、その長手方向に沿って延びる前方縦壁部62を有する。そして、接続壁60は、この前方縦壁部62に連続して設けられる。
【0070】
上記構成によれば、より一層、サイドカバー41の縦壁部40とフロントハウジング30との間に隙間が形成され難くなる。そして、これにより、更なる質感の向上を図ることができる。
【0071】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0072】
・上記実施形態では、摺動部材としてのフロントシュー21及びリヤシュー22、並びに支持部材としての支持ブラケット23を備えるサンルーフ装置11に具体化した。しかし、これに限らず、可動パネル10を開閉動作させる摺動部材及び支持部材の構成については任意に変更してもよい。
【0073】
・また、上記実施形態では、左右一対のガイドレール20,20の長手方向端部間を接続するハウジング部材として、その前端部20f,20f間を接続するフロントハウジング30を備えることとしたが、その後端部20r,20r間を接続するリヤハウジングを備える構成に具体化してもよい。
【0074】
・上記実施形態では、ガイドレール20には、第1係合孔50a~第4係合孔50dが設けられ、サイドカバー41には、第1係合爪51a~第4係合爪51dが設けられることとしたが、係合孔50及び係合爪51の数は、任意に変更してもよい。また、ガイド面74を有した位置決め係合孔70は、必ずしも第1係合孔50aでなくともよく、他の係合孔50が位置決め係合孔70を構成してもよい。そして、複数の位置決め係合孔70を備える構成であってもよい。
【0075】
・上記実施形態では、フロントハウジング30には、サイドカバー41の係合突部63と係合することにより当該係合突部63を車幅方向外側から内側に押圧する押圧突部65が設けられることとした。しかし、これに限らず、係合突部63が設けられた縦壁部40の前端部40fを接続壁60に近接させるものであれば、その押圧突部65が係合突部63を車幅方向外側から内側に押圧する構成に具体化してもよい。そして、これらの係合突部63及び押圧突部65の形状についてもまた、任意に変更してもよい。
【0076】
・また、必ずしも、その押圧突部65が係合突部63を車幅方向に押圧する構成でなくともよく、この場合、位置決め係合孔70の配置についてもまた、他の係合孔50の幅方向位置からオフセットしなくともよい。そして、必ずしも、その係合位置P2に移動したサイドカバー41が略弓形に撓む構成でなくともよい。
【0077】
・上記実施形態では、サイドカバー41の第4係合爪51dに設けられた係合レバー81とガイドレール20の第4係合孔50dに設けられた三角係合爪83とが所謂ラチェット構造を形成する。そして、これにより、取着位置P1から係合位置P2に向かうサイドカバー41の移動を許容するとともに係合位置P2に移動したサイドカバー41の取着位置P1に向かう移動を規制するストッパ機構80を備える構成とした。
【0078】
しかし、これに限らず、その他の係合爪51及び係合孔50に、このような係合レバー81及び三角係合爪83を設ける構成であってもよい。そして、例えば、係合爪51及び係合孔50とは別体に、ラチェット形成部材を設ける等、ストッパ機構80の構成についても任意に変更してもよい。
【0079】
・更に、係合爪51及び係合孔50の形状についてもまた、任意に変更してもよい。そして、例えば、このような係合爪51及び係合孔50を用いることなく、サイドカバー41をガイドレール20に締結する等、そのガイドレール20に対するサイドカバー41の固定構造についてもまた、任意に変更してもよい。
【0080】
・上記実施形態では、接続壁60は、フロントハウジング30が延在する車幅方向内側に向かって湾曲した形状を有することとしたが、その形状は任意に変更してもよい。即ち、目隠し部材61として機能すればよく、必ずしも、フロントハウジング30の前方縦壁部62に連続していなくともよい。そして、必ずしも、サイドカバー41を構成する縦壁部40の内壁面40sと接続壁60の内壁面60sとが面一でなくともよい。
【符号の説明】
【0081】
1…車両
3…ルーフ開口部
10…可動パネル
11…サンルーフ装置
20…ガイドレール
20f…前端部
21…フロントシュー(摺動部材)
22…リヤシュー(摺動部材)
23…支持ブラケット(支持部材)
30…フロントハウジング(ハウジング部材)
40…縦壁部
41…サイドカバー
60…接続壁