(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】通信装置、および、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 61/00 20220101AFI20240214BHJP
【FI】
H04L61/00
(21)【出願番号】P 2020043202
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】大内 俊尚
(72)【発明者】
【氏名】石川 真
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-017141(JP,A)
【文献】特開平09-064890(JP,A)
【文献】特開2012-037919(JP,A)
【文献】特開2014-165619(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031260(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0255114(US,A1)
【文献】特開2007-319662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される通信装置であって、
当該通信装置の状態を表示する第1表示部と、
前記ネットワークの状態を表示する第2表示部と、
第1表示部および第2表示部がそれぞれ前記状態を表示する状態表示モードと、第1表示部および第2表示部が当該通信装置のアドレス情報を表示するアドレス表示モードとを切り替える操作部と、
前記アドレス表示モードのときに、第1表示部および第2表示部に前記アドレス情報を表示させる制御部と、
前記アドレス表示モードのうち、ユーザが前記アドレス情報を目視するための目視モードと、携帯端末が前記アドレス情報を撮像して認識するための撮像モードとを切り替える切替部と、
を備え
、
第1表示部と、第2表示部とは、それぞれ、異なる2色を発光する単一発光部材であり、
前記制御部は、前記アドレス情報に含まれる数値を示す点滅パターンに応じて、第1表示部および第2表示部に点灯または消灯を行わせ、
前記目視モードにおける前記点滅パターンの表示速度が、前記撮像モードにおける前記点滅パターンの表示速度よりも遅く設定されている、通信装置。
【請求項2】
第1表示部は、当該通信装置のIPアドレスの上位部分を表示し、
第2表示部は、当該通信装置のIPアドレスの下位部分を表示する、請求項
1に記載の通信装置。
【請求項3】
第1表示部は、当該通信装置のIPアドレスを表示し、
第2表示部は、当該通信装置のサブネットマスクを表示する、請求項
1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記操作部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである、請求項1から
3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記アドレス情報の一部を設定するロータリースイッチをさらに備え、
前記ロータリースイッチは、前記操作部としても機能する、請求項1から
3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記切替部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである、請求項
1に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、および、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IPネットワークによって通信接続を行なうために機器には、IPアドレスが設定される。IPアドレスは、ネットワーク部(ネットワークアドレス)、ホスト部(ホストアドレス)からなる。例えばPLC(Programmable Logic Controller)とIPネットワークによって接続されるIOユニットなどにおいて、IPアドレスの第4オクテット(192.165.250.10の10の部分)のみをロータリースイッチで設定する製品が存在する(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-143613号公報(2013年7月20日公開)
【文献】特開平10-308779号公報(1998年11月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブネットワークが複数存在するような複雑なネットワーク構成の場合、メンテナンスなどでユニット(通信装置)が取り外されると、IPアドレスの第1オクテット、第2オクテットおよび第3オクテットを把握することが困難になる場合がある(どのサブネットワークに接続されていたか分からなくなるなど)。以下に、上記の場合における3つの対応方法と、その課題とを示す。
【0005】
(1)IPアドレスを初期化し、IPアドレスを設定し直す。この場合、製品によっては、IPアドレス以外の設定も初期化されるので、すべての設定を再設定しなければならないこともある。
【0006】
(2)存在するネットワークアドレスを総当たりで確認する。詳細には、pingなどを製品宛に送る。ネットワークアドレスが合っていれば、応答がある。しかしながら、ネットワークアドレス数が多いシステムの場合には、手間がかかる。また、例えば製品が製造メーカに返送された場合、現場におけるネットワークアドレスに関する情報がなければ、上記の総当たりで確認する方法は実質的に不可能である。これは、ネットワークアドレスとして想定される組み合わせが膨大であるからである。
【0007】
(3)Ethernet(登録商標)回線上のデータを確認できる専用ツールなどを用いて、製品から送信されるデータを確認することにより、IPアドレスを特定する。この場合、専用ツールを使用する知識のある者が必要となり、誰でも特定できるものではない。
【0008】
本発明の一態様は、通信装置において、低コストにアドレス情報を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信装置は、ネットワークに接続される通信装置であって、当該通信装置の状態を表示する第1表示部と、前記ネットワークの状態を表示する第2表示部と、第1表示部および第2表示部がそれぞれ前記状態を表示する状態表示モードと、第1表示部および第2表示部が当該通信装置のアドレス情報を表示するアドレス表示モードとを切り替える操作部と、前記アドレス表示モードのときに、第1表示部および第2表示部に前記アドレス情報を表示させる制御部と、を備える。
【0010】
前記構成によれば、通信装置において、当該通信装置の状態を表示する第1表示部と、ネットワークの状態を表示する第2表示部とを、当該通信装置のアドレス情報の表示にも用いるので、新たな表示部を設けることなく、低コストにアドレス情報を表示することができる。
【0011】
一実施形態において、前記通信装置では、第1表示部と、第2表示部とは、それぞれ、異なる2色を発光する単一発光部材であり、前記制御部は、前記アドレス情報に含まれる数値を示す点滅パターンに応じて、第1表示部および第2表示部に点灯または消灯を行わせる。
【0012】
前記構成によれば、第1表示部および第2表示部として2個の単一発光部材を用いると共に、数値を示す点滅パターンに応じて2個の単一発光部材に点灯または消灯を行わせるので、簡潔に通信装置のアドレス情報を表示することができる。
【0013】
一実施形態において、前記通信装置では、第1表示部は、当該通信装置のIPアドレスの上位部分を表示し、第2表示部は、当該通信装置のIPアドレスの下位部分を表示する。
【0014】
前記構成によれば、2個の表示部に通信装置のIPアドレスを分けて表示するので、簡潔にIPアドレスを表示することができる。なお、IPアドレスの上位部分は、IPアドレスの第1オクテットおよび第2オクテットを示す。また、IPアドレスの下位部分は、IPアドレスの第3オクテットおよび第4オクテットを示す。
【0015】
一実施形態において、前記通信装置では、第1表示部は、当該通信装置のIPアドレスを表示し、第2表示部は、当該通信装置のサブネットマスクを表示する。
【0016】
前記構成によれば、一方の表示部が通信装置のIPアドレスを表示し、他方の表示部が通信装置のサブネットマスクを表示するので、簡潔に通信装置のアドレス情報を表示することができる。
【0017】
一実施形態において、前記通信装置では、前記アドレス表示モードのうち、ユーザが前記アドレス情報を目視するための目視モードと、携帯端末が前記アドレス情報を撮像して認識するための撮像モードとを切り替える切替部をさらに備え、前記目視モードにおける前記点滅パターンの表示速度が、前記撮像モードにおける前記点滅パターンの表示速度よりも遅く設定されている。
【0018】
前記構成によれば、通信装置のアドレス情報を表示するアドレス表示モードとして、目視モードと、撮像モードとを有するので、アドレス情報の表示手段をフレキシブルに提供することができる。
【0019】
一実施形態において、前記通信装置では、前記操作部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである。
【0020】
前記構成によれば、状態表示モードと、アドレス表示モードとを切り替える操作部として、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチを用いることができる。
【0021】
一実施形態において、前記通信装置では、前記アドレス情報の一部を設定するロータリースイッチをさらに備え、前記ロータリースイッチは、前記操作部としても機能する。
【0022】
前記構成によれば、通信装置において、アドレス情報の一部を設定するロータリースイッチを、操作部としても用いるので、低コストにアドレス情報を表示することができる。
【0023】
一実施形態において、前記通信装置では、前記切替部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである。
【0024】
前記構成によれば、目視モードと、撮像モードとを切り替える切替部として、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチを用いることができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、前記通信装置の第1表示部および第2表示部によって表示される点滅パターンを撮像する撮像部と、撮像した点滅パターンから前記アドレス情報を認識する制御部と、認識したアドレス情報を表示する表示部と、を備える情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、上記制御部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムである。
【0026】
前記構成によれば、通信装置のアドレス情報を表示する手段として、携帯端末を用いることができる。
【0027】
本発明の各態様に係る通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記通信装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記通信装置をコンピュータにて実現させる通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、通信装置において、低コストにアドレス情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態1に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る通信装置の外観を示す側面図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るアドレス表示モードにおけるMSLEDおよびNSLEDの表示仕様を示す表である。
【
図5】本発明の実施形態1に係るスライドスイッチを用いた場合の、通信装置の処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態1に係るプッシュスイッチを用いた場合の、通信装置の処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態2に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係るスライドスイッチを用いた場合の、通信装置の処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態2に係る携帯端末の処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態2に係るスライドスイッチの表示モード切替方法を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態2に係るロータリースイッチのアドレス表示モードへの切替方法および状態表示モードへの切替方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0031】
§1 適用例
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。本実施形態は、通信装置1が単体で自らのアドレス情報を表示するものである。
【0032】
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、複数の通信装置1は、SWHub4およびネットワーク100を介してPLCシステムのマスタ機器31に接続されている。複数の通信装置1は、スレーブ機器として、マスタ機器31からの指示を受けて動作する。
【0033】
(通信装置1の構成)
図2は、本実施形態に係る通信装置1の構成を示すブロック図である。通信装置1は、ネットワーク100に接続される。
図2に示すように、通信装置1は、MSLED(第1表示部)11、NSLED(第2表示部)12、操作部13、切替部14、制御部15、および、通信部16を備えている。
【0034】
MSLED11は、通信装置1におけるモジュールの動作状態(通信装置1の状態)を表示する。モジュールは、各種処理を行う機能単位を示す。NSLED12は、ネットワーク100への通信装置1の加入状態(ネットワーク100の状態)を表示する。
【0035】
操作部13は、状態表示モードと、アドレス表示モードとを切り替える。状態表示モードのとき、MSLED11およびNSLED12は、それぞれモジュールおよびネットワークの状態を表示する。アドレス表示モードのとき、MSLED11およびNSLED12は、通信装置1のIPアドレス等(アドレス情報)を表示する。
【0036】
切替部14は、上記アドレス表示モードのうち、ユーザがIPアドレス等を目視するための目視モードと、携帯端末がIPアドレス等を撮像して認識するための撮像モードとを切り替える。目視モードにおける点滅パターンの表示速度は、撮像モードにおける点滅パターンの表示速度よりも遅く設定されている。なお、本実施形態では、アドレス表示モードのうち、目視モードに切り替えられている状態での動作について説明する。切替部14は、スライドスイッチ131、または、プッシュスイッチ132の何れかである。
【0037】
制御部15は、アドレス表示モードのときに、MSLED11およびNSLED12にIPアドレス等(アドレス情報)を表示させる。詳細には、制御部15は、IPアドレス等に含まれる数値を示す点滅パターンに応じて、MSLED11およびNSLED12に点灯または消灯を行わせる。通信部16は、ネットワーク100を介して外部の装置と通信を行う。
【0038】
図3は、本実施形態に係る通信装置1の外観を示す側面図である。
図3に示すように、通信装置1の側面には、MSLED11、NSLED12、ロータリースイッチ133および134が配設されている。スライドスイッチ131、および、プッシュスイッチ132は、IPアドレス表示開始スイッチ(操作部13)として、何れか一方が通信装置1の側面に配設される。すなわち、操作部13は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである。
【0039】
MSLED11およびNSLED12は、横並びに配設され、それぞれ、異なる2色(例えば、緑色と赤色)を発光するLED(単一発光部材)である。MSLED11は、Module Status LEDの略称であり、ノード自体(ユニット)の状態を表示する。NSLED12は、Network Status LEDの略称であり、ネットワーク100への通信装置1の加入状態を表示する。
【0040】
MSLED11およびNSLED12は、状態表示という機能を有するとともに、IPアドレスの表示を行う。例えば、左側に配置されているMSLED11は、通信装置1のIPアドレスの第1オクテットおよび第2オクテット(上位部分)を表示する。一方、右側に配置されているNSLED12は、通信装置1のIPアドレスの第3オクテットおよび第4オクテット(下位部分)を表示する。なお、MSLED11が第3オクテットおよび第4オクテットを表示し、NSLED12が第1オクテットおよび第2オクテットを表示してもよい。また、MSLED11およびNSLED12が、さらに別の表示を行ってもよい。
【0041】
スライドスイッチ131は、操作対象を上下にスライドさせることにより切り替えるスイッチである。プッシュスイッチ132は、操作対象を押すことにより切り替えるスイッチである。プッシュスイッチ132は、タクタイルスイッチとも呼ばれるものであり、操作対象を押すとオン、離すとオフになるスイッチである。
【0042】
ロータリースイッチ133および134は、中央の矢印を周囲の数字の刻印に合わせることによって、BCD(Binary Decimal Code)などのコードを出力するスイッチである。ロータリースイッチ133および134は、IPアドレスの第4オクテット(アドレス情報の一部)を設定するために用いられるが、IPアドレス表示開始スイッチ(操作部13)としても機能する。
【0043】
上記によれば、IPアドレス表示開始スイッチとして、スライドスイッチ131、プッシュスイッチ132、または、ロータリースイッチ133および134を用いることができる。その詳細は、後述する。
【0044】
(MSLED11およびNSLED12の表示仕様)
図4は、本実施形態に係るアドレス表示モードにおけるMSLED11およびNSLED12の表示仕様を示す表である。上表は、MSLED11およびNSLED12の表示仕様の概要を示す。下表は、MSLED11およびNSLED12の数値表示の仕様を示す。
【0045】
上表に示すように、MSLED11およびNSLED12は、赤色および緑色のLEDを同時に0.5秒間隔で2回ずつ点滅させる場合、状態表示モードからアドレス表示モードに移行したこと、すなわち、アドレス表示モードが開始したことを示す。その後、MSLED11は、下表に示す数値表示パターンにより、通信装置1のIPアドレスを表示する。NSLED12は、下表に示す数値表示パターンにより、通信装置1のサブネットマスクを表示する。
【0046】
下表に示すように、MSLED11およびNSLED12は、赤色および緑色のLEDの点滅パターンにより、数値を表示する。例えば、MSLED11およびNSLED12は、1.25秒間の点滅パターンとして、0.25秒だけ緑色のLEDを点灯させ、0.25秒だけ消灯させ、0.5秒だけ赤色のLEDを点灯させ、0.25秒だけ消灯させることにより、「1」を表示する。また、MSLED11およびNSLED12は、1.25秒間の点滅パターンとして、0.5秒だけ赤色のLEDを点灯させ、0.25秒だけ緑色のLEDを点灯させ、0.5秒だけ消灯させることにより、「6」を表示する。
【0047】
(通信装置1の処理)
図5は、本実施形態に係るスライドスイッチ131を用いた場合の、通信装置1の処理を示すフローチャートである。以下に、
図5のフローチャートに従って、通信装置1の処理を説明する。スライドスイッチ131は、ユーザの切り替えによって、オンになっているかオフになっているかが明確である。従って、制御部15は、スライドスイッチ131オンかオフかを簡単に判定可能である。なお、以下の説明は、目視モードを前提とする。
【0048】
(ステップS501)
通信装置1において、制御部15は、システムの初期化を行う。
【0049】
(ステップS502)
制御部15は、ネットワーク100を介した通信処理を開始する。
【0050】
(ステップS503)
制御部15は、操作部13であるスライドスイッチ131がオンになっているか否かを判定する。スライドスイッチ131がオンになっている場合(ステップS503のYES)、制御部15は、ステップS504の処理を実行する。スライドスイッチ131がオンになっていない場合(ステップS503のNO)、制御部15は、ステップS507の処理を実行する。
【0051】
(ステップS504)
制御部15は、MSLED11およびNSLED12に「アドレス表示モード開始」を表示させる。
【0052】
(ステップS505)
制御部15は、MSLED11に通信装置1のIPアドレスを表示させる。
【0053】
(ステップS506)
制御部15は、NSLED12に通信装置1のサブネットマスクを表示させる。その後、制御部15は、ステップS503の判定に戻る。
【0054】
(ステップS507)
制御部15は、MSLED11およびNSLED12に通常使用時の表示を行わせる。すなわち、制御部15は、MSLED11に通信装置1におけるモジュールの動作状態を表示させる。そして、制御部15は、NSLED12にネットワーク100への通信装置1の加入状態を表示させる。その後、制御部15は、ステップS503の判定に戻る。
【0055】
図6は、本実施形態に係るプッシュスイッチ132を用いた場合の、通信装置1の処理を示すフローチャートである。以下に、
図6のフローチャートに従って、通信装置1の処理を説明する。制御部15は、プッシュスイッチ132が押された状態に応じて、アドレス表示モードがTRUEかFALSEかを記憶する。なお、以下の説明は、目視モードを前提とする。
【0056】
(ステップS601)
通信装置1において、制御部15は、システムの初期化を行う。
【0057】
(ステップS602)
制御部15は、ネットワーク100を介した通信処理を開始する。
【0058】
(ステップS603)
制御部15は、アドレス表示モードがTRUEになっているか否かを判定する。アドレス表示モードがTRUEになっている場合(ステップS603のYES)、制御部15は、ステップS604の処理を実行する。アドレス表示モードがTRUEになっていない場合(ステップS603のNO)、制御部15は、ステップS607の処理を実行する。
【0059】
(ステップS604)
制御部15は、MSLED11およびNSLED12に「アドレス表示モード開始」を表示させる。
【0060】
(ステップS605)
制御部15は、MSLED11に通信装置1のIPアドレスを表示させる。
【0061】
(ステップS606)
制御部15は、NSLED12に通信装置1のサブネットマスクを表示させる。その後、制御部15は、ステップS608の判定を実行する。
【0062】
(ステップS607)
制御部15は、MSLED11およびNSLED12に通常使用時の表示を行わせる。すなわち、制御部15は、MSLED11に通信装置1におけるモジュールの動作状態を表示させる。そして、制御部15は、NSLED12にネットワーク100への通信装置1の加入状態を表示させる。その後、制御部15は、ステップS608の判定を実行する。
【0063】
(ステップS608)
制御部15は、プッシュスイッチ132が2秒間長押しされたか否かを判定する。プッシュスイッチ132が2秒間長押しされた場合(ステップS608のYES)、制御部15は、ステップS609を実行する。プッシュスイッチ132が2秒間長押しされていない場合(ステップS608のNO)、制御部15は、ステップS603の判定に戻る。
【0064】
(ステップS609)
制御部15は、記憶しているアドレス表示モードを反転させる。すなわち、制御部15は、アドレス表示モードがFALSEである場合、アドレス表示モードをTRUEに設定する。一方、制御部15は、アドレス表示モードがTRUEである場合、アドレス表示モードをFALSEに設定する。その後、制御部15は、ステップS603の判定に戻る。
【0065】
上記によれば、プッシュスイッチ132が2秒間長押しされない限り、アドレス表示モードが変更されないので、ユーザが操作ミスによりプッシュスイッチ132に触れたとしても誤動作はしない。なお、ステップS609を実行する、すなわち、アドレス表示モードの反転を行うための、長押しの時間は、2秒間に限らず、何秒間であってもよいが、2秒以上の時間が好ましい。
【0066】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0067】
本実施形態では、スマートフォンなどの携帯端末(情報処理装置)2が通信装置1によるIPアドレスなどの表示を読み取り、解析して、IPアドレスなどを表示する。本実施形態に係る通信装置1の構成は、
図2と同様である。
【0068】
(携帯端末2の構成)
図7は、本実施形態に係る携帯端末2の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、携帯端末2は、撮像部21、制御部22、表示部23、および、記憶部24を備えている。撮像部21は、通信装置1のMSLED11およびNSLED12によって表示される点滅パターンを撮像するカメラである。制御部22は、撮像した点滅パターンからアドレス情報を認識する装置である。表示部23は、認識したアドレス情報を表示する画面である。記憶部24は、MSLED11およびNSLED12の表示仕様(すなわち、点滅パターンの仕様)を記憶する装置である。
【0069】
図7に示すように、制御部22は、撮像制御部221、アドレス認識部222、および、
表示制御部223を備えている。撮像制御部221は、撮像部21を制御して、点滅パターンを取得する。アドレス認識部222は、取得した点滅パターンを数値に変換して、IPアドレスなどを認識する。表示制御部223は、認識したIPアドレスなどを表示部23に表示させる。
【0070】
(通信装置1の処理)
図8は、本実施形態に係るスライドスイッチ131を用いた場合の、通信装置1の処理を示すフローチャートである。以下に、
図8のフローチャートに従って、通信装置1の処理を説明する。なお、以下の説明は、撮像モードを前提とする。
【0071】
(ステップS801)
通信装置1において、制御部15は、システムの初期化を行う。
【0072】
(ステップS802)
制御部15は、ネットワーク100を介した通信処理を開始する。
【0073】
(ステップS803)
制御部15は、操作部13であるスライドスイッチ131がオンになっているか否かを判定する。スライドスイッチ131がオンになっている場合(ステップS803のYES)、制御部15は、ステップS804の判定を実行する。スライドスイッチ131がオンになっていない場合(ステップS803のNO)、制御部15は、ステップS807の処理を実行する。
【0074】
(ステップS804)
制御部15は、スライドスイッチ131のオフからオンへの切り替えが初回か否かを判定する。上記切り替えが初回である場合(ステップS804のYES)、制御部15は、ステップS805の処理を実行する。上記切り替えが初回でない場合(ステップS804のNO)、制御部15は、ステップS805の処理をスキップして、ステップS806の処理を実行する。
【0075】
(ステップS805)
制御部15は、MSLED11およびNSLED12に「アドレス表示モード開始」を表示させる。
【0076】
(ステップS806)
制御部15は、MSLED11に通信装置1のIPアドレスを表示させると同時に、NSLED12に通信装置1のサブネットマスクを表示させる。なお、撮像モードにおけるMSLED11およびNSLED12の点滅周期は、例えば、目視モードにおける当該点滅周期の1/2になる。その後、制御部15は、ステップS803の判定に戻る。
【0077】
なお、目視モードに対する撮像モードの点滅周期の割合は、1/2に限定するものではなく、携帯端末2の撮像部21であるカメラの撮像性能に応じて、1/3、1/4、・・・であってもよいし、他の割合であってもよい。
【0078】
(ステップS807)
制御部15は、MSLED11およびNSLED12に通常使用時の表示を行わせる。すなわち、制御部15は、MSLED11に通信装置1におけるモジュールの動作状態を表示させる。そして、制御部15は、NSLED12にネットワーク100への通信装置1の加入状態を表示させる。その後、制御部15は、ステップS803の判定に戻る。
【0079】
(携帯端末2の処理)
図9は、本実施形態に係る携帯端末2の処理を示すフローチャートである。以下に、
図9のフローチャートに従って、携帯端末2の処理を説明する。
【0080】
(ステップS901)
携帯端末2において、制御部22は、アドレス情報読み出しアプリ(情報処理プログラム)を起動する。アドレス情報読み出しアプリは、制御部22としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムである。
【0081】
(ステップS902)
制御部22の撮像制御部221は、撮像部21に、通信装置1のMSLED11およびNSLED12を撮影させる。
【0082】
(ステップS903)
制御部22のアドレス認識部222は、MSLED11およびNSLED12によるアドレス表示モード開始を検出する。
【0083】
(ステップS904)
制御部22のアドレス認識部222は、MSLED11の点滅パターンから通信装置1のIPアドレスを識別する。なお、MSLED11自体の認識には、2つのLEDのうち、左側のLEDを選択するか、通信装置1の筐体上の印刷内容である「MS」を用いる。
【0084】
(ステップS905)
制御部22のアドレス認識部222は、NSLED12の点滅パターンから通信装置1のサブネットマスクを識別する。なお、NSLED12自体の認識には、2つのLEDのうち、右側のLEDを選択するか、通信装置1の筐体上の印刷内容である「NS」を用いる。
【0085】
(ステップS906)
制御部22の表示制御部223は、識別したIPアドレスおよびサブネットマスクを表示部23に表示させる。
【0086】
図10は、本実施形態に係るスライドスイッチ131の表示モード切替方法を示す図である。アドレス表示モードになっている状態で、
図10に示すように、3秒以内にスライドスイッチ131をオン、オフ、オンすることによって、アドレス表示モードとして、目視モードか、撮像モードかを切り替えることができる。次回、アドレス表示モードを起動した際には、最後に使用した目視モード、または、撮像モードを表示開始する。
【0087】
なお、プッシュスイッチ132の場合、アドレス表示モードになっている状態で、例えば、3秒間の長押しを行うと、目視モード、または、撮像モードに切り替わる。なお、目視モード、または、撮像モードに切り替えるための、長押しの時間は、3秒間に限らず、アドレス表示モードの反転を行うための、長押しの時間(例えば、2秒間)と区別可能な時間であれば、何秒間であってもよい。
【0088】
図11は、本実施形態に係るロータリースイッチ134のアドレス表示モードへの切替方法および状態表示モードへの切替方法を示す図である。
【0089】
図11の上図は、ロータリースイッチ134が1に設定されている場合の操作例を示す。特に、1に設定されているロータリースイッチ134を操作した例を示す。
【0090】
図11の上図に示すように、ロータリースイッチ134に設定されているIPアドレスの数値(1)から、3秒以内の、2往復半の操作により、別の数値(例えば、2)切り替える。通信できている数値から変更する操作で切り替わるので、変更後の値は問わない。
【0091】
上記の状態から状態表示モードに戻すためには、
図11の下図に示すように、ロータリースイッチ134を元の値(1)に戻す。変更する値を間違えた場合は、MSLED11が赤点滅のままの状態になり、IPアドレス表示も行わない。なお、アドレス表示モードを継続でもよい。また、通信装置1の電源リセットにより、状態表示モードに戻る。
【0092】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通信装置1および携帯端末2の制御ブロック(特に、制御部15および制御部22)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0093】
後者の場合、通信装置1および携帯端末2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0094】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 通信装置
2 携帯端末(情報処理装置)
11 MSLED(第1表示部)
12 NSLED(第2表示部)
13 操作部
14 切替部
15 制御部
16 通信部
21 撮像部
22 制御部
23 表示部
100 ネットワーク
131 スライドスイッチ
132 プッシュスイッチ
133、134 ロータリースイッチ