(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】通信装置、および、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 61/00 20220101AFI20240214BHJP
【FI】
H04L61/00
(21)【出願番号】P 2020043203
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】大内 俊尚
(72)【発明者】
【氏名】石川 真
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-064890(JP,A)
【文献】特開2012-037919(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031260(WO,A1)
【文献】特開2014-165619(JP,A)
【文献】特開平05-204418(JP,A)
【文献】特開2013-102624(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02591974(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されるとともに、入出力機器を接続する複数のポートを有する通信装置であって、
前記ポートの状態をそれぞれ表示する表示部と、
前記表示部がそれぞれ前記状態を表示する状態表示モードと、前記表示部が当該通信装置のアドレス情報を表示するアドレス表示モードとを切り替える操作部と、
前記アドレス表示モードのときに、前記表示部に前記アドレス情報を表示させる制御部と、
を備え
、
前記表示部は、複数の発光部材から構成され、
前記制御部は、前記アドレス情報に含まれる数値を示す特定パターンおよび当該特定パターンの変更に応じて、前記表示部の各発光部材に点灯または消灯を行わせ、
前記アドレス情報は、複数桁の10進数によって構成された複数の数値であり、
前記数値のうちの一部を、一桁毎に、4個の前記発光部材の組み合わせによるパターンによって表示し、
ある前記一桁に対応する4個の発光部材と、別の前記一桁に対応する4個の発光部材との間に、他の前記発光部材を有する、通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記アドレス情報の各部分に応じた色を、当該部分の数値を表示する発光部材に点灯させる、請求項
1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記アドレス表示モードのうち、ユーザが前記アドレス情報を目視するための目視モードと、携帯端末が前記アドレス情報を撮像して認識するための撮像モードとを切り替える切替部をさらに備え、
前記目視モードにおける前記特定パターンの変更速度が、前記撮像モードにおける前記特定パターンの変更速度よりも遅く設定されている、請求項
1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記操作部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである、請求項1から
3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記アドレス情報の一部を設定するロータリースイッチをさらに備え、
前記ロータリースイッチは、前記操作部としても機能する、請求項1から
3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記切替部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである、請求項
3に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、および、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IPネットワークによって通信接続を行なうために機器には、IPアドレスが設定される。IPアドレスは、ネットワーク部(ネットワークアドレス)、ホスト部(ホストアドレス)からなる。例えばPLC(Programmable Logic Controller)とIPネットワークによって接続されるIOユニットなどにおいて、IPアドレスの第4オクテット(192.165.250.10の10の部分)のみをロータリースイッチで設定する製品が存在する(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-143613号公報(2013年7月20日公開)
【文献】特開平10-308779号公報(1998年11月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブネットワークが複数存在するような複雑なネットワーク構成の場合、メンテナンスなどでユニット(通信装置)が取り外されると、IPアドレスの第1オクテット、第2オクテットおよび第3オクテットを把握することが困難になる場合がある(どのサブネットワークに接続されていたか分からなくなるなど)。以下に、上記の場合における3つの対応方法と、その課題とを示す。
【0005】
(1)IPアドレスを初期化し、IPアドレスを設定し直す。この場合、製品によっては、IPアドレス以外の設定も初期化されるので、すべての設定を再設定しなければならないこともある。
【0006】
(2)存在するネットワークアドレスを総当たりで確認する。詳細には、pingなどを製品宛に送る。ネットワークアドレスが合っていれば、応答がある。しかしながら、ネットワークアドレス数が多いシステムの場合には、手間がかかる。また、例えば製品が製造メーカに返送された場合、現場におけるネットワークアドレスに関する情報がなければ、上記の総当たりで確認する方法は実質的に不可能である。これは、ネットワークアドレスとして想定される組み合わせが膨大であるからである。
【0007】
(3)Ethernet(登録商標)回線上のデータを確認できる専用ツールなどを用いて、製品から送信されるデータを確認することにより、IPアドレスを特定する。この場合、専用ツールを使用する知識のある者が必要となり、誰でも特定できるものではない。
【0008】
本発明の一態様は、通信装置において、低コストにアドレス情報を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信装置は、ネットワークに接続されるとともに、入出力機器を接続する複数のポートを有する通信装置であって、前記ポートの状態をそれぞれ表示する表示部と、前記表示部がそれぞれ前記状態を表示する状態表示モードと、前記表示部が当該通信装置のアドレス情報を表示するアドレス表示モードとを切り替える操作部と、前記アドレス表示モードのときに、前記表示部に前記アドレス情報を表示させる制御部と、を備える。
【0010】
前記構成によれば、通信装置において、入出力機器を接続する複数のポートの状態を表示する表示部を、当該通信装置のアドレス情報の表示にも用いるので、新たな表示部を設けることなく、低コストにアドレス情報を表示することができる。
【0011】
一実施形態において、前記通信装置では、前記表示部は、複数の発光部材から構成され、前記制御部は、前記アドレス情報に含まれる数値を示す特定パターンおよび当該特定パターンの変更に応じて、前記表示部の各発光部材に点灯または消灯を行わせる。
【0012】
前記構成によれば、表示部として複数の発光部材を用いると共に、数値を示す特定パターンおよびその変更に応じて複数の発光部材に点灯または消灯を行わせるので、簡潔に通信装置のアドレス情報を表示することができる。
【0013】
一実施形態において、前記通信装置では、前記表示部において並設される、4個の前記発光部材は、前記アドレス情報に含まれる10進1桁の数値を表示する。
【0014】
前記構成によれば、4個の発光部材を用いて10進1桁の数値を表示するので、簡潔に通信装置のアドレス情報を表示することができる。
【0015】
一実施形態において、前記通信装置では、前記制御部は、前記アドレス情報の各部分に応じた色を、当該部分の数値を表示する発光部材に点灯させる。
【0016】
前記構成によれば、通信装置のアドレス情報の部分に応じた色を各発光部材に点灯させるので、分かり易くアドレス情報を表示することができる。
【0017】
一実施形態において、前記通信装置では、前記アドレス表示モードのうち、ユーザが前記アドレス情報を目視するための目視モードと、携帯端末が前記アドレス情報を撮像して認識するための撮像モードとを切り替える切替部をさらに備え、前記目視モードにおける前記特定パターンの変更速度が、前記撮像モードにおける前記特定パターンの変更速度よりも遅く設定されている。
【0018】
前記構成によれば、通信装置のアドレス情報を表示するアドレス表示モードとして、目視モードと、撮像モードとを有するので、アドレス情報の表示手段をフレキシブルに提供することができる。
【0019】
一実施形態において、前記通信装置では、前記操作部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである。
【0020】
前記構成によれば、状態表示モードと、アドレス表示モードとを切り替える操作部として、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチを用いることができる。
【0021】
一実施形態において、前記通信装置では、前記アドレス情報の一部を設定するロータリースイッチをさらに備え、前記ロータリースイッチは、前記操作部としても機能する。
【0022】
前記構成によれば、通信装置において、アドレス情報の一部を設定するロータリースイッチを、操作部としても用いるので、低コストにアドレス情報を表示することができる。
【0023】
一実施形態において、前記通信装置では、前記切替部は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである。
【0024】
前記構成によれば、目視モードと、撮像モードとを切り替える切替部として、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチを用いることができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、前記通信装置の表示部によって表示される特定パターンを撮像する撮像部と、撮像した特定パターンから前記アドレス情報を認識する制御部と、変換したアドレス情報を表示する表示部と、を備える情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、上記制御部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムである。
【0026】
前記構成によれば、通信装置のアドレス情報を表示する手段として、携帯端末を用いることができる。
【0027】
本発明の各態様に係る通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記通信装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記通信装置をコンピュータにて実現させる通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、通信装置において、低コストにアドレス情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態1に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る通信装置の外観を示す側面図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るアドレス表示モードにおける表示部の表示仕様を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係るアドレス表示モードにおける表示部の表示仕様を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係るアドレス表示モードにおける表示部の表示仕様を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係るスライドスイッチを用いた場合の、通信装置の処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態1に係るプッシュスイッチを用いた場合の、通信装置の処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態2に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係るスライドスイッチを用いた場合の、通信装置の処理を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態2に係る携帯端末の処理を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態2に係るスライドスイッチの表示モード切替方法を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態2に係るロータリースイッチのアドレス表示モードへの切替方法および状態表示モードへの切替方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0031】
§1 適用例
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。本実施形態は、通信装置1が単体で自らのアドレス情報を表示するものである。
【0032】
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、複数の通信装置1は、SWHub4およびネットワーク100を介してPLCシステムのマスタ機器31に接続されている。複数の通信装置1は、スレーブ機器として、マスタ機器31からの指示を受けて動作する。
【0033】
(通信装置1の構成)
図2は、本実施形態に係る通信装置1の構成を示すブロック図である。通信装置1は、ネットワーク100に接続され、入出力機器を接続する複数のポート(すなわち、IOポート)を有する。
図2に示すように、通信装置1は、表示部11、操作部12、切替部13、制御部14、および、通信部15を備えている。
【0034】
表示部11は、IOポートの動作状態(ポートの状態)を表示する。
【0035】
操作部12は、状態表示モードと、アドレス表示モードとを切り替える。状態表示モードのとき、表示部11は、それぞれIOポートの動作状態を表示する。アドレス表示モードのとき、表示部11は、通信装置1のIPアドレス等(アドレス情報)を表示する。
【0036】
切替部13は、上記アドレス表示モードのうち、ユーザがIPアドレス等を目視するための目視モードと、携帯端末がIPアドレス等を撮像して認識するための撮像モードとを切り替える。目視モードにおける特定パターンの変更速度は、撮像モードにおける特定パターンの変更速度よりも遅く設定されている。なお、本実施形態では、アドレス表示モードのうち、目視モードに切り替えられている状態での動作について説明する。切替部13は、スライドスイッチ121、または、プッシュスイッチ122の何れかである。
【0037】
制御部14は、アドレス表示モードのときに、表示部11にIPアドレス等(アドレス情報)を表示させる。詳細には、制御部14は、IPアドレス等に含まれる数値を示す特定パターンおよび当該特定パターンの変更に応じて、表示部11の各LED(発光部材)に点灯または消灯を行わせる。通信部15は、ネットワーク100を介して外部の装置と通信を行う。
【0038】
図3は、本実施形態に係る通信装置1の外観を示す側面図である。
図3に示すように、通信装置1の側面には、表示部11、ロータリースイッチ123および124が配設されている。スライドスイッチ121、および、プッシュスイッチ122は、IPアドレス表示開始スイッチ(操作部12)として、何れか一方が通信装置1の側面に配設される。すなわち、操作部12は、スライドスイッチ、または、プッシュスイッチの何れかである。
【0039】
表示部11は、横並びに配設された複数のLEDから構成され、各LEDは、異なる2色(例えば、緑色と赤色)を発光する。
【0040】
表示部11は、状態表示という機能を有するとともに、IPアドレスの表示を行う。例えば、表示部11において並設される4個のLEDは、IPアドレス等に含まれる10進1桁の数値を表示することにしてもよい。次に、制御部14は、IPアドレス等の各部分に応じた色を、当該部分の数値を表示するLEDに点灯させてもよい。また、表示部11が、さらに別の表示を行ってもよい。
【0041】
スライドスイッチ121は、操作対象を上下にスライドさせることにより切り替えるスイッチである。プッシュスイッチ122は、操作対象を押すことにより切り替えるスイッチである。プッシュスイッチ122は、タクタイルスイッチとも呼ばれるものであり、操作対象を押すとオン、離すとオフになるスイッチである。
【0042】
ロータリースイッチ123および124は、中央の矢印を周囲の数字の刻印に合わせることによって、BCD(Binary Decimal Code)などのコードを出力するスイッチである。ロータリースイッチ123および124は、IPアドレスの第4オクテット(アドレス情報の一部)を設定するために用いられるが、IPアドレス表示開始スイッチ(操作部12)としても機能する。
【0043】
上記によれば、IPアドレス表示開始スイッチとして、スライドスイッチ121、プッシュスイッチ122、または、ロータリースイッチ123および124を用いることができる。その詳細は、後述する。
【0044】
(表示部11の表示仕様)
図4は、本実施形態に係るアドレス表示モードにおける表示部11の表示仕様を示す図である。
図4に示すように、表示部11における4個のIOポートLEDが10進1桁の数値を表示する。このとき、4個のLEDは、赤色を点灯してもよいし、緑色を点灯してもよい。なお、1個のLEDが、赤色および緑色を同時に点灯することにより、.(ドット)を表示してもよい。
【0045】
図5は、本実施形態に係るアドレス表示モードにおける表示部11の表示仕様を示す図である。
図5に示すように、通信装置1の側面に32個のIOポートLEDが並設されている。以下に、表示部11として32個のIOポートLEDを用いた、IPアドレスの表示手順を説明する。
【0046】
(ステップS501)
制御部14は、0.5秒間、32個のIOポートLEDに赤色を点灯させる。これは、IPアドレスの第1オクテットおよび第2オクテットの表示を開始する旨を示すものである。
【0047】
(ステップS502)
制御部14は、5秒間、24個の赤色LEDによる10進1桁の数値6個、および、その間に5個の赤色および緑色のLEDによるドット5個を点灯させる。これは、IPアドレスの第1オクテットおよび第2オクテットを表示するものである。
【0048】
(ステップS503)
制御部14は、0.5秒間、32個のIOポートLEDに緑色を点灯させる。これは、IPアドレスの第3オクテットおよび第4オクテットの表示を開始する旨を示すものである。
【0049】
(ステップS504)
制御部14は、5秒間、24個の緑色LEDによる10進1桁の数値6個、および、その間に5個の赤色および緑色のLEDによるドット5個を点灯させる。これは、IPアドレスの第3オクテットおよび第4オクテットを表示するものである。
【0050】
そして、制御部14は、ステップS501~S504の処理を繰り返す。
【0051】
図6は、本実施形態に係るアドレス表示モードにおける表示部11の表示仕様を示す図である。
図6に示すように、通信装置1の側面に16個のIOポートLEDが並設されている。以下に、表示部11として16個のIOポートLEDを用いた、IPアドレスの表示手順を説明する。
【0052】
(ステップS601)
制御部14は、0.5秒間、16個のIOポートLEDに赤色を点灯させる。これは、IPアドレスの第1オクテットの表示を開始する旨を示すものである。
【0053】
(ステップS602)
制御部14は、5秒間、12個の赤色LEDによる10進1桁の数値3個、および、その間に2個の赤色および緑色のLEDによるドット2個を点灯させる。そして、制御部14は、最も左側のLEDを消灯させる。これは、IPアドレスの第1オクテットを表示するものである。
【0054】
(ステップS603)
制御部14は、0.5秒間、16個のIOポートLEDに赤色を点灯させる。これは、IPアドレスの第2オクテットの表示を開始する旨を示すものである。
【0055】
(ステップS604)
制御部14は、5秒間、12個の赤色LEDによる10進1桁の数値3個、および、その間に2個の赤色および緑色のLEDによるドット2個を点灯させる。そして、制御部14は、最も左側のLEDに赤色および緑色を同時に点灯させる。これは、IPアドレスの第2オクテットを表示するものである。
【0056】
(ステップS605)
制御部14は、0.5秒間、16個のIOポートLEDに緑色を点灯させる。これは、IPアドレスの第3オクテットの表示を開始する旨を示すものである。
【0057】
(ステップS606)
制御部14は、5秒間、12個の緑色LEDによる10進1桁の数値3個、および、その間に2個の赤色および緑色のLEDによるドット2個を点灯させる。そして、制御部14は、最も左側のLEDを消灯させる。これは、IPアドレスの第3オクテットを表示するものである。
【0058】
(ステップS607)
制御部14は、0.5秒間、16個のIOポートLEDに緑色を点灯させる。これは、IPアドレスの第4オクテットの表示を開始する旨を示すものである。
【0059】
(ステップS608)
制御部14は、5秒間、12個の緑色LEDによる10進1桁の数値3個、および、その間に2個の赤色および緑色のLEDによるドット2個を点灯させる。そして、制御部14は、最も左側のLEDに赤色および緑色を同時に点灯させる。これは、IPアドレスの第4オクテットを表示するものである。
【0060】
そして、制御部14は、ステップS601~S608の処理を繰り返す。
【0061】
(通信装置1の処理)
図7は、本実施形態に係るスライドスイッチ121を用いた場合の、通信装置1の処理を示すフローチャートである。以下に、
図7のフローチャートに従って、通信装置1の処理を説明する。スライドスイッチ121は、ユーザの切り替えによって、オンになっているかオフになっているかが明確である。従って、制御部14は、スライドスイッチ121オンかオフかを簡単に判定可能である。なお、以下の説明は、目視モードを前提とする。
【0062】
(ステップS701)
通信装置1において、制御部14は、システムの初期化を行う。
【0063】
(ステップS702)
制御部14は、ネットワーク100を介した通信処理を開始する。
【0064】
(ステップS703)
制御部14は、操作部12であるスライドスイッチ121がオンになっているか否かを判定する。スライドスイッチ121がオンになっている場合(ステップS703のYES)、制御部14は、ステップS704の処理を実行する。スライドスイッチ121がオンになっていない場合(ステップS703のNO)、制御部14は、ステップS706の処理を実行する。
【0065】
(ステップS704)
制御部14は、表示部11に「アドレス表示モード開始」を表示させる。
【0066】
(ステップS705)
制御部14は、表示部11であるIOポートLEDに通信装置1のIPアドレスを表示させる。その後、制御部14は、ステップS703の判定に戻る。
【0067】
(ステップS706)
制御部14は、表示部11に通常使用時の表示を行わせる。すなわち、制御部14は、表示部11にIOポートの動作状態を表示させる。その後、制御部14は、ステップS703の判定に戻る。
【0068】
図8は、本実施形態に係るプッシュスイッチ122を用いた場合の、通信装置1の処理を示すフローチャートである。以下に、
図8のフローチャートに従って、通信装置1の処理を説明する。制御部14は、プッシュスイッチ122が押された状態に応じて、アドレス表示モードがTRUEかFALSEかを記憶する。なお、以下の説明は、目視モードを前提とする。
【0069】
(ステップS801)
通信装置1において、制御部14は、システムの初期化を行う。
【0070】
(ステップS802)
制御部14は、ネットワーク100を介した通信処理を開始する。
【0071】
(ステップS803)
制御部14は、アドレス表示モードがTRUEになっているか否かを判定する。アドレス表示モードがTRUEになっている場合(ステップS803のYES)、制御部14は、ステップS804の処理を実行する。アドレス表示モードがTRUEになっていない場合(ステップS803のNO)、制御部14は、ステップS806の処理を実行する。
【0072】
(ステップS804)
制御部14は、表示部11に「アドレス表示モード開始」を表示させる。
【0073】
(ステップS805)
制御部14は、表示部11であるIOポートLEDに通信装置1のIPアドレスを表示させる。その後、制御部14は、ステップS807の判定を実行する。
【0074】
(ステップS806)
制御部14は、表示部11に通常使用時の表示を行わせる。すなわち、制御部14は、表示部11にIOポートの動作状態を表示させる。その後、制御部14は、ステップS807の判定を実行する。
【0075】
(ステップS807)
制御部14は、プッシュスイッチ122が2秒間長押しされたか否かを判定する。プッシュスイッチ122が2秒間長押しされた場合(ステップS807のYES)、制御部14は、ステップS808の処理を実行する。プッシュスイッチ122が2秒間長押しされていない場合(ステップS807のNO)、制御部14は、ステップS803の判定に戻る。
【0076】
(ステップS808)
制御部14は、記憶しているアドレス表示モードを反転させる。すなわち、制御部14は、アドレス表示モードがFALSEである場合、アドレス表示モードをTRUEに設定する。一方、制御部14は、アドレス表示モードがTRUEである場合、アドレス表示モードをFALSEに設定する。その後、制御部14は、ステップS803の判定に戻る。
【0077】
上記によれば、プッシュスイッチ122が2秒間長押しされない限り、アドレス表示モードが変更されないので、ユーザが操作ミスによりプッシュスイッチ122に触れたとしても誤動作はしない。なお、ステップS808を実行する、すなわち、アドレス表示モードの反転を行うための、長押しの時間は、2秒間に限らず、何秒間であってもよいが、2秒以上の時間が好ましい。
【0078】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0079】
本実施形態では、スマートフォンなどの携帯端末(情報処理装置)2が通信装置1によるIPアドレスなどの表示を読み取り、解析して、IPアドレスなどを表示する。本実施形態に係る通信装置1の構成は、
図2と同様である。
【0080】
(携帯端末2の構成)
図9は、本実施形態に係る携帯端末2の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、携帯端末2は、撮像部21、制御部22、表示部23、および、記憶部24を備えている。撮像部21は、通信装置1の表示部11によって表示される特定パターンを撮像するカメラである。制御部22は、撮像した特定パターンからアドレス情報を認識する装置である。表示部23は、認識したアドレス情報を表示する画面である。記憶部24は、表示部11の表示仕様(すなわち、特定パターンの仕様)を記憶する装置である。
【0081】
図9に示すように、制御部22は、撮像制御部221、アドレス認識部222、および、
表示制御部223を備えている。撮像制御部221は、撮像部21を制御して、特定パターンを取得する。アドレス認識部222は、取得した特定パターンを数値に変換して、IPアドレスなどを認識する。表示制御部223は、認識したIPアドレスなどを表示部23に表示させる。
【0082】
(通信装置1の処理)
図10は、本実施形態に係るスライドスイッチ121を用いた場合の、通信装置1の処理を示すフローチャートである。以下に、
図10のフローチャートに従って、通信装置1の処理を説明する。なお、以下の説明は、撮像モードを前提とする。
【0083】
(ステップS1001)
通信装置1において、制御部14は、システムの初期化を行う。
【0084】
(ステップS1002)
制御部14は、ネットワーク100を介した通信処理を開始する。
【0085】
(ステップS1003)
制御部14は、操作部12であるスライドスイッチ121がオンになっているか否かを判定する。スライドスイッチ121がオンになっている場合(ステップS1003のYES)、制御部14は、ステップS1004の判定を実行する。スライドスイッチ121がオンになっていない場合(ステップS1003のNO)、制御部14は、ステップS1007の処理を実行する。
【0086】
(ステップS1004)
制御部14は、スライドスイッチ121のオフからオンへの切り替えが初回か否かを判定する。上記切り替えが初回である場合(ステップS1004のYES)、制御部14は、ステップS1005の処理を実行する。上記切り替えが初回でない場合(ステップS1004のNO)、制御部14は、ステップS1005の処理をスキップして、ステップS1006の処理を実行する。
【0087】
(ステップS1005)
制御部14は、表示部11に「アドレス表示モード開始」を表示させる。
【0088】
(ステップS1006)
制御部14は、表示部11であるIOポートLEDに通信装置1のIPアドレスおよびサブネットマスクを表示させる。なお、撮像モードにおける表示部11の変更周期は、例えば、目視モードにおける当該変更周期の1/2になる。その後、制御部14は、ステップS1003の判定に戻る。
【0089】
なお、目視モードに対する撮像モードの変更周期の割合は、1/2に限定するものではなく、携帯端末2の撮像部21であるカメラの撮像性能に応じて、1/3、1/4、・・・であってもよいし、他の割合であってもよい。
【0090】
(ステップS1007)
制御部14は、表示部11に通常使用時の表示を行わせる。すなわち、制御部14は、表示部11に通信装置1におけるIOポートの動作状態を表示させる。その後、制御部14は、ステップS1003の判定に戻る。
【0091】
(携帯端末2の処理)
図11は、本実施形態に係る携帯端末2の処理を示すフローチャートである。以下に、
図11のフローチャートに従って、携帯端末2の処理を説明する。
【0092】
(ステップS1101)
携帯端末2において、制御部22は、アドレス情報読み出しアプリ(情報処理プログラム)を起動する。アドレス情報読み出しアプリは、制御部22としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムである。
【0093】
(ステップS1102)
制御部22の撮像制御部221は、撮像部21に、通信装置1の表示部11を撮影させる。
【0094】
(ステップS1103)
制御部22のアドレス認識部222は、表示部11によるアドレス表示モード開始を検出する。
【0095】
(ステップS1104)
制御部22のアドレス認識部222は、表示部11の特定パターンおよび当該特定パターンの変更から通信装置1のIPアドレスおよびサブネットマスクを識別する。
【0096】
(ステップS1105)
制御部22の表示制御部223は、識別したIPアドレスおよびサブネットマスクを表示部23に表示させる。
【0097】
図12は、本実施形態に係るスライドスイッチ121の表示モード切替方法を示す図である。アドレス表示モードになっている状態で、
図12に示すように、3秒以内にスライドスイッチ121をオン、オフ、オンすることによって、アドレス表示モードとして、目視モードか、撮像モードかを切り替えることができる。次回、アドレス表示モードを起動した際には、最後に使用した目視モード、または、撮像モードを表示開始する。
【0098】
なお、プッシュスイッチ122の場合、アドレス表示モードになっている状態で、例えば、3秒間の長押しを行うと、目視モード、または、撮像モードに切り替わる。なお、目視モード、または、撮像モードに切り替えるための、長押しの時間は、3秒間に限らず、アドレス表示モードの反転を行うための、長押しの時間(例えば、2秒間)と区別可能な時間であれば、何秒間であってもよい。
【0099】
図13は、本実施形態に係るロータリースイッチ124のアドレス表示モードへの切替方法および状態表示モードへの切替方法を示す図である。
【0100】
図13の上図は、ロータリースイッチ124が1に設定されている場合の操作例を示す。特に、1に設定されているロータリースイッチ124を操作した例を示す。
【0101】
図13の上図に示すように、ロータリースイッチ124に設定されているIPアドレスの数値(1)から、3秒以内の、2往復半の操作により、別の数値(例えば、2)切り替える。通信できている数値から変更する操作で切り替わるので、変更後の値は問わない。
【0102】
上記の状態から状態表示モードに戻すためには、
図13の下図に示すように、ロータリースイッチ124を元の値(1)に戻す。変更する値を間違えた場合は、表示部11が赤点滅のままの状態になり、IPアドレス表示も行わない。なお、アドレス表示モードを継続でもよい。また、通信装置1の電源リセットにより、状態表示モードに戻る。
【0103】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通信装置1および携帯端末2の制御ブロック(特に、制御部14および制御部22)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0104】
後者の場合、通信装置1および携帯端末2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0105】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1 通信装置
2 携帯端末(情報処理装置)
11 表示部
12 操作部
13 切替部
14 制御部
15 通信部
21 撮像部
22 制御部
23 表示部
100 ネットワーク
121 スライドスイッチ
122 プッシュスイッチ
123、124 ロータリースイッチ