(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】通信システム、ファクシミリ装置、及び通信システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/32 20060101AFI20240214BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H04N1/32 400
H04N1/32 358
H04N1/00 127B
H04N1/00 J
(21)【出願番号】P 2020048811
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】日吉 莉菜
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-165622(JP,A)
【文献】特開2014-176026(JP,A)
【文献】特開2006-262150(JP,A)
【文献】特開平11-150557(JP,A)
【文献】特開2005-072706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32 - 1/36
1/42 - 1/44
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、前記情報処理装置と接続されるファクシミリ装置とを備える通信シス
テムであって、
前記情報処理装置は、単一の第1画像情報と、前記第1画像情報の送信先の宛先を示す
2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報を前記ファクシミリ装置に送信し、
前記ファクシミリ装置は、前記情報処理装置から前記第1ジョブ情報を受信した場合、
受信した前記第1ジョブ情報に含まれる前記2個以上の宛先情報に基づいて、前記2個以
上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に、前記第1画像情報をファクシミリ通信により同報
送信
し、
前記ファクシミリ装置は、ファクシミリ通信を行う複数のポートを備え、
前記ファクシミリ装置は、ファクシミリ通信により前記2個以上の宛先情報のそれぞれ
が示す宛先に複数の前記ポートにより前記第1画像情報を同報送信する場合、所定の第1
時間が経過する毎に、複数の前記ポート毎のファクシミリ通信に関する通信進捗情報を含
むステータス情報を記憶し、
前記情報処理装置は、所定の第2時間が経過する毎に、前記ファクシミリ装置から複数
の前記ポート毎の前記ステータス情報を受信し、受信した前記ステータス情報に含まれる
前記通信進捗情報に基づいて、前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先毎のファク
シミリ通信に関する通信進捗の情報を表示部に表示させる、
通信システム。
【請求項2】
前記第1ジョブ情報には、前記2個以上の宛先情報のそれぞれと、単一の前記第1画像
情報とを対応付ける対応情報が更に含まれている、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記所定の第1時間は、前記所定の第2時間よりも短い時間である、
請求項
1に記載の通信システム。
【請求項4】
情報処理装置と接続されるファクシミリ装置であって、
前記ファクシミリ装置は、単一の第1画像情報と、前記第1画像情報の送信先の宛先を
示す2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報を前記情報処理装置から受信した場合、
受信した前記第1ジョブ情報に含まれる前記2個以上の宛先情報に基づいて、ファクシミ
リ通信により前記第1画像情報を前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送
信
し、
ファクシミリ通信により前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に、前記ファク
シミリ装置に備わる複数のポートにより前記第1画像情報を同報送信する場合、所定の第
1時間が経過する毎に、複数の前記ポート毎のファクシミリ通信に関する通信進捗情報を
含むステータス情報を記憶し、
所定の第2時間が経過する毎に、前記ファクシミリ装置から複数の前記ポート毎の前記
ステータス情報を送信する、
ファクシミリ装置。
【請求項5】
情報処理装置と、前記情報処理装置と接続されるファクシミリ装置とを備える通信シス
テムの制御方法であって、
単一の第1画像情報と、前記第1画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報と
を含む第1ジョブ情報を前記情報処理装置が前記ファクシミリ装置に送信する第1ステッ
プと、
前記ファクシミリ装置が前記情報処理装置から前記第1ジョブ情報を受信した場合、受
信した前記第1ジョブ情報に含まれる前記2個以上の宛先情報に基づいて、ファクシミリ
通信により前記第1画像情報を、前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に前記フ
ァクシミリ装置が同報送信する第2ステップと、
ファクシミリ通信により前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に、前記ファク
シミリ装置に備わる複数のポートにより前記第1画像情報を同報送信する場合、所定の第
1時間が経過する毎に、複数の前記ポート毎のファクシミリ通信に関する通信進捗情報を
含むステータス情報を記憶するステップと、
所定の第2時間が経過する毎に、前記ファクシミリ装置は複数の前記ポート毎の前記ス
テータス情報を受信し、受信した前記ステータス情報に含まれる前記通信進捗情報に基づ
いて、前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先毎のファクシミリ通信に関する通信
進捗の情報を表示部に表示させるステップと、
を有する通信システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信システム、ファクシミリ装置、及び通信システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ通信についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、ファクシミリ送信をファクシミリ装置に行わせる情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。ここで、ファクシミリ送信は、ファクシミリ通信による画像情報の送信のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたような情報処理装置は、ファクシミリ送信をファクシミリ装置に行わせる場合、受け付けた操作に応じたジョブ情報をファクシミリ装置に送信する。ここで、ジョブ情報は、当該操作に応じた画像情報と、当該操作に応じた宛先情報とを含む情報のことである。また、当該操作に応じた画像情報は、当該操作に応じて選択された画像を示す情報のことである。また、当該操作に応じた宛先情報は、画像情報の送信先として当該操作に応じて選択された送信先の宛先を示す情報のことである。ファクシミリ装置は、当該情報処理装置から送信されたジョブ情報を受信した場合、受信したジョブ情報を一時的に記憶する。そして、ファクシミリ装置は、一時的に記憶したジョブ情報に含まれる画像情報を、当該ジョブ情報に含まれる宛先情報が示す宛先に送信する。このようにして行われるファクシミリ通信は、PC-FAXと称されることがある。
【0006】
また、特許文献1に記載されたような情報処理装置は、ファクシミリ同報送信をファクシミリ装置に行わせることもできる。ここで、ファクシミリ同報送信は、ファクシミリ通信による画像情報の同報送信のことである。当該情報処理装置は、ファクシミリ同報送信をファクシミリ装置に行わせる場合、受け付けた操作に応じた複数のジョブ情報をファクシミリ装置に送信する。ここで、当該複数のジョブ情報のそれぞれには、互いに同じ画像情報が含まれている。また、当該複数のジョブ情報のそれぞれには、互いに異なる宛先を示す宛先情報が含まれている。ファクシミリ装置は、当該情報処理装置から送信された複数のジョブ情報を受信した場合、受信した複数のジョブ情報を一時的に記憶する。そして、ファクシミリ装置は、一時的に記憶した複数のジョブ情報のそれぞれについて、ジョブ情報に含まれる画像情報を、ジョブ情報に含まれる宛先情報が示す宛先に送信する。これにより、ファクシミリ装置は、ファクシミリ同報送信を行う。
【0007】
ここで、特許文献1に記載されたような情報処理装置では、ファクシミリ同報送信において画像情報を送信する送信先の数が多いほど、このようなファクシミリ装置に一時的に記憶されるジョブ情報の数は、多くなる。しかしながら、当該ファクシミリ装置の記憶容量は、無制限に大きいわけではない。このため、当該情報処理装置は、ファクシミリ同報送信を当該ファクシミリ装置に行わせる場合において、当該ファクシミリ装置の記憶容量を不足させてしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、情報処理装置と、前記情報処理装置と接続されるファクシミリ装置とを備える通信システムであって、前記情報処理装置は、単一の第1画像情報と、前記第1画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報を前記ファクシミリ装置に送信し、前記ファクシミリ装置は、前記情報処理装置から前記第1ジョブ情報を受信した場合、受信した前記第1ジョブ情報に含まれる前記2個以上の宛先情報に基づいて、前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に、前記第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する、通信システムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、情報処理装置と接続されるファクシミリ装置であって、前記ファクシミリ装置は、単一の第1画像情報と、前記第1画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報を前記情報処理装置から受信した場合、受信した前記第1ジョブ情報に含まれる前記2個以上の宛先情報に基づいて、ファクシミリ通信により前記第1画像情報を前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送信する、ファクシミリ装置である。
【0010】
また、本発明の一態様は、情報処理装置と、前記情報処理装置と接続されるファクシミリ装置とを備える通信システムの制御方法であって、単一の第1画像情報と、前記第1画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報を前記情報処理装置が前記ファクシミリ装置に送信する第1ステップと、前記ファクシミリ装置が前記情報処理装置から前記第1ジョブ情報を受信した場合、受信した前記第1ジョブ情報に含まれる前記2個以上の宛先情報に基づいて、ファクシミリ通信により前記第1画像情報を、前記2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に前記ファクシミリ装置が同報送信する第2ステップと、を有する通信システムの制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】通信システム1の構成の一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置10がジョブ情報を複合機20に送信する処理の流れの一例を示す図である。
【
図3】ジョブ情報を受信した場合に複合機20が行う処理の流れの一例を示す図である。
【
図4】ジョブ情報の送受信に関して情報処理装置10と複合機20とが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図5】ステップS322の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域に記憶されている画像情報の一例を示す図である。
【
図6】ステップS325の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域に記憶されている画像情報の一例を示す図である。
【
図7】ステップS327の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域に記憶されている画像情報の一例を示す図である。
【
図9】情報処理装置10がステータス画像を表示する処理の流れの一例を示す図である。
【
図10】ステータス情報テーブルの一例を示す図である。
【
図11】複合機20がステータス情報テーブルの生成と更新を行う処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
<通信システムの概要>
まず、実施形態に係る通信システムの概要について説明する。なお、本実施形態では、単に同報送信と称した場合、ファクシミリ通信による同報送信を意味する。
【0014】
実施形態に係る通信システムは、情報処理装置と、ファクシミリ装置とを備える。ここで、ファクシミリ装置は、画像を示す画像情報をファクシミリ通信により送信する装置であり、情報処理装置と接続される。
【0015】
情報処理装置は、第1ジョブ情報をファクシミリ装置に送信する。ここで、第1ジョブ情報は、単一の第1画像情報と、2個以上の宛先情報とを含む情報のことである。2個以上の宛先情報のそれぞれは、互いに異なる送信先の宛先を示す情報のことである。すなわち、情報処理装置は、1個の第1画像情報とともに、第1画像情報に対応付けられた2個以上の宛先情報を含む情報を第1ジョブ情報としてファクシミリ装置に送信する。
【0016】
ファクシミリ装置は、情報処理装置から第1ジョブ情報を受信した場合、受信した第1ジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報に基づいて、2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する。
【0017】
これにより、実施形態に係る通信システムは、同報送信においてファクシミリ装置の記憶容量を不足させてしまうことを抑制できる。以下では、当該通信システムの構成と、当該通信システムが行う処理とのそれぞれについて詳しく説明する。
【0018】
なお、上記のファクシミリ装置は、ファクシミリ通信を行うことが可能な装置であれば、如何なる種類の装置であってもよい。このため、以下では、一例として、当該ファクシミリ装置が、ファクシミリ通信を行うことが可能な複合機である場合について説明する。
【0019】
<通信システムの構成>
以下では、実施形態の通信システムの一例として、
図1に示した通信システム1を例に挙げて説明する。
図1は、通信システム1の構成の一例を示す図である。
【0020】
通信システム1は、情報処理装置10と、複合機20とを備える。
【0021】
情報処理装置10は、前述の情報処理装置の一例である。情報処理装置10は、例えば、ノートPC(Personal Computer)である。なお、情報処理装置10は、ノートPCに代えて、デスクトップPC、ワークステーション、タブレットPC、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)等の他の情報処理装置であってもよい。
【0022】
情報処理装置10は、無線又は有線によるネットワークを介して複合機20と通信可能に接続される。なお、当該ネットワークは、インターネットであってもよく、LAN(Local Area Network)であってもよく、Wi-Fi(登録商標)であってもよく、他のネットワークであってもよい。
【0023】
情報処理装置10は、受け付けた操作に応じて、当該操作に応じた画像を示す画像情報のファクシミリ通信による送信を複合機20に行わせる。
【0024】
情報処理装置10は、画像情報のファクシミリ通信による送信を行う場合、受け付けた操作に応じたジョブ情報を生成する。ここで、ジョブ情報は、当該操作に応じた単一の画像情報と、当該操作に応じた2個以上の宛先情報とを含む情報のことである。当該操作に応じた画像情報は、当該操作に応じて選択された画像を示す情報のことである。また、当該操作に応じた2個以上の宛先情報のそれぞれは、当該操作に応じた画像情報の送信先として当該操作に応じて選択された2個以上の送信先それぞれの宛先を示す情報のことである。また、当該操作に応じた2個以上の宛先情報は、互いに異なる宛先を示す情報のことである。ここで、当該操作に応じた2個以上の宛先情報のそれぞれは、例えば、互いに異なる電話番号である。なお、当該操作に応じた1個以上の宛先情報のそれぞれは、当該操作に応じた画像情報のファクシミリ通信による送信において電話番号の代わりとして宛先を示すことが可能な他の情報であってもよい。
【0025】
ジョブ情報を生成した後、情報処理装置10は、生成したジョブ情報を、複合機20に送信する。これにより、情報処理装置10は、複合機20に送信したジョブ情報に含まれる画像情報のファクシミリ通信による送信を複合機20に行わせる。
【0026】
複合機20は、ファクシミリ通信により、ジョブ情報に含まれる1個の画像情報を、ジョブ情報に含まれる2個の宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送信する。本実施形態では、同報送信を行う場合において通信システム1が行う処理について説明する。このため、以下では、一例として、ジョブ情報に含まれる宛先情報の数が、2個以上である場合について説明する。
【0027】
また、ジョブ情報は、ジョブ情報に含まれている画像情報の同報送信を複合機20に行わせるトリガーとして機能する情報であってもよく、当該トリガーとして機能しない情報であってもよい。なお、ジョブ情報が当該トリガーとして機能しない情報である場合、情報処理装置10は、例えば、ジョブ情報の複合機20への送信において、ジョブ情報とともに、当該トリガーとなるコマンドを複合機20に送信する。以下では、一例として、ジョブ情報が当該トリガーとして機能する情報である場合について説明する。
【0028】
情報処理装置10は、例えば、第1制御部11と、第1記憶部12と、第1受付部13と、第1通信部14と、第1表示部15とを備える。
【0029】
第1制御部11は、情報処理装置10の全体を制御する。第1制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。なお、第1制御部11は、CPUに代えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のプロセッサーであってもよい。第1制御部11は、第1記憶部12に記憶された各種のプログラムを実行することにより、情報処理装置10における各種の処理を行う。
【0030】
第1記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。すなわち、第1記憶部12は、一時的な記憶装置と、非一時的な記憶装置とを含む。なお、第1記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。第1記憶部12は、第1制御部11が処理する各種のプログラム、各種の画像、各種の情報等を格納する。
【0031】
第1受付部13は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、その他の入力装置である。なお、第1受付部13は、これらに代えて、第1表示部15と一体に構成されたタッチパネルであってもよい。
【0032】
第1通信部14は、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等を含んで構成される。
【0033】
第1表示部15は、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)等のディスプレイパネルである。
【0034】
複合機20は、前述の複合機の一例である。このため、複合機20は、ファクシミリ通信による画像情報の送信を行う機能を有する。また、複合機20は、ファクシミリ通信による画像情報の送信を行う機能に加えて、印刷機能と画像読取機能とを有する。ここで、印刷機能は、印刷媒体へ画像を印刷する機能のことである。また、画像読取機能は、印刷媒体に印刷された画像を示す画像情報を印刷媒体から読み取る機能のことである。
【0035】
複合機20は、前述のネットワークを介して情報処理装置10と通信可能に接続される。また、複合機20は、1つ以上の電話回線と接続される。このため、複合機20は、1つ以上の電話回線毎に、電話回線を介したファクシミリ通信を行うことが可能である。以下では、一例として、複合機20が、電話回線を接続可能なチャンネルを3つ有している場合について説明する。すなわち、この一例において、複合機20は、ファクシミリ通信用の通信ポートを3つ備え、これらの通信ポートにより3つの電話回線と接続されている。この場合、複合機20は、画像情報をファクシミリ通信により最大で3つの送信先へ並列に送信することができる。以下では、説明の便宜上、当該3つの電話回線のそれぞれを、第1電話回線、第2電話回線、第3電話回線と称して説明する。
【0036】
複合機20は、情報処理装置10からジョブ情報を受信した場合、受信したジョブ情報に基づいて、ジョブ情報に含まれる画像情報を、ジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送信する。ここで、前述した通り、ジョブ情報には、単一の画像情報が含まれている。すなわち、複合機20は、同報送信において、当該2個以上の宛先情報の数と同数の画像情報を受信することがない。これにより、通信システム1は、同報送信において複合機20の記憶容量を不足させてしまうことを抑制できる。
【0037】
複合機20は、第2制御部21と、第2記憶部22と、第2受付部23と、第2通信部24と、第2表示部25と、ファクシミリ通信部26と、印刷部27と、画像読取部28とを備える。
【0038】
第2制御部21は、複合機20の全体を制御する。第2制御部21は、例えば、CPUである。なお、第2制御部21は、CPUに代えて、FPGA等の他のプロセッサーであってもよい。第2制御部21は、第2記憶部22に記憶された各種のプログラムを実行することにより、複合機20における各種の処理を行う。
【0039】
第2記憶部22は、例えば、HDD、SSD、EEPROM、ROM、RAM等を含む。すなわち、第2記憶部22は、一時的な記憶装置と、非一時的な記憶装置とを含む。なお、第2記憶部22は、複合機20に内蔵されるものに代えて、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。第2記憶部22は、第2制御部21が処理する各種のプログラム、各種の画像、各種の情報等を格納する。
【0040】
第2受付部23は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、その他の入力装置である。なお、第2受付部23は、これらに代えて、第2表示部25と一体に構成されたタッチパネルであってもよい。
【0041】
第2通信部24は、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等を含んで構成される。
【0042】
第2表示部25は、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL等のディスプレイパネルである。
【0043】
ファクシミリ通信部26は、第1制御部11からの要求に応じて、ファクシミリ送信を行う。ファクシミリ通信部26は、3つの通信ポートを備えており、3つの通信ポートにより前述の3つのチャンネルとして、第1チャンネル261と、第2チャンネル262と、第3チャンネル263とを使用可能に構成されている。ここで、第1チャンネル261は、前述の第1電話回線と接続される通信チャンネルである。第2チャンネル262は、第2電話回線と接続される通信チャンネルである。第3チャンネル263は、第3電話回線と接続される通信チャンネルである。なお、ある画像情報を第1チャンネル261~第3チャンネル263の3つのチャンネルを用いてファクシミリ通信部26が複数の宛先へファクシミリ通信によって同報送信する方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。また、ファクシミリ通信部26は、2つ以下のチャンネルを有する構成であってもよく、4つ以上のチャンネルを有する構成であってもよい。
【0044】
印刷部27は、第2制御部21からの要求に応じて、印刷媒体への印刷を行う印刷装置である。
【0045】
画像読取部28は、第2制御部21からの要求に応じて、印刷媒体に印刷された画像を示す画像情報を印刷媒体から読み取る画像読取装置である。
【0046】
<情報処理装置がジョブ情報を複合機に送信する処理>
以下、情報処理装置10がジョブ情報を複合機20に送信する処理について説明する。
図2は、情報処理装置10がジョブ情報を複合機20に送信する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下では、一例として、
図2に示したステップS110の処理が行われるよりも前のタイミングにおいて、受付画像を第1表示部15に表示させる操作を情報処理装置10が受け付けている場合について説明する。受付画像は、複合機20へ送信する画像情報と、当該画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とについてユーザーの指定を受け付けるための画像のことである。
【0047】
第1制御部11は、第1表示部15に表示された受付画像を介して、互いに異なる2個以上の宛先情報を受け付けるまで待機する(ステップS110)。
【0048】
第1制御部11は、互いに異なる2個以上の宛先情報を受け付けたと判定した場合(ステップS110-YES)、第1表示部15に表示された受付画像を介して、複合機20へ送信する画像情報として、ユーザーが所望する画像を示す画像情報を受け付けるまで待機する(ステップS120)。なお、ステップS120の処理は、ステップS110の処理と逆の順で行われてもよく、ステップS110の処理と並列に行われてもよい。
【0049】
第1制御部11は、画像情報を受け付けたと判定した場合(ステップS120-YES)、ステップS110において受け付けた2個以上の宛先情報と、ステップS120において受け付けた画像情報とを含むジョブ情報を生成する(ステップS130)。以下では、一例として、ステップS110において第1制御部11が受け付けた2個以上の宛先情報がN個の第1宛先情報であり、ステップS120において第1制御部11が受け付けた画像情報が第1画像情報である場合について説明する。N個の第1宛先情報は、受付画像を介して第1画像情報とともにユーザーから受け付けたN個の互いに異なる宛先情報のことである。なお、Nは、2以上の整数であれば、如何なる整数であってもよい。また、第1画像情報は、第1画像を示す画像情報のことである。また、以下では、第1画像情報とともにN個の第1宛先情報が含まれるジョブ情報のことを、第1ジョブ情報と称して説明する。ここで、第1ジョブ情報は、画像情報として、単一の第1画像情報を含んでいる。ただし、第1画像情報が示す第1画像は、1ページのみを有する画像であってもよく、複数ページを有する画像であってもよい。
【0050】
次に、第1制御部11は、所定の第1送信操作を受け付けるまで待機する(ステップS140)。ここで、第1送信操作は、第1ジョブ情報の複合機20への送信を情報処理装置10に行わせるトリガーとなる操作のことである。第1送信操作は、当該トリガーとなる操作であれば、如何なる操作であってもよい。
【0051】
第1制御部11は、第1送信操作を受け付けたと判定した場合(ステップS140-YES)、ステップS130において生成した第1ジョブ情報を、第1通信部14を介して複合機20に送信する(ステップS150)。そして、第1制御部11は、
図2に示したフローチャートの処理を終了する。
【0052】
以上のように、情報処理装置10は、単一の画像情報と、画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とを含むジョブ情報を複合機20に送信することができる。例えば、情報処理装置10は、単一の第1画像情報と、第1画像情報の送信先の宛先を示すN個の第1宛先情報とを含む第1ジョブ情報を複合機20に送信することができる。
【0053】
<ジョブ情報を受信した場合に複合機が行う処理>
以下、ジョブ情報を受信した場合に複合機20が行う処理について説明する。
図3は、ジョブ情報を受信した場合に複合機20が行う処理の流れの一例を示す図である。
【0054】
第2制御部21は、ジョブ情報を受信するまで待機する(ステップS210)。
【0055】
第2制御部21は、ジョブ情報を受信したと判定した場合(ステップS210-YES)、受信したジョブ情報を第2記憶部22に記憶させる(ステップS220)。ここで、以下では、一例として、ステップS210において第2制御部21が第1ジョブ情報を受信した場合について説明する。すなわち、この一例において、第2制御部21は、ステップS220において、受信した第1ジョブ情報を第2記憶部22に記憶させる。
【0056】
次に、第2制御部21は、ステップS220において第2記憶部22に記憶させた第1ジョブ情報に基づいて、当該第1ジョブ情報に含まれるN個の第1宛先情報のそれぞれが示す宛先に、当該第1ジョブ情報に含まれる第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する(ステップS230)。より具体的には、ステップS230において、第2制御部21は、ファクシミリ通信部26を制御し、第1チャンネル261~第3チャンネル263を用いて、N個の第1宛先情報のそれぞれが示す宛先に、第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する。
【0057】
ステップS230においてN個の第1宛先情報のそれぞれが示す宛先の全てに第1画像情報を送信し終えた後、第2制御部21は、
図3に示したフローチャートの処理を終了する。
【0058】
このように、複合機20は、ジョブ情報を受信した場合、受信したジョブ情報を第2記憶部22に記憶させる。そして、複合機20は、第2記憶部22に記憶させたジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に、第2記憶部22に記憶させた画像情報をファクシミリ通信により同報送信する。これにより、複合機20は、同報送信において複合機20の記憶容量、すなわち、第2記憶部22の記憶容量を不足させてしまうことを抑制できる。
【0059】
ここで、上記において説明したジョブ情報には、ジョブ情報に含まれる画像情報と、ジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報とを対応付ける対応情報が含まれる構成であってもよい。例えば、対応情報は、画像情報を示す画像情報IDと、2個以上の宛先情報のそれぞれを示す宛先情報IDとが対応付けられた情報である。この場合、ジョブ情報に含まれる画像情報には、画像情報を示す画像情報IDが対応付けられている。また、この場合、ジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報のそれぞれには、宛先情報を示す宛先情報IDが重複しないように対応付けられている。そして、この場合、第2制御部21は、第2記憶部22に複数のジョブ情報が記憶されていたとしても、対応情報に基づいて、宛先情報に対応する画像情報を含むジョブ情報を容易に特定することができる。なお、ジョブ情報には、前述した通り、単一の画像情報とともに2個以上の宛先情報とが含まれている。このため、第2記憶部22は、対応情報を用いた方法に代わる他の方法により、宛先情報に対応する画像情報を含むジョブ情報を特定してもよい。
【0060】
また、上記において説明したジョブ情報には、ジョブ情報に含まれる画像情報と、ジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報の集まりである宛先情報群とを対応付ける第2対応情報が含まれる構成であってもよい。例えば、第2対応情報は、画像情報を示す画像情報IDと、2個以上の宛先情報の集まりである宛先情報群を示す宛先情報群IDとが対応付けられた情報である。この場合、第2制御部21は、第2記憶部22に複数のジョブ情報が記憶されていたとしても、第2対応情報に基づいて、宛先情報群IDが示す宛先情報群に含まれる宛先情報に対応する画像情報を含むジョブ情報を容易に特定することができる。
【0061】
<ジョブ情報の送受信に関して情報処理装置と複合機とが行う処理>
以下、
図4に示した流れによって情報処理装置10及び複合機20が各処理を行った場合を例に挙げて、ジョブ情報の送受信に関して情報処理装置10と複合機20とが行う処理について説明する。
図4は、ジョブ情報の送受信に関して情報処理装置10と複合機20とが行う処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、
図4では、図を簡略化するため、複合機20から画像情報がファクシミリ通信により送信される複数の他の装置を、ファクシミリ装置30によって代表させている。
【0062】
情報処理装置10は、受け付けた操作に応じて、前述の第1ジョブ情報を複合機20に送信する(ステップS311)。
【0063】
次に、複合機20は、ステップS311において情報処理装置10から送信された第1ジョブ情報を情報処理装置10から受信する(ステップS321)。
【0064】
次に、複合機20は、ステップS321において受信した第1ジョブ情報を、第2記憶部22に記憶させる(ステップS322)。ここで、ステップS322の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域には、
図5に示したように、単一の第1画像情報が記憶されている。
図5は、ステップS322の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域に記憶されている画像情報の一例を示す図である。
図5に示した第1画像情報J1は、第1画像情報の一例である。すなわち、ステップS322の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域には、第1ジョブ情報に含まれる第1宛先情報の数と同数であるN個の第1画像情報が記憶されておらず、第1画像情報が1個記憶されている。このように、通信システム1では、同報送信における送信先の数が増大した場合であっても、複合機20の第2記憶部22に記憶させる画像情報の数は増大しない。その結果、通信システム1は、同報送信において複合機20の第2記憶部22の記憶容量を不足させてしまうことを抑制することができる。
【0065】
次に、複合機20は、ステップS322において第2記憶部22に記憶した第1ジョブ情報に基づいて、N個の第1宛先情報のそれぞれが示す宛先への第1画像情報のファクシミリ通信による同報送信を開始する(ステップS323)。
【0066】
次に、
図4に示した例では、情報処理装置10は、ステップS323において複合機20が開始した第1画像情報のファクシミリ通信による同報送信が終了する前のタイミングにおいて、受け付けた操作に応じて、第2ジョブ情報を複合機20に送信する(ステップS312)。ここで、第2ジョブ情報は、単一の第2画像情報と、M個の第2宛先情報とを含む情報のことである。M個の第2宛先情報は、受付画像を介して第2画像情報とともにユーザーから受け付けたM個の互いに異なる宛先情報のことである。Mは、1以上の整数であれば、如何なる整数であってもよい。なお、M個の第2宛先情報は、第1ジョブ情報に含まれるN個の第1宛先情報の一部又は全部と異なっていてもよく、第1ジョブ情報に含まれるN個の第1宛先情報の一部又は全部と同じであってもよい。
【0067】
次に、複合機20は、ステップS312において情報処理装置10から送信された第2ジョブ情報を情報処理装置10から受信する(ステップS324)。
【0068】
次に、複合機20は、ステップS324において受信した第2ジョブ情報を、第2記憶部22に記憶させる(ステップS325)。ここで、ステップS325の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域には、
図6に示したように、第1画像情報が1個と、第2画像情報が1個との2個の画像情報が記憶されている。
図6は、ステップS325の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域に記憶されている画像情報の一例を示す図である。
図6に示した第2画像情報J2は、第2画像情報の一例である。すなわち、ステップS325の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域には、第1ジョブ情報に含まれる第1宛先情報の数と同数であるN個の第1画像情報が記憶されていない。また、当該記憶領域には、第2ジョブ情報に含まれる第2宛先情報の数と同数であるM個の第2画像情報が記憶されていない。そして、当該記憶領域には、第1画像情報が1個と、第2画像情報が1個との2個の画像情報が記憶されている。このように、通信システム1では、複数のジョブ情報を受け付け、且つ、それらのジョブ情報に基づく同報送信における送信先の数が増大した場合であっても、複合機20の第2記憶部22に記憶させる画像情報の数は増大しない。その結果、通信システム1は、同報送信において複合機20の第2記憶部22の記憶容量を不足させてしまうことを抑制することができる。
【0069】
ここで、
図4に示した例では、ステップS325の処理が行われた後、複合機20は、ステップS323において開始した第1画像情報のファクシミリ送信を行い終えていない。このため、複合機20は、後述するステップS328において第1画像情報のファクシミリ通信による同報送信を行い終えるまで、第2画像情報のファクシミリ通信による同報送信を行わない。
【0070】
次に、
図4に示した例では、情報処理装置10は、ステップS323において複合機20が開始した第1画像情報のファクシミリ通信による同報送信が終了する前のタイミング、且つ、複合機20がステップS325の処理を行った後のタイミングにおいて、受け付けた操作に応じて、第3ジョブ情報を複合機20に送信する(ステップS313)。ここで、第3ジョブ情報は、単一の第3画像情報と、L個の第3宛先情報とを含む情報のことである。L個の第3宛先情報は、受付画像を介して第3画像情報とともにユーザーから受け付けたL個の互いに異なる宛先情報のことである。Lは、1以上の整数であれば、如何なる整数であってもよい。なお、L個の第3宛先情報は、第1ジョブ情報に含まれるN個の第1宛先情報の一部又は全部と異なっていてもよく、第1ジョブ情報に含まれるN個の第1宛先情報の一部又は全部と同じであってもよく、第2ジョブ情報に含まれるM個の第2宛先情報の一部又は全部と異なっていてもよく、第2ジョブ情報に含まれるM個の宛先情報の一部又は全部と同じであってもよい。
【0071】
次に、複合機20は、ステップS313において情報処理装置10から送信された第3ジョブ情報を情報処理装置10から受信する(ステップS326)。
【0072】
次に、複合機20は、ステップS326において受信した第3ジョブ情報を、第2記憶部22に記憶させる(ステップS327)。ここで、ステップS327の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域には、
図7に示したように、第1画像情報が1個と、第2画像情報が1個と、第3画像情報が1個との3個の画像情報が記憶されている。
図7は、ステップS327の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域に記憶されている画像情報の一例を示す図である。
図7に示した第3画像情報J3は、第3画像情報の一例である。すなわち、ステップS327の処理が行われた直後の第2記憶部22の記憶領域には、第1ジョブ情報に含まれる第1宛先情報の数と同数であるN個の第1画像情報が記憶されていない。また、当該記憶領域には、第2ジョブ情報に含まれる第2宛先情報の数と同数であるM個の第2画像情報が記憶されていない。また、当該記憶領域には、第3ジョブ情報に含まれる第3宛先情報の数と同数であるL個の第3画像情報が記憶されていない。そして、当該記憶領域には、第1画像情報が1個と、第2画像情報が1個と、第3画像情報が1個との3個の画像情報が記憶されている。このように、通信システム1では、同報送信における送信先の数が増大した場合であっても、複合機20の第2記憶部22に記憶させる画像情報の数は増大しない。その結果、通信システム1は、同報送信において複合機20の第2記憶部22の記憶容量を不足させてしまうことを抑制することができる。
【0073】
次に、
図4に示した例では、複合機20は、ステップS323において開始した第1画像情報のファクシミリ通信による同報送信を終了する(ステップS328)。
【0074】
次に、複合機20は、ステップS325において第2記憶部22に記憶した第2ジョブ情報に基づいて、M個の第2宛先情報のそれぞれが示す宛先への第2画像情報のファクシミリ通信による同報送信を開始する(ステップS329)。
【0075】
次に、
図4に示した例では、複合機20は、ステップS329において開始した第2画像情報のファクシミリ通信による同報送信を終了する(ステップS330)。
【0076】
次に、複合機20は、ステップS327において第2記憶部22に記憶した第3ジョブ情報に基づいて、L個の第3宛先情報のそれぞれが示す宛先への第3画像情報のファクシミリ通信による同報送信を開始する(ステップS331)。
【0077】
次に、
図4に示した例では、複合機20は、ステップS331において開始した第3画像情報のファクシミリ通信による同報送信を終了する(ステップS332)。
【0078】
以上のように、通信システム1は、情報処理装置10と、情報処理装置10と接続される複合機20とを備える。また、情報処理装置10は、単一の第1画像情報と、第1画像情報の送信先の宛先を示すN個の第1宛先情報とを含む第1ジョブ情報を複合機20に送信する。そして、複合機20は、情報処理装置10から第1ジョブ情報を受信した場合、受信した第1ジョブ情報に基づいて、N個の第1宛先情報のそれぞれが示す宛先に、第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する。これにより、通信システム1は、同報送信において複合機20の記憶容量を不足させてしまうことを抑制ができる。
【0079】
なお、上記において説明した複合機20は、例えば、
図4に示したステップS323において開始した同報送信をステップS328において終了した場合、第2記憶部22に記憶された第1ジョブ情報の履歴を示す第1ジョブ履歴情報を第2記憶部22に記憶させる構成であってもよい。この場合、複合機20は、第1ジョブ履歴情報を第2記憶部22に記憶させてから所定の保存期間が経過するまで、第1ジョブ履歴情報を第2記憶部22に記憶させておく。そして、複合機20は、第1ジョブ履歴情報を第2記憶部22に記憶させてから所定の保存期間が経過すると、第2記憶部22から第1ジョブ履歴情報を削除する。また、この場合、第1ジョブ情報には、第1ジョブ情報を示す第1ジョブ識別情報が対応付けられている。すなわち、この場合、情報処理装置10は、第1ジョブ情報を生成する場合、第1ジョブ識別情報が対応付けられた情報として第1ジョブ情報を生成する。また、複合機20は、例えば、第1ジョブ履歴情報を第2記憶部22に記憶させる場合、第1ジョブ情報を第1ジョブ履歴情報として第2記憶部22に記憶させたままにする構成であってもよい。
【0080】
また、上記において説明した情報処理装置10は、このような複合機20に第1ジョブ情報を送信した場合、前述の第1ジョブ履歴情報を第1記憶部12に記憶させる構成であってもよい。この場合、情報処理装置10は、第1ジョブ履歴情報を第1記憶部12に記憶させた後、受け付けた操作に応じて、第1記憶部12に記憶された第1ジョブ履歴情報に基づいて、前述の第1ジョブ識別情報とともに単一の第2画像情報を含む第2ジョブ情報を生成する。この第2ジョブ情報には、すなわち、宛先情報が含まれていない。情報処理装置10は、この第2ジョブ情報を、複合機20に送信する。そして、複合機20は、第1ジョブ識別情報を含む第2ジョブ情報を取得した場合、受信した第2ジョブ情報に基づいて、第2記憶部22から第1ジョブ履歴情報を読み出す。複合機20は、読み出した第1ジョブ履歴情報と、第2画像情報とに基づいて、ファクシミリ通信により第2画像情報を第1ジョブ情報の送信先の宛先であるN個の第1宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送信する。これにより、通信システム1は、過去に同報送信において用いた複数の宛先情報を再利用することができ、同報送信において複合機20の記憶容量を不足させてしまうことを、より確実に抑制することができる。なお、通信システム1は、過去に同報送信において用いた複数の宛先情報のうちの一部の宛先情報を再利用する構成であってもよい。
【0081】
<情報処理装置が複合機による同報送信についてのステータス画像を表示する処理>
次に、情報処理装置10が複合機20による同報送信についてのステータス画像を表示する処理について説明する。以下では、説明の便宜上、複合機20による同報送信についてのステータス画像を、単にステータス画像と称して説明する。
【0082】
ここで、ステータス画像は、ファクシミリ通信による同報送信を複合機20が行っている場合において、情報処理装置10が表示可能な画像である。情報処理装置10は、当該場合において、受け付けた操作に応じて、ステータス画像を表示させる。
【0083】
ステータス画像は、複合機20が行っている同報送信に関する情報を含む画像のことである。例えば、ステータス画像は、当該情報として、複合機20が行っている同報送信により画像情報が送信される送信先それぞれの宛先毎のステータス情報を含む画像のことである。ある宛先のステータス情報には、例えば、当該宛先を示す宛先情報、当該宛先へのファクシミリ通信の状態を示す通信状態情報、当該宛先へのファクシミリ通信の進捗状況を示す通信進捗情報等が含まれている。なお、当該宛先のステータス情報には、当該宛先情報、当該通信状態情報、当該通信進捗情報のうちの一部又は全部に代えて、又は、当該宛先情報、当該通信状態情報、当該通信進捗情報のうちの一部又は全部に加えて、当該宛先へのファクシミリ通信に応じた他の情報が含まれる構成であってもよい。
【0084】
ここで、
図8は、ステータス画像の一例を示す図である。
図8に示した通り、ステータス画像には、複合機20が行っている同報送信により画像情報が送信される複数の送信先それぞれの宛先毎のステータス情報が含まれている。
図8に示した例では、ステータス情報には、宛先情報と、通信状態情報と、進捗状況情報との3つの情報が含まれている。また、当該例では、ステータス画像では、当該複数の送信先それぞれの宛先毎のステータス情報が格納されたテーブルとして表されている。そして、当該テーブルの各レコードには、各宛先のステータス情報が格納されている。
【0085】
例えば、
図8に示した点線D1によって囲まれたレコードは、宛先情報「xxx1」が示す宛先のステータス情報を格納するレコードである。このため、当該レコードには、宛先情報「xxx1」とともに、当該宛先の通信状態情報である「同報送信」と、当該宛先の通信進捗情報である「送信中」とが含まれている。ここで、当該宛先の通信状態情報である「同報送信」は、当該宛先への画像情報の送信が未完了であることを示す通信状態情報である。また、当該宛先の通信進捗情報である「送信中」は、当該宛先へ画像情報を現在送信中であることを示す通信進捗情報である。なお、当該宛先の通信進捗情報である「送信中」には、送信されている画像情報が示す画像が有する複数のページのうち送信が完了したページの数を示す送信完了ページ数情報が含まれる構成であってもよい。
【0086】
また、例えば、
図8に示した点線D2によって囲まれたレコードは、宛先情報「xxx3」が示す宛先のステータス情報を格納するレコードである。このため、当該レコードには、宛先情報「xxx3」とともに、当該宛先の通信状態情報である「同報送信」と、当該宛先の通信進捗情報である「リダイヤル中」とが含まれている。なお、当該宛先の通信進捗情報である「リダイヤル中」は、当該宛先へのファクシミリ通信が通話中等の理由によりできず、現在所定のリダイヤル待機時間が経過するまで待機していることを示す通信進捗情報である。ここで、当該宛先の通信進捗情報である「リダイヤル中」には、所定のリダイヤル待機時間が経過するまでの残り時間を示す残時間情報が含まれる構成であってもよい。なお、残時間情報が示す時間が経過すると、複合機20は、当該宛先への画像情報の送信を再度行う。
【0087】
情報処理装置10は、
図8に示したようなステータス画像を、複合機20が行っている同報送信により画像情報が送信される複数の送信先それぞれの宛先毎のステータス情報を、情報処理装置10から複合機20へのポーリング又は複合機20から情報処理装置10へのプッシュにより、複合機20から受信することによって生成する。受信した当該ステータス情報に基づいて情報処理装置10がステータス画像を生成する方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。
【0088】
ここで、
図9は、情報処理装置10がステータス画像を表示する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下では、
図9に示したステップS410の処理が行われるよりも前のタイミングにおいて、複合機20が第1ジョブ情報に基づくファクシミリ通信による同報送信を開始している場合について説明する。また、以下では、一例として、当該タイミングにおいて、ステータス画像を表示する操作を情報処理装置10が受け付けている場合について説明する。また、以下では、一例として、情報処理装置10がポーリングにより宛先毎のステータス情報を複合機20から受信する場合について説明する。
【0089】
第1制御部11は、複合機20に記憶されたステータス情報テーブルに含まれるステータス情報受信の要求を複合機20へ送信する(ステップS110)。ここで、ステップS110の処理について説明する。
【0090】
ステータス情報テーブルは、複合機20のファクシミリ通信部26が有するチャンネル毎のステータス情報を格納するテーブルである。本実施形態では、ファクシミリ通信部26が有するチャンネルの数は、3であった。このため、本実施形態では、ステータス情報テーブルは、複合機20のファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネル毎のステータス情報を格納するテーブルである。ここで、あるチャンネルのステータス情報は、当該チャンネルから画像情報が送信される送信先の宛先のステータス情報のことである。すなわち、ステータス情報テーブルは、3つ宛先毎のステータス情報を格納するテーブルである。ステータス情報テーブルに格納されるステータス情報は、複合機20が同報送信を開始してから終了するまでの間、所定の更新周期が経過する毎に更新される。つまり、あるチャンネルのステータス情報は、当該チャンネルから画像情報が送信される送信先の宛先が次の宛先に変わると、当該次の宛先のステータス情報に更新される。また、当該チャンネルのステータス情報は、当該チャンネルから画像情報が送信される送信先の宛先への当該チャンネルを介したファクシミリ通信についての通信状態情報、通信進捗情報とのいずれかが変化した場合にも更新される。
【0091】
ここで、
図10は、ステータス情報テーブルの一例を示す図である。
図10に示した例では、ステータス情報テーブルには、複合機20のファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネル毎のステータス情報が含まれている。
図10に示した例では、ステータス情報には、宛先情報と、通信状態情報と、進捗状況情報等の情報が含まれている。また、当該例では、進捗状況情報には、前述の送信完了ページ数情報「(送信済みのページ数/全ページ数)」が含まれている。また、当該例では、ステータス情報テーブルの各レコードには、当該3つのチャンネル毎のステータス情報が格納されている。
図10に示したステータス情報テーブルでは、チャンネルID「ch1」が示す第1チャンネル261のステータス情報は、宛先情報「xxx1」が示す宛先のステータス情報である。また、
図10に示したステータス情報テーブルでは、チャンネルID「ch2」が示す第2チャンネル262のステータス情報は、宛先情報「xxx2」が示す宛先のステータス情報である。また、
図10に示したステータス情報テーブルでは、チャンネルID「ch3」が示す第3チャンネル263のステータス情報は、宛先情報「xxx3」が示す宛先のステータス情報である。
【0092】
なお、ステータス情報テーブルにおいて、複合機20のファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネルに不使用中のチャンネルが含まれている場合、不使用中のチャンネルのステータス情報は、不使用中であることを示す情報を含む情報であってもよく、不使用中であることに応じた他の情報を含む情報であってもよい。
【0093】
第1制御部11は、ステップS410において、このようなステータス情報テーブルに格納されたステータス情報受信の要求を複合機20に送信する。なお、第1制御部11は、ステータス情報テーブルの受信の要求を複合機に送信する構成であってもよい。また、ステータス情報テーブルは、テーブルに代えて、複合機20のファクシミリ通信部26が有するチャンネル毎のステータス情報を含む他の形式の情報であってもよい。
【0094】
ステップS410の処理が行われた後、第1制御部11は、ステップS410において複合機20に送信した要求に対する応答として、複合機20のファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネル毎のステータス情報を複合機20から受信する(ステップS420)。
【0095】
次に、第1制御部11は、ステップS420において受信した3つのチャンネル毎のステータス情報に基づいて、ステータス画像を生成する。そして、第1制御部11は、生成したステータス画像を第1表示部15に表示させる(ステップS430)。なお、当該3つのチャンネル毎のステータス情報は、前述した通り、N個の宛先情報のそれぞれが示す宛先のうちの3つの宛先のステータス情報である。このため、情報処理装置10は、当該3つのチャンネル毎のステータス情報に含まれていない(N-3)個の宛先情報それぞれの宛先のステータス情報として、例えば、所定の待機中ステータス情報を用いる。待機中ステータス情報は、宛先を示す宛先情報とともに、通信状態情報として「同報送信」を含み、且つ、通信進捗情報として「待機中」を含む情報のことである。この場合、第1制御部11は、当該3つのチャンネル毎のステータス情報と、(N-3)個の待機中ステータス情報とに基づいて、ステータス画像を生成する。なお、当該3つのチャンネル毎のステータス情報に基づいてステータス画像を生成する方法は、他の方法であってもよい。
【0096】
次に、第1制御部11は、所定の待機時間が経過する毎に、ステータス画像の更新を繰り返す処理として、ステップS450~ステップS470の処理を繰り返し行う(ステップS440)。なお、所定の待機時間は、前述の所定の更新周期よりも長い時間であることが望ましい。換言すると、所定の更新周期は、所定の待機時間よりも短い時間であることが望ましい。この場合、複合機20に記憶されたステータス情報テーブルの更新が行われた場合において、情報処理装置10は、ステータス情報テーブルに行われた更新をステータス画像に反映させることが遅れてしまうことを抑制することができる。
【0097】
ステップS440において所定の待機時間が経過したと判定した場合、第1制御部11は、複合機20に記憶されたステータス情報テーブルに含まれるステータス情報受信の要求を複合機20へ送信する(ステップS450)。なお、ステップS450の処理は、ステップS410の処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0098】
次に、第1制御部11は、ステップS450において複合機20に送信した要求に対する応答として、複合機20のファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネル毎のステータス情報を複合機20から受信する(ステップS460)。
【0099】
次に、第1制御部11は、ステップS460において受信した3つのチャンネル毎のステータス情報に基づいて、ステータス画像を生成する。そして、第1制御部11は、現在第1表示部15に表示されているステータス画像を第1表示部15に削除させるとともに、新たに生成したステータス画像を第1表示部15に表示させる。すなわち、第1制御部11は、ステップS460の処理が行われた後、ステータス画像の更新を行う(ステップS470)。
【0100】
次に、第1制御部11は、第1表示部15に表示されているステータス画像を第1表示部15から削除するか否かを判定する(ステップS480)。例えば、第1制御部11は、第1表示部15から当該ステータス画像を削除する操作を受け付けている場合、当該ステータス画像を第1表示部15から削除すると判定する。一方、第1制御部11は、第1表示部15から当該ステータス画像を削除する操作を受け付けていない場合、当該ステータス画像を第1表示部15から削除しないと判定する。
【0101】
第1制御部11は、第1表示部15に表示されているステータス画像を第1表示部15から削除しないと判定した場合(ステップS480-NO)、ステップS440に遷移し、所定の待機時間が経過するまで待機する。
【0102】
一方、第1制御部11は、第1表示部15に表示されているステータス画像を第1表示部15から削除すると判定した場合(ステップS480-YES)、当該ステータス画像を第1表示部15に削除させ、
図9に示したフローチャートの処理を終了する。
【0103】
このように、情報処理装置10は、受け付けた操作に応じて、ステータス画像を第1表示部15に表示させることができる。このステータス画像に基づいて、情報処理装置10のユーザーは、情報処理装置10を介して複合機20に行わせた同報送信の進捗状況を容易に知ることができる。
【0104】
なお、ステップS410~ステップS420の処理は、ポーリングによる複合機20からのステータス情報の受信を第1制御部11が行う処理である。ここで、例えば、従来の通信システムでは、従来の情報処理装置は、従来の複合機が行う同報送信において画像情報を送信する複数の送信先それぞれの宛先毎のステータス情報を、当該複数の送信先それぞれの宛先毎に複合機20から周期的に受信していた。このため、従来の通信システムでは、当該複数の送信先の数が増大すると、従来の情報処理装置と従来の複合機との間での通信の負荷も増大していた。通信システム1では、情報処理装置10は、ステータス情報テーブルに含まれている3つのステータス情報の複合機20からの受信を周期的に行うことによってステータス画像を表示する。このため、通信システム1では、複合機20が行う同報送信において画像情報を送信する複数の送信先の数が増大しても、情報処理装置10と複合機20との間の通信の負荷は、増大しない。すなわち、通信システム1は、当該複数の送信先の数の増大に伴って、ステータス画像を表示させるために行う情報処理装置10と複合機20との間の通信の負荷が増大してしまうことを抑制することができる。
【0105】
<複合機20がステータス情報テーブルの生成と更新を行う処理>
以下、
図11を参照し、複合機20がステータス情報テーブルの生成と更新を行う処理について説明する。
図11は、複合機20がステータス情報テーブルの生成と更新を行う処理の流れの一例を示す図である。
【0106】
第2制御部21は、ファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネル毎のステータス情報をファクシミリ通信部26から取得する(ステップS510)。なお、当該3つのチャンネル毎のステータス情報をファクシミリ通信部26から取得する方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。
【0107】
次に、第2制御部21は、ステップS510において取得した3つのチャンネル毎のステータス情報に基づいて、ステータス情報テーブルを生成する(ステップS520)。そして、第2制御部21は、生成したステータス情報テーブルを第2記憶部22に記憶させる。なお、当該3つのチャンネル毎のステータス情報に基づいてステータス情報テーブルを生成する方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。
【0108】
次に、第2制御部21は、所定の更新周期が経過する毎に、第2記憶部22に記憶されたステータス情報テーブルを繰り返し更新する処理として、ステップS540~ステップS560の処理を繰り返し行う(ステップS530)。
【0109】
第2制御部21は、ファクシミリ通信部26が有する3つのチャンネル毎のステータス情報をファクシミリ通信部26から取得する(ステップS540)。なお、ステップS540の処理は、ステップS510の処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0110】
次に、第2制御部21は、ステップS540において取得した3つのチャンネル毎のステータス情報に基づいて、ステータス情報テーブルを新たに生成する。そして、第2制御部21は、第2記憶部22に記憶されたステータス情報テーブルを削除するとともに、新たに生成したステータス情報テーブルを第2記憶部22に記憶させる。すなわち、第2記憶部22は、ステップS540の処理が行われた後、ステータス情報テーブルの更新を行う(ステップS550)。
【0111】
次に、第2制御部21は、ファクシミリ通信による同報送信が終了しているか否かを判定する(ステップS560)。例えば、第2制御部21は、事前に開始した同報送信により第1画像情報を送信する複数の送信先の全てに第1画像情報を送信し終えている場合、同報送信を終了していると判定する。一方、第2制御部21は、事前に開始した同報送信により第1画像情報を送信する複数の送信先の全てに第1画像情報を送信し終えていない場合、同報送信を終了していないと判定する。
【0112】
第2制御部21は、ファクシミリ通信による同報送信が終了していないと判定した場合(ステップS560-NO)、ステップS530に遷移し、所定の更新周期が経過するまで待機する。
【0113】
一方、第2制御部21は、ファクシミリ通信による同報送信が終了していると判定した場合(ステップS560-YES)、
図11に示したフローチャートの処理を終了する。
【0114】
以上のように、複合機20は、ステータス情報テーブルの生成と更新を行う。これにより、通信システム1は、同報送信により画像情報が送信される複数の送信先の数の増大に伴って、ステータス画像を表示させるために行う情報処理装置10と複合機20との間の通信の負荷が増大してしまうことを抑制することができる。
【0115】
以上説明したように、実施形態に係る通信システムは、情報処理装置と、情報処理装置と接続されるファクシミリ装置とを備える通信システムであって、情報処理装置は、単一の第1画像情報と、第1画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報をファクシミリ装置に送信し、ファクシミリ装置は、情報処理装置から第1ジョブ情報を受信した場合、受信した第1ジョブ情報に含まれる2個以上の宛先情報に基づいて、2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に、第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する、通信システムである。これにより、通信システムは、同報送信においてファクシミリ装置の記憶容量を不足させてしまうことを抑制することができる。ここで、上記において説明した例では、通信システム1は、通信システムの一例である。また、上記において説明した例では、情報処理装置10は、情報処理装置の一例である。また、上記において説明した例では、複合機20は、ファクシミリ装置の一例である。また、上記において説明した例では、第1画像情報J1は、第1画像情報の一例である。
【0116】
また、通信システムでは、第1ジョブ情報には、2個以上の宛先情報のそれぞれと、単一の第1画像情報とを対応付ける対応情報とが更に含まれている構成が用いられてもよい。
【0117】
また、通信システムでは、ファクシミリ装置は、第1ジョブ情報に基づいて2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に第1画像情報をファクシミリ通信により同報送信する場合、第1ジョブ情報の履歴を示す第1ジョブ履歴情報を第2記憶部に記憶させ、情報処理装置は、ファクシミリ装置に第1ジョブ情報を送信する場合、第1ジョブ履歴情報を第1記憶部に記憶させ、その後、第1記憶部に記憶された第1ジョブ履歴情報に基づいて、第1ジョブ情報を示す第1ジョブ識別情報とともに単一の第2画像情報を含む第2ジョブ情報を送信し、ファクシミリ装置は、第2ジョブ情報を受信した場合、受信した第2ジョブ情報に基づいて第2記憶部から第1ジョブ履歴情報を読み出し、読み出した第1ジョブ履歴情報と第2画像情報とに基づいて、ファクシミリ通信により第2画像情報を第1ジョブ情報の送信先の宛先である2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送信する、構成が用いられてもよい。ここで、上記において説明した例では、第2記憶部22は、第2記憶部の一例である。また、上記において説明した例では、第1記憶部12は、第1記憶部の一例である。
【0118】
また、通信システムでは、ファクシミリ装置は、ファクシミリ通信を行う複数のポートを備え、ファクシミリ装置は、ファクシミリ通信により2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に第1画像情報を同報送信する場合、所定の第1時間が経過する毎に、複数のポート毎のステータス情報を記憶し、情報処理装置は、所定の第2時間が経過する毎に、ファクシミリ装置からポート毎のステータス情報を受信し、受信した複数のポート毎のステータス情報に基づいて、2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先毎のファクシミリ通信に関する情報を表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。ここで、上記において説明した例では、第1チャンネル261、第2チャンネル262、第3チャンネル263のそれぞれは、複数のポートのそれぞれの一例である。また、上記において説明した例では、所定の更新周期は、第1時間の一例である。また、上記において説明した例では、所定の待機時間は、第2時間の一例である。また、上記において説明した例では、ステータス画像に含まれる宛先毎のステータス情報は、宛先毎のファクシミリ通信に関する情報の一例である。また、上記において説明した例では、第1表示部15は、表示部の一例である。
【0119】
また、通信システムでは、所定の第1時間は、所定の第2時間よりも短い時間である、構成が用いられてもよい。
【0120】
また、実施形態に係るファクシミリ装置は、情報処理装置と接続されるファクシミリ装置であって、ファクシミリ装置は、単一の第1画像情報と、第1画像情報の送信先の宛先を示す2個以上の宛先情報とを含む第1ジョブ情報を情報処理装置から受信した場合、受信した第1ジョブ情報に基づいて、ファクシミリ通信により第1画像情報を2個以上の宛先情報のそれぞれが示す宛先に同報送信する、ファクシミリ装置である。この一例において、ファクシミリ装置は、同報送信においてファクシミリ装置の記憶容量を不足させてしまうことを抑制することができる。
【0121】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0122】
また、以上に説明した装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。ここで、当該装置は、例えば、情報処理装置10、複合機20等である。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0123】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0124】
1…通信システム、10…情報処理装置、11…第1制御部、12…第1記憶部、13…第1受付部、14…第1通信部、15…第1表示部、20…複合機、21…第2制御部、22…第2記憶部、23…第2受付部、24…第2通信部、25…第2表示部、26…ファクシミリ通信部、27…印刷部、28…画像読取部、30…ファクシミリ装置、261…第1チャンネル、262…第2チャンネル、263…第3チャンネル、J1…第1画像情報、J2…第2画像情報、J3…第3画像情報