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特許7435143地図表示システムおよび地図表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】地図表示システムおよび地図表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240214BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20240214BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240214BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G09B29/10 A
G01C21/26 C
G08G1/0969
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020057116
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021157050
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 秀寿
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-250633(JP,A)
【文献】特開2014-085142(JP,A)
【文献】特開2002-372427(JP,A)
【文献】特開2001-215124(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0211636(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105486319(CN,A)
【文献】特開2011-237187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00-29/14
G01C 21/00-21/36
G08G 1/0969
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する種別取得部と、
地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得する位置取得部と、
地図情報に基づいて前記地図を表示部に表示させるとともに前記アイコンを前記地図上に表示させる表示制御部と、
複数の前記アイコン同士の距離が既定距離以下であるか判定する判定部と、を備え、
前記既定距離以下に複数の前記アイコンが存在する場合、複数の前記アイコンは集約されて集約アイコンとして表示されるとともに、前記集約アイコンとして集約される複数の前記アイコンのうち前記アイコンごとに対応付けられた表示優先度に基づいて最も高い前記表示優先度が対応付けられた前記アイコンが、前記集約アイコンを示す前記アイコンとして表示され、
前記種別の異なる前記駆動エネルギーを供給する前記施設である供給施設の各々を示す前記アイコンごとの前記表示優先度は、取得された前記種別を示す情報によって決ま
集約される前記アイコンに充電スタンドを示す前記アイコンが2つ以上含まれている場合、かつ、前記車両の前記駆動エネルギーに電気が含まれ前記車両が急速充電可能である場合、急速充電可能な充電スタンドを示す前記アイコンの前記表示優先度が急速充電できない充電スタンドを示す前記アイコンの前記表示優先度より高く設定される、
地図表示システム。
【請求項2】
前記供給施設の各々を示す前記アイコンごとの前記表示優先度は、取得された前記種別の前記駆動エネルギーを供給する前記供給施設を示す前記アイコンの前記表示優先度が前記供給施設の中で最も高くなるように設定される、
請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記地図上に表示される前記集約アイコンの位置は、最も高い前記表示優先度が対応付けられた前記アイコンの表示位置である、
請求項1または請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記集約アイコンが選択された場合には、前記集約アイコンに集約された前記アイコンが前記表示優先度に基づいて一覧表示される、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の地図表示システム。
【請求項5】
取得される前記種別は、ガソリン、電気および水素のうちのいずれか、または、ガソリンおよび電気の組み合わせである、
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の地図表示システム。
【請求項6】
コンピュータを、
車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する種別取得部、
地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得する位置取得部、
地図情報に基づいて前記地図を表示部に表示させるとともに前記アイコンを前記地図上に表示させる表示制御部、
複数の前記アイコン同士の距離が既定距離以下であるか判定する判定部、
として機能させ、
前記既定距離以下に複数の前記アイコンが存在する場合、複数の前記アイコンは集約されて集約アイコンとして表示されるとともに、前記集約アイコンとして集約された複数の前記アイコンのうち前記アイコンごとに対応付けられた表示優先度に基づいて最も高い前記表示優先度が対応付けられた前記アイコンが、前記集約アイコンを示す前記アイコンとして表示され、
前記種別の異なる前記駆動エネルギーを供給する前記施設である供給施設の各々を示す前記アイコンごとの前記表示優先度は、取得された前記種別を示す情報によって決ま
集約される前記アイコンに充電スタンドを示す前記アイコンが2つ以上含まれている場合、かつ、前記車両の前記駆動エネルギーに電気が含まれ前記車両が急速充電可能である場合、急速充電可能な充電スタンドを示す前記アイコンの前記表示優先度が急速充電できない充電スタンドを示す前記アイコンの前記表示優先度より高く設定される、
地図表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示システムおよび地図表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図上に表示する施設のアイコンのうち少なくとも2つ以上のアイコンを集約する技術が知られている。例えば、特許文献1には、隣接判定距離以内にある同じ種類のアイコンを集約して表示する地図表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-337041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、車両には、ガソリン、電気、水素、もしくは、ガソリンと電気との組み合わせのうちいずれかの駆動エネルギーで駆動するものがある。このような駆動エネルギーの種別が異なる各々の車両の利用者にとって、駆動エネルギーを供給できる供給施設は、ガソリンスタンド、充電スタンドおよび水素ステーションのように異なる。しかし、特許文献1では、同じ種類のアイコンを集約する例として、駐車場のアイコンが集約されることについて開示されているだけであり、このような異なる駆動エネルギーを供給する各々の供給施設を異なる種類のアイコンとして集約する場合に、集約アイコンとしてどのような表示を行うかについては開示されていない。このため、駆動エネルギーの種別が異なる各々の車両の利用者に対して、自身の車両の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンに集約されても、当該アイコンが集約アイコンに含まれていることを確認しやすくすることができる地図表示システムが要望されていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、駆動エネルギーの種別が異なる各々の車両の利用者に対して、自身の車両の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンに集約されても、当該アイコンが集約アイコンに含まれていることを確認しやすくすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の地図表示システムは、車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する種別取得部と、地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得する位置取得部と、地図情報に基づいて前記地図を表示部に表示させるとともに前記アイコンを前記地図上に表示させる表示制御部と、複数の前記アイコン同士の距離が既定距離以下であるか判定する判定部と、を備え、前記既定距離以下に複数の前記アイコンが存在する場合、複数の前記アイコンは集約されて集約アイコンとして表示されるとともに、前記集約アイコンとして集約される複数の前記アイコンのうち前記アイコンごとに対応付けられた表示優先度に基づいて最も高い表示優先度が対応付けられた前記アイコンが、前記集約アイコンを示す前記アイコンとして表示され、前記種別の異なる前記駆動エネルギーを供給する前記施設である供給施設の各々を示す前記アイコンごとの前記表示優先度は、取得された前記種別を示す情報によって決まる。
【0007】
また、上記の目的を達成するため、本発明の地図表示プログラムは、コンピュータを、車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する駆動エネルギー取得部、地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得する位置取得部、地図情報に基づいて前記地図を表示部に表示させるとともに前記アイコンを前記地図上に表示させる表示制御部、複数の前記アイコン同士の距離が既定距離以下であるか判定する判定部、として機能させ、前記既定距離以下に複数の前記アイコンが存在する場合、複数の前記アイコンは集約されて集約アイコンとして表示されるとともに、前記集約アイコンとして集約された複数の前記アイコンのうち前記アイコンごとに対応付けられた表示優先度に基づいて最も高い表示優先度が対応付けられた前記アイコンが、前記集約アイコンを示す前記アイコンとして表示され、前記種別の異なる前記駆動エネルギーを供給する前記施設の各々を示す前記アイコンごとの前記表示優先度は、取得された前記種別を示す情報によって決まる。
【0008】
以上説明した本発明の構成によれば、種別の異なる駆動エネルギーを供給する供給施設の各々を示すアイコンごとの表示優先度は、取得された種別を示す情報によって決まる。そして、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンの表示優先度が、当該駆動エネルギーが当該種別として取得されなかった場合と比べて高くなるように設定された場合には、当該供給施設のアイコンが、集約アイコンを示すアイコンとして表示されやすくなる。したがって、駆動エネルギーの種別が異なる各々の車両の利用者に対して、自身の車両の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンに集約されても、当該アイコンが集約アイコンに含まれていることを確認しやすくすることができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】地図表示システムのブロック図である。
図2図2A図2B図2Cおよび図2Dは、表示部に表示されるアイコンの例を示す説明図である。
図3】アイコン表示処理のフローである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)地図表示システムの構成:
(2)アイコン表示処理:
(3)他の実施形態:
【0011】
(1)地図表示システムの構成:
図1は、車両に搭載された地図表示システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において、地図表示システム10は、車両に搭載されるナビゲーションシステムに含まれる。地図表示システム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20、記録媒体30を備えている。制御部20は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することができる。
【0012】
記録媒体30には、種別情報30aと、地図情報30bとが記録されている。種別情報30aは、地図表示システム10が含まれるナビゲーションシステムが搭載された車両を駆動させる駆動エネルギーの種別についての情報が含まれている。駆動エネルギーの種別としては、ガソリン、電気および水素のうちのいずれか、または、ガソリンおよび電気の組み合わせが挙げられる。種別情報30aは、後述するユーザI/F部47を介して車両の駆動エネルギーの種別を利用者に入力させて記録媒体30に記録されてもよいし、ナビゲーションシステムが製造される段階で記録媒体30に記録されてもよい。また、種別情報30aは、車両ECUから取得されてもよい。
【0013】
地図情報30bは、ノードデータとリンクデータと施設データとを含む。ノードデータは、リンク同士が接続する点であるノードの座標等を示す。3個以上のリンクが接続するノードが交差点(分岐地点、合流地点も含む)に相当する。リンクとは、道路を交差点ごとに区切った道路区間である。リンクデータは、道路種別等を示す。リンクの形状は、道路区間の幅方向の中央に設定された形状補間点の座標を示す形状補間点データによって規定されている。施設データは、施設の名称や位置や属性を示す。本実施形態において、駆動エネルギーを供給する供給施設の属性として、ガソリンスタンド、充電スタンドおよび水素ステーションが区別されている。施設データには、施設の属性ごとにアイコンが用意され、記録媒体30に記録されている。また、施設のアイコンには表示優先度が対応付けられている。表示優先度は、後述する集約アイコンとして集約されるアイコンのうち、集約アイコンとして表示されるアイコンを決定するための指標である。換言すれば、集約アイコンとして表示されるアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンが集約アイコンを示すアイコンとして表示されるということである。
【0014】
本実施形態にかかる車両は、GNSS受信部41と、車速センサ43と、ジャイロセンサ45と、ユーザI/F部47とを備えている。GNSS受信部41は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ43は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ45は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ43およびジャイロセンサ45等は、車両の走行軌跡を特定するために利用される。本実施形態では、車両の出発地と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発地と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
【0015】
ユーザI/F部47は、利用者の指示を受け付けるとともに、利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカ等の音声出力部を備えている。ユーザI/F部47は、制御信号を制御部20から受信し、経路案内などの各種案内を行うための画像をタッチパネルディスプレイに表示する。
【0016】
本実施形態において、制御部20は、ROM等に記録された図示しないナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ユーザI/F部47の表示部に車両の現在地が含まれる地図を表示して、利用者を目的地まで案内する機能を制御部20に実現させるプログラムである。制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、目的地の設定や出発地から目的地までの経路の探索を実行し、当該経路に沿って車両を誘導する案内を実行することができる。すなわち、制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、現在地から目的地までの経路案内を実行することが可能である。
【0017】
本実施形態において、ナビゲーションプログラムは、走行過程で利用される地図表示プログラム21を備えている。地図表示プログラム21が実行されることにより、ユーザI/F部47の表示部に地図が表示されるとともに、施設のアイコンが当該地図上に表示される。地図表示プログラム21は、種別取得部21aと、位置取得部21bと、判定部21cと、表示制御部21dとを備えている。種別取得部21aは、車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、種別取得部21aとして機能する制御部20は、種別情報30aを参照し、地図表示システム10(ナビゲーションシステム)が搭載された車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する。本実施形態では、取得される駆動エネルギーの種別は、ガソリン、電気および水素のうちのいずれか、または、ガソリンおよび電気の組み合わせである。なお、ガソリンおよび電気を駆動エネルギーとして駆動する車両は、エンジンとモーターとを備えるハイブリッド車両である。
【0018】
位置取得部21bは、地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、位置取得部21bとして機能する制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ43およびジャイロセンサ45の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。また、制御部20は、地図情報30bを参照して、ユーザI/F部47の表示部に表示される現在地周辺の地図の範囲を特定する。当該地図の範囲は、表示部の画面内において車両の現在地を示す座標が配置される位置、表示部に表示される地図の縮尺および表示部の大きさに基づいて特定される。そして、制御部20は、地図情報30bに含まれる施設データを参照して、当該地図の範囲に含まれる施設のアイコンのうち表示対象となるアイコンの属性や表示位置を取得する。表示対象となるアイコンの属性は、利用者によって任意に設定される。本実施形態では、表示対象となるアイコンの属性に供給施設が含まれる。
【0019】
判定部21cは、複数のアイコン同士の距離が既定距離以下であるか判定する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、判定部21cとして機能する制御部20は、表示部に表示される地図の範囲に含まれる施設のアイコンの表示位置のうち表示位置の間の距離が既定距離以下であるアイコンが存在するか判定する。既定距離は、地図上の距離で規定されてもよいし、表示部上で一定の長さ(例えば、表示部を構成するタッチパネルディスプレイのピクセル数)となる距離で規定されてもよい。
【0020】
表示制御部21dは、地図情報30bに基づいて地図を表示部に表示させるとともにアイコンを地図上に表示させる機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、表示制御部21dとして機能する制御部20は、ユーザI/F部47の表示部に表示される現在地周辺の地図の範囲に対応する地図データを取得する。そして、制御部20は、当該地図データに基づいて地図を描画し、当該地図を表示部に表示させる。また、制御部20は、表示部に表示された地図のうち、位置取得部21bの機能により取得された施設のアイコンの表示位置に、当該アイコンを表示するよう表示部を制御する。なお、本実施形態において、表示部に表示されるアイコンには、単独アイコンと、集約アイコンと、がある。単独アイコンは、表示位置の間の距離が既定距離以下の他のアイコンが存在しないアイコンであって、他のアイコンと集約されることなく1つの施設を表示するアイコンである。集約アイコンは、表示位置の間の距離が既定距離以下の他のアイコンが存在するアイコンが当該他のアイコンと集約されたアイコンである。すなわち、既定距離以下に複数のアイコンが存在する場合、複数の当該アイコンは集約されて集約アイコンとして表示される。また、既定距離以下に複数のアイコンが存在しない場合、各々のアイコンは単独アイコンとして表示される。
【0021】
図2Aは、表示部に表示されるアイコンの例を示す説明図である。アイコンPは、駐車場を示すアイコンである。アイコンGは、ガソリンスタンドを示すアイコンである。アイコンEは、充電スタンドを示すアイコンである。充電スタンドは、電気で駆動する自動車に対して、駆動エネルギーとして電気を供給する施設である。本実施形態では、各々のアイコンは角の丸い矩形形状で表される。道路GRは、紙面上下方向および紙面左右方向に伸びた2本の細線で示されている。図2Aにおいては、表示位置の間の距離が既定距離以下の複数のアイコンが存在しているが、それらアイコンが集約される前の状態が示されている。
【0022】
図2Bは、表示部に表示されるアイコンの例を示す説明図である。図2Bにおいては、図2Aに図示された状態から、表示位置の間の距離が既定距離以下の複数のアイコンが集約アイコンとして集約された状態に移行している。本実施形態では、種別の異なる駆動エネルギーを供給する供給施設の各々を示すアイコンごとの表示優先度は、取得された種別を示す情報によって決まる。ここでいう供給施設には、ガソリンスタンド、充電スタンドおよび水素ステーションが含まれる。そして、供給施設の各々を示すアイコンごとの表示優先度は、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設の中で最も高くなるように設定される。例えば、取得された種別の駆動エネルギーがガソリンを示している場合、ガソリンスタンドを示すアイコンGの表示優先度が、他の供給施設である充電スタンドを示すアイコンEや水素ステーションを示すアイコン(図示しない)より高くなるように設定されるということである。図2Bにおいては、アイコンG>アイコンP>アイコンEの順で定義された表示優先度を基準として、図2Aの状態からアイコンが集約されている。すなわち、図2Bには、取得された種別の駆動エネルギーがガソリンを示している際にアイコンが集約される場合の例が示されている。なお、取得された種別の駆動エネルギーがガソリンおよび電気の組み合わせを示している場合には、アイコンGとアイコンEとのうち一方の表示優先度が他方の表示優先度より高く設定される。このような場合、本実施形態では、アイコンGの表示優先度がアイコンEの表示優先度より高く設定されているが、ナビゲーションシステムが搭載される車両がプラグインハイブリッド車両である場合には、アイコンEの表示優先度がアイコンGの表示優先度より高く設定されてもよい。
【0023】
集約アイコンIC1は、アイコンPとアイコンEとが集約されたアイコンである。集約アイコンIC2は、アイコンGとアイコンPとアイコンEとが集約されたアイコンである。集約アイコンIC3は、アイコンGとアイコンEとが集約されたアイコンである。集約アイコンとして図示された矩形の右上部分に付された円の中には、集約されたアイコンの数が示されている。単独アイコンIC4は、表示位置の間の距離が既定距離以下の他のアイコンが存在しなかったために、他のアイコンと集約されなかったアイコンPである。本実施形態では、集約アイコンとして集約される複数のアイコンのうちアイコンごとに対応付けられた表示優先度に基づいて最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンが、集約アイコンを示すアイコンとして表示される。図2Bにおいて、集約アイコンIC1に集約されたアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられているのはアイコンPであることから、アイコンPが集約アイコンIC1を示すアイコンとして表示される。集約アイコンIC2および集約アイコンIC13に集約されたアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられているのはアイコンGであることから、アイコンGが集約アイコンIC2および集約アイコンIC13を示すアイコンとして表示される。なお、図2Bにおいては、アイコンGとアイコンPとアイコンEとの表示優先度の関係に基づいて説明しているが、表示優先度は、図2Bに示したアイコンとは異なる他のアイコン(例えば、コンビニ、飲食店、公共施設、会社を示すアイコン)においても対応付けられている。したがって、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンとして集約されるアイコンに含まれていたとしても、集約されるアイコンの中に、当該供給施設のアイコンよりも高い表示優先度が対応付けられたアイコンが存在する場合には、当該アイコンが集約アイコンを示すアイコンとして表示される。また、本実施形態では、地図上に表示される集約アイコンの位置は、最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンの表示位置である。したがって、集約アイコンIC1が表示される地図上の位置は、集約アイコンIC1に集約されたアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンPの位置である。集約アイコンIC2および集約アイコンIC3が表示される地図上の位置は、集約アイコンIC2および集約アイコンIC3に集約されたアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンGの位置である。
【0024】
図2Cは、表示部に表示されるアイコンの例を示す説明図である。図2Cにおいては、アイコンE>アイコンP>アイコンGの順で定義された表示優先度を基準として、図2Aの状態からアイコンが集約されている。すなわち、取得された種別の駆動エネルギーが電気を示していたことによって、充電スタンドを示すアイコンEの表示優先度が、他の供給施設であるガソリンスタンドや水素ステーションより高くなるように設定されたということである。したがって、集約アイコンIC5は、図2Bの集約アイコンIC1と同じアイコン(アイコンPおよびアイコンE)が集約されたアイコンであるが、集約の基準となる表示優先度が図2Bとは異なることから、集約アイコンIC5に集約されたアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられているのはアイコンEである。このため、集約アイコンIC5を示すアイコンとして表示されるのはアイコンEである。集約アイコンIC6、IC7においても、最も高い表示優先度が対応付けられているのはアイコンEであることから、集約アイコンIC6、IC7を示すアイコンとして表示されるのは、集約アイコンIC2、IC3におけるアイコンGとは異なり、アイコンEである。
【0025】
図2Bにおいて、取得された種別の駆動エネルギーがガソリンを示している際にアイコンが集約される場合の例として、アイコンG>アイコンP>アイコンEの順で表示優先度が定義される例を説明した。図2Cにおいて、取得された種別の駆動エネルギーが電気を示している際にアイコンが集約される場合の例として、アイコンE>アイコンP>アイコンGの順で表示優先度が定義される例を説明した。このように、本実施形態では、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設の中で最も高くなるように設定される。すなわち、本実施形態では、取得される種別の駆動エネルギーに応じて供給施設間(図2Bおよび図2CでいうアイコンGおよびアイコンE)で互いに表示優先度の順位を変え、供給施設とは異なる他の施設(図2Bおよび図2CでいうアイコンP)の表示優先度の順位は変えない。
【0026】
図2Dは、表示部に表示されるアイコンの例を示す説明図である。図2Dには、図2Cに図示された状態から、更に一覧表示BRが図示されている。本実施形態では、集約アイコンが選択された場合には、表示優先度に基づいて一覧表示される。図2Dでは、表示部において集約アイコンIC6が表示された位置にタッチ操作がされた場合に、一覧表示BRが表示される。このとき、制御部20は、施設データを参照して、集約アイコンIC6として集約されたアイコンが示す施設の名称や属性、対応付けられた表示優先度を特定した上で、当該施設についての情報を一覧表示BRとして表示部に表示させる。本実施形態では、一覧表示BRには、集約アイコンIC6に集約されたアイコンについての属性を示す文字情報が表示される。そして、当該アイコンのうち表示優先度が高いアイコンほど一覧表示BR内の上側に表示されるよう配置される。他の実施形態では、一覧表示BRには、集約アイコンIC6に集約されたアイコンが並べて表示されてもよいし、表示優先度が高いアイコンほど一覧表示BR内において大きく表示されてもよい。
【0027】
以上の構成によれば、種別の異なる駆動エネルギーを供給する供給施設の各々を示すアイコンごとの表示優先度は、取得された種別を示す情報によって決まる。そして、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンの表示優先度が、当該駆動エネルギーが当該種別として取得されなかった場合と比べて高くなるように設定されている場合には、当該供給施設のアイコンが、集約アイコンを示すアイコンとして表示されやすくなる。例えば、電気が駆動エネルギーの種別として取得された場合、電気が駆動エネルギーの種別として取得されなかった場合と比べて、充電スタンドを示すアイコンの表示優先度が高くなるように設定されていれば、充電スタンドを示すアイコンが、集約アイコンとして表示されやすくなるということである。したがって、駆動エネルギーの種別が異なる各々の車両の利用者に対して、自身の車両の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンに集約されても、当該アイコンが集約アイコンに含まれていることを確認しやすくすることができる
【0028】
(2)アイコン表示処理:
次に、図3に示すフローチャートに基づいて、地図表示システム10が実行するアイコン表示処理を説明する。アイコン表示処理は、表示部に地図が表示されている間に繰り返し実行される。アイコン表示処理は、ユーザI/F部47の表示部に表示された地図上に、単独アイコンと集約アイコンとを表示させるための処理である。集約アイコンとしてアイコンを集約するか否かは、ユーザI/F部47を介して利用者が任意に設定してもよい。アイコン表示処理が実行されると、制御部20は、種別取得部21aとして機能することによって、種別情報30aを参照し、地図表示システム10(ナビゲーションシステム)が搭載された車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得する(ステップS110)。
【0029】
次に、制御部20は、位置取得部21bとして機能することによって、地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得する(ステップS120)。具体的には、制御部20は、ユーザI/F部47の表示部に表示される現在地周辺の地図の範囲を特定したのち、当該地図の範囲に含まれる施設のうち表示対象となるアイコンの表示位置を取得する。
【0030】
次に、制御部20は、判定部21cとして機能することによって、地図上に表示される施設のアイコンにおいて、既定距離以下に複数のアイコンが存在するか判定する(ステップS130)。具体的には、制御部20は、表示部に表示される地図の範囲に含まれる施設のアイコンの表示位置のうち表示位置の間の距離が既定距離以下であるアイコンが存在するか判定する。地図上に表示される施設のアイコンにおいて、既定距離以下に複数のアイコンが存在しない場合(ステップS130:NO)、制御部20は、表示制御部21dとして機能することによって、各々のアイコンを単独アイコンとして表示させる(ステップS140)。すなわち、制御部20は、地図情報30bの施設データを参照し、表示対象の属性が対応づけられた施設を特定し、特定された施設に対応づけられた位置に、当該属性のアイコンを単独アイコンとして表示させる。その後、制御部20は、アイコン表示処理を終了する。
【0031】
一方、地図上に表示される施設のアイコンにおいて、既定距離以下に複数のアイコンが存在する場合(ステップS130:YES)、制御部20は、集約アイコンとして集約されるアイコンの中に供給施設を示すアイコンが存在するか判定する(ステップS150)。制御部20は、位置取得部21bの機能により取得した施設のアイコンの属性を参照して、供給施設を示すアイコンが存在するか判定する。
【0032】
集約アイコンとして集約されるアイコンの中に供給施設を示すアイコンが存在する場合(ステップS150:YES)、制御部20は、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設の中で最も高くなるように設定する(ステップS160)。制御部20は、種別取得部21aの機能により取得した駆動エネルギーの種別を参照し、当該駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設の中で最も高くなるように設定する。すなわち、制御部20は、取得される種別の駆動エネルギーに応じて供給施設間で互いに表示優先度の順位を変え、供給施設とは異なる他の施設の表示優先度の順位は変えない。
【0033】
取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設の中で最も高くなるように設定されたのち(ステップS160)、もしくは、集約アイコンとして集約されるアイコンの中に供給施設を示すアイコンが存在しない場合(ステップS150:NO)、制御部20は、表示制御部21dとして機能することによって、集約アイコンとして集約される複数のアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンを、集約されたアイコンの数が中に示された円が付された状態で、集約アイコンを示すアイコンとして表示部に表示させるとともに、集約されない他のアイコンを単独アイコンとして表示部に表示させる(ステップS170)。その後、制御部20は、アイコン表示処理を終了する。
【0034】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、地図表示システム10は、複数の装置(例えば、クライアントとサーバや、ナビゲーション装置内の制御部とユーザI/F部内の制御部等)によって実現されるシステムであってもよい。地図表示システム10は、他のシステム(例えば、ナビゲーションシステム)の一部であってもよい。地図表示システム10を構成する種別取得部21a、位置取得部21b、判定部21c、表示制御部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。地図表示システム10の少なくとも一部が代替可能装置で代替されていてもよい。
【0035】
種別取得部は、車両を駆動させる駆動エネルギーの種別を取得することができればよい。駆動エネルギーは、車両を駆動させることができればよく、車両を駆動させる装置を直接的に稼働させるものであってもよいし、間接的に稼働させるものであってもよい。前者の例としては、駆動エネルギーであるガソリンを燃焼させて生じる膨張を利用してエンジンを稼働させることが挙げられる。後者の例としては、駆動エネルギーである水素を酸素と反応させて発生した電気を用いてモーターを稼働させることが挙げられる。
【0036】
位置取得部は、地図上に表示する施設のアイコンの表示位置を取得することができればよい。施設のアイコンの表示位置とは、表示部に表示される地図上の座標で定義される位置のことである。上述した実施形態では、アイコンの各々は角の丸い矩形形状で表されていたが、アイコンの各々は施設の属性を表現した簡単な図柄で表されていてもよい。このような場合、集約アイコンを示すアイコンについても、施設の属性を図柄で表したアイコンで表示されてもよい。また、集約アイコンは、複数のアイコンが重なっている状態であることを示す図柄で表されてもよい。
【0037】
判定部は、複数のアイコン同士の距離が既定距離以下であるか判定することができればよい。当該判定は、対象となるアイコンの表示位置(地図上の施設の位置)から、半径が既定距離の円の内側に他のアイコンの表示位置が含まれているか否かに基づいて実行される。なお、アイコンAとアイコンBとの距離が既定距離以下であるとともに、アイコンBとアイコンCとの距離が既定距離以下であるが、アイコンAとアイコンCとの距離が既定距離以下ではない場合にも、アイコンAとアイコンBとアイコンCとは集約アイコンとして集約されてもよい。また、アイコンA、アイコンBおよびアイコンCが同様の位置関係である状態において、アイコンAとアイコンBとのうち表示優先度が高いアイコンAの表示位置が集約アイコン(アイコンAとアイコンBを含む)の位置となる場合であって、当該集約アイコンとアイコンCとの距離が既定距離以下でない場合には、アイコンAおよびアイコンBのみが集約アイコンとして集約され、アイコンCは集約されなくてもよい。
【0038】
表示制御部は、地図情報に基づいて地図を表示部に表示させるとともにアイコンを地図上に表示させることができればよい。アイコンを地図上に表示させるとは、表示部に表示された地図に重なるように、地図上の施設の位置にアイコンを表示させることである。地図上にアイコンを表示させる場合、アイコンを表した図形(図2A~2Dの場合は、角の丸い矩形形状)の中心位置が地図上の施設の位置に重なるように表示されてもよいし、当該図形の他の位置が地図上の施設の位置に重なるように表示されてもよい。
【0039】
集約アイコンとは、複数のアイコンを集約して表示されるアイコンのことである。集約アイコンを表すアイコンは、集約アイコンとして集約されるアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンが、単独アイコンとして表示される態様と変わらない態様で表示されてもよいし(図2B図2Cにおける集約アイコンIC1~IC3、IC5~IC7のように)、変化した態様で表示されてもよい。変化した態様で表示される場合には、集約アイコンとして表示されるアイコンが示す施設の属性が判別しやすい態様で保持されている限り、当該アイコンをどのように変化させてもよい。
【0040】
図2B図2Cにおいては、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンとして集約されるアイコンに含まれていた場合、当該供給施設のアイコンが集約アイコンを示すアイコンとして表示されていたが(図2Bにおける集約アイコンIC2、IC3、図2Cにおける集約アイコンIC5~IC7のように)、本発明の実施形態はこれに限られない。取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンが集約アイコンとして集約されるアイコンに含まれていたとしても、集約されるアイコンの中に、当該供給施設のアイコンよりも高い表示優先度が対応付けられたアイコンが存在する場合には、当該アイコンが集約アイコンを示すアイコンとして表示される。
【0041】
上述した実施形態では、地図上に表示される集約アイコンの位置は、最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンの表示位置であったが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、集約アイコンの位置は、集約されるアイコンの各々の位置から等しい距離となる位置であってもよい。
【0042】
図2B図2Cにおいては、アイコンP、アイコンGおよびアイコンEという異なる種類のアイコンを1つずつ含んだ集約アイコンについて説明したが、集約アイコンには、同じ種類のアイコンが2つ以上含まれてもよい。また、同じ種類のアイコンが2つ以上含まれる場合として、例えば、集約アイコンとして2つ以上のアイコンEが含まれていて、かつ、集約されるアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンがアイコンEである場合、アイコンE同士の表示優先度の優劣は、車両の現在地から最も近い位置にある当該アイコンEの表示優先度が最も高くなるよう設定されてもよいし、他の選抜条件によって選抜されたアイコンEの表示優先度が最も高くなるよう設定されてもよい。他の選抜条件とは、例えば、アイコンEが示す充電スタンドによって供給される電気の単位量あたりの価格が最も安いことが挙げられる。このような場合、施設データにおいて供給施設の属性を示す施設データには、当該供給施設において供給される駆動エネルギーの単位量あたりの価格が対応付けられて記憶されているものとする。
【0043】
また、充電スタンドの属性を示す施設データに当該充電スタンドで急速充電が可能であるか否かが更に対応付けられて記憶されているとともに、車両が急速充電可能な車両であるか否かの情報を取得できる構成を地図表示システムが備えている場合には、急速充電が可能な充電スタンドである否かが選抜条件として用いられてもよい。すなわち、集約されるアイコンのうち最も高い表示優先度が対応付けられたアイコンがアイコンEであり、集約アイコンとして2つ以上のアイコンEが含まれている場合であって、かつ、車両が急速充電可能である場合、アイコンE同士の表示優先度の優劣は、急速充電が可能な充電スタンドのアイコンEの表示優先度の方が、急速充電ができない充電スタンドのアイコンEの表示優先度より高くなるよう設定されてもよいということである。急速充電が可能な充電スタンドのアイコンEが複数ある場合には、さらに、車両の現在地から最も近い位置にある当該アイコンEの表示優先度が最も高くなるよう設定されてもよい。なお、車両が急速充電できない場合には、急速充電ができない充電スタンドのアイコンEの表示優先度の方が、急速充電が可能な充電スタンドのアイコンEの表示優先度より高くなるよう設定されてもよい。選抜条件としては、他にも、供給施設における供給設備の数が多いほど、供給施設の面積が広いほど、供給施設についての評価が高いほど、当該供給施設のアイコンの表示優先度が高くなるよう設定されてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、取得される種別の駆動エネルギーに応じて供給施設間で互いに表示優先度の順位を変えられていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、取得される種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が特定の上位に設定されるとともに、他の供給施設を示すアイコンの表示優先度が特定の下位に設定されてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、供給施設の各々を示すアイコンごとの表示優先度は、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設の中で最も高くなるように設定されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、取得された種別を示す情報によって表示優先度が決まる対象のアイコンに、供給施設とは異なる他の施設が含まれていてもよい。換言すれば、取得された種別を示す情報によって、供給施設のみならず他の施設の表示優先度も併せて変動してもよいということである。このような場合、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設および他の施設の中で最も高くなるように設定されてもよい。また、取得された種別の駆動エネルギーを供給する供給施設のアイコンの表示優先度が、当該駆動エネルギーが当該種別として取得されなかった場合と比べて高くなるように設定されている限り、他の施設を示すアイコンの表示優先度が供給施設および他の施設の中で最も高くなるように設定されてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、地図内表示システムは、車両に搭載されるナビゲーションシステムに含まれていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、地図表示システムは、スマートフォンに内蔵されていてもよい。このような形態においては、スマートフォンは、現在地を特定する対象の車両と予め対応付けられているものとする。また、このような形態においては、地図表示システムは、車速センサを含んでなくてもよい。
【0047】
さらに、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、ナビゲーションシステムに地図表示システムが組み込まれていてもよい。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0048】
10…地図表示システム、20…制御部、21…地図表示プログラム、21a…種別取得部、21b…位置取得部、21c…判定部、21d…表示制御部、30…記録媒体、30a…種別情報、30b…地図情報、41…GNSS受信部、43…車速センサ、45…ジャイロセンサ、47…ユーザI/F部
図1
図2
図3