(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04847 20220101AFI20240214BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240214BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20240214BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240214BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240214BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G06F3/04847
G06F3/041 640
G06F3/0487
G06F3/14 350B
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/10 Z
(21)【出願番号】P 2020076185
(22)【出願日】2020-04-22
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-060197(JP,A)
【文献】特開2012-013942(JP,A)
【文献】特開2011-223251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04847
G06F 3/041
G06F 3/0487
G06F 3/14
G09G 5/00
G09G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の範囲の修正を受け付ける
機能とを有する、情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の数の変更を受け付ける
機能とを有する、情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の位置の修正を受け付ける
機能とを有する、情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、
明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける機能
と、
変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、
候補として提示された前記領域の範囲の修正を受け付ける機能と、
を実現させる
ためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける機能と、
変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、
候補として提示された前記領域の数の変更を受け付ける機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける機能と、
変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、
候補として提示された前記領域の位置の修正を受け付ける機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、いわゆるフレキシブルディスプレイの省電力化を目的とし、検知手段により検知された表示領域の曲がり度合いに応じて、表示領域の明るさを制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、曲がり度合いに応じて明るさを一律に制御する方法では、制御後の明るさがユーザの使い方に合わない場合がある。例えばフレキシブルディスプレイを山折りし、一方の面をテーブル等に設置する場合、特許文献1に記載の技術では、曲がり度合いが閾値を超えない限り、設置面も表示面と同じ明るさに制御される。
【0005】
本発明は、表示領域の一面を一律に制御する場合に比して、表示領域の明るさをユーザの指示に応じて設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける情報処理装置であり、前記プロセッサは、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の範囲の修正を受け付ける機能とを有する、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける情報処理装置であり、前記プロセッサは、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の数の変更を受け付ける機能とを有する、情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける情報処理装置であり、前記プロセッサは、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の位置の修正を受け付ける機能とを有する、情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、コンピュータに、変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける機能と、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の範囲の修正を受け付ける機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項5に記載の発明は、コンピュータに、変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける機能と、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の数の変更を受け付ける機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、変形可能な連続した表示面の領域毎の明るさの設定を、明るさの設定を受け付ける画面に対するユーザの指示を通じて受け付ける機能と、変形の状態に応じて定まる領域の候補を前記画面に提示する機能と、候補として提示された前記領域の位置の修正を受け付ける機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、領域の範囲と明るさをユーザの指示に合わせることができる。
請求項2記載の発明によれば、明るさを設定する領域の数をユーザの指示に応じて変更できる。
請求項3記載の発明によれば、明るさを設定する領域の位置をユーザの指示に応じて修正できる。
請求項4記載の発明によれば、領域の範囲と明るさをユーザの指示に合わせることができる。
請求項5記載の発明によれば、明るさを設定する領域の数をユーザの指示に応じて変更できる。
請求項6記載の発明によれば、明るさを設定する領域の位置をユーザの指示に応じて修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末を正面から見た図であり、(B)は情報端末を側面から見た図である。
【
図2】実施の形態1における情報端末の形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末を平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末を概略90°に折り曲げた状態で使用する場合を示し、(C)は情報端末を折り畳んだ状態で使用する場合を示す。
【
図3】実施の形態1における情報端末の使用例を説明する図である。(A)は情報端末を概略90°に折り曲げた状態で表示面の全面を見る使い方を示し、(B)は概略90°に折り曲げた情報端末の不図示のヒンジ部が上になるように情報端末を配置して表示面の概略半分を見る使い方を示し、(C)は概略90°に折り曲げた情報端末の表示面のうち概略半分を不図示の板面上に設置して表示面の概略半分を見る使い方を示す。
【
図4】情報端末のハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図5】変形可能な1つの表示面上の領域別に明るさを設定する処理を説明するフローチャートである。
【
図6】使用する予定の形状の受付に用いる画面の一例を説明する図である。
【
図7】明るさの設定用にタッチパネルに表示される画面の一例を説明する図である。
【
図8】明るさの設定用にタッチパネルに表示される画面の他の一例を説明する図である。
【
図9】明るさを設定する領域の範囲の修正例を説明する図である。
【
図10】明るさを設定する領域の範囲の他の修正例を説明する図である。
【
図12】明るさの設定に用いる画面の一例を説明する図である。
【
図13】ユーザによる領域毎の明るさの設定を受け付けた後の画面の表示例を説明する図である。
【
図14】優先する明るさの設定に用いる画面の一例を説明する図である。
【
図15】概略90°に折り曲げた情報端末の尾根側が上を向くように配置する場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図16】情報端末が平面状態のまま使用される場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図17】概略90°に折り曲げた情報端末1の尾根側が上を向くように配置する場合における領域別の明るさの他の制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図18】概略90°に折り曲げた情報端末の尾根側が上を向くように配置する場合における領域別の明るさの他の制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図19】概略折り畳んだ情報端末の一方の面を机などの表面に設置して用いる場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図20】実施の形態2で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末を正面から見た図であり、(B)は情報端末を側面から見た図である。
【
図21】実施の形態2における情報端末の形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末を平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末を概略90°に折り曲げた状態で使用する場合を示す。
【
図22】使用する予定の形状の受付に用いる画面の一例を説明する図である。
【
図23】情報端末を折り曲げて使用する場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図24】情報端末が平面状態のまま使用される場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネルの領域別の明るさの制御例を示す。
【
図25】実施の形態3で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末を正面から見た図であり、(B)は情報端末を側面から見た図である。
【
図26】実施の形態3における情報端末の形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末を平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末を長辺の概略真ん中付近で湾曲させた状態で使用する場合を示す。
【
図27】実施の形態3における情報端末の形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末を平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末をアルファベットのCの形状に湾曲させた状態で使用する場合を示し、(C)は情報端末を概略筒状に湾曲させた状態で使用する場合を示す。
【
図28】情報端末のハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図29】情報端末に対する歪ゲージの設置例を説明する図である。
【
図30】使用する予定の形状の受付に用いる画面の一例を説明する図である。
【
図31】実施の形態4で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末を正面から見た図であり、(B)は情報端末を側面から見た図であり、(C)は情報端末の変形後の形状の例を示す図である。
【
図32】実施の形態4で使用する情報端末の他の変形例を説明する図である。(A)はタッチパネルが尾根側に位置するようにヒンジ部の位置で折り畳んだ状態を示し、(B)はタッチパネルが谷側に位置するようにヒンジ部の位置で折り畳んだ状態を示す。
【
図33】実施の形態5で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。
【
図34】実施の形態6で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末を正面から見た図であり、(B)は情報端末を側面から見た図であり、(C)は情報端末の変形後の形状の例を示す図である。
【
図35】実施の形態7で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末とキーボードを正面及び側面から見た図であり、(B)は情報端末の表示面にキーボードを配置する使用例を説明する図である。
【
図36】実施の形態8で使用する情報端末の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末を正面から見た図であり、(B)は情報端末を側面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
<実施の形態1>
<装置の構成>
図1は、実施の形態1で使用する情報端末1の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1を正面から見た図であり、(B)は情報端末1を側面から見た図である。情報端末1は情報処理装置の一例である。
図1に示す情報端末1は、例えばタブレット型のコンピュータやスマートフォンを想定している。
【0011】
本実施の形態における情報端末1の本体2は、2つの本体パネル2A及び2Bを有している。2つの本体パネル2A及び2Bの内部には、コンピュータとしての動作を可能にする不図示の部品が内蔵されている。2つの本体パネル2A及び2Bは、ヒンジ部3を介して互いに連結されている。本実施の形態で使用するヒンジ部3は、情報端末1の長辺の方向に複数の部材が連結されて構成されている。隣り合う部材の取り付け角度が少しずつ変化することでヒンジ部3は変形する。ヒンジ部3の変形により、情報端末1を折り曲げた形状への変形や折り畳んだ形状への変形が可能になる。なお、情報端末1の折り曲げや折り畳みを実現するヒンジ部3の構造は既知である。
【0012】
本体2の表面には、変形が可能な表示面を有する1枚のタッチパネル4が設けられている。本実施の形態の場合、タッチパネル4は、フィルム状のプラスチック基板に発光素子を配列した有機EL(=Electro Luminesxent)ディスプレイと、有機ELディスプレイの表面に設けられるフィルム状のセンサ(以下「フィルムセンサ」という)とで構成される。フィルムセンサは、有機ELディスプレイに表示される画像の観察を妨げない透明度を有している。また、フィルムセンサは、例えば静電容量方式でユーザが操作する位置を検知する。本実施の形態における有機ELディスプレイは、変形可能な連続した表示面の一例である。換言すると、有機ELディスプレイは、表示面が1枚のプラスチック基板上に形成されている。
【0013】
<情報端末1の形状の変化の例>
図2は、実施の形態1における情報端末1の形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末1を平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末1を概略90°に折り曲げた状態で使用する場合を示し、(C)は情報端末1を折り畳んだ状態で使用する場合を示す。
なお、
図2に示す形状は、情報端末1の形状の代表的な形状であり、(A)に示す形状と(B)に示す形状の間にも中間的な折り曲げ角の形状が存在する。同様に、(B)に示す形状と(C)に示す形状の間にも中間的な折り曲げ角の形状が存在する。
【0014】
<情報端末1の使用例>
図3は、実施の形態1における情報端末1の使用例を説明する図である。(A)は情報端末1を概略90°に折り曲げた状態で表示面の全面を見る使い方を示し、(B)は概略90°に折り曲げた情報端末1の不図示のヒンジ部3(
図1参照)が上になるように情報端末1を配置して表示面の概略半分を見る使い方を示し、(C)は概略90°に折り曲げた情報端末1の表示面のうち概略半分を不図示の板面上に設置して表示面の概略半分を見る使い方を示す。
【0015】
本実施の形態の場合、表示面は、タッチパネル4を構成する有機ELディスプレイのうち画像の表示が可能な領域をいう。換言すると、表示面には、画素が発行している領域だけでなく、画素が消灯している領域も含まれる。
また、表示面は、ユーザによる観察が可能な領域だけでなく、ユーザから画像が観察されない領域や観察が難しい領域も含まれる。ユーザから画像が観察されない領域には、例えば(B)や(C)の使い方にいて
図3に描かれていない領域、他の物体によって表示面が覆われている領域が含まれる。また、ユーザからの観察が難しい領域には、例えば表示面の法線の方向とユーザの視線の方向とが成す角が概略90°の場合、換言すると、表示面とユーザの視線が平行に近い領域が含まれる。
【0016】
<ハードウェア構成>
図4は、情報端末1のハードウェア構成の一例を説明する図である。
本実施の形態で使用する情報端末1は、プログラムの実行を通じて各部を制御するCPU(=Central Processing Unit)101と、タッチパネル4と、カメラモジュール102と、ヒンジ部3(
図1参照)の開き角を検知するヒンジ角センサ103と、通話や録音等に使用されるマイク104と、音の再生に使用されるスピーカ105と、他の部位と接する部位等の検知に用いられる赤外線センサ106と、システムデータや内部データが記憶される内部メモリ107と、着脱が可能な外部メモリ108と、外部装置との通信に用いられる通信モジュール109等を有している。内部メモリ107と外部メモリ108は、いずれも不揮発性の半導体メモリである。
【0017】
本実施の形態におけるCPU101は、内部メモリ107に記憶されているプログラム(以下「アプリ」ともいう)の実行を通じて各種の機能を実現する。CPU101と内部メモリ107はコンピュータを構成する。CPU101は、受付部の一例として機能すると共に、制御部の一例としても機能する。
ヒンジ角センサ103は、本体2がヒンジ部3を中心に変形される場合における本体パネル2Aと本体パネル2Bとが成す角度に関する情報を出力する。換言すると、ヒンジ角センサ103は、ヒンジ部3(
図1参照)における情報端末1の折り曲げの角度を出力する。なお、折り曲げの角度は、ヒンジ部3を構成する歯車の回転角等により特定してもよい。
【0018】
赤外線センサ106は、本体パネル2A及び2Bのうちタッチパネル4の周辺部に配置されている。赤外線センサ106は、本体パネル2Aにも本体パネル2Bにも配置される。
例えば本体パネル2Aが机等の表面に設置されている場合、本体パネル2Aに設けられている赤外線センサ106により、光源から出力された赤外線の反射光が検知される。反射光の検知には、受光センサが用いられる。本実施の形態の場合、光源から出力された赤外線の反射が検知される場合とは、受光センサで検知された赤外線の強度が閾値以上である場合をいう。なお、判定に用いる赤外線の強度は、複数の受光センサの検出値の平均値でもよい。
【0019】
また例えば本体パネル2Bが机等の表面に設置されている場合、本体パネル2Bに設けられている赤外線センサ106により、光源から出力された赤外線の反射光が検知される。
因みに、赤外線センサ106が配置されている面が内向きに折り畳み可能である場合、本体パネル2Aに設けられている赤外線センサ106と本体パネル2Bに設けられている赤外線センサ106の両方で赤外線の受光が検知される。
なお、複数の赤外線センサ106が、表示面の内側の領域にも配置されている場合、表示面のうち他の物体で覆われている領域を個別に検知することも可能である。
【0020】
<明るさの設定>
以下、
図5~
図14を使用して、タッチパネル4(
図1参照)の領域毎の明るさの設定について説明する。
図5は、変形可能な1つの表示面上の領域別に明るさを設定する処理を説明するフローチャートである。図中に示す記号のSはステップを意味する。
図5に示す処理は、CPU101がプログラムの実行を通じて実現する。まず、CPU101は、選択画面を通じて使用する予定の形状を受け付ける(ステップ1)。
図6は、使用する予定の形状の受付に用いる画面201の一例を説明する図である。
図6に示す画面201には、ユーザに求める操作を説明する文202と、使用する形状の候補203とが示されている。
図6の場合、文202として「使用する予定の形状を選択してください」と示されている。また、候補203として、代表的な3つの形状が示されている。左端の形状は表示面が平面状態であり、真ん中の形状は表示面をアルファベットのL字に折り曲げた形状であり、右端の形状は表示面を折り畳んだ形状である。
図6の場合、真ん中の候補203のラジオボタンが選択されている。
【0021】
図5の説明に戻る。ステップ1で形状の選択を受け付けると、CPU101は、選択された形状に応じて領域の候補を提示する(ステップ2)。
図7は、明るさの設定用にタッチパネル4に表示される画面201Aの一例を説明する図である。画面201Aには、ユーザに求める操作を説明する文202Aと、選択された形状について用意されている領域の候補203Aと、形状の選択に戻るためのボタン205と、設定を確定するためのボタン206とが示されている。
図7の場合、文202Aには、2つの文が含まれている。1つは「明るさを設定する領域を指定してください」であり、1つは「領域の範囲を変更したい場合には、領域の境界線の位置を移動させてください」である。
【0022】
図7に示されている領域の候補は、タッチパネル4をアルファベットのL字に折り曲げて使用する場合やタッチパネル4を折り畳んで使用する場合の例である。
図7の例では、ヒンジ部3(
図1参照)の位置を境とする「領域1」と「領域2」が候補として提示されている。
候補として提示された時点における「領域1」と「領域2」は同じ面積を有している。換言すると、「領域1」と「領域2」は、表示面の長辺の中点の位置で2分される。
候補203Aには、「領域1」と「領域2」の境界を与える境界線204Aと、境界線204Aの位置の移動に用いるスライダ204Bとが配置されている。
図7の場合、スライダ204Bを左右に移動させると、境界線204Aも左右に移動される。例えばスライダ204Bが左方向に移動されると、「領域1」の面積が小さくなる一方、「領域2」の面積は広くなる。反対に、スライダ204Bが右方向に移動されると、「領域1」の面積が広くなる一方、「領域2」の面積は小さくなる。
【0023】
図8は、明るさの設定用にタッチパネル4に表示される画面201Aの他の一例を説明する図である。
図8には
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図8に示されている領域の候補も、タッチパネル4をアルファベットのL字に折り曲げて使用する場合やタッチパネル4を折り畳んで使用する場合の例である。
図8の例では、表示面が湾曲するヒンジ部3(
図1参照)の周辺の領域が独立した「領域3」として提示されている。
図8に示す画面201Aは、表示面が湾曲する領域の部分の明るさを個別に設定したい場合に用いられる。
図7に示す画面201Aと
図8に示す画面201Aのいずれを表示するかは、内部メモリ107(
図4参照)等に事前に設定されていてもよい。ここでの表示に用いる画面の設定は、プログラム側の設定でもよいし、ユーザによる設定でもよい。また、不図示のボタンに対する操作により、
図7に示す画面201Aと
図8に示す画面201Aを切り替えが可能でもよい。
【0024】
図5の説明に戻る。領域の候補を提示したCPU101は、領域の修正があるか否かを判定する(ステップ3)。
ユーザによる境界線204Aの移動の操作が検知された場合、ステップ3で肯定結果が得られる。一方、ユーザによる境界線204Aの移動の操作が検知されることなく、確定に用いるボタン206の操作が検知された場合、ステップ3で否定結果が得られる。なお、形状の選択に戻るためのボタン205の操作が検知された場合、CPU101は、ステップ1に戻る。
図5においては、ボタン205の操作が検知される場合の判定を省略している。
ステップ3で肯定結果が得られた場合、CPU101は、修正を受け付ける。本実施の形態の場合、CPU101は、領域の範囲、領域の位置、領域の数等の修正を受け付ける。本実施の形態の場合、領域の範囲の修正は、前述した境界線204Aの位置の移動の受け付けである。
【0025】
図9は、明るさを設定する領域の範囲の修正例を説明する図である。
図9には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図9の場合、スライダ204Bは、長辺の真ん中よりも右方向に移動されている。このため、「領域1」の面積が広くなる一方、「領域2」の面積は小さくなっている。
図10は、明るさを設定する領域の範囲の他の修正例を説明する図である。
図10には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図10の場合、スライダ204Bは、表示面を表す領域の右端に移動されている。このため、表示面には1つの領域だけが設定されている。
図10に示す例は、領域の数の修正の例も表している。なお、
図10では、スライダ204Bが表示面を表す領域の右端の位置に移動されているが、スライダ204Bが表示面を表す領域の左端の位置に移動されてもよい。
【0026】
一方で、
図10に示す状態のスライダ204Bが長辺の真ん中の位置まで移動されると、
図7に示すように、表示面に「領域1」と「領域2」が設定される。
なお、形状を選択する画面201(
図6参照)で平面状態での使用が選択された場合、
図10に示す画面201Aが領域の候補を提示する画面として当初から提示される。
また、
図9及び
図10に示す画面201Aでは、スライダ204Bを操作の対象として説明しているが、表示面上における境界線204Aのドラッグ移動により、「領域1」と「領域2」の範囲を修正してもよい。
【0027】
図11は、領域の位置の修正例を説明する図である。
図11には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図11には、2つの領域のうちの一方を選択した状態でドラッグ移動させる例が表されている。
図11の例では、ユーザが指定した「領域1」が右方向に移動されている。このため、「領域1」の左側に「領域3」が現れている。
図11に示す操作により、領域の位置と領域の数が同時に修正されている。
【0028】
図5の説明に戻る。ステップ3で否定結果が得られた場合、又は、ステップ4における修正の受け付けが確定した場合、CPU101は、領域毎の明るさの設定を受け付ける(ステップ5)。
図12は、明るさの設定に用いる画面の一例を説明する図である。
図12には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12に示す画面201Aは、表示面を構成する2つの領域のうち左側に位置する「領域1」の明るさを設定する小画面207が表示された状態を表している。
図12の場合、小画面207において、輝度、コントラスト、色の設定が可能である。
【0029】
図12の場合、輝度の値は、「0」~「100」の間で設定が可能である。輝度の値は、対応する領域の表示に用いられる輝度の最大値を与える。
図12の例では、輝度の値が「100」であるので「領域1」の輝度は最大値に設定されている。なお、輝度の値が「0」に設定された場合、対応する「領域1」は消灯状態になる。コントラストの値も、0~100の間で設定が可能である。
小画面207において、不図示の確定用のボタンが操作されると、CPU101は、
図7の画面201Aに戻る。なお、小画面207には、小画面207を閉じるためのボタンが用意されてもよい。
【0030】
図13は、ユーザによる領域毎の明るさの設定を受け付けた後の画面201Aの表示例を説明する図である。
図13には、
図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図13に示す画面201Aは、図中左側に位置する「領域1」の輝度の値が「100」、図中右側に位置する「領域2」の輝度の値が「50」に設定された状態を表している。
本実施の形態の場合、画面201Aにおける領域の候補203Aに示される各領域の明るさは、ユーザにより設定された輝度の値を反映する。この表示により、ユーザによる、各領域の明るさのイメージが容易になる。
【0031】
本実施の形態では、輝度の値が「51」~「100」の場合を「明るい」と表現し、輝度の値が「0」~「50」の場合を「暗い」と表現する。
もっとも、輝度の値は一例であり、予め定めた基準値よりも高い輝度の値を用いる場合を「明るい」と表現し、予め定めた基準値よりも低い輝度の値を用いる場合を「暗い」と表現してもよい。
また、「明るい」と表現される輝度の値と「暗い」と表現される輝度の値は、いずれも予め定められた特定の値でもよい。例えば「明るい」と表現される輝度の値は「75」であり、「暗い」と表現される輝度の値は「25」でもよい。
【0032】
図5の説明に戻る。ステップ5における明るさの設定が終了すると、CPU101は、優先する設定の方法を受け付ける(ステップ6)。
図14は、優先する明るさの設定に用いる画面201Bの一例を説明する図である。
画面201Bには、ユーザに求める操作を説明する文202Bと、選択の対象208と、例外的な規則の選択を求める文209と、例外的な規則の選択欄210と、前の画面201に戻るためのボタン211と、設定を確定するためのボタン212とが示されている。
図14の場合、文202Bには、2つの文が含まれている。1つは「ユーザの設定とアプリによる設定のいずれを優先するかを選択することが可能です」であり、1つは「いずれを優先しますか?」である。
【0033】
本実施の形態の場合、ユーザが設定した領域別の明るさとアプリが設定する領域別の明るさの選択が可能である。
ユーザが設定した領域別の明るさが選択された場合、ステップ5(
図5参照)で受け付けた設定による明るさが表示に用いられる。
アプリが設定する領域別の明るさが選択された場合、アプリが出力する画像の内容や種類に応じて決定される明るさが表示に用いられる。例えば画像の内容が映像や文書等の場合、同画像が表示される領域の輝度の値は例えば「100」に設定される。
映像や文書等は、ユーザによる継続的な観察を前提とされる画像の一例である。換言すると、映像や文書等は、画像を構成する要素の配置がユーザの操作等により変化する画像である。映像や文書等が表示される領域は、情報が表示される領域の一例である。
【0034】
画像の内容がキーボード等の操作に用いるパネル(以下「操作パネル」という)の場合、同画像が表示される領域の輝度の値は例えば「50」に設定される。また、壁紙や背景が表示される領域の輝度の値も例えば「50」に設定される。操作パネル等は、表示される内容が時間的に変化しない画像の一例である。換言すると、操作パネル等は、画像を構成する要素の配置が固定されている画像である。もっとも、静止状態の画像に花びらが散る画像が重ねられている場合も壁紙や背景の一例に含まれる。
【0035】
図14では、選択の対象208のうち「ユーザの設定」に対応するラジオボタンが選択されている。この選択の場合、原則として、ユーザが設定した明るさで各領域の画像が表示される。
一方で、ユーザによる明るさの設定を常に用いることが、必ずしも望ましくない場合がある。このため、本実施の形態では、例外的な規則が用意されている。
文209には「例外規則:ユーザの設定を優先する場合でも、例外的にアプリによる設定を優先させる規則を選択することが可能です」と表示される。また、文209には、複数の規則の選択が可能であることも示されている。
【0036】
図14の場合、選択欄210には、5つの規則が例示されている。
規則の1つは、ユーザにより継続的に観察されない領域を暗くする規則である。この規則の例として、画面201Bには、何らかの物により覆われている領域や机の上に設置された領域を暗くする場合と、ユーザから見て反対側の領域を暗くする場合が例示されている。この規則が有効であると、ユーザの設定が「明るい」場合でも、表示は強制的に暗く制御される。
【0037】
規則の1つは、ユーザが観察している領域を明るくする規則である。この規則は、ユーザの設定が「暗い」場合でも、ユーザが観察している領域について、強制的に表示を明るくする規則である。
ユーザが観察している領域には、前述した映像や文書の表示に用いられる領域、ユーザが操作中のカーソルその他の操作子がある。例えばアプリに割り当てられている表示の領域が、ユーザにより設定された領域の範囲を超える場合にも、ユーザによる観察が容易になる。換言すると、この規則は、ユーザの設定した輝度の値よりも高い値に変更することをいう。例えばユーザの設定した輝度の値が「75」の場合に輝度の値を「90」に変更することも含まれる。
【0038】
規則の1つは、壁紙や背景、操作パネルが表示される領域を暗くする規則である。この規則は、ユーザによる観察が可能な領域のうち重要度が相対的に低い領域の明るさを強制的に暗くする規則である。例えば映像や文書が表示される領域の周囲に壁紙や背景が表示される領域が存在する場合、壁紙や背景に対応する領域の設定が「明るい」場合でも強制的に暗く制御される。
規則の1つは、情報が表示される領域を明るくする規則である。この規則は、相対的に重要度が高い領域の観察がより容易になるように、輝度の値を高い値に変更する規則をいう。
【0039】
規則の1つは、操作により移動中のアイコンが表示される領域は明るいままとする規則である。この規則は、移動中のアイコンが明るい設定の領域を超えて暗い領域に移動する場合に、アイコンの表示を暗くするのではなく、表示に用いる明るさを維持する規則をいう。
図14に示す画面201Bの場合、いずれの規則のラジオボタンも選択されていない状態である。このため、
図14に示す画面210Bのままボタン212が操作されると、CPU101は、例外規則を用いない。すなわち、CPU101は、ユーザが設定した明るさにより、各領域の表示を制御する。
【0040】
本実施の形態の場合、ユーザにより継続的に観察されない領域やユーザが観察している領域は、例えばカメラモジュール102(
図4参照)が出力する画像データと、情報端末1(
図1参照)の形状に関する情報と、赤外線センサ106(
図4参照)が出力する検知信号に基づいて特定する。
赤外線センサ106で受光された赤外線の強度が閾値以上である場合、例えば対応する赤外線センサ106が設けられている面又は領域は、他の物体で覆われている又は机等の表面に設置されていると判定することが可能である。これらの領域は、ユーザにより継続的に観察されない領域と判定される。その他の領域を、ユーザが観察している領域と判定するには、情報端末1の形状に関する情報やカメラモジュール102が出力する画像データの解析が必要になる。ここでのカメラモジュール102は、検知手段の一例である。
【0041】
情報端末1の形状に関する情報は、情報端末1による変形が物理的に可能な形状のうち、ステップ1(
図6参照)で受け付けた形状と、ヒンジ角センサ103(
図4参照)が出力する折り曲げの角度の両方又は一方が使用される。
例えば情報端末1が平板形状で使用される場合に、カメラモジュール102が出力する画像データに予め定めた寸法以上の顔や目の画像が含まれるとき、CPU101は、タッチパネル4(
図1参照)の全体がユーザにより観察されると判定する。
予め定めた寸法以上の目の画像を用いるのは、情報端末1を使用するユーザの周囲や背後に写り込んでいる人の顔や目の画像を、判定の対象から排除するためである。予め定めた寸法は、例えばアプリにおいて事前に設定されている。
【0042】
一方で、カメラモジュール102が短辺のいずれか一方にのみ設けられている場合に、情報端末1が折り曲げられて使用されるとき、又は、折り畳まれて使用されるとき、CPU101は、カメラモジュール102が出力する画像データに予め定めた寸法以上の目の画像が含まれるか否かを判定する。
画像データに予め定めた寸法以上の目の画像が含まれる場合、カメラモジュール102が設けられている面、又は、カメラモジュール102の周辺の領域を、ユーザによる観察が可能な領域と判定する。
また、画像データ内で目の画像が検知された位置と、折り曲げの角度によっては、タッチパネル4の表示面の全体が、ユーザによる観察が可能な領域と判定されることもある。例えば情報端末1が概略90°に折り曲げられている場合に、情報端末1の尾根側からユーザが観察していることがCPU101により確認されたときが該当する。
【0043】
もっとも、ユーザが実際に見ているか否かは、ユーザの視線の方向と表示面の形状との関係を画像データの解析により特定する必要がある。
また、画像データに予め定めた寸法以上の目の画像が含まれる場合、カメラモジュール102が設けられている側とは反対側に折り曲げられている領域は、ユーザにより継続的に観察されない領域と判定される。
図5の説明に戻る。画面201Bにおいて、設定を確定するためのボタン212が操作されると、CPU101は、例外規則の選択があるか否かを判定する(ステップ7)。
ステップ7で肯定結果が得られた場合、CPU101は、画面201Bの選択欄210の選択に基づき、例外規則を設定する(ステップ8)。
一方、ステップ7で否定結果が得られた場合、CPU101は、例外規則を設定することなく、領域別に明るさを設定する処理を終了する。
【0044】
<明るさの制御例>
以下では、
図15~
図19を使用して、ユーザの設定した領域別の明るさと情報端末1の形状に応じた領域別の明るさの制御との関係を説明する。
図15は、概略90°に折り曲げた情報端末1の尾根側が上を向くように配置する場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図15の例では、タッチパネル4の表示面を2分する領域のうち「領域1」の明るさは暗く設定され、「領域2」の明るさは明るく設定されている。ただし、「領域1」は表示面の概略3分の2の面積に修正され、「領域2」は表示面の概略3分の1の面積に修正されている。なお、
図15に示す例は、例外規則は設定されていない場合である。
このため、情報端末1をヒンジ部3(
図1参照)の位置で概略90°に折り曲げた状態で、尾根側の一部の領域が暗く表示されている。このような明るさの設定は、折り曲がる位置を境に表示領域の明るさが常に決定される手法では無理である。
【0045】
図16は、情報端末1が平面状態のまま使用される場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図16に示す例は、タッチパネル4の表示面を2分する領域のうち「領域1」の設定は明るく、「領域2」の設定は暗い場合である。
図16の例では、ユーザが「領域1」に表示されているアイコン4Aを「領域2」に移動する場面を表している。
図16に示す例の場合、移動中のアイコンが示される領域の明るさを維持する例外規則が有効である。このため、アイコン4Aは、暗い設定である「領域2」でも、明るい状態のまま表示されている。なお、この例外規則が無効である場合、アイコン4Aの明るさは、移動中の「領域2」が重なるとともに暗い状態に変更される。
【0046】
図17は、概略90°に折り曲げた情報端末1の尾根側が上を向くように配置する場合における領域別の明るさの他の制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図17に示す例の場合、タッチパネル4の表示面の全体が暗く設定されている。
図17の例では、例外規則により、映像が表示される領域4Bだけ明るく表示されている。なお、映像が表示される領域4Bが表示面上で閉じられた場合、ユーザの設定したとおり、タッチパネル4の表示は全体が暗い状態になる。
【0047】
図18は、概略90°に折り曲げた情報端末1の尾根側が上を向くように配置する場合における領域別の明るさの他の制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図18に示す例の場合も、タッチパネル4の表示面の全体が暗く設定されている。
図18の例では、例外規則により、ユーザが観察している領域が明るく表示されている。
図18の場合、カメラモジュール102(
図4参照)が出力する画像データにより予め定めた寸法以上の大きさのユーザの顔や目の画像が含まれている。また、
図18に示す情報端末1は、概略90°に折り曲げた状態で使用されている。このため、ヒンジ部3(
図1参照)を境界としてカメラモジュール102が配置されている側の領域だけが明るい状態に制御されている。
【0048】
図19は、概略折り畳んだ情報端末1の一方の面を机などの表面に設置して用いる場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図19の場合、タッチパネル4の表示面の全体が明るく設定されている。ところが、
図19では、情報端末1が折り畳まれた上、一方の面が机などの表面に設置されている。情報端末1が折り畳まれたことは、ヒンジ角センサ103(
図4参照)が出力する角度に関する情報により検知が可能である。
情報端末1が折り畳まれた形状にあることが分かると、タッチパネル4の表示面の明るさは、ヒンジ部3(
図1参照)を境に分割される2つの領域により管理される。
図19の場合、タッチパネル4の周囲には、長辺に沿って4つずつ計8個の赤外線センサ106が配置されている。このうち、設置面に向き合う位置の4つの赤外線センサ106で閾値以上の強度の赤外線が検知される。
図19の場合には、ユーザにより継続的に観察されない領域を暗くする例外規則が有効になっている。このため、赤外線の受光を検知した赤外線センサ106に対応する領域が暗く制御されている。
【0049】
<実施の形態2>
図20は、実施の形態2で使用する情報端末1Aの外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1Aを正面から見た図であり、(B)は情報端末1Aを側面から見た図である。
図20には、
図1との対応部分に対応する符号を付して示している。情報端末1Aは、情報処理装置の一例である。
図20に示す情報端末1Aを構成する部材は、基本的に、実施の形態1と同じである。違いは、本実施の形態における情報端末1Aが折り曲げられる方向が、タッチパネル4が形成されている面の側である点である。換言すると、本実施の形態で使用するヒンジ部3Aが回転可能な範囲は、実施の形態1で使用するヒンジ部3(
図1参照)が回転可能な範囲とは逆側である。
【0050】
図21は、実施の形態2における情報端末1Aの形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末1Aを平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末1Aを概略90°に折り曲げた状態で使用する場合を示す。
図21には、
図20との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態で使用する情報端末1Aのハードウェア構成は、
図4に示した構成と同じである。また、情報端末1Aも、実施の形態1と同じく、
図5に示すフローチャートに基づいて、変形可能な1つの表示面上の領域別に明るさを設定する処理を実行する。
【0051】
図22は、使用する予定の形状の受付に用いる画面221の一例を説明する図である。
図22に示す画面221には、ユーザに求める操作を説明する文222と、使用する形状の候補223とが示されている。
図22の場合、文222として「使用する予定の形状を選択してください」と示されている。また、候補223として、代表的な2つの形状が示されている。左側の形状は表示面が平面状態であり、右側の形状は表示面をアルファベットのL字に折り曲げた形状である。表示面を内側にして折り畳むことも可能であるが、折り畳んだ状態での明るさの設定は不要である。このため、画面221には、折り畳んだ状態が候補223として示されていない。
図22の場合、右端の候補223のラジオボタンが選択されている。
本実施の形態の場合も、使用する予定の形状が設定されると、領域の候補がタッチパネル4に表示される。ユーザは、実施の形態1の場合と同様、表示された候補に対する領域の修正の後、領域別に明るさを設定し、優先する設定や例外規則の設定を行う。
【0052】
以下では、
図23及び
図24を使用して、ユーザの設定した領域別の明るさと情報端末1の形状に応じた領域別の明るさの制御との関係を説明する。
図23は、情報端末1Aを折り曲げて使用する場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図23に示す例の場合、「領域1」はタッチパネル4の概略3分の2に修正され、「領域2」はタッチパネル4の概略3分の1に修正されている。また、「領域1」の設定は明るく、「領域2」の設定は暗い。
このため、
図23の例では、ヒンジ部3A(
図20参照)の位置を越えて明るい状態で表示されている。
【0053】
図24は、情報端末1Aが平面状態のまま使用される場合における領域別の明るさの制御例を説明する図である。(A)はユーザによる領域別の設定例を示し、(B)は使用される場面におけるタッチパネル4の領域別の明るさの制御例を示す。
図24の場合、タッチパネル4は平面状態で使用されるが、ヒンジ部3A(
図20参照)よりも上側の「領域1」の設定は明るく、ヒンジ部3Aよりも下側の「領域2」の設定は暗い。
図24の例では、「領域1」に対応する表示面の中央部分に映像が表示され、その周辺に壁紙が表示される場合を表している。
図24に示す例は、壁紙が表示される領域の明るさを暗くする例外規則が有効である。このため、明るい設定の「領域1」のうち、壁紙が表示される周辺部分が暗い状態に変更されている。
【0054】
<実施の形態3>
図25は、実施の形態3で使用する情報端末1Bの外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1Bを正面から見た図であり、(B)は情報端末1Bを側面から見た図である。
図25には、
図1との対応部分に対応する符号を付して示している。情報端末1Bも情報処理装置の一例である。
図25に示す情報端末1Bを構成する部材は、基本的に、実施の形態1と同じである。ただし、情報端末1Bを構成する本体2は、実施の形態1で使用する本体2(
図1参照)に比して柔軟性が高い。また、本実施の形態で使用する本体2には、ヒンジ部3(
図1参照)が設けられていない。このため、本実施の形態で使用する本体2は、実施の形態1や実施の形態2の場合とは異なり、本体2の複数の部位で変形が可能である。
【0055】
図26は、実施の形態3における情報端末1Bの形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末1Bを平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末1Bを長辺の概略真ん中付近で湾曲させた状態で使用する場合を示す。
図26の場合、タッチパネル4が設けられている面が内側になるように情報端末1Bが変形されている。本実施の形態の場合、本体2にヒンジ部3(
図1参照)が設けられていないので、本体2やタッチパネル4がなだらかに湾曲している。
図27は、実施の形態3における情報端末1Bの形状の変化の例を説明する図である。(A)は情報端末1Bを平面状態で使用する場合を示し、(B)は情報端末1BをアルファベットのCの形状に湾曲させた状態で使用する場合を示し、(C)は情報端末1Bを概略筒状に湾曲させた状態で使用する場合を示す。
図27の場合、タッチパネル4が設けられている面が外側になるように情報端末1Bが変形されている。
なお、
図26及び
図27に示した形状は一例であり、情報端末1Bの対角線を尾根線や谷線として変形することも、アルファベットのW字やV字の形状に変形することも可能である。
【0056】
図28は、情報端末1Bのハードウェア構成の一例を説明する図である。
図28には、
図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態で使用する情報端末1Bは、プログラムの実行を通じて各部を制御するCPU101と、タッチパネル4と、カメラモジュール102と、歪ゲージ110と、通話や録音等に使用されるマイク104と、音の再生に使用されるスピーカ105と、赤外線センサ106と、システムデータや内部データが記憶される内部メモリ107と、着脱が可能な外部メモリ108と、外部装置との通信に用いられる通信モジュール109等を有している。
【0057】
本実施の形態では、ヒンジ部3(
図1参照)やヒンジ部3A(
図20参照)を使用しないため、ヒンジ角センサ103(
図4参照)に代えて、対応する部位に作用する歪を測定する歪ゲージ110を設けている。本実施の形態では、歪ゲージ110として、抵抗体を絶縁体上にレイアウトした金属歪ゲージを使用する。金属歪ゲージは、設置されている部位の変形の度合いを、抵抗体の電気抵抗の変化として出力する。
図29は、情報端末1Bに対する歪ゲージ110の設置例を説明する図である。本実施の形態の場合、歪ゲージ110は、タッチパネル4と本体2との間の層に設けられている。
図29の場合、複数の歪ゲージ110が、タッチパネル4の全面に等間隔に配置されている。もっとも、歪ゲージ110をタッチパネル4の外周である額縁の領域に配置してもよい。本実施の形態の場合、複数の歪ゲージ110から出力され歪の大きさの分布に基づいてタッチパネル4の変形後の状態が推定される。
【0058】
なお、本実施の形態で使用する情報端末1Bも、実施の形態1と同じく、
図5に示すフローチャートに基づいて、変形可能な1つの表示面上の領域別に明るさを設定する処理を実行する。
図30は、使用する予定の形状の受付に用いる画面231の一例を説明する図である。
図30に示す画面231には、ユーザに求める操作を説明する文232と、使用する形状の候補233とが示されている。
図30における文232にも「使用する予定の形状を選択してください」と示されている。一方、候補233として、代表的な4つの形状が示されている。上段左端の形状は表示面が平面状態であり、上段中央の形状は表示面を内側に湾曲させた形状であり、上段右端の形状は表示面を外側に湾曲させた形状であり、下段左端の形状は表示面を外側に筒状に湾曲させた形状である。
図30の場合、上段真ん中の候補233のラジオボタンが選択されている。
本実施の形態の場合も、使用する予定の形状が設定されると、領域の候補がタッチパネル4に表示される。ユーザは、実施の形態1の場合と同様、表示された領域の候補を修正した後、領域別に明るさを設定し、優先する設定や例外規則の設定を行う。
【0059】
<実施の形態4>
前述した実施の形態1においては、ヒンジ部3(
図1参照)が取り付けられている位置でタッチパネル4が尾根側となる向きに折り曲げられる構造の情報端末1(
図1参照)について説明した。また、実施の形態2においては、ヒンジ部3A(
図20参照)が取り付けられている位置でタッチパネル4が谷側となる向きに折り曲げられる構造の情報端末1A(
図20参照)について説明した。
本実施の形態では、これら2種類のヒンジ部3及び3Aを有する情報端末について説明する。
【0060】
図31は、実施の形態4で使用する情報端末1Cの外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1Cを正面から見た図であり、(B)は情報端末1Cを側面から見た図であり、(C)は情報端末1Cの変形後の形状の例を示す図である。
図31には、
図1と
図20の対応部分に対応する符号を付して示している。情報端末1Cも情報処理装置の一例である。
図31に示す情報端末1Cを構成する部材は、基本的に、実施の形態1と同じである。本実施の形態の場合、タッチパネル4が設けられている面とは反対方向を回転の範囲とするヒンジ部3と、タッチパネル4が設けられている面の方向を回転の範囲とするヒンジ部3Aを使用する。このため、本体2は、3つの本体パネル2A、2B、2Cで構成されている。本体パネル2Aと本体パネル2Bはヒンジ部3により結合され、本体パネル2Bと本体パネル2Cはヒンジ部3Aにより結合されている。このため、
図31(C)に示すように、情報端末1Cは、側面から見るとアルファベットのZ字の形状に変形することが可能である。
【0061】
図32は、実施の形態4で使用する情報端末1Cの他の変形例を説明する図である。(A)はタッチパネル4が尾根側に位置するようにヒンジ部3の位置で折り畳んだ状態を示し、(B)はタッチパネル4が谷側に位置するようにヒンジ部3Aの位置で折り畳んだ状態を示す。
図32(A)の場合、表示面の3分の2の部分が観察可能であるのに対し、
図32(B)の場合、表示面の3分の1の部分だけが観察可能である。その理由は、
図32(B)の場合には、タッチパネル4が設けられていない本体2が表示面を覆うためである。
従って、使用する予定の形状として
図32(B)に示す形状が指定された場合、ユーザによる明るさの設定を待つまでもなく、折り畳みにより外部から観察されなくなる領域の部分の輝度の値はゼロに設定される。
【0062】
<実施の形態5>
前述した実施の形態では、変形可能なタッチパネル4を有する情報端末1(
図1参照)等がタブレット型のコンピュータやスマートフォンの場合を想定しているが、本実施の形態では、表示面の一部が巻取り式の情報端末について説明する。
図33は、実施の形態5で使用する情報端末1Dの外観構成の一例を説明する図である。情報端末1Dも情報処理装置の一例である。
図33に示す情報端末1Dは、変形可能な表示面を有する1枚のタッチパネル4が設けられているフィルム状の本体2を巻き取った状態で収容する装置本体11Aと、本体2の他端側に取り付けられる引き出し部材11Bとを有している。
本実施の形態の場合、装置本体11Aのうちタッチパネル4が設けられる側の面には、タッチパネル41が設けられている。
【0063】
このため、フィルム状の本体2の全てが巻き取られて装置本体11Aに収容されている状態では、タッチパネル41だけに画像が表示される。
一方、装置本体11Aから本体2が引き出される場合には、装置本体11A側のタッチパネル41と、本体2に設けられているタッチパネル4とが1枚の表示面を形成するように画像が表示される。換言すると、タッチパネル41に表示される画像とタッチパネル4に表示される画像は、連続するように表示される。
本実施の形態の場合、例えば装置本体11Aに収容されたままとなる領域の部分と、装置本体11Aから引き出される領域の部分のそれぞれについて明るさの設定が可能である。また例えば装置本体11Aから引き出される領域の部分に複数の領域を設定し、それぞれについて明るさを設定してもよい。
なお、装置本体11Aにタッチパネル41を設けない構成も可能であるし、引き出し部材11Bを用いない構成も可能である。
【0064】
<実施の形態6>
前述の実施の形態では、表示面の短辺間の距離が平面状態で使用する場合に比して近づくように情報端末1(
図1参照)等を変形させる場合を想定しているが、変形の方向は他の方向でもよい。
図34は、実施の形態6で使用する情報端末1Eの外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1Eを正面から見た図であり、(B)は情報端末1Eを側面から見た図であり、(C)は情報端末1Eの変形後の形状の例を示す図である。情報端末1Eも情報処理装置の一例である。
図34に示す情報端末1Eを構成する部材は、基本的に、実施の形態1と同じである。相違点は、ヒンジ部3が短辺に取り付けられている点である。このため、本実施の形態における情報端末1Eは、
図34(C)に示すように、表示面の長辺間の距離が平面状態で使用する場合に比して近づくように変形される。
【0065】
なお、
図34(C)では、タッチパネル4が谷側になるように内向きに折り曲げられる例を示しているが、情報端末1Eは、実施の形態1の場合のように、タッチパネル4が設けられている面が尾根側になるように外向きに折り曲げ可能でもよい。
また、情報端末1Eは、実施の形態3の場合のように、ヒンジ部3を用いない構成でもよい。また、情報端末1Eは、実施の形態4の場合のように、可動の範囲が異なるヒンジ部3とヒンジ部3Aを有していてもよい。
また、情報端末1Eは、実施の形態5の場合のように、装置本体11A(
図33参照)から表示面の短辺が引き出されるように収容されていてもよい。もっとも、その場合には、ヒンジ部3は不要である。
【0066】
<実施の形態7>
前述の実施の形態の場合には、表示部の変形を前提として領域別に明るさを設定する場合について説明したが、情報端末1(
図1参照)等とは独立に用意される他のデバイスが表示面の一部分に配置される場合の領域別の明るさを設定してもよい。
図35は、実施の形態7で使用する情報端末1の外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1とキーボード20を正面及び側面から見た図であり、(B)は情報端末1の表示面にキーボード20を配置する使用例を説明する図である。
図35には、
図1との対応する部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態で想定する情報端末1は、実施の形態1で説明した情報端末1と同じである。
違いは、物理キーを配列したキーボード20を、情報端末1の表示面の一部の領域に重ねて使用する点である。本実施の形態の場合、キーボード20の設定には、キーボード20の裏面側に配置されている磁石により情報端末1の表示面側に装着される。
この実施の形態の場合、領域毎の明るさは、キーボード20の配置を考慮して設定すればよい。
もっとも、情報端末1の表示面側には赤外線センサ106(
図4参照)が設けられている。従って、例外規則において、ユーザにより継続的に観察されない領域を暗くするとの設定が有効になっていれば、キーボード20により覆われる領域の部分の明るさを暗く設定することが可能である。
【0067】
<実施の形態8>
前述の実施の形態の場合には、変形可能な表示面が1枚のタッチパネル4(
図1参照)で構成される場合について説明した。
本実施の形態では、変形可能な情報端末の表示面が複数のタッチパネル4によって構成される場合について説明する。
図36は、実施の形態8で使用する情報端末1Fの外観構成の一例を説明する図である。(A)は情報端末1Fを正面から見た図であり、(B)は情報端末1Fを側面から見た図である。
図36には、
図1との対応する部分に対応する符号を付して示している。情報端末1Fも情報処理装置の一例である。
【0068】
本実施の形態で使用する情報端末1Fは、2枚のタッチパネル4により表示面が構成される。これら2枚のタッチパネルには、連続した1枚の画像の表示が可能である。
情報端末1Fの場合、本体パネル2Aと本体パネル2Bは、ヒンジ部3Bに対して回転可能に取り付けられている。本実施の形態におけるヒンジ部3Bには、本体パネル2Aを回転自在に取り付ける回転軸と、本体パネル2Bを回転自在に取り付ける回転軸とが内蔵されている。このため、タッチパネル4を内側に折り畳むことも、タッチパネル4を外側に折り畳むことも可能である。
【0069】
本実施の形態で使用する本体パネル2A、本体パネル2B、タッチパネル4は、いずれも剛性が高く、それ自体は変形しない。もっとも、本体パネル2A、本体パネル2B、タッチパネル4のそれぞれが、実施の形態3で説明したように、ヒンジ部3Bを用いない変形可能な部材でもよい。
なお、タッチパネル4毎に明るさを独立に設定してもよいし、前述した他の実施の形態と同様に、1枚のタッチパネル4について複数の領域を設定し、それぞれについて明るさを設定してもよい。
また、2枚のタッチパネル4に跨るように明るさを設定する領域を設定し、設定された領域とその周辺の他の領域について、別々に明るさと設定してもよい。ここでの領域の設定の例は、例えば
図11に示す3つの領域の設定が対応する。
【0070】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0071】
例えば前述の実施の形態では、タッチパネル4に有機ELディスプレイを用いたが、液晶ディスプレイその他の表示デバイスを用いてもよい。液晶ディスプレイの場合、表示面における領域の明るさは、バックライトの輝度や画素の輝度の調整により行えばよい。その他の表示デバイスには、例えば電子ペーパーもある。電子ペーパーの場合、例えば情報の表示に用いる階調の範囲やコントラストの幅の設定を領域別に切り替えればよい。
前述の実施の形態では、本体2の片面にタッチパネル4が設けられている場合について説明したが、本体2の両面にそれぞれタッチパネル4が設けられてもよい。その場合、一方の面のタッチパネル4と他方の面のタッチパネル4それぞれについて、領域別の明るさを設定可能とすればよい。
【0072】
前述の実施の形態の場合には、情報端末1(
図1参照)等を変形する前に領域別の明るさの設定を行っているが、情報端末1等を変形させた後の表示面に、領域別の明るさの設定を受け付ける画面201A(
図12参照)を表示してもよい。また、情報端末1等を変形させた後に明るさを設定する場合には、変形後の表示面の形状に応じて領域が提示されるようにしてもよい。
【0073】
前述の実施の形態の場合には、情報端末1(
図1参照)等を変形する前に領域別の明るさを設定しているが、ユーザが事前に設定した明るさを使用する領域の範囲を、CPU101(
図4参照)の制御により、変形後の形状に応じて調整してもよい。
もっとも、変形後の形状に応じて設定された明るさを使用する領域を調整する機能を有効とするか否かは、ユーザによる選択が可能であることが望ましい。
【0074】
前述の実施の形態の場合には、ディスプレイの表面にフィルムセンサを有するタッチパネル4を有する情報端末1(
図1参照)等について説明したが、タッチパネル4である必要はない。例えばフィルムセンサを有しないディスプレイを用いる情報端末1でもよい。
【0075】
前述の実施の形態では、赤外線センサ106を用いて、タッチパネル4のうち机等の表面に設置されている領域や他の物体で覆われている領域を検知しているが、加速度センサやジャイロセンサを使用して情報端末1等が使用される向きや姿勢を判定し、判定の結果を使用してユーザから観察が可能な領域と観察されない領域を決定してもよい。
【0076】
前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、前述した各実施の形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F…情報端末、2…本体、2A、2B、2C…本体パネル、3、3A、3B…ヒンジ部、4、41…タッチパネル、4A…アイコン、4B…領域、11A…装置本体、11B…引き出し部材、20…キーボード、101…CPU、102…カメラモジュール、103…ヒンジ角センサ、104…マイク、105…スピーカ、106…赤外線センサ、107…内部メモリ、108…外部メモリ、109…通信モジュール、110…歪ゲージ