(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】緩衝部材セット、梱包体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20240214BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
B65D5/50 101A
(21)【出願番号】P 2020082555
(22)【出願日】2020-05-08
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】田中 崇伯
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-166801(JP,A)
【文献】特開2001-348069(JP,A)
【文献】実開平05-000629(JP,U)
【文献】特開2016-064847(JP,A)
【文献】特開2007-119026(JP,A)
【文献】米国特許第05398808(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
B65D 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一の方向に沿う段目が形成された1枚の板状のダンボール材が折り曲げられることにより立体状に形成された3つの緩衝部材を含む緩衝部材セットであって、
前記3つの緩衝部材は、
梱包箱の底板部と前記梱包箱内に収容された梱包品との間に配置され、前記梱包箱の長手方向である第一方向を長手方向として形成された第一緩衝部材と、
前記梱包箱における短手方向である第二方向において対向する一対の第一側板部および天板部と前記梱包品との間に配置される第二緩衝部材と、
前記梱包箱における前記第一方向において対向する一対の第二側板部と前記梱包品との間に配置される一対の第三緩衝部材と、を含み、
前記第一緩衝部材は、
前記底板部に載置され、前記一対の第一側板に沿って起立し前記第一方向を長手方向とする板状に形成され、前記段目が上下方向に沿って形成された一対の脚部と、
前記一対の脚部の上端に対して前記第一方向に沿う一対の第一折り曲げ部を介して連なり、前記一対の脚部に亘る板状に形成され、前記段目が前記第二方向に沿って形成された支持板部と、を有し、
前記第二緩衝部材は、
前記支持板部上に載置され、前記第二方向において前記一対の脚部の間隔よりも狭い間隔を隔てて対向し前記第一方向を長手方向とする板状に形成された一対の横隔壁部と、
前記一対の横隔壁部の上端に対して前記第一方向に沿う一対の第二折り曲げ部を介して連なり、前記一対の横隔壁部に亘る板状に形成された上隔壁部と、
前記一対の横隔壁部または前記上隔壁部と連なり前記一対の横隔壁部と前記一対の第一側板部との間隔を保持する複数の横間隔保持片と、
前記一対の横隔壁部または前記上隔壁部と連なり前記上隔壁部と前記天板部との間隔を保持する複数の上間隔保持片と、を有する、緩衝部材セット。
【請求項2】
前記第二緩衝部材は、前記上隔壁部における前記第一方向の両端部から上方へ切り起こされた一対の取手片をさらに有し、
前記上隔壁部は、前記一対の取手片の切り起こしにより形成された一対の端開口部を有し、
前記第三緩衝部材各々は、前記第一方向に沿う1つ以上の第三折り曲げ部を介して連なる複数の連接板部を有し、前記第二方向に沿って外側から内側へ外力を受けることにより前記端開口部各々から前記一対の横隔壁部の間へ挿入可能な幅に弾性縮小し、前記外力が除かれたときに前記第二方向において前記端開口部各々の幅よりも大きい幅へ弾性伸張可能であり、弾性力をもって前記一対の横隔壁部の間に嵌め込まれる、請求項1に記載の緩衝部材セット。
【請求項3】
前記第三緩衝部材各々における前記複数の連接板部は、
5つの前記第三折り曲げ部のうちの中央の1つを介して連なる一対の第一連接板部と、
前記一対の第一連接板部における前記第二方向の両外側の端に連なる一対の第二連接板部と、
前記一対の第二連接板部における前記第二方向の両外側の端に連なる一対の第三連接板部と、を含み、
さらに前記第三緩衝部材各々は、前記一対の第一連接板部における前記第一方向の一端から折り返され前記一対の第一連接板部に重なるとともに、前記一対の第一連接板部の間の1つの前記第三折り曲げ部に重なる第四折り曲げ部を介して連なる少なくとも一対の重畳板部をさらに有し、
前記一対の第三連接板部各々における前記一対の第二連接板部側に対し反対側の端部は、前記重畳板部が前記一対の第一連接板部との間に形成する段差部によって係止される、請求項2に記載の緩衝部材セット。
【請求項4】
前記第一緩衝部材は、前記支持板部から上方へ切り起こされ前記一対の脚部から前記支持板部よりも上方へ突出して形成された複数の嵌合片をさらに有し、
前記複数の横間隔保持片は、前記一対の横隔壁部の下端に対して前記第一方向に沿う一対の第五折り曲げ部を介して連なり、前記一対の横隔壁部から前記支持板部に沿って前記第二方向の外側へ張り出した板状に形成された一対の下張出片を含み、
前記一対の下張出片は、前記複数の嵌合片が嵌合する複数の欠け部を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の緩衝部材セット。
【請求項5】
梱包箱と、
前記梱包箱内に収容された梱包品と、
前記梱包品とともに前記梱包箱内に収容された請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の緩衝部材セットと、を備える梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包品とともに梱包箱に収容される緩衝部材セットおよびそれを含む梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機または複合機などの精密機器における交換部品は、複数の緩衝部材とともに梱包箱に収容され、梱包体として流通する。前記複数の緩衝部材は、前記梱包箱内における前記梱包品と前記梱包箱との間に配置される。
【0003】
例えば、板状のダンボール材が折り曲げられることにより立体状に形成された前記緩衝部材が、前記梱包品とともに前記梱包箱内に収容されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記梱包箱はダンボール材で構成される場合が多い。そのため、前記緩衝部材も同じダンボール材で構成されることは、前記梱包箱および前記緩衝部材を一括してリサイクルできる点において好ましい。
【0006】
また、前記緩衝部材の少なくとも1つは、前記梱包箱の底板部と前記梱包品との間に配置される。このような緩衝部材は、前記梱包体が落下するときの前記梱包品の保護のため、特に優れた緩衝性能が要求される。さらに、前記ダンボール材から立体状の前記緩衝部材への組み立ておよび前記緩衝部材から前記ダンボール材への解体が容易であることが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、高い緩衝性能を有し組み立ておよび解体が容易な複数の緩衝部材からなる緩衝部材セットおよびそれを含む梱包体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る緩衝部材セットは、それぞれ一の方向に沿う段目が形成された1枚の板状のダンボール材が折り曲げられることにより立体状に形成された3つの緩衝部材を含む。前記3つの緩衝部材は、第一緩衝部材、第二緩衝部材および一対の第三緩衝部材を含む。前記第一緩衝部材は、梱包箱の底板部と前記梱包箱内に収容された梱包品との間に配置され、前記梱包箱の長手方向である第一方向を長手方向として形成されている。前記第二緩衝部材は、前記梱包箱における短手方向である第二方向において対向する一対の第一側板部および天板部と前記梱包品との間に配置される。前記一対の第三緩衝部材は、前記梱包箱における前記第一方向において対向する一対の第二側板部と前記梱包品との間に配置される。前記第一緩衝部材は、一対の脚部と、支持板部と、を有する。前記一対の脚部は、前記底板部に載置され、前記一対の第一側板に沿って起立し前記第一方向を長手方向とする板状に形成され、前記段目が上下方向に沿って形成されている。前記支持板部は、前記一対の脚部の上端に対して前記第一方向に沿う一対の第一折り曲げ部を介して連なり、前記一対の脚部に亘る板状に形成され、前記段目が前記第二方向に沿って形成されている。前記第二緩衝部材は、一対の横隔壁部と、上隔壁部と、複数の横間隔保持片と、複数の上間隔保持片と、を有する。前記一対の横隔壁部は、前記支持板部上に載置され、前記第二方向において前記一対の脚部の間隔よりも狭い間隔を隔てて対向し前記第一方向を長手方向とする板状に形成されている。前記上隔壁部は、前記一対の横隔壁部の上端に対して前記第一方向に沿う一対の第二折り曲げ部を介して連なり、前記一対の横隔壁部に亘る板状に形成されている。前記複数の横間隔保持片は、前記一対の横隔壁部または前記上隔壁部と連なり前記一対の横隔壁部と前記一対の第一側板部との間隔を保持する。前記複数の上間隔保持片は、前記一対の横隔壁部または前記上隔壁部と連なり前記上隔壁部と前記天板部との間隔を保持する。
【0009】
本発明の他の局面に係る梱包体は、梱包箱と、前記梱包箱内に収容された梱包品と、前記梱包品とともに前記梱包箱内に収容された前記緩衝部材セットと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い緩衝性能を有し組み立ておよび解体が容易な複数の緩衝部材からなる緩衝部材セットおよびそれを含む梱包体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る梱包体の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る梱包体における第一緩衝部材の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る梱包体における第一緩衝部材の展開図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る梱包体における第二緩衝部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る梱包体における第二緩衝部材の展開図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る梱包体における一対の第三緩衝部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る梱包体における第三緩衝部材の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
実施形態に係る梱包体1は、梱包箱2と、梱包箱2に収容された梱包品9および緩衝部材セット6とを備える。即ち、緩衝部材セット6は、梱包品9とともに梱包箱2内に収容される。
【0014】
図1に示される例において、梱包品9はプリンターなどの画像形成装置の交換部品を収容した内箱である。前記内箱は、ダンボール材で構成されている。例えば、前記交換部品は、電子写真方式の画像形成装置におけるドラムユニット、現像ユニットまたはトナーコンテナーなどである。前記ドラムユニットは、ドラム状の感光体および前記感光体を帯電させる帯電装置などを含む。
【0015】
梱包箱2は、直方体状に形成されている。以下の説明において、梱包箱2の長手方向のことを第一方向D1と称し、梱包箱2の短手方向のことを第二方向D2と称する。
【0016】
梱包箱2は、底板部21と、一対の第一側板部22と、一対の第二側板部23と、天板部24とを含む。底板部21、一対の第一側板部22および天板部24は、それぞれ第一方向D1を長手方向とする矩形状である。
【0017】
なお、底板部21および天板部24は、それぞれ第二方向D2において2つに分割されている。底板部21を構成する2つの底板分割部は、不図示の粘着テープまたはステープル針などによって連結されることにより、一連の底板部21を形成する。
【0018】
同様に、天板部24を構成する2つの天板分割部は、不図示の粘着テープまたはステープル針などによって連結されることにより、一連の天板部24を形成する。
【0019】
一対の第一側板部22は、底板部21から起立し、第二方向D2において間隔を隔てて対向している。一対の第二側板部23は、底板部21から起立し、第一方向D1において間隔を隔てて対向している。
【0020】
第一方向D1および第二方向D2は、水平に沿う方向であり、第二方向D2は、第一方向D1に交差する方向である。具体的には、第二方向D2は第一方向D1に直交する方向である。また、以下の説明において、第一方向D1および第二方向D2に直交する高さ方向のことを第三方向D3と称する。
【0021】
緩衝部材セット6は、梱包箱2の内面と梱包品9の外面との間に配置される。これにより、緩衝部材セット6は、梱包箱2内の梱包品9の移動を制限するとともに、梱包体1が落下したときに梱包品9が受ける衝撃を緩衝する。
【0022】
緩衝部材セット6は、3つの緩衝部材3,4,5を含む。3つの緩衝部材3,4,5は、第一緩衝部材3、第二緩衝部材4および一対の第三緩衝部材5を含む。
【0023】
第一緩衝部材3は、梱包箱2の底板部21と梱包箱2内に収容された梱包品9との間に配置される。即ち、第一緩衝部材3は底板部21上に載置され、梱包品9は第一緩衝部材3上に載置される。第一緩衝部材3は、第一方向D1を長手方向として形成されている。
【0024】
第二緩衝部材4は、梱包箱2における一対の第一側板部22および天板部24と梱包品9との間に配置される。即ち、第二緩衝部材4は、梱包品9における第二方向D2の両端の2側面と上面とを覆う。
【0025】
一対の第三緩衝部材5は、梱包箱2における一対の第二側板部23と梱包品9との間に配置される。
【0026】
ところで、梱包箱2はダンボール材で構成される場合が多い。そのため、3つの緩衝部材3,4,5も同じダンボール材で構成されることは、梱包箱2および3つの緩衝部材3,4,5を一括してリサイクルできる点において好ましい。
【0027】
本実施形態においても、梱包箱2は、一の方向に沿う段目が形成されたダンボール材で構成されている。
【0028】
また、3つの緩衝部材3,4,5は、梱包箱2の底板部21と梱包品9との間に配置される第一緩衝部材3を含む。この第一緩衝部材3は、梱包体1が落下するときの梱包品9の保護のため、特に優れた緩衝性能が要求される。さらに、前記ダンボール材から立体状の緩衝部材3,4,5への組み立ておよび緩衝部材3,4,5から前記ダンボール材への解体が容易であることが望ましい。
【0029】
緩衝部材セット6における3つの緩衝部材3,4,5は、高い緩衝性能を有し組み立ておよび解体が容易な構造を備える。以下、その構造について説明する。
【0030】
[緩衝部材セット6の構造]
3つの緩衝部材3,4,5は、それぞれ一の方向に沿う段目が形成された1枚の板状のダンボール材が折り曲げられることにより立体状に形成されている。
【0031】
具体的には、
図3に示される1枚の前記ダンボール材が折り曲げられることにより、
図2に示される立体状の第一緩衝部材3が形成される。
【0032】
同様に、
図5に示される1枚の前記ダンボール材が折り曲げられることにより、
図4に示される立体状の第二緩衝部材4が形成される。
【0033】
同様に、
図7に示される1枚の前記ダンボール材が折り曲げられることにより、
図6に示される立体状の第三緩衝部材5各々が形成される。
【0034】
図3,5,7において、破線は山折りされる折り目を示し、二点鎖線は谷折りされる折り目を示す。また、
図3~7において、一点鎖線は前記ダンボール材の前記段目が沿う方向を示す。以下の説明において、前記ダンボール材における前記段目が沿う方向のことを段目方向と称する。
【0035】
図2,3に示されるように、第一緩衝部材3は、一対の脚部31および支持板部32を有する。一対の脚部31は、梱包箱2の底板部21上に載置される。一対の脚部31は、底板部21上に載置されたときに、梱包箱2の一対の第一側板部22に沿って起立し、第一方向D1を長手方向とする板状に形成される。
【0036】
支持板部32は、一対の脚部31の上端に対して第一方向D1に沿う一対の折り曲げ部31aを介して連なり、一対の脚部31に亘る板状に形成されている。即ち、支持板部32は、一対の脚部31に架け渡され、梱包箱2の底板部21に対して間隔を隔てて対向している。折り曲げ部31aは第一折り曲げ部の一例である。
【0037】
一対の脚部31の前記段目は、第三方向D3に沿って形成されており、支持板部32の前記段目は、第二方向D2に沿って形成されている。即ち、一対の脚部31の前記段目方向は第三方向D3であり、支持板部32の前記段目方向は第二方向D2である。
【0038】
支持板部32における第一方向D1の両端部には、一対の湾曲欠け部32aが形成されている。第一緩衝部材3が梱包箱2内に収容されている状態において、人の指を一対の湾曲欠け部32aに挿入することが可能である。これにより、第一緩衝部材3を梱包箱2から容易に取り出すことができる。
【0039】
梱包品9は、支持板部32上に載置される。
図2において、支持板部32上に載置された梱包品9が仮想線(二点鎖線)で示されている。一対の脚部31および支持板部32の第一方向D1の長さL21は、梱包品9の第一方向D1の長さL11よりも長い。
【0040】
また、一対の脚部31の第二方向D2の間隔L22は、梱包品9の第二方向D2の長さL12よりも大きい。従って、梱包品9が支持板部32上の中央に載置されたときに、支持板部32の外縁部全体に亘る領域が、梱包品9が存在しない領域となる。
【0041】
第一緩衝部材3は、支持板部32から上方へ切り起こされた複数の嵌合片33をさらに有する。複数の嵌合片33は、一対の脚部31から支持板部32よりも上方へ突出して形成されている。
【0042】
本実施形態において、第一緩衝部材3は、2つの嵌合片33を有する。嵌合片33各々は、脚部31各々に連なり、脚部31各々と面一に形成されている。
【0043】
図4,5に示されるように、第二緩衝部材4は、一対の横隔壁部41と、上隔壁部42と、一対の下張出片43と、一対の上張出片44と、4つの突出片45と、4つの縦長片46とを有する。なお、
図4において、第一緩衝部材3が二点鎖線で示され、梱包品9が破線で示されている。
【0044】
一対の横隔壁部41は、支持板部32上に載置され、第一方向D1を長手方向とする板状に形成されている。一対の横隔壁部41は、第二方向D2において一対の脚部31の間隔L22よりも狭い間隔L32を隔てて対向している。一対の横隔壁部41の間隔L32は、梱包品9の第二方向D2の長さL12と概ね同じである。一対の横隔壁部41の間の空間は、梱包品9の収容空間40である。
【0045】
支持板部32の前記段目が第二方向D2に沿って形成され、かつ、梱包品9が支持板部32における第二方向D2の両端部の領域を除く中央の領域に載置される。これにより、梱包体1が落下したときに、支持板部32は、その可撓性によって優れた緩衝性能を発揮する。
【0046】
上隔壁部42は、一対の横隔壁部41の上端に対して第一方向D1に沿う一対の折り曲げ部41aを介して連なり、一対の横隔壁部41に亘る板状に形成されている。即ち、上隔壁部42は、一対の横隔壁部41に架け渡され、第一緩衝部材3の支持板部32に対して間隔を隔てて対向している。折り曲げ部41aは第二折り曲げ部の一例である。
【0047】
支持板部32、一対の横隔壁部41および上隔壁部42によって囲まれる直方体状の空間が、梱包品9に収容空間40である。
【0048】
一対の横隔壁部41の前記段目は、第三方向D3に沿って形成されており、上隔壁部42の前記段目は、第二方向D2に沿って形成されている。即ち、一対の横隔壁部41の前記段目方向は第三方向D3であり、上隔壁部42の前記段目方向は第二方向D2である。
【0049】
一対の下張出片43は、一対の横隔壁部41の下端に対して第一方向D1に沿う一対の折り曲げ部41bを介して連なっている。一対の下張出片43は、一対の横隔壁部41から支持板部32に沿って第二方向D2の外側へ張り出した板状に形成されている。折り曲げ部41bは第五折り曲げ部の一例である。
【0050】
一対の下張出片43は、2つの嵌合片33が嵌合する2つの嵌合欠け部43aを有する。嵌合片33は、嵌合欠け部43aと嵌合することにより、一対の下張出片43が上方へ浮き上がることを防ぐ。
【0051】
一対の上張出片44は、一対の横隔壁部41の上端部から第二方向D2の外側へ切り起こされた部分である。一対の上張出片44は、上隔壁部42から第二方向D2の外側へ張り出した板状に形成されている。一対の上張出片44は、一対の横隔壁部41よりも第二方向D2の外側へ突出している。
【0052】
一対の上張出片44各々は、上隔壁部42に連なり、上隔壁部42と面一に形成されている。
【0053】
4つの突出片45は、上隔壁部42の第二方向D2の両端部から上方へ切り起こされた部分である。4つの突出片45は、一対の横隔壁部41から上方へ突出した板状に形成されている。。4つの突出片45は、上隔壁部42よりも上方へ突出している。
【0054】
4つの突出片45のうちの2つは、一対の横隔壁部41の一方に連なり、一対の横隔壁部41の一方と面一に形成されている。4つの突出片45のうちの残りの2つは、一対の横隔壁部41の他方に連なり、一対の横隔壁部41の他方と面一に形成されている。
【0055】
4つの縦長片46は、一対の横隔壁部41の第一方向D1の両端に対し折り曲げ部41cを介して連なっている。縦長片46各々は、一対の横隔壁部41から第二方向D2の外側および上下へ張り出した板状に形成されている。
【0056】
即ち、縦長片46各々は、一対の横隔壁部41よりも第二方向D2の外側へ突出しているとともに、上隔壁部42よりも上側へ突出している。さらに、縦長片46各々は、第一緩衝部材3の支持板部32よりも下側へ突出している。
【0057】
4つの縦長片46のうちの2つは、梱包箱2における一対の第二側板部23のうちの一方に沿って第三方向D3に延びて形成される。4つの縦長片46のうちの残りの2つは、梱包箱2における一対の第二側板部23のうちの他方に沿って第三方向D3に延びて形成される。
【0058】
一対の下張出片43、一対の上張出片44および4つの縦長片46において、一対の横隔壁部41に対して第二方向D2の外側へ突出する長さは概ね同じである。
【0059】
また、4つの突出片45および4つの縦長片46において、上隔壁部42に対して上方へ突出する長さは概ね同じである。
【0060】
一対の下張出片43、一対の上張出片44および4つの縦長片46は、一対の横隔壁部41または上隔壁部42と連なり、一対の横隔壁部41と梱包箱2の一対の第一側板部22との間隔を保持する。
【0061】
一対の下張出片43、一対の上張出片44および4つの縦長片46は、複数の横間隔保持片の一例である。
【0062】
また、4つの突出片45および4つの縦長片46は、一対の横隔壁部41または上隔壁部42と連なり、上隔壁部42と梱包箱2の天板部14との間隔を保持する。
【0063】
4つの突出片45および4つの縦長片46は、複数の上間隔保持片の一例である。なお、縦長片46は、横間隔保持片および上間隔保持片を兼ねる。
【0064】
第二緩衝部材4は、上隔壁部42における第一方向D1の両端部から上方へ切り起こされた一対の取手片47をさらに有する。上隔壁部42は、一対の取手片47の切り起こしにより形成された一対の端開口部42bを有する。本実施形態において、取手片47各々は矩形状である。
【0065】
図6,7に示されるように、第三緩衝部材5各々は、第一方向D1に沿う1つ以上の折り曲げ部50aを介して連なる複数の連接板部50を有する。第三緩衝部材5各々は、第二方向D2において伸縮可能な蛇腹構造を有する。折り曲げ部50aは、第三折り曲げ部の一例である。
【0066】
本実施形態において、第三緩衝部材5各々における前記段目は、複数の連接板部50が連なる方向に沿って形成されている。即ち、第三緩衝部材5各々を上方から見た場合、第三緩衝部材5各々の前記段目は、第二方向D2に沿って形成されている。
【0067】
第三緩衝部材5各々は、第二方向D2に沿って外側から内側へ外力を受けることにより、上隔壁部42の端開口部42b各々から一対の横隔壁部41の間へ挿入可能な幅に弾性縮小する。
【0068】
図4,6において、縮小した第三緩衝部材5が仮想線で示されている。なお、
図6において、第一緩衝部材3および梱包品9も仮想線で示されている。
【0069】
また、第三緩衝部材5は、前記外力が除かれたときに第二方向D2において端開口部42bの幅よりも大きい幅へ弾性伸張する。これにより、第三緩衝部材5は、弾性力をもって一対の横隔壁部41の間に嵌め込まれる。
図6において、伸張した第三緩衝部材5が実線で示されている。
【0070】
本実施形態において、第三緩衝部材5は、5つの折り曲げ部50aを介して連なる6つの連接板部50を有する。6つの連接板部50は、一対の第一連接板部51と、一対の第二連接板部52と一対の第三連接板部53とを含む。
【0071】
一対の第一連接板部51は、5つの折り曲げ部50aのうちの中央の1つである中央折り曲げ部50xを介して連なっている。一対の第二連接板部52は、一対の第一連接板部51における第二方向D2の両外側の端に連なっている。一対の第三連接板部53は、一対の第二連接板部52における第二方向D2の両外側の端に連なっている。
【0072】
5つの折り曲げ部50aのうち中央折り曲げ部50xのみが、他の4つの折り曲げ部50aと比較して折り曲げ方向が異なる。
【0073】
第三緩衝部材5各々は、少なくとも一対の重畳板部54をさらに有する。一対の重畳板部54は、一対の第一連接板部51における第一方向D1の一端から折り返され、一対の第一連接板部51に重なっている。
【0074】
一対の重畳板部54は、中央折り曲げ部50xに重なる折り曲げ部54aを介して連なっている。本実施形態において、第三緩衝部材5各々は、一対の第一連接板部51における第一方向D1の両端から折り返された二対の重畳板部54を有する。折り曲げ部54aは、第四折り曲げ部の一例である。
【0075】
一対の第三連接板部53各々における一対の第二連接板部52側に対し反対側の端部53aは、重畳板部54が一対の第一連接板部51との間に形成する段差部54bによって係止される(
図6参照)。これにより、一対の第一連接板部51、一対の第二連接板部52および一対の第三連接板部53が、それぞれ第一方向D1に沿う2つの三角筒状に保持される。
【0076】
第三連接板部53各々は、第一方向D1に沿う多くの折り曲げ部50aを有することによって第一方向D1の強度が確保されている。一方、第三連接板部53各々は、第一方向D1に交差する方向に沿って形成された前記段目を有することにより、第一方向D1における緩衝性能が確保されている。
【0077】
以上に示されるように、第一緩衝部材3、第二緩衝部材4および第三緩衝部材5のいずれも、シンプルな折り曲げ構造を有している。そのため、前記ダンボール材から第一緩衝部材3、第二緩衝部材4および第三緩衝部材5を組み立てること、および、第一緩衝部材3、第二緩衝部材4および第三緩衝部材5を平坦な前記ダンボール材へ解体することが容易である。
【符号の説明】
【0078】
1 :梱包体
2 :梱包箱
3 :第一緩衝部材
4 :第二緩衝部材
5 :第三緩衝部材
6 :緩衝部材セット
9 :梱包品
14 :天板部
21 :底板部
22 :第一側板部
23 :第二側板部
24 :天板部
31 :脚部
31a :折り曲げ部(第一折り曲げ部)
32 :支持板部
33 :嵌合片
41 :横隔壁部
41a :折り曲げ部(第二折り曲げ部)
42 :上隔壁部
42b :端開口部
43 :下張出片
44 :上張出片
45 :突出片
46 :縦長片
47 :取手片
50 :連接板部
50a :折り曲げ部(第三折り曲げ部)
51 :第一連接板部
52 :第二連接板部
53 :第三連接板部
54 :重畳板部
54a :折り曲げ部(第四折り曲げ部)
54b :段差部