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特許7435255情報処理装置、情報処理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/13 20190101AFI20240214BHJP
【FI】
G06F16/13
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020090466
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021185471
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 勇作
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-265910(JP,A)
【文献】特開2010-251973(JP,A)
【文献】特開2015-141514(JP,A)
【文献】特開2000-172696(JP,A)
【文献】特開2006-260297(JP,A)
【文献】特開2013-109698(JP,A)
【文献】国際公開第2013/069388(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
文書に関するユーザの操作の履歴を取得し、
前記履歴のうち、前記ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定される格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記履歴のうち、前記ユーザが条件を指定して該条件を満たす文書の検索を指示する操作をした後に該文書を使用した履歴がある場合に、前記格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記履歴のうち、前記ユーザが第1格納場所の閲覧中に前記検索を指示する操作をした後に、該第1格納場所と異なる第2格納場所に格納された前記文書を使用した履歴がある場合に、該文書又は該文書の代替情報を前記第1格納場所に格納する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記履歴のうち、前記ユーザが閲覧先を第1格納場所に変更してから元に戻す操作をした後に、該第1格納場所と異なる第2格納場所に格納された前記文書を使用した履歴がある場合に、該文書又は該文書の代替情報を前記第1格納場所に格納する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
複数の前記ユーザが、それぞれ前記操作をした後に前記文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定され、かつ、複数の前記ユーザのいずれもが属するグループに対応付けられた格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
予め決められた期間にわたって、前記ユーザに使用された履歴のない文書を削除する
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
プロセッサを有する1以上の情報処理装置を有し、前記1以上の情報処理装置のいずれかは、
文書に関するユーザの操作の履歴を取得し、
前記履歴のうち、前記ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定される格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する
情報処理システム。
【請求項8】
プロセッサを有するコンピュータに、
文書に関するユーザの操作の履歴を取得するステップと、
前記履歴のうち、前記ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定される格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、文書データベース中の文書から作者、タイトル、キーワード等の属性情報を抽出し、この抽出された属性情報をもとに文書を分類し、この分類された文書を、属性情報をノードする木構造である話題構造として表現してディレクトリに格納し、文書の分類時に、前記話題構造から上位ノードをつなげて付けて表した話題構造リストを得て、この話題構造リストの個々の要素と文書に付随した属性情報との一致量を計算し、この一致量に基づいて文書を分類する文書分類装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3441500号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、移動を繰り返したり、検索をしたりしなくてもユーザが階層を辿って見つけられる場所に文書又はその文書の代替となる情報を格納すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、文書に関するユーザの操作の履歴を取得し、前記履歴のうち、前記ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定される格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する情報処理装置である。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の態様において、前記プロセッサは、前記履歴のうち、前記ユーザが条件を指定して該条件を満たす文書の検索を指示する操作をした後に該文書を使用した履歴がある場合に、前記格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する情報処理装置である。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項2に記載の態様において、前記プロセッサは、前記履歴のうち、前記ユーザが第1格納場所の閲覧中に前記検索を指示する操作をした後に、該第1格納場所と異なる第2格納場所に格納された前記文書を使用した履歴がある場合に、該文書又は該文書の代替情報を前記第1格納場所に格納する情報処理装置である。
【0008】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項1に記載の態様において、前記プロセッサは、前記履歴のうち、前記ユーザが閲覧先を第1格納場所に変更してから元に戻す操作をした後に、該第1格納場所と異なる第2格納場所に格納された前記文書を使用した履歴がある場合に、該文書又は該文書の代替情報を前記第1格納場所に格納する情報処理装置である。
【0009】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、複数の前記ユーザが、それぞれ前記操作をした後に前記文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定され、かつ、複数の前記ユーザのいずれもが属するグループに対応付けられた格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する情報処理装置である。
【0010】
本発明の請求項6に係る情報処理装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、予め決められた期間にわたって、前記ユーザに使用された履歴のない文書を削除する情報処理装置である。
【0011】
本発明の請求項7に係る情報処理システムは、プロセッサを有する1以上の情報処理装置を有し、前記1以上の情報処理装置のいずれかは、文書に関するユーザの操作の履歴を取得し、前記履歴のうち、前記ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定される格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納する情報処理システムである。
【0012】
本発明の請求項8に係るプログラムは、プロセッサを有するコンピュータに、文書に関するユーザの操作の履歴を取得するステップと、前記履歴のうち、前記ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、該履歴から特定される格納場所に、該文書又は該文書の代替情報を格納するステップと、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、7、8に係る発明によれば、文書又はその文書の代替となる情報は、ユーザが移動を繰り返したり、検索をしたりしなくても階層を辿って見つけられる場所に格納される。
請求項2に係る発明によれば、ユーザは、文書の検索を指示する操作を繰り返さなくても、その文書又はその文書の代替となる情報を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、ユーザは、第1格納場所の閲覧中に検索を指示する操作をして第2格納場所に格納された文書を使用した場合、その後、第1格納場所からその文書を見つけることができる。
請求項4に係る発明によれば、ユーザは、閲覧先を第1格納場所に変更してから元に戻す操作をした後に第2格納場所に格納された文書を使用した場合、その後、第1格納場所からその文書を見つけることができる。
請求項5に係る発明によれば、複数のユーザは、予め決められた操作をした後に文書を使用すれば、その後、それらのユーザのいずれもが属するグループに対応付けられた格納場所からその文書を見つけることができる。
請求項6に係る発明によれば、予め決められた期間にわたって使用された履歴のない文書は、削除される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】情報処理システム9の全体構成の例を示す図。
図2】文書管理装置4の構成の例を示す図。
図3】文書DB421の構成の例を示す図。
図4】情報処理装置1の構成の例を示す図。
図5】ユーザDB121の例を示す図。
図6】操作履歴DB122の例を示す図。
図7】操作履歴表1222の例を示す図。
図8】パターンDB123の例を示す図。
図9】端末2の構成の例を示す図。
図10】情報処理装置1の機能的構成の例を示す図。
図11】文書の代替情報を格納する動作の流れの例を示すフロー図。
図12】文書を削除する動作の流れの例を示すフロー図。
図13】変形例における操作履歴表1222の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
<情報処理システムの構成>
図1は、情報処理システム9の全体構成の例を示す図である。図1に示す情報処理システム9は、ユーザの操作を監視するとともに、ユーザが使用する文書を管理するシステムである。情報処理システム9は、図1に示す通り、情報処理装置1、端末2、通信回線3、及び文書管理装置4を有する。
【0016】
情報処理装置1は、文書管理装置4に格納された文書と、端末2のユーザによる操作と、を監視して、文書の格納場所を管理する装置である。情報処理装置1は、例えばコンピュータである。
【0017】
端末2は、情報処理システム9のユーザがそれぞれ操作する端末装置であり、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。
【0018】
文書管理装置4は、文書を格納し、ユーザの操作に応じてそれら文書をユーザに使用させる装置である。文書管理装置4は、例えば、コンピュータである。
【0019】
通信回線3は、情報処理装置1、端末2、及び文書管理装置4を通信可能に接続する回線である。通信回線3は、例えばLAN(Local Area Network)のほか、WAN(Wide Area Network)であってもよいし、インターネットであってもよいし、これらの組合せであってもよい。また、通信回線3は、公衆交換通信網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)やサービス統合デジタル網(ISDN:Integrated Services Digital Network)等を含むものでもよい。
【0020】
なお、情報処理システム9における情報処理装置1、端末2、通信回線3、及び文書管理装置4の、それぞれの数は図1に示したものに限られない。例えば、情報処理装置1、及び文書管理装置4は、それぞれ複数台の装置が機能を分担するクラスタシステムにより構成されてもよい。
【0021】
<文書管理装置の構成>
図2は、文書管理装置4の構成の例を示す図である。図2に示す文書管理装置4は、プロセッサ41、メモリ42、及びインタフェース43を有する。つまり、この文書管理装置4は、メモリとプロセッサとを有する文書管理装置の例である。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0022】
プロセッサ41は、メモリ42に記憶されているプログラムを読出して実行することにより文書管理装置4の各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0023】
インタフェース43は、有線又は無線により通信回線3を介して、文書管理装置4を端末2、及び情報処理装置1に通信可能に接続する通信回路である。
【0024】
メモリ42は、プロセッサ41に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ42は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を有する。なお、メモリ42は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。また、メモリ42は、文書DB421を記憶する。
【0025】
図3は、文書DB421の構成の例を示す図である。文書管理装置4は、メモリ42において文書DB421として、図3に示す階層構造のファイルシステムを記憶している。このファイルシステムは、複数のノードが親子関係を有することで階層構造をなすものであり、各ノードはファイルか、ファイルを含むディレクトリを表している。ディレクトリは、さらにディレクトリを含んでもよい。
【0026】
例えば、図3に示すディレクトリ「/」は、このファイルシステムの根幹となるディレクトリであり、ルートディレクトリと呼ばれる。この「/」は、「home」、「group」、及び「pub」という名のディレクトリを含む。「home」には、文書管理装置4のユーザのそれぞれが初期状態で閲覧するディレクトリがそれぞれ記憶されている。これらのディレクトリは、対応するユーザに管理の権限が与えられており、ユーザは、この下にサブディレクトリを作り、その閲覧、使用、書換等の権限を他のユーザに与えることができる。
【0027】
「group」には、文書管理装置4のユーザのそれぞれが属するグループに用いられるディレクトリが、グループごとに記憶されている。これら各グループに属するディレクトリは、それぞれのグループのメンバにのみ公開されている。
【0028】
「pub」には、ユーザそれぞれに公開されているファイルやディレクトリが記憶されている。「pub」の下に記憶されるディレクトリやファイルは、全てのユーザに等しく閲覧が許可されている。
【0029】
例えば、図3に示すファイルシステムにおいて、ファイル「f41」は、「/home/U11/U112/」という格納場所に格納される。この格納場所や、この格納場所にファイル「f41」のファイル名を連結した文字列は、パスと呼ばれる。
【0030】
文書DB421で構築されるこのファイルシステムにおいて、各ノードは、それぞれメタデータを記憶する。メタデータは、例えば、ノード自身の名前や、ノード自身が作成、更新された日時を示す日時情報、上述した閲覧、使用、書換に関する権限の情報等である。文書管理装置4のプロセッサ41は、情報処理装置1からの要求に応じて、文書DB421で記憶されている文書について、その文書の名前や、パス、その文書の日時情報、権限の情報等を提供する。
【0031】
<情報処理装置の構成>
図4は、情報処理装置1の構成の例を示す図である。図4に示す情報処理装置1は、プロセッサ11、メモリ12、及びインタフェース13を有する。つまり、この情報処理装置1は、メモリとプロセッサとを有する情報処理装置の例である。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0032】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているプログラムを読出して実行することにより情報処理装置1の各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPUである。
【0033】
インタフェース13は、有線又は無線により通信回線3を介して、情報処理装置1を端末2及び文書管理装置4に通信可能に接続する通信回路である。
【0034】
メモリ12は、プロセッサ11に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ12は、RAMやROMを有する。なお、メモリ12は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。また、メモリ12は、ユーザDB121、操作履歴DB122、及びパターンDB123を記憶する。
【0035】
図5は、ユーザDB121の例を示す図である。図5に示すユーザDB121は、情報処理システム9のユーザと、そのユーザそれぞれが所属するグループと、を記憶するデータベースである。図5に示すユーザDB121は、グループリスト1211、及びメンバリスト1212を有する。
【0036】
図5に示すユーザDB121において、グループリスト1211は、ユーザが所属するグループを識別する識別情報であるグループIDを列挙したリストである。メンバリスト1212は、グループリスト1211に列挙されたグループIDごとに対応付けて設けられ、対応するグループIDで識別されるグループに所属するユーザ(すなわち、メンバ)をそれぞれ識別する識別情報であるメンバIDと、そのユーザのそのグループにおける役割と、を対応付けて記憶する。
【0037】
なお、ユーザDB121において、一人のユーザは、複数のグループに所属していてもよい。例えば、図5に示すユーザDB121において、メンバID「U11」で識別されるユーザは、グループID「G21」で識別されるグループにリーダとして所属しており、かつ、グループID「G22」で識別されるグループにも役割なしで所属している。
【0038】
図6は、操作履歴DB122の例を示す図である。操作履歴DB122は、情報処理システム9のユーザの操作の履歴を記憶するデータベースである。図6に示す操作履歴DB122は、ユーザリスト1221と、操作履歴表1222と、を有する。
【0039】
ユーザリスト1221は、情報処理システム9のユーザのそれぞれを識別する識別情報であるユーザIDを列挙したリストである。ユーザリスト1221に列挙されたユーザIDには、それぞれ操作履歴表1222が1つずつ対応付けられている。この操作履歴表1222は、対応付けられたユーザIDで識別されるユーザの操作を記憶する表である。
【0040】
図7は、操作履歴表1222の例を示す図である。図7に示す通り、操作履歴表1222は、操作ID、操作日時、CWD、操作種別、及び操作対象の各項目を対応付けて記憶する。操作IDは、操作履歴表1222が対応付けられているユーザIDで識別されるユーザが行った操作をそれぞれ識別する識別情報である。操作日時は、対応する操作IDが示す操作が行われた日時を示す情報である。CWDは、いわゆるカレント・ワーキング・ディレクトリ(current working directory)であり、対応する操作が行われたときにユーザが閲覧又は操作が可能な状態にしていたディレクトリを示す情報である。操作種別は、対応する操作の種別を示す情報である。操作対象は、対応する操作の対象を示す情報である。
【0041】
図8は、パターンDB123の例を示す図である。パターンDB123は、ユーザが文書を見つけられないときの操作のパターンを記憶するデータベースである。図8に示すパターンDB123は、パターンID、操作パターン、閾値、及び特定手続の各項目を対応付けて記憶する。
【0042】
パターンIDは、ユーザが文書を見つけられないときの操作のパターンを識別する識別情報である。操作パターンは、対応するパターンIDで識別されるパターンの内容を示す情報である。閾値は、上述したパターンと、ユーザの操作のパターンとを比較して、その操作をしたユーザの状態を判断するときに用いる数値等である。特定手続は、ユーザの操作の履歴から、ユーザが見つけられない文書、又はその文書の代替となる情報(以下、代替情報という)を格納すべき場所(以下、格納場所という)を特定するための手続を示す情報である。
【0043】
ここで代替情報は、例えば、ソフトリンク、シンボリックリンク、ハードリンク、ショートカット等と呼ばれる情報を含む。これらは、元となる格納場所の名前や実体に別名を与える機能を有し、選択されたときに、元となる格納場所が選択されるものである。また、代替情報は、元となる格納場所を示す文字列であってもよい。
【0044】
<端末の構成>
図9は、端末2の構成の例を示す図である。図9に示す端末2は、プロセッサ21、メモリ22、インタフェース23、操作部24、及び表示部25を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0045】
プロセッサ21は、メモリ22に記憶されているプログラムを読出して実行することにより端末2の各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0046】
インタフェース23は、有線又は無線により通信回線3を介して、端末2と情報処理装置1、及び文書管理装置4とを通信可能に接続する通信回路である。
【0047】
操作部24は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マウス等の操作子を備えており、操作を受付けてその操作内容に応じた信号をプロセッサ21に送る。
【0048】
表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、プロセッサ21の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部24の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。
【0049】
メモリ22は、プロセッサ21に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ22は、RAMやROMを有する。なお、メモリ22は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0050】
<情報処理装置の機能的構成>
図10は、情報処理装置1の機能的構成の例を示す図である。情報処理装置1のプロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部111、判断部112、指示部113、及び抽出部114として機能する。
【0051】
取得部111は、インタフェース13を介して、端末2から文書に関するユーザの操作の履歴を取得する。取得部111が取得した操作の履歴は、ユーザDB121の参照によりユーザごとに仕分けされ、操作履歴DB122に記憶される。
【0052】
判断部112は、操作履歴DB122に記憶されたユーザの操作の履歴を読出し、読出したこの操作の履歴を、パターンDB123に記憶された、予め決められた操作のパターンと比較して、ユーザが文書を見つけられない状態であるか否かを判断する。
【0053】
指示部113は、判断部112により、ユーザが文書を見つけられない状態である、と判断された場合に、そのユーザの操作の履歴から特定される格納場所に、その文書の代理情報を格納するよう文書管理装置4に指示する。
【0054】
抽出部114は、決められたタイミングで操作履歴DBの中から、ユーザが文書を使用する操作の履歴を抽出する。そして、抽出部114は、予め決められた期間にわたって、ユーザに使用された履歴のない文書がある場合には、その文書を削除するよう指示部113から文書管理装置4へ指示させる。
【0055】
<情報処理装置の動作>
情報処理装置1は、文書の代替情報を格納する動作、及び文書を削除する動作、をそれぞれ行う。以下、各動作の流れをフロー図により説明する。
【0056】
<文書の代替情報を格納する動作>
図11は、文書の代替情報を格納する動作の流れの例を示すフロー図である。情報処理装置1のプロセッサ11は、ユーザの操作の履歴を取得して、ユーザが文書を使用したか否かを判断する(ステップS101)。ユーザが文書を使用していない、と判断する間(ステップS101;NO)、プロセッサ11は、この判断を続ける。
【0057】
一方、ユーザが文書を使用した、と判断すると(ステップS101;YES)、プロセッサ11は、その使用の前の操作履歴が予め決められた条件を満たすか否か判断する(ステップS102)。例えば、プロセッサ11は、ユーザによる文書の使用の直前に行われた一連の操作と、予め決められた操作パターンと、を比較し、両者の共通する割合を求める。そして、プロセッサ11は、求めたその割合が決められた閾値を超えたか否か判断する。
【0058】
文書の使用の前の操作履歴が上述した条件を満たしていない、と判断する場合(ステップS102;NO)、プロセッサ11は、処理を終了する。一方、文書の使用の前の操作履歴が上述した条件を満たした、と判断する場合(ステップS102;YES)、プロセッサ11は、操作履歴から上述した文書を格納すべき格納場所を特定する(ステップS103)。そして、プロセッサ11は、上述した文書の代替情報を生成し、ステップS103で特定した格納場所にその代替情報を格納するよう文書管理装置4に指示する(ステップS104)。文書管理装置4は、この指示を受けて上述した格納場所に、この文書の代替情報を格納する。
【0059】
例えば、ユーザID「U11」で識別されるユーザが、上述した図7に示す操作履歴表1222を記憶させている場合、このユーザは、操作ID「T501」の操作をして、CWDをホームディレクトリである「/home/U11」から「/home/U11/U111」へ移動させる。さらにこのユーザは、操作ID「T502」の操作をして、CWDを「/home/U11/U111/U1111」へ移動させた後、操作ID「T503」及び操作ID「T504」の操作では、連続して「戻る」操作をする。そして、その後、操作ID「T505」の操作により、ユーザは、CWDを「/home/U11/U112」へ移動し、操作ID「T506」の操作により、そこに格納されている「f41」という名称の文書を使用する。
【0060】
図8に示すパターンDB123には、例えば、パターンID「P61」で識別される操作パターンとして、CWDを或る場所に移動させた後、どの文書も使用せずに、戻る操作をし、その後に別の場所で見つけた文書を使用する操作パターンが記憶されている。プロセッサ11は、図7に示す操作履歴表1222の操作と、このパターンDB123に記憶されている操作パターンと、を比較して、共通する部分の割合を求める。そして、求めたこの割合が閾値を超えたと判断すると、プロセッサ11は、このユーザの操作を、ユーザが文書を見つけられない状態にあるときの操作と判断し、上述した操作の履歴から、ユーザが使用した文書を格納すべき格納場所として、戻る操作をする前のディレクトリを特定する。この場合、「f41」という名称の文書のソフトリンクが、この文書の代替情報として、例えば「/home/U11/U111/U1111」に格納される。
【0061】
なお、上述した実施形態において情報処理装置1のプロセッサ11は、文書管理装置4に文書の代替情報を格納するよう指示するが、プロセッサ11は、文書の代替情報ではなく、文書そのものを格納するよう指示してもよい。この指示は、文書の複製を格納させる指示であってもよいし、文書を上述した格納場所に移動させる指示であってもよい。要するに、プロセッサ11は、操作履歴から特定される格納場所に、文書又は文書の代替情報を格納するように、文書管理装置4に指示をすればよく、文書管理装置4は、この指示に従って、指定された格納場所に文書又は文書の代替情報を格納すればよい。
【0062】
つまり、この「文書の代替情報を格納する動作」を実行するプロセッサ11は、文書に関するユーザの操作の履歴を取得し、それらの履歴のうち、ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、この履歴から特定される格納場所に、この文書又はこの文書の代替情報を格納するプロセッサの例である。
【0063】
特に、上述した例でプロセッサ11は、CWDを或る場所に移動させた後、どの文書も使用せずに、戻る操作をし、その後に別の場所で見つけた文書を使用する操作パターン、と共通する操作をユーザがしたときに、その文書の代替情報を格納している。すなわち、このプロセッサ11は、履歴のうち、ユーザが閲覧先を第1格納場所に変更してから元に戻す操作をした後に、第1格納場所と異なる第2格納場所に格納された文書を使用した履歴がある場合に、この文書又はこの文書の代替情報を第1格納場所に格納するプロセッサの例である。
【0064】
例えば、このユーザID「U11」で識別されるユーザが、CWDを「/home/U11/U111/U1111」に移動させ、いずれの文書も使用せずに戻った後に、「f41」という名称の文書を使用することが複数回にわたって行われた場合、このユーザは「f41」で示される文書が、「/home/U11/U111/U1111」に格納されていると思い込む癖があることを意味している。したがって、プロセッサ11が上述した動作をすることにより、この「/home/U11/U111/U1111」を次に閲覧したときに、ここに「f41」の代替情報が格納されていれば、このユーザは、改めて別の格納場所に移動してこの「f41」で示す文書を探す手間を省くことができる。
【0065】
<文書を削除する動作>
図12は、文書を削除する動作の流れの例を示すフロー図である。プロセッサ11は、操作履歴DB122からユーザが文書を使用した操作履歴を抽出し(ステップS201)、抽出されたそれらの操作履歴により、予め決められた期間にわたって、どのユーザにも使用された履歴のない文書があるか否かを判断する(ステップS202)。この文書がない、と判断する場合(ステップS202;NO)、プロセッサ11は、この処理を終了する。一方、予め決められた期間にわたって、どのユーザにも使用された履歴のない文書がある、と判断する場合(ステップS202;YES)、プロセッサ11は、その文書を削除するよう、文書管理装置4に指示する(ステップS203)。文書管理装置4は、この指示を受けて上述した文書を削除する。
【0066】
この「文書を削除する動作」を実行するプロセッサ11は、予め決められた期間にわたって、ユーザに使用された履歴のない文書を削除するプロセッサの例である。この構成によれば、情報処理装置1は、使用されなくなった文書を削除することができる。なお、プロセッサ11は、この「文書を削除する動作」を実行しなくてもよい。
【0067】
以上が本実施形態に係る情報処理システム9の情報処理装置1の動作である。例えば、文書に対して予め定められた格納場所があったとしても、ユーザごとに格納場所や文書に対する解釈が異なっていることがある。そのため、文書は、定められた格納場所に格納されないことがあった。また、管理者が予め定められた格納場所に文書を格納したとしても、ユーザはそれを認識しておらず、文書を使用する際にディレクトリを無駄に往復してその文書を探したり、検索機能に頼ったりして、時間を費やすことがあった。
【0068】
上述した通り、情報処理システム9の情報処理装置1は、移動を繰り返したり、検索をしたりしなくてもユーザが階層を辿って見つけられる場所に文書又はその文書の代替となる情報を格納する。そのため、ユーザは、自分にとって把握し易い格納場所や、自然に探そうとする格納場所において、文書や文書の代替情報を見つけられるため、この文書を使用しようとする際に、その文書を見つけるための無駄な時間を費やさなくて済む。
【0069】
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は、互いに組合されてもよい。
【0070】
<1>
上述した実施形態において、情報処理装置1は、CPUで構成されるプロセッサ11を有していたが、情報処理装置1を制御する制御手段は他の構成であってもよい。例えば、情報処理装置1は、CPU以外にも各種のプロセッサ等を有してもよい。
【0071】
ここでプロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば上述したCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0072】
<2>
上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。
【0073】
また、プロセッサの各動作の順序は、上述した実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0074】
<3>
上述した実施形態において、情報処理装置1は、文書管理装置4と別の装置であったが、文書管理装置4の機能を兼ねて実現してもよい。また、情報処理装置1は、端末2の機能を有してもよい。この場合、情報処理装置1は、端末2における操作部24、及び表示部25に相当する構成を有してもよい。
【0075】
<4>
上述した実施形態において、パターンDB123は、CWDを或る場所に移動させた後、どの文書も使用せずに、戻る操作をし、その後に別の場所で見つけた文書を使用する操作パターンを記憶していたが、他の操作パターンを記憶していてもよい。例えば、パターンDB123は、条件を指定してその条件を満たす文書の検索を指示する操作をした後に、その文書を使用する操作パターンを記憶していてもよい。
【0076】
図13は、変形例における操作履歴表1222の例を示す図である。例えば、ユーザID「U12」で識別されるユーザが、上述した図13に示す操作履歴表1222を記憶させている場合、このユーザは、操作ID「T511」の操作をして、CWDをホームディレクトリである「/home/U12」から「/home/U12/U121」へ移動させる。そして、このユーザは、操作ID「T512」の操作により、「f42」という文字列を入力して、この「f42」という名称の文書を検索する。
【0077】
検索の結果、「f42」を含むパス等が端末2の表示部25において表示される。上述したユーザは、操作ID「T513」の操作によって、この表示されたパスの中から「/pub/J31/J312」を選択してここにCWDを移動させる。そして、このユーザは、操作ID「T514」の操作をし、「/pub/J31/J312」に格納されている「f42」で示される文書を使用する。
【0078】
図8に示すパターンDB123には、例えば、パターンID「P62」で識別される操作パターンとして、CWDを或る場所(すなわち、第1格納場所)にし、その下にあるファイル等を閲覧中に、条件を指定してその条件を満たす文書の検索を指示し、その後に検索された文書が格納された場所(すなわち、第2格納場所)にCWDを移動させて、その文書を使用する操作パターンが記憶されている。プロセッサ11は、図13に示す操作履歴表1222の操作と、このパターンDB123に記憶されている操作パターンと、を比較して、共通する部分の割合を求める。そして、求めたこの割合が閾値を超えたと判断すると、プロセッサ11は、このユーザの操作を、ユーザが文書を見つけられない状態にあるときの操作と判断する。そして、プロセッサ11は、上述した操作の履歴から、ユーザが使用した文書を格納すべき格納場所として、検索を指示したときのCWDを特定する。この場合、「f42」という名称の文書のソフトリンクが、この文書の代替情報として、例えば「/home/U12/U121」に格納される。
【0079】
上述したユーザによる図13に示す操作は、「/home/U12/U121」へ移動したものの、目的とする「f42」で識別される文書が見つからない状態であったため、検索してこの文書を見つけ、使用したものと解釈される。文書管理装置4は、プロセッサ11の指示にしたがって、「f42」で識別される文書の代替情報を「/home/U12/U121」に格納するため、次回からこのユーザは、「/home/U12/U121」に移動したときに、「f42」で識別される文書を検索する必要がなくなる。
【0080】
つまり、この場合のプロセッサ11は、履歴のうち、ユーザが第1格納場所の閲覧中に検索を指示する操作をした後に、この第1格納場所と異なる第2格納場所に格納された文書を使用した履歴がある場合に、該文書又は該文書の代替情報を第1格納場所に格納するプロセッサの例である。
【0081】
なお、上述した条件は、第1格納場所の閲覧中に検索を指示したというものであったが、第1格納場所の閲覧中以外に検索を指示した操作パターンも条件として記憶されていてもよい。この場合、検索時にユーザがどこを閲覧していたかに関わらず、文書の代替情報が格納される格納場所が特定される。例えば、ユーザがどのディレクトリも閲覧していないときに、文書を検索した場合、プロセッサ11は、そのユーザに対応付けて予め決められたディレクトリを格納場所として特定してもよい。すなわち、この場合のプロセッサ11は、履歴のうち、ユーザが条件を指定してその条件を満たす文書の検索を指示する操作をした後にその文書を使用した履歴がある場合に、その履歴から特定される格納場所に、その文書又はその文書の代替情報を格納するプロセッサの例である。
【0082】
<5>
上述した実施形態において、情報処理装置1のプロセッサ11は、一人のユーザの操作を予め決められた操作パターンと比較して、その結果に応じて使用された文書又はその文書の代替情報を、ユーザの操作の履歴から特定される格納場所に格納していた。しかし、プロセッサ11は、複数のユーザの操作と、上述した操作パターンとの比較により、使用された文書又はその文書の代替情報を格納する格納場所を決めてもよい。
【0083】
例えば、図3に示す「f43」で識別される文書は、「/home/U12/U121」に格納されている。すなわち、この文書は、ユーザID「U12」で識別されるユーザのホームディレクトリの下に格納されている。この文書をユーザID「U11」及び「U13」でそれぞれ識別されるユーザも検索する場合、ユーザID「U12」で識別されるユーザがその閲覧等を他のユーザに許可していないと、他のユーザは文書を使用することができない。
【0084】
この場合、プロセッサ11は、ユーザID「U12」で識別されるユーザに、「f43」で識別される文書の使用が、ユーザID「U11」及び「U13」でそれぞれ識別されるユーザから要求されているため、これを許可するよう要求すればよい。そして、この要求に応じてユーザが許可をすると、プロセッサ11は、ユーザID「U11」、「U12」及び「U13」でそれぞれ識別されるユーザのいずれもが属するグループに対応付けられた格納場所に、「f43」で識別される文書、又はこの文書の代替情報を格納すればよい。
【0085】
例えば、ユーザID「U11」、「U12」及び「U13」で識別されるユーザは、図5に示す通り、ユーザDB121において、いずれもグループID「G21」で識別されるグループに属している。そこで、プロセッサ11は、図3に示す通り、「f43」で識別される文書の代替情報を、例えば「/group/G21/G212」の下に格納すればよい。これにより、「f43」で識別される文書を検索した全てのメンバは、この文書の代替情報を閲覧可能となり、この文書を使用することができる。
【0086】
つまり、この場合のプロセッサ11は、複数のユーザが、それぞれ操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、その履歴から特定され、かつ、複数のユーザのいずれもが属するグループに対応付けられた格納場所に、その文書又はその文書の代替情報を格納するプロセッサの例である。
【0087】
<6>
上述した実施形態で、情報処理システム9は、1つの情報処理装置1を有していたが、複数台の情報処理装置1を有し、これらにより機能を分担するクラスタシステムを実現する場合、いずれかの情報処理装置1が有するプロセッサ11が、ユーザの操作の履歴を取得し、他の情報処理装置1が有するプロセッサ11が、それら履歴のうち、ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴があるか否かを判断してもよい。また、別の情報処理装置1が有するプロセッサ11が、上述した履歴から格納場所を特定してもよく、さらに、また別の情報処理装置1が有するプロセッサ11が、上述した文書又はこの文書の代替情報を、特定された格納場所へ格納するよう指示してもよい。
【0088】
この場合においてこの情報処理システム9は、プロセッサを有する1以上の情報処理装置を有し、1以上の情報処理装置のいずれかは、文書に関するユーザの操作の履歴を取得し、この履歴のうち、ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、この履歴から特定される格納場所に、この文書又はこの文書の代替情報を格納する情報処理システムの例である。
【0089】
<7>
上述した実施形態において、情報処理装置1のプロセッサ11によって実行されるプログラムは、プロセッサを有するコンピュータに、文書に関するユーザの操作の履歴を取得するステップと、この履歴のうち、ユーザが予め決められた操作をした後に文書を使用した履歴がある場合に、この履歴から特定される格納場所に、この文書又はこの文書の代替情報を格納するステップと、を実行させるプログラムの例である。
【0090】
このプログラムは、磁気テープ及び磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の、コンピュータ装置が読取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…情報処理装置、11…プロセッサ、111…取得部、112…判断部、113…指示部、114…抽出部、12…メモリ、121…ユーザDB、1211…グループリスト、1212…メンバリスト、122…操作履歴DB、1221…ユーザリスト、1222…操作履歴表、123…パターンDB、13…インタフェース、2…端末、21…プロセッサ、22…メモリ、23…インタフェース、24…操作部、25…表示部、3…通信回線、4…文書管理装置、41…プロセッサ、42…メモリ、421…文書DB、43…インタフェース、9…情報処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13