(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】治療支援装置および治療支援装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20240214BHJP
A61N 5/067 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61N5/067
(21)【出願番号】P 2020096611
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】石川 亮宏
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/151888(WO,A1)
【文献】特開2014-113232(JP,A)
【文献】特表2002-518147(JP,A)
【文献】特開2012-050602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06 - 5/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、前記薬剤に前記治療光を照射する照射部と、
前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を取得する蛍光強度取得部と、
前記治療光に基づく治療光画像を撮像する治療光撮像部とを備え、
前記蛍光強度取得部が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を前記治療光撮像部により撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて設定可能に構成されている、治療支援装置。
【請求項2】
前記蛍光強度取得部は、前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像を取得するように構成されている、請求項1に記載の治療支援装置。
【請求項3】
前記照射部は、前記被検体の体内に挿入されるとともに、前記被検体の体内において前記治療光を照射する治療用プローブを含み、
前記治療用プローブは、複数設けられており、
前記治療光撮像部により撮像される前記治療光画像における前記複数の治療用プローブの各々から照射される前記治療光の領域である複数の治療光領域に基づいて前記第1の関心領域を設定する制御を行う制御部をさらに備える、請求項2に記載の治療支援装置。
【請求項4】
前記治療光画像は、前記治療光および可視光の波長帯の光に基づいて撮像されるカラー画像であり、
前記制御部は、前記治療光の波長帯の光に基づいて、前記治療光画像における前記複数の治療光領域を設定するように構成されている、請求項3に記載の治療支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の前記治療光画像における画素の領域を前記治療光画像における前記複数の治療光領域として設定するように構成されている、請求項4に記載の治療支援装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記治療光画像における前記複数の治療光領域の各々の幾何中心位置に基づいて、前記第1の関心領域を設定するように構成されている、請求項3~5のいずれか1項に記載の治療支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記治療光画像における前記複数の治療光領域の幾何中心位置に囲まれた領域である基準領域の内側に前記第1の関心領域を設定するように構成されている、請求項3~6のいずれか1項に記載の治療支援装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の関心領域を前記基準領域の幾何中心位置を中心として、前記基準領域よりも小さく設定するように構成されている、請求項7に記載の治療支援装置。
【請求項9】
前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて設定される前記第1の関心領域において取得される前記蛍光画像における蛍光強度との比較を行うために前記蛍光画像における蛍光強度を選択的に取得する領域である第2の関心領域を前記治療光撮像部により撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置よりも外側において設定可能に構成されている、請求項3~8のいずれか1項に記載の治療支援装置。
【請求項10】
前記治療光画像と、前記第1の関心領域において取得される蛍光強度と、前記第2の関心領域において取得される蛍光強度とを表示するように構成されている表示部をさらに備える、請求項9に記載の治療支援装置。
【請求項11】
被検体の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、前記被検体の体内に投与された前記薬剤に前記治療光の照射を
治療支援装置に含まれる照射部が行うステップと、
前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を
前記治療支援装置に含まれる蛍光強度取得部が取得するステップと、
前記治療光に基づいて治療光画像を
前記治療支援装置に含まれる治療光撮像部が撮像するステップと、
取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて
前記治療支援装置に含まれる制御部が設定するステップと、を備える
治療支援装置の作動方法。
【請求項12】
蛍光強度を
前記蛍光強度取得部が取得するステップは、前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像を
前記蛍光強度取得部が取得するステップである、請求項11に記載の
治療支援装置の作動方法。
【請求項13】
前記治療光の照射を
前記照射部が行うステップは、前記被検体の体内に挿入される複数の治療用プローブにより前記被検体の体内において前記治療光を
前記照射部が照射するステップであり、
前記第1の関心領域を撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて
前記制御部が設定するステップは、撮像された前記治療光画像における前記複数の治療用プローブの各々から照射される前記治療光の領域である複数の治療光領域に基づいて前記第1の関心領域を
前記制御部が設定するステップである、請求項12に記載の
治療支援装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療支援装置および治療支援装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光免疫療法によるがん治療の治療支援を行う治療支援装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
光免疫療法では、まず光化学反応をおこす蛍光物質と、がん細胞に選択的に結合する抗体とを含む薬剤をがん患者の体内に投与する。投与された薬剤は、がん患者の体内を巡り、がん細胞の抗原に選択的に結合する。次に、蛍光物質に応じた特定の波長帯の光を照射することにより、がん細胞に結合した薬剤の蛍光物質が蛍光を発するとともに、光化学反応を起こして、蛍光物質の化学構造が変化する。この蛍光物質の化学構造の変化により、抗体の立体構造の変化が引き起こされる。そして、がん細胞に結合した抗体の立体構造の変化が、結合したがん細胞の細胞膜に損傷を与えることにより、がん細胞を破壊する(死滅させる)。
【0004】
上記特許文献1には、蛍光を検出する蛍光検出部と、蛍光検出部により出力された信号に基づいて蛍光画像を生成する蛍光画像生成部とを備える治療支援装置が開示されている。蛍光検出部は、光免疫療法による治療のために被検体の体内に投与された薬剤の蛍光物質から発せられる蛍光を検出している。上記特許文献1に記載の治療支援装置は、蛍光画像生成部により生成された治療前の蛍光画像および治療時の蛍光画像を出力するように構成されている。上記特許文献1に記載の治療支援装置では、医師などのユーザは、治療前の蛍光画像と治療時の蛍光画像とを比較することによって、検出された蛍光の変化によりがん細胞に対する治療の進行を確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、がん細胞に対する治療の進行を適切に把握するためには、がん細胞に対する治療が行われる治療部位において蛍光強度の時間変化を選択的に取得する必要がある。上記特許文献1に記載の治療支援装置では、治療前の蛍光画像と治療時の蛍光画像とを比較することができるが、蛍光は光の強度が小さい光であるとともに、治療のために照射される光の照射位置および照射方向などの条件によって、治療部位から検出される蛍光強度は変化する。そのため、治療部位の全ての領域において、蛍光強度が強いとは限られず、蛍光画像の蛍光強度の大小だけでは、治療部位の領域を容易に特定することができないので、治療部位において治療の進行を把握したい領域を精度よく設定することができるわけではない。したがって、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域(関心領域)を精度よく設定することが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域を精度よく設定可能な治療支援装置および治療支援装置の作動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面における治療支援装置は、被検体の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、上記薬剤に治療光を照射する照射部と、治療光により励起された上記薬剤の蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を取得する蛍光強度取得部と、治療光に基づく治療光画像を撮像する治療光撮像部とを備え、蛍光強度取得部が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を治療光撮像部により撮像された治療光画像中の治療光の位置に基づいて設定可能に構成されている。
【0009】
この発明の第2の局面における治療支援装置の作動方法は、被検体の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、被検体の体内に投与された上記薬剤に治療光の照射を治療支援装置に含まれる照射部が行うステップと、治療光により励起された上記薬剤の蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を治療支援装置に含まれる蛍光強度取得部が取得するステップと、治療光に基づいて治療光画像を治療支援装置に含まれる治療光撮像部が撮像するステップと、取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を撮像された治療光画像中の治療光の位置に基づいて治療支援装置に含まれる制御部が設定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の局面による治療支援装置は、上記のように、治療光により励起された薬剤の蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を取得する蛍光強度取得部と、治療光に基づく治療光画像を撮像する治療光撮像部とを備える。そして、第1の局面による治療支援装置は、蛍光強度取得部が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を治療光撮像部により撮像された治療光画像中の治療光の位置に基づいて設定可能に構成されている。これにより、治療光画像中の治療光の位置に基づいて、がん細胞に対する治療が行われる治療部位を容易に特定することができる。その結果、蛍光強度取得部が取得する蛍光強度の位置に治療光画像を対応づけることにより、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、蛍光強度取得部が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を精度よく設定可能な治療支援装置を提供することができる。また、治療光は、薬剤の蛍光物質を励起させる励起光であり、蛍光より大きいエネルギーを有するので、蛍光に比べて検出が容易である。これによっても、蛍光画像から治療部位を特定する場合に比べて、治療部位を特定しやすくなる。
【0011】
本発明の第2の局面における関心領域の設定方法では、上記のように、取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を撮像された治療光画像中の治療光の位置に基づいて設定するステップを備える。これにより、治療光画像中の治療光の位置に基づいて、がん細胞に対する治療が行われる治療部位を容易に特定することができる。その結果、取得した蛍光強度の位置に治療光画像を対応づけることにより、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を精度よく設定可能な関心領域の設定方法を提供することができる。また、治療光は、薬剤の蛍光物質を励起させる励起光であり、蛍光より大きいエネルギーを有するので、蛍光に比べて検出が容易である。これによっても、蛍光画像から治療部位を特定する場合に比べて、治療部位を特定しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による治療支援装置の構成を示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による治療支援装置の構成を示したブロック図である。
【
図3】治療支援装置の表示部に表示される蛍光画像の一例を示した図である。
【
図4】表示部に表示される治療光画像の一例を示した図である。
【
図5】治療支援装置の制御部による第1の関心領域の設定処理を説明するための第1図である。
【
図6】治療支援装置の制御部による第1の関心領域の設定処理を説明するための第2図である。
【
図7】表示部に表示される合成画像の一例を示した図である。
【
図8】治療支援装置の制御部により設定される第2の関心領域の一例を示した図である。
【
図9】第1の関心領域における蛍光強度の変化および第2の関心領域における蛍光強度の変化の表示部による表示の一例を示した図である。
【
図10】制御部による第1の関心領域設定処理の一例を示したフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態の第1変形例による治療支援装置の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
(治療支援装置の構成)
図1および
図2を参照して、本実施形態による治療支援装置100の構成について説明する。
【0015】
治療支援装置100は、
図1に示すように、撮像部10と、装置本体部20と、アーム部30を備える。
【0016】
撮像部10は、アーム部30を介して、装置本体部20に接続されている。アーム部30の一方端部には、撮像部10が接続されており、アーム部30の他方端部には、装置本体部20が接続されている。治療支援装置100は、アーム部30により、撮像部10の撮像方向および撮像位置を調整可能に構成されている。
【0017】
装置本体部20には、
図1に示すように、複数の車輪31と、ハンドル部32とが設けられている。装置本体部20は、複数の車輪31のそれぞれが回転することにより治療支援装置100を移動させることが可能な台車として構成されている。ハンドル部32は、把持可能に構成されており、治療支援装置100を移動させる際にユーザが把持するために設置されている。
【0018】
本実施形態では、治療支援装置100は、表示部40を備える。表示部40は、たとえば、液晶ディスプレイ、または、有機ELディスプレイなどにより構成されている。表示部40は、たとえば、HDMI(登録商標)等の映像インターフェースにより制御部23(
図2参照)と接続される。
【0019】
本実施形態による治療支援装置100は、光免疫療法における治療の支援を行う装置である。具体的には、治療支援装置100は、
図2に示すように、がん患者200に対して、治療光(励起光)を照射して、がん患者200の体内に投与された薬剤300の蛍光物質により放射される蛍光を検出するように構成されている。また、治療支援装置100は、光免疫療法による治療の支援に加えて、薬剤300の蛍光物質に応じた特定の波長帯の光である治療光を照射し続けることにより、光免疫療法による治療も行うことができるように構成されている。なお、がん患者200は、特許請求の範囲の「被検体」の一例である。
【0020】
また、治療支援装置100は、
図2に示すように、照射部50を備える。照射部50は、がん患者200の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤300に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、薬剤300に治療光を照射するように構成されている。すなわち、照射部50は、光免疫療法における治療において、がん患者200の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤300に治療光(励起光)を照射するように構成されている。
【0021】
照射部50は、治療光光源51と、複数の治療用プローブ52と(
図2参照)を含む。
【0022】
治療光光源51は、薬剤300に含まれた蛍光物質を励起させる特定の波長帯の治療光(励起光)を照射するように構成されている。治療光光源51は、半導体レーザー(LD:Laser Diode)、または、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などを含む。
【0023】
治療用プローブ52は、がん患者200の体内に挿入されるとともに、がん患者200の体内において治療光を照射するように構成されている。
【0024】
治療用プローブ52は、治療光光源51からの光を導光する光ファイバを含む。治療用プローブ52は、がん患者200の体内に挿入されるガラスなどの透明な部材により形成された筒状のガイド(図示せず)に沿って、がん患者200の体内の治療箇所である位置(治療部位)に向かってに挿入される。医師などのユーザは、MRI(Magnetic Resonance Image)、X線CT(Computed Tomography)、または、超音波エコーなどにより、がんの位置を事前に把握しておく。そして、医師などのユーザは、超音波エコーなどにより、がんの位置を確認しながら、治療用プローブ52をがん患者200の体内に挿入する。治療用プローブ52は、がん患者200に対して、20度以下の比較的浅い角度で挿入される。具体的には、治療用プローブ52は、がん患者200に対して、10度程度、または、10度以下の比較的浅い角度で挿入される。治療用プローブ52は、がん患者200の体内において、治療光光源51からの治療光を導光して照射するように構成されている。これにより、薬剤300の蛍光物質が励起される。治療支援装置100は、治療用プローブ52によって、がん患者200の体内において、薬剤300に含まれた蛍光物質を励起させる特定の波長帯の光である治療光を照射し続けることにより、がん細胞を死滅させる治療を行うことが可能である。
【0025】
ここで、光免疫療法では、治療光の照射の前にがん患者200(
図2参照)の体内に薬剤300(
図2参照)を投与する。薬剤300は、蛍光を発する蛍光物質と、抗体とを含む。薬剤300の蛍光物質は、治療光が照射されることにより、励起して蛍光を発する物質であり、治療光が照射され続けることにより、光化学反応を起こす物質である。蛍光物質は、たとえば、IRDye(登録商標)700DXなどの化学物質である。
【0026】
光免疫療法による治療の際には、照射部50により、がん患者200に投与された薬剤300の蛍光物質の種類に応じた治療光が、がん患者200の治療部位(がん細胞)に対して照射される。
【0027】
なお、照射部50により、治療の際に照射される治療光は、可視光の一部から近赤外光の領域である600nm以上2500nm以下の波長領域において、治療に用いられる薬剤300の蛍光物質が光化学反応を起こす波長帯の光であり、治療に用いられる薬剤300の蛍光物質の種類に応じて異なる。たとえば、薬剤300の蛍光物質にIRDye700DXが用いられる場合には、照射部50は、光免疫療法による治療の際に、波長のピーク位置が600nm以上700nm以下の光、たとえば、波長のピーク位置が690nm程度の非熱性赤色光を照射する。
【0028】
また、治療支援装置100の撮像部10は、
図2に示すように、レンズ11と、プリズム12とを備える。また、治療支援装置100の撮像部10は、
図2に示すように、蛍光撮像部13と、治療光撮像部14と、を備える。なお、蛍光撮像部13は、特許請求の範囲の「蛍光強度取得部」の一例である。
【0029】
レンズ11は、薬剤300の蛍光物質が発する蛍光と、照射部50により照射される治療光を含む可視光とが入射するように構成されている。レンズ11に入射した蛍光および治療光を含む可視光は、レンズ11により収束され、プリズム12に入射する。
【0030】
また、プリズム12は、入射した光を分離するように構成されており、レンズ11に入射した蛍光および治療光を含む可視光は、プリズム12によって分離される。プリズム12によって分離された蛍光は、蛍光撮像部13において結像するように構成されている。また、プリズム12によって分離された治療光を含む可視光は、治療光撮像部14において結像するように構成されている。
【0031】
蛍光撮像部13は、治療光により励起された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光強度を取得するように構成されている。本実施形態では、蛍光撮像部13は、治療光により励起された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像41(
図3参照)を取得(撮像)するように構成されている。また、蛍光画像41は、薬剤300の蛍光物質が発する蛍光の分布状態を表す画像である。
【0032】
蛍光撮像部13は、プリズム12によって分離された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光に基づいて画像を撮像する撮像素子を含む。撮像素子は、蛍光を光電変換し、電気信号に変換する。撮像素子は、たとえば、CMOS(Complementary metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、または、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどである。
【0033】
蛍光撮像部13は、光学フィルタの波長選択性により、薬剤300の蛍光物質により放射される蛍光の波長帯を含めた領域の光を選択的に撮像するように構成されている。蛍光撮像部13は、たとえば、薬剤300の蛍光物質にIRDye 700DXが用いられる場合には、光学フィルタの波長選択性により800nm以上860nm以下の波長の光に基づいて、蛍光画像41を撮像するように構成されている。なお、IRDye 700DXは、波長600nm以上700nm以下の光によって励起して、波長700nmまたは770nm程度にピークを有する光を蛍光として発する。
【0034】
また、蛍光撮像部13は、NTSC(National Television System Committee)規格のフレームレートなどの所定のフレームレートにより、蛍光物質が発する蛍光を撮像する。
【0035】
治療光撮像部14は、治療光に基づく治療光画像42(
図4参照)を撮像するように構成されている。治療光撮像部14は、プリズム12によって分離された治療光を含む可視光に基づいて画像を撮像する撮像素子を含む。撮像素子は、治療光を含む可視光を光電変換し、電気信号に変換する。撮像素子は、たとえば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサなどである。
【0036】
治療光撮像部14は、光学フィルタの波長選択性により、照射部50(治療用プローブ52)により照射される治療光の波長帯を含めた領域の光を選択的に撮像するように構成されている。治療光撮像部14は、光免疫療法による治療の際に、波長600nm以上700nm以下の光、たとえば、波長のピーク位置が690nm程度の非熱性赤色光が照射される場合には、光学フィルタの波長選択性により治療光の波長帯と可視光の波長帯とを含む400nm以上700nm以下の波長の光に基づいて、撮像するように構成されている。すなわち、治療光画像42は、可視光画像を含む。また、治療光画像42は、治療光および可視光の波長帯の光に基づいて撮像されるカラー画像である。治療光撮像部14は、NTSC規格のフレームレートなどの所定のフレームレートにより、治療光を含む可視光を撮像する。
【0037】
また、治療支援装置100の装置本体部20には、画像収集部21、画像合成部22、制御部23および記憶部24などを含むPC(Personal Computer)が内蔵(
図2参照)されている。
【0038】
画像収集部21には、蛍光撮像部13により撮像された蛍光画像41の画像データと、治療光撮像部14により撮像された治療光画像42の画像データとが電気信号として入力されるように構成されている。画像収集部21は、時系列に基づいて、蛍光画像41および治療光画像42のデータを収集するように構成されている。
【0039】
本実施形態の治療支援装置100は、画像収集部21によって、時系列に沿って収集された蛍光画像41のデータにより、蛍光画像41における蛍光強度の変化を取得可能に構成されている。
【0040】
また、画像合成部22は、画像収集部21が収集した蛍光画像41の画像データと、治療光画像42の画像データとを重ね合わせた合成画像43(
図7参照)を生成するように構成されている。すなわち、画像合成部22は、画像収集部21が収集した複数の画像データを重ね合わせた合成画像43を生成するように構成されている。
【0041】
画像収集部21および画像合成部22は、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサ、または、画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などを含む。
【0042】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。制御部23は、治療支援装置100全体を制御するように構成されている。
【0043】
制御部23は、治療用プローブ52を介した、治療光光源51によるがん患者200の体内における治療光の照射の制御を行うように構成されている。制御部23は、照射部50(治療光光源51)の点灯および消灯の制御を行うように構成されている。すなわち、制御部23は、治療光の照射および照射の停止の制御を行うように構成されている。
【0044】
また、制御部23は、画像収集部21により収集された蛍光画像41および治療光画像42の解析を行うように構成されている。また、制御部23は、蛍光画像41における時系列ごとの蛍光強度の情報を解析するように構成されている。制御部23は、後述する第1の関心領域(ROI:Region Of Interest)42cおよび第2の関心領域(ROI)42dにおいて、治療部位における蛍光強度を選択的に取得するための制御を行う。
【0045】
記憶部24は、たとえば、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などを含む。また、記憶部24は、装置本体部20外部のネットワークにより接続されたネットワーク上のデータベースを含んでもよい。記憶部24は、画像収集部21により収集された蛍光画像41および治療光画像42の画像データなどを記憶できるように構成されている。記憶部24は、たとえば、画像収集部21により時系列に基づいて収集された蛍光画像41および治療光画像42の画像データを、撮像日時などのタイムスタンプとともに記憶する。また、記憶部24は、制御部23による制御の処理に用いられるプログラムが記憶されている。記憶部24は、画像収集部21により画像データを収集する際に制御部23により実行されるプログラム、治療光の照射の制御を行うために制御部23により実行されるプログラム、および、治療光の照射の制御を行うために必要なデータなどを記憶するように構成されている。
【0046】
また、治療支援装置100は、
図2に示すように、操作部60を備える。操作部60は、治療支援装置100の操作を行うためのユーザインターフェースである。操作部60は、照射部50(治療光光源51)による治療光の照射、および、表示部40に表示される画像の表示方法などの制御を行うための操作を受け付けるように構成されている。操作部60は、照射部50により照射される治療光の照射強度および照射時間の設定のための操作を受け付けるように構成されている。また、操作部60は、撮像部10における撮像の開始および終了の設定のための操作を受け付けるように構成されている。さらに、操作部60は、後述する関心領域の設定を行うための操作を受け付けるように構成されている。操作部60は、たとえば、リモコン、タッチパネル、キーボード、または、マウスなどを含む。また、操作部60としてのタッチパネルを表示部40に設けてもよい。
【0047】
表示部40は、
図3に示すように、蛍光画像41を表示するように構成されている。蛍光画像41は、薬剤300の蛍光物質が発する蛍光の分布状態を表す画像である。医師などのユーザは、蛍光画像41中の蛍光の分布41aにより、がん細胞に結合した蛍光物質を含む薬剤300の集積を確認可能である。
【0048】
また、表示部40は、
図4に示すように、治療光画像42を表示するように構成されている。本実施形態では、治療光画像42は、治療光および可視光に基づいた画像であり、治療用プローブ52の挿入箇所からがん患者200の体外に漏れ出た治療光と、がん患者200の体を透過した治療光とが撮像されている。医師などのユーザは、治療光画像42により、がん患者200に挿入された治療用プローブ52の位置と、治療用プローブ52から照射される治療光とを確認可能である。がん患者200には、前述したように、医師などのユーザにより、事前に確認したがん細胞の位置に対して、治療用プローブ52が挿入される(
図4参照)。そのため、治療用プローブ52の先端52aは、事前に確認したがん細胞が位置する方向を向くように挿入されている。そして、複数の治療用プローブ52は、がんの位置を囲うように挿入され、各々から照射される治療光により、がん細胞に対する治療が行われる。すなわち、がん患者200の体内に挿入された治療用プローブ52から治療光が照射される領域またはがん患者200の体内に挿入された複数の治療用プローブ52に囲まれた治療光が照射される領域が治療部位となる。
【0049】
(関心領域の設定)
治療支援装置100は、第1の関心領域42cを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定可能に構成されている。第1の関心領域42cは、蛍光画像41における蛍光強度の変化を選択的に取得する領域である。また、前述したように、蛍光画像41は時系列に基づいて収集される。すなわち、第1の関心領域42cは、蛍光撮像部13が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である。
【0050】
本実施形態では、制御部23は、治療光撮像部14により撮像される治療光画像42における複数の治療用プローブ52の各々から照射される治療光の領域である複数の治療光領域42a(
図4参照)に基づいて第1の関心領域42cを設定する制御を行うように構成されている。
【0051】
また、本実施形態の治療支援装置100では、医師などのユーザが、治療光および可視光の波長帯の光に基づいて撮像されるカラー画像である治療光画像42を視認して、治療用プローブ52の挿入方向を把握可能である。そして、本実施形態の治療支援装置100では、医師などのユーザは、治療光画像42中の1つまたは複数の治療用プローブ52の位置、治療用プローブ52の挿入方向、治療光、または、治療光領域42aなどに基づいて、第1の関心領域42cを設定することが可能である。
【0052】
まず、制御部23は、
図4に示すように、治療光の波長帯の光に基づいて、治療光画像42における複数の治療光領域42aを設定するように構成されている。複数の治療光領域42aは、治療用プローブ52の挿入箇所からがん患者200の体外に漏れ出た治療用プローブ52から照射された治療光が撮像された領域であるとともに、がん患者200の体を透過して撮像される治療用プローブ52から照射された治療光が撮像された領域である。
【0053】
制御部23は、治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の治療光画像42における画素の領域を治療光画像42における複数の治療光領域42aとして設定するように構成されている。
【0054】
具体的には、治療光画像42における治療光の波長帯の光の階調が所定値以上の画素の領域を治療光領域42aとして設定する。たとえば、治療光の波長帯が600mnから800nm程度の場合には、治療光は赤色光から近赤外光の領域であるので、治療光画像42において、R(Red)、G(Green)、および、B(Blue)のうち、Rの階調が所定値以上の画素の領域を治療光領域42aとする。なお、治療光領域42aを設定する際には、治療光画像42におけるR、G、および、Bのいずれかの階調の値に基づいて、治療光領域42aを設定してもよいし、R、G、および、Bの階調の値がR、G、および、Bの各々に設定された閾値以上である画素の領域を治療光領域42aとして設定するようにしてもよい。
【0055】
そして、制御部23は、治療光画像42における複数の治療光領域42aの各々の幾何中心位置に基づいて、第1の関心領域42cを設定するように構成されている。
【0056】
具体的には、制御部23は、複数の治療光領域42aの各々の領域の面積(画素数)から幾何中心位置を算出して、
図5に示すように、複数の治療光領域42aの幾何中心位置を頂点とする基準領域42bを設定する。
【0057】
次に、制御部23は、
図6に示すように、治療光画像42における複数の治療光領域42aの幾何中心位置に囲まれた領域である基準領域42bの内側に第1の関心領域42cを設定する。
【0058】
制御部23は、第1の関心領域42cを基準領域42bの幾何中心位置を中心として、基準領域42bよりも小さく設定する。
【0059】
具体的には、制御部23は、基準領域42bの内側において、基準領域42bの幾何中心位置を中心とする第1の関心領域42cを設定する。第1の関心領域42cは、
図6に示すように、基準領域42bの幾何中心位置を中心とする円形形状の領域である。円形の第1の関心領域42cは、基準領域42bの内側に収まるように、基準領域42bよりも小さく設定される。なお、円形の第1の関心領域42cの直径は、予め設定された固定値でもよいし、医師などのユーザの操作に基づいて、調整可能にしてもよい。また、設定された第1の関心領域42cの領域は、呼吸または脈動などのがん患者200の周期性の動きに追従して、移動するようにしてもよい。
【0060】
また、表示部40には、
図7に示すように、画像収集部21が収集した蛍光画像41と、治療光画像42とを重ね合わせた合成画像43を第1の関心領域42cとともに表示させてもよい。これにより、医師などのユーザは、蛍光の分布41a、治療用プローブ52、治療光の位置、および、第1の関心領域42cの位置を同時に確認可能である。なお、治療光領域42aおよび基準領域42bは、表示部40に表示しなくてもよいし、表示と非表示を切り替え可能にしてもよい。
【0061】
また、治療支援装置100は、
図8に示すように、第2の関心領域42dを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置よりも外側において設定可能に構成されている。第2の関心領域42dは、治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定される第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光画像41における蛍光強度との比較を行うために蛍光画像41における蛍光強度を選択的に取得する領域である。制御部23は、第2の関心領域42dを医師などのユーザが設定する際に、治療光領域42a、複数の治療光領域42aに囲まれた領域、および、基準領域42bに重ならないように第2の関心領域42dの領域の設定を制限する制御を行うように構成されている。
【0062】
すなわち、第2の関心領域42dは、照射部50による治療光の照射が行われない領域であり、治療が行われない領域である。したがって、第2の関心領域42dにおける蛍光強度は、薬剤300の蛍光物質が蛍光を発しない領域の蛍光強度であり、治療の終了の参考指標となる蛍光強度である。
【0063】
また、表示部40は、
図9に示すように、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と、第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度とを表示するように構成されている。具体的には、表示部40には、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と、第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度とが治療の際の時系列に沿って表示される。これにより、医師などのユーザは、第1の関心領域42cにおける蛍光強度の変化と、第1の関心領域42cにおける蛍光強度とを比較可能である。表示部40に表示される蛍光強度は、治療の際における蛍光強度の相対値の変化を示したグラフ(
図9参照)ではなく、数値のみが表示されるようにしてもよいし、グラフと数値とが同時に表示されるようにしてもよい。
【0064】
表示部40には、治療光画像42と、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と、第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度とが同時に並べて表示されるようにしてもよい。また、表示部40は、蛍光画像41、治療光画像42、合成画像43、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度、および、第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度のうちいずれか1つを切り替えて表示するようにしてもよいし、いずれかまたは全てを同時に並べて表示するようにしてもよいし、いずれかを重ねて表示するようにしてもよいし。
【0065】
(第1の関心領域設定処理)
次に、
図10を参照して、本実施形態の制御部23による第1の関心領域42c設定処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
ステップ401において、治療光の照射が開始される。本実施形態では、がん患者200の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤300に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、制御部23の制御により照射部50は、がん患者200の体内に投与された薬剤300に治療光の照射を行う。治療光は、がん患者200の体内に挿入される治療用プローブ52によりがん患者200の体内において照射される。具体的には、治療光は、治療対象となるがんを囲うようにがん患者200の体内に挿入される複数の治療用プローブ52によりがん患者200の体内において照射される。
【0067】
ステップ402において、画像の撮像が開始される。本実施形態では、蛍光撮像部13は、制御部23の制御により、治療光により励起された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光に基づいて蛍光画像41の撮像を開始する。すなわち、治療光により励起された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を蛍光撮像部13によって取得する。また、治療光撮像部14は、制御部23の制御により、治療光に基づいて治療光画像42の撮像を開始する。蛍光撮像部13による蛍光画像41の撮像および治療光撮像部14による治療光画像42の撮像の開始後、処理ステップは、ステップ403へ移行する。なお、画像の撮像、すなわち、ステップS402は、治療光の照射(ステップS401)よりも先、または同時に開始されてもよい。
【0068】
ステップ403において、複数の治療光領域42aが設定される。本実施形態では、制御部23の制御により、治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の治療光画像42における画素の領域が治療光画像42における複数の治療光領域42aとして設定される。複数の治療光領域42aの設定後、処理ステップは、ステップ404へ移行する。
【0069】
ステップ404において、基準領域42bが設定される。本実施形態では、制御部23の制御により、治療光画像42における複数の治療光領域42aの幾何中心位置に囲まれた領域が基準領域42bとして設定される。基準領域42bの設定後、処理ステップは、ステップ405へ移行する。
【0070】
ステップ405において、第1の関心領域42cが設定される。本実施形態では、制御部23の制御により、取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cが、撮像された治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定される。第1の関心領域42cは、撮像された治療光画像42における複数の治療用プローブ52の各々から照射される治療光の領域である複数の治療光領域42aに基づいて設定される。第1の関心領域42cの設定の終了後、制御部23は、第1の関心領域42c設定処理を終了する。
【0071】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態では、治療支援装置100は、蛍光撮像部13が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定可能に構成されている。これにより、治療光画像42中の治療光の位置に基づいて、がん細胞に対する治療が行われる治療部位を容易に特定することができる。その結果、蛍光撮像部13が取得する蛍光強度の位置に治療光画像42を対応づけることにより、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、蛍光撮像部13が取得する蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cを精度よく設定することができる。また、治療光は、薬剤300の蛍光物質を励起させる励起光であり、蛍光より大きいエネルギーを有するので、蛍光に比べて検出が容易である。これによっても、蛍光画像41から治療部位を特定する場合に比べて、治療部位を特定しやすくなる。
【0073】
また、上記実施形態による治療支援装置100では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0074】
また、本実施形態では、蛍光撮像部13は、治療光により励起された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像41を取得するように構成されている。これにより、治療光画像42を蛍光画像41に対応づけることにより、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、より容易に蛍光画像41における蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cを精度よく設定することができる。また、ユーザは、蛍光画像41を視認して、薬剤300の蛍光物質が発する蛍光の分布状態を容易に把握することができる。
【0075】
また、本実施形態では、制御部23は、治療光撮像部14により撮像される治療光画像42における複数の治療用プローブ52の各々から照射される治療光の領域である複数の治療光領域42aに基づいて第1の関心領域42cを設定する制御を行う。これにより、複数の治療用プローブ52から照射された複数の治療光の位置を治療光画像42により取得し、複数の治療光位置に基づいて治療部位を特定することができるので、第1の関心領域42cをより容易に治療部位内に設定することができる。
【0076】
また、本実施形態では、治療光画像42は、治療光および可視光の波長帯の光に基づいて撮像されるカラー画像である。そして、制御部23は、治療光の波長帯の光に基づいて、治療光画像42における複数の治療光領域42aを設定する。これにより、制御部23は、撮像されるカラー画像である治療光画像42から治療光の波長帯の色に基づいて複数の治療光領域42aを容易に設定することができる。また、ユーザは、撮像されるカラー画像である治療光画像42から治療用プローブ52の位置および治療光の色を視認して、治療部位を容易に特定することができる。
【0077】
また、本実施形態では、制御部23は、治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の治療光画像42における画素の領域を治療光画像42における複数の治療光領域42aとして設定する。これにより、治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の治療光画像42における画素の領域を制御部23により複数の治療光領域42aとして設定することができるので、治療光画像42において、より容易に複数の治療光領域42aを設定することができる。
【0078】
また、本実施形態では、制御部23は、治療光画像42における複数の治療光領域42aの各々の幾何中心位置に基づいて、第1の関心領域42cを設定する。これにより、治療光領域42aの各々の幾何中心位置の1点に基づいて第1の関心領域42cを設定するので、治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の治療光画像42における複数の画素の領域である治療光領域42aの全ての画素に基づいて第1の関心領域42cを設定する場合に比べて、制御部23の処理負担の増大を抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、制御部23は、治療光画像42における複数の治療光領域42aの幾何中心位置に囲まれた領域である基準領域42bの内側に第1の関心領域42cを設定する。これにより、治療光を照射するためにがん患者200(被検体)の体内に挿入された複数の治療用プローブ52に囲まれた領域の内側を第1の関心領域42cとして設定することができる。
【0080】
また、本実施形態では、制御部23は、第1の関心領域42cを基準領域42bの幾何中心位置を中心として、基準領域42bよりも小さく設定する。これにより、治療光を照射する複数の治療用プローブ52に囲まれた領域の幾何中心を中心に据えて、第1の関心領域42cを小さく絞ることができるので、第1の関心領域42cが基準領域42bよりも大きい場合に比べて、制御部23の処理負担の増大を抑制することができる。
【0081】
なお、光免疫療法においては、破壊されたがん細胞が免疫細胞に対する抗原となることにより、残ったがん細胞に対する免疫細胞の免疫応答がより効果的になるという治療効果も期待できる。したがって、治療光の照射により必ずしも治療部位全てのがん細胞を破壊する必要はなく、がん細胞の中心部分の治療の進行を把握することにより十分な治療を行うことが可能である。
【0082】
また、本実施形態では、治療支援装置100は、治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定される第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光画像41における蛍光強度との比較を行うために蛍光画像41における蛍光強度を選択的に取得する領域である第2の関心領域42dを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置よりも外側において設定可能に構成されている。これにより、第2の関心領域42dを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置よりも外側の治療光が照射されずに蛍光が発しない領域に設定することができる。その結果、第1の関心領域42cと第2の関心領域42dとの蛍光強度を比較することにより、ユーザは、治療の進行度を容易に判断することができる。
【0083】
また、本実施形態では、表示部40は、治療光画像42と、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と、第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度とを表示する。これにより、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度とが表示部40に表示されるので、ユーザは、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度との比較を表示部40の表示により容易に行うことができる。その結果、ユーザは、表示部40の表示により治療の進行度をより容易に判断することができる。
【0084】
本実施形態では、関心領域の設定方法は、取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cを撮像された治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定するステップ405を備える。これにより、治療光画像42中の治療光の位置に基づいて、がん細胞に対する治療が行われる治療部位を容易に特定することができる。その結果、取得した蛍光強度の位置に治療光画像42を対応づけることにより、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cを精度よく設定することができる。また、治療光は、薬剤300の蛍光物質を励起させる励起光であり、蛍光より大きいエネルギーを有するので、蛍光に比べて検出が容易である。これによっても、蛍光画像41から治療部位を特定する場合に比べて、治療部位を特定しやすくなる。
【0085】
また、上記実施形態による関心領域の設定方法では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0086】
また、本実施形態では、蛍光強度を取得するステップ402は、治療光により励起された薬剤300の蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像41を取得するステップである。これにより、治療光画像42を蛍光画像41に対応づけることにより、治療部位における治療の進行を把握したい領域内に、より容易に蛍光画像41における蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域42cを精度よく設定することができる。また、ユーザは、蛍光画像41を視認して、薬剤300の蛍光物質が発する蛍光の分布状態を容易に把握することができる。
【0087】
また、本実施形態では、関心領域の設定方法は、第1の関心領域42cを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置に基づいて設定するステップ405は、撮像された治療光画像42における複数の治療用プローブ52の各々から照射される治療光の領域である複数の治療光領域42aに基づいて第1の関心領域42cを設定するステップである。これにより、複数の治療用プローブ52から照射された複数の治療光の位置を治療光画像42により取得し、複数の治療光位置に基づいて治療部位を特定することができるので、第1の関心領域42cを治療部位内により容易に設定することができる。
【0088】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0089】
たとえば、上記実施形態では、制御部23の制御により、第1の関心領域42cが設定される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1の関心領域は、医師などのユーザの操作によって、治療光撮像部により撮像された治療光画像中の治療光の位置に基づいて設定されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、治療光撮像部14により撮像される治療光画像42における複数の治療用プローブ52の各々から照射される治療光の領域である複数の治療光領域42aに基づいて第1の関心領域42cを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、治療光撮像部により撮像される治療光画像における1つの治療用プローブのから照射される治療光の領域である1つの治療光領域に基づいて、制御部の制御または医師などのユーザの操作により第1の関心領域が設定されてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、制御部23は、治療光の波長帯の光に基づいて、治療光画像42における治療光領域42aを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、医師などのユーザの操作に基づいて、治療光画像における治療光領域を設定してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、制御部23は、治療光画像42における複数の治療光領域42aの各々の幾何中心位置に基づいて、第1の関心領域42cを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、治療光画像における複数の治療光領域の全てを含むように第1の関心領域を設定してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、制御部23は、治療光画像42における複数の治療光領域42aの幾何中心位置に囲まれた領域である基準領域42bの内側に第1の関心領域42cを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、基準領域を第1の関心領域とするように設定してもよいし、第1の関心領域の一部が基準領域の外側に配置するように設定してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、制御部23は、第1の関心領域42cを基準領域42bの幾何中心位置を中心として、基準領域42bよりも小さく設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、基準領域の内側において、医師などのユーザの操作により、第1の関心領域の領域、すなわち、位置および大きさを設定してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、制御部23は、基準領域42bの内側において、基準領域42bの幾何中心位置を中心とする円形形状の第1の関心領域42cを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、第1の関心領域を円弧形状、矩形形状、または、自在曲線により描かれた形状に設定してもよい。また、第2の関心領域も同様に円弧形状、矩形形状、または、自在曲線により描かれた形状に設定してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、第2の関心領域42dを治療光撮像部14により撮像された治療光画像42中の治療光の位置よりも外側において設定可能に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2の関心領域は、制御部の制御または医師などのユーザなどの操作により蛍光画像において設定されてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、表示部40は、治療光画像42と、第1の関心領域42cにおいて取得される蛍光強度と、第2の関心領域42dにおいて取得される蛍光強度とを表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部は、第2の関心領域において取得される蛍光強度の代わりに、装置に予め記憶されている治療の終了の指標となる蛍光強度を表示するようにしてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、治療支援装置100の装置本体部20に内蔵された制御部23が、蛍光画像41および治療光画像42の解析および蛍光画像41における時系列ごとの蛍光強度の情報を解析するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図11に示した第1の変形例による治療支援装置500のように、蛍光画像41および治療光画像42の解析および蛍光画像41における時系列ごとの蛍光強度の情報の解析を行う解析部523が装置本体部20の外部に設けられてもよい。解析部523は、装置本体部20に内蔵された画像合成部22および記憶部24とデータ通信可能に構成されており、画像合成部22により合成された画像のデータおよび記憶部24に記憶された画像のデータに基づいて解析を行う。また、第1の変形例による治療支援装置500は、医師などのユーザによる解析部523の解析のための操作を受け付ける操作部560が装置本体部20の外部に設けられている。解析部523は、たとえば、PC(Personal Computer)であって、操作部560は、たとえば、タッチパネル、キーボード、または、マウスなどを含む。
【0099】
また、上記実施形態では、治療光撮像部14は、治療光を含む可視光に基づいて画像を撮像する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、治療支援装置の撮像部は、治療光に基づいて治療光画像を撮像する治療光撮像部と、可視光に基づいて可視光画像を撮像する可視光撮像部とをそれぞれ設けてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、本発明の第1の関心領域42c設定処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、治療光画像42を、蛍光画像41に対応づけることにより、第1の関心領域42cを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、治療光画像を、薬剤の蛍光物質が発する蛍光が撮像素子によって光電変換された電気信号に対応づけることにより、第1の関心領域を設定してもよい。
【0102】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0103】
(項目1)
被検体の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、前記薬剤に前記治療光を照射する照射部と、
前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を取得する蛍光取得部と、
前記治療光に基づく治療光画像を撮像する治療光撮像部とを備え、
前記蛍光画像における蛍光強度の変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を前記治療光撮像部により撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて設定可能に構成されている、治療支援装置。
【0104】
(項目2)
前記蛍光強度取得部は、前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像を取得するように構成されている、項目1に記載の治療支援装置。
【0105】
(項目3)
前記照射部は、前記被検体の体内に挿入されるとともに、前記被検体の体内において前記治療光を照射する治療用プローブを含み、
前記治療用プローブは、複数設けられており、
前記治療光撮像部により撮像される前記治療光画像における前記複数の治療用プローブの各々から照射される前記治療光の領域である複数の治療光領域に基づいて前記第1の関心領域を設定する制御を行う制御部をさらに備える、項目2に記載の治療支援装置。
【0106】
(項目4)
前記治療光画像は、前記治療光および可視光の波長帯の光に基づいて撮像されるカラー画像であり、
前記制御部は、前記治療光の波長帯の光に基づいて、前記治療光画像における前記複数の治療光領域を設定するように構成されている、項目3に記載の治療支援装置。
【0107】
(項目5)
前記制御部は、前記治療光の波長帯の光の輝度が所定値以上の前記治療光画像における画素の領域を前記治療光画像における前記複数の治療光領域として設定するように構成されている、項目4に記載の治療支援装置。
【0108】
(項目6)
前記制御部は、前記治療光画像における前記複数の治療光領域の各々の幾何中心位置に基づいて、前記第1の関心領域を設定するように構成されている、項目3~5のいずれか1項に記載の治療支援装置。
【0109】
(項目7)
前記制御部は、前記治療光画像における前記複数の治療光領域の幾何中心位置に囲まれた領域である基準領域の内側に前記第1の関心領域を設定するように構成されている、項目3~6のいずれか1項に記載の治療支援装置。
【0110】
(項目8)
前記制御部は、前記第1の関心領域を前記基準領域の幾何中心位置を中心として、前記基準領域よりも小さく設定するように構成されている、項目7に記載の治療支援装置。
【0111】
(項目9)
前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて設定される前記第1の関心領域において取得される前記蛍光画像における蛍光強度との比較を行うために前記蛍光画像における蛍光強度を選択的に取得する領域である第2の関心領域を前記治療光撮像部により撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置よりも外側において設定可能に構成されている、項目3~8のいずれか1項に記載の治療支援装置。
【0112】
(項目10)
前記治療光画像と、前記第1の関心領域において取得される蛍光強度と、前記第2の関心領域において取得される蛍光強度とを表示するように構成されている表示部をさらに備える、項目9に記載の治療支援装置。
【0113】
(項目11)
被検体の体内に投与された蛍光物質を含む薬剤に特定の波長帯の治療光を照射することに基づいてがん細胞を死滅させる治療において、前記被検体の体内に投与された前記薬剤に前記治療光の照射を行うステップと、
前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度を取得するステップと、
前記治療光に基づいて治療光画像を撮像するステップと、
取得した蛍光強度の時間変化を選択的に取得する領域である第1の関心領域を撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて設定するステップと、を備える関心領域の設定方法。
【0114】
(項目12)
蛍光強度を取得するステップは、前記治療光により励起された前記薬剤の前記蛍光物質が発する蛍光に基づく蛍光画像を取得するステップである、項目11に記載の関心領域の設定方法。
【0115】
(項目13)
記治療光の照射を行うステップは、前記被検体の体内に挿入される複数の治療用プローブにより前記被検体の体内において前記治療光を照射するステップであり、
前記第1の関心領域を撮像された前記治療光画像中の前記治療光の位置に基づいて設定するステップは、撮像された前記治療光画像における前記複数の治療用プローブの各々から照射される前記治療光の領域である複数の治療光領域に基づいて前記第1の関心領域を設定するステップである、項目12に記載の関心領域の設定方法。
【符号の説明】
【0116】
13 蛍光撮像部(蛍光強度取得部)
14 治療光撮像部
23 制御部
40 表示部
41 蛍光画像
42 治療光画像
42a (複数の)治療光領域
42b 基準領域
42c 第1の関心領域
42d 第2の関心領域
50 照射部
52 (複数の)治療用プローブ
100 治療支援装置
200 がん患者(被検体)