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  • 特許-エネルギー供給システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】エネルギー供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/06 20160101AFI20240214BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20240214BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240214BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20240214BHJP
   C02F 1/00 20230101ALI20240214BHJP
   H01M 8/0656 20160101ALI20240214BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20240214BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240214BHJP
【FI】
H01M8/06
C01B3/02 H
C25B9/00 A
C02F11/00 C ZAB
C02F1/00 A
H01M8/0656
H01M8/0606
H01M8/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020097660
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021190394
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】谷口 直彦
(72)【発明者】
【氏名】山中 哲治
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 司
(72)【発明者】
【氏名】織田 昭人
(72)【発明者】
【氏名】中村 明博
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-135783(JP,A)
【文献】特開2002-307065(JP,A)
【文献】特開2017-103198(JP,A)
【文献】特開2001-259613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/06
C01B 3/02
C25B 9/00
C02F 11/00
C02F 1/00
H01M 8/0656
H01M 8/0606
H01M 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常時に避難所に対してエネルギーを供給可能なエネルギー供給システムであって、
自然エネルギーを電力に変換することで発電する発電装置と、
発電された電力を用いて、前記避難所の廃水及び自然水利を浄化する浄化装置と、
発電された電力を用いて、前記避難所の下水汚泥から水素を生成する水素生成装置と、
浄化された水を電気分解することで水素を生成する水電解装置と、
生成された水素を貯蔵するとともに、貯蔵している水素を供給する水素貯蔵装置と、
供給される水素と浄水とを用いて電力、及び水又は温水を生成して、前記避難所に供給する燃料電池と、
前記発電装置及び前記燃料電池から前記浄化装置、前記水素生成装置、及び前記避難所に電力を供給するための電力供給ラインと、
前記浄化装置から前記水電解装置、前記燃料電池、及び前記避難所に水を供給するための上水供給ラインと、
前記避難所から前記浄化装置及び前記水素生成装置に下水を供給するための下水供給ラインと、
を備えるエネルギー供給システム。
【請求項2】
前記電力供給ラインの接続先を切り替える制御装置であって、前記発電装置及び前記燃料電池から前記浄化装置及び前記水素生成装置への電力の供給を遮断する制御装置をさらに備える請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項3】
前記上水供給ラインは、上流側が上水道にさらに接続され、水の供給元を前記浄化装置と前記上水道との間で切り替え可能に構成される請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項4】
前記上水供給ラインへの水の供給元を前記浄化装置と前記上水道との間で切り替える制御装置をさらに備える請求項3に記載のエネルギー供給システム。
【請求項5】
前記下水供給ラインは、下流側が下水処理場にさらに接続され、下水の供給先を前記水素生成装置及び前記浄化装置と、前記下水処理場との間で切り替え可能に構成される請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項6】
前記下水供給ラインの下水の供給先を前記水素生成装置及び前記浄化装置と、前記下水処理場との間で切り替える制御装置をさらに備える請求項5に記載のエネルギー供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、「豪雨」、「土砂災害」、「強風」、「大雨」、及び「河川氾濫」等の災害により、インフラに被害が発生することがあった。インフラへの被害の発生により、停電及び断水が発生することがある。停電及び断水の発生は、例えば、熱中症の発生等の健康被害に繋がることがあった。
【0003】
そこで、災害等により系統電源が停止した場合であっても、電力及び水を供給できれば好適である。このように電力及び水を供給可能な装置として、生活排水の再利用装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-307065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された再利用装置では、太陽光発電によって発電された電力を用いて生活排水を電気分解することにより、水素を貯蔵している。また、生活排水の沈殿物を改質することによっても水を生成している。そして、貯蔵している水素を空気と反応させることで、電力及び生活用水を得ることができる。
【0006】
特許文献1に記載の再利用装置によって、電力及び生活用水を得ることができる点は非常に有用である。一方、ライフラインの復旧には数日から数十日係ることがあるため、より長期にわたり電力及び生活用水(水)を供給することが可能なシステムであれば、より好適である。
【0007】
本発明は、より長期にわたり電力及び水を供給することが可能なエネルギー供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、非常時に避難所に対してエネルギーを供給可能なエネルギー供給システムであって、自然エネルギーを電力に変換することで発電する発電装置と、発電された電力を用いて、前記避難所の廃水及び自然水利を浄化する浄化装置と、発電された電力を用いて、前記避難所の下水汚泥から水素を生成する水素生成装置と、浄化された水を電気分解することで水素を生成する水電解装置と、生成された水素を貯蔵するとともに、貯蔵している水素を供給する水素貯蔵装置と、供給される水素と浄水とを用いて電力、及び水又は温水を生成して、前記避難所に供給する燃料電池と、前記発電装置及び前記燃料電池から前記浄化装置、前記水素生成装置、及び前記避難所に電力を供給するための電力供給ラインと、前記浄化装置から前記水電解装置、前記燃料電池、及び前記避難所に水を供給するための上水供給ラインと、前記避難所から前記浄化装置及び前記水素生成装置に下水を供給するための下水供給ラインと、を備えるエネルギー供給システムに関する。
【0009】
また、エネルギー供給システムは、前記電力供給ラインの接続先を切り替える制御装置であって、前記発電装置及び前記燃料電池から前記浄化装置及び前記水素生成装置への電力の供給を遮断する制御装置をさらに備えるのが好ましい。
【0010】
また、前記上水供給ラインは、上流側が上水道にさらに接続され、水の供給元を前記浄化装置と前記上水道との間で切り替え可能に構成されるのが好ましい。
【0011】
また、エネルギー供給システムは、前記上水供給ラインへの水の供給元を前記浄化装置と前記上水道との間で切り替える制御装置をさらに備えるのが好ましい。
【0012】
また、前記下水供給ラインは、下流側が下水処理場にさらに接続され、下水の供給先を前記水素生成装置及び前記浄化装置と、前記下水処理場との間で切り替え可能に構成されるのが好ましい。
【0013】
また、エネルギー供給システムは、前記下水供給ラインの下水の供給先を前記水素生成装置及び前記浄化装置と、前記下水処理場との間で切り替える制御装置をさらに備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より長期にわたり電力及び水を供給することが可能なエネルギー供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るエネルギー供給システムの非常時における構成を示す概略図である。
図2】一実施形態のエネルギー供給システムの平常時における構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るエネルギー供給システム1について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、本実施形態に係るエネルギー供給システム1の概略について説明する。
【0017】
エネルギー供給システム1は、例えば、広域避難場所(以下、避難所100ともいう)に対してエネルギーを供給可能なシステムである。具体的には、エネルギー供給システム1は、非常時に避難所100に対してエネルギー(電力及び水)を供給可能なシステムである。本実施形態に係るエネルギー供給システム1は、平常時においても避難所100にエネルギーを供給する。そして、災害時には、インフラの被害によらず電力及び水をより長期にわたり供給することが可能な汎用性のあるシステムである。エネルギー供給システム1は、例えば、避難所100の人数に応じて大規模に電力及び水を供給して、被災者の健康維持を図るものである。
【0018】
次に、本実施形態に係るエネルギー供給システム1の構成について説明する。
エネルギー供給システム1は、図1に示すように、発電装置11と、浄化装置12と、水素生成装置13と、水電解装置14と、水素貯蔵装置15と、燃料電池16と、電力供給ラインL1と、上水供給ラインL2と、下水供給ラインL3と、制御装置17と、を備える。
【0019】
発電装置11は、例えば、太陽光エネルギーを電力に変換することで発電する装置である。具体的には、発電装置11は、太陽光パネルを用いて太陽光エネルギーを電力に変換することで、発電する。発電装置11は、例えば、発電した電力を避難所100に供給する。なお、発電装置11は、太陽光発電装置に限定されず、風力発電装置(図示せず)、水力発電装置(図示せず)等、自然エネルギーを電力に変換することで発電する装置であってよい。
【0020】
浄化装置12は、例えば、発電された電力を用いて、避難所100の廃水及び自然水利を浄化する装置である。浄化装置12は、避難所100の廃水及び自然水利から浄水を生成する。浄化装置12は、例えば、自然水利として、溜め池400から汲み上げた水を浄化する。
【0021】
水素生成装置13は、例えば、発電された電力を用いて、避難所100の下水汚泥から水素を生成する装置である。水素生成装置13は、例えば、避難所100から排水される下水のうち、下水汚泥をバイオガス水蒸気改質することで水素を生成する。
【0022】
水電解装置14は、浄化された水を電気分解することで水素を生成する装置である。水電解装置14は、例えば、発電装置11によって発電された電力のうちの余剰電力を電気分解に用いる。また、水電解装置14は、浄化装置12によって浄化された水を電気分解に用いる。
【0023】
水素貯蔵装置15は、生成された水素を貯蔵するとともに、貯蔵している水素を供給する装置である。水素貯蔵装置15は、例えば、水素吸蔵合金(図示せず)を含む。具体的には、水素貯蔵装置15は、水素生成装置13及び水電解装置14によって生成される水素を貯蔵する。
【0024】
燃料電池16は、供給される水素と浄水とを用いて電力及び水を生成して、避難所100に供給する装置である。燃料電池16は、例えば、水素貯蔵装置15から水素の供給を受ける。また、燃料電池16は、浄化装置12から浄水の供給を受ける。そして、燃料電池16は、発電した電力を浄化装置12及び水素生成装置13にも供給する。
【0025】
電力供給ラインL1は、例えば、電線を含む。電力供給ラインL1は、発電装置11及び避難所100の間に接続される。また、電力供給ラインL1は、発電装置11、燃料電池16、浄化装置12、及び水素生成装置13の間に接続される。また、電力供給ラインL1は、発電装置11と水電解装置14との間に接続される。電力供給ラインL1は、発電装置11及び燃料電池16から浄化装置12、水素生成装置13、及び避難所100に電力を供給する。電力供給ラインL1は、発電装置11から水電解装置14に余剰電力を供給する。
【0026】
上水供給ラインL2は、例えば、水道管を含む。上水供給ラインL2は、浄化装置12、水電解装置14、燃料電池16、及び避難所100の間に接続される。また、上水供給ラインL2は、自然水利から浄化装置12の間に接続される。上水供給ラインL2は、浄化装置12から水電解装置14、燃料電池16、及び避難所100に水を供給する。また、上水供給ラインL2は、自然水利からの取水を浄化装置12に供給する。そして、上水供給ラインL2は、上流側が上水道200にさらに接続され、水の供給元を浄化装置12と上水道200との間で切り替え可能に構成される。上水供給ラインL2は、例えば、電子制御バルブ(図示せず)を用いて、水の供給元を浄化装置12と上水道200との間で切り替え可能に構成される。
【0027】
下水供給ラインL3は、例えば、下水管を含む。下水供給ラインL3は、避難所100と浄化装置12及び水素生成装置13との間に接続される。下水供給ラインL3は、避難所100から浄化装置12及び水素生成装置13に下水を供給する。具体的には、下水供給ラインL3は、避難所100から浄化装置12に廃水を供給する。また、下水供給ラインL3は、避難所100から水素生成装置13に下水汚泥を供給する。そして、下水供給ラインL3は、下流側が下水処理場300にさらに接続され、下水の供給先を水素生成装置13及び浄化装置12と、下水処理場300との間で切り替え可能に構成される。下水供給ラインL3は、例えば、電子制御バルブ(図示せず)を用いて、下水の供給先を水素生成装置13及び浄化装置12と、下水処理場300との間で切り替え可能に構成される。
【0028】
制御装置17は、例えば、電子計算機を含む。制御装置17は、電力供給ラインL1の接続先を切り替える。具体的には、制御装置17は、発電装置11及び燃料電池16から浄化装置12及び水素生成装置13への電力の供給を遮断又は実施する。また、制御装置17は、上水供給ラインL2への水の供給元を浄化装置12と上水道200との間で切り替える。また、制御装置17は、下水供給ラインL3の下水の供給先を水素生成装置13及び浄化装置12と、下水処理場300との間で切り替える。
【0029】
次に、エネルギー供給システム1の動作について説明する。
(災害時)
災害時において、図1に示すように、発電装置11は、発電した電力を避難所100、水素生成装置13、及び浄化装置12に供給する。また、発電装置11は、余剰電力を水電解装置14に供給する。浄化装置12は、避難所100の廃水及び自然水利を浄化して、水電解装置14、燃料電池16、及び避難所100に供給する。水素生成装置13は、避難所100の下水汚泥から水素を生成して、水素貯蔵装置15に供給する。水電解装置14は、浄水を電気分解して、水素を水素貯蔵装置15に供給する。水素貯蔵装置15は、水素を貯蔵する。燃料電池16は、貯蔵される水素と、供給される浄水とを用いて電力と水(温水)を生成する。燃料電池16は、電力を浄化装置12、水素生成装置13、及び避難所100に供給する。また、燃料電池16は、水又は温水を避難所100に供給する。
【0030】
(平常時)
平常時において、図2に示すように、制御装置17は、発電装置11及び燃料電池16から浄化装置12及び水素生成装置13への電力供給を遮断する。また、上水供給ラインL2は、浄水の供給元を浄化装置12から上水道200に切り替える。また、下水供給ラインL3は、下水の供給先を浄化装置12及び水素生成装置13から下水処理場300に切り替える。また、下水汚泥は、例えば、制御装置17による供給ラインの切り替えにより、下水処理場300から水素生成装置13に供給される。
【0031】
発電装置11は、発電した電力を避難所100に供給する。また、発電装置11は、余剰電力を水電解装置14に供給する。水素生成装置13は、水素を生成して、水素貯蔵装置15に供給する。水電解装置14は、浄水を電気分解して、水素を水素貯蔵装置15に供給する。水素貯蔵装置15は、水素を貯蔵する。燃料電池16は、貯蔵される水素と、供給される浄水とを用いて電力と水(温水)を生成する。燃料電池16は、電力を避難所100に供給する。また、燃料電池16は、水又は温水を避難所100に供給する。
【0032】
以上、一実施形態のエネルギー供給システム1によれば、以下の効果を奏する。
(1)非常時に避難所100に対してエネルギーを供給可能なエネルギー供給システム1であって、自然エネルギーを電力に変換することで発電する発電装置11と、発電された電力を用いて、避難所100の廃水及び自然水利を浄化する浄化装置12と、発電された電力を用いて、避難所100の下水汚泥から水素を生成する水素生成装置13と、浄化された水を電気分解することで水素を生成する水電解装置14と、生成された水素を貯蔵するとともに、貯蔵している水素を供給する水素貯蔵装置15と、供給される水素と浄水とを用いて電力、及び水又は温水を生成して、避難所100に供給する燃料電池16と、発電装置11及び燃料電池16から浄化装置12、水素生成装置13、及び避難所100に電力を供給するための電力供給ラインL1と、浄化装置12から水電解装置14、燃料電池16、及び避難所100に水を供給するための上水供給ラインL2と、避難所100から浄化装置12及び水素生成装置13に下水を供給するための下水供給ラインL3と、を備える。これにより、下水を用いるだけでなく、外部から水を取水できるので、より長期に電力及び水を避難所100に供給することができる。
【0033】
(2)エネルギー供給システム1は、電力供給ラインL1の接続先を切り替える制御装置17であって、発電装置11及び燃料電池16から浄化装置12及び水素生成装置13への電力の供給を遮断する制御装置17をさらに備える。これにより、電力の遮断及び供給を容易に変更することができる。
【0034】
(3)上水供給ラインL2は、上流側が上水道200にさらに接続され、水の供給元を浄化装置12と上水道200との間で切り替え可能に構成される。これにより、災害時及び平常時で容易に浄水の供給元を切り替えることができるので、汎用性の高いシステムを提供することができる。
【0035】
(4)エネルギー供給システム1は、上水供給ラインL2への水の供給元を浄化装置12と上水道200との間で切り替える制御装置17をさらに備える。これにより、浄水の供給元を容易に変更することができる。
【0036】
(5)下水供給ラインL3は、下流側が下水処理場300にさらに接続され、下水の供給先を水素生成装置13及び浄化装置12と、下水処理場300との間で切り替え可能に構成される。これにより、災害時及び平常時で容易に下水の供給先を切り替えることができるので、汎用性の高いシステムを提供することができる。
【0037】
(6)エネルギー供給システム1は、下水供給ラインL3の下水の供給先を水素生成装置13及び浄化装置12と、下水処理場300との間で切り替える制御装置17をさらに備える。これにより、下水の供給先を容易に変更することができる。
【0038】
以上、本発明のエネルギー供給システムの好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態において、制御装置17が、電力供給ラインL1を用いた電力供給の遮断又は実施と、上水供給ラインL2の供給元の切り替え、下水供給ラインL3の供給先の切り替えを実施するとしたが、これに制限されない。これらの切り替えは、一部を手動としてもよく、自動及び手動の両方が可能になっていてもよい。
【0040】
また、上記実施形態において、電力供給ラインL1、上水供給ラインL2、及び下水供給ラインL3の供給元及び供給先は、ライフラインの状況に応じて変更されてもよい。例えば、災害時において上水道200が平常時と同じであれば、上水供給ラインL2の供給元を上水道200としてもよい。また、災害時において電力の供給が平常時と同じであれば、電力供給ラインL1を平常時と同じとしてもよい。一方、平常時においても、各装置の動作をテストする等のために、災害時と同様の構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 エネルギー供給システム
11 発電装置
12 浄化装置
13 水素生成装置
14 水電解装置
15 水素貯蔵装置
16 燃料電池
17 制御装置
100 避難所
200 上水道
300 下水処理場
L1 電力供給ライン
L2 上水供給ライン
L3 下水供給ライン
図1
図2