(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】超音波トランスデューサ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/32 20060101AFI20240214BHJP
G01S 7/521 20060101ALI20240214BHJP
G01S 15/931 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
H04R1/32 330
G01S7/521 A
G01S15/931
(21)【出願番号】P 2020102384
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 正義
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大
(72)【発明者】
【氏名】深堀 兼史
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-070784(JP,A)
【文献】特開2016-139871(JP,A)
【文献】国際公開第2013/047544(WO,A1)
【文献】特開2010-258911(JP,A)
【文献】特開2009-141451(JP,A)
【文献】特開2019-114955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/32
G01S 7/521
G01S 15/00-15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサ(4)であって、
中心軸(DA)を囲む筒状に形成された側板部(51)と、前記中心軸と平行な軸方向に沿った板厚方向を有する薄板状に形成されていて前記板厚方向に沿って超音波振動可能なダイアフラム(50)を構成するように、前記軸方向における前記側板部の一端側を閉塞する底板部(52)と、を有する有底筒状に形成された、トランスデューサケース(5)と、
前記ダイアフラムの超音波振動と電気信号とを変換するように、前記側板部と前記底板部とで囲まれた内部空間(SP)に収容されつつ前記底板部に固定された、超音波素子(6)と、
を備え、
前記ダイアフラムは、前記板厚方向と直交する板厚変化方向(DT)に厚さが単調変化するように形成された不均厚部(52d)を有し、
前記不均厚部は、板厚が一定の底板本体(52c)に接合され、
前記超音波素子は、前記板厚変化方向における前記ダイアフラムの中心(PC)からオフセットした位置にて、前記不均厚部に固定された、
超音波トランスデューサ。
【請求項2】
前記不均厚部は、前記底板本体とは異なる材料で形成された、
請求項
1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記不均厚部は、法線方向が前記板厚方向と交差する平面状の傾斜面(52f)を有し、
前記超音波素子は、前記傾斜面に固定された、
請求項
1または2に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
前記不均厚部は、前記中心からオフセットした位置に設けられた、
請求項1~
3のいずれか1つに記載の超音波トランスデューサ。
【請求項5】
前記ダイアフラムは、前記板厚変化方向に長手方向を有する形状に形成された、
請求項1~
4のいずれか1つに記載の超音波トランスデューサ。
【請求項6】
前記ダイアフラムの超音波振動と電気信号とを変換するように、前記軸方向と直交する面内方向における前記超音波素子とは異なる位置にて前記底板部に固定された、追加素子(601)をさらに備えた、
請求項1~
5のいずれか1つに記載の超音波トランスデューサ。
【請求項7】
2つの異なる周波数である第一共振周波数と第二共振周波数とを有し、
前記第一共振周波数にて、前記中心軸を中心とした略軸対称の指向特性を有し、
前記第一共振周波数よりも高周波数側の前記第二共振周波数にて、前記中心軸を中心とした略軸対称とは異なる偏指向特性を有する、
請求項1~
6のいずれか1つに記載の超音波トランスデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の超音波トランスデューサは、圧電素子とケースとを備えている。ケースは、平板形状の底板と、底板の厚さ方向の一面から突出する筒形状の周壁とを有している。圧電素子は、底板のうち周壁に囲まれた取付面に取り付けられる。取付面に沿った基準方向において、圧電素子の中心は取付面の中心からずれた位置にある。
【0003】
かかる構成においては、ケースの取付面に沿った基準方向において、圧電素子の中心は取付面の中心からずれた位置にある。これにより、超音波の指向性に偏りを持たせることができる。具体的には、例えば、超音波トランスデューサが傾くことなく車両に取り付けられた状態で、検知範囲が上向きに偏向され得る。したがって、超音波トランスデューサの取付位置すなわち地上高が比較的低くても地面が検知範囲から外れることになるため、超音波トランスデューサの取付位置の自由度が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の超音波トランスデューサにおいては、取付面に沿った面内方向について取付面の中心が圧電素子と重なる程度の、僅かな中心位置ずれによって、偏指向性を持たせている。このため、圧電素子の取り付け位置精度が、偏指向性に大きな影響を与える。すなわち、例えば、圧電素子の取り付け位置誤差により圧電素子の中心と取付面の中心との位置関係が所望の位置関係から変動すると、所望の偏指向性が得られなくなる等の不具合が生じ得る。
【0006】
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、例えば、所望の偏指向性を良好に実現することができる構成を有する超音波トランスデューサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の超音波トランスデューサ(4)は、
中心軸(DA)を囲む筒状に形成された側板部(51)と、前記中心軸と平行な軸方向に沿った板厚方向を有する薄板状に形成されていて前記板厚方向に沿って超音波振動可能なダイアフラム(50)を構成するように、前記軸方向における前記側板部の一端側を閉塞する底板部(52)と、を有する有底筒状に形成された、トランスデューサケース(5)と、
前記ダイアフラムの超音波振動と電気信号とを変換するように、前記側板部と前記底板部とで囲まれた内部空間(SP)に収容されつつ前記底板部に固定された、超音波素子(6)と、
を備え、
前記ダイアフラムは、前記板厚方向と直交する板厚変化方向(DT)に厚さが単調変化するように形成された不均厚部(52d)を有し、
前記不均厚部は、板厚が一定の底板本体(52c)に接合され、
前記超音波素子は、前記板厚変化方向における前記ダイアフラムの中心(PC)からオフセットした位置にて、前記不均厚部に固定されている。
【0008】
なお、出願書類の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付される場合がある。しかしながら、かかる参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を、単に示すものにすぎない。よって、本発明は、上記の参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】超音波センサを搭載した車両の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示された超音波センサの概略的な装置構成を示す断面図である。
【
図3】
図2に示された超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示された超音波トランスデューサの背面図である。
【
図7】
図3および
図4に示された超音波トランスデューサにおける第一振動モードを示す斜視図である。
【
図8】
図3および
図4に示された超音波トランスデューサにおける第一振動モードによる指向特性を示す図である。
【
図9】
図3および
図4に示された超音波トランスデューサにおける第二振動モードを示す斜視図である。
【
図10】
図3および
図4に示された超音波トランスデューサにおける第二振動モードによる指向特性を示す図である。
【
図11】
図3および
図4に示された超音波トランスデューサにおける第二振動モードによる指向特性を示す図である。
【
図12】
図3および
図4に示された超音波トランスデューサにおける第二振動モードによる指向特性を示す図である。
【
図13】第二実施形態に係るトランスデューサケースの概略構成を示す背面図である。
【
図14】第三実施形態に係るトランスデューサケースの概略構成を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると、当該実施形態の理解が妨げられるおそれがある。このため、変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中には挿入せず、その後にまとめて説明する。
【0011】
(第一実施形態:構成)
図1を参照すると、車両Vは、いわゆる四輪自動車であって、箱状の車体V1を備えている。車体V1の前端部には、車体部品であるフロントバンパーV2が装着されている。車体V1の後端部には、車体部品であるリアバンパーV3が装着されている。
【0012】
超音波センサ1は、いわゆる車載のクリアランスソナーであって、車体V1の外部に向かって超音波である探査波を送信するとともに、車体V1の外部に存在する障害物による探査波の反射波を受信することで、障害物を検知するように構成されている。以下、超音波センサ1が、車両Vに搭載された状態を、「車載状態」と称する。また、超音波センサ1を搭載した車両Vを、「自車両」と称することがある。
【0013】
超音波センサ1は、車載状態にて、フロントバンパーV2およびリアバンパーV3に装着されている。フロントバンパーV2およびリアバンパーV3には、超音波センサ1を装着するための貫通孔である装着孔V4が設けられている。フロントバンパーV2に設けられた装着孔V4は、バンパー外表面V5にてフロントバンパーV2の外部すなわち前方に向かって開口するように形成されている。
【0014】
(超音波センサ)
図2は、超音波センサ1の全体構成を、フロントバンパーV2に装着された車載状態で示す。説明の便宜上、図示の通りに、右手系XYZ直交座標系を設定する。
【0015】
かかる座標系において、X軸正方向は、鉛直上方に沿った上方向とする。鉛直上方とは、自車両が走行可能な姿勢で水平面上に安定的に載置された場合における、重力作用方向とは反対の方向である。上方向とは、鉛直上方と同一方向または鉛直上方と所定の小さい鋭角αをなす方向である。αは例えば10度以下である。よって、X軸正方向は、車高方向に沿った上方向となる。車高方向は、自車両が走行可能な姿勢で水平面上に安定的に載置された場合における重力作用方向と平行な方向である。なお、超音波センサ1の搭載位置、フロントバンパーV2の形状、等によっては、X軸正方向が、鉛直上方と同一方向となったり、鉛直上方と交差する方向となったりする場合がある。
【0016】
Y軸方向は、自車両が走行可能な姿勢で水平面上に安定的に載置された場合の水平方向と平行で、且つ、装着孔V4の中心位置におけるフロントバンパーV2の厚さ方向と直交する方向とする。
【0017】
Z軸正方向は、中心軸DAと平行で、且つ探査波の発信方向に沿った方向である。中心軸DAは、超音波センサ1における超音波の送受信方向に沿って延びる仮想直線である。換言すれば、Z軸正方向は、装着孔V4の中心位置にて、バンパー内表面V6からバンパー外表面V5に向かう方向である。バンパー内表面V6は、バンパー外表面V5の裏側の面である。
【0018】
中心軸DAと平行な方向を「軸方向」と称する。また、Z軸正方向側を、軸方向における「先端側」と称することがある。同様に、Z軸負方向側を、軸方向における「基端側」と称することがある。さらに、軸方向と直交する任意の方向を「面内方向」と称することがある。すなわち、「面内方向」は、XY平面と平行な方向である。また、中心軸DAと直交する平面内における形状、あるいは、かかる平面に投影した形状を、「面内形状」と称する。
【0019】
以下、或る部分あるいは部材をZ軸と平行な視線で当該部分あるいは部材よりもZ軸正方向側からZ軸負方向に見ることを、「正面視」と称する。これに対し、或る部分あるいは部材をZ軸と平行な視線で当該部分あるいは部材よりもZ軸負方向側からZ軸正方向に見ることを、「背面視」と称する。
【0020】
図2を参照すると、超音波センサ1は、センサケース2と、弾性保持部材3と、超音波トランスデューサ4とを備えている。超音波トランスデューサ4は、トランスデューサケース5と超音波素子6とを備えている。以下、超音波センサ1を構成する各部の構成について説明する。
【0021】
超音波センサ1の筐体を構成するセンサケース2は、ポリブチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、等の硬質の合成樹脂によって、一体に形成されている。センサケース2は、ケース本体部21と、コネクタ部22と、ケース筒部23とを有している。
【0022】
ケース本体部21は、Y軸方向に長手方向を有し軸方向における基端側にて軸方向に開口するバスタブ状に形成されている。コネクタ部22は、ケース本体部21の長手方向における一端側の側壁部にて、中心軸DAから離隔する外側に向かって延設されている。コネクタ部22は、超音波センサ1をECUと電気接続するための配線の末端に設けられた配線側コネクタと着脱可能に結合するように構成されている。ECUはElectronic Control Unitの略である。
【0023】
センサケース2における、中心軸DAを囲む略円筒状の部分であるケース筒部23は、ケース本体部21から軸方向における先端側に向けて突設されている。ケース筒部23は、弾性保持部材3の軸方向における基端部を保持するように構成されている。ケース筒部23の内側のシリンダ状の空間は、ケース本体部21の内側の空間と連通するように設けられている。
【0024】
センサケース2内には、回路基板24と、制御回路素子25と、配線部26と、ダンパ部材27と、ケース充填材28とが配置されている。回路基板24は、ケース本体部21に収容されている。回路基板24には、超音波センサ1の動作を制御する制御回路素子25が実装されている。制御回路素子25は、いわゆる集積回路素子であって、超音波トランスデューサ4における送受信動作を制御するように構成されている。配線部26は、超音波トランスデューサ4と回路基板24とを電気接続するように設けられている。すなわち、制御回路素子25は、回路基板24に設けられた不図示の回路および配線部26を介して、超音波トランスデューサ4に電気接続されている。
【0025】
ダンパ部材27は、超音波トランスデューサ4からセンサケース2への振動伝達を抑制するよう設けられている。具体的には、ダンパ部材27は、絶縁性且つ弾性を有する発泡シリコーン等の発泡弾性体によって形成されている。ダンパ部材27は、弾性保持部材3の内径に対応する外径を有する円盤状に形成されている。ダンパ部材27は、軸方向における超音波トランスデューサ4よりも基端側にて、弾性保持部材3の内側のシリンダ状の空間内に嵌め込まれている。
【0026】
センサケース2の内側の空間には、ケース充填材28が充填されている。ケース充填材28は、シリコーンゴム等の、絶縁性且つ弾性を有する合成樹脂材料によって形成されている。
【0027】
弾性保持部材3は、中心軸DAを軸中心とする略円筒形状に形成されている。弾性保持部材3は、センサケース2に設けられたケース筒部23の軸方向における先端部にて保持されている。弾性保持部材3は、絶縁性且つ弾性を有するシリコーンゴム等の合成樹脂系弾性材料によって形成されている。合成樹脂系弾性材料は、粘弾性材料あるいはエラストマとも称される。
【0028】
弾性保持部材3は、超音波トランスデューサ4の軸方向における先端面を露出させつつ基端側を覆った状態で、超音波トランスデューサ4を支持するように構成されている。すなわち、超音波トランスデューサ4は、弾性保持部材3を介して、センサケース2により弾性的に支持されている。
【0029】
(超音波トランスデューサ)
超音波トランスデューサ4は、超音波マイクロフォンとしての機能を有している。すなわち、超音波トランスデューサ4は、超音波を送受信可能に構成されている。具体的には、超音波トランスデューサ4は、印加された駆動信号に基づいて、探査波を送信するように構成されている。また、超音波トランスデューサ4は、車両Vの周囲に存在する物体による探査波の反射波を受信して、反射波の強度および周波数に対応する受信信号を発生するように構成されている。
【0030】
以下、
図2~
図6を参照しつつ、本実施形態に係る超音波トランスデューサ4の構成の詳細について説明する。なお、
図4~
図6に示された右手系XYZ直交座標系は、
図2に示された右手系XYZ直交座標系に対応するものである。
【0031】
超音波トランスデューサ4の筐体を構成するトランスデューサケース5は、中心軸DAを囲む有底筒状に形成されている。本実施形態においては、トランスデューサケース5は、中心軸DAを軸中心とする円柱状の外形形状を有している。また、トランスデューサケース5は、アルミニウム等の金属によって一体的に形成されている。
【0032】
トランスデューサケース5は、軸方向に沿った板厚方向を有する薄板状に形成されたダイアフラム50を有している。ダイアフラム50は、外縁部を固定端として撓みながら板厚方向に沿って超音波振動可能に構成されている。本実施形態においては、ダイアフラム50は、面内形状が略円形状に形成されている。
【0033】
トランスデューサケース5は、側板部51と底板部52とを有している。トランスデューサケース5は、側板部51と底板部52とで囲まれた内部空間SPに超音波素子6を収容するように構成されている。
【0034】
側板部51は、中心軸DAを囲む筒状に形成されている。具体的には、側板部51は、中心軸DAと略平行な中心軸線を有する円柱面状の外表面を有している。本実施形態においては、ダイアフラム50の面内形状が略円形状であることに対応して、側板部51は、一定の厚さを有し中心軸DAを囲む円筒形状を有している。
【0035】
底板部52は、側板部51の一端側すなわち軸方向における先端側を閉塞するように設けられている。ダイアフラム50を構成する底板部52は、側板部51の軸方向における先端部と継ぎ目なく一体的に結合されている。底板部52は、「天板部」とも称され得る。
【0036】
底板部52における、内部空間SPに面する表面である内面52aには、超音波素子6が固定されている。底板部52における、内面52aの裏面すなわち反対側の面である外面52bは、露出方向DDに向けて露出するように設けられている。露出方向DDは、軸方向と平行であって、内面52aから外面52bに向かう方向である。すなわち、露出方向DDは、図中Z軸正方向である。外面52bは、正面視における面内形状が略円形状に形成されている。
【0037】
図3~
図6に示されているように、底板部52は、底板本体52cと不均厚部52dとを有している。底板本体52cは、板厚が一定の平板状に形成されている。不均厚部52dは、底板本体52cに接合されている。本実施形態においては、不均厚部52dは、底板本体52cとは異なる材料で形成されている。
【0038】
不均厚部52dは、背面視にて略矩形状を有している。不均厚部52dは、板厚変化方向DTに厚さが単調変化するように形成されている。板厚変化方向DTは、ダイアフラム50すなわち底板本体52cの板厚方向と直交する、面内方向である。具体的には、本実施形態においては、板厚変化方向DTは、X軸負方向である。すなわち、ダイアフラム50は、厚さすなわち軸方向寸法が不均一な不均厚部52dと、厚さが均一な均厚部52eとを有している。
【0039】
不均厚部52dは、内部空間SPに対向する傾斜面52fを有している。傾斜面52fは、法線方向が底板本体52cの板厚方向と交差する平面状に形成されている。具体的には、傾斜面52fは、XY平面と所定の小さな鋭角(例えば5~35度程度)をなすように交差しつつY軸と平行となるように設けられている。そして、不均厚部52dは、傾斜面52fに対応する部分にて、板厚変化方向DTに向かうにつれて厚さが連続的に単調増加するように形成されている。
【0040】
より詳細には、不均厚部52dは、板厚変化方向DTに向かうにつれて厚さが直線的に増加する一方、幅方向DWについては厚さが均一となるように形成されている。幅方向DWは、板厚変化方向DTと直交する面内方向である。すなわち、幅方向DWは、Y軸と平行な方向である。換言すれば、
図5に示されているように、不均厚部52dは、略楔状の側断面形状を有している。
【0041】
本実施形態においては、不均厚部52dは、面内方向について、ダイアフラム中心PCからオフセットした位置に設けられている。ダイアフラム中心PCは、面内方向におけるダイアフラム50の中心であって、板厚変化方向DTにおけるダイアフラム50の中心にも相当する。
【0042】
具体的には、不均厚部52dは、
図4に示されているように、水平線LLよりも下方に配置されている。水平線LLは、内面52aを含み中心軸DAと直交する平面において、背面視にてダイアフラム中心PCを通過する、Y軸と平行な仮想直線である。また、不均厚部52dは、背面視にて、鉛直線LVについて線対称に形成されている。鉛直線LVは、内面52aを含み中心軸DAと直交する平面において、背面視にて水平線LLと直交しつつダイアフラム中心PCを通過する仮想直線である。
【0043】
均厚部52eは、背面視にて、水平線LLよりも上方に設けられている。また、均厚部52eは、背面視にて、水平線LLと不均厚部52dの上端との間に設けられている。さらに、均厚部52eは、背面視にて、水平線LLよりも下方における不均厚部52dと側板部51との間に設けられている。
【0044】
超音波素子6は、ダイアフラム50の超音波振動と電気信号とを変換するように、側板部51と底板部52とで囲まれた内部空間SPに収容されつつ底板部52に固定されている。すなわち、超音波素子6は、側板部51の内側の空間である内部空間SPに収容されつつ、ダイアフラム50と接合されている。超音波素子6は、電気信号と超音波振動とを変換するように構成されている。本実施形態においては、超音波素子6は、圧電素子であって、軸方向に厚さ方向を有する薄膜状に形成されている。
【0045】
本実施形態においては、超音波素子6は、ダイアフラム中心PCからオフセットした位置にて、不均厚部52dに固定されている。具体的には、超音波素子6は、傾斜面52fに固定されている。より詳細には、超音波素子6は、傾斜面52fの全体を覆うように設けられている。
【0046】
(効果)
以下、本実施形態の構成による動作の概要を、同構成により奏される効果とともに、各図面を参照しつつ説明する。
【0047】
上記構成を有する超音波センサ1においては、有底筒状のトランスデューサケース5の内側に収容された超音波素子6に駆動信号が入力されると、超音波素子6が超音波振動する。超音波素子6が超音波振動することで、トランスデューサケース5が励振される。
【0048】
トランスデューサケース5が励振されると、ダイアフラム50が、外縁部を固定端として撓み変形しつつ、振動周波数に対応する所定の振動モードで板厚方向に沿って振動する。これにより、探査波が、ダイアフラム50から中心軸DAに沿って露出方向DDに発信される。
【0049】
ここで、上記の通り、本実施形態においては、超音波素子6は、ダイアフラム中心PCからオフセットした位置に設けられている。このため、超音波トランスデューサ4は、超音波周波数帯域内にて、2つの異なる周波数である第一共振周波数f1と第二共振周波数f2とを有している。f1<f2であり、f2≠n・f1である。nは整数である。すなわち、第二共振周波数f2は、第一共振周波数f1の高調波周波数ではなく、第一共振周波数f1とは異なる振動モードによる共振周波数である。
【0050】
図7は、第一共振周波数f1による第一振動モードにおける振動の様子を示す。
図7に示されているように、第一振動モードは、ダイアフラム50の全体がZ軸に沿って同一方向に撓み変形する振動モードである。第一振動モードにおいて、節位置はダイアフラム50の外縁部であり、腹位置はダイアフラム中心PCである。
【0051】
図8は、第一振動モードによる指向特性を示す。図中、θは、Z軸負方向を0度としZ軸正方向を180度とする方位角を示す。左側のグラフにおける同心円、および、右側のグラフにおける縦軸は、音圧レベルを示す。実線は、垂直指向特性、すなわち、鉛直線LVを含みXZ平面と平行な平面内における指向特性を示す。一方、点線は、水平指向特性、すなわち、水平線LLを含みYZ平面と平行な平面内における指向特性を示す。
【0052】
図8に示されているように、第一振動モードは、中心軸DAを中心とした略軸対称の指向特性を有している。第一振動モードは、超音波素子6の面内方向における位置にかかわらず、良好に発現可能である。このため、超音波素子6がダイアフラム中心PCからオフセットした位置に設けられていても、第一振動モードによる探査波の発信は可能である。
【0053】
図9は、第二共振周波数f2による第二振動モードにおける振動の様子を示す。
図9に示されているように、第二振動モードは、ダイアフラム50の水平線LLよりもX軸方向における一方側がZ軸正方向側に撓み変形する一方で、他方側がZ軸負方向側に撓み変形する振動モードである。節位置は、ダイアフラム中心PCを含む水平線LL上と、ダイアフラム50の外縁部とに生じる。腹位置は、ダイアフラム中心PCと側板部51との中間位置にて、鉛直線LV上に2か所生じる。
【0054】
図10は、第二振動モードによる指向特性を示す。
図10の見方は、
図8と同様である。
図10に示されているように、第一共振周波数f1よりも高周波数側の第二共振周波数f2にて、第二振動モードは、中心軸DAを中心とした略軸対称とは異なる偏指向特性を有する。
【0055】
図11は、
図10に示されている垂直指向特性を、
図5に示されている超音波トランスデューサ4の断面図の向きに合わせて示したものである。
図12は、
図10に示されている水平指向特性を、
図6に示されている超音波トランスデューサ4の断面図の向きに合わせて示したものである。
【0056】
図11および
図12に示されているように、第二振動モードによれば、左右方向については均等である一方で上下方向については不均等な指向特性が得られる。これにより、
図11に示されているように、下側すなわち路面方向の音圧レベルを低減させることで、路面反射に起因する誤検知の発生を良好に抑制することが可能となる。
【0057】
第一振動モードとは異なり、第二振動モードは、面内方向について、節位置であるダイアフラム中心PCと同心に超音波素子6を設けたのでは、ほとんど発生させることができない。この点、超音波素子6をダイアフラム中心PCからオフセットさせることで、第二振動モードを良好に発生させることが可能となる。
【0058】
ダイアフラム50の水平線LLよりもX軸負方向側には、X軸負方向側に向かうにつれて厚さが増加する不均厚部52dが設けられている。そして、超音波素子6は、不均厚部52dに固定されている。このため、超音波素子6による振動伝播距離は、X軸負方向側に向かうにつれて増大する。すると、このような不均厚構造により、第二振動モードにおいて、X軸負方向側に向かうにつれて、超音波素子6による振動に伴うダイアフラム50の変位量が構造的に抑制されるとともに、変位位相に差が生じる。
【0059】
これにより、
図11に示されているように、垂直指向特性について偏指向性を構造的に生じさせることができる。したがって、本実施形態によれば、所望の偏指向性を良好に実現することができる構成を有する超音波トランスデューサ4を提供することが可能となる。
【0060】
本実施形態は、ダイアフラム50における内面52a側に設けた不均厚部52dに超音波素子6を固定することで、所望の偏指向性を構造的に実現している。すなわち、かかる偏指向性を実現する際に、ダイアフラム50における外面52b側の構造は、従来と同様とすることが可能である。かかる構成によれば、超音波トランスデューサ4の外形形状を従来と同様としつつ、所望の偏指向性が得られる。したがって、かかる構成によれば、搭載自由度が向上する。また、超音波トランスデューサ4すなわち超音波センサ1の意匠における美観を損なうことなく、所望の偏指向性が得られる。
【0061】
さらに、本実施形態においては、不均厚部52dにおける位置および/または形状を調整することで、第二振動モードにより所望の偏指向性が得られる。一方、第一振動モードを用いれば、中心軸DAを中心とした略軸対称の指向特性が得られる。そして、第一振動モードと第二振動モードとの切り替えは、制御回路素子25からの駆動信号の周波数を変更することによって行われ得る。したがって、かかる構成によれば、高機能な超音波トランスデューサ4すなわち超音波センサ1を、従来からの極めて簡易な構造的変更により安価に実現することが可能となる。
【0062】
本実施形態においては、不均厚部52dは、底板本体52cとは異なる材料で形成されている。これにより、超音波の伝播速度について、底板本体52cと不均厚部52dとの間で差が生じる。すると、上記の変位位相の差が大きくなる。したがって、かかる構成によれば、底板本体52cと不均厚部52dとで音速が所定程度異なるように両者の材料を選択することで、上記のような所望の偏指向性が良好に実現され得る。
【0063】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態について、
図8および
図9を参照しつつ説明する。なお、以下の第二実施形態の説明においては、主として、上記第一実施形態と異なる部分について説明する。また、第一実施形態と第二実施形態とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の第二実施形態の説明において、第一実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記第一実施形態における説明が適宜援用され得る。後述の第三実施形態以降の他の実施形態においても同様である。
【0064】
本実施形態に係る超音波センサ1の基本構成は、上記第一実施形態と同様である。本実施形態においては、
図13に示されているように、ダイアフラム50は、互いに直交する長手方向および短手方向を有するオーバル状に形成されている。具体的には、ダイアフラム50は、車載状態における上下方向すなわち板厚変化方向DTに長手方向を有する形状に形成されている。より詳細には、ダイアフラム50は、X軸方向を長手方向とする角丸長方形状あるいは長円状に形成されている。以下、ダイアフラム50のオーバル形状における長手方向を、単に「長手方向」と称する。「短手方向」についても同様である。
【0065】
ダイアフラム50は、一対の円弧部501と、一対の弦部502とを有している。円弧部501は、中心軸DAに向かって開口するように、長手方向におけるダイアフラム50の両端部に設けられている。弦部502は、一対の円弧部501同士を接続するように、短手方向におけるダイアフラム50の両端部に設けられている。
【0066】
側板部51は、薄肉部511と厚肉部512とを有している。薄肉部511は、中心軸DAと直交する径方向について所定厚さを有する部分円筒状に形成されている。「径方向」は、中心軸DAから放射状に延びる方向である。すなわち、径方向は、中心軸DAを法線とする平面上にて、当該平面と中心軸DAとの交点を中心とする仮想円を描いた場合の、当該仮想円の半径方向である。
【0067】
薄肉部511は、オーバル形状のダイアフラム50の長手方向における両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、薄肉部511は、周方向について円弧部501に対応する位置に設けられている。「周方向」は、上記の仮想円の円周方向である。換言すれば、一対の薄肉部511は、中心軸DAを挟んで互いに対向するように配置されている。
【0068】
厚肉部512は、薄肉部511よりも厚く形成されている。厚肉部512は、オーバル形状のダイアフラム50の短手方向における両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、厚肉部512は、周方向について弦部502に対応する位置に設けられている。換言すれば、一対の厚肉部512は、中心軸DAを挟んで互いに対向するように配置されている。厚肉部512は、中心軸DAと直交する断面による断面視にて、略弓形に形成されている。
【0069】
かかる構成を有する超音波トランスデューサ4においては、ダイアフラム50のオーバル形状により、長手方向(すなわちX軸方向)にて短手方向(すなわちY軸方向)よりも狭い指向角が実現される。これにより、路面反射に起因する誤検知の発生を、よりいっそう良好に抑制することが可能となる。
【0070】
(第三実施形態)
以下、第三実施形態について、
図14を参照しつつ説明する。なお、本実施形態においては、図示の簡略化のため、上記第二実施形態と同様に、ダイアフラム50がオーバル形状を有している構成が用いられている。しかしながら、本実施形態は、かかる構成に限定されない。すなわち、ダイアフラム50は、円形状であってもよいし、正多角形状であってもよい。
【0071】
本実施形態においては、超音波トランスデューサ4は、追加素子601をさらに備えている。追加素子601は、ダイアフラム50の超音波振動と電気信号とを変換するように構成されている。具体的には、追加素子601は、超音波素子6と同様に、圧電素子であって、軸方向に厚さ方向を有する薄膜状に形成されている。
【0072】
追加素子601は、軸方向と直交する面内方向における超音波素子6とは異なる位置にて、底板部52に固定されている。具体的には、追加素子601は、水平線LLよりも上方に配置されつつ、内面52aに接合されている。追加素子601は、ダイアフラム中心PCと上側の薄肉部511との間の位置に設けられている。
【0073】
かかる構成によれば、超音波素子6と追加素子601との駆動タイミングを調整することで、所望の指向性を良好に実現することが可能となる。
【0074】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
【0075】
超音波センサ1は、車載用に限定されない。すなわち、超音波センサ1は、車載のクリアランスソナーあるいはコーナーセンサ以外の、様々な用途に用いられ得る。
【0076】
超音波センサ1は、超音波を送受信可能な構成に限定されない。すなわち、例えば、超音波センサ1は、超音波の発信のみが可能な構成を有していてもよい。換言すれば、超音波トランスデューサ4は、送受信用であってもよいし、送信用であってもよい。
【0077】
超音波トランスデューサ4における各部の構成も、上記具体例に限定されない。具体的には、例えば、超音波トランスデューサ4すなわちトランスデューサケース5の外形形状は、略円柱状に限定されず、略正六角柱状、略正八角柱状、等であってもよい。また、トランスデューサケース5を形成する材料は、非金属であってもよいし、金属と非金属との複合材料であってもよい。
【0078】
ダイアフラム50の平面形状についても、特段の限定はない。すなわち、例えば、ダイアフラム50をオーバル状に形成する場合、かかるオーバル形状は、角丸長方形状すなわち互いに長手方向に離隔した一対の半円とその間の矩形とを組み合わせた形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。また、ダイアフラム50の平面形状は、オーバル状に限定されない。具体的には、例えば、ダイアフラム50の平面形状は、円形状、正多角形状、等であってもよい。
【0079】
側板部51と底板部52とは、継ぎ目なく一体に形成されていなくてもよい。すなわち、例えば、底板部52は、溶接、接着、等の各種接合技術によって、筒状の側板部51の一端と接合されていてもよい。この場合、側板部51は、底板部52とは異なる材料によって形成されていてもよい。
【0080】
底板本体52cと不均厚部52dとは、同一の材料によって形成されていてもよい。この場合、底板本体52cと不均厚部52dとは、継ぎ目無く一体に形成されていてもよい。すなわち、トランスデューサケース5は、継ぎ目無く一体な構造を有していてもよい。
【0081】
不均厚部52dの背面視における形状についても、特段の限定はない。すなわち、不均厚部52dは、例えば、扇形状を有していてもよい。具体的には、板厚変化方向DTは、径方向であってもよい。また、幅方向DWは、周方向であってもよい。
【0082】
不均厚部52dの個数および/または配置についても、特段の限定はない。すなわち、例えば、上記各実施形態においては、不均厚部52dは、水平線LLよりも下方側にて1個設けられていた。しかしながら、本発明は、かかる態様に限定されない。具体的には、例えば、不均厚部52dは、面内方向において複数に分割されていてもよい。また、例えば、不均厚部52dは、水平線LLに跨るように設けられていてもよい。さらに、例えば、不均厚部52dは、鉛直線LVについて非対称に設けられていてもよい。
【0083】
不均厚部52dの、板厚変化方向DTにおける厚さの変化度合いについても、特段の限定はない。すなわち、例えば、傾斜面52fが凹面状あるいは凸面状となるように、不均厚部52dの板厚変化方向DTにおける厚さの変化は、非直線的であってもよい。
【0084】
超音波素子6は、圧電素子に限定されない。すなわち、例えば、超音波素子6として、いわゆる静電容量型素子が用いられ得る。
【0085】
超音波素子6は、傾斜面52fにおける一部を覆うように設けられていてもよい。この場合、追加素子601は、傾斜面52fにおける他の一部を覆うように設けられていてもよい。すなわち、超音波素子6は、傾斜面52f上に複数設けられていてもよい。
【0086】
上記の説明において、互いに継ぎ目無く一体に形成されていた複数の構成要素は、互いに別体の部材を貼り合わせることによって形成されてもよい。同様に、互いに別体の部材を貼り合わせることによって形成されていた複数の構成要素は、互いに継ぎ目無く一体に形成されてもよい。
【0087】
上記の説明において、互いに同一の材料によって形成されていた複数の構成要素は、互いに異なる材料によって形成されてもよい。同様に、互いに異なる材料によって形成されていた複数の構成要素は、互いに同一の材料によって形成されてもよい。
【0088】
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に本発明が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本発明が限定されることはない。
【0089】
変形例も、上記の例示に限定されない。例えば、複数の実施形態のうちの1つにおける全部または一部と、他の1つにおける全部または一部とが、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。組み合わせる数についても特段の限定はない。同様に、複数の変形例のうちの1つにおける全部または一部と、他の1つにおける全部または一部とが、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。さらに、複数の実施形態のうちの1つにおける全部または一部と、複数の変形例のうちの1つにおける全部または一部とが、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。
【符号の説明】
【0090】
4 超音波トランスデューサ
5 トランスデューサケース
50 ダイアフラム
51 側板部
52 底板部
52c 底板本体
52d 不均厚部
52f 傾斜面
6 超音波素子
SP 内部空間