(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】脳波制御装置及び脳波制御システム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61M21/02 J
(21)【出願番号】P 2020104517
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】長岡 真吾
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0312476(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源を用いて第1の光信号を発生させる第1の信号発生回路と、
第2の光源を用いて第2の光信号を発生させる第2の信号発生回路と、
前記第1及び第2の信号発生回路を制御する制御回路とを備え
る脳波制御装置であって、
前記制御回路は、
臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第1の光源を断続的に点灯させることにより前記第1の光信号を発生させるように前記第1の信号発生回路を制御し、
前記臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、前記第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第2の光源を断続的に点灯させることにより前記第2の光信号を発生させるように前記第2の信号発生回路を制御
し、
前記第1及び第2の光信号が照射されるユーザの脳波の周波数を取得し、
前記ユーザの脳波の周波数に基づいて、前記第1及び第2のスイッチング周波数と、前記第1及び第2の光信号の信号強度と、前記第1及び第2の光信号のデューティ比とを含む前記第1及び第2の光信号のパラメータのうちの少なくとも1つを変化させることにより、前記脳波の周波数を前記目標周波数に誘導するように前記第1及び第2の信号発生回路を制御し、
前記脳波制御装置は、前記脳波の周波数が前記目標周波数に達したときの前記第1及び第2の光信号のパラメータを格納する記憶装置をさらに備え、
前記制御回路は、前記脳波の周波数が前記目標周波数に達したときの前記第1及び第2の光信号のパラメータを初期値として前記第1及び第2の信号発生回路に設定する、
脳波制御装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記第1及び第2の光信号が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、前記第1及び第2の信号発生回路を制御する、
請求項
1記載の脳波制御装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第1及び第2の光信号が可変な信号強度をそれぞれ有するように、前記第1及び第2の信号発生回路を制御する、
請求項1
又は2記載の脳波制御装置。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記脳波の周波数を誘導するために効果的であった前記第1及び第2の光信号のパラメータの順序を格納し、
前記制御回路は、前記脳波の周波数を誘導するために効果的であった順序で、前記第1及び第2の光信号のパラメータを変化させる、
請求項
1~3のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項5】
前記脳波制御装置は、
第1のトランスデューサを用いて第1の音信号を発生させる第3の信号発生回路と、
第2のトランスデューサを用いて第2の音信号を発生させる第4の信号発生回路とをさらに備え、
前記制御回路は、
第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第1のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第1の音信号を発生させるように前記第3の信号発生回路を制御し、
前記第3のスイッチング周波数に対して前記目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第2のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第2の音信号を発生させるように前記第4の信号発生回路を制御する、
請求項1~
4のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項6】
第1の光源を用いて第1の光信号を発生させる第1の信号発生回路と、
第2の光源を用いて第2の光信号を発生させる第2の信号発生回路と、
第1のトランスデューサを用いて第1の音信号を発生させる第3の信号発生回路と、
第2のトランスデューサを用いて第2の音信号を発生させる第4の信号発生回路と、
前記第1~第4の信号発生回路を制御する制御回路とを備える脳波制御装置であって、
前記制御回路は、
臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第1の光源を断続的に点灯させることにより前記第1の光信号を発生させるように前記第1の信号発生回路を制御し、
前記臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、前記第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第2の光源を断続的に点灯させることにより前記第2の光信号を発生させるように前記第2の信号発生回路を制御し、
第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第1のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第1の音信号を発生させるように前記第3の信号発生回路を制御し、
前記第3のスイッチング周波数に対して前記目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第2のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第2の音信号を発生させるように前記第4の信号発生回路を制御し、
前記第1及び第2の音信号が供給されるユーザの脳波の周波数を取得し、
前記ユーザの脳波の周波数に基づいて、前記第3及び第4のスイッチング周波数と、前記第1及び第2の音信号の信号強度と、前記第1及び第2の音信号のデューティ比とを含む前記第1及び第2の音信号のパラメータのうちの少なくとも1つを変化させることにより、前記脳波の周波数を前記目標周波数に誘導するように前記第3及び第4の信号発生回路を制御し、
前記脳波制御装置は、前記脳波の周波数が前記目標周波数に達したときの前記第1及び第2の音信号のパラメータを格納する記憶装置をさらに備え、
前記制御回路は、前記脳波の周波数が前記目標周波数に達したときの前記第1及び第2の音信号のパラメータを初期値として前記第3及び第4の信号発生回路に設定する、
脳波制御装置。
【請求項7】
前記記憶装置は、前記脳波の周波数を誘導するために効果的であった前記第1及び第2の音信号のパラメータの順序を格納し、
前記制御回路は、前記脳波の周波数を誘導するために効果的であった順序で、前記第1及び第2の音信号のパラメータを変化させる、
請求項
6記載の脳波制御装置。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記第1の音信号が前記第1の光信号に同期するように前記第1及び第3の信号発生回路を制御し、
前記第2の音信号が前記第2の光信号に同期するように前記第2及び第4の信号発生回路を制御する、
請求項
5~7のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項9】
第1の光源を用いて第1の光信号を発生させる第1の信号発生回路と、
第2の光源を用いて第2の光信号を発生させる第2の信号発生回路と、
第1のトランスデューサを用いて第1の音信号を発生させる第3の信号発生回路と、
第2のトランスデューサを用いて第2の音信号を発生させる第4の信号発生回路と、
前記第1~第4の信号発生回路を制御する制御回路とを備える脳波制御装置であって、
前記制御回路は、
臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第1の光源を断続的に点灯させることにより前記第1の光信号を発生させるように前記第1の信号発生回路を制御し、
前記臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、前記第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第2の光源を断続的に点灯させることにより前記第2の光信号を発生させるように前記第2の信号発生回路を制御し、
第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第1のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第1の音信号を発生させるように前記第3の信号発生回路を制御し、
前記第3のスイッチング周波数に対して前記目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第2のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第2の音信号を発生させるように前記第4の信号発生回路を制御し、
前記制御回路は、前記第1の音信号が前記第1及び第2の光信号に非同期であるように、かつ、前記第2の音信号が前記第1及び第2の光信号に非同期であるように、前記第1~第4の信号発生回路を制御する、
脳波制御装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記第1及び第2の光信号が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、前記第1及び第2の信号発生回路を制御する、
請求項6~9のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記第1及び第2の光信号が可変な信号強度をそれぞれ有するように、前記第1及び第2の信号発生回路を制御する、
請求項6~10のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項12】
前記制御回路は、前記第1及び第2の音信号が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、前記第3及び第4の信号発生回路を制御する、
請求項
6~11のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項13】
前記制御回路は、前記第1及び第2の音信号が可変な信号強度をそれぞれ有するように、前記第3及び第4の信号発生回路を制御する、
請求項
6~12のうちの1つに記載の脳波制御装置。
【請求項14】
ユーザの右目に前記第1の光信号を照射するように構成された前記第1の光源と、
前記ユーザの左目に前記第2の光信号を照射するように構成された前記第2の光源と、
前記ユーザの右耳に前記第1の音信号を供給するように構成された前記第1のトランスデューサと、
前記ユーザの左耳に前記第2の音信号を供給するように構成された前記第2のトランスデューサと、
請求項
5~13のうちの1つに記載の脳波制御装置とを備えた、
脳波制御システム。
【請求項15】
前記第1及び第2の光源は眼鏡に一体化された、
請求項
14記載の脳波制御システム。
【請求項16】
ユーザの右目に第1の光信号を照射するように構成された第1の光源と、
前記ユーザの左目に第2の光信号を照射するように構成された第2の光源と、
前記ユーザの右耳に第1の音信号を供給するように構成された第1のトランスデューサと、
前記ユーザの左耳に第2の音信号を供給するように構成された第2のトランスデューサと、
脳波制御装置とを備えた脳波制御システムであって、
前記脳波制御装置は、
前記第1の光源を用いて前記第1の光信号を発生させる第1の信号発生回路と、
前記第2の光源を用いて前記第2の光信号を発生させる第2の信号発生回路と、
前記第1のトランスデューサを用いて前記第1の音信号を発生させる第3の信号発生回路と、
前記第2のトランスデューサを用いて前記第2の音信号を発生させる第4の信号発生回路と、
前記第1~第4の信号発生回路を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、
臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第1の光源を断続的に点灯させることにより前記第1の光信号を発生させるように前記第1の信号発生回路を制御し、
前記臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、前記第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第2の光源を断続的に点灯させることにより前記第2の光信号を発生させるように前記第2の信号発生回路を制御し、
第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第1のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第1の音信号を発生させるように前記第3の信号発生回路を制御し、
前記第3のスイッチング周波数に対して前記目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第2のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第2の音信号を発生させるように前記第4の信号発生回路を制御し、
前記第1及び第2の光源はアイマスクに組み込まれ、
前記脳波制御システムは、前記アイマスクに組み込まれたヒーターをさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1及び第2の光信号が照射され、かつ、前記第1及び第2の音信号が供給されるユーザの脳波を取得し、
前記脳波の周波数が前記目標周波数に達したとき、前記ヒーターを発熱させる、
脳波制御システム。
【請求項17】
前記制御回路は、前記第1及び第2の光信号が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、前記第1及び第2の信号発生回路を制御する、
請求項16記載の脳波制御システム。
【請求項18】
前記制御回路は、前記第1及び第2の光信号が可変な信号強度をそれぞれ有するように、前記第1及び第2の信号発生回路を制御する、
請求項16又は17記載の脳波制御システム。
【請求項19】
前記制御回路は、前記第1及び第2の音信号が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、前記第3及び第4の信号発生回路を制御する、
請求項16~18のうちの1つに記載の脳波制御システム。
【請求項20】
前記制御回路は、前記第1及び第2の音信号が可変な信号強度をそれぞれ有するように、前記第3及び第4の信号発生回路を制御する、
請求項16~19のうちの1つに記載の脳波制御システム。
【請求項21】
前記アイマスクは、アロマセラピーのエッセンシャルオイルのための容器を収容可能に構成された、
請求項
16~20のうちの1つに記載の脳波制御システム。
【請求項22】
前記第1及び第2の光源は、前記ユーザの右目及び左目に前記第1及び第2の光信号をそれぞれ照射することに加えて、前記ユーザの右目及び左目以外の身体部分に前記第1及び第2の光信号を照射するように構成された、
請求項
14~21のうちの1つに記載の脳波制御システム。
【請求項23】
前記第1及び第2のトランスデューサは、ヘッドホン又はイヤホンに組み込まれた、
請求項
14~22のうちの1つに記載の脳波制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの脳波を制御する脳波制御装置及び脳波制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定周波数の光信号又は音信号をユーザに提供し、ユーザの脳波の周波数を光信号又は音信号の周波数に誘導することにより、ユーザの脳波を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような技術を用いてユーザの脳波の周波数を例えば2~40Hzのような低い周波数に誘導することにより、ユーザのリラクゼーションを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザのリラクゼーションのために、例えば2~40Hzの光信号又は音信号をユーザに提供する場合、光信号の点滅がユーザに知覚されたり、音信号自体もしくはその振動がユーザに知覚されたりすることで、ユーザに不快感を与えるおそれがある。従って、誘導しようとする周波数自体をユーザに知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することが求められる。
【0005】
本開示の目的は、誘導しようとする周波数自体をユーザに知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる脳波制御装置及び脳波制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、
第1の光源を用いて第1の光信号を発生させる第1の信号発生回路と、
第2の光源を用いて第2の光信号を発生させる第2の信号発生回路と、
前記第1及び第2の信号発生回路を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、
臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第1の光源を断続的に点灯させることにより前記第1の光信号を発生させるように前記第1の信号発生回路を制御し、
前記臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、前記第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して前記第2の光源を断続的に点灯させることにより前記第2の光信号を発生させるように前記第2の信号発生回路を制御する。
【0007】
これにより、本開示の各側面に係る脳波制御装置によれば、目標周波数に等しい差を有しかつ臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で第1及び第2の光信号を発生することにより、誘導しようとする周波数自体をユーザの視覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【0008】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、
前記脳波制御装置は、
第1のトランスデューサを用いて第1の音信号を発生させる第3の信号発生回路と、
第2のトランスデューサを用いて第2の音信号を発生させる第4の信号発生回路とをさらに備え、
前記制御回路は、
第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第1のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第1の音信号を発生させるように前記第3の信号発生回路を制御し、
前記第3のスイッチング周波数に対して前記目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を前記第2のトランスデューサから断続的に発生することにより前記第2の音信号を発生させるように前記第4の信号発生回路を制御する。
【0009】
これにより、本開示の各側面に係る脳波制御装置によれば、目標周波数に等しい差を有するスイッチング周波数で第1及び第2の音信号を発生することにより、誘導しようとする周波数自体をユーザの聴覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【0010】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、
ユーザの右目に前記第1の光信号を照射するように構成された前記第1の光源と、
前記ユーザの左目に前記第2の光信号を照射するように構成された前記第2の光源と、
前記ユーザの右耳に前記第1の音信号を供給するように構成された前記第1のトランスデューサと、
前記ユーザの左耳に前記第2の音信号を供給するように構成された前記第2のトランスデューサと、
前記脳波制御装置とを備える。
【0011】
これにより、本開示の各側面に係る脳波制御システムによれば、目標周波数に等しい差を有しかつ臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で第1及び第2の光信号を発生し、また、目標周波数に等しい差を有するスイッチング周波数で第1及び第2の音信号を発生することにより、誘導しようとする周波数自体をユーザの視覚系及び聴覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の各側面に係る脳波制御装置及び脳波制御システムによれば、目標周波数に等しい差を有しかつ臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で第1及び第2の光信号を発生し、また、目標周波数に等しい差を有するスイッチング周波数で第1及び第2の音信号を発生することにより、誘導しようとする周波数自体をユーザの視覚系及び聴覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の脳波制御システムによって発生される光信号P1,P2及び音信号A1,A2の例示的な波形を示す図である。
【
図3】
図1の光源1,2及びトランスデューサ3,4の第1の装着例を示す図である。
【
図4】
図1の光源1,2及びトランスデューサ3,4の第2の装着例を示す図である。
【
図5】
図1の光源1,2及びトランスデューサ3,4の第3の装着例を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
【
図7】
図6の制御回路15Aによって実行される脳波制御処理を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態の第1の変形例に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
【
図9】第2の実施形態の第2の変形例に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
【
図10】第3の実施形態に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
【
図11】
図1の光源1,2及びヒーター5を装着するためのアイマスク21Dの例示的な構成を示す図である。
【
図12】
図10の制御回路15Dによって実行される脳波制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本開示の各実施形態について説明する。各図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
【0015】
[適用例]
図1は、第1の実施形態に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
図1の脳波制御システムは、第1の光源1、第2の光源2、第1のトランスデューサ3、第2のトランスデューサ4、及び脳波制御装置10を備える。
【0016】
光源1は、ユーザの一方の目(例えば右目)の視覚系に第1の光信号P1を照射するように構成される。光源2は、ユーザの他方の目(例えば左目)の視覚系に第2の光信号P2を照射するように構成される。
【0017】
トランスデューサ3は、ユーザの一方の耳(例えば右耳)の聴覚系に第1の音信号A1を供給するように構成される。トランスデューサ4は、ユーザの他方の耳(例えば左耳)の聴覚系に第2の音信号A2を供給するように構成される。
【0018】
脳波制御装置10は、第1の信号発生回路11、第2の信号発生回路12、第3の信号発生回路13、第4の信号発生回路14、及び制御回路15を備える。
【0019】
信号発生回路11は、制御回路15の制御下で、光源1を用いて光信号P1を発生させる。信号発生回路12は、制御回路15の制御下で、光源2を用いて光信号P2を発生させる。
【0020】
信号発生回路13は、制御回路15の制御下で、トランスデューサ3を用いて音信号A1を発生させる。信号発生回路14は、制御回路15の制御下で、トランスデューサ4を用いて音信号A2を発生させる。
【0021】
制御回路15は、信号発生回路11~14を制御する。
【0022】
制御回路15は、臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して光源1を断続的に点灯させることにより光信号P1を発生させるように信号発生回路11を制御する。また、制御回路15は、臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して光源2を断続的に点灯させることにより光信号P2を発生させるように信号発生回路12を制御する。
【0023】
臨界融合周波数(Critical Fusion Frequency:CFF)は、ヒトが点滅する光を見るときに、点滅を認識できなくなって連続的に点灯した一様な明るさの光として認識するようになる点滅の最小周波数を意味する。臨界融合周波数は、通常、36~38Hz程度又はそれよりも高くなるが、視神経障害、視力障害、又は集中力低下があると、より低くなることがある。
【0024】
臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で光信号P1,P2を発生することにより、光信号P1,P2の点滅をユーザに認識させないようにすることができる。また、光信号P1,P2のスイッチング周波数の間の差は、脳波の周波数を誘導しようとしている目標周波数に等しい。目標周波数に等しい差を有しかつ臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で光信号P1,P2を発生してユーザの右目及び左目の視覚系にそれぞれ提供することにより、光信号P1,P2の点滅をユーザに認識させることなく、目標周波数の刺激をユーザに提供することができる。
【0025】
制御回路15は、第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音をトランスデューサ3から断続的に発生することにより音信号A1を発生させるように第3の信号発生回路13を制御する。また、制御回路15は、第3のスイッチング周波数に対して目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音をトランスデューサ4から断続的に発生することにより音信号A2を発生させるように第4の信号発生回路14を制御する。
【0026】
第3及び第4のスイッチング周波数の間の差もまた、脳波の周波数を誘導しようとしている目標周波数に等しい。目標周波数に等しい差を有するスイッチング周波数で音信号A1,A2を発生してユーザの右耳及び左耳の聴覚系にそれぞれ提供することにより、目標周波数の音信号A1,A2自体又はその振動をユーザに認識させることなく、目標周波数の刺激をユーザに提供することができる。
【0027】
本開示の各実施形態に係る脳波制御装置及び脳波制御システムによれば、目標周波数に等しい差を有しかつ臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で光信号P1,P2を発生し、また、目標周波数に等しい差を有するスイッチング周波数で音信号A1,A2を発生することにより、誘導しようとする周波数自体をユーザの視覚系及び聴覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【0028】
[第1の実施形態]
[第1の実施形態の構成]
以下、
図1~
図5を参照して、第1の実施形態に係る脳波制御システムのさらなる詳細事項について説明する。
【0029】
図1を参照すると、光源1,2は、例えば、ホワイトノイズ又はピンクノイズの成分を含む光信号P1,P2を発生するようにそれぞれ構成される。従って、光源1,2は、例えば、白色光又は実質的に白色光を発生する。
【0030】
信号発生回路13,14は、例えば、ホワイトノイズ又はピンクノイズの成分を含む音信号A1,A2を、トランスデューサ3,4を用いてそれぞれ発生させる。
【0031】
制御回路15は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素を制御する。
【0032】
脳波制御装置10は、所望の目標周波数を設定するために、入力装置16をさらに備えてもよい。入力装置16は、例えば、キーボード及び/又はポインティングデバイスを含む。
【0033】
信号発生回路11~14及び制御回路15は、別個の回路として構成されてもよく、一体化された回路として構成されてもよく、汎用プロセッサによって実行されるプログラムとして実装されてもよい。
【0034】
図2は、
図1の脳波制御システムによって発生される光信号P1,P2及び音信号A1,A2の例示的な波形を示す図である。
【0035】
光信号P1は、周期T1及び振幅a1を有する。光信号P1の各サイクルは、長さTon1のオン期間及び長さToff1のオフ期間を有する。従って、光信号P1は、スイッチング周波数f1=1/T1及びデューティ比d1=Ton1/T1を有する。
【0036】
光信号P2は、周期T2及び振幅a2を有する。光信号P2の各サイクルは、長さTon2のオン期間及び長さToff2のオフ期間を有する。従って、光信号P2は、スイッチング周波数f2=1/T2及びデューティ比d2=Ton2/T2を有する。
【0037】
音信号A1は、周期T3及び振幅a3を有する。音信号A1の各サイクルは、長さTon3のオン期間及び長さToff3のオフ期間を有する。従って、音信号A1は、スイッチング周波数f3=1/T3及びデューティ比d3=Ton3/T3を有する。
【0038】
音信号A2は、周期T4及び振幅a4を有する。音信号A2の各サイクルは、長さTon4のオン期間及び長さToff4のオフ期間を有する。従って、音信号A2は、スイッチング周波数f4=1/T4及びデューティ比d4=Ton4/T4を有する。
【0039】
前述したように、光信号P1のスイッチング周波数f1=1/T1及び光信号P2のスイッチング周波数f2=1/T2は、臨界融合周波数以上である。また、光信号P1,P2のスイッチング周波数の間の差|f1-f2|=|1/T1-1/T2|は、目標周波数に等しい。また、音信号A1,A2のスイッチング周波数の間の差|f3-f4|=|1/T3-1/T4|は、目標周波数に等しい。
【0040】
制御回路15は、光信号P1,P2が可変なスイッチング周波数f1,f2をそれぞれ有するように、信号発生回路を制御してもよい。また、制御回路15は、音信号A1,A2が可変なスイッチング周波数f3,f4をそれぞれ有するように、信号発生回路13,14を制御してもよい。スイッチング周波数f1~f4を変化させることにより、ユーザの脳波を誘導する効果が高いスイッチング周波数を発見し、当該スイッチング周波数で光信号及び音信号を発生することができる。
【0041】
制御回路15は、光信号P1,P2が可変なデューティ比d1,d2をそれぞれ有するように、信号発生回路を制御してもよい。また、制御回路15は、音信号A1,A2が可変なデューティ比d3,d4をそれぞれ有するように、信号発生回路13,14を制御してもよい。デューティ比を増大させることにより、ユーザに対する光信号及び音信号の刺激を強めて、ユーザの脳波を誘導する効果を高めることができる。また、デューティ比を減少させることにより、消費電力を低減することができる。
【0042】
制御回路15は、光信号P1,P2が可変な信号強度(例えば、振幅a1,a2)をそれぞれ有するように、信号発生回路を制御してもよい。また、制御回路15は、音信号A1,A2が可変な信号強度(例えば、振幅a3,a4)をそれぞれ有するように、信号発生回路13,14を制御してもよい。信号強度を増大させることにより、ユーザに対する光信号及び音信号の刺激を強めて、ユーザの脳波を誘導する効果を高めることができる。また、信号強度を減少させることにより、消費電力を低減することができる。
【0043】
また、制御回路15は、音信号A1が光信号P1,P2に非同期であるように、かつ、音信号A2が光信号P1,P2に非同期であるように、信号発生回路11~14を制御してもよい。制御回路15は、音信号A1が光信号P1に同期するように信号発生回路11,13を制御しし、かつ、音信号A2が光信号P2に同期するように信号発生回路12,14を制御してもよい。このように光信号及び音信号を互いに同期又は非同期させることにより、ユーザの脳波を誘導する効果が高い位相差を発見し、当該位相差を有するスイッチング周波数で光信号及び音信号を発生することができる。
【0044】
ヒトの脳は、脳波の周波数に応じて以下のような状態になることが知られている。
【0045】
・ガンマ波(100Hz,70Hz,40Hz):気づき、覚醒、悟りの思考を示す状態。右脳と左脳を活性化し、間脳の機能を高めて、自律神経、ホルモンバランス、感情の変化などを穏やかに整える状態。
・ベータ波(14~26Hz):緊張、不安、いらいら時の大脳の活動を示す状態。
・ファストアルファ波(12~14Hz):緊張した意識集中状態にあって、あまりゆとりがない状態。
・ミッドアルファ波(9~12Hz):緊張がなくリラックスし、意識が集中し、頭が冴えている状態。
・スローアルファ波(8~9Hz):休息する方向に集中し、意識が低下し、ぼんやりしている状態。
・シューマン共振波(7.8Hz):地球に共振する波動。脳、意識、及び身体の生体リズムを整える状態。
・シータ波(4~8Hz):浅い睡眠状態にあって、意識がかなり低下している状態。
・デルタ波(0.4~4Hz):深い睡眠状態にあって、意識がまったくない状態。
【0046】
例えば、目標周波数を40Hzに設定する場合、光信号P1のスイッチング周波数f1は200Hzに設定され、光信号P2のスイッチング周波数f2は240Hzに設定されてもよい。また、この場合、音信号A1のスイッチング周波数f3は200Hzに設定され、音信号A2のスイッチング周波数f4は240Hzに設定されてもよい。
【0047】
スイッチング周波数f1,f2の下限は臨界融合周波数に設定される。また、スイッチング周波数f3,f4の下限は、それらの差として目標周波数の刺激をユーザに提供可能である非ゼロの任意の周波数に設定される。一方、スイッチング周波数f1~f4の上限は、例えば、目標周波数の100倍以下、望ましくは10倍以下に設定される。
【0048】
図3は、
図1の光源1,2及びトランスデューサ3,4の第1の装着例を示す図である。光源1,2はアイマスク21に組み込まれてもよい。光源1は、ユーザ100の右目101に光信号P1を照射するように構成され、光源2は、ユーザ100の左目102に光信号P2を照射するように構成される。また、トランスデューサ3,4は、ヘッドホン22に組み込まれてもよい。トランスデューサ3は、ユーザ100の右耳103に音信号A1を供給するように構成され、トランスデューサ4は、ユーザ100の左耳104に音信号A2を供給するように構成される。
【0049】
図4は、
図1の光源1,2及びトランスデューサ3,4の第2の装着例を示す図である。
図4では、
図3の光源1,2に代えて、眼鏡23に一体化された光源1A,2Aを示す。
図4の場合もまた、光源1Aは、ユーザ100の右目101に光信号P1を照射するように構成され、光源2Aは、ユーザ100の左目102に光信号P2を照射するように構成される。また、
図4では、
図3のトランスデューサ3,4に代えて、イヤホンに組み込まれたトランスデューサ3A,4Aを示す。
図4の場合もまた、トランスデューサ3Aは、ユーザ100の右耳103に音信号A1を供給するように構成され、トランスデューサ4Aは、ユーザ100の左耳104に音信号A2を供給するように構成される。
【0050】
図5は、
図1の光源1,2及びトランスデューサ3,4の第3の装着例を示す図である。
図5では、
図4の光源1A,2Aに代えて、
図4の場合よりも広い範囲に光信号P1,P2を照射する光源1B,2Bを示す。光源1B,2Bは、ユーザ100の右目101及び左目102に光信号P1,P2をそれぞれ照射することに加えて、ユーザ100の右目101及び左目102以外の身体部分に光信号P1,P2を照射するように構成される。これにより、
図4の場合よりも、光信号のまぶしさを緩和することができる。
【0051】
[第1の実施形態の効果]
第1の実施形態に係る脳波制御システムによれば、目標周波数に等しい差を有しかつ臨界融合周波数以上のスイッチング周波数で光信号P1,P2を発生し、また、目標周波数に等しい差を有するスイッチング周波数で音信号A1,A2を発生することにより、誘導しようとする周波数自体をユーザの視覚系及び聴覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【0052】
また、第1の実施形態に係る脳波制御システムによれば、ホワイトノイズ又はピンクノイズを含む光信号P1,P2及び音信号A1,A2を用いることができるので、ホワイトノイズ又はピンクノイズにより、脳波を効果的に誘導することができる。
【0053】
また、第1の実施形態に係る脳波制御システムによれば、光信号P1,P2のスイッチング周波数の間の差|f1-f2|を一定にしたまま、スイッチング周波数f1,f2を変化させることができる。同様に、音信号A1,A2のスイッチング周波数の間の差|f3-f4|を一定にしたまま、スイッチング周波数f3,f4を変化させることができる。ユーザ100が光信号P1,P2及び音信号A1,A2に慣れると、脳波を誘導する効果が損なわれることがある。しかしながら、スイッチング周波数f1~f4を変化させることにより、ユーザ100が光信号P1,P2及び音信号A1,A2に慣れることなく、脳波を誘導する効果を継続的に得ることができる。
【0054】
[第2の実施形態]
[第2の実施形態の構成]
図6は、第2の実施形態に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
図6の脳波制御システムは、光源1,2、トランスデューサ3,4、脳波制御装置10A、脳波計31、及びヘッドセット32、を備える。
【0055】
脳波計31は、ヘッドセット32を用いてユーザ100の脳波を測定し、測定された脳波のデータを脳波制御装置10Aに送る。脳波計31及び脳波制御装置10Aは、有線接続されてもよく、無線接続されてもよい。
【0056】
脳波制御装置10Aは、
図1の脳波制御装置10の制御回路15に代えて、制御回路15A及び記憶装置17を備える。
【0057】
制御回路15Aは、
図1の制御回路15と同様に信号発生回路11~14を制御し、さらに、脳波計31からユーザ100の脳波のデータを取得し、
図7を参照して後述する脳波制御処理を実行する。
図7の脳波制御処理では、光信号P1,P2及び音信号A1,A2のパラメータ(スイッチング周波数、信号強度、及び/又はデューティ比、など)を変化させ、ユーザ100の脳波の周波数を目標周波数に誘導するために最適なパラメータを決定する。
【0058】
記憶装置17は、あるユーザ100について脳波制御処理を実行して決定された、光信号P1,P2及び音信号A1,A2の最適なパラメータ(すなわち、脳波の周波数が目標周波数に達したときのスイッチング周波数、信号強度、及びデューティ比の組み合わせ)を格納する。また、記憶装置17は、あるユーザ100について以前に脳波制御処理を実行したときに、脳波の周波数を誘導するために効果的であったパラメータ(すなわち、スイッチング周波数、信号強度、及びデューティ比)の順序を格納してもよい。ここで、「効果的」とは、例えば、脳波の周波数が目標周波数により速く達すること、又は、各パラメータが所定割合だけ変化するときに脳波の周波数がより大きく変化することを意味する。記憶装置17は、例えば、データを、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積する、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の媒体である。
【0059】
図6の光源1,2、トランスデューサ3,4もまた、
図3~
図5に示すようにユーザ100に装着されるが、
図6では図示の簡単化のために省略する。
【0060】
[第2の実施形態の動作]
図7は、
図6の制御回路15Aによって実行される脳波制御処理を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS1において、制御回路15Aは、脳波を誘導しようとしているユーザ100の識別情報(ID)を入力装置16から取得する。ステップS2において、制御回路15Aは、入力装置16から得られたユーザ入力に基づいて、脳波の目標周波数を設定する。
【0062】
ステップS3において、制御回路15Aは、脳波を誘導しようとしているユーザ100のパラメータが記憶装置17に格納されているか否かを判断し、YESのときはステップS4に進み、NOのときはステップS5に進む。ステップS4において、制御回路15Aは、ユーザ100のパラメータを記憶装置17から読み出す。
【0063】
ステップS5において、制御回路15Aは、光信号P1,P2及び音信号A1,A2のパラメータ、すなわち、スイッチング周波数、信号強度、及びデューティ比の初期値を、信号発生回路11~14に設定する。ステップS3がYESであった場合、制御回路15Aは、記憶装置17から読み出された光信号P1,P2及び音信号A1,A2の最適なパラメータを初期値として信号発生回路11~14に設定する。ステップS3がNOであった場合、制御回路15Aは、予め決められた任意の初期値を信号発生回路11~14に設定する。
【0064】
その後、制御回路15Aは、脳波計31から、光信号P1,P2が照射されかつ音信号A1,A2が供給されるユーザ100の脳波を取得する。
【0065】
ステップS6において、制御回路15Aは、脳波の周波数が目標周波数に達したか否かを判断し、YESのときはステップS9に進み、NOのときはステップS7に進む。ここで、脳波の周波数と目標周波数との差が予め決められたしきい値以下であるとき、脳波の周波数が目標周波数に達したと判断してもよい。また、脳波が目標周波数よりも低い周波数を含むとき、脳波の周波数が目標周波数に達したと判断してもよい。
【0066】
ステップS7において、制御回路15Aは、予め決められた時間が経過してタイムアウトしたか否かを判断し、YESのときはステップS8に進み、NOのときはステップS6に戻る。
【0067】
ステップS8において、制御回路15Aは、光信号P1,P2及び音信号A1,A2のパラメータのうちの少なくとも1つを変化させることにより、脳波の周波数を目標周波数に誘導するように信号発生回路11~14を制御する。ステップS3がYESであった場合、制御回路15Aは、脳波の周波数を誘導するために効果的であった順序で、異なるパラメータ(すなわち、スイッチング周波数、信号強度、及びデューティ比)を変化させる。ステップS3がNOであった場合、制御回路15Aは、異なるパラメータを予め決められた順序で変化させる。制御回路15Aは、例えば、パラメータを初期値から増大又は減少するように掃引してもよく、最急勾配法などを用いてパラメータを変化させてもよい。
【0068】
ステップS9において、制御回路15Aは、光信号P1,P2及び音信号A1,A2の現在のパラメータ(すなわち、最適なパラメータ)を、ユーザ100の識別情報に関連付けて、記憶装置17に格納する。また、制御回路15Aは、脳波の周波数を誘導するために効果的であったパラメータを、ユーザ100の識別情報に関連付けて、記憶装置17に格納してもよい。
【0069】
図7の脳波制御処理を実行することにより、脳波の周波数が目標周波数に誘導された程度を判断し、光信号P1,P2及び音信号A1,A2の最適なパラメータを決定することができる。これにより、脳波を参照しない場合に比べて、ユーザの脳波を誘導する効果を高めることができる。また、ユーザの状態に合わせて、ユーザの脳波を自動的に誘導することができる。
【0070】
また、
図7の脳波制御処理によれば、脳波の周波数が目標周波数に誘導された程度を判断し、同じユーザ100に係る過去の最適なパラメータ及び過去の誘導結果に基づいて、光信号P1,P2及び音信号A1,A2の最適なパラメータを決定することができる。過去の最適なパラメータを初期値として設定することで、また、脳波の周波数を誘導するために効果的であった順序でパラメータを変化させることで、過去の誘導結果を参照しない場合に比べて、短時間で効果的にユーザの脳波を誘導することができる。また、ユーザの状態に合わせて、ユーザの脳波を自動的に誘導することができる。
【0071】
[第2の実施形態の変形例]
図8は、第2の実施形態の第1の変形例に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
図8の脳波制御システムは、光源1,2、トランスデューサ3,4、脳波制御装置10B、脳波測定装置30、及びヘッドセット32、を備える。
【0072】
脳波制御装置10Bは、
図1の脳波制御装置10の制御回路15及び入力装置16に代えて、制御回路15Bを備える。制御回路15Bは、脳波測定装置30の制御下で、
図1の制御回路15と同様に信号発生回路11~14を制御する。脳波制御装置10B及び脳波測定装置30は、有線接続されてもよく、無線接続されてもよい。
【0073】
脳波測定装置30は、脳波計31、制御回路33、入力装置34、及び記憶装置35を備える。
図8の脳波計31、入力装置34、及び記憶装置35は、
図6の脳波計31、入力装置16、及び記憶装置17と同様に構成される。制御回路33は、
図7の脳波制御処理を実行し、光信号P1,P2及び音信号A1,A2のパラメータを示す制御信号を生成して脳波制御装置10Bの制御回路15Bに送る。
【0074】
図8に示すように、脳波制御処理を脳波制御装置10Bの外部の制御回路33により実行することにより、脳波制御システムを高い自由度で構成することができる。
【0075】
図9は、第2の実施形態の第2の変形例に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
図9の脳波制御システムは、光源1,2、トランスデューサ3,4、脳波制御装置10B、脳波測定装置30C、サーバ装置40、及びヘッドセット32、を備える。
【0076】
図9の脳波制御装置10Bは、
図8の脳波制御装置10Bと同様に構成される。
【0077】
脳波測定装置30Cは、
図8の脳波測定装置30の制御回路33及び記憶装置35に代えて、制御回路33C及び通信回路36を備える。通信回路36は、インターネット200を介してサーバ装置40に接続される。制御回路33Cは、通信回路36及びインターネット200を介してサーバ装置40と通信する。これにより、制御回路33Cは、脳波計31によって測定された脳波のデータをサーバ装置40に送信し、また、サーバ装置40の制御回路42(後述)によって実行された脳波制御処理の結果を示すデータを受信する。制御回路33Cは、サーバ装置40から受信した脳波制御処理の結果を示すデータに基づいて、光信号P1,P2及び音信号A1,A2のパラメータを示す制御信号を生成して脳波制御装置10Bの制御回路15Bに送る。
【0078】
サーバ装置40は、通信回路41、制御回路42、及び記憶装置43を備える。通信回路41は、インターネット200を介して脳波測定装置30Cに接続される。制御回路42は、通信回路41及びインターネット200を介して脳波測定装置30Cと通信する。これにより、制御回路42は、脳波のデータを脳波測定装置30Cから受信する。また、制御回路42は、
図7の脳波制御処理を実行し、その結果を示すデータを脳波測定装置30Cに送信する。記憶装置43は、脳波制御処理を実行して決定されたパラメータを格納する。
【0079】
通信回路36及び41は、有線接続されてもよく、無線接続されてもよい。
【0080】
図9に示すように、脳波制御処理を脳波制御装置10Bの外部の制御回路42により実行することにより、脳波制御システムを高い自由度で構成することができる。
【0081】
[第2の実施形態の効果]
第2の実施形態に係る脳波制御システムによれば、脳波を参照しない場合に比べて、ユーザの脳波を誘導する効果を高めることができる。また、ユーザの状態に合わせて、ユーザの脳波を自動的に誘導することができる。
【0082】
[第3の実施形態]
[第3の実施形態の構成]
図10は、第3の実施形態に係る脳波制御システムの例示的な構成を示すブロック図である。
図10の脳波制御システムは、光源1,2、トランスデューサ3,4、ヒーター5、脳波制御装置10D、脳波計31、及びヘッドセット32、を備える。
【0083】
ヒーター5は、脳波制御装置10Dから電力供給を受けて、例えば、40~50°Cの熱を発生する。
【0084】
脳波制御装置10Dは、
図1の脳波制御装置10の制御回路15に代えて、制御回路15D及び駆動回路18を備える。
【0085】
制御回路15Dは、
図1の制御回路15と同様に信号発生回路11~14を制御し、さらに、脳波計31からユーザ100の脳波のデータを取得し、
図12を参照して後述する脳波制御処理を実行する。
図12の脳波制御処理では、脳波の周波数が目標周波数に誘導されたとき、さらなるリラクゼーションのために、熱及び/又は香りを発生する。
【0086】
駆動回路18は、制御回路15Dの制御下で、ヒーター5に電力を供給する。
【0087】
図11は、
図1の光源1,2及びヒーター5を装着するためのアイマスク21Dの例示的な構成を示す図である。アイマスク21Dは、光源1,2、ヒーター5、及びポケット51を備える。ポケット51は、アロマセラピーのエッセンシャルオイルのための容器52を収容可能に構成される。
図11の例では、ヒーター5が発熱したとき、アイマスク21Dを装着したユーザ100の眼球の付近が温められ、それと同時に、容器52のエッセンシャルオイルも加熱され、香りを発生する。
【0088】
[第3の実施形態の動作]
図12は、
図10の制御回路15Dによって実行される脳波制御処理を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS11において、制御回路15Dは、入力装置16から得られたユーザ入力に基づいて、脳波の目標周波数を設定する。
【0090】
その後、制御回路15Aは、脳波計31から、光信号P1,P2が照射されかつ音信号A1,A2が供給されるユーザ100の脳波を取得する。
【0091】
ステップS12において、制御回路15Dは、脳波の周波数が目標周波数に達したか否かを判断し、YESのときはステップS13に進み、NOのときはステップS12を繰り返す。
【0092】
ステップS13において、制御回路15Dは、ヒーター5に電力を供給する。
【0093】
[第3の実施形態の効果]
第3の実施形態に係る脳波制御システムによれば、脳波の周波数が目標周波数に誘導されたときに熱及び/又は香りを発生することにより、ユーザのさらなるリラクゼーションを実現することができる。
【0094】
第2の実施形態に係る脳波制御処理と、第3の実施形態に係る脳波制御処理とを組み合わせてもよい。この場合、
図7のステップS6がYESのとき、制御回路は、
図7のステップS9に加えて、
図12のステップS13を実行する。
【0095】
ヒーター5及び容器52は、ユーザ100の身体に装着する、アイマスク以外の物品に組み込まれてもよい。
【0096】
[変形例]
以上、本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本開示の例示に過ぎない。本開示の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0097】
図7の脳波制御処理において、ステップS1、S3、S4、及びS9を省略してもよい。この場合、記憶装置17、35、又は43を省略し、装置の構成を簡単化することができる。
【0098】
脳波制御システムは、光信号及び音信号のうちの一方のみを発生するように構成されてもよい。光信号のみを発生する場合、脳波制御システムは、例えば
図1の光源1,2、信号発生回路11、信号発生回路12、及び制御回路15を備える。同様に、音信号のみを発生する場合、脳波制御システムは、例えば
図1のトランスデューサ3,4、信号発生回路13、信号発生回路14、及び制御回路15を備える。これらの場合であっても、誘導しようとする周波数自体をユーザの視覚系又は聴覚系に知覚させにくくしながら、ユーザの脳波の周波数を所定の周波数に誘導することができる。
【0099】
[まとめ]
本開示の各側面に係る脳波制御装置及び脳波制御システムは、以下のように表現されてもよい。
【0100】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、脳波制御装置10は、第1の光源1を用いて第1の光信号P1を発生させる第1の信号発生回路11と、第2の光源2を用いて第2の光信号P2を発生させる第2の信号発生回路12と、第1及び第2の信号発生回路11,12を制御する制御回路15とを備える。制御回路15は、臨界融合周波数以上である第1のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して第1の光源1を断続的に点灯させることにより第1の光信号P1を発生させるように第1の信号発生回路11を制御する。制御回路15は、臨界融合周波数以上である第2のスイッチング周波数であって、第1のスイッチング周波数に対して予め決められた目標周波数に等しい差を有する第2のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有して第2の光源2を断続的に点灯させることにより第2の光信号P2を発生させるように第2の信号発生回路12を制御する。
【0101】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、第1及び第2の光信号P1,P2は、ホワイトノイズ又はピンクノイズの成分をそれぞれ含む。
【0102】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15は、第1及び第2の光信号P1,P2が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、第1及び第2の信号発生回路を制御する。
【0103】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15は、第1及び第2の光信号P1,P2が可変な信号強度をそれぞれ有するように、第1及び第2の信号発生回路11,12を制御する。
【0104】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15Aは、第1及び第2の光信号P1,P2が照射されるユーザ100の脳波の周波数を取得する。制御回路15Aは、第1及び第2のスイッチング周波数と、第1及び第2の光信号P1,P2の信号強度と、第1及び第2の光信号P1,P2のデューティ比とを含む第1及び第2の光信号P1,P2のパラメータのうちの少なくとも1つを変化させることにより、脳波の周波数を目標周波数に誘導するように第1及び第2の信号発生回路11,12を制御する。
【0105】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、脳波制御装置10Aは、脳波の周波数が目標周波数に達したときの第1及び第2の光信号P1,P2のパラメータを格納する記憶装置17をさらに備える。制御回路15Aは、脳波の周波数が目標周波数に達したときの第1及び第2の光信号P1,P2のパラメータを初期値として第1及び第2の信号発生回路11,12に設定する。
【0106】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、記憶装置17は、脳波の周波数を誘導するために効果的であった第1及び第2の光信号P1,P2のパラメータの順序を格納し、制御回路15Aは、脳波の周波数を誘導するために効果的であった順序で、第1及び第2の光信号P1,P2のパラメータを変化させる。
【0107】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、脳波制御装置10は、第1のトランスデューサ3を用いて第1の音信号A1を発生させる第3の信号発生回路13と、第2のトランスデューサ4を用いて第2の音信号A2を発生させる第4の信号発生回路14とをさらに備える。制御回路15は、第3のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を第1のトランスデューサ3から断続的に発生することにより第1の音信号A1を発生させるように第3の信号発生回路13を制御する。制御回路15は、第3のスイッチング周波数に対して目標周波数に等しい差を有する第4のスイッチング周波数で交替するオン区間及びオフ区間を有するノイズ音を第2のトランスデューサ4から断続的に発生することにより第2の音信号A2を発生させるように第4の信号発生回路14を制御する。
【0108】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、第1及び第2の音信号A1,A2は、ホワイトノイズ又はピンクノイズの成分をそれぞれ含む。
【0109】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15は、第1及び第2の音信号A1,A2が可変なデューティ比をそれぞれ有するように、第3及び第4の信号発生回路13,14を制御する。
【0110】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15は、第1及び第2の音信号A1,A2が可変な信号強度をそれぞれ有するように、第3及び第4の信号発生回路13,14を制御する。
【0111】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15Aは、第1及び第2の音信号A1,A2が供給されるユーザ100の脳波の周波数を取得する。制御回路15Aは、第3及び第4のスイッチング周波数と、第1及び第2の音信号A1,A2の信号強度と、第1及び第2の音信号A1,A2のデューティ比とを含む第1及び第2の音信号A1,A2のパラメータのうちの少なくとも1つを変化させることにより、脳波の周波数を目標周波数に誘導するように第3及び第4の信号発生回路13,14を制御する。
【0112】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、脳波制御装置10Aは、脳波の周波数が目標周波数に達したときの第1及び第2の音信号A1,A2のパラメータを格納する記憶装置17をさらに備える。制御回路15Aは、脳波の周波数が目標周波数に達したときの第1及び第2の音信号A1,A2のパラメータを初期値として第3及び第4の信号発生回路13,14に設定する。
【0113】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、記憶装置17は、脳波の周波数を誘導するために効果的であった第1及び第2の音信号A1,A2のパラメータの順序を格納する。制御回路15Aは、脳波の周波数を誘導するために効果的であった順序で、第1及び第2の音信号A1,A2のパラメータを変化させる。
【0114】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15は、第1の音信号A1が第1の光信号P1に同期するように第1及び第3の信号発生回路11,13を制御する。制御回路15は、第2の音信号A2が第2の光信号P2に同期するように第2及び第4の信号発生回路12,14を制御する。
【0115】
本開示の一側面に係る脳波制御装置によれば、制御回路15は、第1の音信号A1が第1及び第2の光信号P1,P2に非同期であるように、かつ、第2の音信号A2が第1及び第2の光信号P1,P2に非同期であるように、第1~第4の信号発生回路14を制御する。
【0116】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、脳波制御システムは、ユーザ100の右目101に第1の光信号P1を照射するように構成された第1の光源1と、ユーザ100の左目102に第2の光信号P2を照射するように構成された第2の光源2と、ユーザ100の右耳103に第1の音信号A1を供給するように構成された第1のトランスデューサ3と、ユーザ100の左耳104に第2の音信号A2を供給するように構成された第2のトランスデューサ4と、脳波制御装置10とを備える。
【0117】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、第1及び第2の光源1,2はアイマスク21に組み込まれる。
【0118】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、脳波制御システムは、アイマスク32Dに組み込まれたヒーター5をさらに備える。制御回路15Dは、第1及び第2の光信号P1,P2が照射され、かつ、第1及び第2の音信号A1,A2が供給されるユーザ100の脳波を取得する。制御回路15Dは、脳波の周波数が目標周波数に達したとき、ヒーター5を発熱させる。
【0119】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、アイマスク21Dは、アロマセラピーのエッセンシャルオイルのための容器52を収容可能に構成される。
【0120】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、第1及び第2の光源1A,2Aは眼鏡23に一体化される。
【0121】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、第1及び第2の光源1B,2Bは、ユーザ100の右目101及び左目102に第1及び第2の光信号P1,P2をそれぞれ照射することに加えて、ユーザ100の右目101及び左目102以外の身体部分に第1及び第2の光信号P1,P2を照射するように構成される。
【0122】
本開示の一側面に係る脳波制御システムによれば、第1及び第2のトランスデューサ3,4は、ヘッドホン22に組み込まれる。また、第1及び第2のトランスデューサ3A,4Aは、イヤホンに組み込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示は、ユーザのストレスを緩和するリラクゼーション用製品に適用可能である。また、本開示は、例えば、軽度認知機能障害の予防のために適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1,1A,1B 第1の光源
2,2A,2B 第2の光源
3,3A 第1のトランスデューサ
4,4A 第2のトランスデューサ
5 ヒーター
10,10A~10D 脳波制御装置
11 第1の信号発生回路
12 第2の信号発生回路
13 第3の信号発生回路
14 第4の信号発生回路
15,15A~15D 制御回路
16 入力装置
17 記憶装置
18 駆動回路
21,21D アイマスク
22 ヘッドホン
23 眼鏡
30 脳波測定装置
31 脳波計
32 ヘッドセット
33,33C 制御回路
34 入力装置
35 記憶装置
36 通信回路
40 サーバ装置
41 通信回路
42 制御回路
43 記憶装置
51 ポケット
52 容器
100 ユーザ
101 右目
102 左目
103 右耳
104 左耳
200 インターネット