(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/36 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B65D5/36 B
B65D5/36 G
(21)【出願番号】P 2020169901
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
(72)【発明者】
【氏名】中路 哲也
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-178407(JP,A)
【文献】実開昭53-103432(JP,U)
【文献】実開昭56-053017(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00-5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四つの壁板と、隣り合う前記壁板の間に形成された
四つの傾斜壁と、を有する筒状の胴部と、前記胴部の下側の開口部に設けられた底板と、を備え、
前記胴部には、前後一対の第一壁板と、左右一対の第二壁板と、前記第一壁板と前記第二壁板との間に形成された第一傾斜壁
および第二傾斜壁と、が形成され、二つの前記第一傾斜壁が対角関係に配置され
るとともに、二つの前記第二傾斜壁が対角関係に配置されており、
前記底板は、
前記第一壁板の下縁部に連設された第一フラップと、
前記第二壁板の下縁部に連設された第二フラップと、を備え、
前記第一フラップには、
前記第一壁板の下縁部に連設されたフラップ本体と、
前記フラップ本体の前記第一傾斜壁側の側縁部に第一折れ線を介して連設された折り返し部と、が形成され、
前記第一折れ線は、前記第一壁板の下縁部の前記第一傾斜壁側の端部から前記第一フラップの先端部に亘って形成され、
前記折り返し部には、前記第一傾斜壁の下縁部に沿って配置される第一傾斜縁部が形成さ
れ、
前記フラップ本体には、前記第二傾斜壁の下縁部に沿って第二傾斜縁部が形成されており、
前記第二フラップには、
前記第二壁板の下縁部に連設された非接合部と、
前記非接合部の先端縁部に第二折れ線を介して連設された接合部と、が形成され、
前記第二折れ線は、前記第二壁板の下縁部から前記第二フラップの前記
第一傾斜壁側の側縁
部に亘って形成され、
前記第一フラップの前記折り返し部に、前記第二フラップの前記接合部が接合されており、
前記第一壁板の下縁部と前記第一折れ線とのなす角はθ度に設定され、
前記第一折れ線と前記第一傾斜縁部とのなす角はθ+x度に設定され
、
前記第二壁板の下縁部と前記第二折れ線とのなす角は、x/2度に設定されて
おり、
前記第一フラップを前記第一折れ線において折り畳むとともに、前記第二フラップを前記第二折れ線において折り曲げることで、前記第一フラップと前記第二フラップとの連結を維持しつつ、前記胴部を折り畳み可能であることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
前後の端壁および左右の側壁を有する筒状の胴部を備えている段ボール製の包装箱として、包装箱を折り畳んだ状態から胴部を筒状に開いたときに、底板が自動的に組み立てられるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような包装箱の底板は、端壁の下縁部に連設された第一フラップと、側壁の下縁部に連設された第二フラップとによって構成されている。第一フラップには、端壁の下縁部に連設されたフラップ本体と、フラップ本体の側縁部に折れ線を介して連設された折り返し部とが形成されており、折り返し部に第二フラップが接合されている。
【0003】
前記した包装箱を折り畳むときには、第一フラップおよび第二フラップを胴部内に入り込ませながら、胴部を折り畳んでいく。このとき、第一フラップは折れ線において折り畳まれ、フラップ本体、折り返し部および第二フラップが重なった状態で胴部内に収まる。
また、折り畳んだ包装箱を箱状に組み立てるときには、胴部を筒状に開いていくに連れて、第一フラップおよび第二フラップが胴部内で展開するため、底板を自動的に組み立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
隣り合う端壁と側壁との間に傾斜壁を形成した包装箱では、箱状から折り畳んだときに、傾斜壁によって端壁と側壁との横方向の間隔が変化する。そのため、前記した従来の包装箱のように、第一フラップと第二フラップとを連結しておいて、底板が自動的に組み立てられるように構成することが難しい。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決し、隣り合う壁板の間に傾斜壁を形成した構成において、折り畳まれた状態から箱状に組み立てるときに、底板を容易に組み立てることができる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、包装箱であって、四つの壁板と、隣り合う前記壁板の間に形成された四つの傾斜壁と、を有する筒状の胴部と、前記胴部の下側の開口部に設けられた底板と、を備えている。前記胴部には、前後一対の第一壁板と、左右一対の第二壁板と、前記第一壁板と前記第二壁板との間に形成された第一傾斜壁および第二傾斜壁と、が形成され、二つの前記第一傾斜壁が対角関係に配置されるとともに、二つの前記第二傾斜壁が対角関係に配置されている。前記底板は、前記第一壁板の下縁部に連設された第一フラップと、前記第二壁板の下縁部に連設された第二フラップと、を備えている。前記第一フラップには、前記第一壁板の下縁部に連設されたフラップ本体と、前記フラップ本体の前記第一傾斜壁側の側縁部に第一折れ線を介して連設された折り返し部と、が形成されている。前記第一折れ線は、前記第一壁板の下縁部の前記第一傾斜壁側の端部から前記第一フラップの先端部に亘って形成されている。前記折り返し部には、前記第一傾斜壁の下縁部に沿って配置される第一傾斜縁部が形成されている。前記フラップ本体には、前記第二傾斜壁の下縁部に沿って第二傾斜縁部が形成されている。前記第二フラップには、前記第二壁板の下縁部に連設された非接合部と、前記非接合部の先端縁部に第二折れ線を介して連設された接合部と、が形成されている。前記第二折れ線は、前記第二壁板の下縁部から前記第二フラップの前記第一傾斜壁側の側縁部に亘って形成されている。前記第一フラップの前記折り返し部に、前記第二フラップの前記接合部が接合されている。前記第一壁板の下縁部と前記第一折れ線とのなす角はθ度に設定されている。前記第一折れ線と前記第一傾斜縁部とのなす角はθ+x度に設定されている。前記第二壁板の下縁部と前記第二折れ線とのなす角は、x/2度に設定されている。前記第一フラップを前記第一折れ線において折り畳むとともに、前記第二フラップを前記第二折れ線において折り曲げることで、前記第一フラップと前記第二フラップとの連結を維持しつつ、前記胴部を折り畳み可能である。
【0008】
本発明の包装箱を折り畳むときには、第一フラップおよび第二フラップを胴部内に入り込ませながら胴部を折り畳む。このようにすると、第一フラップは第一折れ線において折れ曲がり、胴部内で折り畳まれる。
また、第二フラップは、第一フラップの折り返し部に引き込まれて、第二折れ線において折れ曲がる。第二折れ線は、第二壁板の下縁部に対して傾斜しているため、第二フラップの接合部(先端側の部位)は、第二壁板の下縁部に対して傾いて折り曲げられる。
これにより、隣り合う壁板の間に傾斜壁を形成した構成でも、包装箱を折り畳むときに、第一フラップと第二フラップとの連結を維持できる。
そして、折り畳んだ包装箱を箱状に組み立てるときには、胴部を筒状に開いていくに連れて、第一フラップおよび第二フラップが胴部内で展開するため、底板を自動的に組み立てることができる。
【0009】
前記した包装箱において、前記胴部には、前後一対の前記第一壁板と、左右一対の前記第二壁板と、対角の関係にある二つの前記第一傾斜壁と、対角の関係にある二つの第二傾斜壁と、を形成してもよい。この場合には、前記第一フラップには、前記第二傾斜壁の下縁部に沿って第二傾斜縁部を形成する。
この構成では、八角形の胴部を有する包装箱を折り畳んだ状態から箱状に組み立てるときに、底板を自動的に組み立てることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、隣り合う壁板の間に傾斜壁を形成した胴部を有する包装箱を、折り畳んだ状態から箱状に組み立てるときに、底板を容易に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る包装箱を前方右下から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る包装箱のブランクシートにおいて第一フラップおよび第二フラップの構成を示した説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る包装箱を示した底面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る包装箱を折り畳んだ状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、包装箱の構成や使用状態を限定するものではない。
【0013】
本実施形態の包装箱1は、
図1に示すように、八角形の角筒状に形成された胴部10と、胴部10の下側の開口部を閉塞している底板20と、胴部10の上側の開口部を閉塞している頂板30と、を備えている。
【0014】
本実施形態の包装箱1は、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS(
図2参照)を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートSは内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートSの折れ線は、ブランクシートSの表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0015】
胴部10は、
図1に示すように、前後一対の第一壁板11,11と、左右一対の第二壁板12,12と、左前と右後の対角の関係にある二つの第一傾斜壁14,14(
図2参照)と、右前と左後の対角の関係にある二つの第二傾斜壁15,15と、を備えている。
本実施形態では、第一壁板11、第二壁板12、第一傾斜壁14および第二傾斜壁15は、四角形に形成されている。胴部10の上面および下面には、八角形の開口部が形成されている。
【0016】
二つの第一傾斜壁14,14は、
図4に示すように、胴部10の左前の角部および右後の角部に形成されている。第一傾斜壁14は、隣り合う第一壁板11と第二壁板12との間に形成されている。第一傾斜壁14の一方の側縁部には、第一壁板11の側縁部が折れ線を介して連設され、他方の側縁部には、第二壁板12の側縁部が折れ線を介して連設されている。第一傾斜壁14は、第一壁板11および第二壁板12に対して傾斜している。
【0017】
二つの第二傾斜壁15,15は、胴部10の右前の角部および左後の角部に形成されている。第二傾斜壁15は、隣り合う第一壁板11と第二壁板12との間に形成されている。第二傾斜壁15の一方の側縁部には、第一壁板11の側縁部が折れ線を介して連設され、他方の両側縁部には、第二壁板12の側縁部が折れ線を介して連設されている。第二傾斜壁15は、第一壁板11および第二壁板12に対して傾斜している。
【0018】
右前の第二傾斜壁15の右縁部には、
図1に示すように、接合片13が連設されている。接合片13は、後側の第一壁板11の内面に接合されている。
ブランクシートS(
図2参照)を各折れ線で折り曲げつつ、接合片13を後側の第一壁板11の内面に接合することで、平面視で八角形の筒状の胴部10が形成される。
【0019】
頂板30は、
図2に示す外フラップ31および内フラップ32によって構成されている。前後の第一壁板11,11の上縁部に連設された前後一対の外フラップ31,31と、左右の第二壁板12,12の上縁部に連設された左右一対の内フラップ32,32とを重ねることで、
図1に示す頂板30が形成されている。頂板30によって胴部10の上側の開口部が閉塞されている。
【0020】
底板20は、前後の第一壁板11,11の下縁部に連設された前後一対の第一フラップ21,21と、左右の第二壁板12,12の下縁部に連設された左右一対の第二フラップ22,22と、によって形成されている。底板20によって胴部10の下側の開口部が閉塞されている。
【0021】
前側の第一フラップ21の基端縁部21aは、折れ線を介して前側の第一壁板11の下縁部L1に連設されている。前側の第一フラップ21は、胴部10の下側の開口部の前半分を閉塞するものである。前側の第一フラップ21の先端縁部21bの中央部には、
図2に示すように、凹部21cが形成されている。
【0022】
前側の第一フラップ21の左縁部には、
図4に示すように、左前の第一傾斜壁14の下縁部に沿って配置される第一傾斜縁部21dと、左側の第二壁板12の下縁部に沿って配置される第一側縁部21eと、が形成されている。
前側の第一フラップ21の右縁部には、右前の第二傾斜壁15の下縁部に沿って配置される第二傾斜縁部21fと、右側の第二壁板12の下縁部に沿って配置される第二側縁部21gと、が形成されている。
【0023】
前側の第一フラップ21には、前側の第一壁板11の下縁部L1に連設されたフラップ本体23と、フラップ本体23の第一傾斜壁14側(左側)の側縁部に第一折れ線L11を介して連設された折り返し部24と、が形成されている。
【0024】
第一折れ線L11は、
図2に示すように、第一壁板11の下縁部L1(第一フラップ21の基端縁部21a)から第一フラップ21の先端縁部21bに亘って形成されている。
本実施形態では、第一折れ線L11の先端部は、第一フラップ21の先端縁部21bに形成された凹部21cに接続されている。
【0025】
第一フラップ21には、第一折れ線L11を境界としてフラップ本体23と折り返し部24とが左右に区画されている。折り返し部24に第一傾斜縁部21dが形成され、フラップ本体23に第二傾斜縁部21fが形成されている。
【0026】
第一折れ線L11の基端部は、第一壁板11の下縁部L1の第一傾斜壁14側(左側)の端部に接続されている。第一壁板11の下縁部L1の端部、第一折れ線L11の基端部および第一傾斜縁部21dの基端部が接続されている。
【0027】
図3に示すように、第一壁板11の下縁部L1と第一折れ線L11とのなす角はθ度に設定されている。
第一折れ線L11と第一傾斜縁部21dとのなす角はθ+x度に設定されている。第一壁板11の下縁部L1の左端部から第一フラップ21の先端縁部21bの左端部に亘って仮想線L15を設定した場合には、第一折れ線L11と仮想線L15とのなす角はθ度であり、仮想線L15と第一傾斜縁部21dとのなす角はx度となっている。
【0028】
後側の第一フラップ21の基端縁部21aは、
図4に示すように、折れ線を介して後側の第一壁板11の下縁部L1に連設されており、胴部10の下側の開口部の後半分を閉塞するものである。後側の第一フラップ21は、前側の第一フラップ21を前後反転させるとともに、左右反転させた構成である(
図2参照)。つまり、後側の第一フラップ21では、フラップ本体23の右側の側縁部に第一折れ線L11を介して折り返し部24が連設されている。
【0029】
前後の第一フラップ21,21は、前後の第一壁板11,11に対して、胴部10の内側に折り曲げられており、前後の第一フラップ21,21の先端部において、凹部21c,21c同士が組み合わされている。そして、前側の第一フラップ21の先端部の左半分は、後側の第一フラップ21の先端部の右半分の下面に重ねられている。また、後側の第一フラップ21の先端部の右半分は、前側の第一フラップ21の先端部の左半分の下面に重ねられている。このようにして、前後の第一フラップ21,21の先端部同士が連結されている。
【0030】
左側の第二フラップ22の基端縁部22aは、折れ線を介して左側の第二壁板12の下縁部L2に連設されている(
図2参照)。左側の第二フラップ22は、基端縁部22aから先端部に向かうに連れて横幅が小さくなっている。
【0031】
第二フラップ22には、
図2に示すように、第二壁板12の下縁部L2に連設された非接合部25と、非接合部25の先端縁部に第二折れ線L12を介して連設された接合部26と、が形成されている。
【0032】
第二折れ線L12は、第二壁板12の下縁部L2の後端部から第二フラップ22の第一傾斜壁14側(後側)の側縁部に亘って形成されている。本実施形態では、ブランクシートSの状態において、第二折れ線L12の第一傾斜壁14側(後側)の端部が、第二壁板12の下縁部L2よりも第二壁板12に入り込んでいる。
第二壁板12の下縁部L2と第二折れ線L12とのなす角は、x/2度に設定されている。
【0033】
左側の第二フラップ22の接合部26は、前側の第一フラップ21の折り返し部24の上面に接合されている。なお、接合部26は、ホットメルト等の接合手段によって折り返し部24に接合されており、接合部26全体が折り返し部24に接合されている必要はない。また、第二フラップ22の非接合部25は、折り返し部24に接合されていない。
【0034】
右側の第二フラップ22の基端縁部22aは、折れ線を介して右側の第二壁板12の下縁部L2に連設されている。右側の第二フラップ22は、左側の第二フラップ22を左右反転させるとともに、前後反転させた構成である。
【0035】
包装箱1を箱状の状態から折り畳むときには、
図1に示す包装箱1の頂板30を開いた状態で、前側の第一壁板11と左前の第一傾斜壁14との間の折れ線および後側の第一壁板11と左後の第一傾斜壁14との間の折れ線を折り返し部として胴部10を折り畳む。
【0036】
このとき、両第一フラップ21,21および両第二フラップ22,22を胴部10内に入り込ませながら胴部を折り畳む。このようにすると、第一フラップ21は、
図5に示すように、第一折れ線L11において折れ曲がり、胴部10内で折り畳まれる。
【0037】
また、第二フラップ22は、第一フラップ21の折り返し部24に引き込まれて、第二折れ線L12において折れ曲がる。第二折れ線L12は、第二壁板12の下縁部L2に対して傾斜しているため、第二フラップ22の接合部26は、第二壁板12の下縁部L2に対して第一傾斜壁14側に傾いて折り曲げられる。
これにより、隣り合う第一壁板11と第二壁板12との間に第一傾斜壁14が形成されていても、包装箱1を折り畳んだときに、第一フラップ21と第二フラップ22との連結を維持できる。
【0038】
折り畳んだ包装箱1を箱状に組み立てるために、
図1に示すように、胴部10を筒状に開いていくと、隣り合う第一壁板11と第二壁板12とが開いていくに連れて、第一フラップ21のフラップ本体23と折り返し部24とが胴部10の底部に展開する。さらに、第一フラップ21の折り返し部24に押されて第二フラップ22も胴部10の底部に展開する。
このように、折り畳んだ胴部10を筒状に開くことで、底板20を自動的に組み立てることができる。
【0039】
したがって、隣り合う壁板11,12の間に傾斜壁14,15を形成した八角形の胴部10を有する包装箱1を、容易に折り畳むことができるとともに、折り畳んだ状態から箱状に組み立てるときに、底板20を容易に組み立てることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態の包装箱1は、
図1に示すように、四つの壁板11,12と四つの傾斜壁14,15とが形成された八角形の胴部10を備えているが、
本発明の参考例としては、胴部10には少なくとも一つの第一傾斜壁14が形成されていればよい。
【0041】
本実施形態の包装箱1では、第一フラップ21の折り返し部24の上面に第二フラップ22の接合部26が接合されているが、折り返し部24の下面に接合部26を接合してもよい。
【0042】
本実施形態の包装箱1では、胴部10の上側の開口部が頂板30によって閉塞されているが、頂板30の構成は限定されるものではない。更には、包装箱1に頂板30を設けなくてもよい。
【0043】
本実施形態の包装箱1は段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱1を形成できる。
【符号の説明】
【0044】
1 包装箱
10 胴部
11 第一壁板
12 第二壁板
13 接合片
14 第一傾斜壁
15 第二傾斜壁
20 底板
21 第一フラップ
21a 基端縁部
21b 先端縁部
21c 凹部
21d 第一傾斜縁部
21e 第一側縁部
21f 第二傾斜縁部
21g 第二側縁部
22 第二フラップ
22a 基端縁部
23 フラップ本体
24 折り返し部
25 非接合部
26 接合部
30 頂板
31 外フラップ
32 内フラップ
L11 第一折れ線
L12 第二折れ線
L15 仮想線
S ブランクシート