(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】フレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
H01M 50/519 20210101AFI20240214BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240214BHJP
【FI】
H01M50/519
H01M50/569
(21)【出願番号】P 2020176760
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 俊貴
(72)【発明者】
【氏名】北川 昌明
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-12614(JP,A)
【文献】特開2011-119253(JP,A)
【文献】特開2006-324355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0342191(US,A1)
【文献】特開2006-5235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/519
H01M 50/569
H01M 10/42
H01K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の可撓基板(31)と、
前記可撓基板に設けられる複数の電気素子(13,20,21,223,224)と、
複数の前記電気素子間を電気的に接続する第1配線(37,43)と、
複数の前記電気素子のうちの少なくとも1つと基準電位とを電気的に接続する第2配線(38,44)と、
前記可撓基板の強度を補強する補助配線(35)と、
前記補助配線と前記第1配線とを電気的に接続する、前記第2配線よりも抵抗値の高い放電配線(36)と、を有するフレキシブル基板。
【請求項2】
複数の前記電気素子のうちの前記第2配線が電気的に接続される前記電気素子はコンパレータ(20)であり、
前記コンパレータの入力端子に前記第1配線が電気的に接続されている請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
複数の前記電気素子のうちの前記第1配線が電気的に接続される前記電気素子は、直列接続された複数の電池セル(220)のうちの1つが備える電極端子(221,222)に接続される接続端子(223,224)である請求項2に記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
複数の前記補助配線が前記可撓基板に散らばって配置されている請求項1~3いずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
複数の前記補助配線の少なくとも一部は、交差しつつ電気的に接続された複数の導電線を備えるメッシュ配線である請求項4に記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記第1配線、前記第2配線、前記補助配線、および、前記放電配線それぞれの前記可撓基板に形成された部位の形成材料は同一である請求項1~5いずれか1項に記載のフレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の開示は、フレキシブル基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、ポリイミド等の絶縁基板と、絶縁基板の上面に形成された配線パターンと、絶縁基板の上面における配線パターンが形成されていない領域に形成されたベタパターンと、を備えるFPC基板が知られている。ベタパターンはFPC基板の強度を補強するためのものであり、配線パターンとは電気的に分離されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のFPC基板のベタパターンに電荷が溜まり、この電荷が放電すると、絶縁基板の一部が炭化する虞がある。この結果、FPC基板(フレキシブル基板)で絶縁破壊が生じる虞がある。
【0005】
本開示の目的は、絶縁破壊の抑制されたフレキシブル基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるフレキシブル基板は、絶縁性の可撓基板(31)と、
可撓基板に設けられる複数の電気素子(13,20,21,223,224)と、
複数の電気素子間を電気的に接続する第1配線(37,43)と、
複数の電気素子のうちの少なくとも1つと基準電位とを電気的に接続する第2配線(38,44)と、
可撓基板の強度を補強する補助配線(35)と、
補助配線と第1配線とを電気的に接続する、第2配線よりも抵抗値の高い放電配線(36)と、を有する。
【0007】
これによれば、補助配線(35)に電荷が溜まることが抑制される。そのために補助配線(35)に帯電した電荷が放電することが抑制される。この放電により可撓基板(31)の一部が炭化することが抑制される。この炭化により絶縁破壊の生じることが抑制される。
【0008】
放電配線(36)は第2配線(38,44)よりも抵抗値が高くなっている。そのために補助配線(35)に溜まった電荷の電気エネルギーが放電配線(36)で熱エネルギーに変換されやすくなる。これにより複数の電気素子(13,20,21,223,224)間を電気的に接続する第1配線(37,43)に補助配線(35)に溜まった電荷が流れることが抑制される。
【0009】
第2配線(38,44)は放電配線(36)よりも抵抗値が低くなっている。そのために第2配線(38,44)における電気素子(13,20,21,223,224)側の電位が第2配線(38,44)での電圧降下によって変動することが抑制される。
【0010】
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】監視装置が電池スタックに配置された状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0013】
各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせが可能である。また、特に組み合わせに支障が生じなければ、組み合わせが可能であることを明示していなくても、実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0014】
以下、実施形態を図に基づいて説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1~
図5に基づいて、本実施形態に係るフレキシブル基板を備える電池パックと、この電池パックがハイブリッド自動車に適用された例を説明する。
【0016】
<電池パックの概要>
電池パック400はハイブリッド自動車の電気負荷に電力供給する機能を果たす。この電気負荷には、動力供給源および発電源としての機能を果たすモータジェネレータが含まれている。例えばこのモータジェネレータが力行する場合、電池パック400は放電してモータジェネレータに電力供給する。モータジェネレータが発電する場合、電池パック400は発電によって生じた発電電力を充電する。
【0017】
電池パック400は電池ECU300を有する。この電池ECU300はハイブリッド自動車に搭載された各種ECU(車載ECU)と電気的に接続される。電池ECU300と車載ECUは相互に信号を送受信し、ハイブリッド自動車を協調制御する。この協調制御により、電池パック400の充電量に応じたモータジェネレータの発電と力行、および、内燃機関の出力などが制御される。図面では電池ECU300をBECUと表記している。
【0018】
なお、ECUはelectronic control unitの略である。ECUは、少なくとも1つの演算処理装置(CPU)と、プログラムおよびデータを記憶する記憶媒体としての少なくとも1つのメモリ装置(MMR)と、を有する。ECUはコンピュータやプロセッサで読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体はコンピュータやプロセッサで読み取り可能なプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供され得る。
【0019】
電池パック400は電池モジュール200を有する。
図2に示すように電池モジュール200は複数の電池セル220が電気的および機械的に直列接続された電池スタック210を有する。
【0020】
電池パック400は監視装置100を有する。監視装置100は電池スタック210を構成する各電池セル220の電圧を検出する。監視装置100はその監視結果を電池ECU300に出力する。電池ECU300は監視装置100の監視結果に基づいて複数の電池セル220それぞれのSOCの均等化を判断する。そして電池ECU300はその判断に基づく均等化処理の指示を監視装置100に出力する。監視装置100は電池ECU300から入力された指示にしたがって、複数の電池セル220のSOCを等しくする均等化処理を行う。SOCはstate of chargeの略である。
【0021】
以上に示すように電池パック400は、監視装置100、電池モジュール200、および、電池ECU300を有する。図示しないが、電池パック400はこれらの他に電池モジュール200を冷却する送風ファンを有する。この送風ファンの駆動は電池ECU300によって制御される。
【0022】
電池パック400はハイブリッド自動車の例えば座席下の配置空間に設けられる。概して後部座席下のほうが前部座席下よりも広い。そのために本実施形態の電池パック400は後部座席下の配置空間に設けられる。ただし電池パック400の配置場所としてはこれに限定されない。例えば後部座席とトランクルームの間、運転席と助手席の間などに電池パック400を配置することができる。電池パック400の配置場所としては特に限定されない。
【0023】
次に、電池モジュール200と監視装置100を説明する。それにあたって、以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、および、z方向と示す。本実施形態ではx方向はハイブリッド自動車の進退方向に沿っている。y方向はハイブリッド自動車の左右方向に沿っている。z方向はハイブリッド自動車の天地方向に沿っている。なお図面では、「方向」の記載を削除して、単に、x、y、zと表記している。
【0024】
<電池モジュールの概要>
上記したように電池モジュール200は電池スタック210を有する。また電池モジュール200は電池スタック210を収容する電池ケース(図示略)を有する。この電池ケースは筐体と蓋部を有する。筐体はアルミダイカストで製造される。また筐体は鉄やステンレスをプレス加工することで製造することもできる。蓋部は樹脂材料、若しくは、金属材料で形成される。
【0025】
筐体はz方向に開口するとともに底を有する箱形状を成している。筐体の開口は蓋部によって覆われている。筐体と蓋部とによって電池スタック210と監視装置100を収納する収納空間が構成されている。収納空間には風の流通する流通経路が構成されている。筐体と蓋部の少なくとも一方に、外部雰囲気と流通経路とを連通するための連通孔が構成されている。
【0026】
なお、筐体と同様にして、蓋部を空気よりも透磁率の高い金属材料で形成した場合、筐体と蓋部を介して外部から収納空間に電磁ノイズが流入することが抑制される。例えば、電池スタック210と電気的に接続される電力変換装置などで発生する電磁ノイズが収納空間に収納された監視装置100を透過することが抑制される。
【0027】
電池スタック210は複数の電池セル220を有する。これら複数の電池セル220はy方向に並んでいる。複数の電池セル220は電気的および機械的に直列接続されている。そのために電池モジュール200の出力電圧は複数の電池セル220の出力電圧を総和した電圧になっている。
【0028】
<監視装置の概要>
図1に示すように監視装置100は、複数の電池セル220それぞれの電圧を監視する監視部10、および、監視部10と複数の電池セル220それぞれとを電気的に接続するフレキシブル基板30を有する。監視部10とフレキシブル基板30はz方向で電池スタック210と並ぶ態様で電池モジュール200に設けられる。
【0029】
<電池スタックの構成>
上記したように電池スタック210は複数の電池セル220を有する。
図2に示すように電池セル220は四角柱形状を成す。電池セル220は6面を有する。
【0030】
電池セル220はz方向に面する上端面220aを有する。また図示しないが、電池セル220は上端面220aとz方向で離間して並ぶ下端面を有する。電池セル220はx方向で離間して並ぶ第1側面220cと第2側面220dを有する。電池セル220はy方向で離間して並ぶ第1主面220eと第2主面220fを有する。これら6面のうち第1主面220eと第2主面220fは他の4面よりも面積が大きくなっている。
【0031】
電池セル220はy方向の長さがz方向およびx方向の長さよりも短くなっている。そのために電池セル220はy方向の長さの短い平板形状を成している。複数の電池セル220はこのy方向に並んでいる。
【0032】
電池セル220は二次電池である。具体的には電池セル220はリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池は化学反応によって起電圧を生成する。起電圧の生成により電池セル220に電流が流れる。これにより電池セル220はガスを発生する。電池セル220は膨張する。なお電池セル220としてはリチウムイオン二次電池に限定されない。例えば電池セル220としては、ニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などを採用することができる。
【0033】
上記したように電池セル220の第1主面220eと第2主面220fは他の4面よりも面積が大きくなっている。そのために電池セル220では第1主面220eと第2主面220fは変形しやすくなっている。これにより電池セル220はy方向に膨張する。すなわち電池セル220は複数の電池セル220の並ぶ方向に膨張する。
【0034】
電池スタック210は図示しない拘束具を有する。この拘束具により、複数の電池セル220は機械的にy方向に直列接続されている。またこの拘束具により複数の電池セル220それぞれの膨張による電池スタック210の体格の増大が抑制されている。なお、隣接する電池セル220の間には空隙が構成されている。この空隙を空気が通ることで各電池セル220の放熱が促される。
【0035】
電池セル220の上端面220aに正極端子221と負極端子222が形成されている。正極端子221と負極端子222はx方向で離間して並んでいる。正極端子221は第1側面220c側に位置する。負極端子222は第2側面220d側に位置する。
【0036】
図2に示すように隣接して並ぶ2つの電池セル220は互いに第1主面220e同士、第2主面220f同士で対向している。隣接して並ぶ2つの電池セル220の上端面220aがy方向に並んでいる。これにより隣接して並ぶ2つの電池セル220のうちの一方の正極端子221と他方の負極端子222とがy方向に並んでいる。この結果、電池スタック210では、正極端子221と負極端子222とがy方向で交互に並んでいる。
【0037】
電池スタック210では、y方向で負極端子222と正極端子221とが交互に並ぶ第1電極端子群211と、y方向で正極端子221と負極端子222とが交互に並ぶ第2電極端子群212と、が構成されている。これら第1電極端子群211と第2電極端子群212とがx方向で離間して並んでいる。
【0038】
上記した第1電極端子群211と第2電極端子群212に含まれる複数の電極端子のうち、y方向で並んで隣り合う1つの正極端子221と1つの負極端子222とが直列端子223を介して機械的および電気的に接続されている。これにより電池スタック210を構成する複数の電池セル220が電気的に直列接続されている。
【0039】
本実施形態の電池スタック210は9個の電池セル220を有する。そのために正極端子221と負極端子222の総数は18個になっている。
図1および
図2に示すように、これら18個の電極端子に、最低電位から最高電位に向かうにしたがって数の大きくなる番数(No)を付与している。
【0040】
図2に示すようにNo.1の正極端子221とNo.2の負極端子222はy方向で隣接して並んでいる。これらx方向で隣接して並ぶ正極端子221と負極端子222が直列端子223を介して接続される。
【0041】
これと同様にして、第1電極端子群211では、No.1とNo.2の電極端子、No.5とNo.6の電極端子、No.9とNo.10の電極端子、No.13とNo.14の電極端子が直列端子223を介して接続される。第2電極端子群212では、No.3とNo.4の電極端子、No.7とNo.8の電極端子、No.11とNo.12の電極端子、No.15とNo.16の電極端子が直列端子223を介して接続される。このように9個の電池セル220は計8個の直列端子223を介して直列接続されている。
【0042】
以上に示した接続構成により、No.0の負極端子222は最低電位になる。No.17の正極端子221は最高電位になる。No.17の正極端子221は各電池セル220の出力を総和した電位になる。
【0043】
この最低電位の負極端子222と最高電位の正極端子221に出力端子224が接続されている。これら2つの出力端子224が電気負荷と電気的に接続される。この結果、最低電位と最高電位との電位差が、電池モジュール200の出力電圧として電気負荷に出力される。
【0044】
なお、出力端子224がほかの電池モジュール200の最低電位の負極端子222若しくは最高電位の正極端子221に接続されることで、複数の電池モジュール200が直列接続若しくは並列接続された構成を採用することもできる。電気負荷に電力供給する車載電源は1つの電池モジュール200によって構成されてもよいし、複数の電池モジュール200によって構成されてもよい。直列端子223と出力端子224が接続端子に相当する。
【0045】
<監視装置の回路構成>
次に、
図1に基づいて監視装置100の回路構成を説明する。
【0046】
図1に示すように監視部10は配線基板11、第1電子素子12、および、監視ICチップ13を有する。配線基板11に第1電子素子12と監視ICチップ13が搭載されている。第1電子素子12と監視ICチップ13は配線基板11の基板配線14を介して電気的に接続されている。
【0047】
配線基板11にフレキシブル基板30が接続される。このフレキシブル基板30を介して監視部10と電池スタック210とが電気的に接続されている。
【0048】
フレキシブル基板30にはコネクタ40が設けられている。コネクタ40は監視部10と電気的に接続されている。このコネクタ40に
図1に示すワイヤハーネス301が接続される。このワイヤハーネス301を介して監視部10と電池ECU300とが電気的に接続されている。図面においてコネクタ40をCNと表記している。なお、このコネクタ40はなくともよい。この場合、監視部10と電池ECU300とは無線によって電気信号の送受信を行う。
【0049】
フレキシブル基板30は絶縁性の可撓基板31と、可撓基板31に形成された複数の配線パターン32と、を有する。
【0050】
複数の配線パターン32それぞれの一端が直列端子223若しくは出力端子224に接続されている。これら複数の配線パターン32それぞれの他端が複数の基板配線14と電気的に接続されている。以上に示した配線の接続により電池セル220と監視ICチップ13とが電気的に接続されている。
【0051】
以下においては、説明を簡便とするため、互いに電気的に接続された配線パターン32と基板配線14をまとめて、適宜、電圧検出配線と示す。
【0052】
図1に示すように、可撓基板31に第2電子素子60が搭載されている。第2電子素子60はヒューズ61とインダクタ62を有する。また監視部10は第1電子素子12としてツェナーダイオード15、並列コンデンサ16、および、抵抗17を有する。これらツェナーダイオード15、並列コンデンサ16、および、抵抗17それぞれは配線基板11に搭載されている。
【0053】
図1に示すように複数の電圧検出線それぞれにヒューズ61、インダクタ62、および、抵抗17が設けられている。電池セル220から監視ICチップ13へと向かって、ヒューズ61、インダクタ62、および、抵抗17が順に直列接続されている。
【0054】
ツェナーダイオード15と並列コンデンサ16それぞれは、電位順に並ぶ2つの電圧検出線の間で並列接続されている。詳しく言えば電圧検出線におけるインダクタ62と抵抗17との間に、ツェナーダイオード15と並列コンデンサ16が接続されている。ツェナーダイオード15のアノード電極は隣り合う2つの電圧検出線のうちの低電位側に接続されている。ツェナーダイオード15のカソード電極は隣り合う2つの電圧検出線のうちの高電位側に接続されている。
【0055】
以上に示した接続構成により、抵抗17と並列コンデンサ16とによってRC回路が構成されている。このRC回路とインダクタ62は、電圧検出の際にノイズを除去するフィルタとしての機能を果たしている。
【0056】
なおツェナーダイオード15は、電池モジュール200から過電圧が印加された際に短絡故障(ショート故障)する構造となっている。具体的に言えば、ツェナーダイオード15は一対のリードによってPN接合型のICチップが狭持された構造となっている。一対のリードのうちの一方がアノード電極に接続され、他方がカソード電極に接続されている。
【0057】
係る構成のため、例えばICチップとリードとがワイヤを介して間接的に接続された構成とは異なり、過電圧の印加によるワイヤの破断によってツェナーダイオード15がオープン故障することが避けられている。
【0058】
ヒューズ61は、過電圧にてツェナーダイオード15が短絡故障した際に、電圧検出配線に流れる大電流によって破断するように構成されている。ヒューズ61の定格電流は、過電圧にてツェナーダイオード15が短絡故障した際の電圧検出配線に流れる大電流を基準に設定されている。ヒューズ61の破断により監視ICチップ13に大電流が流れることが抑制される。
【0059】
図1に模式的に示すように監視ICチップ13は、増幅などの信号処理を行うドライバ18と、複数の電池セル220を充放電するための複数のスイッチ19と、を有する。図面においてドライバ18をDRと表記している。
【0060】
スイッチ19は電位順に並ぶ2つの電圧検出線間の電気的な接続を制御する。スイッチ19の一端は電位順に並ぶ2つの電圧検出線の一方に接続された監視ICチップ13の配線に接続される。スイッチ19の他端は電位順に並ぶ2つの電圧検出線の他方に接続された監視ICチップ13の配線に接続される。ドライバ18によるスイッチ19の開閉制御によって、スイッチ19の接続された2つの電圧検出線に電気的に接続された電池セル220の充放電が制御される。
【0061】
また監視ICチップ13は、複数の電池セル220それぞれの電圧を検出するためのコンパレータ20を有する。コンパレータ20の反転入力端子と非反転入力端子とに、電位順に並ぶ2つの電圧検出線が接続される。これによりコンパレータ20の反転入力端子と非反転入力端子とに、1つの電池セル220の正極端子221と負極端子222が接続される。コンパレータ20から、1つの電池セル220の出力電圧(起電圧)を差動増幅したアナログ信号が出力される。
【0062】
監視ICチップ13はアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路21を有する。このAD変換回路21にコンパレータ20の出力端子が接続される。そしてAD変換回路21が監視ICチップ13の配線とフレキシブル基板30の配線を介してコネクタ40に接続されている。これにより、AD変換回路21によってデジタル信号に変換されたコンパレータ20の出力がワイヤハーネス301を介して電池ECU300に入力される。コネクタ40がない構成の場合、AD変換回路21から出力されたデジタル信号は無線によって電池ECU300に出力される。
【0063】
なお、コンパレータ20の入力インピーダンスは出力インピーダンスよりもハイインピーダンスになっている。そのために電池セル220からコンパレータ20に流れる電流は、複数の電池セル220の直列接続された電池スタック210に流れる電流に比べて微量になっている。
【0064】
電池セル220の充電状態(SOC)と起電圧には相関関係がある。電池ECU300はこの相関関係を記憶している。電池ECU300は監視ICチップ13から入力された出力電圧(起電圧)と記憶している相関関係に基づいて、複数の電池セル220それぞれのSOCを検出する。
【0065】
電池ECU300はこの検出したSOCに基づいて、複数の電池セル220それぞれのSOCの均等化処理を判断する。そして電池ECU300はその判断に基づく均等化処理の指示を監視ICチップ13のドライバ18に出力する。ドライバ18は均等化処理の指示にしたがって複数の電池セル220それぞれに対応するスイッチ19を開閉制御する。これにより複数の電池セル220が充放電される。複数の電池セル220のSOCが均等化される。
【0066】
また、電池ECU300は入力された電圧などに基づいて電池スタック210の充電状態も検出する。電池ECU300は検出した電池スタック210の充電状態を車載ECUに出力する。車載ECUはこの充電状態、車両に搭載された各種センサから入力されるアクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報、そしてイグニッションスイッチなどに基づいて、電池ECU300に指令信号を出力する。電池ECU300はこの指令信号に基づいて電池スタック210と電気負荷との接続を制御する。
【0067】
図示しないが、電池スタック210と電気負荷との間にはシステムメインリレーが設けられている。このシステムメインリレーは磁界の発生によって電池スタック210と電気負荷との電気的な接続を制御する。電池ECU300はこのシステムメインリレーの磁界の発生を制御することで、電池スタック210と電気負荷との接続を制御する。
【0068】
<フレキシブル基板>
次に、フレキシブル基板30を詳説する。上記したようにフレキシブル基板30は可撓基板31と配線パターン32を有する。
【0069】
可撓基板31は配線基板11よりも厚みが薄く、撓みやすい絶縁性の樹脂材料から成る。そのために可撓基板31は湾曲可能になっている。可撓基板31はz方向に並ぶ表面31aとその裏側の裏面との間の長さ(厚さ)の薄い扁平形状となっている。
【0070】
細分化して説明すると、可撓基板31は1つの母板33と複数の突起部34を有する。母板33は突起部34よりも体格が大きくなっている。母板33の平面形状はy方向に延びた矩形を成している。複数の突起部34の平面形状はx方向に延びた矩形を成している。
【0071】
図4に示すように母板33は複数の電池セル220それぞれの上端面220aに設けられる。複数の電池セル220と上記の拘束具の形状や配置などに応じて変形しやすいように、母板33に図示しない切り欠きが形成されていてもよい。また母板33の一部が蛇腹構造になっていてもよい。さらに言えば、電池ケースによって構成される収容空間での風の流動が妨げられるのを避けるために、z方向に貫通する切欠きや孔が母板33に形成されていてもよい。
【0072】
突起部34は母板33のy方向に延びる2つの側辺それぞれに一体的に連結されている。母板33の備える2つの側辺の1つから延びた複数の突起部34はy方向で離間して並んでいる。なお、突起部34はx方向からy方向に傾斜した斜め方向に延びてもよい。
【0073】
配線パターン32は母板33と突起部34それぞれの表面31aに形成されている。そして配線パターン32の大部分が被覆樹脂で覆われている。配線パターン32における被覆樹脂からの露出部位にヒューズ61やインダクタ62などの第2電子素子60が電気的に接続される。
【0074】
配線パターン32の一端は突起部34に設けられている。この突起部34と配線パターン32の一端とが直列端子223若しくは出力端子224に連結される。これによりフレキシブル基板30に直列端子223と出力端子224が設けられている。配線パターン32が直列端子223若しくは出力端子224と電気的に接続される。
【0075】
配線パターン32の他端は母板33に設けられている。配線パターン32の他端ははんだとワイヤを介して配線基板11の基板配線14に機械的および電気的に接続される。
【0076】
なお
図3と
図4では1つの配線パターン32を1つの単調に延びる1つの線によって表現している。しかしながら1つの配線パターン32の一部が複数に分岐することで、複数の異なる方向に延長する構成を採用することもできる。また、
図3と
図4では監視部10とコネクタ40とを接続する配線の記載を省略している。
【0077】
<補助パターン>
フレキシブル基板30は可撓基板31と配線パターン32の他に、補助パターン35を有する。補助パターン35は配線パターン32とともに母板33の表面31aに形成されている。そして補助パターン35は被覆樹脂で覆われている。
【0078】
上記したように可撓基板31はz方向の厚さが薄く、可撓性を備えている。そのためにz方向に直交する平面形状の体格が大きくなると、可撓基板31の形状が部分的に変形しやすくなる。
【0079】
補助パターン35はこの可撓基板31の部分的な変形を抑制するための機能を果たす。そのために
図3と
図4に示すように複数の補助パターン35が可撓基板31に分配配置されている。複数の補助パターン35は可撓基板31に散らばって配置されている。補助パターン35が補助配線に相当する。
【0080】
補助パターン35の形成材料としては、絶縁性を備える樹脂材料や、導電性を備える金属材料などを採用することができる。本実施形態の補助パターン35は配線パターン32と同一の金属材料から成る。この金属材料としては、例えば、金、銀、銅などを採用することができる。また、これら配線の形成材料としては、例えばカーボンを採用することもできる。なおもちろんではあるが、補助パターン35と配線パターン32それぞれの形成材料は異なってもよい。
【0081】
本実施形態の補助パターン35は、
図3と
図4においてハッチングで図示するように、導電線としての複数の細線が交差して電気的に接続されたメッシュ形状になっている。複数の細線には、延長方向の異なる第1細線と第2細線が含まれている。補助パターン35は複数の第1細線と複数の第2細線とが交差してなるメッシュ配線である。複数の第1細線と複数の第2細線とが互いに交差することで、可撓基板31上で補助パターン35は多数の格子を形成している。
【0082】
係る構成のため、フレキシブル基板30の柔軟性が可撓基板31における補助パターン35の形成領域と非形成領域とで著しく異なることが抑制されている。
【0083】
<絶縁破壊>
これまでに説明したように補助パターン35は機械的な強度を高める機能を果たす。そのために補助パターン35は
図1に示す電気回路の通電経路を構成していない。しかしながら補助パターン35は配線パターン32と同一の金属材料から成る。そのために補助パターン35は導電性を備えている。可撓基板31に分配配置された複数の補助パターン35が電気的に浮いている場合、空中に浮遊する電荷が補助パターン35に帯電する虞がある。
【0084】
特に、本実施形態で例示しているように、フレキシブル基板30が複数の電池セル220を備える電池モジュール200に設けられる場合、コロナ放電などによって電池モジュール200から空中に放たれた電荷が補助パターン35に帯電されやすくなる。補助パターン35に帯電した電荷が任意の配線に向かって放電すると、両者の間の可撓基板31の一部が炭化する。これにより絶縁破壊が発生する虞がある。
【0085】
<放電パターン>
係る課題を解決するため、
図5に示すように、可撓基板31に放電パターン36が形成されている。
図5においては、監視ICチップ13に含まれる構成要素の代表としてコンパレータ20を表記している。そしてコンパレータ20の入力端子と直列端子223若しくは出力端子224とを接続する入力パターン37を表記している。コンパレータ20とグランドなどの基準電位と接続される基準パターン38を表記している。放電パターン36が放電配線に相当する。入力パターン37には、上記した電圧検出配線が含まれている。
【0086】
これら入力パターン37と基準パターン38は配線基板11と可撓基板31それぞれに形成された配線を備えている。入力パターン37と基準パターン38それぞれの備える可撓基板31に形成された配線、および、放電パターン36それぞれは配線パターン32と同一の金属材料から成る。可撓基板31に形成されるすべての配線は同一の金属材料から成る。なお本実施形態では、入力パターン37と基準パターン38それぞれの備える配線基板11に形成された配線も配線パターン32と同一の金属材料から成る。
【0087】
放電パターン36は補助パターン35と入力パターン37とを電気的に接続している。詳しく言えば、放電パターン36は補助パターン35と入力パターン37の備える可撓基板31の配線とを電気的に接続している。
【0088】
なお、コンパレータ20は入力端子として非反転入力端子と反転入力端子を有する。図面では非反転入力端子に接続される入力パターン37のみを図示している。この入力パターン37に放電パターン36が電気的に接続されている。
【0089】
係る電気的な接続構成により、補助パターン35に電荷が帯電したとしても、その電荷が放電パターン36を介して入力パターン37に流動する。その電荷の一部が基準電位などに流れる。
【0090】
この結果、補助パターン35に電荷の帯電することが抑制される。補助パターン35に帯電した電荷が任意の配線に向かって放電することが抑制される。可撓基板31における2つの配線の間の部位の炭化が抑制される。フレキシブル基板30での絶縁破壊の発生が抑制される。
【0091】
なお、補助パターン35の電荷は放電パターン36を介して入力パターン37に絶えず出力される。そのために補助パターン35から入力パターン37に流れる電流量は微量になることが期待される。
【0092】
<寄生容量>
しかしながら、これまでに説明したように、可撓基板31には、可撓基板31の剛性を補強するための補助パターン35が形成されている。そして複数の補助パターン35は可撓基板31に散らばって配置されている。そのため、この補助パターン35と任意の配線との間で意図しない寄生容量が形成されやすくなっている。この寄生容量によって閉ループが構成され、この閉ループを電流ノイズが流れ続ける虞がある。この結果、コンパレータ20の出力が変動する虞がある。すなわち、電池セル220の出力電圧を差動増幅した信号(検出信号)が変動する虞がある。電池セル220の出力電圧の検出精度が低下する虞がある。
【0093】
<第1閉ループ>
例えば
図5に示すように、基準パターン38の備える可撓基板31の配線と補助パターン35との間で第1寄生容量41が形成される虞がある。この第1寄生容量41のために、補助パターン35、放電パターン36、入力パターン37、コンパレータ20、基準パターン38、および、第1寄生容量41を介して補助パターン35に戻る第1閉ループが形成される。補助パターン35に帯電した電荷(電流ノイズ)の一部は、放電パターン36、入力パターン37、コンパレータ20、および、基準パターン38を介して基準電位に流れる。しかしながら、残りの電荷は第1閉ループを流れる。
【0094】
基準パターン38における第1閉ループの一部を構成する部位には、基準パターン38の備える配線基板11の配線が含まれている。この基準パターン38の備える配線基板11の配線には配線抵抗としての基準抵抗38aがある。そのため、補助パターン35に帯電した電荷が第1閉ループを流動すると、この基準抵抗38aによる電圧降下のために、基準パターン38におけるコンパレータ20側の電位がグランド電位よりも高くなる。この結果、コンパレータ20から出力される検出信号が変動する。
【0095】
第1閉ループの電荷の通りやすさは、当然ながらにして、第1閉ループのインピーダンスに依存している。そのため、第1閉ループのインピーダンスを高めつつ、基準抵抗38aの抵抗値を低める。こうすることで、第1閉ループでの電荷の流動を抑制しつつ、検出信号の変動を抑制することができる。
【0096】
係る作用効果を奏するため、監視装置100では、検出信号の出力経路とは異なる放電パターン36に、放電抵抗36aを設けている。そしてこの放電抵抗36aの抵抗値を基準抵抗38aの抵抗値よりも高めている。逆に言えば、この放電抵抗36aの抵抗値よりも基準抵抗38aの抵抗値を低めている。これにより、第1閉ループでの電荷の流動が抑制されるとともに、検出信号の変動が抑制される。
【0097】
なお、放電抵抗36aは、放電パターン36そのものが備える抵抗でもよいし、放電パターン36に接続された抵抗素子でもよい。放電抵抗36aの抵抗値は、放電パターン36を介した補助パターン35と入力パターン37との間の通電経路の抵抗値に相当する。放電抵抗36aの抵抗値は、第1閉ループにおける基準パターン38を通る経路の抵抗値よりも高くなっている。なお、放電抵抗36aの抵抗値は、基準パターン38を介したコンパレータ20と基準電位との間の通電経路の抵抗値よりも高くともよい。
【0098】
<第2閉ループ>
図5に破線で示すように、補助パターン35と入力パターン37との間に第2寄生容量42が形成される。この第2寄生容量42のため、補助パターン35、放電パターン36、入力パターン37、および、第2寄生容量42を介して補助パターン35に戻る第2閉ループが形成される。補助パターン35に帯電した電荷が第2閉ループを流れる。
【0099】
しかしながら、上記したように、放電抵抗36aの抵抗値は基準抵抗38aの抵抗値よりも高くなっている。そのため、補助パターン35に帯電した電荷の電気エネルギーは、放電抵抗36aで熱エネルギーに変換されやすくなっている。これにより、検出信号が第2閉ループを流動する電荷によって変動することが抑制される。
【0100】
なお、放電抵抗36aの抵抗値が高すぎると、補助パターン35に帯電した電荷の放電が遅延する。そのため、放電抵抗36aの抵抗値の上限としては、例えば、可撓基板31における複数の通電経路の抵抗値のうちの最も高い抵抗値などに基づいて決定することができる。
【0101】
(第1の変形例)
本実施形態ではコンパレータ20の入力端子と直列端子223若しくは出力端子224とを接続する入力パターン37に放電パターン36が接続された例を示した。しかしながら、例えば
図6において一般化して示すように、監視ICチップ13と直列端子223若しくは出力端子224とを接続する第1配線パターン43に放電パターン36が接続された構成を採用することもできる。監視ICチップ13、コンパレータ20、直列端子223、および、出力端子224が電気素子に含まれる。
【0102】
係る構成においては、監視ICチップ13に含まれる電子素子と基準電位とを接続する第2配線パターン44の配線抵抗44aの抵抗値よりも、放電パターン36の放電抵抗36aの抵抗値のほうが大きくなる。なお、第1配線パターン43と第2配線パターン44それぞれに接続される電子素子は、電池セル220の出力電圧の検出に寄与する能動素子や受動素子である。この電子素子には、当然ながらにしてコンパレータ20やAD変換回路21が含まれている。入力パターン37と第1配線パターン43が第1配線に相当する。基準パターン38と第2配線パターン44が第2配線に相当する。
【0103】
(第2の変形例)
本実施形態では監視装置100と電池ECU300とがワイヤハーネス301を介して電気的に接続される例を示した。しかしながら、上記したように、監視装置100と電池ECU300とが無線によって信号の送受信を行う構成を採用することもできる。この構成の場合、監視装置100はコネクタ40の代わりに無線信号を送受信するための通信部を備える。この通信部と監視ICチップ13に含まれる電子素子とが電気的に接続される。
【0104】
複数の電池モジュール200が直列接続若しくは並列接続される構成の場合、複数の電池モジュール200それぞれに監視装置100が搭載される。これら複数の監視装置100それぞれが電池ECU300と無線通信する構成を採用することができる。もちろんではあるが、複数の監視装置100それぞれが電池ECU300と有線によって信号の送受信を行う構成を採用することもできる。
【0105】
(その他の変形例)
本実施形態では補助パターン35がメッシュ形状である例を示した。しかしながら補助パターン35は例えばベタ形状でもよい。補助パターン35の形状としては特に限定されない。
【0106】
本実施形態ではフレキシブル基板30を備える電池パック400がハイブリッド自動車に適用された例を示した。しかしながら電池パック400は例えばプラグインハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両に適用することもできる。
【0107】
本実施形態ではフレキシブル基板30が電池パック400に適用された例を示した。しかしながらフレキシブル基板30の適用としては上記例に限定されない。可撓性を備えるフレキシブル基板30を採用する用途のある各種民生の電気製品に適用することができる。
【0108】
例えば、配置スペースが制限されているために、その配置スペースに応じて形状を変化させることの求められる電気製品にフレキシブル基板30を適用することができる。信号線の増大によって体格の増大が懸念される電気製品にフレキシブル基板30を適用することができる。
【0109】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0110】
10…監視部、13…監視ICチップ、20…コンパレータ、21…AD変換回路、30…フレキシブル基板、31…可撓基板、32…配線パターン、35…補助パターン、36…放電パターン、37…入力パターン、38…基準パターン、43…第1配線パターン、44…第2配線パターン、100…監視装置、200…電池モジュール、220…電池セル、221…正極端子、222…負極端子、223…直列端子、224…出力端子、300…電池ECU、400…電池パック