(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ソファユニット
(51)【国際特許分類】
A47C 17/02 20060101AFI20240214BHJP
A47C 4/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A47C17/02 Z
A47C4/02 A
A47C4/02 F
(21)【出願番号】P 2022141714
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2017179334の分割
【原出願日】2017-09-19
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】林 友彦
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-174808(JP,A)
【文献】登録実用新案第3206400(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0062145(US,A1)
【文献】ADD PDF Collection sheet,LAPALMA,2014年,p.3-9
【文献】Add Sofa System,YouTube,2016年10月20日,0:09-0:34, 2:34-2:50
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 4/02
A47C 17/00-37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のソファ構成部材の中から選択された特定の1又は2以上のソファ構成部材と、そのソファ構成部材を支持するベースとを具備してなるソファユニットであって、
前記ベースが、脚を有する複数の脚部材の中から選択された特定
の2以上の脚部材により構成されたもので、
前記脚部材の少なくとも1つが、平面視120度の角度をなして交差する後側横架材と、前記後側横架材の交差部に配された脚と、平面視120度の角度をなして交差し前記後側横架材よりも短く交差部に脚が配されていない前側横架材とを備えている120度脚部材であるソファユニット。
【請求項2】
前記脚部材の少なくとも他の1つが、ソファ奥行方向に延びるソファ奥行方向横架材と、前記ソファ奥行方向横架材に設けられた2本の脚とを備えている請求項1記載のソファユニット。
【請求項3】
平面視した場合に、各辺が所定の長さ寸法を有する矩形状の領域である単位モジュール、及び短辺が前記所定の長さ寸法の半分であり長辺が前記所定の長さ寸法を有する矩形状の領域である半単位モジュールを隣接配置して形成される形状をなし、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が、前記半単位モジュールと同一の形状である半モジュール、前記単位モジュールと同一の形状である1モジュール又は短辺が前記所定の長さ寸法であり長辺が前記所定の長さ寸法の1.5倍の矩形状である1.5モジュールのいずれかに対応するものである請求項1記載のソファユニット。
【請求項4】
前記ソファ構成部材と前記ベースとの間の止着部が、各モジュールごとに同一の箇所に設けられている請求項3記載のソファユニット。
【請求項5】
前記止着部が、ベースに設けられたネジ挿通孔に貫通させたネジと、前記ソファ構成部材の底部に設けられたナットとを備えたものである請求項4記載のソファユニット。
【請求項6】
前記脚部材の他の1つの2本の脚が、前記ソファ奥行方向横架材に剛結されている請求項2記載のソファユニット。
【請求項7】
前記ベースが、前記120度脚部材と、この120度脚部材を挟んで配された2つの脚部材と、さらに他の脚部材と、前記2つの脚部材のうち1つと前記他の脚部材とを接続する脚を有しない接続部材とを備えたものである請求項1記載のソファユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース上にシートやベンチ等の構成部材を取捨選択して配置することが可能なソファユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のソファユニットとして、ベース上に所望の構成部材を配置していろいろなデザインのソファを構成することができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、従来のものは、前記ベースが、設計段階で決定された特定の形態をなすものであるため、ソファユニット全体の大きさや形を変化させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、ソファユニット全体の大きさや形を容易に変化させ、多様な形態のソファユニットを自在に構築することができる構成のソファユニットを実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係るソファユニットは、複数種類のソファ構成部材の中から選択された特定の1又は2以上のソファ構成部材と、そのソファ構成部材を支持するベースとを具備してなるソファユニットであって、前記ベースが、脚を有する複数の脚部材の中から選択された特定の2以上の脚部材により構成されたもので、前記脚部材の少なくとも1つが、平面視120度の角度をなして交差する後側横架材と、前記後側横架材の交差部に配された脚と、平面視120度の角度をなして交差し前記後側横架材よりも短く交差部に脚が配されていない前側横架材とを備えている120度脚部材である。
【0007】
請求項2記載の発明に係るソファユニットは、請求項1記載の構成のものにおいて、前記脚部材の少なくとも他の1つが、ソファ奥行方向に延びるソファ奥行方向横架材と、前記ソファ奥行方向横架材に設けられた2本の脚とを備えているものである。
【0008】
請求項3記載の発明に係るソファユニットは、請求項1記載の構成のものにおいて、平面視した場合に、各辺が所定の長さ寸法を有する矩形状の領域である単位モジュール、及び短辺が前記所定の長さ寸法の半分であり長辺が前記所定の長さ寸法を有する矩形状の領域である半単位モジュールを隣接配置して形成される形状をなし、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が、前記半単位モジュールと同一の形状である半モジュール、前記単位モジュールと同一の形状である1モジュール又は短辺が前記所定の長さ寸法であり長辺が前記所定の長さ寸法の1.5倍の矩形状である1.5モジュールのいずれかに対応するものである。
【0009】
なお、本発明において、「単位モジュール」とは、各辺が所定の長さ寸法を有する矩形状の領域である。
【0010】
請求項4記載の発明に係るソファユニットは、請求項3記載の構成のものにおいて、前記ソファ構成部材と前記ベースとの間の止着部が、各モジュールごとに同一の箇所に設けられているものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係るソファユニットは、請求項4記載の構成のものにおいて、前記止着部が、ベースに設けられたネジ挿通孔に貫通させたネジと、前記ソファ構成部材の底部に設けられたナットとを備えたものである。
【0012】
請求項6記載の発明に係るソファユニットは、請求項2記載の構成のものにおいて、前記脚部材の他の1つの2本の脚が、前記ソファ奥行方向横架材に剛結されているものである。
【0013】
請求項7記載の発明に係るソファユニットは、請求項1記載の構成のものにおいて、前記ベースが、前記120度脚部材と、この120度脚部材を挟んで配された2つの脚部材と、さらに他の脚部材と、前記2つの脚部材のうち1つと前記他の脚部材とを接続する脚を有しない接続部材とを備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ソファユニット全体の大きさや形を容易に変化させ、多様な形態のソファユニットを自在に構築することができる構成のソファユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る第1のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図2】同実施形態に係る第2のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図3】同実施形態に係る第3のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図4】同実施形態に係る第4のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図5】同実施形態に係る第5のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図6】同実施形態に係る第6のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図7】同実施形態に係る第7のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図8】同実施形態に係る第8のソファ構成部材を示す斜視図。
【
図10】同実施形態に係る中間脚部材を示す斜視図。
【
図11】同実施形態に係るコーナー脚部材を示す斜視図。
【
図12】同実施形態に係る120度脚部材を示す斜視図。
【
図14】同実施形態に係るソファユニットを模式的に示す平面図。
【
図15】同実施形態に係るソファユニットの一つを示す斜視図。
【
図16】
図15に示すソファユニットのソファ構成部材及びベースを示す平面図。
【
図17】
図15に示すソファユニットのベースの一部を示す平面図。
【
図18】
図15に示すソファユニットのベースの略一半部を示す斜視図。
【
図23】同実施形態に係るソファユニットの他の一つを示す斜視図。
【
図25】
図23に示すソファユニットのベースの略一半部を示す斜視図。
【
図26】同実施形態に係るソファユニットの他の一つを示す斜視図。
【
図28】
図26に示すソファユニットのベースの略一半部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に述べる。
【0017】
本実施形態は、例えば、
図1~
図8に示す複数のソファ構成部材1~8と、
図9~
図12に示す脚部材9~12と、
図13に示す接続部材13~16とを選択的に用いて
図14の(a)~(f)に模式的に示すソファユニットS1~S6を構成するようにしたものである。なお、本実施形態に係るソファユニットのうち、本発明を適用したものはソファユニットS5及びS6であり、残りのソファユニットS1~S4は本発明に類似した効果を奏するものである。
【0018】
図1に示す第1のソファ構成部材1は、平面視における輪郭が1モジュールに対応する平面視矩形状をなすものであり、座1aと背凭れ1bとを具備してなる。前記背凭れ1bは、座1aの1辺に沿って立設されている。
【0019】
図2に示す第2のソファ構成部材2は、平面視における輪郭が1.5モジュールに対応する平面視矩形状をなすものであり、座2aと背凭れ2bとを具備してなる。前記背凭れ2bは、座2aの1辺に沿って立設されている。
【0020】
図3に示す第3のソファ構成部材3は、平面視における輪郭が1モジュールに対応する平面視矩形状をなすものであり、座3aと背凭れ3bとを具備してなる。前記背凭れ3bは、座3aの直交する2辺に沿って立設されている。
【0021】
図4に示す第4のソファ構成部材は、
図1に示す第1のソファ構成部材1に対応した2つの仮想ソファ構成部材を120度交差させて合体させた形態をなすもので、座4aと背凭れ4bとを具備してなる。前記背凭れ4bは、前記座4aの120度をなして交差する2辺に沿って立設されている。
【0022】
図5に示す第5のソファ構成部材5は、平面視における輪郭が半モジュールに対応する平面視矩形状をなすものであり、座のみにより構成されている。
【0023】
図6に示す第6のソファ構成部材6は、平面視における輪郭が1モジュールに対応する平面視矩形状をなすものであり、座のみにより構成されている。
【0024】
図7に示す第7のソファ構成部材7は、平面視における輪郭が半モジュールに対応する平面視矩形状をなす天板である。
【0025】
図8に示す第8のソファ構成部材8は、平面視における輪郭が1モジュールに対応する平面視矩形状をなす天板である。
【0026】
図9に示す脚部材(以下、外装脚部材9と称する)は、ソファ奥行方向に延びるソファ奥行方向横架材21と、これらソファ奥行方向横架材21の両端に溶接等により剛結された2本の脚23と、これら両脚23の上端部からソファ幅方向に突設された接続アーム25とを備えている。これらの接続アーム25は、当該外装脚部材9の内面側にのみ突設されたもので、竪壁27と、この竪壁27の上縁及び下縁からそれぞれ延出する水平壁29とを備えたチャネル状のものである。上下の水平壁29の中央部には、ソファ構成部材を取り付けるための図示しないネジが挿通されるネジ挿通孔31、32が形成されている。また、上の水平壁29における前記ネジ挿通孔31の両側に接続部材13~16を取り付けるための孔33及びナット34が設けられている。また、前記竪壁27にも、接続部材13~16を取り付けるための孔35及びナット36が設けられている。
【0027】
図10に示す脚部材(以下、中間脚部材10と称する)は、ソファ奥行方向に延びるソファ奥行方向横架材37と、これらソファ奥行方向横架材37の下面に溶接等により剛結された2本の脚39と、前記ソファ奥行方向横架材37の両端に溶接等により剛結された角パイプ状のパイプ部材41と、これらパイプ部材41の両端からそれぞれソファ幅方向に突設された接続アーム43とを備えている。これらの接続アーム43は、前記外装脚部材9の接続アーム25に準じた構成を有したものであり、対応する部分には同一の名称及び符号を付して説明を省略する。
【0028】
図11に示す脚部材(以下、コーナー脚部材11と称する)は、背凭れの下側に位置すべく直角をなして交差する1対の後側横架材45と、座の前縁に位置すべく直角をなして交差する1対の前側横架材47と、前記後側横架材45の交差部に剛結された脚49と、前記前側横架材47の交差部に剛結された脚51と、前記前側横架材47の中間部の下面に剛結された脚53と、前記後側横架材45の開放端及び前記前側横架材47の交差部に設けられたL字形パイプ部材54から突設された接続アーム55とを備えている。これらの接続アーム55は、前記外装脚部材9の接続アーム25に準じた構成を有したものであり、対応する部分には同一の名称及び符号を付して説明を省略する。また、前記後側横架材45及び前側横架材47は、ソファ構成部材を止着するためのネジを挿通させるためのネジ孔57~60を有している。
【0029】
図12に示す脚部材(以下、120度脚部材12と称する)は、平面視120度の角度をなして交差する後側横架材61と、前記後側横架材61の交差部に剛結された脚63と、平面視120度の角度をなして交差する前側横架材65とを備えている。各横架材61、65は、端部に前述した接続アーム25、43を嵌入することができる角パイプ状のものである。この120度脚部材12は、前記第4のソファ構成部材4専用のものであり、前記第4のソファ構成部材4に設けられたナットに対応する部位にそれぞれネジ挿通孔67~70を有している。
【0030】
図13に示す接続部材13~16は、端部に前記接続アーム25、43、55を嵌入させることができる角柱パイプ状のものであり、その実施形態においては、例えば全長が3モジュール分に対応する第1の接続部材13(
図13の(a))、全長が2モジュール分に対応する第2の接続部材14(
図13の(b))全長が1モジュール分に対応する第3の接続部材15(
図13の(c))及び全長が半モジュール分に対応する第4の接続部材16(
図13の(d))が用意されている。これらの接続部材13~16は、
図13、
図17及び
図18に示すように、その上面にソファ構成部材1~8を止着するためのネジを挿通させるためのネジ孔71、73を有しているとともに、その下面にも前記ネジを挿通させるためのネジ孔72、74を有している。そして、前記接続部材13~16の上面及び一側面には、前記接続アーム25、43、55と接続するためのネジを挿通させるためのネジ孔75を有している。
【0031】
以上説明した複数のソファ構成部材1~8と前記脚部材9~12に連結部材13~16を組み合わせたベースB1~B6とを用いて、例えば
図14の(a)~(f)に示すようなソファユニットS1~S6を構成することができる。
【0032】
以下、各ソファユニットの構成を説明する。
<
図14(a)のソファユニット>
このソファユニットS1は、
図15~
図22に示すものであり、
図15は、このソファユニットS1の全体を示す斜視図、
図16はこのソファユニットS1のベースB1とソファ構成部材2、7とを水平方向にずらした状態を示す平面図である。
図17は、ベースB1の1モジュール分を拡大して示す平面図であり、
図18は、同ベースB1の片半部を示す斜視図である。また、
図19は、
図18におけるA拡大矢視図、
図20は、同図におけるB拡大矢視図、
図21は、同図におけるC拡大矢視図、
図22は、同図におけるD拡大矢視図である。なお、
図18では、接続部材13を想像線で示している。
【0033】
前記ソファユニットS1は、
図15及び
図16に示すように、6モジュール分の大きさを有した直列配置形式のものであり、前述した複数種類のソファ構成部材の中から選択された3つの前記第2のソファ構成部材2及び3つの前記第7のソファ構成部材7と、これらのソファ構成部材2、7を支持するベースB1とを具備してなる。
【0034】
前記ベースB1は、
図16及び
図18に示すように、ソファ幅方向両端部に配された対をなす外装脚部材9と、ソファ幅方向中央部に配された中間脚部材10と、これら外装脚部材9及び中間脚部材10の間に配された4本の第1の接続部材13すなわち3モジュール分に対応した長さ寸法を有する第1の接続部材13とを備えている。各第1の接続部材13の端部は、対応する前記外装脚部材9及び中間脚部材10の接続アーム25、43に外嵌され、図示しないネジにより抜出不能に止着されている。
【0035】
このような構成のベース上に、前記第2のソファ構成部材2及び前記第7のソファ構成部材7が配されている。すなわち、
図16に示すように、第2のソファ構成部材2は、1.5モジュールに対応する寸法を有したもので、隣接する2つのモジュールMに亘って配されている。換言すれば、第2のソファ構成部材2の
図16中左端部分に埋設された前後対をなすナット2yは一方のモジュールM内、より具体的には該モジュールMの中間部に設定された従たる止着部M2に対応し、
図16中右端部分に埋設された前後対をなすナット2xは他方のモジュールM内、より具体的には該モジュールMの角部近傍に設定された主たる止着部M1に対応している。前記第7のソファ構成部材7は、半モジュールに対応する寸法を有したもので、
図16中左側部分に埋設された前後対をなすナット7xは対応する各モジュールMの主たる止着部M1に対応し、
図16中右側部分に埋設された前後対をなすナット7yは各モジュールMの従たる止着部M2に対応している。前記主たる止着部M1は、ベースB1に設けられたネジ挿通孔71、72に貫通させたネジと、前記ナット2x、7xとを備えており、前記ナット2x、7xに前記ネジを螺着することにより機能する。又、前記従たる止着部M2は、ベースB1に設けられたネジ挿通孔73、74に貫通させたネジと、前記ナット2y、7yとを備えており、前記ナット2y、7yに前記ネジを螺着することにより機能する。そして、前記第2のソファ構成部材2及び前記第7のソファ構成部材7は、前記ベースB1上に交互に配置されている。その上で、1.5モジュールに対応する寸法を有した前記第2のソファ構成部材2及び半モジュールに対応する寸法を有した前記第7のソファ構成部材7は、いずれも前記主たる止着部M1及び前記従たる止着部M2の双方を介して前記ベースB1に止着されている。
【0036】
なお、各モジュールMは、平面視1辺の長さがd1、より具体的には700mmの正方形の領域である。また、各モジュールM内における主たる止着部M1間の距離、換言すれば接続部材13に設けられ前記主たる止着部M1を構成するネジ挿通孔71間の距離はd2、より具体的には500mmである。互いに隣接する主たる止着部M1と従たる止着部M2との距離、換言すれば接続部材13に設けられ前記主たる止着部M1を構成するネジ挿通孔71と前記従たる止着部M2を構成するネジ挿通孔72との間の距離はd3、より具体的には150mmである。そして、各モジュール内における一半部に位置する主たる止着部と他半部に位置する従たる止着部との距離、換言すれば前記接続部材13の一半部に設けられ前記主たる止着部M1を構成するネジ挿通孔71と前記接続部材13の他半部に設けられ前記従たる止着部M2を構成するネジ挿通孔72との間の距離はd1/2、より具体的には350mmである。
<
図14(b)のソファユニット>
このソファユニットS2は、
図23~
図25に示すものであり、
図23は、このソファユニットS2の全体を示す斜視図、
図23はこのソファユニットS2のベースB2を示す平面図である。
図25は、同ベースB2の略片半部を示す斜視図である。なお、
図25では、接続部材13を想像線で示している。
【0037】
前記ソファユニットS2は、
図23に示すように、7モジュール分の大きさを有したL字配置形式のものであり、前述した複数種類のソファ構成部材の中から選択された2つの前記第2のソファ構成部材2、1つの前記第5のソファ構成部材5、2つの前記第6のソファ構成部材6、1つの前記第7のソファ構成部材7及び1つの前記第8のソファ構成部材8と、これらのソファ構成部材を支持するベースB2とを具備してなる。
【0038】
前記ベースB2は、L字の両端部に配された対をなす外装脚部材9と、L字の頂点部分に配されたコーナー脚部材11と、これら外装脚部材9及びコーナー脚部材11の間に配された4本の第1の接続部材13すなわち3モジュール分に対応した長さ寸法を有する第1の接続部材13とを備えている。各第1の接続部材13の端部は、対応する前記外装脚部材9及びコーナー脚部材11の接続アーム25、55に外嵌され、前記ソファ構成部材2、5~8の底部に埋設された図示しないナットに螺着された図示しないネジにより抜出不能に止着されている。
【0039】
このような構成のベースB2には、
図24及び
図25に示すように、各モジュールMごとに同一のパターンをなして配された主たる止着部M1及び従たる止着部M2を構成するネジ挿通孔31、32、57~60が設けられており、前記止着部M1、M2を介して前記ベースB2上に前記各ソファ構成部材2、5~8が取り付けられている。各ソファ構成部材2、5~8の前記ベースB2に対するネジによる止着態様は、前記
図14(a)のソファユニットにおけるものに準じたものであり、詳細な説明は省略する。なお、前記主たる止着部M1は、各モジュールMの角部に形成されており、前記従たる止着部M2は、各モジュールMの中央寄りの部位に形成されている。そして、1.5モジュールに対応する寸法を有した前記第2のソファ構成部材2、半モジュールに対応する寸法を有した前記第5のソファ構成部材5及び同じく半モジュールに対応する寸法を有した前記第7のソファ構成部材7は、いずれも前記主たる止着部M1及び前記従たる止着部M2の双方を介して前記ベースB2に止着されている。一方、1モジュールに対応する寸法を有した前記第6のソファ構成部材6は、2つとも前記主たる止着部M1のみを介して前記ベースB2に止着されており、同じく1モジュールに対応する寸法を有した前記第8のソファ構成部材8は、前記従たる止着部M2のみを介して前記ベースB2に止着されている。
<
図14(c)のソファユニット>
このソファユニットS3は、前記
図14(b)に示すソファユニットS2のベースB2に対して1モジュール分だけ片側を短くする変更を加えただけのものである。この変更は、コーナー脚部材11と一方の外装脚部材9とを接続する接続部材を、前記第1の接続部材13に代えて、2モジュール分の長さ寸法を有する前記第2の接続部材14に変更し、ベースB3を得ることにより実現することができる。なお、ベースB3は図示を省略している。その上で、前記ベースB3上に、前述した複数種類のソファ構成部材の中から選択された3つの前記第1のソファ構成部材1、1つの前記第3のソファ構成部材3、1つの前記第6のソファ構成部材6及び1つの前記第8のソファ構成部材8が配されている。各ソファ構成部材1、3、6、8の前記ベースB3に対するネジによる止着態様は、前記
図14(a)のソファユニットS1におけるものに準じたものであり、詳細な説明は省略する。
<
図14(d)のソファユニット>
このソファユニットS4は、前記
図14(a)に示すソファユニットS1のベースB1に対して2モジュール分だけ短くする変更を加えただけのベースB4を前後2列に配置したものである。前記ベースの変更は、中間脚部材10と外装脚部材9とを接続する接続部材のすべてを、前記第1の接続部材13に代えて、2モジュール分の長さ寸法を有する前記第2の接続部材14に変更することにより実現することができる。なお、ベースB4は図示を省略している。その上で、前記ベースB4上に、前述した複数種類のソファ構成部材の中から選択された2つの前記第2のソファ構成部材2、4つの前記第6のソファ構成部材6及び2つの前記第7のソファ構成部材7が配されている。各ソファ構成部材2、6、7の前記ベースB4に対するネジによる止着態様は、前記
図14(a)のソファユニットにおけるものに準じたものであり、詳細な説明は省略する。
<
図14(e)のソファユニット>
このソファユニットS5は、
図26~
図28に示すものであり、
図26は、このソファユニットS5の全体を示す斜視図、
図27はこのソファユニットS5のベースB5を示す平面図である。
図28は、同ベースB5の略片半部を示す斜視図である。なお、
図28では、120度脚部材12及び接続部材13を想像線で示している。
【0040】
前記ソファユニットS5は、前述した複数種類のソファ構成部材の中から選択された4つの前記第1のソファ構成部材1及び2つの前記第4のソファ構成部材4と、これらのソファ構成部材を支持するベースB5とを具備してなる。
【0041】
前記ベースB5は、
図27及び
図28に示すように、ソファユニットS5の両端部に配された対をなす外装脚部材9と、ソファユニットS5の中央部に配されたメインの中間脚部材10と、この中間脚部材10の両側にそれぞれ60度の角度をなして配された対をなすサブの中間脚部材10と、前記メインの中間脚部材10と前記サブの中間脚部材10との間にそれぞれ配された前記120度脚部材12と、前記外装脚部材9と前記サブの中間脚部材10との間に配された4本の第2の接続部材14すなわち2モジュール分に対応した長さ寸法を有する第2の接続部材14とを備えている。各接続部材14の端部は、対応する前記外装脚部材9及び中間脚部材10の接続アーム25、43に外嵌され、前記ナットに螺着された図示しないネジにより抜出不能に止着されている。また、前記120度脚部材12を構成する後側横架材61及び前側横架材65の端部は、対応する中間脚部材10の接続アーム43に外嵌され、前記ナットに螺着された図示しないネジにより抜出不能に止着されている。
【0042】
このような構成のベースB5上に、前記第1のソファ構成部材1及び前記第4のソファ構成部材4が配されている。すなわち、第1のソファ構成部材1は、1モジュールに対応する寸法を有する。各第1のソファ構成部材1の前記ベースB5に対するネジによる止着態様は、前記
図14(a)のソファユニットS1におけるものに準じたものであり、主たる止着部M1のみを介して前記ベースB5に止着されている。なお、各第1のソファ構成部材1の前記ベースB5に対するネジによる止着態様のこれ以上の詳細な説明は省略する。一方、前記第4のソファ構成部材4は、主たる止着部M1において前記ベースB5の120度脚部材12上に取り付けられている。すなわち、120度脚部材12には、前記主たる止着部M1を構成するネジ挿通孔67、69が設けられており、このネジ挿通孔67、69に挿通させた図示しないネジを前記第4のソファ構成部材4に埋設された図示しないナットに螺着することにより当該第4のソファ構成部材4をベースB5上に取り付けている。なお、前記120度脚部材12には、主たる止着部M1を構成するネジ挿通孔67、69だけでなく、図示しない他のソファ構成部材を取り付けることを可能にするために、従たる止着部M2を構成するネジ挿通孔68、70も設けられている。
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図14(f)のソファユニット>
このソファユニットS6は、前記
図14(e)に示すソファユニットS5のベースB5に対して以下の変更を加えたものである。すなわち、ソファユニットS6の中央部にメインの中間脚部材10を2つ設け、これらメインの中間脚部材10間を2モジュール分に対応した長さ寸法を有する第2の接続部材14により接続しているとともに、前記外装脚部材9と前記サブの中間脚部材10との間を、前記第2の接続部材14に代えて、1モジュール分に対応した長さ寸法を有する第3の接続部材15により接続することにより、このソファユニットS6のベースB6を得るようにしている。なお、ベースB6は図示を省略している。その上で、前記ベースB6上に、前述した複数種類のソファ構成部材の中から選択された4つの前記第1のソファ構成部材1及び2つの前記第4のソファ構成部材4が配されている。各ソファ構成部材1、4の前記ベースB6に対するネジによる止着態様は、前記
図14(a)及び前記
図14(e)のソファユニットS1、S5におけるものに準じたものであり、詳細な説明は省略する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数種類のソファ構成部材の中から選択された特定の1又は2以上のソファ構成部材1~8と、そのソファ構成部材1~8を支持するベースB1~B6とを具備してなり、前記ベースB1~B6が、脚を有する複数の脚部材9~12の中から選択された特定の1又は2以上の脚部材9~12により構成されたものであるので、多様な形態のソファユニットS1~S6を自在に構築することができる。すなわち、本実施形態によれば、ソファ構成部材1~8だけでなく、ベースB1~B6の形態をも種々変更することができるため、ソファユニットS1~S6全体の大きさや形を容易に変化させることができる。
特に、第4のソファ構成部材4及び120度脚部材12を含む本発明のソファユニットS5、S6の構成によれば、平面視120度の屈曲部を含むソファユニットにおいて、他の部分の構成を容易に変化させることができる。
【0044】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0045】
例えば、ベースは脚部材と接続部材とを組み合わせたものに限らず、あらかじめ用意した複数種類の脚部材から適宜選択してソファユニットを構築するようにしてもよい。但し、前記実施形態のように、ベースを脚部材とこれら脚部材同士を接続する脚を有しない接続部材とを備えたものとすると、長さ寸法の異なった脚を有しない接続部材を用意しておくだけでベースの形態を大きく変化させることが可能となり、脚部材の種類を最小限にとどめることが可能となる。換言すれば、比較的少ない種類の脚部材を用意するだけで、多様な形態のベースを実現することができ、ひいてはソファユニット全体のデザインの自由度を高めることもできる。
【0046】
また、平面視における全体の輪郭は任意に設定してよい。但し、前記実施形態のように、平面視における全体の輪郭を、1又は2以上の平面視矩形状の単位モジュールを隣接配置した形態に対応させ、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が半モジュール、1モジュール、又は1.5モジュールのいずれかに対応するものとすると、要望に応じたソファ構成部材の組み合わせや、平面視における全体の輪郭の設定を容易に行うことができる。但し、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が、2モジュール、2.5モジュールといった、半モジュールの整数倍のものを用いても、上記効果は得ることができる。さらに、前記ソファ構成部材と前記ベースとの間の止着部が、各モジュールごとに同一の箇所に設けられているものであれば、部材の共通化を容易に図ることができる。加えて、前記止着部が、ベースに設けられたネジ挿通孔に貫通させたネジと、前記ソファ構成部材の底部に設けられたナットとを備えたものであれば、前記ナットに前記ネジ挿通孔に貫通させたネジを螺着する簡単な操作によりソファユニットの組立を行うことができる。一方、平面視における輪郭を1モジュールに対応したものとし、平面視における輪郭が1モジュールに対応するソファ構成部材と、上述した実施形態におけるコーナー脚部材に類似した構成の枠状の脚部材とを具備する構成も採用できる。
【0047】
そして、ソファ構成部材とベースとの間の止着部も任意の箇所の設定可能であるが、前記実施形態のようの構成のもの、すなわち、前記各モジュールごとに、当該モジュールの角部近傍に配された主たる止着部と、これら各止着部から一定距離だけ内側に位置させて配された従たる止着部とが設けられているものであれば、半モジュール単位で任意のソファ構成部材をベース上に設置することができる。特に、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が1モジュールに対応するものは前記主たる止着部のみ又は前記従たる止着部のみを介して前記ベースに止着されるとともに、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が半モジュール又は1.5モジュールに対応するものは前記主たる止着部及び前記従たる止着部の双方を介して前記ベースに止着されるようにすれば、前述した効果を容易に得ることができる。さらに、前記ソファ構成部材の平面視における輪郭が、2モジュール以上で半モジュールの整数倍のものを用いた場合であっても、前記輪郭が1モジュールの整数倍のものは前記主たる止着部のみ又は前記従たる止着部のみを介して前記ベースに止着されるとともに、前記輪郭が半モジュールの奇数倍のものは前記主たる止着部及び前記従たる止着部の双方を介して前記ベースに止着されるようにすれば、同様に前述した効果を容易に得ることができる。
【0048】
その他、平面視120度の角度をなして交差する後側横架材と、前記後側横架材の交差部に配された脚と、平面視120度の角度をなして交差し後側横架材よりも短く交差部に脚が配されていない前側横架材とを備えている120度脚部材を含むものであれば、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0049】
S1~S6…ソファユニット
1~8…ソファ構成部材
B1~B6…ベース
9~12…脚部材
13~16…接続部材