(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20240214BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240214BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240214BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21V23/00 170
F21V23/00 200
F21V23/00 150
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022178893
(22)【出願日】2022-11-08
(62)【分割の表示】P 2018037444の分割
【原出願日】2018-03-02
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 良明
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
(72)【発明者】
【氏名】森 あづ実
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091742(JP,A)
【文献】特開2015-222636(JP,A)
【文献】実開平03-050707(JP,U)
【文献】特開2019-129113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筒状の本体と、
光源と、前記光源が一面側に実装される光源基板と、前記光源の前記一面側を覆うように配置されたレンズと、を有し、前記本体に収納される光源部と、
前記光源基板の前記一面側と反対側の他面側に取り付けられ、前記光源に電力を供給する電源ユニットと、
前記電源ユニットの前記光源部が配設される側とは反対側に配設された端子台と、
を備え
、
前記端子台は、前記電源ユニットに対して前記光源部と反対側に設けられた配線差込部を有し、
前記配線差込部から配線を引き出す方向は、前記本体の中心軸に沿った方向から見て、前記本体の内側に向かい、
前記配線差込部から引き出された前記配線は、前記本体に保持されず、
前記本体の中心軸に沿った方向から見て、前記電源ユニットは前記本体の一方の側に寄せて配設され、前記端子台は前記本体の他方の側に寄せて配設される照明器具。
【請求項2】
前記光源部と前記電源ユニットとを取り付けた保持具をさらに備えた請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源ユニットは、前記光源基板に対して立てた状態で配設される回路基板を有
する請求項1または請求項2に記載の照明器具
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、器具本体と、光源ユニットと、電池ユニットと、点灯ユニットを備え、建物の通路または廊下などの天井に埋込配設される非常用照明器具が開示されている。光源ユニット、電池ユニット、点灯ユニットは器具本体に収容される。器具本体には、2つの取付ばねが取り付けられる。この照明器具は、器具本体内に点灯ユニットを収容し、それから光源ユニットを点灯ユニットに取り付け、続いて器具本体内に電池ユニットを収容することで組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具では、器具本体の側面に設けられた孔を通して、端子台の差込口が器具本体から露出する。このため、商用電源からの電力供給を受ける為の電源線を本体の側方から挿し込むこととなり、電源線が横方向に突き出し易い。このとき、電源線の分だけ照明器具の幅が大きくなり、照明器具を被取付部に取り付けにくくなる可能性がある。つまり、照明器具の幅が取付孔の直径よりも大きくなり、照明器具を取付孔に垂直方向に挿し込めない場合がある。または、照明器具を斜めにねじりながら取付孔に挿入しなくてはならない可能性がある。
【0005】
さらに、特許文献1の照明器具では、照明器具を被取付部に取り付けるときに、電源線と本体の側面に設けられた取付ばねとが干渉するおそれがある。さらに、特許文献1では器具本体の内側に点灯ユニット、光源ユニットなどを順番に別々に取り付ける。このため、組み立てに手間が掛かる可能性がある。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易に組み立てできる照明器具および照明器具の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明器具は、開口部を有する筒状の本体と、光源と、前記光源が一面側に実装される光源基板と、前記光源の前記一面側を覆うように配置されたレンズと、を有し、前記本体に収納される光源部と、前記光源基板の前記一面側と反対側の他面側に取り付けられ、前記光源に電力を供給する電源ユニットと、前記電源ユニットの前記光源部が配設される側とは反対側に配設された端子台と、を備え、前記端子台は、前記電源ユニットに対して前記光源部と反対側に設けられた配線差込部を有し、前記配線差込部から配線を引き出す方向は、前記本体の中心軸に沿った方向から見て、前記本体の内側に向かい、前記配線差込部から引き出された前記配線は、前記本体に保持されず、前記本体の中心軸に沿った方向から見て、前記電源ユニットは前記本体の一方の側に寄せて配設され、前記端子台は前記本体の他方の側に寄せて配設される。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明器具では、一体化された光源部と電源ユニットを、まとめて本体に取り付けできる。このため、複数の部品を本体に別々に取り付けするよりも、組み立てを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の平面図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の拡大図である。
【
図6】実施の形態1に係る照明器具の正面図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具の側面図である。
【
図9】実施の形態1に係る光源ユニットの分解斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る電源ユニットの斜視図である。
【
図11】実施の形態1に係る電源ユニットの分解斜視図である。
【
図12】実施の形態1に係る照明器具の組み立て方法を説明する図である。
【
図13】本体に光源ユニットを取り付けた状態を示す図である。
【
図14】本体に端子台および枠を取り付けた状態を示す図である。
【
図15】実施の形態1に係る照明器具を被取付部に取り付ける方法を説明する図である。
【
図17】実施の形態1に係る照明器具が被取付部に取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態に係る照明器具および照明器具の製造方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具20の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具20の分解斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具20の断面図である。なお、
図3は
図4に示されるI-II直線で
図4を切断することによって得られる断面図である。照明器具20は、例えば非常用照明器具である。照明器具20は、外部の予備電源からACおよびDCの電力の供給を受けて、器具内部の光源5を点灯させる。光源5は例えば半導体光源である。本実施の形態では光源5はLEDである。
【0012】
照明器具20は、筒状の本体1と、本体1に収納された光源ユニット14と、端子台10と、枠8を備える。本体1は、天井などの被取付部に設けられた開口に取り付けられる。光源ユニット14は、光源部16と電源ユニット200を備える。光源部16は光源5を備える。電源ユニット200は、光源部16に電力を供給し光源5を点灯させる。電源ユニット200は本体1に収納される。
【0013】
端子台10は、本体1の上面から突出し、配線差込部10aを有する。
図3に示されるように、端子台10の下端は、本体1の内部に設けられる。配線差込部10aは本体1の上面より上に設けられる。
図3に示されるように、配線差込部10aは、本体1の中心軸27と対向する。本実施の形態では、配線差込部10aは本体1の中心軸27と平行である。
【0014】
(本体1)
本体1は一端に開口部を有する。本体1は開口部を有する第1底面101と、第1底面101と対向する第2底面102とを有する。第2底面102は本体1の上面である。また、本体1は、第1底面101と第2底面102とを繋ぐ側面103を有している。第1底面101は、開口部のまわりに鍔部1011を有する。鍔部1011には、後述する枠8を保持するための、枠係合部1011aが設けられている。
【0015】
なお、本体1の中心軸27は、第1底面101から第2底面102に向かう方向に沿った中心軸であり、本体1を上面と垂直な方向から見た場合における本体1の中心を通る。本実施の形態では、中心軸27は本体1の上面と垂直である。
【0016】
図4は、実施の形態1に係る照明器具20の平面図である。
図5は、実施の形態1に係る照明器具20の拡大図である。
図6は、実施の形態1に係る照明器具20の正面図である。
図7は、実施の形態1に係る照明器具20の側面図である。第2底面102には、エンボス用孔1aが設けられる。エンボス用孔1aには、後述する保持具4に設けられたエンボス4cが嵌合される。
【0017】
また、第2底面102には、端子台10が挿通される端子台用開口1bが形成される。端子台用開口1bは、第2底面102と側面103に亘り設けられている。端子台用開口1bは、端子台10に塞がれる。
【0018】
さらに、第2底面102には固定具21が挿通される保持孔1cが形成される。保持孔1cは、例えばねじ穴である。固定具21によって保持具4は本体1に固定される。固定具21は、例えばねじ等の締結部材である。本体1は、エンボス用孔1aとエンボス4cが嵌合し、保持具4の上部に空けられた一つの保持孔1cに固定具21が通されることにより、光源ユニット14を保持できる。
【0019】
本体1の側面103は、本体1の中心軸27に沿って延び互いに対向する一対の平面部1031を有する。各々の平面部1031にはバネ15が取り付けられる。なお、対向する平面部1031は、端子台用開口1bと直線状に並設する。端子台10は本体1の中心軸27に沿った方向から見て、本体1の内側に収まる。
【0020】
(バネ15)
バネ15は本体1の側面103から延びる。バネ15は、平面部1031に取り付けられるバネ取付部15aと、バネ取付部15aの端部に設けられたバネ腕部15bを有する。バネ15は、本体1に取り付けられた状態において、本体1に対して垂直方向にバネ腕部15bが突設している状態から本体1側へ弾性変形する。つまり、バネ15は側面103に向かって閉じる。また、バネ腕部15bは枠8とともに被取付部の開口縁を狭持する。これにより、照明器具20は被取付部に固定される。
【0021】
(枠8)
枠8は、本体1の第1底面101を覆うように取り付けられる。枠8は鍔部1011に固定される。
図5に示されるように、枠8は本体1と接触する方向に押し出された複数の引掛け部8aと、半月状に突き出た複数の突出し部8bを備える。引掛け部8aと突出し部8bはそれぞれ1つ以上設けられれば良い。枠8が本体1と接触した状態で回動することで、引掛け部8aが本体1の枠係合部1011aに引っ掛かかる。引掛け部8aは本体1の縁部に引っ掛かっても良い。これにより、枠8は本体1に保持される。さらに枠8が所定の位置まで回転すると、突出し部8bが本体1の縁部に設けられた穴に引っ掛かる。突出し部8bは回転止めの役割を果たす。
【0022】
照明器具20は、例えば電源別置型の非常用照明器具である。このため、電池交換の必要がなく、本体1に各部品を収容した後に枠8を取り外す必要がない。この為、枠8は、ねじ等の着脱可能な締結具を使わずに本体1に固定しても良い。
【0023】
枠8は回動により容易に本体1に装着できる。一方で、枠8は本体1または光源ユニット14に嵌め込まれ、工具等を使用しなければ取り外せない。従って、いたずらまたは振動などにより意図せずに枠8が外れることを抑制できる。
【0024】
(端子台10)
端子台10は電源線を介して電源と接続される。また、端子台10は配線13を介して光源ユニット14と接続される。端子台10は電源からの電力を光源ユニット14に供給する。
【0025】
図4、
図5に示されるように、端子台10は本体1の上面と垂直な方向から見て、本体1の円筒の投影面内かつ本体1の中心から離れた位置に設けられる。端子台10の配線差込部10aは、本体1の円筒の中心側を向く。つまり、配線差込部10aは本体1の中心軸27と対向する。端子台10は中心軸27に沿った方向から見て出力が本体1の内側に設けられるように、端子台用開口1bに挿し込まれる。端子台10は端子台用開口1bを塞ぐ。このため、本体1の内部に埃が入り込むのを防止できる。
【0026】
また、配線差込部10aから配線を引き出す方向は、本体1の中心軸27に沿った方向から見て、本体1の内側に向かう。このため、配線差込部10aから引き出された配線は
図5、
図7に示される電源配置エリア80を通って、電源と接続される。本実施の形態では、電源配置エリア80が本体1の直上に設けられる。
【0027】
図8は、実施の形態1に係る端子台10の斜視図である。端子台10は、端子台固定金具11とねじ等の締結具22により固定される。端子台固定金具11は、側面11aに形成された半月状の突起11cを有する。
図1に示されるように、突起11cにより本体1に対する端子台10の高さ方向の位置が決定される。また、端子台固定金具11の側面11aと本体1の側面103にそれぞれ空けられた穴には、ねじが通される。これにより、端子台固定金具11と本体1はねじ留めされる。従って、端子台固定金具11は本体1に固定される。
【0028】
図3に示されるように、端子台固定金具11の側面11aは、側面103の延長面となる。平面部1031と側面11aは平行である。これにより、照明器具20を被取付部に取り付けるときに、端子台10が被取付部の開口と干渉するのを抑制できる。
【0029】
または、端子台固定金具11は、配線差込部10aの上に設けられ、配線差込部10aに対して水平方向に突出する上面11bを有する。上面11bは、端子台10の上面を覆い、端子台10の保護をする保護部材である。上面11bは、端子台10の上面より長く形成される。これにより、端子台10の電源線が差し込まれる接続口に埃などが蓄積されるのを抑制できる。
【0030】
なお、端子台10は、配線差込部10aを円筒の中心軸27と対向するように設置することで、中心軸27に対して垂直に設置するよりも、電源線が差し込まれる接続口に埃が蓄積されるのを抑制できる。
【0031】
(光源ユニット14)
図9は、実施の形態1に係る光源ユニット14の分解斜視図である。光源ユニット14はレンズ7と、レンズ7の上に設けられたホルダー9と、ホルダーの上に設けられた光源基板6を備える。光源基板6のレンズ7側の面には、光源5が実装されている。さらに光源ユニット14は、光源基板6の上に設けられた熱拡散部品23と、熱拡散部品23の上に設けられた保持具4と、保持具4に保持された電源ユニット200を備える。
【0032】
電源ユニット200は、後述する回路基板3を収納するケース2を有する。ケース2は例えば樹脂ケースである。ケース2には、複数の係り爪2baが設けられる。複数の係り爪2baが保持具4に引っかかることにより、電源ユニット200は保持具4に固定される。
【0033】
また、ホルダー9は、光源基板6と、光源5の配光を制御するレンズ7を保持する。光源5、光源基板6、レンズ7およびホルダー9は光源部16を構成する。保持具4は、ケース2を保持している面と別の面において、ホルダー9を保持している。
【0034】
すなわち、回路基板3を内蔵したケース2と、保持具4と、ホルダー9と、光源5を実装した光源基板6と、レンズ7とは、光源ユニット14として一体化されている。光源ユニット14は一体化された光源ASSYである。電源ユニット200と光源部16とは保持具4により一体化されている。
【0035】
なお、本体1の中心軸27と、光源ユニット14が備える光源部16の光軸とは同軸または略同軸である。光源部16の光軸は、光源5の照射方向の中心軸である。
【0036】
(保持具4)
保持具4は、例えば金属板から形成される。保持具4は、例えば板金の曲げ加工により形成される。保持具4は、ケース2を保持する機能と光源5により発生する熱を放熱する機能を併せ持つ。保持具4は、第1部分401と、第2部分403と、第1部分401と第2部分403とを繋ぐ第3部分402とを有する。電源ユニット200は、第1部分401と第2部分403との間に設けられる。
【0037】
第1部分401には光源部16が取り付けられる。第1部分401は、光源基板6に平行な水平面を有する。第3部分402は、光源基板6に垂直な垂直面を有する。第3部分402はケース2に面する。第2部分403は、第3部分402のうち光源基板6から遠いほうの端部に設けられる。第2部分403は第1部分401と平行である。
【0038】
第2部分403は、本体1と固定されるためのねじ穴403aを備える。本体1の保持孔1cとねじ穴403aには固定具21が挿入される。これにより、本体1と保持具4は、ねじ留めされる。固定具21は、本体1の外側から保持孔1cとねじ穴403aに挿入される。つまり、光源ユニット14は、本体1の外側から本体1に固定される。
【0039】
また、第2部分403は位置決め用のエンボス4cを有する。エンボス4cと、本体1のエンボス用孔1aは嵌合する。エンボス4cは、本体1と嵌合する嵌合部である。以上から、保持具4の第2部分403は、本体1の第2底面102と接触して固定される。第2部分403は、本体1の開口部と反対側の端部に固定される。
【0040】
保持具4の第3部分402は、ケース2に接する。ケース2は、厚さ方向に突出した突起部202を有する。第3部分402は突起部202が嵌め込まれる開口を有する。また、第3部分402は、ケース2の係り爪2baが嵌合する板端部を有する。板端部は第3部分402の側面端部である。保持具4は、第3部分402の板端部とケース2の係り爪2baが嵌合することで、ケース2を固定する。このように、本実施の形態では、第3部分402は電源ユニット200と係合する。
【0041】
保持具4の第1部分401は、ホルダー9を固定するためのねじ穴を有する。第1部分401は、光源基板6のうち光源5が実装されていない面と対向している。第1部分401と光源基板6の間には、放熱絶縁シートなどの熱拡散部品23が挟み込まれる。熱拡散部品23は設けられなくても良い。また、第1部分401は、光源基板6のうち光源5が実装されていない面と接触しても良い。
【0042】
第3部分402にはA開口402aが形成されている。第1部分401は、例えば板材料を切り起こしして形成される。第1部分401を切り起こす際に、A開口402aが形成される。板材料においてA開口402aに対応する部分が、保持具4において第1部分401を形成する。これにより、光源基板6の裏面を覆うような大きさに第1部分401を形成することができる。また、ケース2は凸部203を有する。A開口402aには、凸部203が嵌め込まれる。
【0043】
(ホルダー9)
ホルダー9は、レンズ7に対向する面にホルダー9の厚み方向に突き出た引掛け部を有する。引掛け部にレンズ7の縁を掛けることで、ホルダー9はレンズ7を保持する。ホルダー9のレンズ7と反対側の面には、光源基板6と相似形状の溝が形成される。この溝により光源基板6の位置が固定される。また、ホルダー9は、ねじによって保持具4に固定されている。
【0044】
(電源ユニット200)
図10は、実施の形態1に係る電源ユニット200の斜視図である。
図10は、電源ユニット200を
図2に示されるB方向から見た図である。
図11は、実施の形態1に係る電源ユニット200の分解斜視図である。電源ユニット200は光源部16に電力を供給する。電源ユニット200は、光源5に電力を供給し光源5を点灯させる回路基板3を備える。また、電源ユニット200は、ケース2を備える。ケース2は回路基板3を内蔵する。ケース2は回路基板3を保持する機能を有し、本体1よりも小さい。回路基板3は一対の平面部1031が並ぶ方向と垂直に設けられる。
【0045】
ケース2は、箱側2bと蓋側2cの2つの部品からなる。箱側2bは保持具4と接触する係り爪2baを有する。蓋側2cは、箱側2bと嵌合して回路基板3を覆う。蓋側2cは、箱側2bと嵌合することにより回路基板3を保持する。ケース2は、箱側2bと蓋側2cが一体化されていても良い。また、ケース2は回路基板3の全体を覆わずに一部に窓が開いていても良い。ケース2は樹脂で形成されるため、金属で構成されている本体1と回路基板3との絶縁性能を確保できる。
【0046】
ケース2には、開口部201が蓋側2cに少なくとも一箇所設けられる。開口部201には、回路基板3と端子台10を電気的に接続するための配線13が通る。開口部201は、ケース2の側面に設けられた切り欠き部201aと連通している。切り欠き部201aは蓋側2cと箱側2bに渡って設けられる。
図10に示されるように、切り欠き部201aは、配線13を表面側の蓋側2cから裏面側の箱側2bへまわし込むとき、配線13を収容する。切り欠き部201aが設けられることで、配線13により本体1の内側に収容される部品が大きくなることを抑制できる。従って、本体1の大型化を抑制できる。
【0047】
また、箱側2bは保持具4の第3部分402と接する面に、突起部202を有している。突起部202は保持具4に設けられた開口を貫通する。突起部202には、先端に配線13を狭持する幅の溝が形成されている。ケース2が保持具4に取り付けられた後に、第3部分402を貫通した突起部202に配線13が押し込まれる。これにより、
図2に示されるように、突起部202は配線13を保持する。
【0048】
ケース2は、蓋側2cの表面側に、リード線12を保持する3つの保持部2d、2e、2fを有する。保持部2dは、蓋側2cの底面に設けられ、リード線が入る溝を有する。保持部2dは、リード線12を嵌め込み、仮保持する。これにより、保持具4のうち光源5の近傍部にリード線12が接触することを防止できる。保持部2e、2fはそれぞれ爪形状である。保持部2e、2fはリード線12を嵌め込み固定している。保持部2d、2e、2fにより、ケース2はリード線12を保持する。従って、組み立て時にリード線12が本体1等と干渉することを抑制できる。
【0049】
このように、本実施の形態では、リード線12と配線13がケース2に保持される。このため、電源ユニット200を本体1へ収容する際に、リード線12または配線13が本体1と干渉または引っ掛かることを抑制できる。従って、照明器具20の組立が容易にできる。
【0050】
(リード線12)
リード線12は、光源基板6の表面側に設置されたコネクタと回路基板3とを電気的に接続する。停電時には、外部から供給された電力が、回路基板3からリード線12を介し光源5に供給され、光源5を点灯させる。
【0051】
(照明器具20の組み立て方法)
照明器具20の組み立て方法について、
図12から
図14を用いて説明する。
図12は、実施の形態1に係る照明器具20の組み立て方法を説明する図である。まず、光源部16と電源ユニット200と保持具4とを組み立て、一体化された光源ユニット14を形成する。
図12は光源ユニット14が組み立てられた状態を示す。
【0052】
次に、
図12の矢印に示されるように、光源ユニット14を、本体1の開口部から本体1に差し込み、本体1に収納する。
図13は、本体1に光源ユニット14を取り付けた状態を示す図である。光源ユニット14は、エンボス4cがエンボス用孔1aに挿入されるまで挿し込まれる。次に、エンボス4cがエンボス用孔1aに挿入された状態で、固定具21を保持孔1cとねじ穴403aに挿入し、保持具4と本体1と螺合させる。これにより、光源ユニット14は本体1に固定される。
【0053】
次に、
図14に示されるように、端子台10と光源ユニット14とを配線13により接続する。また、端子台用開口1bに端子台10を挿し込み、端子台10を本体1に取り付ける。また、枠8を本体1の開口部を覆うように鍔部1011に係合させる。これにより、枠8が本体1に固定される。
図14は、本体1に端子台10および枠8を取り付けた状態を示す図である。以上から、照明器具20は組み立てられる。なお、バネ15は何れの工程で取り付けられても良い。
【0054】
(照明器具20の被取付部への取り付け方法)
次に、照明器具20の被取付部への取り付け方法について
図15から
図17を用いて説明する。
図15は、実施の形態1に係る照明器具20を被取付部24に取り付ける方法を説明する図である。
図15は、照明器具20が、被取付部24の開口25に取り付けられる前の状態を示す。
【0055】
はじめに、
図16に示されるように、端子台10の配線差込部10aに被取付部24から引き出された電源線26を接続する。このとき、電源線26のうち配線差込部10aに接続される部分は、筒状の本体1の平面投影面内に配置される。また、配線差込部10aに電源線26が接続された状態で、配線差込部10aから電源線26が引き出される方向は、本体1の中心軸27に沿った方向から見て本体1の内側に向かう。このため、配線差込部10aから延びる電源線26を、本体1の側部を通ることなく、本体1の直上を通って、被取付部24に延ばすことができる。
【0056】
次に、
図16に示されるように、バネ15を本体1側へすぼめて、照明器具20を開口25に挿入する。
図16は、バネ15を閉じた状態を示す図である。バネ15の本体1の側面103と反対側の端部は、バネが側面103に向かって閉じられた状態で、配線差込部10aよりも低い位置に設けられる。つまり、配線差込部10aは、バネ15がすぼめられた状態におけるバネ15の上端よりも高い位置に配設される。
【0057】
照明器具20が開口25に差し込まれると、
図17に示されるように、バネ15の変形状態が解除され、バネ15は開いた状態となる。これにより、照明器具20は、被取付部24に取り付けられる。
図17は、実施の形態1に係る照明器具20が被取付部24に取り付けられた状態を示す図である。以上から、照明器具20は、被取付部24に本体1の中心軸27に沿った方向に差し込まれることで、被取付部24に固定される。
【0058】
次に本実施の形態の部品配置による効果について説明する。照明器具20では、本体1の円筒の高さ方向に対して、光源部16よりも上側に回路基板3が設けられ、回路基板3よりも上側に端子台10が設けられる。さらに、光源基板6と、回路基板3と、端子台10とは、本体1の中心軸27に沿った方向から見て本体1の内側に収めている。これらの構成により、照明器具20の大型化を抑制できる。また、取り付け時に配線差込部10aが被取付部24の開口25と干渉するのを防止できる。
【0059】
また、配線差込部10aは、本体1の上面より上に設けられる。さらに、配線差込部10aは第2底面102の中心側を向く。このとき、配線は、本体1の中心軸27に沿った方向から見て、配線差込部10aから本体1の内側に向かって引き出される。このため、本体1の投影面内に、配線が挿しこまれ配置される空間を設けることができる。この空間は、電源配置エリア80に該当する。このとき、配線差込部10aに接続された配線が照明器具20から幅方向へ突き出すことを抑制できる。また、照明器具20の取り付け時に、配線が配置される位置を本体1より上に制限できる。
【0060】
以上から、本実施の形態では、配線が接続されたとしても、照明器具20が幅方向に大きくなることを抑制できる。つまり、照明器具20の側部に電源線26が無い状態で、照明器具20の取り付けができる。これにより、電源線26が開口25と接触しないように照明器具20を挿入できる。従って、照明器具20を被取付部24に取り付け易くなり、照明器具20を容易に施工できる。
【0061】
また、端子台10は中心軸27よりも本体1の端部側に設けられる。端子台10を中心軸27と重ならないように配置することで、第2底面102における端子台10が占有するエリアを抑制できる。これにより、第2底面102において保持具4の取り付けのためのエリアを確保できる。
【0062】
さらに、端子台10は第2底面102から突き出すため、電源線26が本体1の側面103から引き出される構造と比較して、バネ15と電源線26との干渉を抑制できる。さらに、バネ15が閉じた状態においてバネ15が干渉しない位置に配線差込部10aが配設される。バネ15は、閉じた状態で上端が配線差込部10aより低くなるように形成される。よって、照明器具20の設置時に、バネ15と配線の干渉を防止できる。
【0063】
また、バネ15を取り付けるために、平らな面である平面部1031が設けられる。照明器具20の大型化を抑制するために、平面部1031は中心軸27を中心とする円筒よりも凹むように設けられる。このため、一対の平面部1031の間隔は中心軸27を中心とする円筒の直径よりも短い。ここで、回路基板3は一対の平面部1031が並ぶ方向に対して、交差する方向に設けられる。これにより、本体1を大きくすることなく回路基板3を収納できる。
【0064】
また、
図3に示されるように、第3部分402は、本体1の中心軸27から外れた位置に設けられる。これにより、回路基板3を本体1の中心軸27上に設け、本体1の直径の位置に回路基板3を収容できる。本実施の形態では、本体1の中心軸27と、光源ユニット14が備える回路基板3の中心軸は同軸である。この構成によれば、回路基板3を中心軸27に沿った方向から見て長く形成できる。従って、照明器具20の大きさを抑制しつつ、回路基板3を大きくできる。
【0065】
また、本実施の形態では、端子台10の一部のみが本体1に収容される。このため、本体1の内部空間のうち端子台10が占有する範囲を抑制できる。従って、第3部分402を本体1の中心軸27とずらすことができる。
【0066】
また、端子台10の一部は、本体1の内側に挿入される。これにより、端子台10と回路基板3を接続する配線13を、本体1により保護できる。また、配線差込部10aを第2底面102の上側に設けたことで、本体1の内部に端子台10を収納する必要がなく、本体1を小型化できる。さらに、本体1の内部のうち電源ユニット200の収容する空間を増やすことができる。また、端子台10は背面側を端子台固定金具11により保持された状態で、本体1に固定されている。このため、配線を差し込むときに端子台10が押圧されても、端子台10を本体1に安定して固定できる。
【0067】
次に本実施の形態の光源ユニット14の構造による効果について説明する。照明器具20は、電源ユニット200と光源部16が取り付けつけられた保持具4を有する。保持具4を本体1に挿入して固定することで、光源ユニット14の各部品を本体1に配設できる。本実施の形態では、保持具4により一体化された光源ユニット14を、まとめて本体1に取り付けできる。このため、複数の部品を本体1に別々に取り付けするよりも、組み立てを容易にできる。また、光源ユニット14は本体1の外部から取り付けできる。このため、本体1が小型であっても本体1の内部に光源ユニット14を容易に取り付けできる。なお、枠8は光源ユニット14の落下防止の役割を果たす。
【0068】
また、電源ユニット200は第1部分401と第2部分403の間に収容されるように保持具4に取り付けられる。このため、光源ユニット14の大型化を抑制できる。
【0069】
また、保持具4の第2部分403は、本体1の第2底面102に、本体1の外側からネジなどの固定具21により固定されている。よって、保持具4は第1底面101側から、つまり本体1の内側から工具などで締結しなくても良い。このため、本体1の内部に作業スペースを確保しなくても良い。従って、第1部分401を第1底面101の開口部を覆うような大きさで形成できる。さらに、第1部分401または光源基板6との間に平面視において隙間がないように本体1を形成できる。従って、本体1の大型化を抑制できる。
【0070】
また、本実施の形態では、第2部分403のエンボス4cをエンボス用孔1aに嵌め合いさせることで、保持具4が本体1に対して回動するのを防止できる。さらに、本体1と光源ユニット14を1つの固定具21で回動することなく固定できる。従って、部品点数を少なくできる。
【0071】
また、第3部分402に形成されたA開口402aには、ケース2の凸部203が嵌め込まれる。これにより、ケース2によって保持具4の剛性を補強できる。
【0072】
また、第3部分402は放熱フィンの効果を有する。光源部16からの熱は、第3部分402を介して本体1に伝熱し、本体1から放熱される。第3部分402を放熱面とすることで、保持具4が設けられない場合と比較して放熱面積を増やすことができる。従って、放熱性を向上できる。また、本体1から放熱することで、放熱フィンを簡易化できる。このため、第3部分402の形状を、例えば放熱のために複数の放熱フィンを設けた複雑な形状にしなくても良い。従って、照明器具20の構造を簡易化できる。
【0073】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。照明器具20は例えば4つの光源5を備えるが、照明器具20に実装される光源5は1つ以上であれば良い。また、端子台固定金具11および枠8に形成された半月状の突起は、突起に対面する板金等の部品を引掛けて留める機能を有していれば良く、例えば単純な切起しなどでも良い。また、エンボス4cが第2底面102に設けられ、エンボス用孔1aが保持具4に設けられてもよい。
【0074】
また、保持具4は、上述した構造に限らず、少なくも光源部16と電源ユニット200が取り付けられれば良い。例えば、電源ユニット200は、第3部分402に対して、第2部分403と反対側に設けられてもよい。この場合は、電源ユニット200に端子台10の挿入開口を設けると良い。
【0075】
また、端子台10の配線差込部10aは、本体1の内側に向かっていなくても良い。例えば、本体1の投影面内に配線が挿しこまれる空間が確保できれば、配線差込部10aが中心軸27を超えた位置に設けられても良い。
【0076】
また、配線差込部10aは中心軸27と平行でなくても良い。配線差込部10aは、本体1の上面より上に設けられ、本体1の上面と平行または本体1の中心軸27と対向すれば良い。ここで、配線差込部10aが中心軸27と対向する状態には、配線差込部10aが向く方向が、本体1の上面と垂直な方向よりも中心軸27に向かって傾いたあらゆる状態を含む。この場合にも、本体1の中心軸27に沿った方向から見て、配線差込部10aから本体1の内側に向かって、配線を引き出すことができる。このため、配線が照明器具20の幅方向へ突き出すことを抑制できる。
【0077】
例えば、配線差込部10aが向く方向は、中心軸27と垂直な方向から斜め上または斜め下に傾斜した方向であっても良い。また、配線差込部10aは端子台10の上面に設けられても良い。また、配線差込部10aは本体1の上面と対向し、配線は端子台10から下方に向かって引き出されても良い。この場合、配線が差し込まれる接続口に埃が蓄積されるのをさらに抑制できる。
【0078】
また、本実施の形態ではエンボス4cと固定具21で光源ユニット14と本体1とが固定されるが、光源ユニット14と本体1とが互いに固定されれば、別の固定方法を用いても良い。例えば、第2部分403と第2底面102とが爪などの係合部をそれぞれ有し、係合部が互いに嵌合しても良い。
【0079】
また、保持具4は本体1と固定されれば良く、保持具4は第2部分403以外の部分で本体1と固定されても良い。また、保持具4は本体1の上面以外の部分と固定されても良い。また、光源ユニット14を本体1に固定できれば、光源ユニット14のうち保持具4以外の部分が本体1と固定されても良い。
【0080】
また、光源ユニット14を一体化できれば、光源ユニット14は保持具4を備えなくても良い。例えば、光源ユニット14は直接、電源ユニット200に取り付けられても良い。この場合も、一体化された光源ユニット14をまとめて本体1に取り付けできる。
【0081】
また、光源ユニット14は、少なくとも光源5と、光源5を点灯させる回路基板を有していれば良い。また、光源部16は、少なくとも光源5を有していれば良く、用途に応じて他の部品を省略または追加しても良い。また、本実施の形態では配線差込部10aに電源線26が接続される例を示したが、電源線26以外の配線が配線差込部10aに接続されても良い。
【0082】
また、本体1は円筒形状に限らず、内部に光源ユニット14が収納されるあらゆる形状を採用できる。例えば、本体1は断面が多角形または楕円形であってもよい。また、照明器具20は非常用に限らず、あらゆる用途に使用されても良い。また、端子台10が接続される電源は、予備電源に限らず、商用電源等の外部電源であっても良い。
【0083】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 本体、1a エンボス用孔、1b 端子台用開口、1c 保持孔、101 第1底面、1011 鍔部、1011a 枠係合部、102 第2底面、103 側面、1031 平面部、200 電源ユニット、2 ケース、2b 箱側、2ba 係り爪、2c 蓋側、2d 保持部、2e 保持部、2f 保持部、201 開口部、202 突起部、203 凸部、3 回路基板、4 保持具、4c エンボス、401 第1部分、402 第3部分、402a A開口、403 第2部分、403a ねじ穴、5 光源、6 光源基板、7 レンズ、8 枠、8a 引掛け部、8b 突出し部、9 ホルダー、10 端子台、10a 配線差込部、11 端子台固定金具、11a 側面、11b 上面、12 リード線、13 配線、14 光源ユニット、15 バネ、15a バネ取付部、15b バネ腕部、16 光源部、20 照明器具、21 固定具、22 締結具、23 熱拡散部品、24 被取付部、25 開口、26 電源線、27 中心軸、80 電源配置エリア