(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】生体情報取得装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/256 20210101AFI20240214BHJP
A61B 5/296 20210101ALI20240214BHJP
【FI】
A61B5/256 220
A61B5/256 230
A61B5/296
(21)【出願番号】P 2022196184
(22)【出願日】2022-12-08
(62)【分割の表示】P 2021571813の分割
【原出願日】2020-06-26
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10201906405P
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ソー ニ ニ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ チャールズ
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表昭57-501664(JP,A)
【文献】特表2019-513072(JP,A)
【文献】特開2014-180388(JP,A)
【文献】登録実用新案第3181442(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0296171(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体に第1の電気信号を送信する送信手段と、前記ユーザの身体から第2の電気信号を取得する取得手段と、を有する電気信号取得手段と、
前記第2の電気信号を情報処理装置に伝送する通信手段と、
前記電気信号取得手段を取り付ける支持部材と、
前記ユーザの身体に対する前記電気信号取得手段の位置を識別し、かつ、前記電気信号取得手段と重なるように前記支持部材に設けられる位置識別子と、を備え
、
前記位置識別子は、前記支持部材から取り外し可能に構成される、
生体情報取得装置。
【請求項2】
前記支持部材を前記ユーザの身体に対して取り外し可能に固定する締結手段をさらに備える、
請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項3】
前記締結手段はバックルを含む、
請求項2に記載の生体情報取得装置。
【請求項4】
支持部材を提供し、
ユーザの身体に第1の電気信号を送信する送信手段と、前記ユーザの身体から第2の電気信号を取得する取得手段と、を有する電気信号取得手段と、前記ユーザの身体に対する前記電気信号取得手段の位置を識別する位置識別子と、を前記支持部材上に設け、前記位置識別子は、前記電気信号取得手段と重なるように前記支持部材に設けられ
、かつ、前記位置識別子は前記支持部材から取り外し可能に構成される、
生体情報取得装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中や外傷性脳損傷などの脳損傷は、世界の死亡における主要原因であり、患者の身体障害にも大きく寄与している。脳損傷患者は、介助を必要とするか、又は日常生活動作(ADL)を介護者に完全に依存するようになり、神経筋モニタリング及び治療を必要とすることがある。
【0003】
神経筋モニタリングの例としては、筋電図検査(EMG)がある。この検査では、特定の筋肉群の筋力を測定するために、臨床環境で電極付きのEMGセンサを使用して筋肉の電気的活動を収集する。EMG測定は、脳卒中リハビリテーションなどの患者の機能回復をモニターするために重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EMGセンサの電極は、特定の筋肉群から電気信号を介して筋肉活動を収集するために、臨床医によって筋肉上に手動で配置される。したがって、患者の特定の活動をモニタリングするためには、電極を正しい筋肉群に配置する必要がある。
【0005】
EMGは、複数の時点にわたる一人の個々の患者の同一位置に電極を常に配置することが困難であるため、典型的には、診療所又は検査室の経験豊富な職員 (例えば、臨床医) によって実施される。電極が誤った位置又は異なる筋肉群に配置されると、電気信号のクロストークが生じる可能性がある。また、電極の配置が不整合になることで、正確でノイズフリーのデータを取得することが困難にする可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得することができる装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の例示的態様において、生体情報取得装置は、ユーザの身体に第1の電気信号を送信する送信手段と、前記ユーザの身体から第2の電気信号を取得する取得手段と、を有する電気信号取得手段と、前記第2の電気信号を情報処理装置に伝送する通信手段と、前記電気信号取得手段を取り付ける支持部材と、前記ユーザの身体に対する前記電気信号取得手段の位置を識別し、かつ、前記電気信号取得手段と重なるように前記支持部材に設けられる位置識別子を備える。
【0008】
第2の例示的態様において、生体情報取得装置の製造方法は、支持部材を提供し、ユーザの身体に第1の電気信号を送信する送信手段と、前記ユーザの身体から第2の電気信号を取得する取得手段と、を有する電気信号取得手段と、前記ユーザの身体に対する前記電気信号取得手段の位置を識別する位置識別子と、を前記支持部材上に設け、前記位置識別子は、前記電気信号取得手段と重なるように前記支持部材に設けられることを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得することができる装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態にかかる、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置の上面斜視図を示す。
【
図2A】第1の実施形態にかかる、2以上の電極によってデータが取得される上肢の筋肉群を示す
図1の装置の上面斜視図を示す。
【
図2B】第1の実施形態にかかる、2以上の位置識別子の位置を示す、
図1の装置の上面斜視図を示す。
【
図3A】第1の実施形態にかかる、ユーザの腕に使用されるときの
図1の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図3B】第1の実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極が取り付けられた、ユーザの腕上の
図1の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図3C】第1の実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極が取り付けられた、
図1の装置の底面斜視図を示す概略図を示す。
【
図3D】第1の実施形態にかかる、取り付けられたスナップケーブルを各々有する2以上の使い捨て可能な電極を有する、ユーザの腕上の
図1の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図3E】第1の実施形態にかかる、無線EMGセンサに接続された2以上の使い捨て可能な電極を有する、ユーザの腕上の
図1の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図4A】第1の実施形態にかかる、ユーザの左腕上で使用するための
図1の装置の上面斜視図を示す。
【
図4B】第1の実施形態にかかる、ユーザの右腕上で使用するための
図1の装置の上面斜視図を示す。
【
図5】第1の実施形態にかかる、ユーザの左腕及び右腕にそれぞれ固定された
図4A及び4Bの装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図6】第1の実施形態にかかる、検査において
図1の装置が使用されるユーザの前腕の寸法を示す斜視図を示す。
【
図7A】第1の実施形態にかかる、
図1の装置を用いた検査における様々な対象の前腕筋群データを示すグラフを示す。
【
図7B】第1の実施形態にかかる、
図1の装置を用いた検査における様々な対象の前腕筋群データを示すグラフである。
【
図7C】第1の実施形態にかかる、
図1の装置を用いた検査における様々な対象の前腕筋群データを示すグラフである。
【
図8】第1の実施形態にかかる、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置の上面斜視図を示す。
【
図9A】第1の実施形態にかかる、2以上の電極によってデータが取得される下肢の筋肉群を示す
図8の装置の上面斜視図を示す。
【
図9B】第1の実施形態にかかる、1以上の位置識別子の位置を示す
図8の装置の上面斜視図を示す。
【
図10A】第1の実施形態にかかる、ユーザの脚に使用されるときの
図8の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図10B】第1の実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極が取り付けられた、ユーザの脚上の
図8の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図10C】第1の実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極が取り付けられた、
図8の装置の底面斜視図を示す概略図を示す。
【
図10D】第1の実施形態にかかる、取り付けられたスナップケーブルを各々有する2以上の使い捨て可能な電極を有する、ユーザの脚上の
図8の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図10E】第1の実施形態にかかる、無線EMGセンサに接続された2以上の使い捨て可能な電極を有する、ユーザの脚上の
図8の装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図11A】第1の実施形態にかかる、ユーザの右脚上で使用するための
図8の装置の上面斜視図を示す。
【
図11B】第1の実施形態にかかる、ユーザの左脚上で使用するための
図8の装置の上面斜視図を示す。
【
図12】第1の実施形態にかかる、ユーザの左脚及び右脚にそれぞれ固定された
図11A及び11Bの装置の上面斜視図を示す概略図を示す。
【
図13】第1の実施形態にかかる、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための方法を示すフローチャートを示す。
【
図14】第2の実施形態にかかる、装置の構成を示すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示にかかる実施形態を説明する前に、注記を以下のように説明すべきである。
【0012】
上述のように、EMGは、典型的には、診療所又は検査室の経験豊富な職員 (例えば、臨床医) によって実施される。この第1の理由は、複数の時点にわたる一人の個々の患者の同一位置に電極を常に配置することが困難であるためである。この第2の理由は、電極を手動で配置するとき、異なる患者の筋肉上の電極の正しい位置を見つけることが困難であるためである。更なる理由は、EMGがそのような経験豊富な職員によって実施されない場合、皮膚と電極間の接触の喪失が起こり、それによって電気的(又はEMG)信号の不完全な記録がもたらされ得るためである。これらの理由により、EMGは、診療所又は検査室以外の経験の浅い職員によってなされることはほとんどない。
【0013】
現在、EMGを用いたシステム又はリハビリテーション装置をモニタリングしながら、リハビリテーション又は疼痛緩和のために筋肉を刺激する装置は、臨床環境における経験豊富な職員のみが使用できる。したがって、患者から容易に取り外すことができ、経験のない職員が従来の電極を使用しながらEMG活動に使用することができるように、洗濯可能で装着可能な装置を提供する必要がある。
【0014】
また、患者のリハビリテーションの進行をモニタリングするために、EMGに長期間記録する間、一貫して、信頼性があって誤りがなく正確な電極の配置を提供することができる装置を有する必要がある。
【0015】
ここで開示されるのは、1以上の上記の問題に対処する、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置及び方法の実施形態である。
【0016】
さらに、他の望ましい特徴及び特性は、添付の図面及び本開示のこの背景と併せて、後続の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0017】
添付の図面は、同等の参照番号が、別個の図面全体にわたって同一又は機能的に類似の要素を示し、以下の詳細な説明と共に明細書に組み込まれ、その一部を形成するものであり、様々な実施形態を図示し、本実施形態にかかる様々な原理及び利点を非限定的な例としてのみ説明する役割を果たす。
【0018】
本開示の実施形態は、以下の書面による説明から、例としてのみ、かつ図面と併せて、当業者にとってさらによく理解され、容易に明らかになるであろう。
【0019】
(第1実施形態)
本開示の第1の実施形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、又は本開示の適用及び使用を制限することを意図していない。さらに、本開示の先行する背景又は以下の詳細な説明において提示されるいかなる理論に拘束される意図はない。ここで、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置は、本実施形態に従って提示され、電極の正確な配置だけでなく、リハビリテーションのための筋肉の信頼できる正確なデータを提供するという利点を有する。
【0020】
図1は、例示的な実施形態にかかる、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置100の上面斜視図を示す。装置100は、支持部材102と、支持部材102上に配置された2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eと、同じく支持部材102上に配置された2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dを備える。
【0021】
支持部材102は、ユーザの身体の異なるサイズに適応するように伸長可能となるよう、弾性を有してもよい。支持部材102は、伸縮可能であるため、身体のサイズにかかわらず、1以上の筋肉群に関する身体の一部を円周方向に囲むように適合されてもよい。さらに、支持部材102は、ポリエステル又はビニルのような軟質の非剛性材料から作られてもよい。支持部材102は、長さ110で約21センチメートル、幅112で約15センチメートルの寸法にすることができる。
【0022】
2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eは、1以上の筋肉群に対応するデータを取得するように構成することができ、2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dは、支持部材102に永続的に固定するか、又は取り外し可能に取り付けることができる。5個の電極および4個の位置識別子が
図1に示されているが、装置100の他の実施形態は、5個を超える電極及び4個を超える位置識別子を含んでもよいことが理解される。
【0023】
2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eの各々は、心電図で典型的に使用される「ピールアンドスティック」電極のような使い捨て可能な電極であってよい。ドライ電極、表面電極、ゲル化電極、針電極及び/又は細線電極などの他のタイプの電極も可能である。2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eは、医学的異常、筋肉の活動レベルを検出するため、又はユーザの生体力学を分析するために、1以上の筋肉群からデータを取得することができる。
【0024】
2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eが支持部材102から取り外し可能である実施形態では、装置100は、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eをそれぞれ受け入れるように構成された2以上の電極マウントを備えてもよい。電極マウントの機能は、電極をより良く固定することである。一実施形態では、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eは、筋肉活動を補助するために1以上の筋肉群から電気信号を取得してもよい。別の実施形態では、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eは、身体の1以上の筋肉群にデータを送信するように構成されてもよい。例えば、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eは、筋肉刺激を補助するために1以上の筋肉群に電気信号を送信してもよい。筋肉刺激のための電気信号の送信は、1以上の筋肉群の痛みの緩和に役立つことがある。
【0025】
2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eの各々は、支持部材102のエッジに対して所定の長さに位置してもよい。例えば、
図1に示すように、電極104aは、参照番号118で開始して、(電極の中心から測定して)支持部材102の第一エッジまで約3.5センチメートルの長さであってもよい。したがって、電極104bは、電極104aに対して(電極の中心から測定して)約2センチメートルの相対距離にあってもよい。同様に、電極104dは、参照番号116から開始して、(電極の中心から測定して)支持部材102の第一エッジに対向する第二エッジまで、約5センチメートルの長さであってもよい。したがって、電極104cは、電極104dに対して(電極の中心から測定して)約3.5センチメートルの相対距離にあってもよい。
【0026】
2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dの各々は、身体の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eのうちの1個を配置する位置を識別することができる。2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dの各々は、支持部材102のエッジに対して所定の長さに位置してもよい。例えば、
図1に示されるように、位置識別子106cは、参照番号114から開始して、支持部材102のエッジまで約5.5センチメートルの長さであってもよく、位置識別子106bは、電極104eと同じ位置にあってもよい。さらに、位置識別子106dは、支持部材102の角に配置されてもよい。
【0027】
位置識別子の寸法は、身体の筋肉群に応じて変化し得ることが理解される。例えば、位置識別子106cは、上腕の筋肉群からデータを取得するために、支持部材102のエッジから異なる長さに配置されてもよい。
【0028】
装置100はまた、支持部材102を身体に対して取り外し可能に固定できるように、締結手段108a、108bを含んでもよい。締結手段は、面ファスナー(例:マジックテープ((R):登録商標)ファスナー)、バックルファスナー及び/又は接着ファスナーを含んでもよいが、これらに限定されない。装置100を最小の労力で身体に固定し、また取り外すことができるように、他の締結手段を適用することができることを理解されたい。
【0029】
図2Aは、例示的な実施形態にかかる、2以上の電極によってデータが取得される上肢の筋肉群を示す、
図1の装置100の上面斜視
図200を示す。この実施形態では、身体の1以上の筋肉群は、ユーザの腕などの上肢の筋肉群を指してもよい。例えば、
図2Aに示されるように、電極104a及び104bは、ユーザの前腕に位置する示指伸筋群202に対応するデータを取得するために配置され得る一方、電極104c及び104dは、同様にユーザの前腕に位置する指伸筋群204に対応するデータを取得するために配置され得る。
【0030】
図2Bは、一実施形態にかかる、2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dの位置を示す、
図1の装置100の上面斜視
図250を示す。この実施形態では、2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dは、上肢すなわちユーザの腕の位置を識別することができる。例えば、
図2Bに示されるように、位置識別子106aは、前腕の遠位端にある尺骨茎状突起206の位置を識別することができる一方、位置識別子106bは、肘の 「尖った」 部分である肘頭208の位置を識別することができる。さらに、位置識別子106cは、肘軸210の位置を識別することができる一方、位置識別子106dは、肘関節幅212の中央の位置を識別することができる。装置100がユーザの腕に使用されるとき、2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dは、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eのうちの1個が腕の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために配置されるように、それぞれの位置を識別する。
【0031】
図3Aは、例示的な実施形態にかかる、ユーザの腕302上で使用されるときの
図1の装置100の上面斜視図を示す概略
図300を示す。筋肉群からデータが収集される前に、装置100は、支持部材102が腕302を円周方向に囲むように腕302上に配置される。次に、ユーザは、前述したように、2以上の位置識別子106a、106b、106c、106dがそれぞれの位置に配置されるように、装置100を調整してもよい。すなわち、位置識別子106aは尺骨茎状突起206に位置し、位置識別子106bは肘頭208の位置に位置し、位置識別子106cは肘軸210の位置に位置し、位置識別子106dは肘関節幅212の中央の位置に位置する。このようにして、電極104a及び104bは、示指伸筋群202に対応するデータを取得するために配置され、電極104c及び104dは、指伸筋群204に対応するデータを取得するために配置される。そして、締結手段108a、108bを用いて腕302に装置100が固定される。
【0032】
さらに、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eの各々は、装置100に容易に取り外し、また取り付けることができる使い捨て可能な電極304であってもよい。この実施形態では、支持部材102は、2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eをそれぞれ受け入れるように構成された2以上の電極マウント310a、310b、310c、310d、310eを含む。使い捨て可能な電極304は、衛生目的のために一度だけ使用される典型的な 「ピールアンドスティック」 電極であってもよい。使い捨て可能な電極304は、無線EMGセンサ308へのデータの送信を可能にするためにスナップケーブル306に取り付けられてもよい。2以上の電極104a、104b、104c、104d、104eのそれぞれについて、ドライ電極、表面電極、ゲル化電極、針電極及び/又は細線電極などの他のタイプの電極が可能であることが理解できる。
【0033】
図3Bは、例示的な実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eが取り付けられた、ユーザの腕302上の
図1の装置100の上面斜視図を示す概略
図350を示す。装置100が腕302に固定された後、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eが、2以上の電極マウント310a、310b、310c、310d、310eを介して装置100に取り付けられる。あるいは、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eは、腕302に固定される前に装置100に取り付けられてもよい。さらに別の代替実施形態では、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eは、装置100に永続的に取り付けられてもよく、したがって、装置100は、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eを取り付けるステップなしで腕302に固定される。
図3Cは、例示的な実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eが取り付けられた
図1の装置100の底面斜視図を示す概略
図370を示す。底面斜視図における104a、104b、104c、104d、104eの機能は、
図3Bに示されるものと同じ機能を有し得る。
【0034】
図3Dは、例示的な実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eにそれぞれスナップケーブル306が取り付けられている、ユーザの腕302上の
図1の装置100の上面斜視図を示す概略
図380を示す。2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eが装置100に取り付けられた後、スナップケーブル306が2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eの各々に取り付けられてもよい。
図3Dに示されるように、電極104c及び104dは、各々、スナップケーブル306に取り付けられて、筋肉群のデータの送信を容易にする。各スナップケーブル306は、データ送信中に強度と安定性を提供し得る電極に容易にかつ確実に取り付けることができる「スナップオン」の特徴を有する可撓性を有し得る。
【0035】
図3Eは、例示的実施形態にかかる、無線EMGセンサ308に接続された2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eを有するユーザの腕302上の
図1の装置100の上面斜視図を示す概略
図390を示す。スナップケーブル306を2以上の使い捨て電極104a、104b、104c、104d、104eのそれぞれに取り付けた後、スナップケーブル306のそれぞれを無線EMGセンサ308に接続する。無線EMGセンサ308は、2以上の使い捨て可能な電極104a、104b、104c、104d、104eによって送信されたデータから筋肉群の活動を測定し記録するものであってもよい。無線EMGセンサ308は、ユーザが装着することができる携帯型センサであってもよく、筋肉収縮、神経伝導、損傷組織における筋肉応答及び/又は活動レベルを介してユーザの生体力学を分析及び評価するために使用することができる。無線EMGセンサ308によって受信されたデータは、適切なソフトウェアプログラムを使用してさらなる分析のために、コンピュータ装置に無線で送信することもできる。
図3Eにおいて、無線EMGセンサ308は、5個の電極のうちの少なくとも2個からデータを受信するように構成され、電極のうちの1個はEMGデータの1つのチャネルを提供する。無線EMGセンサ308は、5個を超える電極からデータを受信するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0036】
図4Aは、例示的な実施形態にかかる、ユーザの左腕上で使用するための
図1の装置100の上面斜視
図400を示し、
図4Bは、例示的な実施形態にかかる、ユーザの右腕上で使用するための
図1の装置100の上面斜視
図450を示す。別の実施形態では、装置100は、単一の装置を右腕と左腕の両方で交換可能に使用できるようにリバーシブルであってもよい。
図5は、
図4A及び4Bの装置の上面斜視図を示す概略
図500を示し、装置は、例示的な実施形態に従って、ユーザの左腕502及び右腕504にそれぞれ固定される。
【0037】
図6は、例示的な実施形態にかかる検査において、
図1の装置100が使用されるユーザの前腕602の寸法を示す斜視
図600を示す。以下の
図7A~7Cの例では、装置100は、様々な前腕長604を有し、様々な腕周り606を有する異なるユーザの前腕602に使用された。これらの実施例では、前腕の長さ604は肘軸から尺骨茎状突起まで測定され、前腕周り606は肘付近で測定される。以下の実施例は、前腕筋肉群から取得されたそれぞれのデータを用いて、異なる前腕寸法での装置100の使用を示す。
【0038】
図7A~7Cは、例示的実施形態にかかる、
図1の装置を用いた検査における様々なユーザの前腕筋群データを示すグラフを示す。
図7Aにおいて、筋肉群データは、装置100を使用して、前腕の長さ25センチメートル(cm)及び周囲長20.5センチメートル(cm)を有するユーザから収集され、提示される。この場合、ユーザの前腕の周囲長は、平均の前腕の周囲長よりも小さい。ユーザの指伸筋群からの筋肉活動は、
図7AのグラフAに示され、ユーザの示指伸筋群からの筋肉活動は、
図7AのグラフBに示される。
【0039】
図7Bにおいて、筋肉群データは、装置100を使用して、前腕の長さ30センチメートル(cm)及び周囲長26センチメートル(cm)を有するユーザから収集され、提示される。この場合、ユーザの前腕の長さは、平均の前腕の長さよりも長い。ユーザの指伸筋群からの筋肉活動は、
図7BのグラフAに示され、ユーザの示指伸筋群からの筋肉活動は、
図7BのグラフBに示される。
【0040】
図7Cにおいて、筋肉群データは、装置100を使用して、前腕の長さ25センチメートル(cm)及び周囲長26センチメートル(cm)を有するユーザから収集され、提示される。この場合、ユーザの前腕の長さは、平均の前腕の長さよりも短い一方、周囲長は平均の前腕の周囲長よりも長い。ユーザの指伸筋群からの筋肉活動は、
図7CのグラフAに示される一方、ユーザの示指伸筋群からの筋肉活動は、
図7CのグラフBに示される。
図7A~7Cに示されるように、ユーザから収集されたEMGデータは、前腕のサイズ及び長さにかかわらず、良好な品質のEMG信号の取得を可能にする利点をもたらす。また、装置は、電極配置の準備にかかる時間を短縮することができる。例えば、従来の装置を前腕に巻き付けるのにかかる4分以上と比較して、本装置を前腕に巻き付けるのにかかる時間は30秒未満であり、この正確な長さは、筋群上の正確な電極位置を見つける際のユーザのスキルに大きく依存する。
【0041】
図8は、例示的な実施形態にかかる、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置800の上面斜視図を示す。装置800は、
図1の装置100と類似し、支持部材802と、支持部材802上に配置された2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eと、同じく支持部材802上に配置された1以上の位置識別子806aとを備える。支持部材802は、異なるサイズを有するユーザの身体の部分に適合するように伸長することができるよう、弾性を有してもよい。支持部材802は、伸縮可能であるため、身体のサイズにかかわらず、1以上の筋肉群に関する身体の一部を円周方向に囲むように適合されてもよい。さらに、支持部材802は、ポリエステル又はビニルのような軟質の非剛性材料から作られてもよい。支持部材802は、長さ810で約13センチメートル、幅812で約17センチメートルの寸法であってもよい。
【0042】
2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eは、1以上の筋肉群に対応するデータを取得するように構成することができる一方、1以上の位置識別子806aは、支持部材802に永続的に固定するか、又は取り外し可能に取り付けることができる。5個の電極及び1個の位置識別子が
図8に示されているが、装置800の他の実施形態は、5個よりも多い電極及び1個よりも多い位置識別子を含むことができることを理解されたい。2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eの各々は、心電図で典型的に使用される「ピールアンドスティック」電極のような使い捨て可能な電極であってよい。ドライ電極、表面電極、ゲル化電極、針電極及び/又は細線電極などの他のタイプの電極も可能である。2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eは、医学的異常、筋肉の活動レベルを検出するため、又はユーザの生体力学を分析するために、1以上の筋肉群からデータを取得することができる。
【0043】
2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eが支持部材802から取り外されてもよい実施形態では、装置800は、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eをそれぞれ受け入れるように構成された2以上の電極マウントを含んでもよい。電極マウントの機能は、電極をより良く固定することである。一実施形態によると、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eは、筋肉活動を補助するために1以上の筋肉群から電気信号を取得することができる。別の実施形態では、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eは、身体の1以上の筋肉群にデータを送信するように構成されてもよい。例えば、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eは、筋肉刺激を補助するために1以上の筋肉群に電気信号を送信してもよい。筋肉刺激のための電気信号の送信は、1以上の筋肉群の痛みの緩和に役立つことがある。
【0044】
装置800はまた、支持部材802を身体に対して取り外し可能に固定できるように、締結手段808a、808bを備えてもよい。締結手段は、面ファスナー(例:マジックテープ((R):登録商標)ファスナー)、バックルファスナー及び/又は接着ファスナーを含んでもよいが、これらに限定されない。装置800を最小の労力で身体に固定し、また取り外すことができるように、他の締結手段を適用することができることを理解されたい。
【0045】
図9Aは、例示的な実施形態にかかる、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eによってデータが取得される下肢の筋肉群を示す、
図8の装置800の上面斜視
図900を示す。この実施形態では、身体の1以上の筋肉群は、ユーザの脚などの下肢の筋肉群を指してもよい。例えば、
図9Aに示されるように、電極804a及び804bは、ユーザの下肢に位置する前脛骨筋群902に対応するデータを取得するために配置され得る一方、電極804c及び804dは、同様にユーザの下肢に位置する長腓骨筋群904に対応するデータを取得するために配置され得る。
【0046】
図9Bは、一実施形態にかかる、1以上の位置識別子806aの位置を示す、
図8の装置800の上面斜視
図950を示す。この実施形態では、1以上の位置識別子806aは、下肢すなわちユーザの脚の位置を識別することができる。例えば、
図9Bに示されるように、位置識別子806aは、脛骨筋906の位置を識別することができる。装置800がユーザの脚に使用されるとき、1以上の位置識別子806aは、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eのうちの1個が脚の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために配置されるように、それぞれの位置を識別する。
【0047】
図10Aは、例示的な実施形態にかかる、ユーザの脚1002上で使用されるときの
図8の装置800の上面斜視図を示す概略
図1000を示す。筋肉群からデータが収集される前に、装置800は、支持部材802が脚1002を円周方向に囲むように脚1002上に配置される。次に、ユーザは、前述したように、1以上の位置識別子806aがそれぞれの位置に配置されるように、装置800を調整してもよい。すなわち、位置識別子806aは脛骨筋906に位置する。このようにして、電極804a及び804bは、前脛骨筋群902に対応するデータを取得するために配置され、電極804c及び804dは、長腓骨筋群904及び前脛骨筋群902に対応するデータを取得するために配置される。そして、締結手段808a、808bを用いて脚1002に装置800が固定される。
【0048】
さらに、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eの各々は、装置800に容易に取り外し、また取り付けることができる使い捨て可能な電極1004であってもよい。この実施形態では、支持部材802は、2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eをそれぞれ受け入れるように構成された2以上の電極マウント1010a、1010b、1010c、1010d、1010eを含む。使い捨て可能な電極1004は、衛生目的のために一度だけ使用される典型的な 「ピールアンドスティック」 電極であってもよい。使い捨て可能な電極1004は、無線EMGセンサ1008へのデータの送信を可能にするためにスナップケーブル1006に取り付けられてもよい。2以上の電極804a、804b、804c、804d、804eのそれぞれについて、ドライ電極、表面電極、ゲル化電極、針電極及び/又は細線電極などの他のタイプの電極が可能であることが理解できる。
【0049】
図10Bは、例示的な実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eが取り付けられた、ユーザの脚1002上の
図8の装置800の上面斜視図を示す概略
図1050を示す。装置800が脚1002に固定された後、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eが、2以上の電極マウント1010a、1010b、1010c、1010d、1010eを介して装置800に取り付けられる。あるいは、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eは、脚1002に固定される前に装置800に取り付けられてもよい。さらに別の代替実施形態では、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eは、装置800に永続的に取り付けられてもよく、したがって、装置800は、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eを取り付けるステップなしで脚1002に固定される。
図10Cは、例示的な実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eが取り付けられた
図8の装置800の底面斜視図を示す概略
図1070を示す。底面斜視図における804a、804b、804c、804d、804eの機能は、
図10Bに示されるものと同じ機能を有し得る。
【0050】
図10Dは、例示的な実施形態にかかる、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eにそれぞれスナップケーブル1006が取り付けられている、ユーザの脚1002上の
図8の装置800の上面斜視図を示す概略
図1080を示す。2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eが装置800に取り付けられた後、スナップケーブル1006が2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eの各々に取り付けられてもよい。
図10Dに示されるように、電極804c及び804dは、各々、スナップケーブル1006に取り付けられて、筋肉群のデータの送信を容易にする。各スナップケーブル1006は、データ伝送中に強度と安定性を提供するように、電極に容易にかつ確実に取り付けることができる「スナップオン」の特徴を有する可撓性を有し得る。
【0051】
図10Eは、例示的実施形態にかかる、無線EMGセンサ1008に接続された2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eを有するユーザの脚1002上の
図8の装置800の上面斜視図を示す概略
図1090を示す。スナップケーブル1006を2以上の使い捨て電極804a、804b、804c、804d、804eのそれぞれに取り付けた後、スナップケーブル1006のそれぞれを無線EMGセンサ1008に接続する。無線EMGセンサ1008は、2以上の使い捨て可能な電極804a、804b、804c、804d、804eによって送信されたデータから筋肉群の活動を測定し記録するものであってもよい。無線EMGセンサ1008は、ユーザが装着することができる携帯型センサであってもよく、筋肉収縮、神経伝導、損傷組織における筋肉応答及び/又は活動レベルを介してユーザの生体力学を分析及び評価するために使用することができる。無線EMGセンサ1008によって受信されたデータは、適切なソフトウェアプログラムを使用してさらなる分析のために、コンピュータ装置に無線で送信することもできる。
図10Eにおいて、無線EMGセンサ1008は、5個の電極のうちの少なくとも1個からデータを受信するように構成される。無線EMGセンサ1008は、5個を超える電極からデータを受信するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0052】
図11Aは、例示的な実施形態にかかる、ユーザの右脚上で使用するための
図8の装置800の上面斜視
図1100を示し、
図11Bは、例示的な実施形態にかかる、ユーザの左脚上で使用するための
図8の装置800の上面斜視
図1150を示す。別の実施形態では、装置800は、単一の装置を右脚と左脚の両方で交換可能に使用できるようにリバーシブルであってもよい。
図12は、
図11A及び11Bの装置の上面斜視図を示す概略
図1200を示す。装置は、例示的な実施形態に従って、ユーザの左脚1202及び右脚1204にそれぞれ固定される。
【0053】
図13は、例示的実施形態にかかる、リハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための方法を示すフローチャートを示す。ステップ1302では、2以上の電極が、装置の2以上の電極マウント上にそれぞれ配置される。これは、電極スナップボタンを電極マウントの穴に配置することによって達成することができる。ステップ1304において、2以上の電極の各々はスナップケーブルに接続される。ステップ1306において、装置は、身体上に配置され、固定される。装置は、装置の位置識別子の各々が身体の対応する位置を識別するように配置される。その後、装置は、締結手段を用いて身体に固定される。あるいは、電極を装置に取り付ける前に、装置を配置して身体に固定してもよい。電極が装置上に永続的に固定されるさらなる実施形態では、ステップ1302は省略されてもよい。
【0054】
ステップ1308において、電極スナップケーブルの各々は、EMGセンサに接続される。EMGセンサは、Bluetooth((R):登録商標)又はWi-Fi((R):登録商標)を介してコンピュータ装置にデータを無線送信する無線センサであってもよい。ステップ1310では、身体の1以上の筋肉群のデータを取得するためにEMGテストが実行される。EMGテストが完了した後、ステップ1312で、各電極スナップケーブルがEMGセンサから取り外される。ステップ1314において、スナップケーブルの各々は、2以上の電極から取り外される。ステップ1316で、装置が身体から取り外され、ステップ1318で、2以上の電極が身体部から取り外される。
【0055】
本開示の実施形態は、従前の装置の問題を克服するリハビリテーションのための身体の1以上の筋肉群のデータを取得するための装置を提供する。上述のように、例示的な実施形態は、身体のサイズ又は体重にかかわらず、身体の特定の筋肉群の正確な位置を一貫して位置決めしながら容易に装着することができる装置の製造方法も提供する。また、本開示の実施形態における装置は、身体の特定の筋肉群を自動的に位置決めする。また、この装置は、締結手段を用いて容易に身体に固定し、身体から取り外すことができるので、診療所又は検査室以外(例えば家)のユーザ(又は患者)によって使用されてもよい。有利なことには、長期間の使用は身体と電極との間の不十分な接触を引き起こす可能性があるので、装置を身体に容易に固定し、また取り外すことは、装置の長期使用中に高品質で一貫性のあるデータを得ることにつながる。
【0056】
さらに、本開示の装置は、筋群にEMG電極が不正確に配置される問題を抑制する。また、この装置は、信号 (又はデータ) のノイズレベルを低減し、ユーザ(又は患者)が自宅でリハビリテーション又は遠隔リハビリテーションに使用できるように携帯可能である。本開示の実施形態における装置は、上肢又は下肢以外の身体部に使用することができ、四肢のどの側にも使用することができることが理解されよう。また、装置は、身体と電極との間の接触を繰り返し一貫して維持するように用いることができる。使い捨て可能で洗浄可能な電極を有することで、装置は異なるユーザが使用でき、しかも衛生的である。さらに、使い捨て可能な電極の使用はまた、ユーザのコストを低減し、装置は、筋肉チェックを行い、電極を取り付け、筋肉データを分析するためにEMG検査員が必要とする時間を低減することもできる。これらの効果は、装置が家で使用されるときであっても、EMG無線センサがEMG検査員にデータを送信するとき、EMGセンサアプリケーションを開始することにより達成できる。
【0057】
(第2実施形態)
本開示の第2の実施形態を、
図14を参照して以下に説明する。第2の実施形態は、本開示の一般的概念を示す。しかし、この開示の制限を示すものではない。
【0058】
図14は、装置10のブロック図を示す。装置10は、支持部材11と、2個の電極12と、1個の位置識別子13とを備える。しかし、この例示的な実施形態では、装置10の電極12がより多く存在してもよい。同様に、この例示的な実施形態では、装置10の位置識別子13が複数存在してもよい。
【0059】
電極12は、データを取得するように構成され、支持部材11上に配置される。位置識別子13は、支持部材11上に配置され、位置識別子13は、身体の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために2個の電極12のうちの1個を配置する位置を識別する。
【0060】
また、装置10の製造方法は、以下のように説明することができる。
支持部材11を提供し、
2個の電極12を支持部材11上に配置し、2個の電極はデータを取得するように構成されており、
1個の位置識別子13を支持部材11上に配置し、位置識別子13は、身体の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために電極12のうちの1個を配置する位置を識別する。
【0061】
位置識別子13は、身体の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために2個の電極12のうちの1個を配置する位置を識別するので、装置10は、リハビリテーションのために身体の1以上の筋肉群のデータを取得することができる。上記の方法で、この装置を製造することができる。
【0062】
上述した実施形態の一部又は全ては、以下の付記のように説明することができるが、本開示はこれに限定されない。
(付記1)
支持部材と、
データを取得するように構成された2以上の電極であって、前記支持部材上に配置された2以上の電極と、
前記支持部材上に配置された1以上の位置識別子であって、その各々は、身体の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために前記2以上の電極のうちの1個を配置する位置を識別する1以上の位置識別子と、を備える
装置。
(付記2)
前記2以上の電極をそれぞれ受け入れるように構成された2以上の電極マウントをさらに備える、
付記1に記載の装置。
(付記3)
前記支持部材は、前記1以上の筋肉群に関する前記身体の部分を円周方向に囲むように適合されている、
付記1又は2に記載の装置。
(付記4)
前記支持部材を前記身体に対して取り外し可能に固定する締結手段をさらに備える、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
(付記5)
前記締結手段は、面ファスナーを備える、
付記4に記載の装置。
(付記6)
前記2以上の電極は、さらに、前記身体の1以上の筋肉群にデータを送信するように構成されている、
付記1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
(付記7)
前記身体の1以上の筋肉群は、少なくとも、上肢の1以上の筋肉群又は下肢の1以上の筋肉群を含む、
付記1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
(付記8)
前記1以上の位置識別子のそれぞれが識別する前記位置は、尺骨茎状突起、肘関節幅、肘軸、肘頭又は脛骨筋の少なくとも1つを含む、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
(付記9)
前記2以上の電極は使い捨て電極を含む、
付記1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
(付記10)
支持部材を提供し、
データを取得するように構成された2以上の電極を前記支持部材上に配置し、
1以上の位置識別子を前記支持部材上に配置し、前記1以上の位置識別子の各々は、身体の1以上の筋肉群に対応するデータを取得するために前記2以上の電極のうちの1個を配置する位置を識別することを備える、
装置の製造方法。
(付記11)
前記2以上の電極をそれぞれ受け入れるように構成された2以上の電極マウントを提供することをさらに備える、
付記10に記載の方法。
(付記12)
前記支持部材は、前記1以上の筋肉群に関する前記身体の部分を円周方向に囲むように適合されている、
付記10又は11に記載の方法。
(付記13)
前記支持部材を前記身体に対して取り外し可能に固定する締結手段を提供することをさらに備える、
付記10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
(付記14)
前記締結手段は、面ファスナーを備える、
付記13に記載の方法。
(付記15)
前記2以上の電極は、さらに、前記身体の1以上の筋肉群にデータを送信するように構成されている、
付記10乃至14のいずれか1項に記載の方法。
(付記16)
前記身体の1以上の筋肉群は、少なくとも、上肢の1以上の筋肉群又は下肢の1以上の筋肉群を含む、
付記10乃至15のいずれか1項に記載の方法。
(付記17)
前記1以上の位置識別子のそれぞれが識別する前記位置は、尺骨茎状突起、肘関節幅、肘軸、肘頭又は脛骨筋の少なくとも1つを含む、
付記10乃至16のいずれか1項に記載の方法。
(付記18)
前記2以上の電極は使い捨て電極を含む、
付記10乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
当業者には理解されるように、広く記載された本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示された本開示に多くの変形及び/又は修正がなされてもよい。したがって、本実施形態は、すべての点において例示的であり、限定的ではないと考慮されるべきである。
【0064】
この出願は、2019年7月10日に出願されたシンガポール特許出願番号10201906405Pを基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0065】
10 装置
11 支持部材
12 電極
13 位置識別子
100、800 装置
102、802 支持部材
104、804 電極
106、806 位置識別子
108、808 締結手段
304、1004 使い捨て可能な電極
306、1006 スナップケーブル
308、1008 無線EMGセンサ
310、1010 電極マウント