(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】プログラム、携帯端末、認証処理装置、画像送信方法、及び認証処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240214BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240214BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240214BHJP
H04N 23/69 20230101ALI20240214BHJP
G03B 7/00 20210101ALI20240214BHJP
【FI】
H04N7/18 K
H04N7/18 U
H04N23/60 100
H04N23/63 110
H04N23/69
G03B7/00
(21)【出願番号】P 2022508697
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2020011932
(87)【国際公開番号】W WO2021186606
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】野中 哲史
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/208519(WO,A1)
【文献】特開2003-108983(JP,A)
【文献】国際公開第2020/022014(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/00
G03B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段を有する携帯端末で実行されるプログラムであって、
前記携帯端末に、
当該携帯端末の
角度を取得させる角度取得機能と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報をサーバに送信する送信機能と、
前記角度が前記第1基準を満たしたときに、前記撮像手段に送信用画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にする判断機能と、を実現させるためのプログラムであって、
前記送信機能は、前記入力機能が有効になった後に撮影された画像を前記送信用画像にする、プログラム。
【請求項2】
撮像手段を有する携帯端末で実行されるプログラムであって、
前記携帯端末に、
当該携帯端末の
角度を取得させる角度取得機能と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報をサーバに送信する送信機能と、
前記第1基準と前記角度の差に基づいて、前記携帯端末の角度を前記第1基準に近づけるためのガイダンスを生成して出力するガイド表示機能と、を実現させるための、プログラム。
【請求項3】
請求項2の記載のプログラムにおいて、
前記ガイダンスは、前記第1基準と前記角度の差を示す値である、プログラム。
【請求項4】
請求項
2または3に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記携帯端末に、
前記送信用画像が生成されるまで繰り返し生成された
前記画像における前記顔の影の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認機能を
実現させるための、プログラム。
【請求項5】
請求項
2または3に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記携帯端末に、
前記送信用画像が生成されるまで繰り返し生成された
前記画像における眼球の動きを検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認機能を
実現させるための、プログラム。
【請求項6】
請求項
2または3に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記携帯端末に、
前記送信用画像が生成されるまで繰り返し生成された
前記画像における顔と胴体の相対角度の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認機能を
実現させるための、プログラム。
【請求項7】
請求項1
~6のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記携帯端末に、当該携帯端末の画面に、前記撮像手段が生成した画像と、前記送信用画像において顔の特定部位の位置が存在すべき位置を示すガイド表示と、を重ねて表示するガイド表示機能を
実現させるためのプログラムであって、
前記送信機能は、前記角度が第1基準を満たすとともに、前記画像における前記特定部位の位置が第2基準を満たしたときに、送信用画像を取得する、プログラム。
【請求項8】
画像を生成する撮像手段と、
当該携帯端末の
角度を取得させる角度取得手段と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報をサーバに送信する送信手段と、
前記角度が前記第1基準を満たしたときに、前記撮像手段に送信用画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にする判断手段と、を備え
、
前記送信手段は、前記入力機能が有効になった後に撮影された画像を前記送信用画像にする、携帯端末。
【請求項9】
画像を生成する撮像手段と、
当該携帯端末の
角度を取得させる角度取得手段と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報をサーバに送信する送信手段と、
前記第1基準と前記角度の差に基づいて、前記携帯端末の角度を前記第1基準に近づけるためのガイダンスを生成して出力するガイド表示手段と、
を備える携帯端末。
【請求項10】
請求項8または9に記載の、撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の
角度を取得する取得手段と、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する処理手段と、
を備える認証処理装置。
【請求項11】
撮像手段を有する携帯端末が、
画像を生成するとともに、当該携帯端末の
角度を取得し、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報をサーバに送信
し、
前記角度が前記第1基準を満たしたときに、前記撮像手段に送信用画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にし、
前記送信情報をサーバに送信する際、前記入力機能が有効になった後に撮影された画像を前記送信用画像にする、画像送信方法。
【請求項12】
撮像手段を有する携帯端末が、
画像を生成するとともに、当該携帯端末の
角度を取得し、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報をサーバに送信
し、
前記第1基準と前記角度の差に基づいて、前記携帯端末の角度を前記第1基準に近づけるためのガイダンスを生成して出力する、画像送信方法。
【請求項13】
コンピュータが、
請求項11または12に記載の、撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像
又は当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量
を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の
角度を取得し、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する、認証処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、携帯端末、認証処理装置、画像送信方法、及び認証処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、様々な場面で顔画像を生成することが行われている。例えば特許文献1には、顔を撮像する際に、撮影対象を正面からとらえた状態を初期位置として、初期位置からの回転角度が所定の範囲内であるときに画像の生成を許可することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔画像の利用方法の一つに、顔の特徴量を利用した顔認証がある。顔認証を行うためには、マスター用の情報を登録するときに顔画像を生成する必要があるとともに、認証時に顔画像を生成する必要がある。精度よく顔認証を行うためには、上記したそれぞれの場合において、高品質な顔画像を生成する必要がある。一方、顔認証を手軽に行うためには、携帯端末で生成された顔画像を使用できるのが好ましい。
【0005】
本発明の目的の一つは、携帯端末で生成された顔画像のうち、高品質な顔画像を選択して利用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、撮像手段を有する携帯端末で実行されるプログラムであって、
前記携帯端末に、
当該携帯端末の上下方向の角度を取得させる角度取得機能と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報をサーバに送信する送信機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【0007】
本発明によれば、コンピュータに、
撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の上下方向の角度を取得する機能と、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【0008】
本発明によれば、携帯端末であって、
画像を生成する撮像手段と、
当該携帯端末の上下方向の角度を取得させる角度取得手段と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報をサーバに送信する送信手段と、
を備える携帯端末が提供される。
【0009】
本発明によれば、撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の上下方向の角度を取得する取得手段と、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する処理手段と、
を備える認証処理装置が提供される。
【0010】
本発明によれば、携帯端末が、
画像を生成するとともに、当該携帯端末の上下方向の角度を取得し、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報をサーバに送信する、画像送信方法が提供される。
【0011】
本発明によれば、コンピュータが、
撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の上下方向の角度を取得し、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する、認証処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯端末で生成された画像のうち、高品質な画像を選択して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る携帯端末の使用環境を示す図である。
【
図3】携帯端末のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】携帯端末が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る認証処理装置の機能構成の一例を示している。
【
図8】携帯端末及び認証処理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る携帯端末10の使用環境を示す図である。携帯端末10は、角度センサ130(
図2参照)及び撮像センサ140(
図2参照)を有している。角度センサ130は、例えばジャイロセンサであり、水平面に対する携帯端末10の角度θを検出する。なお、この角度センサは、さらに垂直方向を回転軸とした携帯端末10の角度も検出してもよい。
【0017】
携帯端末10のユーザは、携帯端末10の撮像センサ140に、顔認証に用いるために、当該ユーザの顔を含む画像を生成させる。この画像(以下、送信用画像と記載)は、顔認証に用いられる。例えばこの送信用画像を用いて生成された特徴量は、顔認証用のマスター情報として認証処理装置20に登録される。また、すでに認証処理装置20にマスター情報が登録されている場合、送信用画像は、ユーザを認証するために、マスター情報と照合される。
【0018】
ここで、ユーザの顔が下を向いた状態で送信用画像が生成された場合、顔の後ろから光が照射している状態になる可能性が高いため、送信用画像の品質が低下してしまう。これに対して携帯端末10は、角度θが第1基準を満たしたときの画像を、上記した送信用画像として用いる。そして携帯端末10は、この送信用画像、又はこの送信用画像から生成された特徴量を、送信情報として認証処理装置20に送信する。この送信用画像又は特徴量は、上記したように、マスター情報として用いられることもあれば、ユーザを認証するために用いられることもある。なお、認証処理装置20は、サーバの一例である。
【0019】
図2は、携帯端末10の機能構成の一例を示す図である。携帯端末10は、上記した角度センサ130及び撮像センサ140の他に、角度取得部110及び送信部120を有している。角度取得部110は、角度センサ130の検出値、すなわち携帯端末10の上下方向の角度を取得する。送信部120は、角度取得部110が取得した角度が第1基準を満たしたときに撮像センサ140が生成した画像を、上記した送信用画像として用いる。そして送信部120は、この送信用画像及び当該送信用画像から生成された顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報を、認証処理装置20に送信する。
【0020】
ここで、第1基準として用いられる角度θの範囲の一例は、例えば70°以上110°以下であるが、好ましくは80°以上100°以下である。
【0021】
携帯端末10はさらに、判断部122、入力部150、ガイド表示部160、及びディスプレイ170を有している。判断部122は、角度が第1基準を満たしたときに、撮像センサ140に画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にする。例えば判断部122は、撮影ボタンに対するユーザの入力を有効にする。入力部150は、ユーザが携帯端末10の入力デバイス(例えばタッチパネルやボタン)に対して行った入力内容を示す情報(以下、入力情報と記載)を取得する。ガイド表示部160は、ディスプレイ170に、撮像センサ140が生成した画像を表示させるとともに、送信用画像において顔の特定部位の位置が存在すべき位置を示すガイド表示を、その画像に重ねて表示する。
【0022】
図3は、携帯端末10のディスプレイ170に表示される画面の一例を示している。上記したように、携帯端末10の撮像センサ140が送信用画像を生成するとき、携帯端末10のガイド表示部160は、ディスプレイ170にガイド表示を行わせる。このガイド表示は、撮像センサ140が生成した画像とともに表示される。詳細には、撮像センサ140は、送信用画像を生成するとき、画像を一定のフレームレートで繰り返し生成する。ガイド表示部160は、画像が生成されるたびに、その画像をディスプレイ170に表示させる。この際、ガイド表示部160は、画像にガイド表示を重ねる。ここでガイド表示は、送信用画像において顔の特定の部位(例えば目、鼻、口の少なくとも一つ)が存在すべき位置を示している。これにより、携帯端末10のユーザは、携帯端末10に対する顔の位置を適切な状態にすることができる。
【0023】
図4は、携帯端末10のハードウェア構成例を示す図である。携帯端末10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0024】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0025】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0026】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0027】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は携帯端末10の各機能(例えば角度取得部110、送信部120、入力部150、及びガイド表示部160)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0028】
入出力インタフェース1050は、携帯端末10の要部と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。例えば角度センサ130、撮像センサ140、及びディスプレイ170は、入出力インタフェース1050を介して携帯端末10の他の素子(例えばプロセッサ1020)と通信する。
【0029】
ネットワークインタフェース1060は、携帯端末10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。携帯端末10は、ネットワークインタフェース1060を介して認証処理装置20と通信してもよい。
【0030】
図5は、携帯端末10が行う処理の一例を示すフローチャートである。本図に示す処理の間、角度センサ130は携帯端末10の角度を測定し続けている。また、本図は、送信情報が送信用画像の場合を示している。ただし、送信情報が特徴量であっても、送信部120が送信用画像から特徴量を生成する処理が加わる点を除いて、本図と同様の処理が行われる。
【0031】
携帯端末10のユーザは、撮像センサ140を起動させる。これにより、撮像センサ140は画像を繰り返し生成する(ステップS10)。この時の画像の解像度は、送信用画像の解像度よりも低くてもよい。
【0032】
携帯端末10のガイド表示部160は、撮像センサ140が画像を生成すると、その画像をガイドと共にディスプレイ170に表示させる(ステップS20)。また携帯端末10の角度取得部110は、撮像センサ140が画像を生成するたびに、そのときの角度センサ130の検出値、すなわち携帯端末10の角度を取得する。そして送信部120は、携帯端末10の角度が第1基準を満たし、かつ、画像内に含まれる顔の特定部位の位置が第2基準を満たしたとき、例えば特定部位がガイドと重なっていた時(ステップS30:Yes)、送信部120に送信用画像を取得させる。
【0033】
一例として、携帯端末10の判断部122は、撮像センサ140に送信用画像を生成させるためのボタン、すなわち撮像センサ140に画像を生成させるための指示をユーザが入力する機能を有効にする(ステップS40)。例えば判断部122は、携帯端末10がボタンを有していた時、そのボタンに対する入力を有効にする。またディスプレイ170がタッチパネルを有していた場合、判断部122は、このタッチパネルにボタンを表示させ、当該ボタンに対する入力を有効にする。そして、ユーザによる入力、例えば撮影ボタンを押下する操作が行われた場合(ステップS50:Yes)、撮像センサ140は送信用画像を生成する(ステップS60)、そして送信部120は、この画像を送信用画像として認証処理装置20に送信する(ステップS70)。
【0034】
図6は、
図5の変形例を示すフローチャートである。本図に示す例においても、角度センサ130は携帯端末10の角度を測定し続けている。そして撮像センサ140は、画像を繰り返し生成する(ステップS10)。
【0035】
そして送信部120は、撮像センサ140が生成した複数の画像を処理することにより、顔がその場に存在していることを確認するための処理(以下、ライブネス確認処理と記載)を実行する(ステップS20)。
【0036】
第1の例において、送信部120は、複数の画像を比較し、これらの画像において顔の影に変化があることを検出することにより、顔がその場に存在していることを確認する。第2の例において、送信部120は、複数の画像を比較し、これらの画像において眼球に動きがあるとき、すなわち眼球の向きに変化があることを検出することにより、顔がその場に存在していることを確認する。第3の例において、送信部120は、複数の画像を比較し、これらの画像において顔と胴体の相対角度に変化があることを検出することにより、顔がその場に存在していることを確認する。
【0037】
送信部120は、ライブネス確認処理に成功したとき(ステップS22:Yes)、撮像センサ140生成した画像をガイド及びガイダンスと共にディスプレイ170に表示させる(ステップS24)。ここで表示されるガイドは、
図5のステップS20と同様である。またここで表示されるガイダンスは、携帯端末10の角度を第1基準に近づけるための情報である。ガイダンスの一例は、現在の携帯端末10の角度と第1基準の差を示す値である。なお、ステップS22とステップS24は並行して行われてもよい。
【0038】
その後の処理(ステップS30~ステップS70)は、
図5に示した例と同様である。
【0039】
以上、本実施形態によれば、送信部120は、携帯端末10の角度が基準を満たしたときに生成された画像を、送信用画像として認証処理装置20に送信する。このため、送信用画像を生成するときに、ユーザの顔には光が照射している可能性が高い。従って、送信部120は、高品質な送信用画像を生成して、認証処理装置20に送信することができる。
【0040】
また、
図6に示した例において、送信部120はライブネス確認処理を行っている。このため、紙に印刷された顔画像やディスプレイに表示された顔画像を撮像センサ140が撮像しても、送信部120は当該画像を送信用画像にしない。このため、送信用画像の信頼性は高い。
【0041】
[第2実施形態]
第1実施形態において、携帯端末10の角度が第1基準を満たしているか否かを、携帯端末10が判断していた。これに対して本実施形態では、この判断を認証処理装置20が行う。
【0042】
図7は、本実施形態に係る認証処理装置20の機能構成の一例を示している。本図に示す例において、認証処理装置20は取得部210及び処理部220を備えている。取得部210は、携帯端末10から、送信情報すなわち送信用画像及び特徴量の少なくとも一方と、当該送信用画像を生成したときの携帯端末10の上下方向の角度を取得する。処理部220は、携帯端末10の角度が基準を満たしたときに、送信情報を用いた顔の認証処理、又は送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する。マスター情報は、送信用画像であってもよいし、顔の特徴量であってもよいし、これらの双方であってもよい。マスター情報はマスター情報記憶部230に登録される。
【0043】
なお、認証処理装置20のハードウェア構成は、
図4に示した携帯端末10のハードウェア構成と同様である。そして、ストレージデバイス1040は認証処理装置20の各機能(例えば取得部210及び処理部220)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。またストレージデバイス1040はマスター情報記憶部230としても機能する。
【0044】
図8は、本実施形態において携帯端末10及び認証処理装置20が行う処理の一例を示すフローチャートである。本図において、送信情報が送信用画像であるとして、説明を行う。
【0045】
まず携帯端末10のユーザは、撮像センサ140を起動し、送信部120に送信用画像を取得させるとともに、送信用画像を生成したときの携帯端末10の角度を取得させる(ステップS110)。送信部120は、取得した送信用画像及び携帯端末10の角度を携帯端末10に送信する(ステップS120)。
【0046】
認証処理装置20の取得部210は、送信用画像及び携帯端末10の角度を取得する。すると認証処理装置20の処理部220は、携帯端末10の角度が第1基準を満たしているか否かを判断する(ステップS130)。処理部220は、携帯端末10の角度が第1基準を満たしていなかった場合(ステップS130:No)、送信用画像の認証に失敗したことを携帯端末10に送信する(ステップS140)。携帯端末10は、送信用画像の認証に失敗したことを示す表示をディスプレイ170に行わせる(ステップS150)。
【0047】
一方、処理部220は、携帯端末10の角度が第1基準を満たしていた場合(ステップS130:Yes)、送信用画像を用いた処理を行う(ステップS160)。この処理は、上記したように、送信用画像を用いた顔の認証処理、又は送信用画像を用いた認証用のマスター情報の登録処理である。その後、処理部220は、送信用画像の処理結果を携帯端末10に送信する(ステップS170)。携帯端末10は、送信用画像の処理結果をディスプレイ170に表示させる(ステップS180)。
【0048】
本実施形態よれば、認証処理装置20の処理部220は、携帯端末10の角度が第1基準を満たしている時の送信用画像を用いて処理を行う。このため、処理結果の信頼性は高くなる。
【0049】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0050】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0051】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.撮像手段を有する携帯端末で実行されるプログラムであって、
前記携帯端末に、
当該携帯端末の上下方向の角度を取得させる角度取得機能と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報をサーバに送信する送信機能と、
を持たせるプログラム。
2.上記1に記載のプログラムにおいて、
前記携帯端末に、前記角度が前記第1基準を満たしたときに、前記撮像手段に画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にする判断機能を持たせ、
前記送信機能は、前記入力機能が有効になった後に撮影された画像を前記送信用画像にするプログラム。
3.上記1又は2に記載のプログラムにおいて、
前記第1基準は、前記角度が水平面に対して70°以上110°以下である、プログラム。
4.上記1~3のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記携帯端末に、当該携帯端末の画面に、前記撮像手段が生成した画像と、前記送信用画像において顔の特定部位の位置が存在すべき位置を示すガイド表示と、を重ねて表示するガイド表示機能を持たせ、
前記送信機能は、前記角度が第1基準を満たすとともに、前記画像における前記特定部位の位置が第2基準を満たしたときに、送信用画像を取得する、プログラム。
5.上記1~4のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記送信機能は、前記第1基準と前記角度の差に基づいて、前記携帯端末の角度を前記第1基準に近づけるためのガイダンスを生成して出力する、プログラム。
6.上記1~5のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記携帯端末に、前記繰り返し生成された画像における前記顔の影の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認機能を持たせるプログラム。
7.上記1~5のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記携帯端末に、前記繰り返し生成された画像における眼球の動きを検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認機能を持たせるプログラム。
8.上記1~5のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記携帯端末に、前記繰り返し生成された画像における顔と胴体の相対角度の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認機能を持たせるプログラム。
9.コンピュータに、
撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の上下方向の角度を取得する機能と、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する機能と、
を持たせるプログラム。
10.携帯端末であって、
画像を生成する撮像手段と、
当該携帯端末の上下方向の角度を取得させる角度取得手段と、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報をサーバに送信する送信手段と、
を備える携帯端末。
11.上記10に記載の携帯端末において、
前記角度が前記第1基準を満たしたときに、前記撮像手段に画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にする判断手段を備え、
前記送信手段は、前記入力機能が有効になった後に撮影された画像を前記送信用画像にする携帯端末。
12.上記10又は11に記載の携帯端末において、
前記第1基準は、前記角度が水平面に対して70°以上110°以下である、携帯端末。
13.上記10~12のいずれか一項に記載の携帯端末において、
当該携帯端末の画面に、前記撮像手段が生成した画像と、前記送信用画像において顔の特定部位の位置が存在すべき位置を示すガイド表示と、を重ねて表示するガイド表示手段を備え、
前記送信手段は、前記角度が第1基準を満たすとともに、前記画像における前記特定部位の位置が第2基準を満たしたときに、送信用画像を取得する、携帯端末。
14.上記10~13のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記送信手段は、前記第1基準と前記角度の差に基づいて、前記携帯端末の角度を前記第1基準に近づけるためのガイダンスを生成して出力する、携帯端末。
15.上記10~14のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記繰り返し生成された画像における前記顔の影の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認手段を備える携帯端末。
16.上記10~14のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記繰り返し生成された画像における眼球の動きを検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認手段を備える携帯端末。
17.上記10~14のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記撮像手段は、前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記繰り返し生成された画像における顔と胴体の相対角度の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認するライブネス確認手段を備える携帯端末。
18.撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の上下方向の角度を取得する取得手段と、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する処理手段と、
を備える認証処理装置。
19.携帯端末が、
画像を生成するとともに、当該携帯端末の上下方向の角度を取得し、
前記角度が第1基準を満たしたときに前記撮像手段が生成した画像であって、人の顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報をサーバに送信する、画像送信方法。
20.上記19に記載の画像送信方法において、
前記携帯端末は、
前記角度が前記第1基準を満たしたときに、前記撮像手段に画像を生成させるための指示をユーザが入力する入力機能を有効にし、
前記入力機能が有効になった後に撮影された画像を前記送信用画像にする画像送信方法。
21.上記19又は20に記載の画像送信方法において、
前記第1基準は、前記角度が水平面に対して70°以上110°以下である、画像送信方法。
22.上記19~21のいずれか一項に記載の画像送信方法において、
前記携帯端末は、
当該携帯端末の画面に、前記撮像手段が生成した画像と、前記送信用画像において顔の特定部位の位置が存在すべき位置を示すガイド表示と、を重ねて表示し、
前記角度が第1基準を満たすとともに、前記画像における前記特定部位の位置が第2基準を満たしたときに、送信用画像を取得する、画像送信方法。
23.上記19~22のいずれか一項に記載の画像送信方法において、
前記携帯端末は、前記第1基準と前記角度の差に基づいて、前記携帯端末の角度を前記第1基準に近づけるためのガイダンスを生成して出力する、画像送信方法。
24.上記19~23のいずれか一項に記載の画像送信方法において、
前記携帯端末は、
前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記繰り返し生成された画像における前記顔の影の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認する画像送信方法。
25.上記19~23のいずれか一項に記載の画像送信方法において、
前記携帯端末は、
前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記繰り返し生成された画像における眼球の動きを検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認する画像送信方法。
26.上記19~23のいずれか一項に記載の画像送信方法において、
前記携帯端末は、
前記送信用画像が生成されるまで、前記画像を繰り返し生成しており、
前記繰り返し生成された画像における顔と胴体の相対角度の変化を検出することにより、前記顔がその場に存在していることを確認する画像送信方法。
27.コンピュータが、
撮像手段を有する携帯端末から、顔を含む送信用画像及び当該送信用画像から生成された前記顔の特徴量の少なくとも一方を含む送信情報と、当該送信用画像を生成したときの前記携帯端末の上下方向の角度を取得し、
前記角度が基準を満たしたときに、前記送信情報を用いた前記顔の認証処理、又は前記送信情報を用いた認証用のマスター情報の登録処理を実行する、認証処理方法。
【符号の説明】
【0052】
10 携帯端末
20 認証処理装置
110 角度取得部
120 送信部
130 角度センサ
140 撮像センサ
150 入力部
160 ガイド表示部
170 ディスプレイ
210 取得部
220 処理部
230 マスター情報記憶部