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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】多層基板
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20240214BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240214BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01Q13/08
H05K1/02 B
H05K1/02 J
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022515243
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2021009016
(87)【国際公開番号】W WO2021210297
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2020072089
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020151833
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】駒木 邦宏
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 正裕
(72)【発明者】
【氏名】小村 良
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-111329(JP,A)
【文献】特開2008-236362(JP,A)
【文献】特開2003-332830(JP,A)
【文献】国際公開第2007/069366(WO,A1)
【文献】特開2003-243925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 21/06
H05K 1/02
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素体と、放射導体層と、第1容量形成部と、枠状導体層と、を備える多層基板であって、
前記素体は、第1絶縁体層及び第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有し、
上方向及び下方向の一方を第1方向と定義し、上方向及び下方向の他方を第2方向と定義し、
前記第1絶縁体層は、前記第2絶縁体層の前記第1方向に配置されており、
前記放射導体層は、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記第1容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に通過する第1層間接続導体を含んでおり、
前記第1層間接続導体は、前記放射導体層に電気的に接続されており、
前記第1容量形成部は、前記放射導体層に接触しており、かつ、上下方向に見て、前記放射導体層と重なっており、
グランド導体は、前記放射導体層の前記第2方向に配置されており、
前記放射導体層、前記グランド導体及び前記第1容量形成部は、パッチアンテナであり、
前記第1層間接続導体の前記第2方向の端から前記グランド導体までの上下方向における距離は、前記放射導体層から前記グランド導体までの上下方向における距離より短く、
前記枠状導体層は、前記放射導体層と共に、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記枠状導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層を囲む枠形状を有しており、
前記枠状導体層は、前記グランド導体に電気的に接続されており、
前記多層基板は、(A)又は(B)の構造を備える、
多層基板。
(A)
前記多層基板は、
上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記第2絶縁体層の上面又は下面に設けられている前記グランド導体であって、前記放射導体層と電気的に接続されていない前記グランド導体を、
更に備える。
(B)
前記グランド導体は、上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記多層基板の外に設けられている。
【請求項2】
素体と、放射導体層と、第1容量形成部と、枠状導体層と、を備える多層基板であって、
前記素体は、第1絶縁体層及び第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有し、
上方向及び下方向の一方を第1方向と定義し、上方向及び下方向の他方を第2方向と定義し、
前記第1絶縁体層は、前記第2絶縁体層の前記第1方向に配置されており、
前記放射導体層は、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記第1容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に通過する第1層間接続導体を含んでおり、
前記第1層間接続導体は、前記放射導体層の前記第2方向に配置されるグランド導体に電気的に接続されており、
前記第1容量形成部は、前記グランド導体に接触し、かつ、上下方向に見て、前記放射導体層と重なっており、
前記放射導体層、前記グランド導体及び前記第1容量形成部は、パッチアンテナであり、
前記第1層間接続導体の前記第1方向の端から前記グランド導体までの上下方向における距離は、前記放射導体層から前記グランド導体までの上下方向における距離より短く、
前記枠状導体層は、前記放射導体層と共に、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記枠状導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層を囲む枠形状を有しており、
前記枠状導体層は、前記グランド導体に電気的に接続されており、
前記多層基板は、(A)又は(B)の構造を備える、
多層基板。
(A)
前記多層基板は、
上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記第2絶縁体層の上面又は下面に設けられている前記グランド導体であって、前記放射導体層と電気的に接続されていない前記グランド導体を、
更に備える。
(B)
前記グランド導体は、上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記多層基板の外に設けられている。
【請求項3】
前記第1層間接続導体は、前記放射導体層の外縁部に電気的に接続されている、
請求項1又は請求項2に記載の多層基板。
【請求項4】
上下方向に見たときに、前記放射導体層の外縁から前記放射導体層の内側に向かって延びるスリットが、前記放射導体層に設けられている、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多層基板。
【請求項5】
前記素体は、可撓性を有し、かつ、折り曲げられている、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多層基板。
【請求項6】
前記多層基板は、パッチアンテナである前記放射導体層、前記グランド導体及び前記第1容量形成部を複数組備えている、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の多層基板。
【請求項7】
前記多層基板は、複数の前記放射導体層のそれぞれに電気的に接続されている複数の信号線路を更に備えており、
前記複数の信号線路の長さは、実質的に等しい、
請求項6に記載の多層基板。
【請求項8】
前記多層基板は、第2容量形成部を備えており、
前記第1容量形成部は、複数の前記第1層間接続導体を含んでおり、
複数の前記第1層間接続導体は、前記放射導体層に電気的に接続されており、
前記第2容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に横切る複数の第2層間接続導体を含んでおり、
複数の前記第2層間接続導体は、前記グランド導体に電気的に接続されており、
上下方向に直行する方向に見たときに、複数の前記第1層間接続導体と複数の前記第2層間接続導体とは、交互に並んでいる、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の多層基板。
【請求項9】
素体と、放射導体層と、第1容量形成部と、枠状導体層と、を備える多層基板であって、
前記素体は、第1絶縁体層及び第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有し、
上方向及び下方向の一方を第1方向と定義し、上方向及び下方向の他方を第2方向と定義し、
前記第1絶縁体層は、前記第2絶縁体層の前記第1方向に配置されており、
前記放射導体層は、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記第1容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に通過する第1層間接続導体を含んでおり、
前記第1層間接続導体は、前記放射導体層に電気的に接続されており、
グランド導体は、前記放射導体層の前記第2方向に配置されており、
前記放射導体層、前記グランド導体及び前記第1容量形成部は、パッチアンテナであり、
前記第1層間接続導体の前記第2方向の端から前記グランド導体までの上下方向における距離は、前記放射導体層から前記グランド導体までの上下方向における距離より短く、
前記枠状導体層は、前記放射導体層と共に、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記枠状導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層を囲む枠形状を有しており、
前記枠状導体層は、前記グランド導体に電気的に接続されており、
前記第1層間接続導体は、前記グランド導体及び前記枠状導体層に電気的に接触しており、
前記第1層間接続導体は、上下方向に見たときに、前記放射導体層と重なっておらず、
前記第1容量形成部は、前記第1層間接続導体に接触し、かつ、前記グランド導体より前記第1方向、かつ、前記放射導体層より前記第2方向に設けられている第1容量導体層を、更に含んでおり、
前記第1容量導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層と重なっており、
前記多層基板は、(A)の構造を備える、
多層基板。
(A)
前記多層基板は、
上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記第2絶縁体層の上面又は下面に設けられている前記グランド導体であって、前記放射導体層と電気的に接続されていない前記グランド導体を、
更に備える。
【請求項10】
前記放射導体層は、上下方向に見たときに、第1長辺、第2長辺、第1短辺及び第2短辺を有する長方形状を有しており、
前記第1容量導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層の前記第1短辺と重なっている、
請求項9に記載の多層基板。
【請求項11】
前記多層基板は、第3容量形成部を備えており、
前記第3容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に横切る複数の第3層間接続導体と、前記第3層間接続導体に電気的に接続され、かつ、前記グランド導体より前記第1方向、かつ、前記放射導体層より前記第2方向に設けられている第3容量導体層と、を含んでおり、
前記第3層間接続導体は、前記グランド導体及び前記枠状導体層に電気的に接続されており、
前記第3容量導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層の前記第2短辺と重なっている、
請求項10に記載の多層基板。
【請求項12】
前記第1容量形成部は、前記第1層間接続導体に電気的に接続され、かつ、前記グランド導体より前記第1方向、かつ、前記第1容量導体層より前記第2方向に設けられている第2容量導体層を、更に含んでおり、
前記第2容量導体層は、上下方向に見たときに、前記放射導体層と重なっている、
請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の多層基板。
【請求項13】
前記多層基板は、第4容量形成部を備えており、
前記第4容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に横切る第4層間接続導体を、含んでおり、
前記第4層間接続導体は、前記放射導体層に電気的に接続されており、
前記第4層間接続導体の前記第2方向の端から前記グランド導体までの上下方向における距離は、前記放射導体層から前記グランド導体までの上下方向における距離より短い、
請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の多層基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチアンテナを備える多層基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパッチアンテナを備える多層基板に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のパッチアンテナが知られている。特許文献1に記載のパッチアンテナは、略矩形状の放射電極を備えている。放射電極は、スリット状の切り欠き部を備えている。特許文献1に記載のパッチアンテナによれば、以下に説明するように、パッチアンテナの小型化と共振周波数の低周波化との両立が図られている。
【0003】
パッチアンテナの共振周波数は、放射電極の外縁の長さに依存している。そのため、パッチアンテナの小型化のために、放射電極が小さくなると、放射電極の外縁が短くなる。その結果、パッチアンテナの共振周波数が高くなる。このように、パッチアンテナの小型化と共振周波数の低周波化とはトレードオフの関係にある。
【0004】
そこで、特許文献1に記載のパッチアンテナでは、放射電極は、スリット状の切り欠き部を備えている。これにより、放射電極の外縁が長くなる。その結果、パッチアンテナの共振周波数の低周波化が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-236362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パッチアンテナを備える多層基板において、パッチアンテナの共振周波数をより低周波化したいという要望がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる多層基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係る多層基板は、
素体と、放射導体層と、第1容量形成部と、を備える多層基板であって、
前記素体は、第1絶縁体層及び第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有し、
上方向及び下方向の一方を第1方向と定義し、上方向及び下方向の他方を第2方向と定義し、
前記第1絶縁体層は、前記第2絶縁体層の前記第1方向に配置されており、
前記放射導体層は、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記第1容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に通過する第1層間接続導体を含んでおり、
前記第1層間接続導体は、前記放射導体層に電気的に接続されており、
グランド導体は、前記放射導体層の前記第2方向に配置されており、
前記放射導体層、前記グランド導体及び前記第1容量形成部は、パッチアンテナとして機能し、
前記第1層間接続導体の前記第2方向の端から前記グランド導体までの上下方向における距離は、前記放射導体層から前記グランド導体までの上下方向における距離より短く、
前記多層基板は、(A)又は(B)の構造を備える。
【0009】
(A)
前記多層基板は、
上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記第2絶縁体層の上面又は下面に設けられている前記グランド導体であって、前記放射導体層と電気的に接続されていない前記グランド導体を、
更に備える。
【0010】
(B)
前記グランド導体は、上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記多層基板の外に設けられている。
【0011】
本発明の一形態に係る多層基板は、
素体と、放射導体層と、第1容量形成部と、を備える多層基板であって、
前記素体は、第1絶縁体層及び第2絶縁体層を含む複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有し、
上方向及び下方向の一方を第1方向と定義し、上方向及び下方向の他方を第2方向と定義し、
前記第1絶縁体層は、前記第2絶縁体層の前記第1方向に配置されており、
前記放射導体層は、前記第1絶縁体層の上面又は下面に設けられており、
前記第1容量形成部は、前記複数の絶縁体層の内の1以上の前記絶縁体層を上下方向に通過する第1層間接続導体を含んでおり、
前記第1層間接続導体は、前記放射導体層の前記第2方向に配置されるグランド導体に電気的に接続されており、
前記放射導体層、前記グランド導体及び前記第1容量形成部は、パッチアンテナとして機能し、
前記第1層間接続導体の前記第1方向の端から前記グランド導体までの上下方向における距離は、前記放射導体層から前記グランド導体までの上下方向における距離より短く、
前記多層基板は、(A)又は(B)の構造を備える。
【0012】
(A)
前記多層基板は、
上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記第2絶縁体層の上面又は下面に設けられている前記グランド導体であって、前記放射導体層と電気的に接続されていない前記グランド導体を、
更に備える。
【0013】
(B)
前記グランド導体は、上下方向に見たときに前記放射導体層と重なるように、前記多層基板の外に設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る多層基板によれば、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、多層基板10の分解図である。
図2図2は、多層基板10の断面図である。
図3図3は、多層基板10の断面図である。
図4図4は、多層基板10の使用例を示した図である。
図5図5は、第1の変形例に係る多層基板10aの容量導体層24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38aの上面図である。
図6図6は、第2の変形例に係る多層基板10bの断面図である。
図7図7は、第の変形例に係る多層基板10cの断面図である。
図8図8は、第の変形例に係る多層基板10dの断面図である。
図9図9は、第5の変形例に係る多層基板10eの断面図及び上面図である。
図10図10は、第6の変形例に係る多層基板10fの断面図である。
図11図11は、第7の変形例に係る多層基板10gの断面図及び上面図である。
図12図12は、第8の変形例に係る多層基板10hの断面図である。
図13図13は、第9の変形例に係る多層基板10iの上面図である。
図14図14は、第10の変形例に係る多層基板10jの断面図及び上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
[多層基板の構成]
以下に、本発明の実施形態に係る多層基板10について図面を参照しながら説明する。図1は、多層基板10の分解図である。図1では、多層基板10の絶縁体層12a~12dの上面図を示した。図2は、多層基板10の断面図である。図2では、図1のA-Aにおける断面を示した。図3は、多層基板10の断面図である。図3は、図1のB-Bにおける断面を示した。図4は、多層基板10の使用例を示した図である。
【0017】
また、本明細書において、方向を以下のように定義する。多層基板10の素体11の積層方向を上下方向と定義する。本実施形態では、上方向は、第1方向である。下方向は、第2方向である。また、上下方向、左右方向及び前後方向は、互いに直交している。なお、本明細書における方向の定義は、一例である。従って、多層基板10の実使用時における方向と本明細書における方向とが一致している必要はない。
【0018】
本明細書において、前後方向に延びる軸や部材は、必ずしも前後方向と平行である軸や部材だけを示すものではない。前後方向に延びる軸や部材とは、前後方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。同様に、上下方向に延びる軸や部材とは、上下方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。左右方向に延びる軸や部材とは、左右方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。
【0019】
以下では、第1部材、第2部材及び第3部材とは、多層基板10が含む部材や部品等である。本明細書において、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含む。また、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0020】
本明細書において、前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上下方向に見たときに前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。上下方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上下方向とは異なる左右方向から第1部材及び第2部材を見ると、第1部材及び第2部材のいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、第1部材と第2部材とが接触していてもよい。第1部材と第2部材とが離れていてもよい。第1部材と第2部材との間に第3部材が存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0021】
本明細書において、第1部材が第2部材の前に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材の一部は、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、第1部材は、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。この場合、第1部材及び第2部材は、前後方向に並んでいる。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0022】
本明細書において、左右方向に見たときに、第1部材が第2部材の前に配置されるとは、以下の状態を指す。左右方向に見たときに、第1部材と第2部材が前後方向に並んでおり、かつ、左右方向に見たときに、第1部材の第2部材と対向する部分が、第2部材の前に配置される。この定義において、第1部材と第2部材は、3次元では、前後方向に並んでいなくてもよい。この定義は、左右方向以外の方向に見たときにも適用される。また、前後方向以外の方向での配置にも適用される。
【0023】
本明細書において、第1部材が第2部材より前に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材は、第2部材の前端を通り前後方向に直交する平面の前に配置される。この場合、第1部材及び第2部材は、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0024】
本明細書において、特に断りのない場合には、第1部材の各部について以下のように定義する。第1部材の前部とは、第1部材の前半分を意味する。第1部材の後部とは、第1部材の後半分を意味する。第1部材の左部とは、第1部材の左半分を意味する。第1部材の右部とは、第1部材の右半分を意味する。第1部材の上部とは、第1部材の上半分を意味する。第1部材の下部とは、第1部材の下半分を意味する。第1部材の前端とは、第1部材の前方向の端を意味する。第1部材の後端とは、第1部材の後方向の端を意味する。第1部材の左端とは、第1部材の左方向の端を意味する。第1部材の右端とは、第1部材の右方向の端を意味する。第1部材の上端とは、第1部材の上方向の端を意味する。第1部材の下端とは、第1部材の下方向の端を意味する。第1部材の前端部とは、第1部材の前端及びその近傍を意味する。第1部材の後端部とは、第1部材の後端及びその近傍を意味する。第1部材の左端部とは、第1部材の左端及びその近傍を意味する。第1部材の右端部とは、第1部材の右端及びその近傍を意味する。第1部材の上端部とは、第1部材の上端及びその近傍を意味する。第1部材の下端部とは、第1部材の下端及びその近傍を意味する。
【0025】
本明細書において、第1部材と第2部材とが電気的に接続されているとは、以下の2通りの意味を含む。第1の意味は、第1部材と第2部材とが物理的に接触することによって、第1部材と第2部材とに直流電流が流れることができることである。第2の意味は、1部材と第3部材とが物理的に接触し、かつ、第3部材と第2部材とが物理的に接触することによって、第1部材と第2部材とに直流電流が流れることができることである。第2の意味では、第1部材と第2部材とは物理的に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。第2の意味では、第3部材は、単一の部材であってもよいし、複数の部材を含んでいてもよい。
【0026】
多層基板10は、例えば、携帯電話等の電子機器に用いられる。多層基板10は、図1に示すように、素体11、放射導体層20a~20c、第1容量形成部21a~21c(図2参照 ただし、第1容量形成部21b,21cは図示せず)、グランド導体22、層間接続導体v10a~v12a,v10b~v12b,v10c~v12c、信号導体層40a~40c,42a~42c及び外部電極50a~50cを備えている。
【0027】
第1容量形成部21b、層間接続導体v10b~v12b、信号導体層40b,42b及び外部電極50bは、第1容量形成部21a、層間接続導体v10a~v12a、信号導体層40a,42a及び外部電極50aと同じ構造である。第1容量形成部21c、層間接続導体v10c~v12c、信号導体層40c,42c及び外部電極50cは、第1容量形成部21a、層間接続導体v10a~v12a、信号導体層40a,42a及び外部電極50aと同じ構造である。そこで、以下では、第1容量形成部21a、層間接続導体v10a~v12a、信号導体層40a,42a及び外部電極50aについて説明する。第1容量形成部21b、層間接続導体v10b~v12b、信号導体層40b,42b及び外部電極50bの説明を省略する。第1容量形成部21c、層間接続導体v10c~v12c、信号導体層40c,42c及び外部電極50cの説明を省略する。
【0028】
素体11は、上下方向に直交する2つの主面を有する板形状を有する。従って、素体11の上下方向の厚みは、素体11の前後方向の長さ及び素体11の左右方向の長さに比べて十分に小さい。例えば、厚みが100μmであり、長さが20mmである。2つの主面は、上面及び下面である。素体11は、可撓性を有している。そのため、素体11は、折り曲げられることが可能である。素体11は、複数の絶縁体層12a~12dが上下方向に積層された構造を有している。従って、複数の絶縁体層12a~12dは、絶縁体層12a(第1絶縁体層)及び絶縁体層12d(第2絶縁体層)を含んでいる。絶縁体層12a~12dは、上から下へこの順に並んでいる。従って、絶縁体層12aは、絶縁体層12dの上に配置されている。
【0029】
絶縁体層12a~12dは、ポリイミドや液晶ポリマー等の可撓性を有する熱可塑性樹脂により作製された誘電体シートである。絶縁体層12a~12dは、上下方向に直交する2つの主面を有する。2つの主面は、上面及び下面である。絶縁体層12a~12dの接合方法は、溶着であってもよいし、接着剤が用いられた接着であってもよい。
【0030】
放射導体層20a、第1容量形成部21a及びグランド導体22は、パッチアンテナとして機能する。放射導体層20aは、絶縁体層12aの上面又は下面に設けられている。本実施形態では、放射導体層20aは、絶縁体層12aの上面に設けられている。放射導体層20aは、上下方向に見たときに、矩形状を有している。故に、放射導体層20aは、前辺、後辺、左辺及び右辺を有している。ただし、上下方向に見たときに、放射導体層20aの外縁から放射導体層20aの内側に向かって延びる複数(本実施形態では4つ)のスリットSL1a~SL4aが、放射導体層20aに設けられている。スリットSL1aは、放射導体層20aの前辺の中央から後方向に延びている。スリットSL2aは、放射導体層20aの後辺の中央から前方向に延びている。スリットSL3aは、放射導体層20aの左辺の中央から右方向に延びている。スリットSL4aは、放射導体層20aの右辺の中央から左方向に延びている。
【0031】
ここで、スリットSL1a~SL4aの定義について説明する。スリットSL1a~SL4aは、放射導体層20aの外縁の形状が不連続に変化することにより形成される領域である。スリットSL1a~SL4aは、導体層が存在しない細長い領域である。スリットSL1a~SL4aは、導体層が存在しない細長い領域の周囲の三方が導体層に囲まれることにより形成されている。スリットSL1a~SL4aの長さは、例えば、スリットSL1a~SL4aの幅の2倍以上である。また、放射導体層20aの前辺、後辺、左辺及び右辺はそれぞれ、スリットSL1a~SL4aを含まない。なお、スリットの長さは、導体層が存在しない細長い領域の長辺に相当する長さである。スリットの幅は、導体層が存在しない細長い領域の短辺に相当する長さである。
【0032】
放射導体層20aの前辺及びスリットSL1aの長さの合計は、パッチアンテナの共振周波数の高周波信号の波長の1/2程度である。放射導体層20aの後辺及びスリットSL2aの長さの合計は、パッチアンテナの共振周波数の高周波信号の波長の1/2程度である。放射導体層20aの左辺及びスリットSL3aの長さの合計は、パッチアンテナの共振周波数の高周波信号の波長の1/2程度である。放射導体層20aの右辺及びスリットSL4aの長さの合計は、パッチアンテナの共振周波数の高周波信号の波長の1/2程度である。このように、放射導体層20aの形状により、パッチアンテナの共振周波数が決定される。以上のような放射導体層20aは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0033】
グランド導体22は、上下方向(積層方向)に見たときに放射導体層20aと重なるように、絶縁体層12dの上面又は下面に設けられている。本実施形態では、グランド導体22は、絶縁体層12dの下面に設けられている。従って、グランド導体22は、放射導体層20aの下に配置されている。また、グランド導体22は、絶縁体層12dの下面の略全面を覆っている。グランド導体22は、放射導体層20aと電気的に接続されていない。グランド導体22には、グランド電位が接続される。本実施形態では、グランド導体22は、放射導体層20aと同様に導体層である。以上のようなグランド導体22は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0034】
第1容量形成部21aは、複数の第1層間接続導体v1a~v8a及び容量導体層24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38aを含んでいる。図1では、第1層間接続導体v1a~v8aはそれぞれ、複数個存在している。ただし、図1では、代表的な第1層間接続導体v1a~v8aにのみ参照符号を付した。
【0035】
容量導体層24a,26a,28a,30aは、絶縁体層12bの上面に設けられている。容量導体層24aは、上下方向に見たときに、前後方向に延びる直線の前端と左右方向に延びる直線の右端とが接続された形状を有している。容量導体層24aは、上下方向に見たときに、放射導体層20aの前辺の右部近傍と放射導体層20aの右辺の前部近傍と重なっている。容量導体層26aは、上下方向に見たときに、前後方向に延びる直線の前端と左右方向に延びる直線の左端とが接続された形状を有している。容量導体層26aは、上下方向に見たときに、放射導体層20aの前辺の左部近傍と放射導体層20aの左辺の前部近傍と重なっている。容量導体層28aは、上下方向に見たときに、前後方向に延びる直線の後端と左右方向に延びる直線の右端とが接続された形状を有している。容量導体層28aは、上下方向に見たときに、放射導体層20aの後辺の右部近傍と放射導体層20aの右辺の後部近傍と重なっている。容量導体層30aは、上下方向に見たときに、前後方向に延びる直線の後端と左右方向に延びる直線の左端とが接続された形状を有している。容量導体層30aは、上下方向に見たときに、放射導体層20aの後辺の左部近傍と放射導体層20aの左辺の後部近傍と重なっている。
【0036】
容量導体層32a,34a,36a,38aは、絶縁体層12cの上面に設けられている。容量導体層32a,34a,38aはそれぞれ、容量導体層24a,26a,30aと同じ形状を有する。また、容量導体層32a,34a,38aはそれぞれ、上下方向に見たときに、容量導体層24a,26a,30aと一致した状態で重なっている。容量導体層36aは、容量導体層28aの一部が欠損した形状を有している。ただし、容量導体層36aは、容量導体層28aと略同じ形状を有する。また、容量導体層36aは、上下方向に見たときに、容量導体層28aと略一致した状態で重なっている。以上のような容量導体層24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38aは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0037】
複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、複数の絶縁体層12a~12dの内の1以上の絶縁体層12a,12bを上下方向に通過している。本実施形態では、複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、ビアホール導体である。ビアホール導体は、絶縁体層12a~12dに形成された貫通孔に導電性ペーストが充填され、導電性ペーストが加熱により固まることにより形成される。導電性ペーストは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料を含んでいる。複数の第1層間接続導体v1a~v4aは、絶縁体層12aを上下方向に貫通している。複数の第1層間接続導体v5a~v8aは、絶縁体層12bを上下方向に貫通している。
【0038】
複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、放射導体層20a、又は、放射導体層20aの下に配置されるグランド導体22に電気的に接続されている。本実施形態では、複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、放射導体層20aに電気的に接続されている。そして、複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、グランド導体22に電気的に接続されていない。より詳細には、複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、放射導体層20aの外縁部に電気的に接続されている。放射導体層20aの外縁部とは、放射導体層20aの外縁を起点としてパッチアンテナの共振周波数の高周波信号の波長の1/8だけ離れた位置までの間に位置する領域である。複数の第1層間接続導体v1aの上端は、放射導体層20aの前辺の右部近傍及び放射導体層20aの右辺の前部近傍において放射導体層20aに接続されている。複数の第1層間接続導体v1aの下端は、容量導体層24aに接続されている。複数の第1層間接続導体v1aは、放射導体層20aの前辺及び放射導体層20aの右辺に沿って等間隔に並んでいる。複数の第1層間接続導体v2aの上端は、放射導体層20aの前辺の左部近傍及び放射導体層20aの左辺の前部近傍において放射導体層20aに接続されている。複数の第1層間接続導体v2aの下端は、容量導体層26aに接続されている。複数の第1層間接続導体v2aは、放射導体層20aの前辺及び放射導体層20aの左辺に沿って等間隔に並んでいる。複数の第1層間接続導体v3aの上端は、放射導体層20aの後辺の右部近傍及び放射導体層20aの右辺の後部近傍において放射導体層20aに接続されている。複数の第1層間接続導体v3aの下端は、容量導体層28aに接続されている。複数の第1層間接続導体v3aは、放射導体層20aの後辺及び放射導体層20aの右辺に沿って等間隔に並んでいる。複数の第1層間接続導体v4aの上端は、放射導体層20aの後辺の左部近傍及び放射導体層20aの左辺の後部近傍において放射導体層20aに接続されている。複数の第1層間接続導体v4aの下端は、容量導体層30aに接続されている。複数の第1層間接続導体v4aは、放射導体層20aの後辺及び放射導体層20aの左辺に沿って等間隔に並んでいる。
【0039】
複数の第1層間接続導体v5aの上端は、容量導体層24aに接続されている。複数の第1層間接続導体v5aの下端は、容量導体層32aに接続されている。これにより、複数の第1層間接続導体v5aは、容量導体層24a及び第1層間接続導体v1aを介して、放射導体層20aに電気的に接続されている。複数の第1層間接続導体v5aは、放射導体層20aの前辺及び放射導体層20aの右辺に沿って等間隔に並んでいる。複数の第1層間接続導体v6aの上端は、容量導体層26aに接続されている。複数の第1層間接続導体v6aの下端は、容量導体層34aに接続されている。これにより、複数の第1層間接続導体v6aは、容量導体層26a及び第1層間接続導体v2aを介して、放射導体層20aに電気的に接続されている。複数の第1層間接続導体v6aは、放射導体層20aの前辺及び放射導体層20aの左辺に沿って等間隔に並んでいる。複数の第1層間接続導体v7aの上端は、容量導体層28aに接続されている。複数の第1層間接続導体v7aの下端は、容量導体層36aに接続されている。これにより、複数の第1層間接続導体v7aは、容量導体層28a及び第1層間接続導体v3aを介して、放射導体層20aに電気的に接続されている。複数の第1層間接続導体v7aは、放射導体層20aの後辺及び放射導体層20aの右辺に沿って等間隔に並んでいる。複数の第1層間接続導体v8aの上端は、容量導体層30aに接続されている。複数の第1層間接続導体v8aの下端は、容量導体層38aに接続されている。これにより、複数の第1層間接続導体v8aは、容量導体層30a及び第1層間接続導体vaを介して、放射導体層20aに電気的に接続されている。複数の第1層間接続導体v8aは、放射導体層20aの後辺及び放射導体層20aの左辺に沿って等間隔に並んでいる。
【0040】
ただし、複数の第1層間接続導体v1aの数は、図1に示すように、複数の第1層間接続導体v5aの数の半分程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v1aは、第1層間接続導体v5aと重なる。複数の第1層間接続導体v2aの数は、図1及び図3に示すように、複数の第1層間接続導体v6aの数の半分程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v2aは、第1層間接続導体v6aと重なる。複数の第1層間接続導体v3aの数は、図1に示すように、複数の第1層間接続導体v7aの数の半分程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v3aは、第1層間接続導体v7aと重なる。複数の第1層間接続導体v4aの数は、図1に示すように、複数の第1層間接続導体v8aの数の半分程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v4aは、第1層間接続導体v8aと重なる。
【0041】
複数の第1層間接続導体v1a~v8aが放射導体層20aに電気的に接続されている場合には、複数の第1層間接続導体v1a~v8aの下端からグランド導体22までの上下方向における距離L1は、図2に示すように、放射導体層20aからグランド導体22までの上下方向における距離L2より短い。
【0042】
容量導体層32a,34a,36a,38aとグランド導体22との間に容量が発生する。この容量は、放射導体層20aとグランド導体22との間に発生する容量に付加される。このように、第1容量形成部21aは、放射導体層20aとグランド導体22との間に発生する容量に更なる容量を付加する役割を果たす。
【0043】
信号導体層42aは、絶縁体層12cの上面に設けられている。信号導体層42aは、上下方向に見たときに、左右方向に延びる直線形状を有している。信号導体層42aの左端部は、放射導体層20aの左部かつ下部と重なっている。信号導体層42aの右端部は、上下方向に見たときに、放射導体層20aの右に位置している。従って、信号導体層42aの右端部は、上下方向に見たときに、放射導体層20aと重なっていない。以上のような信号導体層42aは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0044】
信号導体層40aは、絶縁体層12bの上面に設けられている。従って、信号導体層42aから放射導体層20aまでの上下方向における距離L3は、信号導体層40aから放射導体層20aまでの上下方向における距離L4より長い。これにより、信号導体層40aが放射導体層20aと容量結合することが抑制されている。信号導体層40aは、上下方向に見たときに、線形状を有している。信号導体層40aの第1端部は、上下方向に見たときに、信号導体層42aの右端部と重なっている。以上のような信号導体層40aは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0045】
層間接続導体v10a~v12aは、複数の絶縁体層12a,12bを上下方向に通過している。本実施形態では、層間接続導体v10a~v12aは、ビアホール導体である。ビアホール導体は、絶縁体層12a,12bに形成された貫通孔に導電性ペーストが充填され、導電性ペーストが焼成されることにより形成される。導電性ペーストは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料を含んでいる。
【0046】
層間接続導体v10aは、絶縁体層12aを上下方向に貫通している。層間接続導体v10aの上端は、放射導体層20aに接続されている。層間接続導体v11aは、絶縁体層12bを上下方向に貫通している。層間接続導体v11aの上端は、層間接続導体v10aの下端に接続されている。層間接続導体v11aの下端は、信号導体層42aの左端部に接続されている。
【0047】
層間接続導体v12aは、上下方向に見たときに、放射導体層20aと重ならない。これにより、層間接続導体v12aが放射導体層20aと容量結合することが抑制されている。層間接続導体v12aは、絶縁体層12bを上下方向に貫通している。層間接続導体v12aの上端は、信号導体層40aの一方の端部に接続されている。層間接続導体v12aの下端は、信号導体層42aの右端部に接続されている。これにより、放射導体層20aは、信号導体層40a,42aと電気的に接続されている。すなわち、信号導体層40aは、放射導体層20aに電気的に接続されている。ただし、層間接続導体v12aは、上下方向に見たときに、放射導体層20aと重なっていてもよい。
【0048】
外部電極50aは、絶縁体層12dの下面に設けられている。外部電極50aは、矩形状を有する導体層である。外部電極50aは、信号導体層40aの第2端部と電気的に接続されている。外部電極50aには、後述するコネクタ60が実装される。従って、外部電極50aは、例えば、絶縁体層12dの下面に設けられた銅箔上にNiめっき及びSnめっきが施された構造を有する。
【0049】
多層基板10は、パッチアンテナとして機能する放射導体層、グランド導体及び第1容量形成部を複数組備えている。具体的には、多層基板10は、パッチアンテナとして機能する放射導体層20a、第1容量形成部21a及びグランド導体22、パッチアンテナとして機能する放射導体層20b、第1容量形成部21b及びグランド導体22、並びに、パッチアンテナとして機能する放射導体層20c、第1容量形成部21c及びグランド導体22を備えている。この場合、信号導体層40aの長さと信号導体層40bの長さと信号導体層40cの長さとが実質的に等しい。そのため、信号導体層40a~40cは、直線形状を有していない。信号導体層40a~40cは、迂回した構造を有する。これにより、複数のパッチアンテナにおいて電気的特性に差が生じることを抑制している。このとき、信号導体層40aと信号導体層40bとが容量結合することを抑制するために、信号導体層40aと信号導体層40bとが離れるように迂回している。信号導体層40bと信号導体層40cとが容量結合することを抑制するために、信号導体層40bと信号導体層40cとが離れるように迂回している。信号導体層40cと信号導体層40aとが容量結合することを抑制するために、信号導体層40cと信号導体層40aとが離れるように迂回している。また、信号導体層40a~40cが並走する区間において、信号導体層40aと信号導体層40bとの間、信号導体層40と信号導体層40との間、及び、信号導体層40と信号導体層40との間には、グランド導体層が設けられている。
【0050】
多層基板10は、図4に示すように、コネクタ60を更に備えている。コネクタ60は、外部電極50a~50cに実装される。コネクタ60は、多層基板10と回路基板70とを電気的に接続する。より詳細には、回路基板70は、基板本体71及びコネクタ72を備えている。コネクタ72は、基板本体71の下面に実装されている。コネクタ60は、コネクタ72に接続される。この際、多層基板10は、回路基板70の上に配置されている。そこで、素体11が折り曲げられることにより、コネクタ60が回路基板70の下面に位置している。
【0051】
以上のような多層基板10では、送信用高周波信号は、コネクタ60を介して多層基板10に入力される。送信用高周波信号は、信号導体層40a,42a及び層間接続導体v10a~v12aを介して、放射導体層20aに印加される。これにより、放射導体層20aにおいて共振が発生し、電磁波として送信用高周波信号が放射導体層20aから放射される。また、放射導体層20aが受信用高周波信号を受信した場合には、放射導体層20aにおいて共振が発生する。受信用高周波信号は、信号導体層40a,42a及び層間接続導体v10a~v12aを介して、コネクタ60から多層基板10外(すなわち、回路基板70)に出力される。
【0052】
[効果]
多層基板10によれば、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。より詳細には、複数の第1層間接続導体v1a~v8aが放射導体層20aに電気的に接続されている場合には、複数の第1層間接続導体v1a~v8aの下端からグランド導体22までの上下方向における距離L1は、放射導体層20aからグランド導体22までの上下方向における距離L2より短い。これにより、容量導体層32a,34a,36a,38aとグランド導体22との間に容量が発生する。この容量は、放射導体層20aとグランド導体22との間に発生する容量に付加される。放射導体層20aとグランド導体22との間に発生する容量が大きくなると、パッチアンテナの共振周波数が低くなる。
【0053】
多層基板10によれば、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。より詳細には、特許文献1に記載のパッチアンテナでは、放射電極は、スリット状の切り欠き部を備えている。これにより、パッチアンテナの共振周波数の低周波化が図られている。しかしながら、放射電極が切り欠き部を備えていると、放射電極の外縁が長くなる。その結果、放射電極の抵抗値が大きくなり、パッチアンテナにおけるロスが大きくなる。一方、多層基板10では、第1容量形成部21aにより、パッチアンテナの共振周波数の低周波化が図られている。第1容量形成部21aは、放射導体層20aの抵抗値を大きくすることはない。従って、多層基板10によれば、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。
【0054】
多層基板10によれば、以下の理由によっても、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。より詳細には、放射導体層20aにおいて共振が発生すると、表皮効果により、放射導体層20aの外縁部に電流が集中する。そこで、多層基板10では、複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、放射導体層20aの外縁部に電気的に接続されている。これにより、放射導体層20aの外縁部に容量が付加されるようになる。その結果、パッチアンテナの共振周波数の低周波化が効果的に図られる。
【0055】
多層基板10によれば、以下の理由によっても、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。より詳細には、上下方向に見たときに、放射導体層20aの外縁から放射導体層20aの内側に向かって延びるスリットSL1a~SL4aが、放射導体層20aに設けられている。これにより、放射導体層20aの外縁の長さが長くなる。放射導体層20aで共振する高周波信号の波長が長くなる。その結果、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。
【0056】
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る多層基板10aについて図面を参照しながら説明する。図5は、第1の変形例に係る多層基板10aの容量導体層24a,26a,28a,30a32a,34a,36a,38aの上面図である。
【0057】
多層基板10aは、容量導体層24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38aの形状において多層基板10と相違する。より詳細には、多層基板10aでは、スリットSL1a~SL4aの周囲にも容量導体層が設けられている。これにより、容量導体層24a,26a,28a,30aが一つにつながっている。なお、多層基板10aのその他の構成は、多層基板10と同じであるので説明を省略する。
【0058】
多層基板10aによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10aによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。
【0059】
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る多層基板10bについて図面を参照しながら説明する。図6は、第2の変形例に係る多層基板10bの断面図である。図6では、図1のB-Bに相当する位置における断面図を示した。
【0060】
多層基板10bは、複数の第1層間接続導体v1a~v4aの間隔において多層基板10と相違する。多層基板10bにおける複数の第1層間接続導体v1a~v4aの間隔は、多層基板10における複数の第1層間接続導体v1a~v4aの間隔より大きい。これにより、隣り合う2つの第1層間接続導体v1a~v4a間で容量結合が発生することが抑制される。
【0061】
また、複数の第1層間接続導体v1aの数は、複数の第1層間接続導体v5aの数の1/3程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v1aは、第1層間接続導体v5aとは重ならない。複数の第1層間接続導体v2aの数は、図6に示すように、複数の第1層間接続導体v6aの数の1/3程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v2aは、第1層間接続導体v6aとは重ならない。複数の第1層間接続導体v3aの数は、複数の第1層間接続導体v7aの数の1/3程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v3aは、第1層間接続導体v7aとは重ならない。複数の第1層間接続導体v4aの数は、複数の第1層間接続導体v8aの数の1/3程度である。また、上下方向に見たときに、第1層間接続導体v4aは、第1層間接続導体v8aとは重ならない。これにより、素体11の破損が抑制される。
【0062】
多層基板10bによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10bによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。
【0063】
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る多層基板10cについて図面を参照しながら説明する。図7は、第3の変形例に係る多層基板10cの断面図である。図7では、図1のB-Bに相当する位置における断面図を示した。
【0064】
多層基板10cは、第2容量形成部121aを更に備えている点において、多層基板10と相違する。以下に、かかる相違点についてより詳細に説明する。
【0065】
第1容量形成部21aは、複数の第1層間接続導体v2a、複数の第1層間接続導体v6a、容量導体層26a及び複数の容量導体層34aを含んでいる。複数の第1層間接続導体v2aの数は、複数の第1層間接続導体v6aの数の2倍である。従って、複数の第1層間接続導体v6aは、複数の第1層間接続導体v2aの内の半分の複数の第1層間接続導体v2aに接続されている。これにより、第1層間接続導体v6aが下に存在しない第1層間接続導体v2aと、第1層間接続導体v6aが下に存在する第1層間接続導体v2aとが交互に並んでいる。複数の第1層間接続導体v6aの下端はそれぞれ、容量導体層34aに接続されている。これにより、複数の第1層間接続導体v2a、複数の第1層間接続導体v6a、容量導体層26a及び複数の容量導体層34aは、放射導体層20aに電気的に接続されている。
【0066】
第2容量形成部121aは、複数の第2層間接続導体v102a及び複数の容量導体層126aを含んでいる。複数の容量導体層126aは、絶縁体層12cの上面に設けられている。複数の容量導体層126a及び複数の容量導体層34aは、交互に並んでいる。
【0067】
複数の第2層間接続導体v102aは、複数の絶縁体層12a~12dの内の1以上の絶縁体層12dを上下方向に横切る。本変形例では、第2層間接続導体v102aは、ビアホール導体である。従って、第2層間接続導体v102aは、絶縁体層12dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v102aの上端は、容量導体層126aに接続されている。第2層間接続導体v102aの下端は、グランド導体22に接続されている。これにより、複数の第2層間接続導体v102aは、グランド導体22に電気的に接続されている。そして、上下方向に直交する方向に見たときに、複数の第1層間接続導体v6aと複数の第2層間接続導体v102aとは、交互に並んでいる。
【0068】
多層基板10cによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10cによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。
【0069】
多層基板10cによれば、以下の理由により、パッチアンテナの共振周波数にばらつきが発生することを抑制できる。より詳細には、多層基板10cでは、第1層間接続導体v2aと第2層間接続導体v102aとが上下方向に並ぶ部分と、第1層間接続導体v2aと第1層間接続導体v6aとが上下方向に並ぶ部分とが交互に並んでいる。そのため、第1層間接続導体v2aと第2層間接続導体v102aとが上下方向に並ぶ部分では、高周波信号が印加される容量導体層26aとグランド電位が接続される容量導体層126aとが上下方向に対向する。第1層間接続導体v2aと第1層間接続導体v6aとが上下方向に並ぶ部分では、高周波信号が印加される容量導体層34aとグランド電位に接続されるグランド導体22とが上下方向に対向する。容量導体層26aから容量導体層126aまでの上下方向の距離は、容量導体層34aからグランド導体22までの上下方向の距離と略等しい。そのため、高周波信号が印加される導体層とグランド電位が接続される導体層との距離にばらつきが生じにくい。その結果、パッチアンテナの共振周波数にばらつきが発生することが抑制される。
【0070】
多層基板10cによれば、容量導体層34aと容量導体層126aとが前後方向に隣り合う。そのため、容量導体層34aと容量導体層126aとの間に容量が発生する。その結果、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。
【0071】
(第4の変形例)
以下に、第4の変形例に係る多層基板10dについて図面を参照しながら説明する。図8は、第4の変形例に係る多層基板10dの断面図である。図8では、図1のA-Aに相当する位置における断面図を示した。
【0072】
多層基板10dは、グランド導体22を備えていない点において、多層基板10と相違する。より詳細には、グランド導体22は、上下方向(積層方向)に見たときに放射導体層20aと重なるように、多層基板10dの外に設けられている。本変形例におけるグランド導体22は、例えば、多層基板10dが用いられる電子機器の筐体である。電子機器の筐体は、導電性を有する金属により作成されている。また、電子機器の筐体は、グランド電位に接続されている。素体11の下面は、電子機器の筐体であるグランド導体22の上面に固定されている。素体11のグランド導体22への固定方法は、接着剤による固定であってもよいし、固定用の金具による固定であってもよい。
【0073】
多層基板10dによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10dによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。
【0074】
なお、グランド導体22は、電子機器の筐体に限らない。グランド導体22は、例えば、図4の回路基板70が備えているグランド導体層であってもよい。
【0075】
(第5の変形例)
以下に、第5の変形例に係る多層基板10eについて図面を参照しながら説明する。図9は、第5の変形例に係る多層基板10eの断面図及び上面図である。図9では、図9のC-Cに相当する位置における断面図を示した。
【0076】
多層基板10eは、枠状導体層100、第1容量形成部221、第3容量形成部231及び第4容量形成部241,251を備えている点において、多層基板10と相違する。以下に、この相違点を中心に多層基板10eについて説明する。
【0077】
多層基板10eは、枠状導体層100を、更に備えている。枠状導体層100は、放射導体層20と共に、絶縁体層12a(第1絶縁体層)の上面又は下面に設けられている。本実施形態では、放射導体層20及び枠状導体層100は、絶縁体層12aの上面に設けられている。枠状導体層100は、上下方向に見たときに、放射導体層20を囲む枠形状を有している。本実施形態では、枠状導体層100は、長方形状の枠形状を有している。枠状導体層100の前長辺及び後短辺は、左右方向に延びている。枠状導体層100の左短辺及び右短辺は、前後方向に延びている。
【0078】
また、放射導体層20は、上下方向に見たときに、第1長辺L1、第2長辺L2、第1短辺L3及び第2短辺L4を有する長方形状を有している。第1長辺L1及び第2長辺L2は、左右方向に延びている。第1長辺L1は、第2長辺L2の前に位置している。第1短辺L3及び第2短辺L4は、前後方向に延びている。第1短辺L3は、第2短辺L4の左に位置している。放射導体層20が長方形状であるので、放射導体層20の長辺の長さに依存する周波数及び放射導体層20の短辺の長さに依存する周波数を送受信できるパッチアンテナが構成される。
【0079】
枠状導体層100は、グランド導体22に電気的に接続されている。より詳細には、多層基板10eは、第1容量形成部221及び第3容量形成部231を備えている。第1容量形成部221は、第1層間接続導体v21~v25及び容量導体層130,132,134を含んでいる。第1層間接続導体v21~v25は、電気的に直列に接続されている。第1層間接続導体v21~v25はそれぞれ、絶縁体層12a~12eを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v21の上端は、枠状導体層100の左短辺に接続されている。第1層間接続導体v25の下端は、グランド導体22に接続されている。これにより、第1層間接続導体v21~v25は、グランド導体22及び枠状導体層100に電気的に接続されている。ただし、第1層間接続導体v21~v25は、上下方向に見たときに、放射導体層20と重なっていない。
【0080】
容量導体層130は、第1層間接続導体v21の下端と第1層間接続導体v22の上端とに接続されている。容量導体層132は、第1層間接続導体v22の下端と第1層間接続導体v23の上端とに接続されている。容量導体層134は、第1層間接続導体v23の下端と第1層間接続導体v24の上端とに接続されている。
【0081】
第3容量形成部231は、複数の絶縁体層12a~12eの内の1以上の絶縁体層を上下方向に横切る複数の第3層間接続導体v31~v35と、第3層間接続導体v31~v35に電気的に接続され、かつ、グランド導体22より上、かつ、放射導体層20より下に設けられている容量導体層140,142,144(第3容量導体層)と、を含んでいる。第3層間接続導体v31~v35は、グランド導体22及び枠状導体層100に電気的に接続されている。なお、第3層間接続導体v31~v35及び容量導体層140,142,144はそれぞれ、第1層間接続導体v21~v25及び容量導体層130,132,134と左右対称な構造を有している。従って、第3層間接続導体v31~v35及び容量導体層140,142,144の詳細な説明を省略する。
【0082】
第4容量形成部241は、第4層間接続導体v41,v42及び容量導体層150,152を含んでいる。第4層間接続導体v41,v42は、複数の絶縁体層12a~12eの内の1以上の絶縁体層を上下方向に横切っている。第4層間接続導体v41,v42は、電気的に直列に接続されている。第4層間接続導体v41,v42はそれぞれ、絶縁体層12a,12bを上下方向に貫通している。第4層間接続導体v41の上端は、放射導体層20に接続されている。第4層間接続導体v41,v42は、放射導体層20に電気的に接続されている。また、第4層間接続導体v42の下端からグランド導体22までの上下方向における距離は、放射導体層20からグランド導体22までの上下方向における距離より短い。
【0083】
容量導体層150は、第4層間接続導体v41の下端と第4層間接続導体v42の上端とに接続されている。容量導体層152は、第4層間接続導体v42の下端に接続されている。
【0084】
第4容量形成部251は、第4層間接続導体v51,v52及び容量導体層160,162を含んでいる。ただし、第4層間接続導体v51,v52及び容量導体層160,162は、第4層間接続導体v41,v42及び容量導体層150,152と左右対称な構造を有しているので、説明を省略する。また、多層基板10eのその他の構造は、多層基板10と同じであるので説明を省略する。
【0085】
多層基板10eによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10eによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。
【0086】
また、多層基板10eによれば、パッチアンテナの指向性を向上させることができる。より詳細には、枠状導体層100は、上下方向に見たときに、放射導体層20を囲む枠形状を有している。更に、枠状導体層100は、グランド導体22に電気的に接続されている。これにより、放射導体層20の周囲は、上下方向に見たときに、シールドされた状態となる。そのため、放射導体層20は、電磁界を上方向に放射すると共に、上からの電磁界を受信する。その結果、多層基板10eによれば、パッチアンテナの指向性が向上する。
【0087】
また、多層基板10eによれば、多層基板10eが複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。より詳細には、枠状導体層100は、上下方向に見たときに、放射導体層20を囲む枠形状を有している。更に、枠状導体層100は、グランド導体22に電気的に接続されている。これにより、放射導体層20の周囲は、上下方向に見たときに、シールドされた状態となる。その結果、複数のパッチアンテナ同士が結合することが抑制される。よって、多層基板10eによれば、多層基板10eが複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。
【0088】
(第6の変形例)
以下に、第6の変形例に係る多層基板10fについて図面を参照しながら説明する。図10は、第6の変形例に係る多層基板10fの断面図及び上面図である
【0089】
多層基板10fは、第3容量形成部231及び第4容量形成部241,251がグランド導体22に電気的に接続されている点において、多層基板10eと相違する。多層基板10fのその他の構造は、多層基板10eと同じであるので説明を省略する。
【0090】
多層基板10fによれば、多層基板10eと同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10fによれば、多層基板10eと同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。多層基板10fによれば、多層基板10eと同じ理由により、パッチアンテナの指向性を向上させることができる。多層基板10fによれば、多層基板10eと同じ理由により、多層基板10が複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。
【0091】
(第7の変形例)
以下に、第7の変形例に係る多層基板10gについて図面を参照しながら説明する。図11は、第7の変形例に係る多層基板10gの断面図及び上面図である。図11では、図11のC-Cに相当する位置における断面図を示した。
【0092】
多層基板10gは、容量導体層132,142の形状において、多層基板10eと相違する。以下に、この相違点を中心に多層基板10gについて説明する。
【0093】
第1容量形成部221は、第1層間接続導体v22,v23に電気的に接続され、かつ、グランド導体22より上、かつ、放射導体層20より下に設けられている容量導体層132(第1容量導体層)を、含んでいる。容量導体層132は、上下方向に見たときに、放射導体層20と重なっている。本実施形態では、容量導体層132は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。
【0094】
第3容量形成部231は、第3層間接続導体v32,v33に電気的に接続され、かつ、グランド導体22より上、かつ、放射導体層20より下に設けられている容量導体層142(第3容量導体層)を、含んでいる。容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20と重なっている。本実施形態では、容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。
【0095】
多層基板10gによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10gによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。多層基板10gによれば、多層基板10と同じ理由により、パッチアンテナの指向性を向上させることができる。多層基板10gによれば、多層基板10と同じ理由により、多層基板10gが複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。
【0096】
多層基板10gによれば、以下の理由によっても、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。より詳細には、容量導体層132は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。これにより、放射導体層20とグランド導体22との間に形成される容量が大きくなる。その結果、多層基板10gによれば、パッチアンテナの共振周波数の低周波化が図られる。
【0097】
多層基板10gによれば、パッチアンテナの放射効率の劣化が抑制される。より詳細には、容量導体層132及び容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20と重なっている。このような容量導体層132及び容量導体層142は、パッチアンテナの放射効率を劣化させる原因となりうる。ところで、放射導体層20では、第1短辺L3と第2短辺L4との間が略半波長の整数倍の長さとなる定常波が発生する。この場合、第1短辺L3及び第2短辺L4付近の電流値は、放射導体層20の中央の電流値よりも小さくなる。そのため、第1短辺L3及び第2短辺L4付近の容量値が変動しても、パッチアンテナの放射特性が変動しにくい。そこで、多層基板10gでは、容量導体層132は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。これにより、多層基板10gによれば、パッチアンテナの放射効率劣化が抑制される。
【0098】
多層基板10gでは、容量導体層132は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。これにより、容量導体層132は、容量導体層142と左右対称な構造を有するようになる。容量導体層132,142が設けられた多層基板10gは、容量導体層132のみが設けられた多層基板に比べて、放射導体層20において電流値の大きな部分と容量導体層132,142とが対向しなくてよい。そのため、パッチアンテナの放射効率の劣化が抑制される。更に、パッチアンテナの放射特性が左右対称となる。
【0099】
(第8の変形例)
以下に、第8の変形例に係る多層基板10hについて図面を参照しながら説明する。図12は、第8の変形例に係る多層基板10hの断面図である。
【0100】
多層基板10hは、容量導体層134,144の形状において、多層基板10gと相違する。以下に、この相違点を中心に多層基板10hについて説明する。
【0101】
第1容量形成部221は、第1層間接続導体v23,v24に電気的に接続され、かつ、グランド導体22より上、かつ、容量導体層132より下に設けられている容量導体層134(第2容量導体層)を、含んでいる。容量導体層134は、上下方向に見たときに、放射導体層20と重なっている。本実施形態では、容量導体層134は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。容量導体層134,144のそれぞれは、上下方向に見たときに、容量導体層132,142と重なっている。
【0102】
第3容量形成部231は、第3層間接続導体v33,v34に電気的に接続され、かつ、グランド導体22より上、かつ、容量導体層142より下に設けられている容量導体層144(第4容量導体層)を、含んでいる。容量導体層144は、上下方向に見たときに、放射導体層20と重なっている。本実施形態では、容量導体層144は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。
【0103】
多層基板10hによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10hによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。多層基板10hによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの指向性を向上させることができる。多層基板10hによれば、多層基板10gと同じ理由により、多層基板10hが複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。多層基板10hによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの放射効率劣化が抑制される。多層基板10hによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの放射特性が左右対称となる。
【0104】
多層基板10hによれば、容量導体層132,142が放射導体層20と対向する面積を大きくすることなく容量導体層134,144と放射導体層20との間の容量を使って放射導体層20とグランドとの間の容量を増加させることができる。これにより、放射導体層20の電流値の大きな部分で容量導体層132,134,142,144を対向させなくてよくなる。よって、パッチアンテナの放射効率の劣化を抑制できる。
【0105】
以下の理由によっても、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。より詳細には、容量導体層144は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。容量導体層144は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。これにより、放射導体層20とグランド導体22との間に形成される容量が更に大きくなる。その結果、多層基板10hによれば、パッチアンテナの共振周波数の低周波化が図られる。
【0106】
(第9の変形例)
以下に、第9の変形例に係る多層基板10iについて図面を参照しながら説明する。図13は、第9の変形例に係る多層基板10iの上面図である。
【0107】
多層基板10iは、容量導体層234,244を更に備えている点において、多層基板10gと相違する。以下に、この相違点を中心に多層基板10iについて説明する。
【0108】
容量導体層234,244は、容量導体層132及び容量導体層142と同じように、グランド導体22及び枠状導体層100に電気的に接続されている。容量導体層234は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1長辺L1と重なっている。容量導体層244は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2長辺L2と重なっている。
【0109】
多層基板10iによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10iによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。多層基板10iによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの指向性を向上させることができる。多層基板10iによれば、多層基板10gと同じ理由により、多層基板10iが複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。多層基板10iによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの放射効率を劣化が抑制される。多層基板10iによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの放射特性が左右対称となる。
【0110】
多層基板10iによれば、パッチアンテナが2種類の共振周波数を有する場合に、2種類の共振周波数の低周波化を図ることができる。より詳細には、放射導体層20では、第1短辺L3と第2短辺L4との間が略半波長の整数倍の長さとなる定常波が発生すると共に、第1長辺L1と第2長辺L2との間が略半波長の整数倍の長さとなる定常波が発生する。従って、パッチアンテナは、2つの共振周波数を有する場合がある。そこで、容量導体層132は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3と重なっている。容量導体層142は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4と重なっている。これにより、第1短辺L3と第2短辺L4との間に発生する定常波の共振周波数が低下する。また、容量導体層234は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1長辺L1と重なっている。容量導体層244は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2長辺L2と重なっている。これにより、第1長辺L1と第2長辺L2との間に発生する定常波の共振周波数が低下する。
【0111】
(第10の変形例)
以下に、第10の変形例に係る多層基板10jについて図面を参照しながら説明する。図14は、第10の変形例に係る多層基板10jの断面図及び上面図である。図14では、図14のD-D、E-E及びF-Fに相当する位置における断面図を示した。
【0112】
多層基板10jは、D-D及びF-Fの断面において多層基板10gと同じ構造を有していると共に、E-Eの断面において多層基板10eと同じ構造を有している。
【0113】
多層基板10jによれば、多層基板10eと同じ理由により、パッチアンテナの共振周波数の低周波化を図ることができる。多層基板10jによれば、多層基板10eと同じ理由により、パッチアンテナにおけるロスの増大を抑制できる。多層基板10jによれば、多層基板10eと同じ理由により、パッチアンテナの指向性を向上させることができる。多層基板10jによれば、多層基板10eと同じ理由により、多層基板10が複数のパッチアンテナを備える場合に、複数のパッチアンテナ間のアイソレーションが高くなる。多層基板10jによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの放射効率劣化が抑制される。多層基板10jによれば、多層基板10gと同じ理由により、パッチアンテナの放射特性が左右対称となる。
【0114】
(その他の実施形態)
本発明に係る多層基板は、前記実施形態に係る多層基板10,10a~10jに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0115】
なお、多層基板10,10a~10jの各構成を任意に組み合わせてもよい。
【0116】
なお、多層基板10,10a~10jにおいて、放射導体層20a~20c,20を覆う絶縁体層(レジスト膜)が絶縁体層12aの上面に更に設けられていてもよい。同様に、多層基板10,10a~10jにおいて、グランド導体22を覆う絶縁体層(レジスト膜)が絶縁体層12d,12eの下面に更に設けられていてもよい。
【0117】
なお、多層基板10,10a~10jは、複数のパッチアンテナを備える必要はない。
【0118】
なお、多層基板10,10a~10dにおいて、第1層間接続導体v1a~v8aは、グランド導体22に電気的に接続されていてもよい。そして、複数の第1層間接続導体v1a~v8aは、放射導体層20aに電気的に接続されていない。第1層間接続導体v1a~v8aがグランド導体22に電気的に接続されている場合には、第1層間接続導体v1a~v8aの上端から放射導体層20aまでの上下方向における距離は、放射導体層20aからグランド導体22までの上下方向における距離より短い。
【0119】
なお、多層基板10,10a~10dにおいて、第1層間接続導体v1a~v8aは、放射導体層20aの外縁部以外に電気的に接続されてもよい。
【0120】
なお、多層基板10,10a~10jにおいて、放射導体層20aには、スリットSL1a~SL4aが設けられていなくてもよい。
【0121】
なお、多層基板10,10a~10jにおいて、素体11は、可撓性を有していなくてもよい。また、素体11は、折り曲げられていてもよいし、折り曲げられていなくてもよい。
【0122】
なお、多層基板10cにおいて、上下方向に見て、第1層間接続導体v2aは、第1層間接続導体v6aと重なっている。しかしながら、上下方向に見て、第1層間接続導体v2aは、第1層間接続導体v6aと重なっていなくてもよい。
【0123】
なお、多層基板10g~10iにおいて、容量導体層132,134は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1短辺L3以外の部分と重なっていてもよい。容量導体層142及び容量導体層144は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2短辺L4以外の部分と重なっていてもよい。容量導体層234は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1長辺L1以外の部分と重なっていてもよい。容量導体層244は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第2長辺L2以外の部分と重なっていてもよい。
【0124】
なお、多層基板10g~10iにおいて、放射導体層20は、上下方向に見たときに、長方形状を有していなくてもよい。放射導体層20は、五角形以上の多角形を有していてもよい。放射導体層20が六角形を有している場合には、パッチアンテナは、三種類の共振周波数を有することができる。この場合、放射導体層20の6個の辺のそれぞれに容量導体層が重なっていてもよい。
【0125】
なお、多層基板10iにおいて、容量導体層132、容量導体層142及び容量導体層232,234は、一つにつながっていてもよい。この場合、容量導体層132、容量導体層142及び容量導体層232,234を含む導体層は、枠形状を有する。そして、容量導体層132、容量導体層142及び容量導体層232,234を含む導体層は、上下方向に見たときに、放射導体層20の第1長辺L1の全体、第2長辺L2の全体、第1短辺L3の全体及び第2短辺L4の全体と重なる。
【0126】
なお、多層基板10gにおいて、容量導体層132は、第1短辺L3の両端とは重なっていない。これにより、容量導体層132が放射導体層20に対して前後方向にずれたとしても、容量導体層132と放射導体層20との間に発生する容量が変化しない。同じ理由により、容量導体層142が放射導体層20に対して前後方向にずれたとしても、容量導体層142と放射導体層20との間に発生する容量が変化しない。ただし、容量導体層132は、第1短辺L3の両端とは重なっていてもよい。この場合、容量導体層132の前後方向の両端は、第1短辺L3の両端と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。同様に、容量導体層142は、第2短辺L4の両端とは重なっていてもよい。この場合、容量導体層142の前後方向の両端は、第2短辺L4の両端と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0127】
なお、下方向は、第1方向であり、上方向は、第2方向であってもよい。すなわち、上方向又は下方向の一方が第1方向であり、上方向又は下方向の他方が第2方向であればよい。
【符号の説明】
【0128】
10,10a~10j:多層基板
11:素体
12a~12e:絶縁体層
20,20a~20c:放射導体層
21a,21b,21c:第1容量形成部
22:グランド導体
24a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,38a:容量導体層
40a~40c,42a~42c:信号導体層
50a~50c:外部電極
60,72:コネクタ
70:回路基板
71:基板本体
100:枠状導体層
121a:第2容量形成部
126a,130,132,134,140,142,144,150,152,160,162,232,234,244:容量導体層
221:第1容量形成部
231:第3容量形成部
241,251:第4容量形成部
L1:第1長辺
L2:第2長辺
L3:第1短辺
L4:第2短辺
SL1a~SL4a:スリット
v10a,v10b,v10c,v11a,v12a:層間接続導体
v1a~v8a,v21~v25:第1層間接続導体
v102a:第2層間接続導体
v31~v35:第3層間接続導体
v41,v42,v51,v52:第4層間接続導体
図1
図2
図3
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図5
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図14