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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】口腔器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0537 20210101AFI20240214BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240214BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61B 90/98 20160101ALI20240214BHJP
【FI】
A61B5/0537 200
A61B5/11 230
A61B5/11 300
A61B5/00 N
A61B90/98
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022532344
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2021016299
(87)【国際公開番号】W WO2021256080
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2020106459
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】志牟田 亨
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 純
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智紀
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/125222(WO,A1)
【文献】特開2019-033965(JP,A)
【文献】特開2009-080091(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0060550(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0172917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/98
A61B 5/00
A61B 5/0537
A61B 5/11
A61B 5/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられるシート状の口腔器具であって、
口腔内の情報を取得する1つ又は複数のセンサ部、および口腔内にエネルギーを照射する1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つを有する機能部と、
電気接続部を有する接続部と、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つと前記電気接続部とを接続する配線を有する配線部と、
を備え、
前記機能部、前記接続部及び前記配線部は、少なくとも、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する配線層と、
前記配線層の前記第1主面に配置される第1絶縁層、および前記配線層の前記第2主面に配置される第2絶縁層を有する複数の絶縁層と、
で構成されており、
前記機能部において、前記第1絶縁層の厚みは、前記第2絶縁層の厚みより小さく、
前記機能部において、前記第1絶縁層には、1つ又は複数の開口が設けられており、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つは、前記1つ又は複数の開口から露出する領域に配置されている、口腔器具。
【請求項2】
口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられるシート状の口腔器具であって、
口腔内の情報を取得する1つ又は複数のセンサ部、および口腔内にエネルギーを照射する1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つを有する機能部と、
電気接続部を有する接続部と、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つと前記電気接続部とを接続する配線を有する配線部と、
前記1つ又は複数のセンサ部と異なる位置に配置され、前記1つ又は複数のセンサ部で取得した情報を補正するための補正情報を取得する補正センサ部と、
を備え、
前記機能部、前記接続部及び前記配線部は、少なくとも、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する配線層と、
前記配線層の前記第1主面に配置される第1絶縁層、および前記配線層の前記第2主面に配置される第2絶縁層を有する複数の絶縁層と、
で構成されており、
前記機能部において、前記第1絶縁層の厚みは、前記第2絶縁層の厚みより小さい、口腔器具。
【請求項3】
口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられるシート状の口腔器具であって、
口腔内の情報を取得する1つ又は複数のセンサ部、および口腔内にエネルギーを照射する1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つを有する機能部と、
電気接続部を有する接続部と、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つと前記電気接続部とを接続する配線を有する配線部と、
を備え、
前記機能部、前記接続部及び前記配線部は、少なくとも、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する配線層と、
前記配線層の前記第1主面に配置される第1絶縁層、および前記配線層の前記第2主面に配置される第2絶縁層を有する複数の絶縁層と、
で構成されており、
前記機能部において、前記第1絶縁層の厚みは、前記第2絶縁層の厚みより小さく、
前記電気接続部は、RFIDタグである、口腔器具。
【請求項4】
前記配線層及び前記複数の絶縁層は、積層されて構成されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項5】
前記配線部の厚みは、前記機能部の厚みより大きい、
請求項1~4のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項6】
前記配線部は、前記複数の絶縁層に配置される1つ又は複数のシールド層を有する、
請求項1~のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項7】
前記配線部は、前記配線部の外周に配置される保護層を有する、
請求項1~のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項8】
前記保護層は、前記配線部の周囲を囲っている、
請求項に記載の口腔器具。
【請求項9】
前記1つ又は複数のセンサ部は、口腔内の測定部位の情報を取得するセンサ面を有し、
前記センサ面は、前記配線層の前記第1主面側に配置される、
請求項1~のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項10】
前記1つ又は複数のエネルギー照射部は、前記配線層の前記第1主面側に配置される、
請求項1~のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項11】
前記機能部は、可撓性を有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項12】
前記1つ又は複数の開口内において、前記複数のセンサ部のうち隣り合う2つ以上のセンサ部は、空間を有して離れて配置されている、
請求項に記載の口腔器具。
【請求項13】
前記補正センサ部は、前記配線層において前記配線部と前記接続部とのうち少なくとも1つに配置される、
請求項に記載の口腔器具。
【請求項14】
前記補正センサ部は、前記機能部の前記配線層において前記第1絶縁層に沿って前記1つ又は複数のセンサ部と並べて配置され、且つ前記1つ又は複数のセンサ部と異なる検出感度で口腔内の情報を取得するように構成される、
請求項に記載の口腔器具。
【請求項15】
前記電気接続部は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とのうち少なくとも1つから露出する1つ又は複数の電極である、
請求項1~14のいずれか一項に記載の口腔器具。
【請求項16】
前記口腔器具は、前記配線層の前記第1主面を外側に向けて配置し、前記配線層の前記第2主面を内側に向けて配置する袋状に構成されている、
請求項1~15のいずれか一項に記載の口腔器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられる口腔器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、口腔内水分測定器が開示されている。特許文献1に記載の口腔内水分測定器は、揺動部材と、揺動部材の先端に設けられた水分量検出部と、揺動部材を揺動方向の一方に付勢する付勢部材と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/125222号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられる口腔器具において、性能を向上させた口腔器具が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の口腔器具は、
口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられるシート状の口腔器具であって、
口腔内の情報を取得する1つ又は複数のセンサ部、および口腔内にエネルギーを照射する1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つを有する機能部と、
電気接続部を有する接続部と、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つと前記電気接続部とを接続する配線を有する配線部と、
を備え、
前記機能部、前記接続部及び前記配線部は、少なくとも、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する配線層と、
前記配線層の前記第1主面に配置される第1絶縁層、および前記配線層の前記第2主面に配置される第2絶縁層を有する複数の絶縁層と、
で構成されており、
前記機能部において、前記第1絶縁層の厚みは、前記第2絶縁層の厚みより小さい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられる口腔器具において、性能を向上させた口腔器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る実施の形態1の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
図2】本発明に係る実施の形態1の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
図3】本発明に係る実施の形態1の口腔用装置を使用している状態の一例を示す概略図である。
図4】口腔器具の一例を示す概略図である。
図5図4の口腔器具の一例を拡大して示す概略断面図である。
図6】口腔器具の一例の主要な構成を示すブロック図である。
図7】口腔用本体装置の一例の概略斜視図である。
図8図7の口腔用本体装置の一例の概略分解図である。
図9】口腔用本体装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
図10】着脱操作部に取り付けられた口腔器具の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図11A】変形例1の着脱操作部を示す概略図である。
図11B】変形例1の口腔器具を示す概略図である。
図12】変形例2の口腔器具を拡大して示す概略断面図である。
図13】本発明に係る実施の形態2の口腔器具の一例を拡大して示す概略断面図である。
図14A】本発明に係る実施の形態3の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
図14B】本発明に係る実施の形態3の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
図15A】着脱操作部に取り付けられた口腔器具の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図15B図15Aの着脱操作部の概略分解断面図である。
図16A】口腔器具の変形の一例を拡大して示す概略拡大断面図である。
図16B】口腔器具の変形の一例を拡大して示す概略拡大断面図である。
図16C】口腔器具の変形の一例を拡大して示す概略拡大断面図である。
図17】本発明に係る実施の形態4の口腔器具の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図18】本発明に係る実施の形態5の口腔用装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
図19A】口腔器具の一例を示す概略図である。
図19B図19Aの口腔器具の一例の概略断面図である。
図20A】変形例3の口腔器具を示す概略図である。
図20B図20Aの変形例3の口腔器具の概略断面図である。
図21】本発明に係る実施の形態6の口腔用装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
図22】口腔器具の一例を示す概略図である。
図23図22の口腔器具の一例の概略断面図である。
図24】RFIDタグの一例の概略図である。
図25】RFIDタグの一例の概略回路図である。
図26】着脱操作部に取り付けられた口腔器具の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図27】本発明に係る実施の形態7の口腔器具の一例を拡大して示す概略断面図である。
図28A】本発明に係る実施の形態8の口腔器具の一例を示す概略図である。
図28B図28Aの口腔器具をA-A線で切断した概略断面図である。
図29】本発明に係る実施の形態8の口腔器具を測定部位に接触させた状態の一例を示す概略断面図である。
図30A】変形例4の口腔器具を示す概略図である。
図30B図30Aの変形例4の口腔器具の概略断面図である。
図31】本発明に係る実施の形態9の口腔器具の一例の主要な構成を示すブロック図である。
図32】本発明に係る実施の形態9の口腔器具の一例を示す概略図である。
図33】本発明に係る実施の形態9の口腔器具の一例を拡大して示す概略断面図である。
図34】変形例5の口腔器具を示す概略図である。
図35図34の変形例5の口腔器具の概略断面図である。
図36】測定センサ部と補正センサ部の測定値の関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本発明に至った経緯)
特許文献1に記載の水分測定器では、本体に対して揺動する揺動部材の先端側に設けられた水分量検出部(センサ部)を口腔内の測定部位に接触させることにより、口腔内の水分を測定している。また、特許文献1に記載の水分測定器においては、センサ部及び揺動部材を本体から着脱可能な着脱部(口腔器具)として構成している。これにより、測定器の衛生状態をより適切な状態に保っている。
【0009】
このような装置においては、センサ部は絶縁体などで覆われているため、センサ部は絶縁体を介して測定部位に接触する。このため、絶縁体によってセンサ部の感度が低下する場合があり、センサ部の検知精度の向上が難しい。このような理由から、センサ部の検知精度を向上させることが求められている。
【0010】
また、口腔内に熱や光などのエネルギーを照射するエネルギー照射部を備える口腔器具においても、エネルギーの照射効率を向上させることが求められている。
【0011】
そこで、本発明者らは、センサ部とエネルギー照射部のうち少なくとも1つを含む機能部を覆う絶縁層の厚さを工夫することによって上記課題を解決することを検討し、以下の発明に至った。
【0012】
本発明の一態様の口腔器具は、
口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられるシート状の口腔器具であって、
口腔内の情報を取得する1つ又は複数のセンサ部、および口腔内にエネルギーを照射する1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つを有する機能部と、
電気接続部を有する接続部と、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つと前記電気接続部とを接続する配線を有する配線部と、
を備え、
前記機能部、前記接続部及び前記配線部は、少なくとも、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する配線層と、
前記配線層の前記第1主面に配置される第1絶縁層、および前記配線層の前記第2主面に配置される第2絶縁層を有する複数の絶縁層と、
で構成されており、
前記機能部において、前記第1絶縁層の厚みは、前記第2絶縁層の厚みより小さい。
【0013】
このような構成により、口腔用本体装置に着脱可能に取り付けられる口腔器具において、性能を向上させることができる。
【0014】
前記配線層及び前記複数の絶縁層は、積層されて構成されていてもよい。
【0015】
このような構成により、口腔器具を口腔内に容易に挿入することができる。
【0016】
配線部の厚みは、前記機能部の厚みより大きくてもよい。
【0017】
このような構成により、配線部における機械的強度を向上させることができる。
【0018】
配線部は、前記複数の絶縁層に配置される1つ又は複数のシールド層を有していてもよい。
【0019】
このような構成により、配線部から発生するノイズを抑制することができる。
【0020】
配線部は、前記配線部の外周に配置される保護層を有していてもよい。
【0021】
このような構成により、口腔器具を口腔内で使用しているときにユーザの歯などに接触することによる故障を抑制することができる。
【0022】
前記1つ又は複数のセンサ部は、口腔内の測定部位の情報を取得するセンサ面を有し、
前記センサ面は、前記配線層の前記第1主面側に配置されていてもよい。
【0023】
このような構成により、1つ又は複数のセンサ部の検知精度を向上させることができる。
【0024】
前記1つ又は複数のエネルギー照射部は、前記配線層の前記第1主面側に配置されていてもよい。
【0025】
このような構成により、エネルギー照射部の照射効率を向上させることができる。
【0026】
前記機能部は、可撓性を有していてもよい。
【0027】
このような構成により、機能部を測定部位又は照射部位に容易に接触させることができる。
【0028】
前記機能部において、前記第1絶縁層には、1つ又は複数の開口が設けられており、
前記1つ又は複数のセンサ部および前記1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つは、前記1つ又は複数の開口から露出する領域に配置されていてもよい。
【0029】
このような構成により、口腔器具の性能を更に向上させることができる。
【0030】
前記1つ又は複数の開口内において、前記複数のセンサ部のうち隣り合う2つ以上のセンサ部は、空間を有して離れて配置されていてもよい。
【0031】
このような構成により、口腔器具の性能を更に向上させることができる。
【0032】
前記口腔器具は、更に、前記1つ又は複数のセンサ部と異なる位置に配置され、前記1つ又は複数のセンサ部で取得した情報を補正するための補正情報を取得する補正センサ部を備えていてもよい。
【0033】
このような構成により、1つ又は複数のセンサ部で取得した情報を補正するための補正情報を取得することができる。
【0034】
前記補正センサ部は、前記配線層において前記配線部と前記接続部とのうち少なくとも1つに配置されてもよい。
【0035】
このような構成により、口腔外の情報を補正情報として取得することができる。
【0036】
前記補正センサ部は、前記機能部の前記配線層において前記第1絶縁層に沿って前記1つ又は複数のセンサ部と並べて配置され、且つ前記1つ又は複数のセンサ部と異なる検出感度で口腔内の情報を取得するように構成されていてもよい。
【0037】
このような構成により、口腔内の情報から補正情報を取得することができる。
【0038】
前記電気接続部は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とのうち少なくとも1つから露出する1つ又は複数の電極であってもよい。
【0039】
このような構成により、口腔器具と口腔用本体装置との電気的接続を容易に行うことができる。
【0040】
前記電気接続部は、RFIDタグであってもよい。
【0041】
このような構成により、口腔器具と口腔用本体装置との電気的接続を容易に行うことができる。
【0042】
前記口腔器具は、前記配線層の前記第1主面を外側に向けて配置し、前記配線層の前記第2主面を内側に向けて配置する袋状に構成されていてもよい。
【0043】
このような構成により、口腔器具を口腔用本体装置により強固に固定することができる。
【0044】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0045】
(実施の形態1)
[口腔用装置]
図1及び図2は、本発明に係る実施の形態1の口腔用装置1Aの一例の概略斜視図である。図1は、口腔用本体装置50に口腔器具10が取り付けられている状態を示す。図2は、口腔用本体装置50から口腔器具10が取り外されている状態を示す。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、口腔用装置1Aの長さ方向、幅方向、高さ方向を示す。
【0046】
図1及び図2に示すように、口腔用装置1Aは、口腔器具10と、口腔用本体装置50と、を備える。口腔用装置1Aは、ディスポーザブルタイプの装置である。口腔用装置1Aにおいては、口腔内で使用される口腔器具10が口腔用本体装置50に対して着脱可能に取り付けられる。口腔器具10は、口腔用本体装置50に取り付けられて使用された後、口腔用本体装置50から取り外される。
【0047】
口腔用装置1Aは、口腔器具10を口腔内の部位に接触させて機能を実行する。機能は、例えば、センシング機能及び/又はエネルギー照射機能を含む。
【0048】
センシング機能は、口腔内の生体情報に関連する情報を取得する。生体情報とは、生体が発する種々の生理学的且つ解剖学的情報である。生体情報は、例えば、乾燥度(湿潤度、水分量)、舌圧、咬合力、咀嚼機能、嚥下機能、舌口唇運動機能、衛生状態不良、唾液成分、呼気ガス成分、体温、硬度などの情報である。生体情報に関連する情報とは、例えば、静電容量、インピーダンス(抵抗)、圧力、電位、色調、温度、硬度、振動などの情報である。口腔用装置1Aは、口腔器具10をユーザの口腔内の測定部位に接触させ、接触した測定部位の生体情報に関連する情報を取得する。口腔用装置1Aは、口腔器具10で取得した情報に基づいて、口腔用本体装置50で生体情報を取得することによって、口腔内の状態を測定する。口腔用本体装置50は、例えば、水分量、唾液の分泌量、咬合力、舌圧力、舌の色調及び/又は唾液中に含まれる各種物質の量を測定する。
【0049】
エネルギー照射機能は、口腔内にエネルギーを照射する。エネルギーは、例えば、光、熱、超音波、電磁波などのエネルギーである。
【0050】
口腔用装置1Aは、例えば、湿潤計、咬合力計、舌圧計、レーザ治療器、温熱治療器、超音波エコー、超音波治療器、電磁波照射器として用いることができる。
【0051】
実施の形態1では、口腔用装置1Aが湿潤計である例について説明する。
【0052】
図3は、本発明に係る実施の形態1の口腔用装置1Aを使用している状態の一例を示す概略図である。図3に示すように、口腔用装置1Aは、口腔器具10をユーザの口腔内の測定部位に接触させる。測定部位とは、例えば、口腔内の舌部、頬粘膜、口蓋などである。口腔器具10は、測定部位の形状に沿って変形することによって、測定部位に接触する。口腔用装置1Aは、口腔器具10を口腔内の測定部位に接触させた状態で測定を開始する。
【0053】
[口腔器具]
図4は、口腔器具10の一例を示す概略図である。図5は、図4の口腔器具10の一例を拡大して示す概略断面図である。図6は、口腔器具10の一例の構成を示すブロック図である。
【0054】
図4-6に示すように、口腔器具10は、機能部20、配線部30及び接続部40を備える。
【0055】
実施の形態1では、口腔器具10は、口腔用本体装置50に着脱可能なセンシングプローブとして構成されている。口腔器具10は、電気接続部を有するシート状を有する器具である。口腔器具10は、長手方向を有する矩形のシート状に形成されている。なお、口腔器具10は、シート状に形成されていればよく、矩形状に限定されない。
【0056】
電気接続部は、口腔用本体装置50と電気的に接続する。実施の形態1では、電気接続部は、1つ又は複数の電極41である。
【0057】
口腔器具10は可撓性を有しており、変形可能である。口腔器具10においては、少なくとも機能部20が可撓性を有している。
【0058】
<機能部>
機能部20は、センシング機能を発揮する部分であり、口腔器具10の先端側に設けられる。機能部20は、口腔内の情報を取得するセンサ部21を有する。センサ部21は、ユーザの口腔内の測定部位側に配置されるセンサ面21aを有している。機能部20は、センサ部21のセンサ面21a側を測定部位に面接触させることによって、口腔内の情報を取得する。実施の形態1では、センサ部21は、静電容量センサを有し、静電容量を取得する。
【0059】
機能部20は、口腔内の測定部位に接触するときに、測定部位の形状に沿って変形することができる。これにより、機能部20を口腔内の測定部位に容易に接触させることができる。具体的に説明すると、機能部20が測定部位の形状に沿って変形することによって、センサ部21のセンサ面21aが測定部位の形状にフィットする。これにより、センサ面21aの全体を測定部位に近づけて配置することができるため、センサ面21aの全体を用いて測定部位から口腔内の情報を容易に取得することができる。
【0060】
実施の形態1では、機能部20が可撓性を有する例について説明するが、これに限定されない。口腔器具10においては、少なくとも機能部20が可撓性を有していればよい。例えば、配線部30及び/又は接続部40が可撓性を有していてもよい。
【0061】
<配線部>
配線部30は、機能部20と接続部40との間に配置されている。配線部30は、機能部20と接続部40の電極41とを電気的に接続する配線31を有する。配線31は、導電性材料で形成されている。配線31の導電性材料としては、例えば、Cu,Al,Agなどが挙げられる。例えば、配線31は、配線導体パターンで形成されている。
【0062】
また、配線部30は、配線部30の周囲を覆う保護層32を有する。保護層32は、口腔器具10を口腔内に配置したときに、歯が当たる部分に配置される。保護層32は、機能部20と接続部40との間に配置されていればよい。例えば、保護層32は、厚さ100μm以上10mm以下の保護膜で形成されている。保護膜は、例えば、樹脂、発泡体などの材料で形成されていてもよい。
【0063】
<接続部>
接続部40は、口腔用本体装置50に取り付けられる部分であり、口腔器具10の先端と反対側の後端側に設けられる。接続部40は、1つ又は複数の電極41を有する。実施の形態1では、接続部40は2つの電極41を有する。なお、電極41の数は2つに限定されない。
【0064】
1つ又は複数の電極41は、導電性を有する材料で形成されている。電極41の材料としては、例えば、Cu,Al,SUSなどが挙げられる。また、電極41は、Au、Ag、塩化銀、Ti、Pt、カーボン、導電性ポリマー(例えば、PEDOTなど)などの腐食しにくい材料で形成されていてもよい。電極41は、Cuで形成され、Au,Niなどでめっきされていてもよい。
【0065】
実施の形態1では、接続部40が口腔用本体装置50に取り付けられると、複数の電極41が口腔用本体装置50に設けられた複数の接続端子と物理的に接触することによって電気的に接続される。
【0066】
また、接続部40には、取付孔42が設けられている。取付孔42は、後述する着脱操作部70の突起73aが挿入される貫通孔である。実施の形態1では、2つの取付孔42が接続部40に設けられている。
【0067】
なお、取付孔42は、貫通孔に限定されるものではなく、切り欠き、凹部であってもよい。取付孔42は、着脱操作部70の突起73aが挿入可能なサイズを有していればよい。また、接続部40には、1つ又は複数の取付孔42が設けられていればよい。
【0068】
図5に示すように、口腔器具10は、配線層11と、複数の絶縁層12,13と、で構成されている。実施の形態1では、配線層11及び複数の絶縁層12,13は、積層されて構成されている。また、複数の絶縁層12,13は、第1絶縁層12と、第2絶縁層13と、を有する。
【0069】
<配線層>
配線層11は、センサ部21、配線31及び複数の電極41を含む。配線層11は、第1主面PS1と、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2とを有する。口腔器具10において、第1主面PS1側は、口腔内の測定部位に接触する側である。実施の形態1では、センサ部21のセンサ面21aは、配線層11の第1主面PS1側に配置されている。
【0070】
配線層11の第1主面PS1側において、複数の電極41は第1絶縁層12から露出している。なお、複数の電極41は、第1絶縁層12と第2絶縁層13とのうち少なくとも1つから露出していればよい。
【0071】
配線層11の厚さは、1μm以上50μm以下が好ましい。より好ましくは、配線層11の厚さは、2μm以上25μm以下である。
【0072】
<複数の絶縁層>
複数の絶縁層12,13は、配線層11の第1主面PS1に配置される第1絶縁層12と、配線層11の第2主面PS2に配置される第2絶縁層13と、を有する。
【0073】
第1絶縁層12の厚みT1は、第2絶縁層13の厚みT2よりも小さい。第1絶縁層12の厚みT1は、第2絶縁層13の厚みT2の1/2倍以下である。好ましくは、機能部20における第1絶縁層12Aの厚みT1は、第2絶縁層13の厚みT2の1/8倍以下である。第1絶縁層12の厚みT1は、0.01μm以上25μm以下が好ましい。第2絶縁層13の厚みT2は、10μm以上200μm以下が好ましい。なお、第1絶縁層12の厚みT1とは、Z方向において配線層11の第1主面PS1よりも外側に位置する第1絶縁層12の厚みを意味する。第2絶縁層13の厚みT2とは、Z方向において配線層11の第2主面PS2よりも外側に位置する第2絶縁層13の厚みを意味する。
【0074】
実施の形態1では、機能部20、配線部30及び接続部40にわたって第1絶縁層12の厚みT1が第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくなっている例について説明するが、これに限定されない。少なくとも機能部20において、第1絶縁層12の厚みT1が第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくなっていればよい。
【0075】
機能部20において、第1絶縁層12の厚みT1が第2絶縁層13の厚みT2よりも小さいことによって、配線層11の第1主面PS1側のセンサ部21による検知精度を向上させることができる。即ち、第1絶縁層12の厚みT1を小さくすることによって、第1絶縁層12がセンサ部21の情報取得に与える影響を小さくすることができる。具体的には、第1絶縁層12の厚みT1を小さくすることによって、センサ部21のセンサ面21aと測定部位との間の距離を小さくすることができる。これにより、センサ面21aによる情報の取得が容易となり、センサ部21の検知精度を向上させることができる。このように、第1絶縁層12の厚みT1を第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくすることによって、機能部20を保護しつつ、センサ部21の検知精度を向上させることができる。また、第1絶縁層12の厚みT1を第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくすることによって、第2主面側に比べて第1主面PS1側からの情報取得が容易となる。あるいは、第2絶縁層13の厚みT2をセンサ部21により検知できない程度の厚みに設計することによって、口腔器具10の検出方向を第1主面PS1側に限定することもできる。
【0076】
複数の絶縁層12,13は、絶縁材料で形成されている。絶縁材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなどが挙げられる。
【0077】
例えば、配線層11及び複数の絶縁層12,13は、フレキシブルプリント回路基板で形成される。
【0078】
なお、上述した口腔器具10は一例であり、口腔器具10の構成はこれに限定されない。口腔器具10は、電気接続部を有するシート状の器具であればよい。あるいは、口腔器具10は、配線層11及び複数の絶縁層12,13に加えて、シールド層を有していてもよい。複数の絶縁層は、2つ以上の絶縁層を有していてもよい。
【0079】
[口腔用本体装置]
図7は、口腔用本体装置50の一例の概略斜視図である。図8は、図7の口腔用本体装置50の一例の概略分解図である。図9は、口腔用本体装置50の一例の構成を示すブロック図である。なお、以下では、口腔用本体装置50を本体装置50と称する場合がある。
【0080】
図7-9に示すように、本体装置50は、本体部60、着脱操作部70、ガード80及び表示部90を備える。なお、実施の形態1では、本体装置50がガード80及び表示部90を備える例について説明するが、これに限定されない。ガード80及び表示部90は、必須の構成ではない。例えば、表示部90は、本体装置50とは別の装置に備えられていてもよい。
【0081】
本体装置50は、着脱操作部70に口腔器具10を着脱可能に取り付けることができる。また、本体装置50は、口腔器具10で取得した生体情報に関連する情報に基づいて、測定対象物の量を算出する。具体的には、本体装置50は、口腔器具10で取得した静電容量に基づいて水分量(湿潤度)を算出する。
【0082】
<本体部>
本体部60は、本体装置50の本体部分である。本体部60は、長手方向を有する棒状部材で形成されている。本体部60は、ユーザによって把持される把持部61を有する。把持部61は、本体部60の外観形状によって形成されている。
【0083】
本体部60の一端側には、着脱操作部70が配置されている。本体部60には、ガード80及び表示部90が配置されている。
【0084】
本体部60は、制御部62と、算出部63と、を備える。
【0085】
制御部62は、口腔用装置1Aを構成する構成要素を統括的に制御する。制御部62は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、制御部62においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。
【0086】
制御部62は、算出部63及び表示部90を制御する。
【0087】
算出部63は、口腔器具10で取得した情報に基づいて測定対象物の量を算出する。実施の形態1では、算出部63は、口腔器具10で取得した静電容量に基づいて水分量を算出する。
【0088】
算出部63は、半導体素子などで実現可能である。算出部63の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。
【0089】
実施の形態1では、算出部63は、水分量算出回路を有する。水分量算出回路は、口腔器具10で取得された静電容量から、静電容量と水分量の関係式に基づいて水分量を算出する。
【0090】
算出部63で算出された水分量の情報は、表示部90に送信される。
【0091】
<着脱操作部>
着脱操作部70は、口腔器具10に対する力の付与と解放を操作することによって口腔器具10を本体部60に対して着脱可能に取り付けるように構成されている。実施の形態1では、着脱操作部70は、本体部60の延びる方向に対して交差する方向に、口腔器具10を着脱可能に取り付けるように構成されている。即ち、口腔器具10の着脱方向は、本体部60の延びる方向に対して交差する方向となっている。
【0092】
着脱操作部70は、電気接続導体を有する。電気接続導体とは、口腔器具10と電気的に接続される導体である。具体的には、電気接続導体は、口腔器具10の電気接続部と電気的に接続される。実施の形態1では、電気接続導体は、1つ又は複数の接続端子71である。1つ又は複数の接続端子71は、導電性を有する材料で形成されている。1つ又は複数の接続端子71は、口腔器具10の接続部40に設けられた1つ又は複数の電極41と物理的に接触することによって電気的に接続される。
【0093】
着脱操作部70は、口腔器具10の接続部40に対して力を付与することによって電極41と接続端子71とを電気的に接続した状態で口腔器具10を固定して取り付ける。また、着脱操作部70は、口腔器具10の接続部40に対して付与している力を解放することによって固定を解除して口腔器具10を取り外す。また、口腔器具10が取り外されたときに、電極41と接続端子71との電気的接続が解除されてもよい。
【0094】
着脱操作部70は、口腔器具10を配置する配置面72と、配置面72に対して交差する方向に力を付与する押さえ部材73と、を有する。実施の形態1では、押さえ部材73は、配置面72の上方に配置されている。
【0095】
配置面72は、本体部60の一端側の端面に設けられている。配置面72は、口腔器具10がスライド移動可能な面である。配置面72は、本体部60の一端側の端面を凹状に窪ませて形成されていてもよいし、フラット面で形成されていてもよい。
【0096】
配置面72には、1つ又は複数の接続端子71が配置されている。1つ又は複数の接続端子71は、口腔器具10が配置面72に配置されて固定されたときに1つ又は複数の電極41と対応する位置に配置されている。実施の形態1では、配置面72には、2つの接続端子71が配置されている。なお、接続端子71の数は2つに限定されない。
【0097】
配置面72には、押さえ部材73に向かって延びる位置決め部材72aが設けられている。位置決め部材72aは、配置面72上でのX方向の位置を決定している。位置決め部材72aは、例えば、配置面72に形成される段差によって形成されてもよいし、配置面72から押さえ部材73に向かって凸状に突出させて形成されていてもよい。例えば、口腔器具10をX方向にスライド移動させて配置面72に配置するとき、口腔器具10の接続部40の端部を位置決め部材72aに接触するまで口腔器具10をスライド移動させる。このように、口腔器具10を着脱操作部70に取り付ける際に、口腔器具10を位置決め部材72aに接触するまでスライド移動させることによって、口腔器具10のX方向の位置を容易に決定することができる。これにより、口腔器具10の電極41と配置面72に配置される接続端子71とが物理的に接触する位置での取り付けが容易となり、電気的接続を容易に行うことができる。
【0098】
押さえ部材73は、口腔器具10に対する力の付与と解放とを操作可能な部材である。押さえ部材73は、配置面72に対して交差する方向に力を付与するように構成されている。これにより、押さえ部材73は、電極41と接続端子71とを電気的に接続した状態で、配置面72に口腔器具10を固定することができる。
【0099】
押さえ部材73は、一端E1と他端E2とを有する板状の部材で形成されている。一端E1は配置面72側に設けられる。他端E2は、一端E1とは反対側に設けられる。押さえ部材73の一端E1と他端E2との間には、回転軸74が配置されている。押さえ部材73は、回転軸74を中心にして回転可能に構成されている。また、押さえ部材73の一端E1は、例えば、弾性体によって配置面72に近づく方向へ付勢されている。弾性体としては、例えば、ばね、ゴムなどが挙げられる。
【0100】
押さえ部材73は、一端E1と回転軸74との間で、配置面72に向かって突出する突起73aを有する。突起73aは、口腔器具10の接続部40に設けられた取付孔42に挿入される。実施の形態1では、押さえ部材73は、押さえ部材73の一端E1に設けられる2つの突起73aを有する。なお、押さえ部材73は、1つ又は複数の突起73aを有していればよい。
【0101】
着脱操作部70においては、押さえ部材73の回転動作を操作することによって、口腔器具10に対する力の付与と解放とを操作している。具体的には、押さえ部材73を操作していない状態では、押さえ部材73の一端E1が弾性体の付勢力によって配置面72に近づく方向へ移動し、配置面72に配置された口腔器具10に対して押圧する。これにより、口腔器具10を配置面72と押さえ部材73とで挟むように固定し、口腔器具10を着脱操作部70に取り付けることができる。また、押さえ部材73の突起73aが接続部40の取付孔42に挿入されることによって、口腔器具10が着脱操作部70から外れないように固定することができる。
【0102】
口腔器具10を着脱操作部70から取り外すとき、押さえ部材73の他端E2を押し下げることによって、押さえ部材73の一端E1が配置面72から離れる方向に移動する。これにより、押さえ部材73による口腔器具10に対する押圧力を解除し、口腔器具10を着脱操作部70から取り外すことができる。このように、口腔器具10の取り外しを着脱操作部70の操作によって行うことができるため、使用済みの口腔器具10に触れずに、口腔器具10を容易に取り外すことができる。
【0103】
なお、実施の形態1では、押さえ部材73が弾性体によって付勢される例について説明したが、これに限定されない。押さえ部材73は弾性体以外の機構、例えば、ロック機構、スライド機構及び/又は電磁力などによって押さえ部材73を配置面72と交差する方向に力を付与してもよい。また、吸引部を設け、吸引力によって口腔器具10に対して力を付与してもよい。
【0104】
<ガード>
ガード80は、本体部60に配置され、把持部61を保護する。ガード80は、ユーザが口腔用装置1Aを使用する際に、唾液が把持部61を把持するユーザの手に付着することを抑制する。
【0105】
実施の形態1では、ガード80は、口腔器具10が取り付けられる側の本体部60に配置されている。口腔器具10が取り付けられる側とは、口腔器具10の取り付け及び取り外しが行われる側を意味する。また、ガード80は、板状の部材で形成されている。
【0106】
<表示部>
表示部90は、本体部60に配置され、口腔用装置1Aの情報を表示する。口腔用装置1Aの情報は、例えば、測定対象の情報などを含む。
【0107】
実施の形態1では、測定対象の情報は、水分量の情報である。例えば、算出部63は、口腔器具10で取得した静電容量に基づいて水分量を算出する。算出部63は、水分量の情報を表示部90に送信する。
【0108】
表示部90は、例えば、ディスプレイである。
【0109】
なお、本体装置50は、ユーザからの入力情報を入力する入力部を備えていてもよい。例えば、入力部は、ユーザからの入力を受け付ける1つ又は複数のボタンを有していてもよい。1つ又は複数のボタンは、例えば、電源ON/OFFを切り替える電源ボタン、測定を開始する測定開始ボタンなどを含んでいてもよい。
【0110】
[着脱操作部に取り付けられた口腔器具の一例]
着脱操作部70に取り付けられた口腔器具10の一例について図10を用いて説明する図10は、着脱操作部70に取り付けられた口腔器具10の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【0111】
図10に示すように、口腔器具10は、着脱操作部70の配置面72に配置される。具体的には、口腔器具10の接続部40が、位置決め部材72aに接触することによって位置決めされて配置面72に配置される。また、口腔器具10の接続部40は、位置決め部材72aによって電極41と接続端子71とが物理的に接触する位置に位置決めされる。これにより、口腔器具10の電極41と本体装置50の接続端子71とが電気的に接続される。口腔器具10の電極41と本体装置50の接続端子71とが電気的に接続された状態になると、本体装置50によって口腔器具10を使用することができる。
【0112】
押さえ部材73は、弾性体の付勢力によって口腔器具10の接続部40を配置面72に向かって押圧する。これにより、口腔器具10の接続部40は、配置面72と押さえ部材73との間に挟まれて固定される。
【0113】
また、押さえ部材73の一端E1に設けられた突起73aが口腔器具10の接続部40の取付孔42に挿入される。これにより、口腔器具10が着脱操作部70から抜け落ちることを抑制することができる。
【0114】
このように、口腔器具10は、押さえ部材73による押圧力を付与されることによって電極41と接続端子71とを電気的に接続した状態で本体装置50に固定して取り付けられている。そして、押さえ部材73による押圧力の解放によって、固定を解除し、口腔器具10を本体装置50から容易に取り外すことができる。
【0115】
[効果]
実施の形態1に係る口腔器具10によれば、以下の効果を奏することができる。
【0116】
口腔器具10は、口腔用本体装置50に着脱可能に取り付けられるシート状の口腔器具である。口腔器具10は、機能部20、接続部40及び配線部30を備える。機能部20は、口腔内の情報を取得するセンサ部21を有する。接続部40は、電気接続部を有する。配線部30は、センサ部21と電気接続部とを接続する配線31を有する。機能部20、接続部40及び配線部30は、配線層11と、複数の絶縁層12,13と、で構成されている。配線層11は、第1主面PS1、および第1主面PS1と反対側の第2主面PS2を有する。複数の絶縁層12,13は、配線層11の第1主面PS1に配置される第1絶縁層12と、配線層11の第2主面PS2に配置される第2絶縁層13と、を有する。機能部20において、第1絶縁層12の厚みT1は、第2絶縁層13の厚みT2より小さい。
【0117】
このような構成により、口腔用本体装置50に着脱可能に取り付けられる口腔器具10の性能を向上させることができる。具体的には、第1絶縁層12の厚みT1を第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくすることによって、配線層11の第1主面PS1側において、第1絶縁層12がセンサ部21に与える影響を小さくすることができる。これにより、機能部20を保護しつつ、センサ部21と測定部位との間の距離を小さくすることができ、センサ部21の感度を向上させることができる。その結果、センサ部21の検知精度を向上させることができる。
【0118】
配線層11及び複数の絶縁層12,13は、積層されて構成されている。このような構成により、口腔器具10の厚みを薄くすることができ、口腔内への挿入が容易となる。口腔器具10を薄くすることができるため、例えば、顎関節症の患者など大きく開口できない人でも使用することができる。
【0119】
配線部30は、配線部30の外周に配置される保護層32を有する。このような構成により、口腔器具10を口腔内に挿入して使用するときに、保護層32がユーザの歯の当たる位置に配置される。これにより、保護層32によって配線部30を保護することができ、ユーザの歯が配線部30に接触することにより、配線31が断線するなどの故障を抑制することができる。
【0120】
センサ部21は、口腔内の測定部位の情報を取得するセンサ面21aを有する。センサ面21aは、配線層11の第1主面PS1側に配置される。このような構成により、センサ部21の検知精度を更に向上させることができる。
【0121】
口腔器具10において、少なくとも機能部20は可撓性を有する。このような構成により、口腔内の測定部位の形状に沿って機能部20を変形させて配置することができる。これにより、機能部20と測定部位との接触面積を増やすことができる。その結果、センサ部21を測定部位にフィットさせて口腔内の情報を取得することができるため、検知精度を向上させることができる。
【0122】
電気接続部は、第1絶縁層12と第2絶縁層13とのうち少なくとも1つから露出する1つ又は複数の電極41である。このような構成により、口腔器具10と本体装置50との電気的接続を物理的接触によって容易に行うことができる。
【0123】
なお、実施の形態1では、口腔用装置1Aが口腔内の水分量を測定する口腔湿潤計である例について説明したが、これに限定されない。口腔用装置1Aは、口腔内の情報を取得する装置及び/又は口腔内にエネルギーを照射する装置であればよい。
【0124】
実施の形態1では、口腔器具10が可撓性を有する例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10においては、可撓性は必須の構成ではない。口腔器具10は、可撓性を有していなくてもよい。
【0125】
実施の形態1では、口腔器具10が1つのセンサ部21を備える例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10は、1つ又は複数のセンサ部21と1つ又は複数のエネルギー照射部のうち少なくとも1つを備えていればよい。
【0126】
実施の形態1では、口腔器具10のセンサ部21が静電容量センサを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、センサ部21は、生体情報に関連する情報を取得できるセンサを有していればよい。例えば、センサ部21は、インピーダンス測定センサ、抵抗センサ、荷重センサ、湿度センサ、圧力センサ、カラーセンサ、温度センサ、硬度センサ、振動センサ、バイオセンサなどのうちの少なくともいずれか1つを有していればよい。
【0127】
実施の形態1では、算出部63が静電容量に基づく周波数の変化量に基づいて水分量を算出する例について説明したが、これに限定されない。算出部63は、口腔器具10で取得した情報に基づいて口腔内の情報を算出できればよい。
【0128】
実施の形態1では、口腔器具10に対する押さえ部材73による押圧力の付与と解放によって口腔器具10の取り付け及び取り外しを行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、押さえ部材73による押圧力及び/又は電磁力によって口腔器具10の取り付け及び取り外しを行ってもよい。例えば、口腔器具10の電極41は、磁石に反応する金属で形成されていてもよい。磁石に反応する金属とは、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどである。また、本体装置50には磁石が設けられていてもよい。本体装置50に設けられた磁石の磁力によって、口腔器具10の電極41を配置面72に引き寄せてもよい。
【0129】
実施の形態1では、口腔器具10の電気接続部が電極41であり、本体装置50の電気接続導体が接続端子71である例について説明したが、これに限定されない。また、「電気接続部と電気接続導体とを電気的に接続した状態」とは、電気接続部と電気接続導体とを物理的に接触させている状態に限定されない。「電気接続部と電気接続導体とを電気的に接続した状態」とは、電気接続部と電気接続導体とが非接触で電気的に接続されている状態を含んでもよい。例えば、RFIDタグなどの無線通信デバイスを用いて電気接続部と電気接続導体とを無線接続することによって、電気的接続を実現してもよい。
【0130】
実施の形態1では、機能部20がセンサ部21を備える例について説明したが、これに限定されない。機能部20は、口腔内の情報を取得するセンサ部21、および口腔内にエネルギーを照射するエネルギー照射部22のうち少なくとも1つを含んでいればよい。
【0131】
実施の形態1では、機能部20が可撓性を有する例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10においては、少なくとも機能部20が可撓性を有していればよい。例えば、口腔器具10の全体が可撓性を有していてもよい。
【0132】
実施の形態1では、配線部30が保護層32を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、配線部30は保護層32を有していなくてもよい。
【0133】
(変形例1)
図11Aは、変形例1の押さえ部材73Aを示す概略図である。図11Bは、変形例1の口腔器具10Aを示す概略図である。図11Aに示すように、押さえ部材73AをZ方向から見たとき、2つの突起73aは、X方向に延びる中心線に対して左右非対称に配置されている。また、図11Bに示すように、口腔器具10AをZ方向から見て、接続部40Aにおける2つの取付孔42は、X方向に延びる中心線に対して左右非対称に配置されている。このような構成により、口腔器具10Aの取り付け方向を規定することができる。これにより、口腔器具10Aの表面と裏面とを間違えずに着脱操作部70Aに取り付けることができる。
【0134】
(変形例2)
図12は、変形例2の口腔器具10AAを拡大して示す概略断面図である。図12に示すように、口腔器具10AAの接続部40AAにおいては、電極41が第2絶縁層13から露出している。一方、電極41は、第1絶縁層12から露出していない。この場合、着脱操作部70では、押さえ部材73に接続端子71が配置されていてもよい。このような構成においても、口腔器具10AAと本体装置50とを電気的に接続することができる。
【0135】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る口腔器具について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0136】
実施の形態2の口腔器具の一例について、図13を用いて説明する。図13は、本発明に係る実施の形態2の口腔器具10Bの一例を拡大して示す概略断面図である。
【0137】
実施の形態2では、配線部30Bの厚みT4が機能部20の厚みT3より大きい点、複数のシールド層14,15を備える点で、実施の形態1と異なる。
【0138】
図13に示すように、口腔器具10Bにおいては、配線部30Bの厚みT4が機能部20の厚みT3より大きい。例えば、配線部30Bの厚みT4は、機能部20の厚みT3の2倍以上1000倍以下である。
【0139】
配線部30Bの厚みT4を機能部20の厚みT3よりも大きくすることによって、配線部30Bの強度を向上させることができる。
【0140】
配線部30Bは、複数の絶縁層12,13,16,17に配置される複数のシールド層14,15を有する。配線部30Bは、配線層11、複数の絶縁層12,13,16,17及び複数のシールド層14,15が積層されて構成されている。
【0141】
実施の形態2では、複数の絶縁層12,13,16,17は、第1絶縁層12及び第2絶縁層13に加えて、第3絶縁層16及び第4絶縁層17を含む。第1絶縁層12及び第3絶縁層16は、配線層11の第1主面PS1側に配置される。第2絶縁層13及び第4絶縁層17は、配線層11の第2主面PS2側に配置される。
【0142】
実施の形態2では、複数のシールド層14,15は、2つのシールド層を備える。具体的には、複数のシールド層14,15は、第1シールド層14と、第2シールド層15と、を備える。
【0143】
第1シールド層14は、配線層11の第1主面PS1側に配置されており、第1絶縁層12と第3絶縁層16との間に配置されている。具体的には、配線部30Bの配線層11の第1主面PS1側では、配線層11、第1絶縁層12、第1シールド層14及び第3絶縁層16の順に積層されている。
【0144】
第2シールド層15は、配線層11の第2主面PS2側に配置されており、第2絶縁層13と第4絶縁層17との間に配置されている。具体的には、配線部30Bの配線層11の第2主面PS2側では、配線層11、第2絶縁層13、第2シールド層15及び第4絶縁層17の順に積層されている。
【0145】
複数のシールド層14,15は、GNDを形成している。複数のシールド層14,15は、例えば、Cu,Ag,Au,Alなどの金属又はカーボン材料で形成されている。第1シールド層14及び第2シールド層15の厚みは、それぞれ、1μm以上100μm以下である。
【0146】
例えば、配線層11、複数の絶縁層12,13,16,17及び複数のシールド層14,15は、多層フレキシブルプリント回路基板で形成されていてもよい。あるいは、複数のシールド層14,15は、導電性不織布又は金属箔を複数の絶縁層12,13,16,17に貼付して形成されてもよい。あるいは、絶縁層とシールド層とが一体で形成される金属膜付きフィルムを用いて、複数の絶縁層12,13,16,17及び複数のシールド層14,15を形成し、配線層11に貼付されてもよい。
【0147】
[効果]
実施の形態2に係る口腔器具10Bによれば、以下の効果を奏することができる。
【0148】
口腔器具10Bにおいて、配線部30Bの厚みT4は、機能部20の厚みT3より大きい。このような構成により、配線部30Bの機械的強度を向上させることができる。例えば、口腔器具10Bを口腔内に挿入したときに、配線部30Bがユーザの歯で噛まれたりすることがある。配線部30Bの厚みT4を厚くすることによって機械的強度を向上させることによって、配線部30Bの変形を抑制することができる。これにより、配線部30Bに外力がかかったときに配線31が断線するなどの故障の発生を抑制することができる。
【0149】
配線部30Bは、複数の絶縁層12,13に配置される複数のシールド層14,15を有する。このような構成により、配線部30Bから発生するノイズを抑制することができる。また、複数のシールド層14,15を金属やカーボンなどの剛性の高い材料で形成することによって、配線部30Bの機械的強度を更に向上させることができる。
【0150】
なお、実施の形態2では、配線部30Bが複数のシールド層14,15を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、配線部30Bは、複数のシールド層14,15を有していなくてもよい。
【0151】
実施の形態2では、配線部30Bが2つのシールド層14,15を有する例について説明したが、これに限定されない。配線部30Bは、1つ又は複数のシールド層を有していてもよい。
【0152】
実施の形態2では、第1シールド層14が第1絶縁層12と第3絶縁層16との間に配置され、第2シールド層15が第2絶縁層13と第4絶縁層17との間に配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1シールド層14は、配線層11と第1絶縁層12との間に配置されていてもよい。第2シールド層15は、配線層11と第2絶縁層13との間に配置されていてもよい。第1シールド層14及び/又は第2シールド層15は、配線層11内の配線31に隣接するGNDパターンとして形成されてもよい。
【0153】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0154】
実施の形態3の口腔用装置の一例について、図14A及び図14Bを用いて説明する。図14A及び図14Bは、本発明に係る実施の形態3の口腔用装置1Cの一例の概略斜視図である。なお、図14A及び図14Bでは、表示部90の表示を省略している。
【0155】
実施の形態3では、口腔用本体装置50Cの本体部60Cの延びる方向が、口腔器具10Cの着脱方向と同じである点、口腔器具10Cが変形した状態で着脱操作部70Cに取り付けられる点で、実施の形態1と異なる。
【0156】
図14A及び図14Bに示すように、口腔用本体装置50Cの本体部60Cは、口腔器具10Cの着脱方向と同じ方向に延びる棒状の部材で形成されている。口腔器具10Cの着脱方向とは、図14A及び図14BにおいてX方向である。
【0157】
ガード80Cは、口腔器具10Cの着脱方向と交差する方向に突出する凸部により形成されている。ガード80Cは、本体部60Cにおいて、着脱操作部70Cが設けられている側と反対側に設けられている。ガード80Cは、把持部61Cよりも外側に突出している。また、ガード80Cには、唾液などの液体が把持部61Cに向かって流れることを抑制する傾斜面が形成されている。これにより、把持部61Cに唾液が流れることを抑制することができる。
【0158】
口腔器具10Cは、変形可能な長手方向を有するシート状に形成されている。実施の形態3では、口腔器具10Cの全体が可撓性を有している。即ち、口腔器具10Cにおいては、機能部20、配線部30及び接続部40が可撓性を有している。口腔器具10Cは、変形した状態で着脱操作部70Cに取り付けられる。
【0159】
図15Aは、着脱操作部70Cに取り付けられた口腔器具10Cの一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。図15Bは、図15Aの着脱操作部70Cの概略分解断面図である。なお、図15A及び図15Bは、口腔器具10C及び着脱操作部70CをYZ平面で切断したときの断面図を示している。
【0160】
図15A及び図15Bに示すように、着脱操作部70Cは、凹状又は凸状に湾曲する配置面72Cと、配置面72Cの形状に沿って凹状又は凸状に湾曲する押さえ部材73Cと、を有する。
【0161】
配置面72Cは、凹状に湾曲して形成されている。具体的には、配置面72Cは、台形状に窪んで形成されている。配置面72Cは、平坦な底面72aaと、底面72aaに向かって傾斜して延びる複数の傾斜面72ab,72acと、を含む。配置面72Cの底面72aaには、複数の接続端子71が配置されている。
【0162】
押さえ部材73Cは、配置面72Cの形状に沿って凸状に湾曲して形成されている。具体的には、押さえ部材73Cは、台形状に形成されている。押さえ部材73Cは、平坦な底面73caと、底面73caに向かって傾斜して延びる複数の傾斜面73cb,73ccと、を含む。
【0163】
図15Aに示すように、口腔器具10Cは、押さえ部材73Cによって押圧されることによって着脱操作部70Cに取り付けられる。口腔器具10Cは、押さえ部材73Cと配置面72Cとの間に挟まれることによって、押さえ部材73Cと配置面72Cの形状に沿って変形した状態で固定される。実施の形態3では、口腔器具10Cは、Z方向において下側に突出した台形状に変形する。
【0164】
具体的には、口腔器具10Cは、配置面72Cの底面72aaと押さえ部材73Cの底面73caとの間、配置面72Cの傾斜面72abと押さえ部材73Cの傾斜面73cbとの間、配置面72Cの傾斜面72acと押さえ部材73Cの傾斜面73ccとの間で挟持される。
【0165】
口腔器具10Cの複数の電極41は、配置面72Cの底面72aaに配置された複数の接続端子71と物理的に接触することによって、複数の接続端子71に電気的に接続される。
【0166】
このように、口腔器具10Cは、台形形状に変形して着脱操作部70Cに固定される。
【0167】
[効果]
実施の形態3に係る口腔器具10Cによれば、以下の効果を奏することができる。
【0168】
口腔器具10Cにおいては、機能部20、配線部30及び接続部40が可撓性を有している。このため、口腔器具10Cは、着脱操作部70Cの形状に沿って変形した状態で固定される。これにより、口腔器具10Cが垂れ下がることを抑制することができる。例えば、口腔器具10Cに唾液などが付着すると、唾液の重さによって口腔器具10Cが垂れ下がる場合がある。口腔器具10Cを台形状などの形状に変形させて取り付けておくことによって、口腔器具10Cが変形した形状を維持し、口腔器具10Cが垂れ下がることを抑制することができる。一方、口腔器具10Cを口腔内で使用するとき、口腔器具10Cを口腔内の接触部位の形状に沿って変形させることができる。これにより、測定精度又は照射精度を向上させることができる。
【0169】
なお、実施の形態3では、口腔器具10Cの全体が可撓性を有している例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10Cは、着脱操作部70Cに取り付けられているときに変形した状態で安定して固定されていればよく、口腔器具10Cの一部が可撓性を有していない部材で形成されていてもよい。
【0170】
実施の形態3では、口腔器具10Cが下側に突出する台形形状に変形する例について説明したが、これに限定されない。例えば、口腔器具10Cは、X方向から見て、凹状又は凸状に変形していればよい。
【0171】
図16A-16Cは、口腔器具10Cの変形の一例を拡大して示す概略拡大断面図である。なお、図16A-16Cは、口腔器具10Cの接続部40をYZ平面で切断したときの断面図を示している。図16Aに示すように、口腔器具10Cは、X方向から見て、下側に突出するU字状に変形してもよい。図16Bに示すように、口腔器具10Cは、X方向から見て、下側に突出するV字状に変形してもよい。図16Cに示すように、口腔器具10Cは、X方向から見て、上側に突出するU字状に変形してもよい。これらのような構成においても、口腔器具10Cが垂れ下がることを抑制することができる。
【0172】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る口腔器具について説明する。なお、実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0173】
実施の形態4の口腔器具の一例について、図17を用いて説明する。図17は、本発明に係る実施の形態4の口腔器具10Dの一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【0174】
実施の形態4では、電極41が第1絶縁層12と第2絶縁層13との両方から露出している点で、実施の形態1と異なる。
【0175】
図17に示すように、口腔器具10Dの接続部40Dにおいては、電極41が第1絶縁層12と第2絶縁層13との両方から露出している。
【0176】
[効果]
実施の形態4に係る口腔器具10Dによれば、以下の効果を奏することができる。
【0177】
口腔器具10Cにおいては、電極41は、第1絶縁層12と第2絶縁層13との両方から露出している。このような構成により、口腔器具10Cの取り付けの自由度を向上させることができる。例えば、着脱操作部70において、接続端子71が配置面72に設けられている場合、口腔器具10Dの電極41は、第1主面PS1側で接続端子71と物理的に接触することができる。着脱操作部70において、接続端子71が押さえ部材73に設けられる場合、口腔器具10Dの電極41は、第2主面PS2側で接続端子71と物理的に接触することができる。
【0178】
あるいは、口腔器具10Dの上下面を入れ替えて着脱操作部70に取り付けることができる。これにより、口腔器具10Dを着脱操作部70に取り付ける際に、センサ部21のセンサ面21aを上側に向けて固定することもできるし、又はセンサ部21のセンサ面21aを下側に向けて固定することもできる。
【0179】
このように、電極41が第1絶縁層12と第2絶縁層13との両方から露出することによって、口腔器具10Dの取り付け方の自由度が向上する。
【0180】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態5では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態5においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態5では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0181】
実施の形態5の口腔用装置の一例について、図18を用いて説明する。図18は、本発明に係る実施の形態5の口腔用装置1Eの一例の主要な構成を示すブロック図である。
【0182】
実施の形態5では、口腔器具10Eの機能部20Eがエネルギー照射部22を有する点、口腔用本体装置50Eがエネルギー照射部22の制御を行う点で、実施の形態1と異なる。
【0183】
図18に示すように、口腔器具10Eにおいて、機能部20Eは、口腔内にエネルギーを照射するエネルギー照射部22を有する。実施の形態5では、口腔器具10Eがレーザ治療器である例を説明する。口腔器具10Eは、口腔用本体装置50Eに着脱可能に取り付けられて使用される。
【0184】
図19Aは、口腔器具10Eの一例を示す概略図である。図19Bは、図19Aの口腔器具10Eの一例の概略断面図である。図19A及び図19Bに示すように、機能部20Eは、複数のエネルギー照射部22を有する。実施の形態5では、機能部20Eは、4つのエネルギー照射部22を有する。
【0185】
複数のエネルギー照射部22は、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)である。複数のエネルギー照射部22は、配線層11の第1主面PS1に実装され、その上から第1絶縁層12Aで覆われている。第1絶縁層12Aは、配線層11の第1主面PS1に配置される絶縁体12aと、絶縁体12aに貼付される透明な樹脂フィルム12bと、を有する。絶縁体12aには、複数のエネルギー照射部22を収納する複数の穴12cが設けられている。機能部20Eにおいて、樹脂フィルム12bは、絶縁体12aに設けられた複数の穴12cを塞いでいる。複数のエネルギー照射部22からのレーザは、第1絶縁層12Aの樹脂フィルム12bを透過して口腔内の照射部位に照射される。
【0186】
機能部20Eは、可撓性を有している。このため、機能部20Eは、口腔内の照射部位の形状に沿って変形することができる。
【0187】
機能部20Eにおいて、第1絶縁層12Aの厚みT11は、第2絶縁層13の厚みT12より小さい。機能部20Eにおける第1絶縁層12Aの厚みT11は、第2絶縁層13の厚みT12の1/2倍以下である。好ましくは、機能部20Eにおける第1絶縁層12Aの厚みT11は、第2絶縁層13の厚みT12の1/8倍以下である。これにより、エネルギー照射部22のレーザの照射効率を向上させることができる。
【0188】
図18に戻って、口腔用本体装置50Eは、入力部91を備える。入力部91は、エネルギー照射部22を操作する入力情報を取得する。ユーザは、入力部91に入力情報を入力する。例えば、入力部91は、1つ又は複数の操作ボタン、タッチパネル、マイクなどであってもよい。入力部91に入力された入力情報は、制御部62に送信される。入力情報としては、例えば、レーザの照射、レーザの停止、タイマー、出力値などを含む。
【0189】
制御部62は、入力部91から入力情報を受信し、入力情報に基づいて口腔器具10Eの動作を制御する。制御部62は、入力情報に基づいて、複数のエネルギー照射部22を制御する。例えば、入力部91にレーザ照射の入力情報が入力されると、制御部62は、口腔器具10Eの複数のエネルギー照射部22を制御し、複数のエネルギー照射部22からレーザを照射させる。
【0190】
[効果]
実施の形態5に係る口腔器具10Eによれば、以下の効果を奏することができる。
【0191】
口腔器具10Eにおいて、機能部20Eは、口腔内にエネルギーを照射するエネルギー照射部22を備える。このような構成により、口腔内の照射部位にエネルギーを照射することができる。
【0192】
機能部20Eは、可撓性を有している。これにより、機能部20Eは、口腔内の照射部位の形状に沿って変形することができ、照射部位に適切に接触することができる。
【0193】
エネルギー照射部22は、配線層11の第1主面PS1側に配置される。機能部20Eにおいて、第1絶縁層12Aの厚みT11は、第2絶縁層13の厚みT12より小さい。これにより、エネルギー照射部22のレーザの照射効率を向上させることができる。第1絶縁層12Aの厚みT11を第2絶縁層13の厚みT12より小さくすることによって、第1絶縁層12Aがエネルギー照射部22からのレーザ照射に与える影響を小さくすることができる。具体的には、エネルギー照射部22と照射部位との間の距離を小さくすることができるため、エネルギー照射部22から照射されるレーザのロスを低減することができる。
【0194】
なお、実施の形態5では、エネルギー照射部22が垂直共振器面発光レーザである例について説明したが、これに限定されない。エネルギー照射部22は、エネルギーを照射できればよい。
【0195】
実施の形態5では、機能部20Eが4つのエネルギー照射部22を有する例について説明したが、これに限定されない。機能部20Eは1つ又は複数のエネルギー照射部22を有していればよい。
【0196】
(変形例3)
図20Aは、変形例3の口腔器具10EAを示す概略図である。図20Bは、図20Aの変形例3の口腔器具10EAの概略断面図である。図20A及び図20Bに示すように、口腔器具10EAは、温熱治療器として用いられる。機能部20EAのエネルギー照射部22aは、シートヒータである。シートヒータは、抵抗体での発熱を利用して加熱を行う。また、口腔器具10EAは、エネルギー照射部22aで加熱される部分を除いて断熱材18で覆われていてもよい。口腔器具10EAにおいては、配線層11の第1主面PS1側は、断熱材18で覆われていない。
【0197】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態6では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態6においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態6では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0198】
実施の形態6の口腔用装置の一例について、図21を用いて説明する。図21は、本発明に係る実施の形態6の口腔用装置1Fの一例の主要な構成を示すブロック図である。
【0199】
実施の形態6では、口腔器具10Fの電気接続部がRFID(Radio Frequency Identification)タグ43である点、口腔用本体装置50Fの電気接続導体がアンテナ78である点で、実施の形態1と異なる。
【0200】
図21に示すように、口腔器具10Fにおいて、接続部40は、電気接続部としてRFIDタグ43を有する。RFIDタグ43は、口腔用本体装置50Fの電気接続導体と無線接続することによって電気的に接続される。即ち、RFIDタグ43は、口腔用本体装置50Fのアンテナ78と非接触で電気的に接続される。
【0201】
図22は、口腔器具10Fの一例を示す概略図である。図23は、図22の口腔器具10Fの一例の概略断面図である。図22及び図23に示すように、RFIDタグ43は、配線層11において接続部40Fに配置されている。RFIDタグ43は、複数の絶縁層12,13で覆われている。即ち、RFIDタグ43は、複数の絶縁層12,13から露出していない。
【0202】
図24は、RFIDタグ43の一例の概略図である。図24に示すように、RFIDタグ43は、アンテナ44と、アンテナ44に接続されるICチップ45と、を有する。
【0203】
アンテナ44は、導電性の線状部材がコイル状に巻かれて形成されている。アンテナ44は、例えば、配線導体パターンで形成される。
【0204】
ICチップ45は、例えば、入出力用の端子を有するRFICチップ(ベアチップ)をパッケージングしたものである。例えば、ICチップ45は、RFIDタグ用のRF回路やメモリ回路、制御回路等を実装したICチップである。ICチップ45は、配線31を介して機能部20のセンサ部21と接続されている。
【0205】
図25は、RFIDタグ43の一例の概略回路図である。図25に示すように、ICチップ45には、アンテナ44が接続されている。アンテナ44には、チップキャパシタC1が並列接続されている。チップキャパシタC1は、例えば、積層型セラミックチップ部品である。アンテナ44と、チップキャパシタC1と、ICチップ45自身が持つ容量成分とによって、共振周波数を有するアンテナ共振回路が構成されている。なお、当該回路は、一例であって、RFIDタグ43の共振回路はこれに限定されない。
【0206】
図26は、着脱操作部70Fに取り付けられた口腔器具10Fの一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。図26は、口腔器具10Fが着脱操作部70Fに取り付けられており、口腔器具10Fと本体装置50Fが非接触で電気的に接続されている状態を示す。
【0207】
図26に示すように、着脱操作部70Fは、アンテナ78を有する。本明細書では、アンテナ78を本体側アンテナ78と称する場合がある。なお、着脱操作部70Fは、接続端子71の代わりにアンテナ78を有する点を除いて、実施の形態1の着脱操作部70と同様の構成を有する。
【0208】
本体側アンテナ78は、導電性の線状部材がコイル状に巻かれて形成されている。本体側アンテナ78は、例えば、配線導体パターンで形成される。
【0209】
本体側アンテナ78は、本体装置50Fの内部に収容されている。本体側アンテナ78は、配置面72の下方に配置されている。具体的には、口腔器具10Fが配置面72上に配置されて着脱操作部70Fに取り付けられている状態において、本体側アンテナ78は、RFIDタグ43のアンテナ44の下方に位置する。即ち、口腔器具10Fが配置面72上に配置されて着脱操作部70Fに取り付けられている状態において、本体側アンテナ78は、RFIDタグ43のアンテナ44と対向する。
【0210】
口腔器具10Fのアンテナ44と本体装置50の本体側アンテナ78が対向しているとき、RFIDタグ43と本体側アンテナ78とが磁界結合する。これにより、アンテナ44に誘導電流が流れ、ICチップ45が動作する。これにより、口腔器具10Fを使用することができる。
【0211】
[効果]
実施の形態6に係る口腔器具10Fによれば、以下の効果を奏することができる。
【0212】
口腔器具10Fの電気接続部は、RFIDタグ43である。口腔用本体装置50Fの電気接続導体は、アンテナ78である。口腔器具10Fは、RFIDタグ43と口腔用本体装置50Fのアンテナ78とを無線接続させることによって電気的に接続する。このような構成により、口腔器具10Fと口腔用本体装置50Fとの電気的接続を容易に行うことができる。
【0213】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7に係る口腔器具について説明する。なお、実施の形態7では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態7においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態7では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0214】
実施の形態7の口腔器具の一例について、図27を用いて説明する。図27は、本発明に係る実施の形態7の口腔器具10Gの一例を拡大して示す概略断面図である。なお、図27は、口腔器具10Gが着脱操作部70Gに取り付けられている状態の一例を示している。
【0215】
実施の形態7では、口腔器具10Gが袋状に構成されている点で、実施の形態1と異なる。
【0216】
図27に示すように、口腔器具10Gは、配線層11の第1主面PS1を外側に向けて配置し、配線層の第2主面PS2を内側に向けて配置する袋状に構成されている。具体的には、口腔器具10Gは、一端に開口を有する袋状に構成されている。
【0217】
着脱操作部70Gは、口腔器具10Gが取り付けられる柱状部材79を有する。柱状部材79は、円柱状に形成されている。また、柱状部材79の先端は、半球状に形成されている。
【0218】
口腔器具10Gは、柱状部材79に被せられることによって、着脱操作部70Gに取り付けられる。また、口腔器具10Gが柱状部材79に被せられると、口腔器具10Gの電極41が着脱操作部70Gの接続端子71と電気的に接続される。
【0219】
[効果]
実施の形態7に係る口腔器具10Gによれば、以下の効果を奏することができる。
【0220】
口腔器具10Gは、配線層11の第1主面PS1を外側に向けて配置し、配線層11の第2主面PS2を内側に向けて配置する袋状に構成されている。このような構成においても、着脱操作部70Gに口腔器具10Gを取り付けることができる。また、口腔器具10Gを口腔用本体装置により強固に固定することができる。
【0221】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8に係る口腔器具について説明する。なお、実施の形態8では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態8においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態8では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0222】
実施の形態8の口腔用器具の一例について、図28A及び図28Bを用いて説明する。図28Aは、本発明に係る実施の形態8の口腔器具10Hの一例を拡大して示す概略断面図である。図28Bは、図28Aの口腔器具10HをA-A線で切断した概略断面図である。
【0223】
実施の形態8では、機能部20Hにおいて第1絶縁層12Cに複数の開口12dが設けられており、複数のセンサ部21bが複数の開口12dから露出している点で、実施の形態1と異なる。
【0224】
図28A及び図28Bに示すように、口腔器具10Hの機能部20Hにおいて、第1絶縁層12Cには、複数の開口12dが設けられている。複数のセンサ部21bは、複数の開口12dから露出する領域に配置されている。複数の開口12dから露出する領域とは、口腔器具10HをZ方向において、配線層11の第1主面PS1側から見て、複数の開口12dから露出する部分である。言い換えると、複数のセンサ部21bは、複数の開口12d内に配置されている。複数の開口12d内において、複数のセンサ部21bのうち隣り合う2つ以上のセンサ部21bは、空間S1を有して離れて配置されている。
【0225】
複数のセンサ部21bは、第1絶縁層12Cの外表面よりも内側に位置している。また、複数のセンサ部21bのセンサ面の一部は、第1絶縁層12Cによって覆われている。このため、複数のセンサ部21bのセンサ面上に配置される第1絶縁層12Cの一部によって段差12daが形成される。具体的には、段差12daは、第1絶縁層12Cにおいて開口12dを画定する部分によって形成される。
【0226】
実施の形態8では、第1絶縁層12Cには、4つの開口12dが設けられている。4つの開口12dから露出する領域のそれぞれには、2つのセンサ部21bが配置されている。4つの開口12d内のそれぞれにおいて、隣り合う2つのセンサ部21bが空間S1を有して離れて配置されている。言い換えると、隣り合う2つのセンサ部21bの間には、絶縁層及び配線層が配置されていない。
【0227】
実施の形態8では、開口12dは、Y方向に長手方向を有する矩形状に形成されている。言い換えると、開口12dは、Y方向に延びるスリット状に形成されている。また、4つの開口12dは、X方向に並んで設けられている。開口12d内において、隣り合う2つのセンサ部21bは、Y方向に並べて配置されている。
【0228】
実施の形態8では、複数のセンサ部21bは、インピーダンス測定センサ、又は抵抗センサであり、電極を有する。電極は、板状の導電性材料で形成されている。電極は、例えば、Z方向から見て四角形状を有する。電極は、例えば、Au、Ag、塩化銀、Ti、Pt、カーボンなど腐食しにくい材料で形成されている。あるいは、電極は、例えば、Cu、Al、SUSなどで形成されていてもよい。電極は、めっきされていてもよい。
【0229】
図29は、本発明に係る実施の形態8の口腔器具10Hを測定部位2に接触させた状態の一例を示す概略断面図である。図29に示す測定部位2は、舌部である。このため、測定部位2の表面には唾液層3が形成されている。唾液層3は、唾液を含む層である。
【0230】
図29に示すように、第1絶縁層12Cの厚みT1が第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくすることによって、第1絶縁層12Cとセンサ部21bとの段差12daの高さを小さくすることができる。段差12daの高さとは、Z方向の長さである。このため、口腔器具10Hの機能部20Hを測定部位2に接触させたとき、測定部位2に対する複数のセンサ部21bの接触状態を安定させることができる。また、複数のセンサ部21bを測定部位2により近づけて配置することができる。これにより、複数のセンサ部21bの検出感度を向上させることができる。
【0231】
また、測定部位2の表面に唾液層3が存在する場合、唾液層3の厚みによって複数のセンサ部21bで取得される測定値が変わってくる。例えば、複数のセンサ部21bが抵抗センサである場合、唾液層3の厚みが薄いほど、抵抗値が大きくなる傾向にある。
【0232】
口腔器具10Hでは、開口12dにより形成される空間S1が唾液層3で満たされることによって、複数のセンサ部21bに接触する唾液層3の厚みを一定にすることができる。これにより、複数のセンサ部21で取得される測定値を安定化させることができる。
【0233】
[効果]
実施の形態8に係る口腔器具10Hによれば、以下の効果を奏することができる。
【0234】
口腔器具10Hの機能部20Hにおいて、第1絶縁層12Cには、複数の開口12dが設けられている。複数のセンサ部21bは、複数の開口12dから露出する領域に配置されている。このような構成により、測定部位2に対する複数のセンサ部21bの接触状態を安定させることができる。また、複数のセンサ部21bを測定部位2により近づけて配置することができる。これにより、複数のセンサ部21bの検出感度を向上させることができる。
【0235】
複数の開口12d内において、複数のセンサ部21bのうち隣り合う2つ以上のセンサ部21bは、空間S1を有して離れて配置されている。このような構成により、例えば、測定部位2の表面に唾液層3が存在する場合でも、複数のセンサ部21bで取得される測定値を安定化させることができる。即ち、複数のセンサ部21bで取得される測定値のばらつきを抑制することができる。
【0236】
また、機能部20Hが可撓性を有する場合、測定部位2に機能部20Hを接触させると、機能部20Hが変形する。このような構成においても、複数のセンサ部21bと測定部位2との間のギャップを小さくすることができるため、より精度の高い検出を行うことができる。
【0237】
また、開口12dをスリット状に形成することによって、測定部位2が開口12d内に入ってくることを抑制することができる。これにより、開口12dによって形成される空間S1を唾液層3で満たしやすくなる。これにより、複数のセンサ部21bによる測定値のばらつきをより抑制することができる。
【0238】
なお、実施の形態8では、第1絶縁層12Cに複数の開口12dが設けられている例について説明したが、これに限定されない。第1絶縁層12Cには、1つ又は複数の開口12dが設けられていればよい。
【0239】
実施の形態8では、開口12dがスリット状に形成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、開口12dは、Z方向から見て、楕円形状、三角形状、四角形状、円形状などに形成されていてもよい。
【0240】
実施の形態8では、開口12dから露出される領域に2つのセンサ部21が配置される例について説明したが、これに限定されない。開口12dから露出する領域には、1つ又は複数のセンサ部21が配置されていればよい。
【0241】
実施の形態8では、開口12d内において、隣り合う2つのセンサ部21が空間S1を介して離れて配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、開口12d内において、2つ以上のセンサ部21bが絶縁体を介して離れて配置されていてもよい。
【0242】
実施の形態8では、複数のセンサ部21bの表面(センサ面)の一部が第1絶縁層12Cによって覆われている例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数のセンサ部21の表面は、第1絶縁層12Cによって覆われていなくてもよい。
【0243】
実施の形態8では、複数のセンサ部21bがインピーダンス測定センサ又は抵抗センサである例について説明したが、これに限定されない。また、複数のセンサ部21bは、Z方向から見て四角形状を有する電極である例について説明したが、これに限定されない。
【0244】
実施の形態8では、機能部20Hが複数のセンサ部21bを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、機能部20Hは1つ又は複数のエネルギー照射部を有していてもよい。
【0245】
実施の形態8では、センサ部21bがインピーダンス測定センサ、又は抵抗センサであり、電極を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、センサ部21bは、電極を有する他の任意のセンサであってもよい。あるいは、センサ部21bは、電極を有しないセンサであってもよい。
【0246】
(変形例4)
図30Aは、変形例4の口腔器具10HAを示す概略図である。図30Bは、図30Aの変形例4の口腔器具10HAの概略断面図である。図30A及び図30Bに示す口腔器具10HAは、高周波治療器として用いられる。機能部20HAは、複数のエネルギー照射部22bを有する。
【0247】
口腔器具10HAにおいて、第1絶縁層12Dには、複数の開口12eが設けられている。機能部20HAの複数のエネルギー照射部22bは、それぞれ、複数の開口12eから露出している。
【0248】
変形例4では、第1絶縁層12Dには、2つの開口12eが設けられている。2つの開口12eから露出する領域のそれぞれには、1つのエネルギー照射部22bが配置されている。
【0249】
変形例4では、開口12eは、X方向に長手方向を有する矩形状に形成されている。言い換えると、開口12eは、X方向に延びるスリット状に形成されている。また、2つの開口12eは、Y方向に並んで設けられている。
【0250】
変形例4では、複数のエネルギー照射部22bは、電極を有する。電極は、板状の導電性材料で形成されている。電極は、例えば、Z方向から見て、X方向に延びる矩形状を有する。電極を形成する材料は、実施の形態8のセンサ部21の電極と同様である。複数の電極には、高周波電流が供給される。高周波電流の供給は、本体装置50によって制御される。
【0251】
口腔器具10HAにおいても、第1絶縁層12Dの厚みT1を第2絶縁層13の厚みT2よりも小さくすることによって、複数のエネルギー照射部22bの電極面と第1絶縁層12の表面との段差12eaを小さくすることができる。このような構成により、測定部位2に対する複数のエネルギー照射部22bの接触状態を安定させることができる。また、複数のエネルギー照射部22bを測定部位2により近づけて配置することができる。これにより、複数のエネルギー照射部22bの照射効率を向上させることができる。
【0252】
なお、変形例4においては、口腔器具10HAが高周波治療器である例を説明したが、これに限定されない。口腔器具10HAは低周波治療器であってもよい。この場合、複数の電極間に低周波電流を供給する。
【0253】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9に係る口腔器具について説明する。なお、実施の形態9では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態9においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態9では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0254】
実施の形態9の口腔用器具の一例について、図31-33を用いて説明する。図31は、本発明に係る実施の形態9の口腔器具10Iの一例の主要な構成を示すブロック図である。図32は、本発明に係る実施の形態9の口腔器具10Iの一例を示す概略図である。図33は、本発明に係る実施の形態9の口腔器具10Iの一例を拡大して示す概略断面図である。
【0255】
実施の形態9では、接続部40Iに補正センサ部21Bが配置されている点で、実施の形態1と異なる。
【0256】
図31-33に示すように、口腔器具10Iは、測定センサ部21Aと、補正センサ部21Bと、を有する。実施の形態9では、測定センサ部21Aは、実施の形態1のセンサ部21と同様である。
【0257】
<補正センサ部>
補正センサ部21Bは、測定センサ部21Aと異なる位置に配置され、測定センサ部21Aで取得した情報を補正するための補正情報を取得する。補正情報は、口腔外の情報である。
【0258】
補正センサ部21Bは、測定センサ部21Aと同様の構成を有する。実施の形態9では、測定センサ部21Aが静電容量センサであり、補正センサ部21Bは、測定センサ部21Aと同様の静電容量センサである。測定センサ部21Aが口腔内の測定部位2Aの静電容量を測定するのに対して、補正センサ部21Bは口腔外の雰囲気中の静電容量を測定する。
【0259】
測定センサ部21Aが配線層11において機能部20Iに配置されているのに対して、補正センサ部21Bは、配線層11において配線部30と接続部40Iとのうち少なくとも1つに配置されている。例えば、補正センサ部21Bは、配線層11において、配線部30、接続部40I又は配線部30と接続部40Iとに跨る部分に配置されていてもよい。実施の形態9では、補正センサ部21Bは、配線層11において接続部40Iに配置されている。このため、口腔器具10Iが使用されるとき、測定センサ部21Aが口腔内に配置される一方、補正センサ部21Bは口腔外に配置される。
【0260】
口腔器具10Iの接続部40Iには、測定センサ部21Aに接続される2つの電極41aと、補正センサ部21Bに接続される2つの電極41bと、が配置されている。口腔器具10Iが本体装置50に取り付けられたとき、複数の電極41a,41bは、本体装置50の複数の接続端子71に電気的に接続される。
【0261】
本体装置50は、口腔器具10Iと電気的に接続された状態で、測定センサ部21Aで取得した測定情報と、補正センサ部21Bで取得された補正情報と、を取得する。本体装置50は、測定センサ部21Aで取得した測定情報を、補正センサ部21Bで取得された補正情報に基づいて補正する。実施の形態9では、本体装置50は、測定センサ部21Aで取得した静電容量を、補正センサ部21Bで取得された静電容量に基づいて補正する。補正処理は、例えば、算出部63で行われてもよい。あるいは、本体装置50は、当該補正処理を行う補正処理部を更に有していてもよい。
【0262】
[効果]
実施の形態9に係る口腔器具10Iによれば、以下の効果を奏することができる。
【0263】
口腔器具10Iは、測定センサ部21Aと異なる位置に配置され、測定センサ部21Aで取得した情報を補正するための補正情報を取得する補正センサ部21Bを備える。このような構成により、測定センサ部21Aで取得した情報を補正する補正情報を取得することができる。口腔器具10Iの性能には個体ばらつきがあるため、ばらつきを抑えるために補正が有効である。口腔器具10Iにおいては、測定センサ部21Aとは異なる位置で補正情報を取得することができるため、測定センサ部21Aで取得した情報を補正するのに有用である。
【0264】
補正センサ部21Bは、配線層11において配線部30と接続部40Iとのうち少なくとも1つに配置される。このような構成により、口腔器具10Iを使用しているとき、補正センサ部21Bを口腔外に配置することができる。これにより、口腔外の情報を補正情報として取得することができる。
【0265】
なお、実施の形態9では、口腔器具10Iが1つの測定センサ部21Aを有する例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10Iは、1つ又は複数の測定センサ部21Aを有していればよい。
【0266】
実施の形態9では、口腔器具10Iが1つの補正センサ部21Bを有する例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10Iは、1つ又は複数の補正センサ部21Bを有していればよい。
【0267】
実施の形態9では、測定センサ部21A及び補正センサ部21Bが静電容量センサである例について説明したが、これに限定されない。実施の形態1と同様に、測定センサ部21A及び補正センサ部21Bとして、各種センサを使用することができる。
【0268】
実施の形態9では、本体装置50が補正処理を行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、口腔器具10Iが補正処理を行ってもよい。例えば、口腔器具10Iは、補正処理を行う補正処理回路を有していてもよい。
【0269】
実施の形態9では、接続部40Iが4つの電極41a,41bを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、測定センサ部21Aと補正センサ部21Bが電位センサである場合、正電極と電極とのうちいずれか一方を、測定センサ部21Aと補正センサ部21Bとで共用してもよい。
【0270】
(変形例5)
図34は、変形例5の口腔器具10IAを示す概略図である。図35は、図34の変形例5の口腔器具10IAの概略断面図である。図34及び図35に示すように、口腔器具10IAにおいては、補正センサ部21Cが配線層11において機能部20IAに並べて配置されている。また、補正センサ部21Cは、測定センサ部21Aと異なる検出感度で口腔内の情報を取得するように構成されている。これにより、第1絶縁層12の厚みT1のばらつきによる測定値のばらつきを抑制することができる。
【0271】
補正センサ部21Cは、測定センサ部21AとZ方向において重ならない位置に配置されている。具体的には、補正センサ部21Cは機能部20IAの配線層11において、前記第1絶縁層12に沿って測定センサ部21Aと並べて配置されている。変形例5においては、測定センサ部21Aと補正センサ部21Cとは、X方向に隣接して配置されている。なお、補正センサ部21Cと測定センサ部21Aとは、隣接せずに離れていてもよい。
【0272】
図35に示すように、口腔器具10IAにおいては、機能部20IAを口腔内の測定部位2Bに接触させる。測定部位2Bは、例えば、舌部である。測定センサ部21A及び補正センサ部21Cは、口腔内の測定部位2Bの情報を取得する。補正センサ部21Cは、測定センサ部21Aと異なる検出感度で口腔内の情報を取得するように構成されている。このため、測定センサ部21A及び補正センサ部21Cで取得した情報(測定値)は異なっている。
【0273】
図36は、測定センサ部21Aと補正センサ部21Cの測定値の関係の一例を示すグラフである。図36に示すように、第1絶縁層12の厚みがt1のとき、測定センサ部21Aの測定値がXm1であり、補正センサ部21Cの測定値がXc1である。第1絶縁層12の厚みがt2のとき、測定センサ部21Aの測定値がXm2であり、補正センサ部21Cの測定値がXc2である。なお、t1<t2である。この場合、補正センサ部21Cは、(Xm2/Xc2)≠(Xm1/Xc1)を満たすように構成される。これにより、測定センサ部21Aの測定値Xmと補正センサ部21Cの測定値Xcとの比(Xm/Xc)を算出することによって、第1絶縁層12の厚みT1を推定することができ、補正することができる。
【0274】
例えば、補正センサ部21Cが櫛歯電極を有する静電容量センサである場合、櫛歯のライン間隔及び/又はライン幅を変えることによって、補正センサ部21Cの検出感度を変更することができる。
【0275】
このように、口腔器具10IAにおいては、測定センサ部21Aと検出感度の異なる補正センサ部21Cを用いることによって、第1絶縁層12の厚みT1を推定し、補正することができる。これにより、第1絶縁層12の厚みT1のばらつきによる測定値のばらつきを抑制することができる。
【0276】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0277】
本発明の口腔器具は、例えば、ディスポーザブルタイプの口腔用装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0278】
1A,1B,1C,1D,1E,1F 口腔用装置
2,2A、2B 測定部位
3 唾液層
10,10A,10AA,10B,10C,10D,10E,10EA,10F,10G、10H,10HA,10I、10IA 口腔器具
11 配線層
12,12A、12B、12C、12D 第1絶縁層
12a 絶縁体
12b 樹脂フィルム
12c 穴
12d,12e 開口
12da,12ea 段差
13 第2絶縁層
14 第1シールド層
15 第2シールド層
16 第3絶縁層
17 第4絶縁層
18 断熱材
20,20E,20EA,20H,20HA,20I,20IA 機能部
21 センサ部
21A 測定センサ部
21B,21C 補正センサ部
21a センサ面
22,22a,22b エネルギー照射部
30,30B 配線部
31 配線
32 保護層
40,40A,40AA,40D,40E,40F,40I 接続部
41,41a,41b 電極(電気接続部)
42 取付孔
43 RFIDタグ(電気接続部)
44 アンテナ
45 ICチップ
46 第2センサ部
50,50C,50E、50F 口腔用本体装置
60,60C 本体部
61,61C 把持部
62 制御部
63 算出部
70,70A,70C,70F,70G 着脱操作部
71 接続端子(電気接続導体)
72 配置面
72a 位置決め部材
72aa 底面
72ab,72ac 傾斜面
73,73A,73C 押さえ部材
73a 突起
74 回転軸
78 アンテナ(電気接続導体)
79 柱状部材
80 ガード
90 表示部
91 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30A
図30B
図31
図32
図33
図34
図35
図36