(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】レーダ装置、イメージング方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 13/89 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
G01S13/89
(21)【出願番号】P 2022564957
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2020044319
(87)【国際公開番号】W WO2022113294
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】住谷 達哉
(72)【発明者】
【氏名】小倉 一峰
(72)【発明者】
【氏名】有吉 正行
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/234852(WO,A1)
【文献】特開2019-020212(JP,A)
【文献】特開2018-146257(JP,A)
【文献】特開2000-111635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0224538(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0216371(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
13/00 - 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信手段と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御手段と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング手段と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理手段と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記イメージングポリシーは、前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するためのアルゴリズム又は当該アルゴリズムを指定する情報を含み、
前記イメージング手段は、前記アルゴリズムを用いて前記三次元のレー
ダ画像を生成する、請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記送信アンテナと前記受信アンテナは、検査対象の通行路を挟んで対向している少なくとも2枚のパネル内に配置されている、請求項1または2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記2枚のパネルは互いに平行であることを特徴とする、請求項3に記載のレーダ装置。
【請求項5】
複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記複数の投影方向は、前記検査対象の正面、背面、左側面、及び右
側面を含む、請求項1から4のいずれか一つに記載のレーダ装置。
【請求項6】
複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記投影方向は90°間隔の4つの方向を含み、
前記4つの方向は、前記2枚のパネルに垂直又は平行である、請求項4に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記投影方向・イメージングポリシー制御手段は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を行い、
前記イメージング手段は、前記検査対象が前記イメージング領域に存在すると判定された場合に、前記三次元のレーダ画像の生成を行う、請求項1から6のいずれか一つに記載のレーダ装置。
【請求項8】
前記投影方向・イメージングポリシー制御手段は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記レーダ信号に基づいて行う、請求項7に記載のレーダ装置。
【請求項9】
コンピュータが、
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信処理と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御処理と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング処理と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理と、
を備えることを特徴とするイメージング方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信機能と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御機能と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング機能と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理機能と、
を持たせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体で反射された電磁波を受信してイメージングを行うレーダ装置、イメージング方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボディスキャナを実現するレーダ装置が、空港等に導入されている。このレーダ装置において、送信アンテナがミリ波等の電磁波を所定のエリア内の対象物(被験者の人体や所持物など)に照射し、対象物で反射された電磁波を受信アンテナがレーダ信号として受信する。ボディスキャナシステムは、レーダ信号に基づいてレーダ画像の生成(イメージング)を行い、このイメージングの結果を用いた処理、例えば、被験者が不審物を所持しているか否かの検査を実行する。レーダ画像は一般に、三次元空間内の物体形状を反映した三次元画像として得られる。一方、人間にとっての解釈のしやすさや、被験者が不審物を所持しているか否かを自動判定するための物体認識処理の計算コストなどの観点からは、三次元のレーダ画像を二次元化する処理が有用である。
【0003】
特許文献1には、複数のパネル上にアンテナが配置されたボディスキャナシステムが記載されている。非特許文献1には、三次元のレーダ画像に二次元画像用の物体検出アルゴリズムを適用するために、レーダ画像を特定の方向に投影(射影)して二次元化する手法が記載されている。非特許文献2及び非特許文献3には、対象物で反射された電磁波をアンテナで受信し、受信した信号に基づき画像を生成することで、対象物のレーダ画像を生成(イメージング)する技術が記載されている。
【0004】
また特許文献2には、検査対象の正面・側面・背面を見るために3セットの対向するパネルを用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2019/0242990号明細書
【文献】特表2017-514109号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】L. Carrer and A. G. Yarovoy, "Concealed weapon detection using UWB 3-D radar imaging and automatic target recognition," The 8th European Conference on Antennas and Propagation (EuCAP 2014), The Hague, 2014, pp. 2786-2790, doi: 10.1109/EuCAP.2014.6902403.
【文献】S. S. Ahmed, A. Schiessl, F. Gumbmann, M. Tiebout, S. Methfessel and L. Schmidt, "Advanced Microwave Imaging," in IEEE Microwave Magazine, vol. 13, no. 6, pp. 26-43, Sept.-Oct. 2012, doi: 10.1109/MMM.2012.2205772.
【文献】X. Zhuge and A. G. Yarovoy, "Three-Dimensional Near-Field MIMO Array Imaging Using Range Migration Techniques," in IEEE Transactions on Image Processing, vol. 21, no. 6, pp. 3026-3033, June 2012, doi: 10.1109/TIP.2012.2188036.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したレーダ装置において、対象物が所持している所持品を精度良く検出することが求められている。本発明の目的の一例は、対象物が所持している所持品を精度良く検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信手段と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御手段と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング手段と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理手段と、
を備えることを特徴とするレーダ装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、コンピュータが、
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信処理と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御処理と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング処理と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理と、
を備えることを特徴とするイメージング方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、コンピュータに、
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信機能と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御機能と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング機能と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、対象物が所持している所持品を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0013】
【
図1】一般的なレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】送信アンテナと受信アンテナの配置の一例を示す図である。
【
図5】送信アンテナと受信アンテナの配置の一例を示す図である。
【
図6】送信アンテナと受信アンテナの配置の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態のレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】送信アンテナと受信アンテナの配置の一例を示す図である。
【
図10】イメージングポリシーを説明するための図である。
【
図11】イメージングポリシーを説明するための図である。
【
図12】イメージングポリシーを説明するための図である。
【
図13】イメージングポリシーを説明するための図である。
【
図14】レーダ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図15】第2の実施形態のレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図16】レーダ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図17】第3の実施形態のレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図18】レーダ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図19】レーダ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
まず、前提技術について説明する。
【0016】
図1は一般的なレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示すレーダ装置800は、レーダ信号送受信部803と、イメージング部804と、投影方向制御部805と、投影処理部806とを備えている。レーダ信号送受信部803は、電磁波を出射する送信アンテナ(Tx)801の電磁波の出射(具体的には、出射タイミングなど)を制御し、かつ、対象物からの反射波などを受信する受信アンテナ(Rx)802からレーダ信号を取得する。イメージング部804は、レーダ信号から三次元のレーダ画像を生成する。投影方向制御部805は、三次元のレーダ画像を二次元化するための投影方向の設定を保持する。投影方向の設定数は一つでも複数でも良い。投影処理部806は、イメージング処理部804で生成されたレーダ画像を、投影方向制御部805に設定された各投影方向に投影し、それぞれの投影方向に対応した二次元画像を生成する。なお、
図1には、1つの送信アンテナ(Tx)801と1つの受信アンテナ(Rx)802とが例示されているが、実際には、複数のTxと複数のRxが設置されている。
【0017】
投影処理部806は、例えば非特許文献1のように、レーダ画像の強度和に基づく投影処理を行う。投影処理部806は、投影方向がZ軸になるように直交座標系XYZをとり、その際のレーダ画像をI(X,Y,Z)と表記することにする。I(X,Y,Z)を式(1)に従い二次元画像I'(X,Y)に変換する。
【0018】
【0019】
図2の左のような三次元のレーダ画像が得られている場合、投影処理部806は、この変換により、
図2の右のような、Z軸に関して投影された二次元画像を生成する。この二次元画像は、投影方向に従って対象物を眺めたときの見え方に対応する。
【0020】
非特許文献1の投影方法は、TxとRxが同一のパネル上に配置されている
図3のような装置から得られるレーダ画像に対しては、よく機能する。一方、ある物体がレーダ画像に映るためには、Txから出射した電磁波をその物体で反射した反射波がRxで受信される必要がある。したがって、
図3において得られるレーダ画像には、人体のパネル側の面のみが映り、パネル側とは反対の面や両側面などの、反射波をRxが受信できない面は映らない。そこで、
図3中の矢印のようにパネルと垂直な向きに投影を行うことで、パネルのある位置から人体を眺めた状況に対応する二次元画像が
図4のように得られる。
図3のようにナイフ・銃などの不審物がパネル側の面に隠されていた場合、
図4の画像に現れることが期待される。
【0021】
一方、不審物がどこに隠されているかは実際は不定であり、人体の一面のみではなく全面に対して検査を行う必要がある。このため、複数のパネル上にTxとRxを配置することで人体の全面検査を行う装置も考えられる。例えば
図5のように両側にパネルを並べ、一方のパネルからもう一方のパネルへの送受信波を取得することで、パネルに垂直な向きの物体からの反射も捉えることができる。パネルに平行な向きの物体からの反射も
図3の装置と同様に捉えることができる。
【0022】
一方、
図5のような装置から得られる、人体の全面が映ったレーダ画像に対して非特許文献1の投影方法は適用できない。なぜなら、人体の正面と背面、または右側面と左側面の情報が混ざって投影されてしまうからである。特に問題になる例として、
図6のように人体正面に不審物が隠されており、背面にはノートパソコンのような大型金属物が背負われている状況を挙げる。この状況における三次元のレーダ画像を、
図6中の矢印の方向に投影して二次元化すると、
図7のように不審物の形状が大型金属物に埋もれて消えてしまう可能性がある。このように、人体の全面が映ったレーダ画像に対する投影処理は、本来眺めたい方向から見た面の情報が反対の面により消されてしまう可能性がある。その結果、不審物検査の精度が低下する。
【0023】
[第1の実施の形態]
[構成の説明]
図8は、第1の実施形態のレーダ装置の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態のレーダ装置100は、レーダ信号送受信部103と、投影方向・イメージングポリシー制御部107と、イメージング部104と、投影処理部106とを備えている。レーダ信号送受信部103は、送信アンテナ(Tx)101と受信アンテナ(Rx)102を備えている。
【0024】
レーダ装置の外観は
図9のように複数(例えば2枚)のパネルを並べたものであり、検査を受ける被験者はこれらのパネルの間を通り抜ける。以下、被験者の進行方向をy軸とした座標系を用いる。
【0025】
レーダ信号送受信部103は、ミリ波等の電磁波を出射する送信アンテナ(Tx)101の電磁波の出射(具体的には、出射タイミングなど)を制御し、対象物からの反射波などを受信する受信アンテナ(Rx)102からレーダ信号を取得する。なお、
図8には、1つの送信アンテナ(Tx)101と1つの受信アンテナ(Rx)102とが例示されているが、実際には複数のTxと複数のRxがあり、
図9に示すように少なくとも2枚のパネル内に設置されている。
【0026】
レーダ信号送受信部103は、送信アンテナ(Tx)101による電磁波の送信(出射)を制御し、受信アンテナ(Rx)102による受信波に基づくレーダ信号を取得する。具体的には、例えば、あらかじめ定めたTxの出射順序に従って順番にTxが出射を行い、全てのRxが反射波を受信することで、全てのTxとRxの組に関してレーダ信号を取得する。これを1セットのレーダ信号として、イメージング部104に出力する。なお、レーダ信号が不要なTxとRxの組がある場合は、その組のレーダ信号は取得しないようにしても良い。レーダ信号送受信部103は、1セットのレーダ信号の取得および出力を一定の時間間隔などで繰り返し行う。
【0027】
投影方向・イメージングポリシー制御部107は、イメージングポリシーを保持する。イメージングポリシーは、三次元のレーダ画像を二次元化するための投影方向と、各投影方向に対する、イメージング領域やイメージングに用いるTxとRxの組の集合(集合情報)などの情報を含んでいる。投影方向は、二次元画像を生成する際にどの方向から人体を眺めるかということに対応する。一つのイメージングポリシーに複数個の投影方向が設定されていてもよい。イメージング領域は、レーダ画像の生成(イメージング)を行う空間領域を示している。一般に、ある特定の方向から人体を眺めた画像を生成するにあたり、その方向の面を映すのに適した装置内における人体の立ち位置と、イメージングに用いるTxとRxの組の集合は、その方向に応じて違ったものになる。その違いに応じて、投影方向ごとにイメージングポリシーが設定されている。
【0028】
例として、
図9に示したような被験者(検査対象)の通行路を挟むように設置した2枚のパネルを用いる方式において、人体の左側面・右側面・正面・背面が見える4つの投影方向を用いるという状況のもとで説明を行う。この例において、投影方向は90°間隔の4つの方向を含み、かつ、これら4つの方向は、2枚のパネルに垂直又は平行になっている。なお、
図9において2枚のパネルは検査対象の進行方向に対して平行に並んでいるが、このように並行に設置してもよいし、平行でない配置で設置してもよい。以下の説明において、パネルの中心位置のy座標をy
0とする。
【0029】
人体の左側面のみを映すためには、
図10の四角形領域のようなy= y
0付近の領域内を立ち位置として、TxもRxもどちらもレーダパネル(1)内にあるような組のみを使うのが良い。従って、
図10中の矢印が示す投影方向に関しては、
図10の四角形領域のようにイメージング領域を設定し、TxもRxもどちらもレーダパネル(1)内にあるような組のみでイメージングするというイメージングポリシーが設定される。人体の右側面に関してもほぼ同様であり、
図11中の矢印が示す投影方向に関しては、
図11の四角形領域のようにイメージング領域を設定し、TxもRxもどちらもレーダパネル(2)内にあるような組のみでイメージングするというイメージングポリシーが設定される。なお、
図10と
図11中のイメージング領域は、同じでも異なっていても良い。
【0030】
一方、人体の正面のみを映すためには、
図12の四角形領域のようなy< y
0(より具体的には、y
D<y
0を設定してy≦y
D)の領域内を立ち位置として、Txがレーダパネル(1)にありRxがレーダパネル(2)にあるような組のみを使うのが良い(TxとRxのあるパネルは逆でも良いし、その両方を使うということにしても良い)。また、y≦y
Dの位置にあるようなTxないしRxは、人体の正面を映すのに寄与しにくく、むしろ不要な背面の情報を映してしまう可能性がある。したがって、y≦y
Dの位置にTxないしRxがあるような組をイメージングに用いないようにしても良い。上記に従って、
図12中の矢印が示す投影方向に関するイメージングポリシーが設定される。
【0031】
人体の背面もほぼ同様であり、
図13中の矢印が示す投影方向に関するイメージングポリシーを同様に設定できる。この場合も、y≧y
Uの位置にTxないしRxがあるような組をイメージングに用いないようにしても良い。
【0032】
図9のように被験者が装置内を通り抜ける間に、各投影方向による画像に、被験者の人体を捉えたものが少なくとも1つ含まれていることが望ましい。そのために、例えば、レーダ信号送受信部103は、想定される速度で歩く被験者が各イメージング領域を通り抜ける間に少なくとも1セットのレーダ信号を取得するような周期でレーダ信号の取得を行う。
【0033】
イメージング部104は、投影方向・イメージングポリシー制御部107に設定された投影方向の数だけ分かれて存在し、それぞれが各投影方向を担当する。イメージング部104のそれぞれは、担当する投影方向のイメージングポリシーが規定するTxとRxの組の集合に従って、レーダ信号送受信部103から必要なレーダ信号を受け取る。受け取ったレーダ信号から、イメージングポリシーが規定するイメージング領域において三次元のレーダ画像の生成(イメージング)を行う。レーダ信号からレーダ画像を計算(生成)する手続き(イメージングアルゴリズム)の一例は、非特許文献2や非特許文献3に記載されている。イメージング部104のそれぞれは、生成されたレーダ画像を投影処理部106に出力する。
【0034】
担当する投影方向によっては、レーダ信号送受信部103が全てのTxとRxの組に関する1セットのレーダ信号を取得する前に、イメージングに必要な信号が全て集まることもある。イメージング部104のそれぞれは、レーダ信号送受信部103が1セットのレーダ信号を取得する前であってもレーダ信号を受け取ってイメージングを開始しても良い。
【0035】
また、イメージング領域や使用するTxとRxの組の集合によって適するイメージングアルゴリズムが変わることがある。例えば、非特許文献3に記載されている方法は計算速度が優れているが、全てのTxとRxが同一平面上に設置されていなければならないという制約があるため、
図10と
図11に対応するイメージングには適用できるが、
図12と
図13に対応するイメージングには適用できない。一方、非特許文献2に記載されている方法はアンテナの配置に関する制約がないため、
図12と
図13に対応するイメージングにも適用できる。このようなイメージングアルゴリズムの違いを踏まえて、投影方向ごとのイメージングポリシーにイメージングアルゴリズムを指定する情報(イメージングアルゴリズムそのものが含まれていてもよい)も付加して投影方向・イメージングポリシー制御部107に設定し、イメージング部104に指示するようにしても良い。
【0036】
投影処理部106は、投影方向・イメージングポリシー制御部107に設定された投影方向の数だけ分かれて存在し、それぞれが各投影方向を担当する。投影処理部106のそれぞれは、同じ投影方向を担当するイメージング部104から三次元のレーダ画像を受け取り、設定された投影方向に従って投影処理を行って二次元化する。以下の説明において、投影方向がZ軸になるように直交座標系XYZをとり、その際のレーダ画像をI(X,Y,Z)と表記することにする。投影処理は、例えば、非特許文献1のように式(1)に従って二次元画像I'(X,Y)に変換する。他の投影方法として式(2)のようにする方法も考えられる。
【0037】
【0038】
投影処理部106のそれぞれは、生成された二次元画像をディスプレイや画像処理エンジンなどに出力する。
【0039】
[動作の説明]
次に、
図14のフローチャートを参照して、レーダ装置100の動作を説明する。
【0040】
ステップS101では、二次元画像を生成する際にどの方向から人体を眺めるかを表す投影方向が定められ、この設定が投影方向・イメージングポリシー制御部107に保持される。この設定は、例えばレーダ装置100の使用者または管理者が行う。また、設定した投影方向の数だけ、イメージング部104と投影処理部106が用意される。
【0041】
ステップS102では、ステップS101で設定された各投影方向別に、イメージングポリシーに含まれる各情報が定められる。ここで定められる情報には、その方向から人体を眺めた画像を生成するのに適したイメージング領域、及びTxとRxの組の集合を示す集合情報が含まれる。これらの情報は、投影方向・イメージングポリシー制御部107に保持される。このようにして、投影方向・イメージングポリシー制御部107は、投影方向別にイメージングポリシーを保持する。
【0042】
ステップS103では、レーダ信号送受信部103が送信アンテナ(Tx)101に電磁波を出射させ、受信アンテナ(Rx)102による受信波に基づくレーダ信号を取得し、イメージング部104に出力する。
【0043】
ステップS104では、イメージング部104のそれぞれが、投影方向・イメージングポリシー制御部107に保持された、当該イメージング部104が担当する投影方向のイメージングポリシーに従って、レーダ信号から三次元のレーダ画像を生成し、投影処理部106に出力する。
【0044】
ステップS105では、投影処理部106のそれぞれが、同じ投影方向を担当するイメージング部104から三次元のレーダ画像を受け取り、設定された投影方向に従って投影処理を行って二次元化する。生成された各々の二次元画像をディスプレイや画像処理エンジンなどに出力する。
【0045】
<ハードウエア構成例>
図19は、レーダ装置100のハードウエア構成例を示す図である。レーダ装置100は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0046】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0047】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0048】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0049】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040はレーダ装置100の各機能を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0050】
入出力インタフェース1050は、レーダ装置100と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0051】
ネットワークインタフェース1060は、レーダ装置100をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0052】
[効果の説明]
本実施形態によれば、レーダ装置100は、それぞれの投影方向に対して、その方向の面がよく映るようにイメージング領域とイメージングに使用するTxとRxの組の集合を使い分けることにより、他の面、特に裏側の面の情報がレーダ画像に映らないようにできる。このため、レーダ装置100は、各投影方向から人体を眺めた画像を精度よく作成できる。それにより、対象物が所持している所持品(例えば不審物)の検出精度などが向上する。
【0053】
[第2の実施の形態]
[構成の説明]
図15は、第2の実施形態のレーダ装置の構成例を示すブロック図である。第2の実施形態のレーダ装置200は、レーダ信号送受信部103と、投影方向・イメージングポリシー制御部207と、複数のイメージング部204と、複数の投影処理部106とを備えている。レーダ信号送受信部103は、送信アンテナ(Tx)101と受信アンテナ(Rx)102を備えている。
【0054】
第1の実施形態では、イメージング部104のそれぞれはイメージング領域に被験者がいないときであっても常にイメージング処理を行っていた。第2実施形態では、計算コストの削減のため、イメージング部204のそれぞれはイメージング領域に被験者がいるときのみイメージング処理を行うようにする。なお、イメージング部204が行うイメージング処理の詳細は、イメージング部104が行うイメージング処理と同様である。
【0055】
投影方向・イメージングポリシー制御部207、およびイメージング部204以外の各ブロックの機能は、第1の実施形態におけるそのブロックの機能と同じである。ただし、レーダ信号送受信部103に関しては、レーダ信号を投影方向・イメージングポリシー制御部207にも出力するように変更されている。
【0056】
投影方向・イメージングポリシー制御部207は、第1の実施形態で述べた機能に加えて、レーダ信号送受信部103から受け取ったレーダ信号に基づいて各投影方向に対応するイメージング領域内に被験者が存在するかを判定する機能を担う。判定結果のそれぞれはイメージング部204に出力する。
【0057】
判定方法の例として、各イメージング領域を全て含むような領域をイメージングして存在判定用の3次元のレーダ画像を生成し、この存在判定用のレーダ画像内における電磁波の反射強度の分布を用いる方法が挙げられる。存在判定用のレーダ画像は、最終的に生成されるレーダ画像とは異なる画像である。存在判定用のレーダ画像をI0 (x,y,z)とする。このレーダ画像は被験者の存在判定のみに使われるため形状に関する細かい情報を含む必要がなく、疎なサンプル点でのみ計算されていれば良い。また、全てのレーダ信号を用いて計算しても良いし、一部のTxとRxの組によるレーダ信号のみを用いて計算しても良い。領域Rに被験者が存在するかどうかを判定する際に、例えば、ある閾値tを用いて式(3)が満たされていれば存在すると判定する。
【0058】
【0059】
イメージング部204のそれぞれは、担当する投影方向のイメージング領域内に被験者が存在すると投影方向・イメージングポリシー制御部207が判定した場合のみ、第1の実施形態と同様の処理を行う。一方、イメージング部204は、そのイメージング部204が担当する投影方向に対応するイメージング領域に被験者が存在しないと判定された場合は、処理をスキップする。
【0060】
[動作の説明]
次に、
図16のフローチャートを参照して、レーダ装置200の動作を説明する。
ステップS101及びS102の処理は、第1の実施形態と同じである。ステップS103の処理は、第1の実施形態と同じである。ただし、レーダ信号は投影方向・イメージングポリシー制御部207にも出力される。
【0061】
次に、ステップS207では、投影方向・イメージングポリシー制御部207は、レーダ信号送受信部103から受け取ったレーダ信号に基づいて、各投影方向に対応するイメージング領域内に被験者が存在するかを判定し、それぞれの判定結果をイメージング部204に出力する。
【0062】
ステップS204では、イメージング部204のそれぞれは、担当する投影方向のイメージング領域内に被験者が存在すると投影方向・イメージングポリシー制御部207が判定した場合に、投影方向・イメージングポリシー制御部207においてそのイメージング部204に対して設定されたイメージングポリシーに従って、レーダ信号から三次元のレーダ画像を生成し、投影処理部106に出力する。
【0063】
ステップS105の処理は、第1の実施形態と同じである。
【0064】
[効果の説明]
本実施形態によれば、被験者のいない領域におけるイメージング処理を省くことにより、所持品の検出精度を第1の実施形態と同程度に保ったまま、計算コストを軽量化できる。
【0065】
[第3の実施の形態]
[構成の説明]
図17は、第3の実施形態のレーダ装置の構成例を示すブロック図である。第3の実施形態のレーダ装置300は、レーダ信号送受信部103と、投影方向・イメージングポリシー制御部307と、複数のイメージング部204と、複数の投影処理部106と、外部センサ308とを備えている。レーダ信号送受信部103は、送信アンテナ(Tx)101と受信アンテナ(Rx)102を備えている。
【0066】
第2の実施形態では、各イメージング領域に被験者が存在するかの判定にあたりレーダ信号を用いた。第3の実施形態では、圧力センサやカメラなどの被験者の存在に関する情報を取得できる外部センサ308により、被験者の存在判定を行う。
【0067】
投影方向・イメージングポリシー制御部307、イメージング部204、および外部センサ308以外のブロックの機能は、第1の実施形態における機能と同じである。イメージング部204の機能は第2の実施形態における機能と同じである。
【0068】
外部センサ308は、レーダ信号送受信部103によるレーダ信号取得と同じタイミングでセンサの測定情報を取得し、投影方向・イメージングポリシー制御部307に出力する。外部センサ308の例として、床に設置した圧力センサが挙げられる。その場合は、外部センサ308は、どの位置が被験者に踏まれているかなどを示す情報を、投影方向・イメージングポリシー制御部307に出力する。
【0069】
投影方向・イメージングポリシー制御部307は、第1の実施形態で述べた機能に加えて、外部センサ308から受け取った情報に基づいて各投影方向に対応するイメージング領域内に被験者が存在するかを判定する機能を担う。前記の例のように外部センサ308として床に設置した圧力センサを用いる場合は、イメージング領域の直下の位置の近辺が踏まれている(例えば外部センサ308が反応している)ならば被験者が存在すると判定する方法が挙げられる。判定結果のそれぞれはイメージング部204に出力する。
【0070】
[動作の説明]
次に、
図18のフローチャートを参照して、レーダ装置300の動作を説明する。
【0071】
ステップS101、S102の処理は、第1の実施形態と同じである。ステップS303では、レーダ信号送受信部103が送信アンテナ(Tx)101に電磁波を出射させ、受信アンテナ(Rx)102による受信波に基づくレーダ信号を取得し、イメージング部104に出力する。それと同じタイミングで外部センサ308は測定情報を取得し、投影方向・イメージングポリシー制御部307に出力する。
【0072】
ステップS307では、外部センサ308から受け取った測定情報に基づいて、投影方向・イメージングポリシー制御部307は各投影方向に対応するイメージング領域内に被験者が存在するかを判定する。それぞれの判定結果をイメージング部204に出力する。
【0073】
ステップS204の処理は、第2の実施形態と同じである。また、ステップS105の処理は、第1の実施形態と同じである。
【0074】
[効果の説明]
第2の実施形態と同様に、被験者のいない領域におけるイメージング処理を省くことにより、検査などの精度を第1の実施形態と同程度に保ったまま、計算処理を軽量化できる。また、被験者の存在判定に用いるセンサによっては、第2の実施形態で述べたようなレーダ信号を用いて存在判定を行う方法と比較して、計算コストがより軽くなる、または判定精度が良くなるといった改善が期待できる。
【0075】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0076】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0077】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信部と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御部と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング部と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理部と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。
2.前記イメージングポリシーは、前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するためのアルゴリズム又は当該アルゴリズムを指定する情報を含み、
前記イメージング部は、前記アルゴリズムを用いて前記三次元のレーダ画像を生成する、上記1に記載のレーダ装置。
3.前記送信アンテナと前記受信アンテナは、検査対象の通行路を挟んで対向している少なくとも2枚のパネル内に配置されている、上記1または2に記載のレーダ装置。
4.前記2枚のパネルは互いに平行であることを特徴とする、上記3に記載のレーダ装置。
5.複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記複数の投影方向は、前記検査対象の正面、背面、左側面、及び右側面を含む、上記1から4のいずれか一つに記載のレーダ装置。
6.上記複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記投影方向は90°間隔の4つの方向を含み、
前記4つの方向は、前記2枚のパネルに垂直又は平行である、上記4に記載のレーダ装置。
7.前記投影方向・イメージングポリシー制御部は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を行い、
前記イメージング部は、前記検査対象が前記イメージング領域に存在すると判定された場合に、前記三次元のレーダ画像の生成を行う、上記1から6のいずれか一つに記載のレーダ装置。
8.前記投影方向・イメージングポリシー制御部は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記レーダ信号に基づいて行う、上記7に記載のレーダ装置。
9.前記投影方向・イメージングポリシー制御部は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定において、前記レーダ信号から前記イメージング領域を含む領域における存在判定用のレーダ画像を生成し、当該仮のレーダ画像内における電磁波の反射強度の分布に基づいて前記判定を行う、上記8に記載のレーダ装置。
10.前記投影方向・イメージングポリシー制御部は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記検査対象の存在を把握可能なセンサの計測結果を用いて行う、上記7に記載のレーダ装置。
11.前記センサは、床に設置した圧力センサである、上記10に記載のレーダ装置。
12.コンピュータが、
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信処理と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御処理と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング処理と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理と、
を備えることを特徴とするイメージング方法。
13.前記イメージングポリシーは、前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するためのアルゴリズム又は当該アルゴリズムを指定する情報を含み、
前記イメージング処理において、前記コンピュータは、前記アルゴリズムを用いて前記三次元のレーダ画像を生成する、上記12に記載のイメージング方法。
14.前記送信アンテナと前記受信アンテナは、検査対象の通行路を挟んで対向している少なくとも2枚のパネル内に配置されている、上記12または13に記載のイメージング方法。
15.前記2枚のパネルは互いに平行であることを特徴とする、上記14に記載のイメージング方法。
16.複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記複数の投影方向は、前記検査対象の正面、背面、左側面、及び右側面を含む、上記12から15のいずれか一つに記載のイメージング方法。
17.上記複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記投影方向は90°間隔の4つの方向を含み、
前記4つの方向は、前記2枚のパネルに垂直又は平行である、上記15に記載のイメージング方法。
18.前記投影方向・イメージングポリシー制御処理において、前記コンピュータは、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を行い、
前記イメージング処理において、前記コンピュータは、前記検査対象が前記イメージング領域に存在すると判定された場合に、前記三次元のレーダ画像の生成を行う、上記12から17のいずれか一つに記載のイメージング方法。
19.前記投影方向・イメージングポリシー制御処理において、前記コンピュータは、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記レーダ信号に基づいて行う、上記18に記載のイメージング方法。
20.前記投影方向・イメージングポリシー制御処理において、前記コンピュータは、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定において、前記レーダ信号から前記イメージング領域を含む領域における存在判定用のレーダ画像を生成し、当該仮のレーダ画像内における電磁波の反射強度の分布に基づいて前記判定を行う、上記19に記載のイメージング方法。
21.前記投影方向・イメージングポリシー制御処理において、前記コンピュータは、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記検査対象の存在を把握可能なセンサの計測結果を用いて行う、上記18に記載のイメージング方法。
22.前記センサは、床に設置した圧力センサである、上記21に記載のイメージング方法。
23.コンピュータに、
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて生成されたレーダ信号を取得するレーダ信号送受信機能と、
検査対象を眺める方向を表す投影方向と、三次元のレーダ画像が生成されるべき領域を示すイメージング領域と、前記三次元のレーダ画像の生成に用いる送信アンテナと受信アンテナの組の集合の情報である集合情報とを含むイメージングポリシーを保持する投影方向・イメージングポリシー制御機能と、
前記イメージングポリシーに従い前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するイメージング機能と、
生成された前記三次元のレーダ画像を、前記イメージングポリシーが示す前記投影方向に投影して二次元化する投影処理機能と、
を持たせるプログラム。
24.前記イメージングポリシーは、前記レーダ信号から前記三次元のレーダ画像を生成するためのアルゴリズム又は当該アルゴリズムを指定する情報を含み、
前記イメージング機能は、前記アルゴリズムを用いて前記三次元のレーダ画像を生成する、上記23に記載のプログラム。
25.前記送信アンテナと前記受信アンテナは、検査対象の通行路を挟んで対向している少なくとも2枚のパネル内に配置されている、上記23または24に記載のプログラム。
26.前記2枚のパネルは互いに平行であることを特徴とする、上記25に記載のプログラム。
27.複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記複数の投影方向は、前記検査対象の正面、背面、左側面、及び右側面を含む、上記23から26のいずれか一つに記載のプログラム。
28.上記複数の前記投影方向毎に前記イメージングポリシーが設定されており、
前記投影方向は90°間隔の4つの方向を含み、
前記4つの方向は、前記2枚のパネルに垂直又は平行である、上記26に記載のプログラム。
29.前記投影方向・イメージングポリシー制御機能は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を行い、
前記イメージング機能は、前記検査対象が前記イメージング領域に存在すると判定された場合に、前記三次元のレーダ画像の生成を行う、上記23から28のいずれか一つに記載のプログラム。
30.前記投影方向・イメージングポリシー制御機能は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記レーダ信号に基づいて行う、上記29に記載のプログラム。
31.前記投影方向・イメージングポリシー制御機能は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定において、前記レーダ信号から前記イメージング領域を含む領域における存在判定用のレーダ画像を生成し、当該仮のレーダ画像内における電磁波の反射強度の分布に基づいて前記判定を行う、上記30に記載のプログラム。
32.前記投影方向・イメージングポリシー制御機能は、前記イメージング領域に前記検査対象が存在するかの判定を、前記検査対象の存在を把握可能なセンサの計測結果を用いて行う、上記29に記載のプログラム。
33.前記センサは、床に設置した圧力センサである、上記32に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0078】
100,200,300,800 レーダ装置
101,801 送信アンテナ(Tx)
102,802 受信アンテナ(Rx)
103,803 レーダ信号送受信部
104,204,804 イメージング部
805 投影方向制御部
106,806 投影処理部
107,207,307 投影方向・イメージングポリシー制御部
308 外部センサ