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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 5/34 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B26D5/34 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019165643
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021041496
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】植木 数馬
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-346984(JP,A)
【文献】特開昭62-136466(JP,A)
【文献】特開2019-063966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送部と、
搬送部により搬送される前記シートの所定位置に加工処理を施す加工部材と、
前記シートの所定位置に印刷された所定サイズのマークを撮像するカメラと、
前記カメラにより撮像された前記マークの画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記画像データと、予め、前記記憶部に記憶されている前記マークの基準サイズとを比較し、前記シートまたはシートに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する演算部と、
前記演算部の演算結果に基づいて前記加工部材が前記シートへ施す加工位置を調整する調整部とを備え
前記記憶部は、シートの裁断位置と、前記裁断位置で前記シートが裁断処理されることで得られる加工処理物の大きさとを含む裁断情報を記憶し、
前記調整部は、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する加工装置。
【請求項2】
前記調整部は、前記加工処理物の前端の裁断位置を、前記伸縮率に基づいて調整し、前記加工処理物の後端の裁断位置を、前記伸縮率に基づく調整を行うことによって決定された前端裁断位置からの長さが前記記憶部に記憶された加工処理物の大きさに等しくなるよう調整する請求項に記載の加工装置。
【請求項3】
前記調整部は、全ての裁断位置に対して一律に前記伸縮率に基づいた調整を行う一律調整モード、または、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する部分調整モードのいずれかを使用者が選択する選択部を備えた請求項または請求項に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送されてきたシートを、加工部材によって加工処理する加工装置が知られている。下記特許文献1には、用紙の印刷後の実寸法を入力し、入力された実寸法を基準とした加工位置に補正する技術が開示されている。
【0003】
また、下記特許文献2には、ラインセンサによってトンボマークを撮像し、これに基づく位置で合否判定を行う技術が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、給紙装置の外に位置する基準点と用紙上の各検知ポイントとの間の各距離を計測し、その計測値を表示する計測表示手段を備え、基準点から各検知ポイントまでの距離をそれぞれ計測して比較しながらそれらの距離が同じ値となるように、給紙装置の回動を調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-321000
【文献】特開2002-346984
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のように、では、用紙への画像形成位置が傾斜している場合に、印刷画像に対応して適切に成果物を加工することはできない。また、上記特許文献2では、操作者にとっては、調整方法が煩雑である。
【0007】
本発明の目的は、シートに形成された画像に合わせた位置でシートに加工処理を施すことが可能な加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の加工装置は、シートを搬送する搬送部と、搬送部により搬送される前記シートの所定位置に加工処理を施す加工部材と、前記シートの所定位置に印刷された所定サイズのマークを撮像するカメラと、前記カメラにより撮像された前記マークの画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記画像データと、予め、前記記憶部に記憶されている前記マークの基準サイズとを比較し、前記シートまたはシートに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する演算部と、前記演算部の演算結果に基づいて前記加工部材が前記シートへ施す加工位置を調整する調整部とを備え、前記記憶部は、シートの裁断位置と、前記裁断位置で前記シートが裁断処理されることで得られる加工処理物の大きさとを含む裁断情報を記憶し、前記調整部は、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する。
【0011】
更に、前記構成において、前記調整部は、前記加工処理物の前端の裁断位置を、前記伸縮率に基づいて調整し、前記加工処理物の後端の裁断位置を、前記伸縮率に基づく調整を行うことによって決定された前端裁断位置からの長さが前記記憶部に記憶された加工処理物の大きさに等しくなるよう調整する。
【0012】
更に、前記各構成において、前記調整部は、全ての裁断位置に対して一律に前記伸縮率に基づいた調整を行う一律調整モード、または、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する部分調整モードのいずれかを使用者が選択する選択部を備えた。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、カメラにより撮像されたマークの画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記画像データと、予め、前記記憶部に記憶されている前記マークの基準サイズとを比較し、前記シートまたはシートに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する演算部と、前記演算部の演算結果に基づいて前記加工部材が前記シートへ施す加工位置を調整する調整部とを備え、前記記憶部は、シートの裁断位置と、前記裁断位置で前記シートが裁断処理されることで得られる加工処理物の大きさとを含む裁断情報を記憶し、前記調整部は、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整するので、シートの伸縮によりシートの画像が基準サイズと異なるとき、画像に合わせた位置で該シートに加工処理を施すことができる。また、画像に合わせた位置で裁断しつつ、使用者の所望する大きさの加工処理物を得ることができる。
【0016】
更に、調整部は、前記加工処理物の前端の裁断位置を、前記伸縮率に基づいて調整し、前記加工処理物の後端の裁断位置を、前記伸縮率に基づく調整を行うことによって決定された前端裁断位置からの長さが前記記憶部に記憶された加工処理物の大きさに等しくなるよう調整する場合は、より適切に印刷画像位置に合わせて裁断位置を調整しつつ、所望する大きさの加工処理物を得ることができる。
【0017】
更に、調整部は、全ての裁断位置に対して一律に前記伸縮率に基づいた調整を行う一律調整モード、または、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する部分調整モードのいずれかを使用者が選択する選択部を備えた場合は、使用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る加工装置の模式縦断面図である。
図2】前記加工装置の供給部及び読取部の拡大平面図である。
図3】前記供給部及び読取部の縦断面図である。
図4】前記加工装置で処理が施されるシートの一例である。
図5】前記シートの部分拡大図である。
図6】前記加工装置の制御フローである。
図7】前記加工装置の制御フローである。
図8】前記加工装置の動作を説明する図である。
図9】前記加工装置の動作を説明する図である。
図10】前記加工装置の動作を説明する図である。
図11】前記加工装置の動作を説明する図である。
図12】前記加工装置の動作を説明する図である。
図13】前記加工装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態に係る加工装置1について、図1乃至13を参照しながら詳細に説明する。図1の全体構成図に示すように、加工装置1は、装置本体2のシートSの搬送路5の上流側に供給台36が設置される。搬送路5の下流側には排出台61が設置される。
【0020】
装置本体2内には、シートSを搬送する搬送部4が設けられる。搬送部4は、所定の領域毎に独立した複数個の第1~4搬送用モータ41~44によって駆動される複数個の対のローラを備える。したがって、複数個の対のローラ10~17がシートSの搬送方向Fに並んで配置される。
【0021】
シートSの搬送路5に沿って適宜の位置には、加工部19が配置されている。加工部19は、搬送部4により搬送されるシートSの所定位置に加工処理を施す加工部材191を備える。図1に示した実施形態では、シートSの搬送路5の上流側から下流側に向けて、加工部19として3つのスリット部20、クリース部21及び横裁断部22を、それぞれ備えている。
【0022】
これらの加工部19は、装置本体2に対して固定的に設置されてもよいが、フレキシブルな対応、装置の小型化及び交換作業の容易化のために、装置本体2に対してユニットとして着脱自在に設置されている。これらの加工ユニットは、いずれの設置場所にも着脱できるように、外観上同じ寸法や形状を有するように構成されている。
【0023】
図2は供給台36を含むシートSの供給部3の縦断面図、図3は供給部3の平面図を示す。供給部3は、スリット部20の上流側に設置される。供給部3は、シートSを搬送路5へ供給する。供給部3は、供給台36、吸引式搬送機構31、斜行補正機構32、供給ローラ33,34、重送検知部35を備える。
【0024】
供給台36は、搬送路5へ供給されるシートSが載置される。供給台36は図示しない昇降部によって昇降される。供給台36の側方には、シートSの側端縁Esを当接させるガイド壁361を備える。また、供給台36の前方には、シートSの束を分離するための送風機38が設けられる。
【0025】
吸引式搬送機構31は、供給台36に載置されているシートSを図示しない吸引手段によって、1枚ずつ引き付けて吸着させ、搬送する。吸引式搬送機構31は、一対のローラ311、312に掛け渡された周回走行する無端状のベルト313を備える。ベルト313は、搬送方向Fと平行に走行する。ベルト313は、シートSの搬送方向Fに直交する幅方向Wに複数並設される。ベルト313の内方には、吸引箱314が設置される。吸引箱314は、下面に吸引口が開口して形成され、吸引箱314の下面にシートSを吸い付ける。
【0026】
斜行補正機構32は、吸着搬送機構31によって搬送されてきたシートSを、一対のローラ321、322に掛け渡された無端状のベルト323に載せて、搬送する。無端状のベルト323は、シートSの搬送方向Fに対してガイド部材324側に向けて所定量傾斜して設けられる。ガイド部材324のシートSの接触面は、ガイド壁361のシートS接触面と同一面内に設置される。
【0027】
斜行補正機構32では、シートSの側端縁Esが、搬送方向Fに平行なガイド壁324側に押し付けられながら搬送される。これより、シートSの側端縁Esがガイド壁324に沿った状態で搬送される。斜行補正機構32は押え部325を備える。押え部325は、押えボール326及び支持部材327を有する。押えボール326は球形に形成される。押えボール326は、支持部材327によって回転自在に支持される。押えボール326は斜行するシートSの搬送方向Fが補正される際、ベルト323上のシートSを上方より押える。ベルト323の内方には吸引箱328が設置され、図示しない吸引手段によってシートをベルト323上に吸引しつつ搬送する。
【0028】
重送検知部35は、シートSの重送を検知する。重送検知部35は、光学式センサまたは超音波センサ等により構成される。重送検知部35が超音波センサである場合、重送した場合に光の透過量または反射量の違いを検知し辛い厚いシートSであっても適正に重送を検知できる。
【0029】
図1に示すスリット部20は、シートSを搬送部5の搬送方向Fに沿って裁断する。スリット部20は、左右一対のスリッター201とスリッタ用モータ48とを備える。スリッター201は、移動部202によりシートSの幅方向Wの適宜の位置に移動可能に構成される。シートSの裁断を必要としないときには、スリッター201がシートSの搬送路5の外側に退避している。なお、スリッター201のシートSの幅方向Wの移動及び位置決めは、制御装置45としてのCPUによって制御される。スリッタ用モータ48は、搬送方向Fに沿った裁断を行うときにスリッター201を回転駆動するための駆動源である。
【0030】
裁断屑落し部27は、スリット部20における裁断によって生じた裁断屑をシートSの搬送路5の外側に排除するためのものである。裁断屑落し部27は、複数個の裁断屑落しデバイスと図示しない横方向位置決め軸とデバイス移動用モータとを備える。裁断屑落しデバイスは、横方向位置決め軸の回転に伴ってシートSの幅方向Wに移動可能に構成させる。所定位置に配置された裁断屑落しデバイスがシートSの搬送路5上の障害物になるために、シートSが裁断屑落し部27を通過する際に、シートSに含まれる裁断屑を落下させてゴミ箱23で回収する。
【0031】
クリース部21は、シートSに対してシートSの幅方向Wに沿った折り型を形成する。クリース部21は、クリース刃215を備える。クリース刃215は、シートSの幅方向Wに延在する上型211及び下型212により構成される。クリース駆動部49は、上型211を上下方向に駆動するための駆動源である。上型211と下型212との間にシートSを挟んだ状態で、上型211を下向きに駆動させて、シートSを上型211の凸部で下型212の凹部に押し込むことによって、シートSに断面が略半円状の折り型を形成する。
【0032】
図1に示す横裁断部22は、シートSに対してシートSを幅方向Wに沿って切断する。横裁断部22は、裁断刃225及び横裁断駆動部50を備える。裁断刃225は、シートSの幅方向Wに延在する上刃221及び下刃222を備える。横裁断駆動部50は、上刃57が下刃58に向けて押し込まれるように上刃57を上下方向に駆動するための駆動源である。
【0033】
横裁断駆動部50は、上刃221と下刃222との間にシートSを挟んだ状態で、上刃221を下向きに駆動させて、シートSを上刃221と下刃222とで裁断する。裁断により生じた裁断屑は、下方へ落下してゴミ箱23で回収される。なお、シートSの搬送方向Fの裁断すべき余白部が広い場合には、複数のシートSの搬送方向Fの狭い領域に分割して、狭い幅で細かく裁断することができる。
【0034】
加工装置1内に設置されるシートSの搬送用駆動源や加工用駆動源は、ステッピングモータやDCモータが用いられる。ステッピングモータは、パルス信号を与えることによって所定のステップ単位で回転する。搬送用駆動源及び加工用駆動源のいずれかまたは双方をステッピングモータとすることで、シートSの搬送位置や、各種加工デバイスの移動位置を高速且つ高精度に制御できる。
【0035】
シートSの搬送路5に沿って適宜の位置には、複数個の検出部28が配置されている。図1に示した実施形態では、検出部28として、シート検出部91~95及び読取部26が配置されている。シート検出部91~95は、対の発光素子と受光素子を備える。シート検出部91~95は、シートSがこれらの素子の間を通過して検出光を遮ることによってシートSの通過を検出する透過型の光センサである。
【0036】
上記センサ群のうちシートSの搬送路5の最も上流側に設置されたシート検出部91は、供給台36から供給されたあと供給ローラ33,34で把持されたシートSの前端縁Ef又は後端Ebを検出する。これより、シート検出部91で検出されたシート位置を基準にして、シートSの搬送路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出する。なお、下流側のシート検出部94が検出したシートSの位置を基準として、これより下流側の加工処理を施してもい。
【0037】
読取部26は、供給ローラ34と搬送部4のローラ10の間であって、最上流のシート検出部91の下流側に設置される。読取部26は、シートSに形成された印刷画像の位置に関する情報を読み取る。読取部26は、カメラ261により構成される。当該カメラ261は、シートSの所定位置に印刷された所定サイズのマークMを撮像する。また、当該カメラ261は、シートSの複数箇所に印刷されたマークMを撮像する。
【0038】
カメラ261には、一次元CCDイメージセンサまたは平面の画像を読み取る2次元CCDイメージセンサのいずれも使用可能である。一次元CCDイメージセンサは、画像をラインスキャンで読み取る。一次元CCDイメージセンサは低コストであるために好適に使用される。また、カメラ261は、CCDイメージセンサに替えてCMOSイメージセンサ等を用いることもできる。また、カメラ261は、200万画素~1億画素、1秒間に30,60,100,1000,2000フレーム、機械分解能10分の1程度の読出しが可能なものを用いることができる。更に、ローリングシャッター及びグローバルシャッターのいずれも使用可能だが、グローバルシャッターを用いることで、歪みの少ない画像を得ることができ、加工処理物の加工精度をより向上可能となる。
【0039】
カメラ261は、複数のマークMを1度に撮像できる撮像範囲を有するものでもよくシートSの一部を撮像可能とするなど、一部のマークを撮像するものでもよい。例えば、シートSの全体を一度に撮像可能なカメラ261を用いることによって、搬送方向F及び幅方向Wに並設された複数のマークMの間の長さをより精度よく演算することができる。
【0040】
図4は、シートSに施される加工情報の一例を示す。同図に示すシートSには、複数のマークMが印刷されている。マークMは、印刷マークMpを含む。印刷マークMpは、加工部19でシートSに施される加工位置の基準を指し示す。図4では、印刷マークMpは、シートSの左端部分の3か所に印刷された場合を示す。印刷マークMpは、前端マークMp1、第2マークMp2及び後端マークMp3を含む。前端マークMp1は、シートSの前端部分に設けられる。第2マークMp2は、前端マークMp2より所定量離間した位置に印刷される。後端マークMp3はシートSの後端部分に設けられる。
【0041】
カメラ261が印刷マークMpを撮像する際、シートSの搬送方向Fの一部を撮像可能であればよい。よって、例えば、カメラ261がシートSの前端縁Efから後端縁Ebまでの全体で、同図におけるシートSの左側端縁Esから20mmの範囲を等とすることができる。
【0042】
また、複数の印刷マークMpを個別に撮像してもよい。この場合、搬送部4によるシートSの搬送で、各印刷マークMpがカメラ261の設置位置に至ったタイミングで、順次撮像することができる。例えば、前端マークMp1の周辺をカメラ261によって撮像する際の撮像範囲は、シートSの前端縁Efから20mm、左側端縁Erから20mmの範囲等をとすることができる。シートSの搬送量と、カメラ261により撮像されたマークMの画像データとから、演算部451はマーク間の長さを演算することができる。
【0043】
図5に前端マークMp1周辺を拡大して示す。印刷マークMpは平面視L字状に形状されている。印刷マークMpは所定長さの直線状部分を含む。印刷マークMpの直線状部分は、縦印刷マークMf及び横印刷マークMwにより構成されている。縦印刷マークMf及び横印刷マークMwは、いずれも細長い矩形状に形成され、縦印刷マークMfの下流側端部と横印刷マークMwの右端部とが、結合されている。第2マークMp2及び後端マークMp3についても前端マークMp1と同様の構成を有する。
【0044】
また、読取部26は、シートSに施されるべき各種処理動作に関する情報を読み取る。図4では、各種処理動作に関する情報がバーコードMbにより示される場合を示す。バーコードMbは、シートSに印刷される。バーコードMbはシートSの下流側の前端部分に、印刷マークMpに隣接して設けられる。
【0045】
読取部26は、バーコードMbの画像データを読み取ってシートSに施されるべき各種加工情報を取得する。読取部26は、シートSの加工位置を含む加工を行うために必要な各種情報を設定する設定部を構成する。また、これに替えて、またはこれに加えて読取部26は、バーコードMbの画像から、シートSに施すべき加工処理情報を制御装置45の記憶部454から呼び出すための番号を取得してもよい。
【0046】
バーコードMbは、シートSの縦方向や横方向のサイズ情報、印刷マークMpの位置情報、縦方向の各種加工(裁断、ミシン目、コーナーカット、クリース)のための位置情報、横方向の各種加工(裁断、ミシン目、コーナーカット、クリース)のための位置情報等の各種情報を表現するマークである。バーコードMbには、印刷マークMpの基準サイズや基準となるマークMの間の長さに関する情報を記憶してもよい。なお、加工を行うために必要な各種情報及び基準サイズ、マーク間の長さ等は、操作用のパネル46やPC(パーソナルコンピュータ)を介して使用者が入力することもできる。パネル46やPCは、シートSの加工位置を含む加工情報を設定する設定部を構成する。
【0047】
例えば、あるシートSに印刷されたバーコードMbには、図4に示すような加工を行うことを指示する加工情報が記録されている。すなわち、第1~第4裁断線T1~T4のスリット位置に沿って縦方向の裁断加工を行うこと、第1~第10裁断線K1~K10の裁断位置に沿って横方向の裁断加工を行い、1枚のシートSから横2行、縦5列の合計10枚の加工処理物Qを得ることがバーコードMbに記録されている。
【0048】
搬送部4のローラ10の下流側には、リジェクト機構25が設けられる。リジェクト機構25は、回動部材251、回動検出部255、案内部材253、案内ローラ254及びリジェクトトレイ252を備える。回動部材251は、作動時に搬送路5を遮る姿勢となる。回動検出部255は2つの光学式センサ256及び遮光板257からなる。遮光板257は、回動部材251に固定され、回動部材251の回動動作に伴って、2つの光学式センサ256の間で移動する。これより、回動部材251がシートSを下方から支持する実線で示す水平姿勢と、シートSをリジェクトするため搬送路5を遮る二点鎖線で示す傾斜姿勢とのいずれであるかを検出する。
【0049】
シートSのマークMやバーコードMbが不鮮明である等何らかの理由によりリジェクトすべきシートSがある場合、回動部材251が回動され、当該シートSを搬送路5の下方へ落下させる。搬送路5の下方では、リジェクトされたシートSが案内部材253及び案内ローラ254によって案内され、リジェクトトレイ252で回収される。
【0050】
加工装置1は、装置における各種動作を制御するための制御装置45を装置本体2に備えている。制御装置45には、ROM(フラッシュROM)やRAM等の記憶部454、入力デバイスとしての各種センサ26、91~95、出力デバイスとしての各種モータ41~44、47~49及び、入出力デバイスとしての操作用のパネル46、各種演算処理を行う演算部451、演算部451の検算結果に基づき調整を行う調整部30、供給部3、搬送部5及び加工部材191等の各部の動作を制御する制御部455が、それぞれ電気的に接続されている。制御部455は、予め、記憶部454に記憶された加工位置においてシートSに加工処理を施し、加工処理物Qを得るよう搬送部4及び加工部19を制御する。
【0051】
記憶部454には、カメラ261により撮像された印刷マークMpの画像データやバーコードMbの画像データ、シートSのサイズ情報や印刷マークMpの位置情報、各種加工情報、及び、シートSの前端部Ef又は後端部Ebがシート検出部91~95を通過することによって得られるシートSの位置情報等の各種情報が、CPUを介して一時的に記憶される。
【0052】
バーコードMbから得られるサイズ情報や操作用のパネル46からの入力情報によってシートSの縦方向長さが記憶部454に記憶されている。したがって、シートSの下流側の前端縁Ef又は上流側の後端縁Ebのいずれか一方を検出することによって、シート検出部91の設置位置を基準にして、シートSの搬送路5上におけるシートSの位置、特に各シートSの後端位置を一義的に規定することができる。
【0053】
上記のように最も上流に設置されたシート検出部91によってシートSの搬送路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出することができる。しかし、他のシート検出部92~95は、シートSの搬送路5が長くなってシートSの搬送路5上のシートSの縦方向の位置ズレ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、シート検出部91で得られたシートSの位置情報を修正して、当該シートSの位置情報をより正確なものにするために設置している。シート検出部94の検出結果をもとに下流側のクリース部21及び横裁断部22の加工処理が実行される。
【0054】
記憶部454には、予め、基準サイズ及びマーク間の長さが記憶される。基準サイズ及びマーク間の長さは、シートSが伸縮していない状態でのマークのサイズ及びマーク間の長さである。基準サイズ及びマーク間の長さは、印刷マークMpについて、搬送方向F及びこれに直交する幅方向Wの双方を記憶することができる。基準サイズ及びマーク間の長さは、加工装置1の設置時、シートSの加工処理開始時や処理中、または、加工装置1のメンテナンス時などに、任意に調整し、変更できることとしてもよい。
【0055】
演算部451は、記憶部454に記憶された画像データと、予め、記憶部454に記憶されている基準サイズとを比較して、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。また、演算部451は、記憶部454に記憶された画像データから得られる複数の座標と、予め記憶部454に記憶されたマーク間の長さとを用いて、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。
【0056】
加工装置1により加工処理されるシートSは、プリンターによって既に画像が形成されていることが多い。加工装置1でシートSに施す裁断、折り型やミシン目形成等の加工処理は、シートSの画像の形成位置に応じて行われることが要求される。
【0057】
しかし、画像形成後のシートSや、シートSに印刷された画像は、紙の目や印刷内容によって伸縮することがある。演算部451は、カメラ261の撮像により得られた画像データと伸縮のない基準サイズやマーク間の長さと比較し、伸縮率を演算する。
【0058】
演算部451が印刷マークMpのサイズまたは複数の座標の位置を把握する方法は、公知の種々の方法を利用可能である。例えば、演算部451は、印刷マークMpの画像データを基に輪郭を認識する。その際、演算部451は必要により投影処理、微分処理、サブピクセル処理等を施してもよい。輪郭は、例えば、縦印刷マークMfのうち、シートSの側端縁Esに近い外側の搬送方向に沿った直線状部分Mf1について得ることができる。これに替えて、縦印刷マークMfの側端縁Esから遠い内側の直線状部分Mf2について得ることも可能である。縦印刷マークMfの前端部Mf3及び後端部Mf4について得ることも可能である。
【0059】
また、横印刷マークMwのシートSの前端縁Efに近い外側の搬送方向に沿った直線状部分Mw1について得るか、または、横印刷マークMwの前端縁Efから遠い内側の直線状部分Mw2について得ることが可能である。そして、横印刷マークMwの左右両端部Mw3,Mw4についても演算可能である。
【0060】
そして、演算部451は、マークMの輪郭を基に、当該マークMの輪郭線の長さを演算する。演算により得られた画像データのマークMのサイズを、記憶部454に記憶されている基準サイズと比較し、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。基準サイズは、シートSまたはシートSに印刷された画像の伸縮がない状態の大きさである。例えば、図5に示すように、印刷マークMpの輪郭から縦印刷マークMf及び横印刷マークMwのそれぞれの輪郭線の長さLf、Lwを演算し、実際の印刷マークMpのサイズとする。得られた実際の印刷マークMpのサイズを、記憶部454に記憶されている基準サイズと比較し、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。
【0061】
更に、演算部451は、マークMの輪郭から当該マークMのいずれかのポイントの座標を演算し、対応するマークMの間の長さと比較して、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算することも可能である。
【0062】
例えば、演算部451は、記憶部454に記憶した画像データの輪郭から、図5に示す前端マークMp1の左下のポイントの座標Up1を演算する。また、同様に、図4に示す第2マークMp2の左下のポイントの座標Up2を演算する。得られた座標Up1、Up2から前端マークMp1と、第2マークMp2間の長さLtを演算する。
【0063】
そして、これらを予め記憶部454に記憶された前端マークMp1、第2マークMp2間の基準となる伸縮のない場合の長さと比較することで、加工対象のシートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。
【0064】
また、例えば、前端マークMp1の縦印刷マークMf及び横印刷マークMwの交点の外側となる前左隅の座標Up1と後端マークMp3の前左隅の座標Up3を演算する。得られた座標Up1、Up3から前端マークMp1と、後端マークMp3間の長さLkを演算する。そして、これらを予め記憶部454に記憶された前端マークMp1と後端マークMp3の間の基準となる長さLkと比較することで、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率の伸縮率を演算する。
【0065】
図示省略するが、例えば、全ての加工処理物Qの左下部分などといった複数箇所に複数の印刷マークを設け、これら複数の印刷マークの対応する座標を用いてマーク間の長さを演算し、伸縮のない基準となるマーク間の長さと比較し、伸縮率を演算することも可能である。
【0066】
伸縮率の演算に用いる座標の位置は、マークMの左下や加工線上、交点の外側等に替えて、マークの交点の内側、右上、中央位置等他のいずれかの位置としてもよい。尚、シートSにおける位置がより離れており、マーク間の長さが長い位置に印刷されたマークを選択した方が、短いときより誤差を小さくできる。
【0067】
また、3個以上のマークMを選択して、それらの対応する所定位置の座標を演算することで、マーク間の長さを複数演算してもよい。この場合、その平均値または中央値等と、基準となる長さとから伸縮率を演算してもよい。
【0068】
調整部30は、演算部451の演算結果に基づいて加工部材191がシートSへ施す加工位置を調整する。調整部30は、演算結果に基づく調整を、搬送部4の搬送方向Fまたは搬送方向Fに直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおける加工処理物Qの所定位置または一の端辺について行うことができる。調整部30は、裁断位置の一部を伸縮率に基づき調整しつつ、記憶部454に記憶された大きさの加工処理物Qが得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整することができる。
【0069】
また、調整部30は、加工処理物Qの前端の裁断位置を、伸縮率に基づいて調整し、加工処理物Qの後端の裁断位置を、伸縮率に基づく調整を行うことによって決定された前端裁断位置からの長さが記憶部454に記憶された加工処理物Qの大きさに等しくなるよう調整する。そして、調整部30は、全ての裁断位置に対して一律に伸縮率に基づいた調整を行う一律調整モード、または、裁断位置の一部を伸縮率に基づき調整しつつ、記憶部454に記憶された大きさの加工処理物Qが得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する部分調整モードのいずれかを使用者が選択する選択部70を備える。
【0070】
演算部451は、記憶部454に記憶された画像データからマークMの傾斜角度を演算してもよい。演算により得られた傾斜角度に基づいて加工部材191がシートSへ施す加工の処理角度を調整することとしてもよい。
【0071】
また、加工装置1は、操作用のパネル46を備える。
【0072】
次に、加工装置1の動作について説明する。まず、主電源スイッチを入れ加工装置1を立ち上げると、各種の内部動作チェックを行う。加工装置1の使用者は、供給台36に、シートSの束を載置する。供給台36上で使用者は、シートSの一方の側端縁Esがガイド壁361に接触する基準位置に調整しシートSを載置する。そして、使用者は、シートSの加工情報を、操作パネル46を用いて入力するか記憶部454から呼び出し、設定する。
【0073】
図6は加工装置1の制御フローを示す。図6のステップ101で、制御装置45は、使用者の設定によりシートSの加工情報を取得する。シートSの加工情報には、シートSの搬送方向F及び幅方向Wの長さ、シートSの裁断位置、クリース形成位置が含まれる。更に、加工情報には、縦印刷マークMfの長さLf、横印刷マークMwの長さLw等の基準サイズ、及び、複数の印刷マークMp間の長さLt、Lk等のマーク間の長さが含まれる。
【0074】
取得した加工情報を基に、制御装置45は、搬送方向Fに沿った裁断をするための裁断位置情報から、スリット部20での左右の各スリッター201のホームポジションから各裁断位置への幅方向Wへの移動すべき長さを算出する。また、制御装置45は、幅方向Wに沿った裁断を行うための裁断位置情報から、シートSの前端縁Efから各々の裁断位置まで搬送部4によって搬送すべき長さを算出する。
【0075】
また、制御装置45は、基準サイズ及びマーク間の長さを、加工情報または記憶部454から取得し、設定することができる。
【0076】
図6のステップ102で、制御装置45は、シートSの加工処理の準備動作を行う。
加工処理の準備動作では、給紙部3において、昇降部を駆動し、供給台36をシートSの搬送路5への供給位置へ移動する。そして、送風機38を駆動し、空気流によりシートSを1枚ずつ捌く。スリット部20では直前の加工処理の裁断位置に位置するスリッター201を一旦ホームポジションへ移動する。そして、制御装置45は、算出移動量だけスリッター201を幅方向Wに移動し、スリッター201を加工位置に位置させる。横裁断部22では、上刃221を上限位置へ移動するよう横裁断駆動部50を駆動する。また、制御装置45は、リジェクト機構25において搬送路5から排除したシートSの排除回数を0に設定する。搬送部4では、搬送駆動部41~44の励磁を開始する。
【0077】
使用者がシートSの加工処理開始の操作を行うと、図6のステップ103で、シートSの加工処理動作を開始する。図は、ステップ103の加工処理の詳細なフローである。図7のステップ11で、制御装置45は、供給台36上のシートSの束から、吸引搬送機構31によって一枚ずつシートSを搬送路5へ供給する。その際、制御装置45は、まず、吸引手段を駆動し、最上位のシートSを吸引箱314の下面に引き付けて吸着させる。そして、制御装置45は、ローラ311,312を回転してベルト313を走行させる。
【0078】
シートSは、ガイド壁361にシートSの一方の側端縁Esを沿わせつつ搬送路5を下流側へ搬送される。ステップ12で、重送検知部35の検出結果より、シートSが重送されたかどうか判断する。シートSが重送していたならば、ステップ20に進み、制御装置45は、供給したシートSを搬送路5から排除する。
【0079】
シートSを搬送路5から排除する際、制御装置45は、重送した状態で送られた複数枚のシートSを、斜行補正機構32、供給ローラ33,34及び搬送部4のローラ10により下流側のリジェクト機構25へ搬送する。そして、制御装置45は、回動部材251の駆動源を駆動して回動部材251を水平姿勢から傾斜姿勢へと回動する。シートSは、傾斜姿勢の回動部材251によって下方へ案内され、案内部材253、案内ローラ254によって送られ、リジェクトトレイ252に回収される。
【0080】
後続のシートSは、通常の設定では、処理が継続される。リジェクトすることによって、加工処理物Qの順序が入れ替わるのが好ましくない場合には、使用者が設定操作することによって、加工処理動作を停止させてもよい。使用者は、搬送路5から排除されたシートSをリジェクトトレイ252または搬送路5上から回収し、供給台36に再度積載しなおす。これより、シートSは予め想定した順序で加工処理され、排出台61に積載される。
【0081】
図7のステップ20からステップ21へ進むと、制御装置45は、シートSの搬送路5からの排除回数を加算する。ステップ22へ進み、制御装置45は、シートSの搬送路5からの排除回数が予め設定した所定値を超えたかどうか判断する。所定値を超えていないとき、ステップ11に戻る。ステップ22で排除回数が所定値を超えたとき、リジェクトトレイ252が満杯であると判断し、リターンとなる。図7のリターンから図6のステップ103に戻ると終了となる。
【0082】
図7のステップ12でシートSの重送が検出されないとき、ステップ13に進む。重送検知部35を通過したシートSは、斜行補正機構32に送られる。斜行補正機構32では、シートSの斜行が修正される。ベルト323上に送られて来たシートSの搬送が斜めであった場合、ガイド部材324に平行な方向に向けてシートSが搬送されるよう修正される。その際、制御装置45は、ベルト323を走行させることで、シートSが、ガイド部材324に向けて搬送されるようにする。シートSの側端縁Esがガイド部材324に接触しながら下流側へ搬送されると、シートSの斜行は修正される。
【0083】
斜行補正機構32の下流側で、シートSは供給ローラ33、34によって挟持搬送される。供給ローラ34の下流側にシートSの前端縁Efが至ると、シート検出部91によってシートSの前端縁Efが検出される。その後、読取部26にシートSの印刷マークMp及びバーコードMbを読み取る直前の位置までシートSをステップ搬送する。
【0084】
シートSが読取部26の設置位置に至ると、カメラ261によってシートSに印刷されたマークMとバーコードMbとが撮像される。
【0085】
カメラ261で撮像する際、所定値まで減速した状態で且つ、カメラ261が一次元の読取の場合、シート搬送速度が一次元の読取速度の整数倍となる速度でシートSの搬送を続けながら、カメラ261が、シートSのマークM及びバーコードMbを撮像する。
【0086】
カメラ261が、例えば一次元CCDイメージセンサにより構成される場合、主走査方向及び副走査方向の各データを順次取得する。予め設定した必要となる所定長さの撮像を実行したところでカメラ261による検出を終了する。制御装置45は、読み取られた主走査方向及び副走査方向の印刷マークMpの画像データからシートSの位置を把握する。
【0087】
一方、読取部26が2次元の画像を読み取り可能に構成される場合、カメラ261は、マークM、バーコードMb、シートSの前端縁Ef、側端縁Esを2次元で読み取る。撮像された画像データは、制御装置45に送られて記憶部454に一時的に記憶される。
【0088】
ステップ14に進み、撮像した画像データが適切かどうか判断する。カメラ261で撮像した印刷マークMp及び/又はバーコードMbの画像が不鮮明のために適切に読取できないと制御装置45が判断した場合、ステップ20に進み、当該シートSをリジェクト機構25によって搬送路5から排除する。そして重送を検出したときと同様に、ステップ21でシートSの排除回数を加算し、ステップ22でシートSの排除回数が所定値を超えたかどうか判断する。
【0089】
図7のステップ14で画像データが適切な場合、ステップ15に進む。ステップ15で、演算部451は、記憶部454に一時的に記憶された画像データと、予め、記憶部454に記憶されている基準サイズとを比較し、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。また、演算部451は、記憶部454に一時的に記憶された画像データから得られる複数の座標と、予め記憶部454に記憶されたマーク間の長さとを用いて、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する。
【0090】
加工処理すべきシートSが、画像形成後のシートSである場合、画像形成の際にシートSが加熱されるために、シートSに含まれる水分量が変化する。バーコードMbや使用者の操作によるパネル46からの入力、設定等によって、予め記憶部454に記憶されたマークMの基準サイズや、基準となるマーク間の長さと比較することで、カメラ261によって撮像された画像データから得られるマークMのサイズやマークM間の長さを用いて伸縮率を演算できる。
【0091】
ステップ16で、調整部30は、演算部451の演算結果に基づいて加工部材191がシートSへ施す加工位置を調整する。例えば、演算部451の演算結果によれば、縦印刷マークMfの基準サイズが10.0mmであるところ、カメラ261により撮像された縦印刷マークMfの画像データから演算された長さLfが10.1mmであったとする。この場合、伸縮率は1%となる。
【0092】
ここで、カメラ261の解像度が200dpiである場合、10.0mmの縦印刷マークMfは、80ドッドを含む。また、分解能が10分の1のとき、ドット間の長さは、0.0125mmとなる。これより、画像データの読み取り誤差は問題となるレベルではない。
【0093】
通常、シートSに形成された画像からの加工位置のずれを低減しつつ、得られる加工処理物Qの精度を重視し、予め、記憶部454に記憶された大きさの加工処理物Qが要求される。このようなとき、全ての加工位置について、一律に伸縮率を用いて加工位置を調整するという方法がある。このように、全ての裁断位置等の加工位置に対して一律に伸縮率に基づいた調整を行う一律調整モードを使用者が希望する場合、使用者が選択部70からこの一律調整モードを選択する。
【0094】
得られた伸縮率を用いて、調整部30は、シートSの加工位置を調整する。制御部45は、シートSの前端縁Sfからの各裁断位置K1~K10まで、搬送部4によって搬送すべき長さL1~L10の調整後の値を算出する。例えば、図8に示すように、設定されたシートSの前端縁Sfから第1行目の加工処理物Q1の前端縁Q1fを形成するための第1裁断線K1までの長さL1が図9に示すように、10mmであったとすると、調整後の裁断線K1までの長さは、10×1.01=10.1mmとなる(図10参照)。
【0095】
同様にシートSの前端縁Sfから第2,3,4裁断線K2,K3,K4までの設定値が60mm,70mm,120mmであったとすると、調整後の長さは、それぞれ60.6mm、70.7mm、121.2mmとなる。
【0096】
これより、画像形成によるシートSまたは当該画像の伸縮に応じて、該シートSを加工処理すること可能となる。シートSに形成された画像の境界線に対応した位置で、裁断、クリース形成、ミシン目形成等各種処理をシートSに施すことができる。
【0097】
一方、加工処理の内容によっては、シートSに施された印刷画像からの加工位置のずれを低減しつつも、得られる加工処理物Qの精度を重視し、予め、記憶部454に記憶された大きさの加工処理物Qが要求されるときもある。また、同じ画像、同じ加工処理を異なる日に実行するような場合、画像形成時の環境温度や環境湿度、シートSの保管環境によって、シートSまたは当該シートSに印刷られた画像の伸縮率が異なることがある。このようなとき、伸縮率を用いて全ての加工位置を一律に調整した場合には、予め、記憶部454に記憶された加工情報が同じ加工処理物Qを加工処理した際に、得られた加工処理物Qの大きさが異なってしまう恐れがある。
【0098】
このような場合、使用者は、一律調整モードに替えて、加工位置の一部については印刷画像位置に合わせ調整しつつ、他の加工位置についてはその調整後の加工位置に対し、設定部で設定した設定値を用いて加工処理する部分調整モードを、選択し、設定を行う。また、使用者は、どの加工位置について伸縮率を用いた調整を行うのかを選択、設定可能としてもよい。
【0099】
使用者が加工位置の一部については画像形成位置に合わせ伸縮率で調整しつつ、他の加工位置については当該調整後の加工位置に対し、設定部で設定した設定値を用いて加工処理することを選択した場合、まず、制御部45は、シートSに形成された画像に応じた位置での加工処理を行うために、予め、記憶部454に記憶された加工位置のうちの一部を入力された伸縮率に基づいて調整する。その際、制御部45は、搬送部4の搬送方向または前記搬送方向Fに直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおける加工処理物Qの所定位置または一の端辺について伸縮率に基づく調整を行うよう制御することができる。そして、伸縮率に基づき調整を行った一部の加工位置を基準として、他の加工位置を予め、記憶部454に記憶された加工位置で調整する。
【0100】
例えば、加工処理物Qの一の端辺である搬送方向F前端縁Q1fを基準とする場合、加工情報から、シートSの前端縁Sfからの第1行目の加工処理物Q1の前端縁Q1fを形成するための第1裁断線K1までの長さL1が10mmであったとし、シートSの伸縮率が1%であったとき、調整後の裁断線K1までの長さは、上記と同様に、10×1.01=10.1mmとなる。
【0101】
そして、加工処理物Qの大きさを設定値と等しくするために、制御部45は、上記加工処理物Qの前端縁Q1f以外の加工位置を予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの大きさに基づいて調整するよう制御する。例えば、予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの搬送方向Fの長さL1となる第1裁断線K1から第2裁断線K2までの長さが50mmであるとする。第2裁断線K2の位置は、10.1mm+50mm=60.1mmの位置に調整される(図11参照)。
【0102】
第3裁断線K3は、シートSの第2行目の加工処理物Q2の前端縁Q2fに該当する。よって、第1裁断線K1と同様に、伸縮率に基づく調整を行うこととする。シートSの前端縁Sfから第3裁断線K4までの設定値が,70mmであったとすると、調整後の長さは、70mm×1.01=70.7mmとなる。
【0103】
第4裁断線K4は、第2裁断線K2と同様に、予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの大きさに基づいて調整される。よって、例えば、予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQが50mmであるとする。第4裁断線K4の位置は、70.7mm+50mm=120.7mmに調整される。
【0104】
同様に、幅方向Wの加工処理物Qの一の端辺、例えば、搬送方向Fを向いたときの加工処理物Qの右端縁Qrまたは左端縁QLについて、伸縮率に基づき調整を行い、当該伸縮率に基づき調整を行った一部の加工位置を基準とし、残りの幅方向Wの横裁断部22による加工位置を予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの大きさを用いて調整する。
【0105】
次に、伸縮率に基づき調整を行う一部の加工位置を加工処理物Qの後端縁Qeとする場合について説明する。加工処理物Qの後端縁Qeを基準とする場合、予め、記憶部454に記憶されたシートSの前端縁Sfから加工処理物Qの後端縁Qeを形成するための第2裁断線K2までの長さが60mmであり、シートSの伸縮率が1%である場合、第2裁断線K2の加工位置は60mm×1.01=60.6mmとなる(図12参照)。
【0106】
そして、加工処理物Qの前端縁Qfを形成するための第1裁断線K1の位置は、60.6mm-50mm=10.6mmとなる。
【0107】
予め、記憶部454に記憶された第4裁断線K4の位置がシートSの前端縁Sfから120mmの長さの位置であるとき、伸縮率を基に調整を行うと、120mm×1.01=121.20mmとなる。第3裁断線K3の位置は第4裁断線K4の加工位置から設定部で設置された加工処理物Qの長さを減算し、120.12mm-50mm=71.2mmとなる。
【0108】
次に、伸縮率に基づく調整を、加工処理物Qの所定位置について行う場合について説明する。例えば、予め、記憶部454に記憶された第1行目の加工処理物Q1の中央線C1が、シートSの前端縁Sfから35mmであったとする。シートSの伸縮率が1%のとき中央線は35mm×1.01=35.35mmの位置に調整される(図13参照)。
【0109】
この中央線C1を基準とし、予め、記憶部454に記憶された第1行目の加工処理物Q1の搬送方向Fの長さの半分の25mmを差し引くと、第1裁断線K1は、35.35mm-25mm=10.35mmとなる。第2裁断線K2の位置は、中央線C1に加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQの半分を加算し、35.35mm+25mm=60.35mmとなる。
【0110】
同様に、第2行目の加工処理物Q2の中央線C2が、シートSの前端縁Sfから95mmであったとする。シートSの伸縮率が1%のとき中央線は95mm×1.01=95.95mmの位置に調整される。第3裁断線K3は、95.95mm-25mm=70.95mm,第4裁断線K4は、95.95mm+25mm=120.95mmとなる。
【0111】
使用者が部分調整モードを選択し、加工位置の一部については画像形成位置に合わせた伸縮率で調整しつつ、他の加工位置については当該調整後の加工位置に対し、使用者が設定した伸縮を考慮しない大きさの加工処理物Qを得ようとする場合、まず、調整部30は、シートSに形成された印刷画像に応じた位置で加工処理を行うために、予め、記憶部454に記憶された加工位置のうちの一部を伸縮率に基づいて調整する。
【0112】
例えば、加工処理物Qの一の端辺である搬送方向F前端縁Q1fを基準とする場合、加工情報から、シートSの前端縁Sfからの第1行目の加工処理物Q1の前端縁Q1fを形成するための第1裁断線K1までの長さL1が10mmであったとし、印刷マークMpの規定値に対する伸縮率が1%長くなっていたとき、調整後の裁断線K1までの長さは、10×1.01=10.1mmとなる。
【0113】
そして、加工処理物Qの大きさを設定値と等しくするために、制御部45は、上記加工処理物Qの前端縁Q1f以外の加工位置を予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの寸法に基づいて調整するよう制御する。例えば、予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの搬送方向Fの長さL1となる第1裁断線K1から第2裁断線K2までの長さが50mmであるとする。第2裁断線K2の位置は、10.1mm+50mm=60.1mmの位置に調整される(図11参照)。
【0114】
第3裁断線K3は、シートSの第2行目の加工処理物Q2の前端縁Q2fに該当する。よって、第1裁断線K1と同様に、規定値に基づく調整を行うこととする。シートSの前端縁Sfから第3裁断線K4までの設定値が,70mmであったとすると、調整後の長さは、70mm×1.01=70.7mmとなる。
【0115】
第4裁断線K4は、第2裁断線K2と同様に、予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの寸法に基づいて調整される。よって、例えば、予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQが50mmであるとする。第4裁断線K4の位置は、70.7mm+50mm=120.7mmに調整される。
【0116】
同様に、幅方向Wの加工処理物Qの一の端辺、例えば、搬送方向Fを向いたときの加工処理物Qの右端縁Qrまたは左端縁QLについて、伸縮率に基づき調整を行い、当該伸縮率に基づき調整を行った一部の加工位置を基準とし、残りの幅方向Wの横裁断部22による加工位置を予め、記憶部454に記憶された加工処理物Qの寸法を用いて調整する。
【0117】
図7のステップ17に進み、シートSの加工処理を実行する。制御部455が記憶部454に記憶された印刷マークMpの画像データと、記憶部454に記憶された規定値とを比較し、搬送路5におけるシートSに施された印刷の位置を予測する。そして、スリット部20の各スリッター201を、バーコードMbが示す所定のスリット位置に、印刷マークMpの規定値に対する伸縮率を考慮した所定の幅方向Wの位置へ移動し、スリット加工を行う。スリッター201の幅方向Wの位置は、シートSの搬送位置に合わせ、順次適切な位置へ移動される。
【0118】
シートSが横裁断部22に至ると、上刃221、及び下刃222によって、シートSに幅方向Wに沿った裁断処理を施す。その際、カメラ261で撮像した横印刷マークMwの搬送位置に応じて、バーコードMbによる設定値を修正することができる。また、カメラ261の撮像後シートSについての搬送誤差を検出していた場合には、修正後のシートSの位置情報をシート検出部92~94で得られたシートSの位置情報に更に修正することができる。そして、これらの修正量に対応する所定位置でシートSの搬送を停止する。加工部19の加工処理により得られた加工処理物Qは、排出台61に排出される。
【0119】
図7のステップ18で装置の停止操作がされるとリターンとなる。また停止操作されない場合に、ステップ19に進み、供給台36上にシートSが載置されている間は、ステップ11に戻り、後続のシートSを搬送路5へ供給する。ステップ19でシートSがなくなると、リターンとなる。
【0120】
以上より、本実施形態に係る加工装置1によれば、シートSの所定位置に印刷された所定サイズのマークMを撮像するカメラ261と、カメラ261により撮像されたマークMの画像データを記憶する記憶部454と、記憶部454に記憶された画像データと、予め、記憶部454に記憶されている基準サイズとを比較し、シートSの伸縮率を演算する演算部451と、演算部451の演算結果に基づいて加工部材191がシートSへ施す加工位置を調整するので、シートSの伸縮によりシートSの画像が基準サイズと異なるとき、画像に合わせた位置で該シートSに加工処理を施すことができる。
【0121】
また、記憶部454に記憶された画像データから得られる複数の座標と、予め記憶部454に記憶されたマークM間の長さとを用いて、シートSまたはシートSに印刷された画像のうち少なくともいずれかの伸縮率を演算する演算部451と、演算部454の演算結果に基づいて加工部材191がシートSへ施す加工位置を調整する場合は、画像に合わせた位置でシートに加工処理を施すことができる。
【0122】
更に、調整部30は、裁断位置の一部を伸縮率に基づき調整しつつ、記憶部454に記憶された大きさの加工処理物Qが得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する場合は、画像に合わせた位置で裁断しつつ、使用者の所望する加工処理物Qを得ることができる。
【0123】
更に、調整部30は、加工処理物Qの前端の裁断位置を、伸縮率に基づいて調整し、加工処理物Qの後端の裁断位置を、伸縮率に基づく調整を行うことによって決定された前端裁断位置からの長さが記憶部454に記憶された加工処理物Qの大きさに等しくなるよう調整する場合は、印刷画像位置に合わせて裁断位置を調整しつつ、所望する大きさの加工処理物Qを得ることができる。
【0124】
調整部は、全ての裁断位置に対して一律に前記伸縮率に基づいた調整を行う一律調整モード、または、裁断位置の一部を前記伸縮率に基づき調整しつつ、前記記憶部に記憶された大きさの加工処理物が得られるよう他のいずれかの裁断位置を調整する部分調整モードのいずれかを使用者が選択する選択部を備えたので、使用者の利便性が向上する。
【0125】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様で実施可能である。例えば、シートSに対してシートSの搬送方向Fの加工を施す加工手段として5つの着脱自在な加工ユニット247,257を用いたが、シートSの搬送方向Fの加工手段の配置数やそれらの配置順番やそれらの加工デバイスは、所望とする加工内容に応じて、適宜変更することができる。シートSの幅方向Wの加工部19についても、同様である。
【0126】
また、シート検出部91~95の配置場所や配置数も、使用する加工手段に応じて適宜変更することができる。また、上記実施形態では、シート検出部91~95を設けて、シートSの縦方向の搬送誤差を検出したが、これらのシート検出部91~95を設けずに、シート検出部91で検出されたシート位置だけを基準にして、シートSの搬送路5上で搬送されている各シートSのそれぞれのシート位置を一義的に検出するように構成することができる。
【0127】
また、本発明において、横方向に移動して横方向に位置決めし得るスリット部20のスリッター201は、縦方向の裁断加工を施したが、これに限定されず、縦方向のミシン目加工、縦方向のクリース加工、又は、被加工対象物のコーナー部分への丸め加工等から適宜選択して用いることができる。これらの加工デバイスは、加工ユニット内にシートが無い状態で、すなわち、加工デバイスにシートが噛み込まれていない状態で、横方向に位置決め移動する。
【0128】
また、印刷マークMpは、シートSにL字状に形成したが、シートSに印刷され、加工処理を施す所定位置、または前記所定位置の基準の少なくともいずれかを指し示すことができればよく、シートの後端縁、側端縁としてもよく、加工処理位置に対応して設けたシートの切欠き、マーク、凹凸等であってもよい。更に、印刷マークMpはL字状に替えて四角形や三角形、多角形としてもよい。印刷マークMpはシートの前端隅部に設けたがシートの中央部分や後端部分でもよく、側縁近傍でもよい。
【0129】
また、上記実施形態では幅方向Wに沿った裁断線Kについて伸縮率に基づき調整したが、搬送方向に沿った裁断線について同様に伸縮率に基づき調整できる。
【0130】
また、シートが重送したとき、及びシートに加工処理を施さないときには、リジェクト機構によってシートを搬送路5から排除したが、これに替えて、ローラの回転及びベルトの走行を停止することで、シートの搬送を停止してもよい。この場合、使用者は必要によりローラを逆回転し、またベルトを逆走させることで、シートを回収し、供給台に再度載置することができる。また、加工処理を施さないままでシートを搬送路を経て排出台への排出してもよい。これらシートの搬送路からの排除、搬送の停止、または搬送路を経た排出台への排出を適宜組み合わせて実行してもよい。また、重送検知部35を備えたが、無くてもかまわない。
【符号の説明】
【0131】
M マーク、S シート、1 加工装置、4 搬送部 2 装置本体、5 搬送路、30 調整部、191 加工部材、261 カメラ、451 演算部、454 記憶部。
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