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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】物品管理装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022192830
(22)【出願日】2022-12-01
(62)【分割の表示】P 2021115837の分割
【原出願日】2017-08-31
(65)【公開番号】P2023014309
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】小島 健治
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 貴博
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-141306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 19/00
E05B 65/00-65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を取り出しおよび返却可能に保管する保管部と、
前記保管部から取り出された物品の返却遅延の有無を判定する判定部と、
前記判定部で物品の返却に遅延があったと判定された場合に、返却遅延理由が入力可能となる入力部と、
前記返却遅延理由の少なくとも一部を返却遅延理由候補として選択可能に入力させる制御部と
を備え
前記保管部を複数備え、
前記返却遅延理由候補は前記保管部ごとに設定可能であることを特徴とする物品管理装置。
【請求項2】
物品を取り出しおよび返却可能に保管する保管部と、
前記保管部から取り出された物品の返却遅延の有無を判定する判定部と、
前記判定部で物品の返却に遅延があったと判定された場合に、返却遅延理由が入力可能となる入力部と、
前記返却遅延理由の少なくとも一部を返却遅延理由候補として選択可能に入力させる制御部と
前記返却遅延理由候補は前記返却遅延理由の少なくとも一部を登録パターンとして記憶する記憶部と、
を備え
前記制御部は前記返却遅延理由候補を前記登録パターンにより設定させることを特徴とする物品管理装置。
【請求項3】
前記返却遅延理由候補は前記返却遅延理由をテキストで入力させる選択肢である
ことを特徴とする請求項または記載の物品管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品としての鍵を管理する鍵管理装置にあっては、予め入力された予約情報に基づき鍵貸出ダイヤグラムを作成して、鍵の取り出しおよび返却を管理する鍵管理手段を、作成された鍵貸出ダイヤグラムにしたがって制御することで、スケジュール通りに鍵の貸し出しを行う鍵管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この鍵管理装置では、カードリーダなどの利用者特定手段により利用者情報を特定し、この特定された利用者情報が対応付けされている貸出時間帯にだけ鍵管理手段からの鍵の貸し出しが許可されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-47018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鍵管理装置等の物品管理装置において、物品の返却に関する情報を詳細に管理したいという要望がある。
【0006】
本発明は、物品の返却に関する情報を詳細に管理可能な物品管理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、物品を取り出しおよび返却可能に保管する保管部と、前記保管部から取り出された物品の返却遅延の有無を判定する判定部と、前記判定部で物品の返却に遅延があったと判定された場合に、返却遅延理由が入力可能となる入力部と、前記返却遅延理由の少なくとも一部を返却遅延理由候補として選択可能に入力させる制御部とを備え、前記保管部を複数備え、前記返却遅延理由候補は前記保管部ごとに設定可能であることを特徴とする。
本発明に係る第2の態様は、物品を取り出しおよび返却可能に保管する保管部と、前記保管部から取り出された物品の返却遅延の有無を判定する判定部と、前記判定部で物品の返却に遅延があったと判定された場合に、返却遅延理由が入力可能となる入力部と、前記返却遅延理由の少なくとも一部を返却遅延理由候補として選択可能に入力させる制御部と、前記返却遅延理由候補は前記返却遅延理由の少なくとも一部を登録パターンとして記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は前記返却遅延理由候補を前記登録パターンにより設定させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物品の返却に関する情報を詳細に管理可能な物品管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の前カバーを開いた状態を示す正面図である。
図2】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の要部のブロック図である。
図3】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の鍵本体、鍵ホルダおよび保持部を示す斜視図である。
図4】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の収納物および保持部を示す斜視図である。
図5】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の操作部を示す正面図である。
図6】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図7】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図8】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図9】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図10】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図11】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図12】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図13】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図14】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の表示部の表示例を示す正面図である。
図15】本発明に係る一実施形態の物品管理装置の用紙への印字例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る一実施形態の物品管理装置を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、「前」は前後方向の前側つまり使用者から見て手前側であり、「後」は前後方向の後側つまり使用者から見て奥側であり、「左」は使用者から見て左側であり、「右」は使用者から見て右側である。
【0011】
本実施形態の物品管理装置11は、銀行等の金融機関の店舗で使用されるもので、図1に示すように、装置本体12と、装置本体12の前面側を開閉する前カバー13とを有している。
【0012】
装置本体12は、前面側が、その右側部分よりも左側部分の方が後側に位置するように段差状をなしている。装置本体12は、中央から左側部分が、前カバー13で開閉される開閉部21となっており、開閉部21よりも前側に突出する右側部分は、前カバー13で開閉されずに常時露出する前面構成部22となっている。前カバー13は、装置本体12の左端縁部に設けられたヒンジ23を介して一端側が装置本体12に回動可能に連結されており、開閉部21の前面を開閉する。物品管理装置11は、図示略の内蔵バッテリを有し、内蔵バッテリで駆動可能であって、持ち運び可能となっている。
【0013】
装置本体12には、右側の前面構成部22の前面の上部に、日時、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する液晶ディスプレイからなる表示部31が設けられており、その下側に、使用者による数字やカタナカ、アルファベット等の文字の入力操作がなされる操作部32(入力部,設定部)が設けられている。また、これらの右側に、図2に示すIDカード34が走査されると、このIDカード34からデータを読み取るカードリーダ33が設けられている。なお、表示部31と操作部32とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。
【0014】
図1に示すように、前面構成部22の前面の下部には、必要な情報を用紙の紙面に印字して排紙口35から排紙するプリンタ部36が設けられている。なお、IDカード34は、ICチップを有する電子カードや磁気カード等からなるもので、物品管理装置11の使用が許可された全ての担当者にそれぞれ個別に準備されて他との識別のための個別の使用者識別情報等が記憶されている。
【0015】
装置本体12の前カバー13で開閉される開閉部21には、その前面位置に、物品を取り出しおよび返却可能に保管する複数の保持部41(保管部)と複数の保持部42(保管部)とが設けられている。保持部41は、上下方向の位置を合わせて左右方向に複数、具体的には10カ所並べられ、このように10カ所並べられた保持部41が、上下つまり高さ方向に複数段、具体的には2段並べられている。保持部42は、全ての保持部41よりも下側に配置されており、上下方向の位置を合わせて左右方向に複数、具体的には10カ所並べられている。
【0016】
物品管理装置11は、図3に示すように、一対一で対応する鍵本体51を保持する鍵ホルダ52を有しており、保持部41は、それぞれが一対一で対応する鍵ホルダ52を着脱可能に支持する。保持部41は、対応する鍵ホルダ52を取り外し不可となるようにロック状態で保持する。
【0017】
ここで、鍵本体51は、その用途が、金融機関に設置された金庫の扉の開閉用、現金処理機の扉の開閉用、現金処理機の扉内の現金収納庫の扉の開閉用、現金処理機の扉内の回収庫の扉の開閉用、現金処理機の主電源のオン・オフ切り換え用等となっている。連結された鍵本体51および鍵ホルダ52が、鍵53を構成する。保持部41は、その保持の対象物品である保持対象物品(言い換えれば管理対象物品)としての鍵ホルダ52すなわち鍵53を保持する。
【0018】
図1に示すように、装置本体12は、装置本体12の開閉部21の前面側に、前カバー13が閉状態にあるときに前カバー13に設けられた図示略の係合部をロックする電磁駆動式のカバーロック機構61を上下2カ所に有している。また、装置本体12は、装置本体12の開閉部21の前面側に、前カバー13が閉状態にあるときに前カバー13の図示略の検知部を検出することで前カバー13が全閉状態にあるか否かを検出する全閉検出センサ62を有している。カバーロック機構61は、前カバー13が閉じられたことを全閉検出センサ62が検出したことを条件に、係合部をロックして前カバー13を閉状態でロックする。また、カバーロック機構61は、駆動されて係合部のロックを解除する。
【0019】
図3に示すように、鍵ホルダ52は、着脱部材71と、この着脱部材71に鍵本体51を連結する連結部材72とからなっている。着脱部材71は、鍵ホルダ52を他の鍵ホルダ52と識別するための個別のホルダ識別情報が記憶された図2に示すICタグ73を有している。
【0020】
図3に示すように、複数の保持部41は、それぞれ、鍵本体51に連結された鍵ホルダ52の着脱部材71が抜き差しされる個別の挿入穴75を有している。着脱部材71は、保持部41に対し着脱可能であって装着状態でロックされる。複数の保持部41は、それぞれ、挿入穴75に着脱部材71が差し込まれるとこれをロックして支持し、またロック解除可能な電磁駆動式の図2に示す鍵ロック機構76を有している。
【0021】
また、図3に示すように、複数の保持部41は、それぞれ、表示ランプ81が一体化された操作ボタン82を有している。操作ボタン82は、同じ保持部41を構成する挿入穴75と左右方向の位置を合わせて上下に近接している。操作ボタン82は、それぞれ同じ保持部41を構成する図2に示す鍵ロック機構76によるロックを解除する際に押圧される操作ボタンであり、表示ランプ81は、消灯、点灯および点滅することで操作を案内する。
【0022】
保持部41において、例えば、操作ボタン82が押されると、この操作ボタン82が設けられた保持部41の鍵ロック機構76のロックが解除され、この保持部41から鍵ホルダ52が取り外される処理が行われる。
【0023】
また、複数の保持部41は、それぞれが、装着された着脱部材71の図2に示すICタグ73と通信可能であって通信状態から非通信状態への切り替えで鍵ホルダ52すなわち鍵53の取り出しを検出し非通信状態から通信状態への切り替えで鍵53の返却を検出する物品検出手段としての図2に示すICタグリーダ85を有している。物品管理装置11は、ICタグリーダ85の検出に基づいて管理対象物品としての鍵ホルダ52を含む鍵53の取り出しおよび返却を管理する。
【0024】
図4に示すように、複数の保持部42は、引き出し式であり、それぞれ、前方に引き出し可能であって後方に押し込み可能な引出部材91と、押し込まれた引出部材91を引き出し不可にロックし、またロック解除可能な電磁駆動式の図2に示す引出ロック機構92とを有している。引出部材91は、上方に開口する箱形であり、IDカードや印鑑、書類等の、鍵ホルダ52に取り付け不可あるいは取り付け可能であっても鍵ホルダ52に取り付けての保持部41への保持が不適な収納物95を収納する。引出部材91には、別体のアダプタ93が着脱可能となっており、アダプタ93が取り付けられると、アダプタ93との間に収納物95としての印鑑を立位姿勢で収納可能となる。
【0025】
複数の保持部42も、それぞれ、表示ランプ81が一体化された操作ボタン82を有している。操作ボタン82は、同じ保持部42を構成する引出部材91と左右方向の位置を合わせて上下に近接している。操作ボタン82は、それぞれ同じ保持部42を構成する引出ロック機構92によるロックを解除する際に押圧される操作ボタンであり、表示ランプ81は、消灯、点灯および点滅することで操作を案内可能となっている。
【0026】
保持部42において、例えば、操作ボタン82が押されると、この操作ボタン82が設けられた保持部42の図2に示す引出ロック機構92のロックが解除され、この保持部42から引出部材91が引き出し可能となる。この状態で引出部材91が引き出されてIDカードや印鑑、書類等の収納物95が取り出され、その後、引出部材91が押し込まれる。
【0027】
複数の保持部42は、それぞれが、引出部材91が押し込まれた状態にあるか否かを検出する図2に示す押込検出センサ98を有している。保持部42は、その保持対象物品としてのIDカードや印鑑、書類等の収納物95を保持する。複数の保持部42は、それぞれが、引出部材91に収納された収納物95の有無を検出する物品検出手段としての図2に示す有無検出センサ99を有している。有無検出センサ99は、光路が遮光されることで引出部材91に収納物95があることを検出するフォトセンサや、引出部材91の底部上の重量変化を検出することで引出部材91に収納物95があることを検出する重量センサ等である。
【0028】
物品管理装置11は、押込検出センサ98および有無検出センサ99の検出に基づいて管理対象物品としての収納物95の取り出しおよび返却を管理する。すなわち、押込検出センサ98が引出部材91が押し込まれた状態にあることを検出し、有無検出センサ99がこの引出部材91内に収納物95があることを検出している状態から、押込検出センサ98が引出部材91が押し込まれた状態にあることを検出し、有無検出センサ99がこの引出部材91内に収納物95がないことを検出する状態になると、収納物95が取り出されたことを検出する。また、この状態から、押込検出センサ98が引出部材91が押し込まれた状態にあることを検出し、有無検出センサ99がこの引出部材91内に収納物95があることを検出する状態になると、収納物95が返却されたことを検出する。
【0029】
図2に示すように、装置本体12は、上記各部を制御する制御部111(判定部,設定部,出力部)と、制御部111とデータのやり取りが可能でデータを記憶する記憶部112と、報知音を発生する報知音発生部113(報知部)とを有している。
【0030】
操作部32は、図5に示すように、いずれも押圧操作されると入力を検出する、MENUキー121と、上キー122と、下キー123と、左キー124と、右キー125と、ENTERキー126と、複数のキーからなる文字入力キー群127と、CEキー128とを有している。
【0031】
上キー122、下キー123、左キー124および右キー125は、表示部31に表示されたカーソルや矢印表示をそれぞれの方向に移動させる際等に押圧操作される。ENTERキー126は入力確定時等に押圧操作される。文字入力キー群127は、数字、カタカナおよびアルファベット等の文字を入力する際に押圧操作される。CEキー128は入力した文字を消去する際および表示画面を前に戻す際等に押圧操作される。MENUキー121は操作メニューを表示させる際に押圧操作されることになり、また、文字入力キー群127を数字入力用とカタカナ入力用とアルファベット入力用とに切り替える際にも押圧操作される。
【0032】
物品管理装置11は、物品としての鍵53および収納物95を保管するとともに、鍵53および収納物95の取り出しおよび返却が可能であり、制御部111が、鍵53および収納物95の取り出しおよび返却を管理し、取り出された鍵53および収納物95の返却遅延の有無を判定可能となっている。また、物品管理装置11は、予め設定された制限時間あるいは制限時刻を過ぎてから鍵53あるいは収納物95を返却する場合、制限時間内あるいは制限時刻までに返却できなかった返却遅延の理由である返却遅延理由を入力する返却遅延理由入力機能を有している。さらに、物品管理装置11は、入力された返却遅延理由を履歴として記憶し、記憶した返却遅延理由を印字可能であり、外部の管理装置へ送信可能となっている。
【0033】
次に、物品管理装置11の作動等について説明する。
【0034】
物品管理装置11が待機状態にあるとき、制御部111は、表示部31にIDカード34のカードリーダ33への走査を促す待機表示画面を表示させている。
【0035】
待機状態で、IDカード34が走査されると、カードリーダ33は、IDカード34からこれに予め記憶されている、他の使用者との識別のための個別の使用者識別情報を読み出す。制御部111は、このIDカード34から読み出した使用者識別情報を、記憶部112に予め記憶されている物品管理装置11を使用可能な使用者識別情報の使用可能者リストと照らし合わせる。IDカード34から読み出した使用者識別情報と同じ使用者識別情報が使用可能者リストの使用者識別情報になければ、制御部111は、表示部31に、物品管理装置11を使用不可である旨を表示させると共に報知音発生部113に所定時間アラーム音を発生させて待機状態に戻る。
【0036】
IDカード34から読み出した使用者識別情報と同じ使用者識別情報が使用可能者リストの使用者識別情報にあると、制御部111は、保持対象物品である鍵53あるいは収納物95の取り出しであるか返却であるかの入力を促す表示画面を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0037】
この状態で、操作部32のMENUキー121が押されると、制御部111は、記憶部112に使用者識別情報毎に個別に設定されている操作可能な操作可能項目の中から、今回IDカード34から読み出した使用者識別情報に対して許可されている操作可能項目を読み出し、操作可能項目の中から一つを選択させるための第1表示画面を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。なお、操作可能項目の中には、一つの適正なIDカード34の走査があった場合(いわゆるシングル認証時)に選択可能となるものと、異なる二つの適正なIDカード34の走査があった場合(いわゆるダブル認証時)に選択可能となるものとがある。
【0038】
[返却遅延監視設定処理]
第1表示画面の操作可能項目の中に監視設定処理が含まれており、操作部32を介してこの監視設定処理の選択入力がなされると、制御部111は、監視設定処理の複数の項目の中から一つを選択させるための、例えば、図6(a)に示すような第2表示画面202を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。監視設定処理の複数の項目の中から返却遅延監視設定処理が選択入力されると、制御部111は、返却遅延監視設定処理を行う。ここで、物品管理装置11は、保持部41から取り出された鍵53および保持部42から取り出された収納物95の返却遅延を監視する返却遅延監視処理を行うことになり、返却遅延監視設定処理は、この返却遅延監視処理の設定を行う処理である。
【0039】
この第2表示画面202では、監視設定処理中であることを示す「カンシセッテイ」の題目表示202aと、監視設定処理の複数の選択項目として、前カバー13の閉じ忘れを監視する前カバー監視処理の設定処理を選択させるための「1:マエカバー」の項目表示202bと、鍵53あるいは収納物95の返却遅延を監視する返却遅延監視処理の設定処理である返却遅延監視設定処理を選択させるための「2:ミヘンキャクホルダ」の項目表示202cと、物品管理装置11への各種操作を監視する操作監視処理の設定処理を選択させるための「3:ソウサカンシ」の項目表示202dとを表示させる。それとともに、監視設定処理の複数の選択項目のうちのいずれを選択しているかを示す矢印表示202eと、矢印表示202eと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄202fとを表示させる。
【0040】
この第2表示画面202の表示に対する選択操作として、操作部32の上キー122あるいは下キー123が押される毎に、制御部111は、表示部31の項目表示202b~202dの左側で矢印表示202eを上あるいは下に移動させると共に、矢印表示202eと上下位置が合う項目の番号を項目番号表示欄202f内に表示させる。
【0041】
第2表示画面202を表示部31に表示させた状態で、例えば、図6(a)に示すように、「2:ミヘンキャクホルダ」の項目表示202cと矢印表示202eとの上下位置が合い、項目番号表示欄202f内の数字が、返却遅延監視設定処理を示す「[2]」の表示となっている状態で、操作部32のENTERキー126が押されると、制御部111は、返却遅延監視設定処理を行う。
【0042】
返却遅延監視設定処理において、制御部111は、返却遅延監視設定処理の複数の選択項目の中から一つを選択させるための、例えば、図6(b)に示すような第3表示画面203を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。ここで、返却遅延監視設定処理で設定が行われる返却遅延監視処理には、鍵53および収納物95の取り出し後の保持部41,42への返却が、取り出し時点から所定のタイマ設定時間内に行われたか否かを監視するタイマ監視処理と、鍵53および収納物95の取り出し後の保持部41,42への返却が、時刻が所定の設定時刻となるまでに行われたか否かを監視する時刻監視処理とがあり、返却遅延監視設定処理の複数の選択項目には、タイマ監視処理の設定を行うタイマ監視設定処理と、時刻監視処理の設定を行う時刻監視設定処理とがある。
【0043】
第3表示画面203では、返却遅延監視設定処理中であることを示す「ミヘンキャクホルダカンシ」の題目表示203aと、返却遅延監視設定処理の選択項目として、タイマ監視設定処理を選択させるための「1:タイマカンシ」の項目表示203bと、時刻監視設定処理を選択させるための「2:ジコクカンシ」の項目表示203cとを表示させる。それとともに、返却遅延監視設定処理の選択項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示203dと、矢印表示203dと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄203eとを表示させる。この第3表示画面203に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0044】
{タイマ監視設定処理}
返却遅延監視設定処理の複数の選択項目の中からタイマ監視設定処理が選択入力されると、制御部111は、タイマ監視設定処理を行う。すなわち、第3表示画面203を表示部31に表示させた状態で、例えば、図6(b)に示すように、「1:タイマカンシ」の項目表示203bと矢印表示203dとの上下位置が合い、項目番号表示欄203e内の数字がタイマ監視設定処理を示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、タイマ監視設定処理を行う。
【0045】
タイマ監視設定処理において、制御部111は、まず、タイマ監視処理を行うか否かを選択させるための、例えば、図6(c)に示すような第4表示画面204を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0046】
第4表示画面204では、タイマ監視設定処理中であることを示す「タイマカンシセッテイ」の題目表示204aと、タイマ監視処理を行うことを選択させるための「1:オン」の項目表示204bと、タイマ監視処理を行わないことを選択させるための「2:オフ」の項目表示204cとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示204dと、矢印表示204dと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄204eとを表示させる。この第4表示画面204に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0047】
タイマ監視処理を行う選択操作が入力されると、制御部111は、タイマ設定時間の設定を行うタイマ時間設定処理に移行する。すなわち、第4表示画面204を表示部31に表示させ、例えば、図6(c)に示すように、「1:オン」の項目表示204bと矢印表示204dとの上下位置が合い、項目番号表示欄204eが、オンを示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、タイマ監視処理を行う設定として記憶部112に記憶させて、タイマ時間設定処理に移行する。
【0048】
他方、「2:オフ」の項目表示204cと矢印表示204dとの上下位置が合い、項目番号表示欄204eが、オフを示す「[2]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、タイマ監視処理を行わない設定として記憶部112に記憶させて、タイマ監視設定処理を終了し、返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための、例えば、図6(d)に示すような第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0049】
第5表示画面205では、返却遅延監視設定処理中であることを示す「ミヘンキャクホルダカンシ」の題目表示205aと、「セッテイヲ ヘンコウシマシタ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示205bとを表示させる。第5表示画面205を表示部31に表示させた状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、複数の監視設定処理の複数の項目の中から一つを選択させるための第2表示画面202を表示部31に表示させて、選択入力を待つ状態となる。この状態で、操作部32のCEキー128が押されると、制御部111は、操作可能項目の中から一つを選択させるための第1表示画面を表示部31に表示させて、選択入力を待つ状態に戻る。
【0050】
タイマ時間設定処理において、制御部111は、タイマ設定時間を入力させるための、例えば、図7(a)に示すような第6表示画面206を表示部31に表示させて、タイマ設定時間の入力を待つ。
【0051】
第6表示画面206では、タイマ監視設定処理中であることを示す「タイマカンシセッテイ」の題目表示206aと、タイマ設定時間の入力を促す「1-120minデ セッテイシ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示206bと、入力されたタイマ設定時間を表示させるタイマ設定時間表示欄206cとを表示させる。この第6表示画面206を表示させた状態で、操作部32の文字入力キー群127でタイマ設定時間が入力されると、制御部111は、入力されたタイマ設定時間を、タイマ設定時間表示欄206cに表示させる。
【0052】
タイマ設定時間が入力された状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、入力されたタイマ設定時間を記憶部112に記憶させるとともに、タイマ時間設定処理を終了し、タイマ監視処理の対象となる保持部41,42を設定するタイマ監視対象設定処理に移行する。
【0053】
タイマ監視対象設定処理において、制御部111は、タイマ監視処理の監視対象を入力させるための、例えば、図7(b)に示すような第7表示画面207を表示部31に表示させて、カバーロック機構61のロックを解除して前カバー13を開可能とするとともに、操作ボタン82への入力を待つ。この状態で、前カバー13は手動により開かれる。
【0054】
第7表示画面207では、返却遅延監視設定処理中であることを示す「ミヘンキャクホルダカンシ」の題目表示207aと、選択入力を促すための「ホルダヲ エラビ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示207bとを表示させる。この第7表示画面207を表示させた状態で、操作ボタン82の中から一つまたは複数が押圧操作されて、ENTERキー126が押されると、制御部111は、保持部41,42のうち、操作ボタン82が押圧操作されてオン状態となったもののみを全て、上記タイマ時間設定処理で入力されたタイマ設定時間で行うタイマ監視処理の監視対象に設定して記憶部112に記憶させてタイマ監視対象設定処理を終了する。
【0055】
ここで、操作ボタン82は、押圧操作の度にオンとオフとが交互に切り替わり、制御部111は、タイマ監視対象設定処理において、最初に全ての操作ボタン82をオフ状態とする。そして、制御部111は、操作ボタン82が押されずオフ状態にあれば、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させることはなく、オフ状態にある操作ボタン82が押されてオン状態になると、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させる。表示ランプ81が点灯しオン状態となった操作ボタン82が押されてオフ状態となると表示ランプ81を消灯させる。
【0056】
タイマ監視対象設定処理において、タイマ監視処理の監視対象を設定すると、制御部111は、タイマ返却遅延理由有無設定処理に移行する。タイマ返却遅延理由有無設定処理において、制御部111は、返却遅延があった場合に返却遅延理由の入力の要否を選択させるための、例えば、図7(c)に示すような第8表示画面208を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0057】
第8表示画面208では、タイマ返却遅延理由有無設定処理中であることを示す「チエンリユウホルダセッテイ」の題目表示208aと、返却遅延理由の入力を要とすることを選択させるための「1:オン」の項目表示208bと、返却遅延理由の入力を不要とすることを選択させるための「2:オフ」の項目表示208cとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示208dと、矢印表示208dと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄208eとを表示させる。この第8表示画面208に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0058】
返却遅延理由の入力要の選択操作が入力されると、制御部111は、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するタイマ監視返却遅延理由要設定となる一方、返却遅延理由の入力不要の選択操作が入力されると、制御部111は、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を不要とするタイマ監視返却遅延理由不要設定となる。
【0059】
ここで、タイマ監視返却遅延理由要設定では、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたもののみを全て、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものとする一方、タイマ監視返却遅延理由不要設定では、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたもの全てを、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を不要とする。
【0060】
例えば、図7(c)に示すように、「1:オン」の項目表示208bと矢印表示208dとの上下位置が合い、項目番号表示欄208eが、オンを示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するタイマ監視返却遅延理由要設定となって、返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0061】
一方、「2:オフ」の項目表示208cと矢印表示208dとの上下位置が合い、項目番号表示欄208eが、オフを示す「[2]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を不要とするタイマ監視返却遅延理由不要設定となり、返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0062】
以上により、物品管理装置11は、タイマ監視処理を行う設定になっていると、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理において監視対象に設定されたもののみについて、タイマ監視処理を行うことになり、タイマ監視対象設定処理において監視対象に設定された保持部41,42のうち、タイマ監視処理開始後の時間が、タイマ時間設定処理において設定されたタイマ設定時間を超過したものは、タイムオーバーとして返却遅延とする。そして、タイマ返却遅延理由有無設定処理において、返却遅延理由の入力要の選択操作が入力されてタイマ監視返却遅延理由要設定になっていると、返却遅延となった際には、返却遅延理由の入力を行わせることになる。他方、タイマ監視処理を行う設定になっていても、タイマ返却遅延理由有無設定処理において、返却遅延理由の入力不要の選択操作が入力されてタイマ監視返却遅延理由不要設定になっていると、返却遅延となった際に、返却遅延理由の入力を行わせることはない。また、タイマ監視処理を行う設定になっていなければ、タイマ監視処理を行わない。
【0063】
なお、上記においては、タイマ返却遅延理由有無設定処理において、返却遅延理由の入力要の選択操作が入力されてタイマ監視返却遅延理由要設定になると、制御部111は、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたもの全てを、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものに設定したが、タイマ監視処理の監視対象に設定されたものの中から、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものを選択設定するようにしても良い。
【0064】
すなわち、タイマ返却遅延理由有無設定処理において、制御部111は、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたものの中から、返却遅延があった場合に返却遅延理由の入力を要とするものを選択入力させるための、例えば、図8(a)に示すような第9表示画面209を、第8表示画面208にかえて表示部31に表示させて、操作ボタン82への入力を待つ。
【0065】
第9表示画面209では、タイマ返却遅延理由有無設定処理中であることを示す「チエンリユウホルダセッテイ」の題目表示209aと、選択入力を促すための「ホルダヲ エラビ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示209bとを表示させる。この第9表示画面209を表示させた状態で、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたものの操作ボタン82の中から一つまたは複数が押圧操作されて、ENTERキー126が押されると、制御部111は、保持部41,42のうち、操作ボタン82が押圧操作されてオン状態となったもののみを全て、タイマ監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものに設定して記憶部112に記憶させる。
【0066】
このタイマ返却遅延理由有無設定処理において、制御部111は、最初に、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたものの操作ボタン82を全てオフ状態として表示ランプ81を点滅させることになり、これら操作ボタン82の中から、操作ボタン82が押されてオン状態になると、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させる。表示ランプ81が点灯しオン状態となった操作ボタン82が押されてオフ状態となると表示ランプ81を点滅させる。このとき、保持部41,42のうち、タイマ監視対象設定処理においてタイマ監視処理の監視対象に設定されたもの以外のものの操作ボタン82については、押されてもオフ状態を維持し一体の表示ランプ81を消灯状態に維持する。
【0067】
次に、制御部111は、タイマ返却遅延理由有無設定処理の完了を確認させるための、例えば、図8(b)に示すような第10表示画面210を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ。
【0068】
第10表示画面210では、タイマ返却遅延理由有無設定処理中であることを示す「チエンリユウホルダセッテイ」の題目表示210aと、「セッテイヲ ヘンコウシマシタ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示210bとを表示させる。第10表示画面210を表示部31に表示させた状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、タイマ返却遅延理由有無設定処理を終了し、上記と同様の返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0069】
以上により、物品管理装置11は、保持部41,42のタイマ監視設定処理の際に、返却遅延理由入力機能のオンおよびオフが選択設定されることになる。返却遅延理由入力機能のオンおよびオフの選択設定は、保持部41,42のうちタイマ監視処理の監視対象に設定されているもの全てを一括で設定したり、保持部41,42のうちタイマ監視処理の監視対象に設定されているものの中から一つまたは複数を選択設定したりできる。
【0070】
{時刻監視設定処理}
返却遅延監視設定処理の複数の選択項目の中から時刻監視設定処理が選択入力されると、制御部111は、時刻監視設定処理を行う。すなわち、図6(b)に示す第3表示画面203を表示部31に表示させた状態で、「2:ジコクカンシ」の項目表示203cと矢印表示203dとの上下位置が合い、項目番号表示欄203e内の数字が時刻監視設定処理を示す「[2]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、時刻監視設定処理を行う。
【0071】
時刻監視設定処理において、制御部111は、まず、時刻監視処理を行うか否かを選択させるための、例えば、図9(a)に示すような第11表示画面211を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0072】
第11表示画面211では、時刻監視設定処理中であることを示す「ジコクカンシセッテイ」の題目表示211aと、時刻監視処理を行うことを選択させるための「1:オン」の項目表示211bと、時刻監視処理を行わないことを選択させるための「2:オフ」の項目表示211cとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示211dと、矢印表示211dと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄211eとを表示させる。この第11表示画面211に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0073】
時刻監視処理を行う選択操作が入力されると、制御部111は、設定時刻の設定を行う時刻設定処理に移行する。すなわち、第11表示画面211を表示部31に表示させ、例えば、図9(a)に示すように、「1:オン」の項目表示211bと矢印表示211dとの上下位置が合い、項目番号表示欄211eが、オンを示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、時刻監視処理を行う設定として記憶部112に記憶させて、時刻設定処理に移行する。
【0074】
他方、「2:オフ」の項目表示211cと矢印表示211dとの上下位置が合い、項目番号表示欄211eが、オフを示す「[2]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、時刻監視処理を行わない設定として記憶部112に記憶させ、時刻監視設定処理を終了し、返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0075】
時刻設定処理において、制御部111は、設定時刻を入力させるための、例えば、図9(b)に示すような第12表示画面212を表示部31に表示させて、設定時刻の入力を待つ。
【0076】
第12表示画面212では、時刻監視設定処理中であることを示す「ジコクカンシセッテイ」の題目表示212aと、設定時刻の入力を促す「ジコクヲ セッテイシ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示212bと、入力された設定時刻を表示させる設定時刻表示欄212cとを表示させる。この第12表示画面212を表示させた状態で、操作部32の文字入力キー群127で設定時刻が入力されると、制御部111は、入力された設定時刻を設定時刻表示欄212cに表示させる。
【0077】
設定時刻が入力された状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、入力された設定時刻を記憶部112に記憶させるとともに、時刻設定処理を終了し、時刻監視処理の対象となる保持部41,42を設定する時刻監視対象設定処理に移行する。
【0078】
時刻監視対象設定処理において、制御部111は、時刻監視処理の監視対象を入力させるための、例えば、図9(c)に示すような第13表示画面213を表示部31に表示させて、カバーロック機構61のロックを解除して前カバー13を開可能とするとともに、操作ボタン82への入力を待つ。
【0079】
第13表示画面213では、返却遅延監視設定処理中であることを示す「ミヘンキャクホルダカンシ」の題目表示213aと、選択入力を促すための「ホルダヲ エラビ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示213bとを表示させる。この第13表示画面213を表示させた状態で、操作ボタン82の中から一つまたは複数が押圧操作されて、ENTERキー126が押されると、制御部111は、保持部41,42のうち、操作ボタン82が押圧操作されてオン状態となったもののみを全て、上記時刻設定処理で入力された設定時刻で行う時刻監視処理の監視対象に設定して記憶部112に記憶させて時刻監視対象設定処理を終了する。
【0080】
ここでも、制御部111は、時刻監視対象設定処理において、最初に全ての操作ボタン82をオフ状態とする。そして、制御部111は、操作ボタン82が押されずオフ状態にあれば、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させることはなく、オフ状態にある操作ボタン82が押されてオン状態になると、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させる。表示ランプ81が点灯しオン状態となった操作ボタン82が押されてオフ状態となると表示ランプ81を消灯させる。
【0081】
時刻監視対象設定処理において、時刻監視処理の監視対象を設定すると、制御部111は、時刻返却遅延理由有無設定処理に移行する。時刻返却遅延理由有無設定処理において、制御部111は、返却遅延があった場合に返却遅延理由の入力の要否を選択させるための、例えば、図10(a)に示すような第14表示画面214を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0082】
第14表示画面214では、時刻返却遅延理由有無設定処理中であることを示す「チエンリユウホルダセッテイ」の題目表示214aと、返却遅延理由の入力を要とすることを選択させるための「1:オン」の項目表示214bと、返却遅延理由の入力を不要とすることを選択させるための「2:オフ」の項目表示214cとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示214dと、矢印表示214dと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄214eとを表示させる。この第14表示画面214に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0083】
返却遅延理由の入力要の選択操作が入力されると、制御部111は、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要する時刻監視返却遅延理由要設定となる一方、返却遅延理由の入力不要の選択操作が入力されると、制御部111は、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を不要とする時刻監視返却遅延理由不要設定となる。
【0084】
ここで、時刻監視返却遅延理由要設定では、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたもののみを全て、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものとする一方、時刻監視返却遅延理由不要設定では、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたもの全てを、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を不要とする。
【0085】
例えば、図10(a)に示すように、「1:オン」の項目表示214bと矢印表示214dとの上下位置が合い、項目番号表示欄214eが、オンを示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要する時刻監視返却遅延理由要設定となって、返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0086】
一方、「2:オフ」の項目表示214cと矢印表示214dとの上下位置が合い、項目番号表示欄214eが、オフを示す「[2]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を不要とする時刻監視返却遅延理由不要設定となり、返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0087】
以上により、物品管理装置11は、時刻監視処理を行う設定になっていると、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において監視対象に設定されたもののみについて、時刻監視処理を行うことになり、時刻監視対象設定処理において監視対象に設定された保持部41,42のうち、時刻監視処理開始後、保持対象物品が取り出された状態のまま、時刻設定処理において設定された設定時刻を超過したものは、時刻超過として返却遅延とする。そして、時刻返却遅延理由有無設定処理において、返却遅延理由の入力要の選択操作が入力されて時刻監視返却遅延理由要設定になっていると、返却遅延となった際には、返却遅延理由の入力を行わせることになる。他方、時刻監視処理を行う設定になっていても、時刻返却遅延理由有無設定処理において、返却遅延理由の入力不要の選択操作が入力されて時刻監視返却遅延理由不要設定になっていると、返却遅延となった際に、返却遅延理由の入力を行わせることはない。また、時刻監視処理を行う設定になっていなければ、時刻監視処理を行わない。
【0088】
なお、上記においては、時刻返却遅延理由有無設定処理において、返却遅延理由の入力要の選択操作が入力されて時刻監視返却遅延理由要設定になると、制御部111は、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたもの全てを、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものに設定したが、時刻監視処理の監視対象に設定されたものの中から、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものを選択設定するようにしても良い。
【0089】
すなわち、時刻返却遅延理由有無設定処理において、制御部111は、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたものの中から、返却遅延があった場合に返却遅延理由の入力を要とするものを選択入力させるための、例えば、図10(b)に示すような第15表示画面215を、第14表示画面214にかえて表示部31に表示させて、操作ボタン82への入力を待つ。
【0090】
第15表示画面215では、時刻返却遅延理由有無設定処理中であることを示す「チエンリユウホルダセッテイ」の題目表示215aと、選択入力を促すための「ホルダヲ エラビ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示215bとを表示させる。この第15表示画面215を表示させた状態で、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたものの操作ボタン82の中から一つまたは複数が押圧操作されて、ENTERキー126が押されると、制御部111は、保持部41,42のうち、操作ボタン82が押圧操作されてオン状態となったもののみを全て、時刻監視処理における返却遅延発生時に返却遅延理由の入力を要するものに設定して記憶部112に記憶させる。
【0091】
この時刻返却遅延理由有無設定処理において、制御部111は、最初に、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたものの操作ボタン82を全てオフ状態として表示ランプ81を点滅させることになり、これら操作ボタン82の中から、操作ボタン82が押されてオン状態になると、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させる。表示ランプ81が点灯しオン状態となった操作ボタン82が押されてオフ状態となると表示ランプ81を点滅させる。このとき、保持部41,42のうち、時刻監視対象設定処理において時刻監視処理の監視対象に設定されたもの以外のものの操作ボタン82については押されてもオフ状態を維持し一体の表示ランプ81を消灯状態に維持する。
【0092】
次に、制御部111は、時刻返却遅延理由有無設定処理の完了を確認させるための、例えば、図10(c)に示すような第16表示画面216を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ。
【0093】
第16表示画面216では、時刻返却遅延理由有無設定処理中であることを示す「チエンリユウホルダセッテイ」の題目表示216aと、「セッテイヲ ヘンコウシマシタ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示216bとを表示させる。第16表示画面216を表示部31に表示させた状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、時刻返却遅延理由有無設定処理を終了し、上記と同様の返却遅延監視設定処理の完了を確認させるための第5表示画面205を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ状態になる。
【0094】
以上により、物品管理装置11は、保持部41,42の時刻監視設定処理の際にも、返却遅延理由入力機能のオンおよびオフが選択設定されることになる。返却遅延理由入力機能のオンおよびオフの選択設定は、保持部41,42のうち時刻監視処理の監視対象に設定されているもの全てを一括で設定したり、保持部41,42のうち時刻監視処理の監視対象に設定されているものの中から一つまたは複数を選択設定したりできる。
【0095】
以上の返却遅延監視設定処理が行われることによって、全ての保持部41,42は、それぞれが、タイマ監視処理および時刻監視処理のいずれの監視対象にも設定されないもの、タイマ監視処理および時刻監視処理のうちタイマ監視処理のみの監視対象に設定されるもの、タイマ監視処理および時刻監視処理のうち時刻監視処理のみの監視対象に設定されるもの、タイマ監視処理および時刻監視処理の両方の監視対象に設定されるもの、のうちのいずれかとなる。
【0096】
[返却遅延理由設定処理]
物品管理装置11においては、返却遅延があった場合に入力される返却遅延理由として、予め想定される複数の返却遅延理由が返却遅延理由の候補(返却遅延理由候補)として予め記憶部112に登録可能となっており、返却遅延があった場合に、これらの返却遅延理由候補の中から一つを選択入力可能となっている。上記した第1表示画面の操作可能項目の中に返却遅延理由設定処理が含まれている場合、操作部32を介してこの返却遅延理由設定処理の選択入力がなされると、制御部111は、返却遅延理由候補を記憶部112に記憶させる返却遅延理由設定処理を行う。言い換えれば、物品管理装置11において返却遅延理由の入力は、予め想定される返却遅延理由を返却遅延理由候補として返却遅延理由リストに登録しておき、入力時にはこの返却遅延理由リストから選択できるようになっている。
【0097】
返却遅延理由設定処理には、返却遅延理由候補を予め設定して記憶する返却遅延理由候補登録処理と、保持部41,42のうち、予め設定して記憶した返却遅延理由候補を使用するものを設定して記憶する理由候補使用対象設定処理とがある。返却遅延理由設定処理の選択入力がなされると、制御部111は、これら返却遅延理由候補登録処理および理由候補使用対象設定処理のうちの一方を選択させるための、例えば、図11(a)に示すような第17表示画面217を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0098】
この第17表示画面では、返却遅延理由設定処理中であることを示す「ヘンキャクチエンリユウセッテイ」の題目表示217aと、返却遅延理由設定処理の選択項目として、返却遅延理由候補登録処理を選択させるための「1:チエンリユウメイショウ」の項目表示217bと、理由候補使用対象設定処理を選択させるための「2:チエンリユウコウホホルダ」の項目表示217cとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示217dと、矢印表示217dと上下位置が合う項目の番号を内側に表示させる項目番号表示欄217eとを表示させる。この第17表示画面217に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0099】
返却遅延理由設定処理の複数の選択項目の中から返却遅延理由候補登録処理が選択入力されると、制御部111は、返却遅延理由候補登録処理を行う。すなわち、第17表示画面217を表示部31に表示させた状態で、例えば、図11(a)に示すように、「1:チエンリユウメイショウ」の項目表示217bと矢印表示217dとの上下位置が合い、項目番号表示欄217e内が、返却遅延理由候補登録処理を示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、返却遅延理由候補登録処理を行う。
【0100】
返却遅延理由候補登録処理において、制御部111は、複数の昇順の符番のそれぞれについてリユウ番号を対応表示させた、例えば、図11(b)に示すような第18表示画面218を表示部31に表示させた状態で、返却遅延理由候補を設定する符番の入力を待機する。
【0101】
この第18表示画面218では、返却遅延理由候補登録処理中であることを示す「チエンリユウメイショウ」の題目表示218aと、項目として、符番が「1」であり、理由番号が「リユウ01」であるものを選択させるための「1:リユウ01」の符番理由番号表示欄218bと、項目として、符番が「2」であり、理由番号が「リユウ02」であるものを選択させるための「2:リユウ02」の符番理由番号表示欄218cと、項目として、符番が「3」であり、理由番号が「リユウ03」であるものを選択させるための「3:リユウ03」の符番理由番号表示欄218dとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示218eと、矢印表示218eと上下位置が合う項目の符番を表示させる符番表示欄218fとを表示させる。この第18表示画面218に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0102】
第18表示画面218は、順次続く同様の符番理由番号表示欄および符番表示欄が表示された図示略の第19表示画面、第20表示画面および第21表示画面に続いており、操作部32の上キー122あるいは下キー123の操作で、第18表示画面218、図示略の第19表示画面、図示略の第20表示画面および図示略の第21表示画面が切り替わるようになっている。そして、これら第18表示画面218、図示略の第19表示画面、図示略の第20表示画面および図示略の第21表示画面の中から、所望の符番理由番号表示欄が選択される。第18表示画面218には、第18表示画面218、図示略の第19表示画面、図示略の第20表示画面および図示略の第21表示画面の4頁のうちの1頁目であることを示す「1/4」の頁表示218gが表示されている。
【0103】
第18表示画面218を表示部31に表示させた状態で、例えば、図11(b)に示すように、「1:リユウ01」の符番理由番号表示欄218bと矢印表示218eとの上下位置が合い、符番表示欄218fが、符番「1」を示す「[1]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、例えば、図11(c)に示すような、返却遅延理由候補の入力を行わせるための第22表示画面222を表示部31に表示させる状態となり、符番「1」および理由番号「リユウ01」に対応する返却遅延理由候補の入力を行わせる。
【0104】
第22表示画面222では、返却遅延理由候補の入力を行う理由番号が「リユウ01」であって、返却遅延理由候補登録処理中であることを示す「リユウ01 メイショウ」の題目表示222aと、返却遅延理由候補の入力を促す「メイショウヲ ニュウリョクシ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示222bと、入力された返却遅延理由候補を内側に表示させる返却遅延理由候補表示欄222cとを表示させる。この第22表示画面222を表示させた状態で、操作部32の文字入力キー群127で文字列が入力されると、制御部111は、入力された文字列を返却遅延理由候補表示欄222c内に表示させる。
【0105】
返却遅延理由候補表示欄222cに返却遅延理由候補が入力された状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、例えば、図11(d)に示すような、確認操作を行わせる第23表示画面223を表示部31に表示させる状態となり、符番「1」および理由番号「リユウ01」として設定する返却遅延理由候補の確定操作を行わせる。
【0106】
第23表示画面223では、返却遅延理由候補の入力を行う理由番号が「リユウ01」であって、返却遅延理由候補登録処理中であることを示す「リユウ01 メイショウ」の題目表示223aと、確認操作を促す「セッテイヲ ヘンコウシマシタ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示223bとを表示させる。
【0107】
この第23表示画面223を表示させた状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、符番、理由番号および今回入力された返却遅延理由候補を対応付けて記憶部112に記憶させて、これら符番および理由番号に対する返却遅延理由候補登録処理を終了する。すなわち、符番「1」および理由番号「リユウ01」に対応付けして、今回入力された返却遅延理由候補を記憶部112に記憶させて、符番「1」および理由番号「リユウ01」に対する返却遅延理由候補登録処理を終了する。その後、第18表示画面218を表示部31に表示させる状態となって、次に返却遅延理由候補を設定する符番および理由番号の入力を待機する。これにより、複数の符番および理由番号について、それぞれ対応する返却遅延理由候補の入力および記憶部112への記憶が可能となる。なお、表示部31に第23表示画面223を表示させた状態で、CEキー128が押されると、制御部111は、表示部31を第22表示画面222を表示させる状態に戻し、返却遅延理由候補の入力し直しを可能とする状態になる。
【0108】
第18表示画面218を表示部31に表示させた状態で、CEキー128が押されると、制御部111は、第17表示画面217を表示部31に表示させて、選択入力を待つ状態になる。
【0109】
第17表示画面217を表示部31に表示させた状態で、返却遅延理由設定処理の複数項目の中から理由候補使用対象設定処理が選択入力されると、制御部111は、理由候補使用対象設定処理を行う。すなわち、第17表示画面217を表示部31に表示させた状態で、「2:チエンリユウコウホホルダ」の項目表示217cと矢印表示217dとの上下位置が合い、項目番号表示欄217e内が、理由候補使用対象設定処理を示す「[2]」の表示となっている状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、理由候補使用対象設定処理を行う。
【0110】
理由候補使用対象設定処理において、制御部111は、理由候補使用対象を入力させるための、例えば、図12(a)に示すような第24表示画面224を表示部31に表示させて、カバーロック機構61のロックを解除して前カバー13を開可能とするとともに、操作ボタン82への入力を待つ。
【0111】
第24表示画面224では、例えば、保持部41,42のうち、予め設定して記憶した返却遅延理由候補を使用するものを設定する理由候補使用対象設定処理中であることを示す「チエンリユウコウホホルダセッテイ」の題目表示224aと、選択入力を促すための「ホルダヲ エラビ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示224bとを表示させる。この第24表示画面224を表示させた状態で、操作ボタン82の中から一つまたは複数が押圧操作されて、ENTERキー126が押されると、制御部111は、保持部41,42のうち、操作ボタン82が押圧操作されてオン状態となったもののみを全て、予め設定して記憶した返却遅延理由候補を使用する理由候補使用対象に設定して記憶部112に記憶させて、理由候補使用対象設定処理を終了する。
【0112】
このとき、保持部41,42のうち、タイマ監視設定処理においてタイマ監視返却遅延理由要設定に設定されているものおよび時刻監視設定処理において時刻監視返却遅延理由要設定に設定されているもののみが操作ボタン82をオン状態とすることが可能となり、それ以外のものの操作ボタン82については、押されてもオフ状態を維持し一体の表示ランプ81を消灯状態に維持する。
【0113】
ここでも、操作ボタン82は、押圧操作の度にオンとオフとが切り替わり、制御部111は、最初に、保持部41,42のうち、タイマ監視返却遅延理由要設定に設定されているものの操作ボタン82および時刻監視返却遅延理由要設定に設定されているものの操作ボタン82を全てオフ状態として表示ランプ81を点滅させることになり、これら操作ボタン82の中から、操作ボタン82が押されてオン状態になると、これと一体に設けられた表示ランプ81を点灯させる。表示ランプ81が点灯しオン状態となった操作ボタン82が押されてオフ状態となると表示ランプ81を点滅させる。
【0114】
次に、制御部111は、理由候補使用対象設定処理の完了を確認させるための、例えば、図12(b)に示すような第25表示画面225を表示部31に表示させて、確認操作入力を待つ。
【0115】
第25表示画面225では、理由候補使用対象設定処理中であることを示す「チエンリユウコウホホルダセッテイ」の題目表示225aと、「セッテイヲ ヘンコウシマシタ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示225bとを表示させる。第25表示画面225を表示部31に表示させた状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、第17表示画面217を表示部31に表示させることになる。第17表示画面217を表示部31に表示させた状態で、CEキー128が押されると、上記した第1表示画面を表示部31に表示させる状態になる。
【0116】
ここで、上記の返却遅延理由候補登録処理で複数の返却遅延理由候補が入力された第1登録パターンを記憶し、その後、理由候補使用対象設定処理を行って、保持部41,42のうち、タイマ監視返却遅延理由要設定に設定されているものおよび時刻監視返却遅延理由要設定に設定されているものの中から一つまたは複数を選択して、この第1登録パターンを使用するものに設定し、次に、上記の返却遅延理由候補登録処理で複数の返却遅延理由候補が入力された第2登録パターンを記憶し、その後、理由候補使用対象設定処理を行って、保持部41,42のうち、タイマ監視返却遅延理由要設定に設定されているものおよび時刻監視返却遅延理由要設定に設定されているものの中から別の一つまたは複数を選択して、この第2登録パターンを使用するものに設定する、といった処理を適宜繰り返しても良い。この場合、上記の返却遅延理由候補登録処理を予め複数回行って、返却遅延理由候補の登録パターンを複数パターン予め記憶部112に記憶させておき、その後、各登録パターンに対して、理由候補使用対象設定処理で使用する保持部41,42を設定するようにしても良い。
【0117】
以上においては、返却遅延理由候補登録処理によって返却遅延理由候補の登録パターンを登録してから、理由候補使用対象設定処理によってそれを使用する理由候補使用対象を設定する流れについて説明したが、返却遅延理由候補を使用する理由候補使用対象を設定した後、この理由候補使用対象で使用する返却遅延理由候補を登録することも可能となっている。
【0118】
また、予め返却遅延理由候補登録処理によって返却遅延理由候補の登録パターンを登録しておき、上記したタイマ監視設定処理においてタイマ監視返却遅延理由要設定を設定する際および時刻監視設定処理において時刻監視返却遅延理由要設定を設定する際に、登録された登録パターンを使用するように設定することも可能である。この場合も、予め複数の登録パターンを登録しておき、これらの登録パターンの中から使用する登録パターンを設定するようにできる。
【0119】
以上により、物品管理装置11は、保持部41,42のうち、タイマ監視設定処理においてタイマ監視返却遅延理由要設定に設定されたもの、および時刻監視設定処理において時刻監視返却遅延理由要設定に設定されたものに対して、返却遅延理由候補を、纏めて設定可能となっており、個別にも設定可能となっている。
【0120】
また、物品管理装置11は、保持部41,42のうち、タイマ監視設定処理においてタイマ監視返却遅延理由要設定に設定されているもの、および時刻監視設定処理において時刻監視返却遅延理由要設定に設定されているものに対して、返却遅延理由候補を使用する機能を、纏めてオンおよびオフ可能となっており、個別にもオンおよびオフ可能となっている。
【0121】
[取り出し処理]
待機状態で、適正なIDカード34がカードリーダ33に走査されると、制御部111は、鍵53あるいは収納物95の取り出しであるか返却であるかの入力を促す表示画面を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。この状態で、取り出しの選択操作が入力されると、制御部111は、取り出し処理を行う。取り出し処理では、カバーロック機構61のロックを解除して、前カバー13を開可能とする。
【0122】
この状態で、前カバー13が開かれて、例えば、IDカード34からカードリーダ33が読み出した使用者識別情報に対して鍵53の取り出しが許可されている保持部41の操作ボタン82が押されると、制御部111は、この保持部41の鍵ロック機構76を駆動してロックを解除するとともに、この操作ボタン82の表示ランプ81を点灯させる。そして、この保持部41から鍵ホルダ52すなわち鍵53が取り外されたことをICタグリーダ85が検出すると、制御部111は、この取り外しに際して入力された使用者識別情報と、鍵ホルダ52が取り外されたこの保持部41の識別情報と、取り出しの日時情報とを取り出し履歴として記憶部112に記憶させる。
【0123】
加えて、この保持部41が、タイマ監視処理および時刻監視処理のいずれの監視対象にも設定されていないか、タイマ監視処理のみの監視対象に設定されているか、時刻監視処理のみの監視対象に設定されているか、タイマ監視処理および時刻監視処理の両方の監視対象に設定されるかを判定する。この保持部41が、タイマ監視処理の監視対象である場合、制御部111は、この保持部41に対するタイマ監視処理を開始して計時を開始する。また、この保持部41が、時刻監視処理の監視対象である場合、制御部111は、この保持部41に対する時刻監視処理を開始する。
【0124】
また、上記のように前カバー13が開かれて、例えば、IDカード34からカードリーダ33が読み出した使用者識別情報に対して収納物95の取り出しが許可されている保持部42の操作ボタン82が押されると、制御部111は、この保持部42の引出ロック機構92を駆動してロックを解除するとともに、この操作ボタン82の表示ランプ81を点灯させる。そして、この保持部42の引出部材91が引き出され、この引出部材91から収納物95が取り出され、この引出部材91が押し込まれたことを押込検出センサ98および有無検出センサ99が検出すると、制御部111は、この保持部42の引出ロック機構92を駆動して引出部材91をロックするとともに、この取り外しに際して入力された使用者識別情報と、収納物95が取り出されたこの保持部42の識別情報と、取り出しの日時情報とを取り出し履歴として記憶部112に記憶させる。
【0125】
加えて、この保持部42が、タイマ監視処理および時刻監視処理のいずれの監視対象にも設定されていないか、タイマ監視処理のみの監視対象に設定されているか、時刻監視処理のみの監視対象に設定されているか、タイマ監視処理および時刻監視処理の両方の監視対象に設定されるかを判定する。この保持部42が、タイマ監視処理の監視対象である場合、制御部111は、この保持部42に対するタイマ監視処理を開始して計時を開始する。また、この保持部42が、時刻監視処理の監視対象である場合、制御部111は、この保持部42に対する時刻監視処理を開始する。
【0126】
[返却処理]
物品管理装置11は、保持部41,42のうち保持対象物品の取り出しが行われているものの中で、IDカード34の使用者識別情報に関連付けされたもののみについて保持対象物品の返却が可能となる返却時使用者確認設定モードと、IDカード34の使用者識別情報とは無関係に、全てについて保持対象物品の返却が可能となる返却時使用者確認未設定モードとのうちの一方のモードが選択されて設定されている。
【0127】
返却時使用者確認未設定モードおよび返却時使用者確認設定モードにいずれにおいても、待機状態で、適正なIDカード34がカードリーダ33に走査されると、制御部111は、鍵53あるいは収納物95の取り出しであるか返却であるかの入力を促す表示画面を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。返却の選択操作が入力されると、制御部111は返却処理を行う。
【0128】
返却時使用者確認未設定モードでの返却処理では、カバーロック機構61のロックを解除して、前カバー13を開可能とするとともに、保持部41,42のうち保持対象物品の取り出しが行われているもの全ての表示ランプ81を点灯させる。すなわち、返却時使用者確認未設定モードでは、保持部41,42のうち保持対象物品の取り出しが行われているもの全てについて保持対象物品の返却が可能となっている。
【0129】
この状態で、例えば、保持対象物品としての鍵53が取り出されている保持部41の挿入穴75に鍵53の鍵ホルダ52が挿入されると、制御部111は、鍵ホルダ52のICタグ73とICタグリーダ85が通信して、挿入された鍵ホルダ52が、この保持部41に対応する適正なものであると判断すると、この保持部41の鍵ロック機構76を駆動して鍵ホルダ52をロックするとともに、この保持部41の表示ランプ81を消灯させる。そして、鍵53が返却されたこの保持部41の識別情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。なお、挿入された鍵ホルダ52が保持部41に対応する適正なものでない場合、この保持部41に鍵ホルダ52をロックすることはなく、表示部31に、この保持部41の識別と返却異常の警告画面を表示させる。
【0130】
加えて、制御部111は、この保持部41が、タイマ監視処理の監視対象である場合、タイマ監視処理の計時を終了してタイマ監視処理を終了する。また、制御部111は、この保持部41が、時刻監視処理の監視対象である場合、時刻監視処理を終了する。
【0131】
上記のように、前カバー13を開可能とし、保持部41,42のうち保持対象物品の取り出しが行われているもの全ての表示ランプ81を点灯させた状態で、例えば、保持対象物品としての収納物95の取り出しが行われている保持部42の操作ボタン82が押されると、制御部111は、この保持部42の引出ロック機構92を駆動してロックを解除するとともに、この保持部42の表示ランプ81を点滅させる。そして、この保持部42の引出部材91が引き出され、この引出部材91に収納物95が戻され、この引出部材91が押し込まれたことを押込検出センサ98および有無検出センサ99が検出すると、制御部111は、この保持部42の表示ランプ81を消灯させるとともに、収納物95が返却されたこの保持部42の識別情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。
【0132】
加えて、制御部111は、この保持部42が、タイマ監視処理の監視対象である場合、タイマ監視処理の計時を終了してタイマ監視処理を終了する。また、制御部111は、この保持部42が、時刻監視処理の監視対象である場合、時刻監視処理を終了する。
【0133】
返却時使用者確認設定モードでの返却処理では、制御部111は、適正なIDカード34がカードリーダ33に走査され、返却の選択操作が入力されると、カバーロック機構61のロックを解除して、前カバー13を開可能とするとともに、保持部41,42のうち、保持対象物品の取り出しが行われているものであって、カードリーダ33がIDカード34から読み出した使用者識別情報に対し保持対象物品の返却が許可されているもののみ表示ランプ81を点灯させる。すなわち、返却時使用者確認設定モードでは、保持部41,42の保持対象物品の取り出しが行われているもののうち、カードリーダ33が読み出した使用者識別情報に対し許可されているもののみについて保持対象物品の返却が可能となっている。よって、保持部41に挿入された鍵ホルダ52がこの保持部41に対応する適正なものであっても、この保持部41が、カードリーダ33が読み出した使用者識別情報に対し保持対象物品の返却が許可されていなければ、この保持部41に鍵ホルダ52をロックすることはなく、表示部31に、この保持部41の識別と返却異常の警告画面を表示させる。
【0134】
この返却時使用者確認設定モードでの返却処理は、保持対象物品の返却が保持部41,42のうち使用者識別情報に対し許可されているものに制限される点と、記憶部112への記憶内容とが、返却時使用者確認未設定モードとは相違するものの、それ以外は、返却時使用者確認未設定モードとほぼ同様である。保持部41,42のうち、IDカード34から読み取った使用者識別情報に対し保持対象物品の返却が許可されているものは、基本的に、この使用者識別情報で取り出しが行われたものである。なお、管理者の使用者識別情報は、全保持部41および全保持部42への返却が許可されている。
【0135】
返却が許可された保持部41に鍵53が返却されると、この返却時の使用者識別情報と、鍵53が返却された保持部41の識別情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。また、収納物95の返却が許可されている保持部42に収納物95が返却されると、この返却時の使用者識別情報と、収納物95が返却された保持部42の識別情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。
【0136】
[返却遅延監視処理]
制御部111は、保持部41,42のうち、鍵53あるいは収納物95の取り出しが行われているものについて、タイマ監視処理の監視対象のものに対してはタイマ監視処理を、時刻監視処理の監視対象のものに対しては時刻監視処理を行っている。タイマ監視処理の監視対象のものについてタイマ監視処理の計時時間が予め設定されたタイマ設定時間を超えてタイムオーバーの返却遅延が発生した場合、および、時刻監視処理の監視対象のものについて現在時刻が予め設定された設定時刻を超過して時刻超過の返却遅延が発生した場合、制御部111は、遅延返却処理を行う。遅延返却処理では、報知音発生部113にアラーム音を発生させる。ここでは、保持部41,42のうち、返却遅延が発生したものが、タイマ監視返却遅延理由要設定に設定されており、時刻監視返却遅延理由要設定にも設定されている場合について説明する。
【0137】
返却時使用者確認未設定モードでは、この状態で、カードリーダ33に適正なIDカード34が走査されると、制御部111は、カバーロック機構61のロックを解除して、前カバー13を開可能とするとともに、保持部41,42のうち、返却遅延が発生しているものの表示ランプ81を点滅させる。
【0138】
返却遅延が発生している保持部41の挿入穴75に鍵53の鍵ホルダ52が挿入されると、制御部111は、鍵ホルダ52のICタグ73とICタグリーダ85が通信し、挿入された鍵ホルダ52が、この保持部41に対応する適正なものであると判断すると、この保持部41の鍵ロック機構76を駆動して鍵ホルダ52をロックするとともに、この保持部41の表示ランプ81を消灯させる。その一方で、報知音発生部113のアラーム音発生は継続させる。それとともに、この保持部41が、理由候補使用対象であれば、表示部31に、返却遅延理由の選択入力を促す返却遅延理由表示画面である、例えば、図13(a)に示すような第26表示画面226を表示させる。
【0139】
第26表示画面226は、同じく返却遅延理由表示画面である図示略の第27表示画面、図示略の第28表示画面、および、図13(b)に示すような第29表示画面229に続いており、操作部32の上キー122あるいは下キー123の操作で、第26表示画面226、図示略の第27表示画面、図示略の第28表示画面および第29表示画面229が切り替わるようになっている。第26表示画面226、図示略の第27表示画面、図示略の第28表示画面および第29表示画面229では、複数の昇順の符番のそれぞれについて現在登録されている返却遅延理由候補を対応表示させており、使用する返却遅延理由候補の選択入力を待機する。なお、制御部111は、鍵ホルダ52のICタグ73とICタグリーダ85との通信で、挿入された鍵ホルダ52が保持部41に対応する適正なものではないと判断した場合に、この保持部41に鍵ホルダ52をロックすることはなく、この保持部41の表示ランプ81を消灯させることもない。
【0140】
また、例えば、返却遅延が発生している保持部42の操作ボタン82が押されると、制御部111は、この保持部42の引出ロック機構92を駆動してロックを解除する。そして、この保持部42の引出部材91が引き出され、この引出部材91に収納物95が戻されて引出部材91が押し込まれたことを押込検出センサ98および有無検出センサ99が検出すると、この保持部42の引出ロック機構92を駆動してこの保持部42をロックするとともに、表示ランプ81を消灯させる。その一方で、報知音発生部113のアラーム音の発生は継続させる。それとともに、この保持部42が、理由候補使用対象であれば、表示部31に、返却遅延理由の選択入力を促す返却遅延理由表示画面である第26表示画面226を表示させて、使用する返却遅延理由候補の選択入力を待機する。なお、制御部111は、この保持部42の引出部材91に収納物95が戻されて引出部材91が押し込まれたことを有無検出センサ99および押込検出センサ98が検出しなければ、この保持部42をロックすることはなく、この保持部42の表示ランプ81を消灯させることもない。
【0141】
第26表示画面226では、返却遅延理由候補の選択処理中であることを示す「チエンリユウセンタク」の題目表示226aと、符番「1」に対して設定された返却忘れの返却遅延理由を選択させるための「1:ヘンキャクワスレ」の項目表示226bと、符番「2」に対して設定された作業遅れの返却遅延理由を選択させるための「2:サギョウオクレ」の項目表示226cと、符番「3」に対して設定された装置エラーの返却遅延理由を選択させるための「3:ソウチエラー」の項目表示226dとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示226eと、矢印表示226eと上下位置が合う項目の符番を表示させる符番表示欄226fと、第26表示画面226、図示略の第27表示画面、図示略の第28表示画面および第29表示画面229の4頁のうちの1頁目であることを示す「1/4」の頁表示226gとを表示させる。
【0142】
第29表示画面229では、返却遅延理由候補の選択処理中であることを示す「チエンリユウセンタク」の題目表示229aと、符番「10」に対して設定された紛失または破損の返却遅延理由を選択させるための「10:フンシツ/ハソン」の項目表示229bとを表示させる。さらに、この第29表示画面229では、符番「11」に対して設定された、第26表示画面226に戻すことを選択させるための「11:ツギヘ」の項目表示229cと、符番「12」に対して設定された、選択肢にない返却遅延理由候補のテキスト入力を選択させるための「12:ソノタ」の項目表示229dとを表示させる。それとともに、項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示229eと、矢印表示226eと上下位置が合う項目の符番を表示させる符番表示欄229fと、第26表示画面226、図示略の第27表示画面、図示略の第28表示画面および第29表示画面229の4頁のうちの4頁目であることを示す「4/4」の頁表示229gとを表示させる。
【0143】
この状態で、いずれかの返却遅延理由候補が選択されて確定入力されると、制御部111は、報知音発生部113のアラーム音の発生を終了するとともに、今回遅延して鍵53が返却された保持部41あるいは今回遅延して収納物95が返却された保持部42の識別情報と、返却遅延発生の日時情報と、返却実行の日時情報と、返却遅延がタイムオーバーおよび時刻超過のいずれであるのかを示すエラー名称と、選択された返却遅延理由候補とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。加えて、制御部111は、保持部41,42のうち保持対象物品の返却が行われたものついて、これを監視対象としているタイマ監視処理および時刻監視処理を終了する。
【0144】
第26表示画面226で、例えば、図13(a)に示すように「1:ヘンキャクワスレ」の項目表示226bに矢印表示226eが上下位置を合わせ、符番表示欄226fに「1」の符番が表示された状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、選択された返却遅延理由候補としての「返却忘れ」を含んで上記情報を返却履歴として記憶部112に記憶させる。
【0145】
なお、返却遅延理由候補の選択入力は、一つに限らず、複数を選択可能とし、選択入力された複数の返却遅延理由候補を、保持部41,42のうちの保持対象物品の返却が行われたものに関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させても良い。すなわち、保持部41,42のうちの返却遅延があって保持対象物品の返却が行われたものに関連付けて、少なくとも一つの返却遅延理由候補から選択入力させて、返却履歴として記憶部112に記憶させる。
【0146】
また、返却遅延理由表示画面である第26表示画面226、図示略の第27表示画面、図示略の第28表示画面および第29表示画面229の選択肢にない返却遅延理由候補がテキスト入力される際には、返却遅延理由をテキスト入力する選択肢が選択されて入力されると、制御部111が、表示部31に、例えば、図13(c)に示すような第30表示画面230を表示させて、返却遅延理由のテキスト入力を促す旨の表示を行い、操作部32への入力を待機する。すなわち、第29表示画面229で、図13(b)に示すように「12:ソノタ」の項目表示229dに矢印表示229eが上下位置を合わせ、符番表示欄229fに「12」の符番が表示された状態で、ENTERキー126が押されると、制御部111は、表示部31に第30表示画面230を表示させる。
【0147】
この第30表示画面230は、その他の返却遅延理由をテキスト入力する画面であることを示す「ソノタチエンリユウ」の題目表示230aと、返却遅延理由のテキスト入力を促す「メイショウヲ ニュウリョクシ ENTERヲ オシテクダサイ」の案内表示230bと、入力された文字列を表示させる入力文字表示欄230cとを表示させる。この第30表示画面230を表示させた状態で、操作部32の文字入力キー群127で文字列が入力されると、制御部111は、入力されたテキスト文字列を入力文字表示欄230cに表示させる。
【0148】
返却遅延理由がテキスト入力された状態で、確定入力としてENTERキー126が押されると、制御部111は、入力された返却遅延理由と、今回遅延して鍵53が返却された保持部41あるいは今回遅延して収納物95が返却された保持部42の識別情報と、返却遅延がタイムオーバーおよび時刻超過のいずれであるのかを示すエラー名称と、返却遅延発生の日時情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。加えて、制御部111は、保持部41,42のうち保持対象物品の返却が行われたものについて、これを監視対象としているタイマ監視処理および時刻監視処理を終了する。
【0149】
他方、返却時使用者確認設定モードでの遅延返却処理では、返却時使用者確認未設定モードと同様に、報知音発生部113にアラーム音を発生させることになるが、このとき、制御部111は、表示部31に、IDカード34のカードリーダ33への走査を促す、例えば、図14(a)に示すような第31表示画面231を表示させる。すなわち、返却時使用者確認未設定モードでの遅延返却処理は、その前に前カバー13が開状態になっていた場合、IDカード34のカードリーダ33への走査がなくても保持対象物の返却が可能になるが、返却時使用者確認設定モードでの遅延返却処理では、IDカード34のカードリーダ33への走査が必要となる。
【0150】
第31表示画面231は、その時点での日時情報を表示させる「20XX/11/12 10:15」の日時表示231aと、IDカード34のカードリーダ33への走査を促す「カード ヲ イレテクダサイ」の案内表示231bとを表示させている。なお、このとき、表示部31に、保持部41,42のうちの返却遅延が発生したものの識別を含むアラーム内容を表示部31に表示させても良い。
【0151】
この状態で、カードリーダ33に、適正なIDカード34が走査されると、制御部111は、鍵53あるいは収納物95の取り出しであるか返却であるかの入力を促す、例えば、図14(b)に示すような第32表示画面232を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。
【0152】
第32表示画面232では、「トリダシ/ヘンキャク ヲ センタクシテクダサイ」の案内表示232aを表示させるとともに、選択項目として、取り出しを選択させるための「1:トリダシ」の項目表示232bと、返却を選択させるための「2:ヘンキャク」の項目表示232cとを表示させる。それとともに、選択項目のいずれを選択しているかを示す矢印表示232dと、矢印表示232dと上下位置が合う選択項目の番号を表示させる項目番号表示欄232eとを表示させる。この第32表示画面232に対しても、第2表示画面202と同様の操作部32への選択操作が行われる。
【0153】
第32表示画面232において、例えば、図14(b)に示すように、返却を選択することを示す「2:ヘンキャク」の項目表示232cに矢印表示232dの上下位置が合い、項目番号表示欄232eに「2」の番号を表示させた状態で、ENTERキー126が押されて、返却の選択操作が入力されると、制御部111は、返却時使用者確認未設定モードとほぼ同様の遅延返却処理を行うことになるが、その際に、上記した返却処理と同様、保持部41,42のうち、IDカード34から読み取った使用者識別情報に対し保持対象物品の返却が許可されたもののみに対して保持対象物品の返却が可能となる。
【0154】
よって、保持部41に挿入された鍵ホルダ52がこの保持部41に対応する適正なものであっても、この保持部41が、カードリーダ33によって読み出した使用者識別情報に対し保持対象物品の返却が許可されていなければ、この保持部41に鍵ホルダ52をロックすることなく、また、この保持部41の表示ランプ81を消灯させることもなく、表示部31に、この保持部41の識別と返却異常の警告画面を表示させる。この場合、この保持部41に対し保持対象物品の返却が許可されている使用者識別情報が記憶されたIDカード34がカードリーダ33に走査されると、この保持部41に鍵ホルダ52をロックし、この保持部41の表示ランプ81を消灯させる。
【0155】
使用者識別情報に対し保持対象物品としての鍵53の返却が許可された保持部41にこれに対応する適正な鍵53が返却され、返却遅延理由が返却時使用者確認未設定モードと同様に選択入力またはテキスト入力されると、制御部111は、この返却時の使用者識別情報と、入力された返却遅延理由と、鍵53が返却されたこの保持部41の識別情報と、返却遅延がタイムオーバーおよび時刻超過のいずれであるのかを示すエラー名称と、返却遅延発生の日時情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。
【0156】
また、使用者識別情報に対し保持対象物品としての収納物95の返却が許可された保持部42に収納物95が返却され、返却遅延理由が返却時使用者確認未設定モードと同様に選択入力またはテキスト入力されると、制御部111は、この返却時の使用者識別情報と、入力された返却遅延理由と、収納物95が返却されたこの保持部42の識別情報と、返却遅延がタイムオーバーおよび時刻超過のいずれであるのかを示すエラー名称と、返却遅延発生の日時情報と、返却実行の日時情報とを、取り出し時の使用者識別情報および日時情報と関連付けて返却履歴として記憶部112に記憶させる。
【0157】
ここで、以上においては、返却遅延の保持部41に鍵53が返却されたり、返却遅延の保持部42に収納物95が返却された場合に、返却遅延理由の入力が可能となるが、返却時使用者確認未設定モードおよび返却時使用者確認設定モードのいずれにおいても、返却遅延の鍵53あるいは収納物95の返却と、返却遅延理由の入力とのうちのいずれを先に行うようにしても良い。例えば、返却時使用者確認設定モードにおいてIDカード34がカードリーダ33に走査されると、返却を待たずに、返却遅延理由の入力が可能となり、返却遅延理由の入力が完了すると、アラーム音を停止させ、その後、返却遅延の鍵53あるいは収納物95の返却が行われると、表示ランプ81を消灯させる。
【0158】
なお、制御部111は、遅延返却処理を行う際に、報知音発生部113にアラーム音を発生させることになるが、このアラーム音は、操作部32へのアラーム音停止操作で停止可能となっている。すなわち、返却すべき本人が不在等で、アラーム音が鳴り続けている場合に、他人(管理者等)がアラーム音停止操作を入力してアラーム音を停止させることが可能となっている。操作部32へのアラーム音停止操作は、例えば、CEキー128の押圧操作である。この場合、アラーム音停止操作後も、保持部41,42のうち返却遅延が発生しているものの表示ランプ81は点灯しており、この表示ランプ81の点灯に基づいて、保持部41には鍵53が、保持部42には収納物95が、それぞれ返却される。
【0159】
その際に、制御部111は、返却遅延が発生している保持部41に鍵53の鍵ホルダ52が挿入されると、報知音発生部113にアラーム音を再び発生させる。この状態で、返却遅延理由が選択入力またはテキスト入力されて確定されると、制御部111は、報知音発生部113のアラーム音の発生を終了する。同様に、制御部111は、返却遅延が発生している保持部42の操作ボタン82が押されると、報知音発生部113にアラーム音を再び発生させる。その後、保持部42への収納物95の返却を確認し、返却遅延理由が選択入力またはテキスト入力されて確定されると、制御部111は、報知音発生部113のアラーム音の発生を終了する。
【0160】
この場合も、操作部32へのアラーム音停止操作でアラーム音を停止させた後、例えば、IDカード34がカードリーダ33に走査されると、返却遅延の鍵53あるいは収納物95の返却を待たずに、返却遅延理由の入力が可能となるようにしても良い。その際に、IDカード34がカードリーダ33に走査されると、アラーム音を再び発生させるようにし、返却遅延理由の入力が完了すると、アラーム音を停止させ、その後、返却遅延の鍵53あるいは収納物95の返却が行われると、表示ランプ81を消灯させる。
【0161】
ここで、返却時使用者確認設定モードでの遅延返却処理時に、既に前カバー13が開いていると、カードリーダ33へのIDカード34の走査が行われることなく、返却遅延が生じている保持部41に鍵ホルダ52が挿入されることがある。この場合、制御部111は、返却遅延の保持部41に挿入された鍵ホルダ52がこの保持部41に対応する適正なものであっても、この保持部41に鍵ホルダ52をロックすることはなく、また、この保持部41の表示ランプ81を消灯させることもなく、表示部31に、この保持部41の識別と返却異常の警告画面を表示させる。その後、この保持部41に対し保持対象物品の返却が許可されている使用者識別情報が記憶されたIDカード34がカードリーダ33に走査されると、制御部111は、この保持部41に鍵ホルダ52をロックし、この保持部41の表示ランプ81を消灯させる。
【0162】
[出力処理]
待機状態で、適正なIDカード34がカードリーダ33に走査されて、操作部32のMENUキー121が押圧操作されると、制御部111は、IDカード34から読み出した使用者識別情報に対して許可されている操作可能な操作可能項目を読み出し、操作可能項目の中から一つを選択させるための第1表示画面を表示部31に表示させて、選択入力を待つ。第1表示画面の操作可能項目に、返却履歴を含む保持部41,42の処理履歴を出力する処理履歴出力処理が含まれている場合、この処理履歴出力処理が選択入力されると、制御部111は、処理履歴データの出力先の指定入力画面を表示部31に表示させて、出力先の指定入力を待つ。出力先としては、物品管理装置11のプリンタ部36および有線または無線ネットワークで接続された外部管理装置、USBメモリ等の可搬記録媒体等がある。
【0163】
出力先としてプリンタ部36が選択された場合、処理履歴出力処理によって、制御部111は、プリンタ部36に処理履歴データを出力してプリンタ部36に用紙への印字を行わせる。印字内容は、例えば、保持部41,42の識別情報と、取り出しおよび返却が行われた時刻と、登録済みである場合の保持対象物品を示す特定名称と、返却遅延が発生した場合、その返却遅延のエラー名称(タイムオーバーあるいは時刻超過)と、入力されている場合の返却遅延理由と、使用目的と、使用者識別情報と等である。
【0164】
ここで、特定名称は、保持対象物品すなわち保持部41,42に対して簡易識別のために顧客により設定されるもので、操作部32を介する所定の入力操作で、保持部41,42のそれぞれに対して予め個別に設定されて記憶部112に記憶されている。また、操作部32を介する所定の入力操作で、予め複数の使用目的が予め設定されて記憶部112に記憶されており、必要に応じて、登録されたものから適宜の使用目的が、鍵53あるいは収納物95の取り出し時に選択設定される。
【0165】
例えば、返却時使用者確認未設定モードでの運用時におけるプリンタ部36による印字の場合、図15に示すように、対象の年月日を示す「<20XX年05月03日>」の文字列235aと、処理履歴の精査印字であることを示す「精査」の文字列235bと、第1の保持部41で保持する鍵ホルダ52であることを示す「ホルダ001」の文字列235cと、このホルダ001の鍵ホルダ52が第1の保持部41から取り出された時刻およびダブル認証で取り出されたことを示す「W16:24」の文字列235dと、このホルダ001の鍵ホルダ52が第1の保持部41に返却された時刻を示す「16:29」の文字列235eとが用紙235に印字される。また、このホルダ001の鍵ホルダ52の特定名称である「メイショウ:ホンキンコ」の文字列235fと、このホルダ001の鍵ホルダ52の使用目的として入力された「モクテキ:ギョウムカイシ」の文字列235gと、認証の方法および認証した使用者識別情報である「カード:スズキ ハナコ」の文字列235hおよび「カード:ヤマダ タロウ」の文字列235iとが用紙235に印字される。
【0166】
また、第2の保持部41で保持する鍵ホルダ52であることを示す「ホルダ002」の文字列235jと、このホルダ002の鍵ホルダ52が第2の保持部41から取り出された時刻およびシングル認証で取り出されたことを示す「S16:27」の文字列235kと、このホルダ002の鍵ホルダ52が第2の保持部41に返却された時刻を示す「16:39」の文字列235mとが用紙235に印字される。また、このホルダ002の鍵ホルダ52の特定名称である「メイショウ:ウケツケ」の文字列235nと、このホルダ002の鍵ホルダ52の返却遅延のエラー名称である「タイムオーバー」の文字列235oと、このホルダ002の鍵ホルダ52の返却遅延理由として入力された「リユウ:サギョウオクレ」の文字列235pと、認証の方法および認証した使用者識別情報である「カード:ヤマダ タロウ」の文字列235qとが用紙235に印字される。
【0167】
また、第3の保持部41で保持する鍵ホルダ52であることを示す「ホルダ003」の文字列235rと、このホルダ003の鍵ホルダ52が第3の保持部41から取り出された時刻およびシングル認証で取り出されたことを示す「S16:00」の文字列235sと、このホルダ003の鍵ホルダ52が第3の保持部41に返却された時刻を示す「16:15」の文字列235tとが用紙235に印字される。また、このホルダ003の鍵ホルダ52の返却遅延のエラー名称である「ジコクチョウカ」の文字列235uと、このホルダ003の鍵ホルダ52の返却遅延理由として入力された「リユウ:ソウチエラー」の文字列235vと、認証の方法および認証した使用者識別情報である「カード:ヤマダ タロウ」の文字列235wとが用紙235に印字される。
【0168】
なお、出力処理においては、返却遅延に関する情報として、エラー名称および返却遅延理由に加えて、返却遅延発生の時刻情報を出力するようにしても良い。例えば、図15に示す印字内容の「タイムオーバー」の文字列235oにかえて、「タイムオーバー ハッセイ 16:28」の文字列を印字する等である。
【0169】
また、各鍵ホルダ52および各収納物95毎の履歴、言い換えれば各保持部41,42毎の履歴の纏め印字および集計印字、返却遅延理由毎の纏め印字および集計印字、取り出しを行った使用者識別情報別の纏め印字および集計印字も可能であり、それぞれについての返却遅延理由の多寡および傾向等を見ることができる。なお、上記に示した表示部31に表示される表示画面およびプリンタ部36による印字内容は一例であり、文言および態様はこれに限定されないことは言うまでもない。
【0170】
物品管理装置としての鍵管理装置には、ホルダを取り出している時間が予め設定されたタイマ設定時間あるいは設定時刻を超過すると、タイムオーバーあるいは時刻超過等の返却遅延が発生したことをブザー音などで警告する監視機能を有するものがあり、これらの返却遅延が発生した際にタイムオーバーあるいは時刻超過のエラー内容を記憶するものがある。このため、返却遅延の履歴確認を行えばエラー内容を把握できるようになっている。しかしながら、タイマ設定時間あるいは設定時刻までにホルダを返却できなかった理由については不明である。このため、管理者による対象者への遅延理由の聞き取り確認が必要となってくる。
【0171】
これに対し、本実施形態の物品管理装置11は、制御部111が、物品である鍵53および収納物95の返却に遅延があったと判定した場合に、操作部32に返却の返却遅延理由を入力可能であるため、入力された返却の返却遅延理由を記憶部112に記憶させることで、物品の返却に関する情報にこの返却遅延理由を含めることができ、物品の返却に関する情報を詳細に管理可能となる。言い換えれば、物品の返却管理を厳格に行うことが可能となる。これにより、記憶部112に記憶された返却の返却遅延理由を読み出せば、この返却遅延理由をわざわざ当人に問い合せなくても確認できるようになり、管理者の負担が軽減できる。また、物品の返却の際に返却遅延理由を入力させるようにすることで、心理的に返却遅れを抑制できることになる。また、返却の際に返却遅延理由を入力させるようにすることで、返却後に時間が経ってしまって返却遅延理由を忘れてしまったり、あいまいな返却遅延理由を報告するようなことも抑制でき、返却遅延理由を正確に把握できる。
【0172】
また、操作部32への設定操作で制御部111が返却遅延理由の入力の要否を設定することから、例えば、重要な物品のみに返却遅延理由の入力を要するように設定できることになり、利便性が向上する。
【0173】
また、記憶部112には、返却遅延理由が予め返却遅延理由候補として複数登録されており、操作部32によって複数の返却遅延理由候補の中から選択入力可能であるため、返却遅延理由を入力する際に、登録された複数の返却遅延理由候補の中から選択入力すれば済むことになり、返却遅延理由の入力作業が容易となり、返却遅延理由入力の手間が削減できる。
【0174】
また、入力され記憶部112に記憶された返却遅延理由を制御部111が出力可能であるため、記憶部112に記憶して後で読み出して確認したり、プリンタ部36に出力して用紙に印字したり、持ち運び可能な媒体に出力して記憶させたり、他の装置に出力して、この装置で記憶したり、表示したり、印字したりすることが可能となる。
【0175】
以上の実施形態を以下の変形例のように変更することができる。
【0176】
<変形例1>
物品管理装置11は、鍵本体51に取り付けられた鍵ホルダ52を保持する保持部41と、IDカードや印鑑、書類等の、鍵本体51に取り付けた状態での保持部41への保持が不適な収納物95を保持する引き出し式の保持部42とを有するものであるが、鍵本体51に取り付けられた鍵ホルダ52を保持する保持部41のみが設けられていても良く、引き出し式の保持部42のみが設けられていても良い。また、物品を取り出し不可に保持し、保持している物品を取り出しおよび返却可能な保持部であれば、他の保持部を備えた物品管理装置であっても良い。例えば、ヒンジ開閉式またはスライド開閉式の扉を有する収納庫で構成しても良い。
【0177】
<変形例2>
タイマ監視設定処理において、タイマ設定時間に加えて、これよりも短い予告タイマ時間を設定して、タイマ監視処理の開始後、タイマ設定時間が超過する前に、予告タイマ時間が超過した時点で、報知音発生部113に予告アラーム音を発生させるようにしても良い。予告タイマ時間は、タイマ設定時間が設定されると、制御部111が予め設定された時間をタイマ設定時間から減算して自動的に設定するようにしても良い。タイマ監視処理の開始後、予告タイマ時間が超過した場合と、その後、タイマ設定時間が超過した場合とで、アラーム音を異ならせる。例えば、タイマ監視処理の開始後、予告タイマ時間が超過した時点での予告アラーム音は断続音とし、タイマ設定時間が超過したときの本アラーム音は連続音とする等である。また、予告アラーム音は、短時間の発生として、本アラーム音の発生の所定時間前に停止させるようにしても良い。なお、この場合、タイマ監視処理の開始後、予告タイマ時間が超過しても、タイマ設定時間が超過しなければ、タイムオーバーの返却遅延にはならないため、返却遅延理由の入力も不要となる。
【0178】
例えば、保持部41について、タイマ設定時間として30分が操作部32に入力されると、制御部111がタイマ設定時間を30分に設定し、予告タイマ時間として27分が操作部32に入力されると制御部111が予告タイマ時間を27分に設定する。すると、保持部41から鍵ホルダ52が取り出されて開始されるタイマ監視処理の開始後、27分経っても鍵ホルダ52が戻されていなかったら予告アラーム音を発生させることになり、その後3分経っても鍵ホルダ52が戻されていなかったら本アラーム音を発生させることになる。この場合、予告タイマ時間としてタイマ設定時間からの遡り時間を入力させることで設定するようにしても良い。すなわち、タイマ設定時間として30分が操作部32に入力されると、制御部111がタイマ設定時間を30分に設定し、予告タイマ時間の遡り分として3分が操作部32に入力されると、制御部111が予告タイマ時間をタイマ設定時間の3分前の27分に設定する。
【0179】
この場合も、タイマ設定時間の超過で発生する本アラーム音は、上記と同様に、操作部32へのCEキー128の押圧操作等のアラーム音停止操作で停止可能とし、予告タイマ時間の超過で発生する予告アラーム音についても、同様に、操作部32へのCEキー128の押圧操作等のアラーム音停止操作で停止可能とする。本アラーム音が鳴っていない状態でもタイマ設定時間の超過後であれば、鍵ホルダ52を挿入したら本アラーム音が鳴り、返却遅延理由の選択入力またはテキスト入力を行わないと返却処理が完了しないものとする。
【0180】
時刻監視設定処理についても、同様である。すなわち、設定時刻に加えて、これよりも短い予告時刻を設定して、設定時刻となる前に、予告時刻になった時点で、予告アラーム音を発生させるようにしても良い。予告時刻は、設定時刻が設定されると、制御部111が予め設定された遡り時間を設定時刻から減算して自動的に設定するようにしても良い。この場合も、予告時刻になった場合と、設定時刻になった場合とでアラーム音は異ならせるのが良い。なお、予告時刻になっても、設定時刻にならなければ、時刻超過の返却遅延にはならないため、返却遅延理由の入力も不要となる。
【0181】
変形例2では、物品である鍵53および収納物95の返却が返却遅延の状態に近づくと第1の報知としての予告アラーム音の発生を行うとともに、鍵53および収納物95の返却が返却遅延の状態になると、第1の報知とは異なる第2の報知としての本アラーム音の発生を行う。これにより、返却遅延の状態になることを抑制できる。また、鍵53の鍵ホルダ52と装置本体12とを通信可能に構成すると共に、鍵ホルダ52に報知音発生部やLEDランプや液晶パネル等の表示部を設け、装置本体12の制御部111の制御により、鍵ホルダ52に設けた報知音発生部により予告アラーム音や本アラーム音を発生させたり、表示部により予告時刻や設定時刻になった旨を報知するようにしてもよい。
【0182】
<変形例3>
記憶部112等をネットワークで接続された外部管理装置に設けて、物品管理装置11と外部管理装置とを含む物品管理システムとして構築することも可能である。この場合、出力処理での出力先としては、この物品管理装置11のプリンタ部36と、この物品管理装置11とネットワークで接続された外部の外部管理装置とが設定されることになる。そして、出力処理において、出力先としてプリンタ部36が選択されると、制御部111は、プリンタ部36による精査印字を行うことになり、出力先として外部管理装置が選択されると、この外部管理装置に出力し記憶させる。この外部管理装置では履歴帳票に印字可能となる。
【0183】
また、上記物品管理システムとした場合、物品管理装置11は、タイマ設定時間の超過、予告タイマ時間の超過、設定時刻超過、予告時刻超過等を、発生時点で、外部管理装置に出力することができる。この場合、外部管理装置は、タイマ設定時間の超過、予告タイマ時間の超過、設定時刻超過、予告時刻超過等を、発生時点で、電子メール等で取出者の端末装置に通知することが可能になる。また、タイマ設定時間の超過および設定時刻の超過を通知した場合に、通知対象者の端末装置のブラウザ等から返却遅延理由の入力を受け付けて、外部管理装置から物品管理装置11へ入力するようにしても良い。この場合、物品管理装置11は、外部から返却遅延理由が入力された場合にはアラーム音を停止させるようにする。このようにすれば、鍵ホルダ52あるいは収納物95の返却の際には、アラーム鳴動は停止しており、また、返却遅延理由の選択入力あるいはテキスト入力を行うことなく、通常の返却作業を行うだけで返却処理完了となる。
【0184】
<変形例4>
収納物95に、これを他の収納物95等と識別するための個別の識別番号が記憶されたICタグを設け、複数の保持部42のそれぞれに、引出部材91に収納された収納物95のICタグと通信可能であって通信状態から非通信状態への切り替えで収納物95の取り出しを検出し非通信状態から通信状態への切り替えで収納物95の返却を検出する物品検出手段としてのICタグリーダを設けても良い。このように構成することで、保持部42についても、保持部41と同様に一対一で対応する収納物95の取り出しおよび返却を正確に管理することができ、より適正な管理ができることになる。
【符号の説明】
【0185】
11 物品管理装置
32 操作部(入力部,設定部)
41 保持部(保管部)
42 収納部(保管部)
53 鍵(物品)
95 収納物(物品)
111 制御部(判定部,設定部,出力部)
112 記憶部
113 報知音発生部(報知部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15