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特許7435986流体の摩擦温度調節の為の生産方法および生産システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】流体の摩擦温度調節の為の生産方法および生産システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 23/00 20060101AFI20240214BHJP
   C10M 119/24 20060101ALI20240214BHJP
   C10N 50/10 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
G05D23/00 A
C10M119/24
C10N50:10
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022522660
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 IB2020061384
(87)【国際公開番号】W WO2021123993
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】16/722,062
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509350664
【氏名又は名称】クリューバー リュブリケーション ミュンヘン ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Klueber Lubrication Muenchen SE & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Geisenhausenerstrasse 7, D-81379 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロデラー, ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ボーデスハイム, ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー, バスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ケーラー, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】スモラ, アントン
(72)【発明者】
【氏名】ルートヴィヒ, ディルク
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-141298(JP,A)
【文献】特開2015-168806(JP,A)
【文献】特開2004-297853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 23/00
C10M 119/24
C10N 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産方法において、
均質化切断工具と接触するように不均質な流体混合物を流すステップと、
測定された流体混合物温度が得られるように流体混合物温度を測定し、目標流体混合物温度を決定するステップと、
(i)前記目標流体混合物温度および(ii)前記測定された流体混合物温度に基づく目標回転速度で切断工具を駆動することによって、加熱され均質化された流体混合物を得るために前記流体混合物を摩擦加熱するステップと、
前記加熱され均質化した流体混合物を前記切断工具から流出させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
(i)前記目標流体混合物温度は、前記加熱され均質化された流体混合物の目標温度であり、(ii)前記測定された流体混合物温度は、前記加熱され均質化された流体混合物の測定温度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不均質な流体混合物は、基油内部に不均質に分散された尿素増粘剤を含み、前記加熱され均質化された流体混合物は、尿素グリースを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体混合物は、潤滑剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記潤滑剤は、油、乳剤、グリース、石鹸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記測定された流体混合物温度は現在測定されている流体混合物温度であり、前記方法は、(i)前記目標流体混合物温度、(ii)前記現在測定されている流体混合物温度、および(iii)非対称デッドバンドセットに基づいて前記目標回転速度を更新するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記非対称デッドバンドセットは、インナーデッドバンドとアウターデッドバンドを含み、前記方法は、前記現在の測定された流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側であり、前記アウターデッドバンドの内側にあるときに、以前に測定された流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて、前記目標回転速度を更新するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記以前に測定された流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて、第1の工程および第2の工程により、前記目標回転速度を更新するステップを更に含み、
前記第1の工程は、前記現在測定されている流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側であり、前記アウターデッドバンドの内側であり、かつ、前記インナーデッドバンドの内側で最後に測定された流体混合物温度が前記アウターデッドバンドの外側で最後に測定された流体混合物温度よりも新しい場合に、前記更新された目標回転速度を現在の目標回転速度に等しいものとして設定する工程であり、
前記第2の工程は、前記現在測定されている流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側であり、前記アウターデッドバンドの内側にあり、かつ、前記インナーデッドバンドの内側で最後に測定された流体混合物温度が前記アウターデッドバンドの外側で最後に測定された流体混合物温度よりも新しくない場合に、前記現在測定されている流体混合物温度と目標温度との差に基づいて、前記更新された目標回転速度を算出する工程である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記更新された目標回転速度を複数の離散値のうちの1つに量子化して回転速度制御の分解能を低下させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記不均質な流体混合物に複数の前駆体を混合するステップと、
各前駆体の流量に基づいて、目標流体混合物温度及び非対称デッドバンドセットを決定するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記均質化切断工具は、駆動シャフトに付けられたロータとステータとを備え、前記ロータは、連続するステータリング間に画定された周方向チャネル内に配置されたロータリングを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
複数の前駆体を連続的に予混合器に流して、前記不均質な流体混合物を生産するステップと、
前記不均質な流体混合物を、前記均質化切断工具を備える第1のインライン分散器の入口に連続的に流すステップと、
前記第1のインライン分散器の下流の場所で加熱され均質化された流体混合物に添加剤を連続的に導入し、第2の均質化切断工具を備える第2のインライン分散器内部で組合せ物を連続的に流すステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
処理システムおよび均質化切断工具を備えた生産システムであって、前記生産システムは、
前記均質化切断工具と接触するように不均質な流体混合物を流し、
切断工具を駆動することによって流体混合物を摩擦加熱して、加熱され均質化した流体混合物を得て、
前記加熱され均質化された流体混合物を切断工具から流すように構成され、
前記処理システムは、一つ又は複数のプロセッサを備え、前記一つ又は複数のプロセッサは、
測定された流体混合物温度を得るために流体混合物温度を測定し、目標流体混合物温度を決定し、
(i)前記目標流体混合物温度および(ii)前記測定された流体混合物温度に基づく目標回転速度で前記切断工具を駆動するように構成される、生産システム。
【請求項14】
(i)前記目標流体混合物温度は、前記加熱され均質化された流体混合物の目標温度であり、(ii)測定された流体混合物温度は、前記加熱され均質化された流体混合物の測定温度である、請求項13に記載の生産システム。
【請求項15】
不均質な混合物は基油内部に不均質に分散された尿素増粘剤を含み、前記加熱され均質化された混合物は尿素グリースを含む、請求項14に記載の生産システム。
【請求項16】
複数の前駆体を予混合器に連続的に流して、不均質な流体混合物を生産し、
前記不均質な流体混合物を、前記均質化切断工具を備える第1のインライン分散器の入口に連続的に流し、
前記加熱され均質化された流体混合物に添加剤を連続的に導入し、第2の均質化切断工具を備える第2のインライン分散器内部で組合せ物を連続的に流すように更に構成される、請求項13に記載の生産システム。
【請求項17】
前記測定された流体混合物温度は現在測定されている流体混合物温度であり、前記一つ又は複数のプロセッサは、
(i)前記目標流体混合物温度、(ii)前記現在測定されている流体混合物温度、および(iii)インナーデッドバンドおよびアウターデッドバンドを含む非対称デッドバンドセットに基づいて、目標回転速度を更新し、
前記現在測定されている流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側にあり、かつ前記アウターデッドバンドの内側にあるときに、以前に測定された流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて前記目標回転速度を第1の工程および第2の工程により更新するように構成され、、
前記第1の工程は、前記現在測定されている流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側であり、前記アウターデッドバンドの内側にあり、かつ、前記インナーデッドバンドの内側で最後に測定された流体混合物温度が前記アウターデッドバンドの外側で最後に測定された流体混合物温度よりも新しいときに、前記更新された目標回転速度を現在の目標回転速度と等しくなるように設定することであり、
前記第2の工程は、前記現在測定されている流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側であり、前記アウターデッドバンドの内側にあり、かつ、前記インナーデッドバンドの内側で最後に測定された流体混合物温度が前記アウターデッドバンドの外側で最後に測定された流体混合物温度よりも、新しくないときに、前記現在測定されている流体混合物温度と目標温度との差に基づいて、前記更新された目標回転速度を算出することである、請求項13に記載の生産システム。
【請求項18】
尿素グリース生産システムであって、
(a)第1の前駆体を貯蔵する為の第1の貯蔵器と、第2の前駆体を貯蔵する為の第2の貯蔵器と、
(b)前記第1の前駆体および前記第2の前駆体から基油中に不均質に分散された尿素増粘剤粒子を含む第1の流体混合物を生産するための予混合器であって、前記第1の貯蔵器および第2の貯蔵器の下流に配置され、
前記第1の前駆体を受け入れるための第1の入口、
前記第2の前駆体を受け入れるための第2の入口、
前記第1の流体混合物を生産するために混合チャンバ内に配置された攪拌アセンブリ、
前記第1の流体混合物を連続的に流すための出口、
を備える、予混合器と、
(c)前記第1の流体混合物を加熱および均質化することによりウレアグリースを含む第2の流体混合物を生産するための第1のインライン分散器であって、前記予混合器の下流に配置され、
前記第1の流体混合物を受け入れるための入口、
前記第2の流体混合物を流すための出口、
混合チャンバ内に配置され、径方向に交互に配置された複数のロータ段およびステータ段を備えた切断工具、
を備える、第1のインライン分散器と、
を備える、尿素グリース生産システム。
【請求項19】
前記攪拌アセンブリが、
前記混合チャンバ内に静的に配置された複数の長手方向に変位したカラムを備えたステータアセンブリと、
複数のパドルを装着する駆動シャフトであって、複数のパドルが、連続するカラムの間に画定された隙間を通って回転するように構成されている、駆動シャフトと、
を備える、請求項18に記載の生産システム。
【請求項20】
一つ又は複数のプロセッサを備えた処理システムを更に備える、生産システムであって、前記一つ又は複数のプロセッサは、
目標流体混合物温度と、測定された流体混合物温度と、インナーデッドバンド及びアウターデッドバンドからなる非対称デッドバンドセットに基づいて、複数のロータ段の回転速度を制御するように構成される、請求項18に記載の生産システム。
【請求項21】
前記測定された流体混合物温度は、測定された現在の流体混合物温度であり、前記非対称デッドバンドセットは、インナーデッドバンドおよびアウターデッドバンドを含み、前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記測定された現在の流体混合物温度が前記インナーデッドバンドの外側にあり前記アウターデッドバンドの内側にあるときに、測定された以前の流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて、前記複数のロータ段の回転速度を制御するように構成される、請求項20に記載の生産システム。
【請求項22】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記複数のロータ段の目標回転速度を予め定められた複数の離散値の1つに量子化して、回転速度制御の分解能を低減するように構成される、請求項21に記載の生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]とりわけ、本出願は、摩擦を制御して加えることにより流体混合物の温度を調節する技術を開示する。ホモジナイザ(例えば、インライン分散器)は、混合物中に沈められた切断工具を回転させることによって摩擦を発生させることができる。
【0002】
【背景】
【0003】
[0002]グリースのような材料の生産は、流体の加熱を含むことができる。加熱は、流体温度コンディショニングまたは電気(「抵抗性」とも呼ばれる)温度コンディショニングによって達成することができる。流体温度コンディショニングの一例は、加熱された(例えば、ケトルコンディショニングされた)または冷却された作動流体を、目標材料と熱的に連通する熱交換器を通して流すことである。電気的温度コンディショニングの例は、目標材料と熱的に連通する抵抗性加熱要素を通して電流を流すことである。
【0004】
[0003]尿素グリースのようなグリースを使用して、機械的界面を潤滑および/または冷却することができる。たとえば、グリースが軸受(例えば、ころ軸受)内に現れて、荷重および伝熱フィルムがレースをローラ要素から確実に分離するようにすることができる。Bodesheimらの(Kluber Lubrication Munchen KGに譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる)米国特許第8258088号は、典型的なグリース用途および組成物を開示する。
【0005】
【概要】
【0006】
[0004]開示されるのは、生産方法であって、均質化切断工具と接触するように不均質な流体混合物を流すステップと、前記加熱され均質化した流体混合物を前記切断工具から流すステップと、測定された流体混合物温度が得られるように流体混合物温度を測定し、目標流体混合物温度を決定するステップと、を含む。流体混合物は、(i)目標流体混合物温度および(ii)測定された流体混合物温度に基づいた割合で切断工具を駆動することによって、加熱され均質化された流体混合物を得るために摩擦加熱される。加熱され均質化された流体混合物は、切断工具から流すことができる。
【0007】
[0005]処理システムおよび均質化切断工具を含むことができる生産システムが開示される。この生産システムは、均質化切断工具と接触するように不均質な流体混合物を流し、切断工具を駆動することによって流体混合物を摩擦加熱して、加熱され均質化した流体混合物を得て、加熱され均質化された流体混合物を切断工具から流すように構成することができる。
【0008】
[0006]処理システムは、一つ又は複数のプロセッサを含むことができ、これらのプロセッサは、測定された流体混合物温度を得るために流体混合物温度を測定し、目標流体混合物温度を決定し、(i)目標流体混合物温度および(ii)測定された流体混合物温度に基づいた割合で切断工具を駆動するように構成されている。
【0009】
[0007]第1の貯蔵器と、第2の貯蔵器と、予混合器と、第1のインライン分散器とを備えることができる尿素グリース生産システムが開示される。第1の貯蔵器は第1の前駆体を貯蔵するためのものであってよく、第2の貯蔵器は第2の前駆体を貯蔵するためのものであってよい。予混合器は、第1の前駆体および第2の前駆体から基油中に不均質に分散された尿素増粘剤粒子を含む第1の流体混合物を生産するためのものであってよい。
【0010】
[0008]予混合器は、第1および第2の貯蔵器の下流に配置することができ、第1の前駆体を受け取るための第1の入口と、第2の前駆体を受け取るための第2の入口と、第1の流体混合物を生産するために混合チャンバ内に配置された攪拌アセンブリと、第1の流体混合物を第1のインライン分散器に向けて連続的に流すための出口と、を含む。
【0011】
[0009]第1のインライン分散器は、第1の流体混合物を加熱し均質化することによって、尿素グリースを含む第2の流体混合物を生産するためのものであってよい。第1のインライン分散器は、予混合器の下流に配置することができ、第1の流体混合物を受け取るための入口と、第2の流体混合物を第2のインライン分散器に向けて流すための出口と、混合チャンバ内に配置されて径方向に交互に配置された複数のロータ段およびステータ段を含む切断工具と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0010]以下、典型的な図に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、典型的な実施形態に限定されない。本明細書に記載および/または例示された全て特徴は、本発明の実施形態において、単独で使用することもできるし、異なる組み合わせで組み合わせて使用することもできる。図に示された相対寸法は本来のサポートとして役立つが、本発明は、特に明記されていない限り、いかなる相対寸法にも限定されない。本発明の種々の実施形態の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
図1図1は、典型的な化学生産システムのブロック図である。このシステムは尿素グリースのような潤滑剤・潤滑油及び潤滑グリースの生産に使用できる。あるいは、このシステムを使用して非潤滑剤化合物を生産することができる。
図2図2は、典型的なフロー制御パッケージの構成要素を図示する典型的な化学生産システムの一部分のブロック図である。
図3図3は、典型的なフロー制御パッケージの場所を図示する典型的な化学生産システムのブロック図である。
図4図4は、典型的な化学生産システムで使用するための典型的な処理機の等角図である。加工機は予備混合を行うことができる。
図5図5は、図4の典型的な予備混合の正面図である。
図6図6は、図5の平面6-6からの図4の典型的な予備混合の、横断面図である。
図7図7は、図5の平面7-7からの図4の典型的な予備混合の底面図である。
図8図8は、図7の平面8-8からの図4の典型的な予備混合の横断面図である。
図9図9は、典型的な化学生産システムで使用するための典型的なインライン分散機の等角図である。インライン分散機の外部シェルの一部分は、切り取られた斜視を提供するために省略されている。URL(ystral.com/en/machines/z-inlinedispersers/)におけるYstral(登録商標)から様々なインライン分散機が入手可能である。
図10図10は、図9の典型的なインライン分散機で使用する典型的なロータおよびステータの斜視図である。
図11図11は、図10に示される切断工具の典型的な動作を概略的に示す。
図12図12は、図9の典型的なインライン分散機の一実施形態の横断面図である。
図13図13は、図9の典型的なインライン分散器として処理装置を制御する典型的な方法のブロック図である。
図14図14は、図9の典型的なインライン分散機のような処理装置を制御する典型的な方法のブロック図である。
図15図15は、典型的な非対称デッドバンドセットを概略的に示す。
図16図16は、典型的な処理システムのブロック図である。処理システムは、本出願に開示される方法(例えば、操作)のいずれかを行うように構成することができる。
【詳細な説明】
【0013】
I.
【0014】
[0027]図1は、化学製品生産システム100のブロック図である。本出願は、潤滑剤(例えば、尿素グリース)製造の典型的な状況における生産システム100の特徴を記載する。しかしながら、本出願において開示される主題は、特定の用途または環境に限定されない。したがって、システム100は、非尿素グリースおよび/または非グリース化合物を製造するために使用することができる。
【0015】
[0028]生産システム100は、ベース液内に不均質に懸濁された凝集粒子を含む第1の流体混合物を均質にするように構成することができる。均質化は、粒子が脱凝集され、ベース液内部に均質に分散される第2の混合物を生成することができる。均質化を受ける材料の温度を調整することにより、第2の化学的混合物が望ましい特性を示すようにすることができる。
【0016】
[0029]上述したように、温度調整は、流体および/または電気的温度コンディショニングを含むことができる。しかしながら、流体/電気的温度コンディショニングは、均質化の状況において障害となり得る。
【0017】
[0030]第1に、流体/電気温度コンディショニングは、均質化を受ける材料(「反応材料」とも呼ばれる)の温度を均一に調節することができない場合がある。許容できない温度勾配が、活性流体/電気コンディショニング要素に直接隣接する反応材料(例えば、流体熱交換器または抵抗器)と、活性流体/電気コンディショニング要素から離れた反応材料との間に形成され得る。尿素グリースの生産中、流体/電気温度コンディショニング要素は、尿素グリースの所望の平均温度(例えば、150-200℃)を超える(例えば、30-50℃超える)温度を占めることが必要とされてもよい。その結果、流体/電気温度コンディショニング要素に近接する尿素グリースの部分は200-300℃を示すことができ、一方、離れた部分は150℃を示すことができる。別の言い方をすれば、尿素グリースは低い熱伝達係数を有するので、流体または電気的温度コンディショニングは大きな温度勾配を必要とし、それは副反応、酸化、変色、亀裂などのようなグリース特性の劣化につながる可能性がある。
【0018】
[0031]第2に、流体および電気的温度コンディショニングは、流体/電気的温度コンディショニング要素が所望の温度調整をゆっくりと実施する、許容できない(「制御遅れ」とも呼ばれる)ヒステリシスを受け得る。その間に、グリースが破損する可能性がある。
【0019】
[0032]その結果、流体または電気的な温度コンディショニングによって生産された混合物(例えば、尿素グリース)は、不利なことに、副反応、酸化、変色、亀裂、およびその他のような貧弱なグリース特性のような上述の損傷を受ける可能性がある。これらの影響は、混合物の品質を著しく損なう可能性がある。
【0020】
[0033]これらの障害に対処するために、本出願は、とりわけ、制御された摩擦を加えること(すなわち、機械的加熱)による温度調節を開示する。後述するように、摩擦温度調節は、均質化プロセス中に反応する力(例えば、剪断力)を能動的に制御することによって実施することができる。たとえば、インライン分散器(「ホモジナイザ」とも呼ばれる)の駆動シャフトの回転速度は、測定された温度(例えば、インライン分散器を出る反応材料の測定された温度)および所定の目標温度(例えば、インライン分散器を出る反応材料の所望の温度)に基づいて制御することができる。
【0021】
[0034]測定された温度が目標温度を超える場合には、インライン分散器の回転速度を減速して切断工具によって加えられる摩擦の量を減少させることができ、目標温度が測定温度を超える場合には、インライン分散器の回転速度を加速して切断工具によって加えられる摩擦の量を増加させることができる。
【0022】
[0035]摩擦は、切断工具の旋回表面領域にわたって加えられるので、反応材料は有利な均一な温度(例えば、許容可能な温度勾配)を示すことができる。インライン分散器の回転速度は、流体/電気的温度コンディショニングシステムの作動流体/抵抗発熱要素よりもコマンド信号に対してより応答することができるので、ヒステリシスを有利に低減することができる。
【0023】
[0036]一実施形態によれば、ホモジナイザ(例えば、第2の処理機106、以下で更に説明する)は、流体/電気温度コンディショニングとともに摩擦温度調節を行う。別の実施形態によれば、ホモジナイザは、流体/電気温度コンディショニングを排除するために摩擦温度調節を行う。以下、これらの実施形態について更に説明する。
【0024】
II.
【0025】
[0037]均質化切断工具と接触するように不均質流体混合物を流すステップと、測定された流体混合物温度が得られるように流体混合物温度を測定し、目標流体混合物温度を決定するステップと、(i)目標流体混合物温度および(ii)測定された流体混合物温度に基づいた割合で切断工具を駆動することによって、加熱され均質化された流体混合物を得るために流体混合物を摩擦加熱するステップと、加熱され均質化した流体混合物を切断工具から流すステップと、を含むことができる生産方法が開示される。
【0026】
[0038]一実施形態において、(i)目標流体温度は、加熱され均質化された流体混合物の目標温度であり、(ii)測定された流体混合物温度は、加熱され均質化された流体混合物の測定された温度である。一実施形態において、不均質流体混合物は基油内に不均質に分散された尿素増粘剤を含み、加熱され均質化された流体混合物は尿素グリースを含む。一実施形態において、流体混合物は潤滑剤である。一実施形態において、潤滑剤は、油、乳剤、グリース、石鹸、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0027】
[0039]一実施形態において、割合は目標回転速度であり、測定された流体混合物温度は現在測定されている流体混合物温度であり、この方法は、(i)目標流体混合物温度、(ii)現在測定されている流体混合物温度、および(iii)非対称デッドバンドセットに基づいて目標回転速度を更新するステップを更に含む。一実施形態において、非対称デッドバンドセットは、インナデッドバンドとアウタデッドバンドとを含み、この方法は、現在の測定された流体混合物温度がインナーデッドバンドの外側であり、アウターデッドバンドの内側にあるときに、以前に測定された流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて目標回転速度を更新するステップを更に含む。
【0028】
[0040]この方法は、以前に測定された流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて、現在測定されている流体混合物温度がインナーデッドバンドの外側であり、アウターデッドバンドの内側であり、かつ、インナーデッドバンドの内側で最後に測定された流体混合物温度がアウターデッドバンドの外側で最後に測定された流体混合物温度よりも新しい場合には更新された目標回転速度を現在の目標回転速度に等しいものとして設定する工程と、現在測定されている流体混合物温度がインナーデッドバンドの外側にあり、アウターデッドバンドの内側にあり、かつ、インナーデッドバンドの内側で最後に測定された流体混合物温度がアウターデッドバンドの外側で最後に測定された流体混合物温度よりも新しくない場合に、現在測定されている流体混合物温度と目標温度との差に基づいて、更新された目標回転速度を算出する工程と、によって目標回転速度を更新するステップを含むことができる。
【0029】
[0041]この方法は、回転速度制御の分解能を低下させるために、更新された目標回転速度を複数の離散値のうちの1つに量子化するステップを含むことができる。この方法は、不均質流体混合物に複数の前駆体を混合するステップと、、各前駆体の流量に基づいて目標混合物流体温度及び非対称デッドバンドセットを決定するステップと、を含むことができる。
【0030】
[0042]一実施形態において、均質化切断工具は、駆動シャフトとステータに付けられたロータを含み、ロータは、連続するステータリング間に画定された周方向チャネル内に配置されたロータリングを含む。この方法は、複数の前駆体を連続的に予混合器に流して、不均質流体混合物を生産するステップと、不均質流体混合物を均質化切断工具を含む第1のインライン分散器の入口に連続的に流すステップと、第1のインライン分散器の下流の場所で加熱され均質化された流体混合物に添加剤を連続的に導入し、第2の均質化切断工具を含む第2のインライン分散器内で組合せ物を連続的に流すステップと、を含むことができる。
【0031】
[0043]処理システムと均質化切断工具とを含む生産システムが開示される。この生産システムは、均質化切断工具と接触するように不均質流体混合物を流し、切断工具を駆動することによって流体混合物を摩擦加熱して、加熱され均質化した流体混合物を得て、加熱され均質化された流体混合物を切断工具から流すように構成することができる。
【0032】
[0044]一実施形態によると、処理システムは、測定された流体混合物温度を得るために流体混合物温度を測定し、目標流体混合物温度を決定し、(i)目標流体混合物温度および(ii)測定された流体混合物温度に基づいた割合で切断工具を駆動するように構成された一つ又は複数のプロセッサを含む。
【0033】
[0045]一実施形態において、(i)目標流体混合物温度は、加熱され均質化された流体混合物の目標温度であり、(ii)測定された流体混合物温度は、加熱され均質化された流体混合物の測定された温度である。一実施形態において、不均質混合物は基油中に不均質に分散された尿素増粘剤を含み、加熱され均質化された混合物は尿素グリースを含む。
【0034】
[0046]生産システムは、複数の前駆体を予混合器に連続的に流して、不均質な流体混合物を生産し、不均質流体混合物を、均質化切断工具を含む第1のインライン分散器の入口に連続的に流し、加熱され均質化された流体混合物に添加剤を連続的に導入し、第2の均質化切断工具を含む第2のインライン分散器内で組合せ物を連続的に流すように構成することができる。
【0035】
[0047]一実施形態において、割合は、目標回転速度であり、測定された流体混合物温度は、現在測定されている流体混合物温度であり、一つ又は複数のプロセッサは、(i)目標流体混合物温度、(ii)現在測定されている流体混合物温度、および(iii)インナーデッドバンドおよびアウターデッドバンドを含む非対称デッドバンドセットに基づいて、目標回転速度を更新するように構成される。
【0036】
[0048]生産システムは、現在の測定された流体混合物温度がインナーデッドバンドの外側にあり、アウターデッドバンドの内側にあるときに、以前に測定された流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて、現在測定されている混合物温度がインナーデッドバンドの外側にあり、アウターデッドバンドの内側にあり、かつ、インナーデッドバンドの内側で最後に測定された混合物温度がアウターデッドバンドの外側で最後に測定された混合物温度よりも新しいときに、更新された目標回転速度を現在の目標回転速度と等しくなるように設定すること、および、 現在測定されている混合物温度がインナーデッドバンドの外側にあり、アウターデッドバンドの内側にあり、かつ、インナーデッドバンドの内側で最後に測定された混合物温度がアウターデッドバンドの外側で最後に測定された混合物温度よりも新しくないときに、現在測定されている混合物温度と目標温度との差に基づいて、更新された目標回転速度を算出することによって、目標回転速度を更新するように構成することができる。
【0037】
[0049]本発明の尿素グリース生産システムは、第1の貯蔵器と、第2の貯蔵器と、予混合器と、第1のインライン分散器とを備える。第1の貯蔵器は、第1の前駆体を貯蔵するためのものであってよく、第2の貯蔵器は、第2の前駆体を貯蔵するためのものであってよい。予混合器は、第1の前駆体および第2の前駆体から基油中に不均質に分散された尿素増粘剤粒子を含む第1の流体混合物を生産するためのものであってよい。予混合器は、第1および第2の貯蔵器の下流に配置することができ、第1の前駆体を受け取るための第1の入口と、第2の前駆体を受け取るための第2の入口と、第1の流体混合物を生産するために混合チャンバ内に配置された攪拌アセンブリと、第1の流体混合物を第1のインライン分散器に向けて連続的に流すための出口と、を含む。
【0038】
[0050]第1のインライン分散器は、第1の流体混合物を加熱し均質化することによって、尿素グリースを含む第2の流体混合物を生産するためのものであってよい。第1のインライン分散器は、予混合器の下流に配置することができ、第1の流体混合物を受け取るための入口と、第2の流体混合物を第2のインライン分散器に向けて流すための出口と、混合チャンバ内に配置され、径方向に交互に配置された複数のロータ段およびステータ段を含む切断工具と、
を含む。
【0039】
[0051]一実施形態によると、攪拌アセンブリは、混合チャンバ内部に静的に配置された複数の長手方向に変位したカラムを含むステータアセンブリと、多数のパドルを装着する駆動シャフトであって、複数のパドルが、連続するカラムの間に画定された隙間を通って回転するように構成されている駆動シャフトと、を含む。
【0040】
[0052]生産システムは、一つ又は複数のプロセッサを含む処理システムを含むことができ、一つ又は複数のプロセッサは、目標混合物流体温度と、測定された流体混合物温度と、インナーデッドバンド及びアウターデッドバンドを含む非対称デッドバンドセットとに基づいて、複数のロータ段の回転速度を制御するように構成されている。
【0041】
[0053]一実施形態において、測定された流体混合物温度は、測定された現在の流体混合物温度であり、非対称デッドバンドセットは、インナーデッドバンド及びアウターデッドバンドを含み、一つ又は複数のプロセッサは、測定された現在の流体混合物温度がインナーデッドバンドの外側にあり、アウターデッドバンドの内側にあるときに、測定された以前の流体混合物温度のデッドバンド状態に基づいて、複数のロータ段の回転速度を制御するように構成されている。実施形態において、一つ又は複数のプロセッサは、複数のロータ段の目標回転速度を予め定められた複数の離散値の1つに量子化して、回転速度制御の分解能を低減するように構成されている。
【0042】
[0054]図1を参照すると、複数の異なる前駆体化学製品122、122A、122B、122C、122D、122E(「用量」、「溶液」、「流体」、または「物質」とも呼ばれる)を、貯蔵器102、102A、102B、102C、102D、102E(「供給源」とも呼ばれる)に独立して貯蔵することができる。各貯蔵器102は、能動的な加熱および/または攪拌する特徴を含むことができる。前駆体化学製品122は、均質流体、固体が懸濁された不均質流体、または固体であり得る。5個が示されているが、任意の数の前駆体(例えば、2個、10個など)を設けることができる。
【0043】
[0055]各前駆体122は、所定の化学量論比で下流の処理機に向かって流れることができる。図1では、第1の前駆体122A、、第2の前駆体122B、第3の前駆体122Cは、第1の処理機104(「混合器」および「予混合器」とも呼ばれる)に直接流れるように構成され、第4の前駆体122D、および第5の前駆体122Eは、第3の処理機106の直接上流の流体ラインに直接流れるように構成されている。
【0044】
[0056]一実施形態によれば、第1の貯蔵器102Aは、油に溶解したアミンを第1の前駆体122Aとして貯蔵することができ、第2の貯蔵器102Bは、油に溶解したイソシアネートを第2の前駆体122Bとして貯蔵することができる。油に溶解したイソシアネートは、50-60℃で貯蔵し、第2の貯蔵器102B内部で連続的に撹拌することができる。第3の貯蔵器102Cおよび第3の前駆体122Cは存在しなくてもよい。第4の貯蔵器102Dは、油に混合された添加剤を貯蔵することができる。第5の貯蔵器102Eは、純粋な油を貯蔵することができる。
【0045】
[0057]別の実施形態によれば、第1の貯蔵器102Aは、第1の前駆体122Aとして純粋なアミンを貯蔵することができ、第2の貯蔵器102Bは、第2の前駆体122Bとして純粋なイソシアネートを貯蔵することができ、第3の貯蔵器102Cは、第3の前駆体122Cとして純粋な油を貯蔵することができ、第4の貯蔵器102Dは、油に混合された第1の添加剤を貯蔵することができ、第5の貯蔵器102Eは、油または純粋な油に混合された第2の添加剤を貯蔵することができる。
【0046】
[0058]添加剤は、キレート化合物、ラジカルスカベンジャー、UV安定剤、反応層形成剤、有機または無機固形潤滑剤(例えば、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラファイト、メタル酸化物、ほう素窒化物、モリブデン硫化物、およびリン酸)のうち一つ又は複数を含むことができる。添加剤は、追加的または代替的に、燐および硫黄を含有する化合物(例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛)、耐摩耗/極圧添加剤としてのほう酸エステル類、抗酸化剤としての芳香族アミノ酸、フェノール類、硫黄化合物、腐食防止剤としての金属塩、エステル類、窒素化合物、異節環状化合物、摩擦防止剤としてのグリセロールモノ-またはジエステル、および増粘剤としてのポリイソブチレンまたはポリメタクリレートのうち一つ又は複数を含むことができる。
【0047】
[0059]図1は、前駆体化学製品の第1の処理機104への平行な流れを例示しているが、他の流路も考えられる。たとえば、第1の前駆体122Aは、第1の処理機104の上流で第2の前駆体122Bと混合することができ、得られた組み合わせは、第1の処理機104内部で第3の前駆体122Cと混合することができる。同じ概念は、添加剤流路にも適用される。
【0048】
[0060]第1の処理機104は、第1の混合物124(「流体」、「第1の流体混合物」および「第1の中間組成物」とも呼ばれる)を連続的に出力するように構成することができる。一実施形態によると、前駆体化学製品122は、第1の処理機104内部で反応して、油中の尿素増粘剤を第1の混合物124として連続的に生成する。一実施形態において、尿素増粘剤は、2価のイソシアネートと1価のアミンとのモル比が1:2であることによって形成することができる。第1の混合物124は、ベース液体内部に不均質に懸濁された凝集粒子を含む粘性流体として形成することができる。後述するように、システム100は、第1の混合物124を第2の混合物126に変換し、第2の混合物126を第3の混合物128などに変換することができる。数値ラベルは、場所を識別することができ、必ずしも不可逆的な化学反応ではない。たとえば、第4の混合物130は、第3の混合物128と同じ化合物でもよい。本明細書で使用されるように、流体は高粘性半固体でもよい。
【0049】
[0061]一実施形態によると、第1の処理機104は、直列に接続された複数(例えば、2つ、3つ)の予混合器(以下で更に説明する)を含むことができる。前駆体122は、第1の予混合器に入ることができる。第1の混合物124は、予混合器の最後から流れることができる。
【0050】
[0062]第1の混合物124(例えば、油中の尿素増粘剤)は、第1の処理機104から第2の処理機106に連続的に流れることができ、第2の処理機は、第1の混合物124を加熱および/または混合して第2の混合物126(「第2の中間組成物」とも呼ばれる)を生産することができる。第1の混合物124は、より高い粘度を示すことができ、第2の混合物126は、より低い粘度を示すことができる。一実施形態によると、第2の処理機106は、第1の混合物124を第2の混合物126に混合するように構成されたインライン分散器(「ホモジナイザ」とも呼ばれる)である。
【0051】
[0063]インライン分散器は、均質化切断工具(例えば、ロータ/ステータの組み合わせ)を含むことができる。切断工具(「切断アセンブリ」とも呼ばれる)によって加えられる摩擦は、第2の処理機106内部で反応される材料の温度を調節するように(例えば、回転速度調節によって)制御することができる。一実施形態によると、第2の混合物126は尿素グリースである。以下、ホモジナイザの典型的な特徴およびその制御について更に説明する。
【0052】
[0064]一実施形態によると、第2の処理機106内部で反応する材料の温度は、切断工具の回転速度制御によってのみ能動的に制御される。一実施形態によると、反応材料と切断工具との間の摩擦は、第2の処理機106内部の反応材料に吸収される熱の少なくとも85%、90%、95%、または99%のおかげである。
【0053】
[0065]第2の処理機106内部の反応材料に吸収される熱は、第2の処理機106に入る材料(例えば、第2の混合物126)および第2の処理装置106から出る材料(例えば、第3の混合物128)の温度、組成(したがって熱容量)および/または質量流量を捕捉することによって測定することができる。第2の処理機106内部で反応される材料の温度は、切断工具の回転速度制御によって、排他的に能動的に調節可能であるが、第2の処理機106は、内部の機械的/電気的構成要素(例えば、モータ、インバータ、軸受)を冷却するように構成された付随的な温度コンディショニング要素(例えば、ファン)を含むことができる。
【0054】
[0066]第2の混合物126は、均一な温度(例えば、10、5、2、または1℃未満することができる(例えば、10、5、2、または1℃未満のような狭い温度帯域を示す)で処理機106から連続して出ることができる。第2の混合物126は、第3の処理機108に連続的に流れることができる。図1に示すように、一つ又は複数の前駆体(例えば、第4の前駆体122Dおよび第5の前駆体122E)は、第3の処理機108の上流で第2の混合物126と交差することができる。
【0055】
[0067]一実施形態によると、第3の処理機108は、第2の混合物126、第4の前駆体122D(例えば、添加剤)、および第5の前駆体122E(例えば、純粋な油)を均質な第3の混合物128に混ぜ入れるように構成された第2のインライン分散器(即ち、「ホモジェナイザ」)である。第3の処理機108を制御するためのアルゴリズムは、第2の処理機106を制御するためのアルゴリズムとは異なっていてもよい。
【0056】
[0068]一実施形態によると、第3の処理機108における切断工具の回転速度は、いかなる混合温度にも無関係に制御される。別の実施形態において、第3の処理機108における切断工具の回転速度は、第2の処理機106における切断工具の回転速度を制御するために使用されるのと同じアルゴリズムを介して制御される。
【0057】
[0069]第3処理機108は、第3の混合物128を連続的に生産することができる。一実施形態によると、第3の混合物128は、均質に分散された添加剤を有する尿素グリースである。第3の混合物128は、第4の処理機110に流れることができる。第4の処理機110は、第3の混合物128を混合および/または冷却することができる。第4の処理機110は、第3の混合物128を冷却するための能動的な温度コンディショニング(例えば、熱交換器、ファンなどを含む冷凍サイクル)を含むことができる。
【0058】
[0070]第4の処理機110は、連続的に流れる第3の混合物128の所定量が1つの第4の処理機110へと計量されるように、非連続的なバッチ操作用に構成することができる。その後、バルブは、連続的に流れる所定量の第3の混合物128が別の第4の処理機110等へと計量されるように切り替えることができる。第4の処理機110から、第4の混合物130は、充填ステーション112に流れることができる。
【0059】
[0071]充填ステーション112は、それぞれの貯蔵器へと所定量の第4の混合物130を計量することができる。貯蔵機は、密閉して商業的に流通させることができる。本明細書に開示される技術は、Bodesheimらに対する(Kluber Lubrication Munchen KGに譲渡され、参照として本明細書に組み込まれる)米国特許第8258088号に開示される任意の潤滑グリース組成物を製造するために使用することができる。
【0060】
[0072]以下、図2および図3を参照し、更に説明するように、処理システム200は、本明細書に開示された各操作(例えば、機能)を自動的に実施するように構成することができる。図2に示すように、流量制御パッケージ210は、一つ又は複数の流体アクチュエータ220(例えば、流体ポンプおよび/またはバルブ)を含むことができ、センサパッケージ230(例えば、質量/体積流量センサ(例えば、コリオリ質量流量計)、粘度センサ、圧力センサおよび温度センサの一つ又は複数)は、本明細書に開示される任意のフローライン114に沿って配置することができる。
【0061】
[0073]図3は、化学製品生産システム100全体にわたる流れ制御パッケージ210の典型的な場所を例示する。たとえば、図3に示すように、それぞれのフロー制御パッケージ210は、生産システム100の各フローライン114に沿って配置することができる。それぞれの流量制御パッケージ210は、各貯蔵器102、処理機104-110および充填ステーション112の内部に配置することができる。
【0062】
[0074]図3を参照すると、処理システム200は、各流体アクチュエータ220および貯蔵器102、処理機械104-110、ならびに充填ステーション112の任意のアクチュエータ(例えば、切断工具)を能動的に制御(例えば、調整)するように構成することができる。処理システム200は、各センサおよび作動可能な構成要素との一方向または二方向の有線または無線通信経路202(図3では、通信経路202は分かりやすくするために切り捨てられている)を含むことができる。
【0063】
IV.
【0064】
[0075]図4図8は、典型的な予混合器400を例示する。上述したように、第1の処理機104は、直列に接続された一つ又は複数の予混合器400のみを含むことができる。図4は、完全に組み立てられたときの予混合器400の等角図である。図5は、その正面図である。図6は、図5の面6-6からの横断面図である。図7は、図5の面7-7からの底面図である。図8は、図7の面8-8からの横断面図である。
【0065】
[0076]予混合器400は、一つ又は複数の前駆体122を連続的に受け取り、第1の混合物124を連続的に出力するように構成することができる。図4図8を参照すると、予混合器400は、複数の入口402、コア404、および出口406を含むことができる。コア404は、駆動シャフト414を囲む環状のアウターカバー412を含むことができる。電気モータ450は、駆動シャフト414に回転動力を与えることができる。処理システム200は、電気モータ450によって駆動シャフト414の回転速度を制御することができる。
【0066】
[0077]入口402を通って進入した後、前駆体122は、静的アウターカバー412と回転可能なインナーシャフト414との間に画定された環状チャンバ470内で混合することができる。一実施形態において、各前駆体122は、予混合器400の内部に到達するまで分離したままでもよい。多数のパドル416は、インナーシャフト414から径方向に延びて、アウターカバー412に接触する前に径方向に終端することができる。パドル416の回転は、混合を容易にすることができる。
【0067】
[0078]各パドル416は、インナーシャフト414の長手方向軸に対して所定の角度(例えば、45度)を画定する長方形の面418を含むプリズム(例えば、箱形)でもよい。図6および図8に示すように、パドル416は、駆動シャフト414の時計廻りの回転CW-R(または他の実施形態によれば反時計回り)の間に、長方形の面418がコア404内部の流体を出口406に向かって押すように配向されてもよい。
【0068】
[0079]攪拌を強化するために、ロッド420(ステータとも呼ばれる)は、アウターカバー412を通ってインナーシャフト414内に延びることができる。ロッド420は、パドル416の連続した回転を可能にするために、軸方向間隔442(図8)を示すことができる。パドル416は、セット430内で駆動シャフト414から延びることができ、各セットは駆動シャフト414に垂直なそれぞれの面を占有する。駆動シャフト414、パドル416およびロッド420の組み合わせは、攪拌アセンブリと呼ぶことができる。
【0069】
[0080]たとえば、図8を参照すると、パドル416Aおよび416Bは第1のセット430Aを形成することができ、パドル416Cおよび416Dは第2のセット430Aを形成することができる。第1のセット430A(例えば、パドル416Aおよび416B)は、第1のロッド420Aの上の面内で回転することができる。第2のセット430B(例えば、パドル416Cおよび416D)は、第1のロッド420Aと第2のロッド420Bとの間の面内で回転することができる。第3のセット430Cは、第2のロッド420Bと第3のロッド420Cとの間に画定される面内で回転することができる。
【0070】
[0081]一実施形態において、各セット430は、駆動シャフト414の周囲に一定の間隔で周方向に配置された3つ、4つ、または5つのパドル416を含む。図4図8において、各セット430は、4つの規則的に離間されたパドル416を含む。図7および図8に示すように、連続するセット(例えば、第1のセット430Aおよび第2のセット430B)は、45°だけ角度的にオフセット可能であり、一方、交互のセット(例えば、第1のセット430Aおよび第3のセット430C)は、整列可能である(例えば、0の角度オフセットを示す)。その結果、セット430の第5のセット430Eと第6のセット430Fのみが、図7の平面透視画から見ることができる
【0071】
[0082]図6図8を参照すると、軸受アセンブリ460(例えば、ころ軸受アセンブリ)をチャンバ470内部に配置することができる。径方向支持体462は、アウターカバー412から延びて、軸受アセンブリ460のアウターレース(ラベルなし)を静的に付けることができる。そのインナーレース(ラベルなし)は、駆動シャフト414に付けられ、アウターレース内で(例えば、ころ軸受を介して)回転可能に軸支される。
【0072】
[0083]一実施形態(図示せず)において、前駆体122から第1の混合物124の各々は、第1の予混合器400の環状チャンバ418内部で結合する。得られた第1の混合物124は、下流の第2の予混合器400の環状チャンバ418内に配管されて第2の混合プロセスを経験し、その後、第1の混合物124は、下流の第3の予混合器400の環状チャンバ418内に配管されて第3の混合プロセスを経験する。
【0073】
[0084]第3の予混合器400から、第1の混合物124は第2の処理機106に流すことができる。第1の混合物124の流れは、第1の予混合器400/第2の予混合器400の下流で複数の流れに分岐することができ、第2の予混合器400/第3の予混合器400の多数の入口を介して合流することができる。処理システム200は、各予混合器400の速度を独立して制御することができる。
【0074】
IV.1
【0075】
[0085]図9は、典型的なインライン分散器の等角断面図である。URL(ystral.com/en/machines/z-inlinedispersers/)におけるYstral(登録商標)からは、様々なインライン分散器が入手可能である。図10は、その典型的な切断工具の斜視図である。図11は、図10に示される切断工具の典型的な操作を概略的に描写する。図12は、図9の典型的なインライン分散器の横断面図である。
【0076】
[0086]図9図12を参照すると、および先に説明したように、第2の処理機106および第3の処理機108は、それぞれ、一つ又は複数のインライン分散器600として設けることができる。流体(例えば、混合物)は、入口602を通ってコア604に入り、出口606を介して離れることができる。コア604は、駆動シャフト610、ロータ620およびステータ630が配置された(図9の切り取られた図によって見える)環状混合チャンバ640を画定することができる。
【0077】
[0087]一実施形態において、第2の処理機106の混合チャンバ640内部では、どの活性流体/電気温度コンディショニング要素(例えば、抵抗加熱要素、冷凍/ヒートポンプループ、ファン)も活性ではなく、その中で反応する材料の温度は均一である(例えば、10、5、3、2、または1℃未満の最大勾配を示す)。一実施形態によると、第2の処理機106の、どの能動的な温度コンディショニング要素(例えば、抵抗発熱体、冷凍/ヒートポンプループ、ファン)も、第1の混合物124、第2の混合物126、または混合チャンバ640内で反応する材料の温度に基づいて制御されない。
【0078】
[0088]一実施形態によると、第2の処理機106内部で反応する材料の温度は、切断工具の回転速度制御によってのみ能動的に調節される。一実施形態によると、反応材料と切断工具との間の摩擦は、第2の処理機106内部の反応材料に吸収される熱の少なくとも85%、90%、95%、または99%のおかげである。
【0079】
[0089]駆動シャフト610は、混合チャンバ640から、駆動シャフト610に回転動力を供給するように構成された電気モータ680(図12参照)まで延びることができる。図9を参照すると、ロータ620は駆動シャフト610に固定することができ、ステータ630はアウター本体608に静的に付けることができる。従って、駆動シャフト610の回転は、ステータ630が静止している間にロータ620を旋回させることができる。駆動シャフト610、ロータ620、および/またはステータ630の組み合わせは、切断工具と呼ぶことができる。
【0080】
[0090]図9を参照すると、ステータ630は、インナーリング632と、それらの間の径方向隙間(図9では示されていない)を画定するアウターリング634とを含むことができる。ロータ620は、径方向隙間内に配置された中間リング622を含むことができる。ロータ620およびステータ630のリングは、径方向開口部728、738(図10で示す)を周期的に画定することができる。図10を参照すると、流体(例えば、油中に不均質に分散された尿素増粘剤)は、入口602を通ってインナーステータリング632の径方向内向きの場所まで流れることができる。そこから、流体は、インナーステータリング632の径方向開口部、ロータリング622の径方向開口部、及びアウターステータリング634の径方向開口部を通って径方向外向きに流れることができる。
【0081】
[0091]流体は、出口606を介してコア混合チャンバ640から出ることができる。ステータ630に対してロータ620を旋回させることにより、そこを通過する流体を剪断することができる。剪断作用は、流体を加熱しかつ均質化することができる。
【0082】
[0092]図10および図11は、追加のリング層を有するロータ620およびステータ630を示す。ロータ620は、インナーリング722、中間リング724、及びアウターリング726を画定することができる。ロータリングの各々は、周期的に配置された径方向開口728を画定することができる。ステータ630は、インナーリング732、中間リング734、及びアウターリング736を画定することができる。ステータリングの各々は、周期的に配置された径方向開口738を画定することができる。
【0083】
[0093]ロータ620およびステータ630は、(i)インナーロータリング722が第1のステータ周方向チャネル752内のインナーリング732および中間ステータリング734の間に径方向に直接配置され、(ii)中間ロータリング724が第2のステータ周方向チャネル754内の中間ステータリング734および外側ステータリング736の間に径方向に直接配置され、(iii)アウターリング726がアウターステータリング736の径方向外向きに直接配置されるように、互いに嵌合することができる。
【0084】
[0094]中間ステータリング734は、第1のロータ周方向チャネル762内部に配置することができ、アウターステータリング736は、第2のロータ周方向チャネル764内部に配置することができる。図12を参照して後述するように、ロータ620とステータ630の相対的な径方向位置を入れ替えることができる。
【0085】
[0095]操作中、図10および図11を参照すると、凝集粒子810を含む流体は、入口602から、ロータ620内に画定された中心開口782を通って、ステータ630、730の中心空隙784内に流れることができる。そこから、流体は、径方向開口728、738によってリング732、722、734、724、736、726を通って順次前進することができる。
【0086】
[0096]ステータ630に対してロータ620を旋回させることにより、そこを通過する流体を剪断することができる。剪断作用は、流体を加熱および均質化することができる(例えば、粒子810を脱凝集させる)。図11は、便宜上コア混合チャンバ640のセクタを占有するだけの脱凝集粒子810を示す。操作中、粒子810は全体に分散することができる。
【0087】
[0097]図12は、多数のロータおよびステータ段を有するインライン分散器600の実施例を示す。様々な多段インライン分散器が当技術分野で知られている。描写された実施形態において、第1のロータ620Aおよび第1のステータ630Aが第1の段を画定することができ、第2のロータ620Bおよび第2のステータ630Bが第2の段を画定することができ、第3のロータ620Cおよび第3のステータ630Cが第3の段を画定することができる。流体は、破線流路に示されるように、第1の段、第2の段、および第3の段を通って連続的に進むことができる。
【0088】
[0098]図12に示すように、ロータ620とステータ630の相対位置は、インナーロータリング722がインナーステータリング732の径方向内向きに直接配置され、中間ロータリング724が中間ステータリング734の径方向内向きに直接配置され、アウターロータリング726がアウターステータリング736の径方向内向きに直接配置されるように、(図10および図11に示す実施形態と比較して)入れ替えることができる。
【0089】
[0099]横断面で示されているが、ロータリングおよびステータリングは明瞭にするために点描されている(ステータリングはロータリングよりも密に点描されている)。各それぞれの段において、流体は、径方向開口部728、738(図12の実施形態では存在するが、横断面の面のために図示されていない)を介して、以下の順序(722,732,724,734,726,736)で、ロータリングおよびステータリングを通って連続的に前進することができる。
【0090】
[0100]図12を参照すると、第4の前駆体122D(例えば、添加剤)は、第1のロータ段620Aの直接下流で、かつ第2のロータ段620Bの直接上流の地点(図示せず)において、第3の処理機108、したがって第2の混合物126に配管可能である。
【0091】
IV.2
【0092】
[0101]図13は、本明細書に開示される処理機のいずれかを制御するための第1の方法1300を提示する。第1の方法1300を使用して、第2の処理機106(例えば、インライン分散器600)を制御することができる。ブロック1302において、処理システム200は、出口606を介してインライン分散器600(例えば、第2の混合物126)から出る材料の目標温度(例えば、150℃)を決定する(例えば、受け取る)ことができる。目標温度は、ある範囲(例えば、150℃±2℃)を含むことができる。
【0093】
[0102]ブロック1304において、処理システム200は、出口606を出て行く材料の実際の温度を決定(例えば、捕捉)することができる。処理システム200は、出口606に沿って配置された流量制御モジュール210(図3図6および図8参照)のセンサパッケージ230を用いて、出口606を通ってインライン分散器600を離れる第2の混合物126の温度を記録することによって、これを行うことができる。
【0094】
[0103]ブロック1306において、処理システム200は、ブロック1302および1304の間に決定された情報に基づいて(例えば、目標温度範囲および温度推定値に基づいて)、インライン分散器600によって加えられる摩擦を調整することができる。出口606内の推定温度が目標温度を超える場合、処理システム200は、インライン分散器600の切断工具を減速することができる。
【0095】
[0104]処理システム200は、推定温度と目標温度との間の差に基づいた大きさで切断工具を減速することができる。たとえば、減速度の大きさは、差に正比例することができる。目標温度が出口606内の推定温度を超える場合、処理システム200はインライン分散器600の切断工具を加速することができる。処理システム200は、推定温度と目標温度との差に基づいた大きさで切断工具を加速することができる。たとえば、加速度の大きさは、差に正比例することができる。
【0096】
[0105]一実施形態によると、処理システム200は、第1の混合物124の決定された(例えば、推定された)組成に基づいて目標温度を決定することができる。処理システム200は、第1の処理機104への各前駆体102の相対的な流量に基づいて第1の混合物124の組成を決定することができる。たとえば、第1の前駆体102Aと第2の前駆体102Bとの質量または体積比が1:2である場合、処理システム200は第1の目標温度(例えば、145℃)を設定することができ、一方、同じ比が1:1である場合、処理システム200は第2の目標温度(例えば、155℃)を設定することができる。処理システム200は、第1の混合物124の決定された粘度に基づいて目標温度を決定することができる。
【0097】
[0106]図14は、本明細書に開示される処理機のいずれかを制御するための第2の方法1400を提示する。第2の方法1400は、第1の方法1300の実施形態とすることができ、第2の処理機106(例えば、インライン分散器600)を制御するために使用される。以下の説明では、インライン分散器600に特有のいかなる議論も、異なる処理機(例えば、予混合器400)に一般的に適用することができる。
【0098】
[0107]ブロック1402において、処理システム200は、出口606を介してインライン分散器600(例えば、第2の混合物126)から出る材料の目標温度を決定(例えば、選択)することができる。方法1400の各サイクルはブロック1402に戻ることができるが、目標温度は一定でもよい。
【0099】
[0108]ブロック1404において、処理システム200は、出口606を通って出て行く材料(例えば、第2の混合物126)の実際の温度を決定(例えば、捕捉)することができる。処理システム200は、出口606に沿って配置された流量制御モジュール210のセンサパッケージ230を用いて、出口606を通ってインライン分散器600を離れる第2の混合物126の温度を測定することによって、これを行うことができる(図12参照)。実際の温度は、所定の時間量(例えば、1秒)にわたって捕捉されたセンサ測定値の移動平均とすることができる。
【0100】
[0109]ブロック1406において、処理システム200は、実際の温度を目標温度と比較して、現在のデッドバンド状態を決定することができる。
【0101】
[0110]図15を参照すると、ブロック1402の目標温度は、地点温度1500(例えば、175℃)およびデッドバンドセット(「制御バンドセット」とも呼ばれる)を含むことができる。後述するように、デッドバンドセットに対する実際の温度の位置は、処理システム200がインライン分散器600の目標回転速度をどのように調整するかを規定することができる。
【0102】
[0111]デッドバンドセットは、インナーデッドバンド1502(例えば、175℃±0.1、0.2、または0.5℃)および対応するアウターデッドバンド1504(例えば、それぞれ175℃±1、2、または5℃)を含む非対称セットでもよい。インナーデッドバンド1502は、第1のデッドバンドとも呼ばれ、アウターデッドバンド1504は、第2のデッドバンドとも呼ばれる。以下でさらに議論するように、非対称という用語は、処理システム200がインナーデッドバンド1502の外側でアウターデッドバンド1504の内部に入る温度を扱う本質的に相違する方法を指すことができる。
【0103】
[0112]インナーデッドバンド1502内の実際の温度(したがって、温度ライン1520に沿って中央の黒い区域1522を占める)は、インナーデッドバンド状態を有することができる。第1の温度測定値1532は、インナーデッドバンド状態を有する。アウターデッドバンド1504内部に存在するが、狭いデッドバンド1504の外側に存在する(したがって、温度ライン1520に沿って2つの白い区域1524のうちの1つを占める)実際の温度は、中間状態を有することができる。第2の温度測定1534は、中間デッドバンド状態を有する。アウターデッドバンド1504の外側に存在する(したがって、温度ライン1520に沿った2つの黒いアウター区域1526のうちの1つを占める)実際の温度は、外部状態を有することができる。第3の温度測定値1536は、外部デッドバンド状態を有する。
【0104】
[0113]ブロック1406(図14参照)において、実際の温度が中間状態を有する場合、処理システム200は、最後の非中間デッドバンド状態(図14の括弧内に示される)を決定(例えば、ルックアップ)することができる。最後の非中間デッドバンド状態が内部であった場合、処理システム200は、ブロック4108に進むことができる。最後の非中間デッドバンド状態が外部であった場合、処理システムは、ブロック1410に進むことができる。
【0105】
[0114]一実施形態によれば、地点温度1500は172℃であり、狭い/インナーデッドバンド1502は[172℃-0.3℃、172℃+0.4℃]であり、広い/アウターデッドバンド1504は[172℃-2℃、172℃+3℃]である。実際の温度の時系列を次に示す。[時刻T-6で178℃、時刻T-5で175℃、時刻T-4で174℃、時刻T-3で172.1℃、時刻T-2で175℃、時刻T-1で170℃、時刻Tで168℃]。目標温度および上述した方法1400の実施形態によれば、時系列は次の状態をもたらす。[時刻T-6の外部、時刻T-5の中間[外部]、時刻T-4の中間[外部]、時刻T-3の内部、時刻T-2の中間[内部]、時刻T-1の中間[内部]、時刻Tの外部]。
【0106】
[0115]一実施形態によれば、地点温度1500は180℃であり、狭い/インナーデッドバンド1502は[180℃-0.1℃、180℃+0.1℃]であり、広い/アウターデッドバンド1504は[180℃-1℃、180℃+1℃]である。実際の温度の時系列を次に示す。[時刻T-6で175℃、時刻T-5で179.9℃、時刻T-4で179.1℃、時刻T-3で180.6℃、時刻T-2で181.1℃、時刻T-1で180.2℃、時刻Tで180.1℃]。目標温度および上述した方法1400の実施形態によれば、時系列は次の状態をもたらす。[時刻T-6の外部、時刻T-5の内部、時刻T-4の中間[内部]、時刻T-3の中間[内部]、時刻T-2の外部、時刻T-1の中間[外部]、時刻Tの内部]。
【0107】
[0116]ブロック1408において、処理システム200は、インライン分散器600の以前の目標速度を維持することができる(即ち、新しい目標速度を以前の目標速度として設定する)。そうでない場合、およびブロック1410において、処理システム200は、目標温度および実際の温度に基づいて新しい目標速度を算出することができる。
【0108】
[0117]ブロック1408およびブロック1410の両方の後、処理システム200は、駆動シャフト710を現在の目標速度で回転させることができる。たとえば、処理システム200は、駆動シャフト710を現在の目標速度で回転させるように構成された制御アルゴリズムを実施することによって、駆動シャフト710を現在の目標速度で回転させることができる。
【0109】
[0118]ブロック1410は、ブロック1412および1414の一方または両方を含むことができる。ブロック1412において、処理システム200は、比例積分微分(「PID」)アルゴリズムを適用して、目標温度および実際の温度に基づいて新しい目標速度を算出(すなわち、決定)することができる。
【0110】
[0119]典型的なインナーデッドバンド1502およびアウターデッドバンド1504の非対称性により、処理システム200は、実際の温度の僅かな変動に応答して目標速度を増減させること(oscillating)を回避することができる。たとえば、実際の温度がインナーデッドバンド1502内部にある場合、処理システム200は、実際の温度がアウターデッドバンド1504の外側に低下するまで、目標速度を調整するために下落する。しかしながら、実際の温度がアウターデッドバンド1504の外側にある場合、処理システム200は、実際の温度がインナーデッドバンド1502内部に存在するまで、目標速度を調整し続ける。
【0111】
[0120]ブロック1414において、処理システム200は、新しい目標速度を複数の離散値の1つに量子化(例えば、四捨五入、切り捨て)することができる。たとえば、処理システム200は、目標速度を0-100の規模で表現し、新しい目標速度を「0」で終わる最も近い値(例えば、0、10、20、30、40など)に量子化するように構成することができる。量子化プロセスにより、新しい目標速度は、前の目標速度に等しい値に四捨五入される(例えば、切り捨てられる)ことができる。
【0112】
[0121]一実施形態によると、システム100は、ブロック1414が存在しない場合に、連続する非量子化値を差分的に実施するように回転速度を制御することができる。たとえば、システム100は、ブロック1414が存在しない場合、駆動シャフト710を、目標速度が51%(例えば、所定の最大可能速度の51%)であるときは第1の割合で、目標速度が52%であるときは第2の異なる割合で回転させることができる。別の言い方をすれば、ブロック1414は、処理システム200が駆動シャフト710の速度をより低い分解能で制御することを可能にし、一方、処理システム200は、駆動シャフト710の速度をより高く、より詳細な分解能で制御することができる。
【0113】
[0122]量子化プロセスの一実施形態によれば、処理システム200は、PIDアルゴリズムを用いて、可能な最大速度(0-100%)のパーセンテージとして新しい目標速度を計算する。一実施形態において、処理システム200は、パーセンテージを0から所定の最大値(例えば、24768)までの範囲のビット値にスケーリングすることができる。不必要な増減を回避するために、処理システム200は、一実施形態において、ビットマスクおよび/またはビット単位のAND演算子を適用して、最後のビットを0に設定することができる。たとえば、0xFFF0を有するビットマスクの場合、処理システム200は、16のステップまたは0x0010に変更がある場合にのみ、インライン分散器600への出力を変更するように構成することができる。ビット単位ANDのために最大出力(例えば、24768)に到達できない場合、処理システム200は、ビット値がより小さい所定値(例えば、24760)を超える場合にビットマスクを無視することができる。
【0114】
[0123]処理システム200が適用するPIDアルゴリズムは、特定の要因の存在下で統合コンポーネント(すなわち、「PID」の「I」)を麻痺または効力をなくすためのワインドアップ対策を含むことができる。一実施形態によると、処理システム200は、目標速度が所定の範囲(例えば、可能な最大目標速度の25-75%の範囲)外側にあるときに、ワインドアップ対策を行うことができる。
【0115】
[0124]処理システム200は、入口602に入る材料の状態に基づいて、ワインドアップ対策の範囲のサイズとともに、目標温度(したがって、各デッドバンドの地点温度およびサイズ)を決定することができる。一実施形態において、処理システム200は、次の係数の一つ又は複数の関数として状態を(すなわち、目標温度およびワインドアップ対策の範囲に基づいて)近似することができる。(i)第1の混合物124を作るために使用される各前駆体122の組成物、(ii)第1の混合物124を作るために使用される各前駆体122の相対比率、(iii)第1の混合物124の測定温度、(iv)第1の混合物124の測定粘度、および/または(iv)第1の混合物124の測定流量(例えば、質量流量)。
【0116】
[0125]処理システム200は、測定された流量に基づいて係数伝搬遅延を考慮することができる。係数(例えば、第1の前駆体122の組成)の変化がインライン分散器600に到達するのに時間を要する場合に、伝播遅延が生じ得る。したがって、処理システム200は、質量流量を使用して、上流センサからの以前の測定のどれが、インライン分散器600内部で現在反応している第1の混合物124の部分に適用されるかを決定し、その後、これらの以前のセンサ測定値に依存することができる。
【0117】
[0126]たとえば、流速が、インライン分散器600内部の時間Tにおいて現在反応している第1の混合物124の部分が、時間T-1において第1の処理機104から出てくる第1の混合物124の部分から生じたことを示す場合、処理システム200は、時間T-2で捕捉された第1の混合物124を作るために使用される各前駆体122の組成に関するセンサ測定に依存することができる。従って、処理システム200は、各センサの履歴を保存することができる。履歴の各エントリには、タイムスタンプとセンサ読み取り値を含めることができる。処理システム200は、質量流量に基づいて、インライン分散器600内部で現在反応している第1の混合物124の特定のセクションを測定した各履歴からの一つ又は複数のセンサ読み取り値を決定することができる。
【0118】
V.
【0119】
[0127]図16を参照すると、処理システム200、1200は、一つ又は複数のプロセッサ1202、メモリ1204、一つ又は複数の入力/出力装置1206、一つ又は複数のセンサ1208、一つ又は複数のユーザインタフェース1210、および一つ又は複数のアクチュエータ1212を含むことができる。以下で更に説明するように、処理システム1200を分配することができる。たとえば、処理システム1200の一部の構成要素は、サーバ内部に配置することができ、いくつかは、第1の処理機械104、第2の処理機械106などの内部に配置することができる。
【0120】
[0128]プロセッサ1202は、それぞれが一つ又は複数のコアを有する一つ又は複数の別個のプロセッサを含むことができる。別個のプロセッサの各々は、同じ構造または異なる構造を有することができる。プロセッサ1202は、一つ又は複数の中央処理装置(CPU)、一つ又は複数のグラフィックス処理装置(GPU)、回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含むことができる。プロセッサ1202は、共通の基板または異なる基板に装着することができる。たとえば、一部のプロセッサ1202を第1のインライン分散器600に配置し、他のプロセッサ1202を第2のインライン分散器600に配置することができる。
【0121】
[0129]プロセッサ1202は、一つ又は複数の別個のプロセッサのうちの1つが、機能、方法、または操作を具体化するメモリ1204に格納されたコード(例えば、スクリプトの解釈)を実施することができる場合に、特定の機能、方法、または操作を行うように構成される。プロセッサ1202、したがって処理システム1200は、本明細書に開示される任意のおよび全ての機能、方法、および操作を自動的に行うように構成することができる。
【0122】
[0130]たとえば、本開示は、処理システム1200がタスク「X」を行う/行うことができる(またはタスク「X」が行われる)と述べている場合、そのような陳述は、処理システム1200がタスク「X」を行うように構成できることを開示すると理解されるべきである。処理システム1200は、少なくともプロセッサ1202が同じことをするように構成されているときに、機能、方法、または操作を行うように構成される。
【0123】
[0131]メモリ1204は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびデータを記憶することができる任意の他の媒体を含むことができる。揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および任意の他のタイプのメモリのそれぞれは、多数の異なる位置に置かれ、それぞれが異なる構造を有する多数の異なるメモリデバイスを含むことができる。メモリ1204は、クラウド記憶装置を含むことができる。
【0124】
[0132]メモリ1204の実施例には、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROMなどの非一時的なコンピュータ可読媒体、DVD、ブルーレイ(登録商標)などの任意の種類の光学記憶装置ディスク、ディスク、磁気的記憶装置、ホログラフィック記憶装置、HDD、SSD、命令またはデータ構造などの形式でプログラムコードを格納するために使用できる任意の媒体が含まれる。本出願に記載される任意の方法、機能、および操作は、メモリ1204に保存された有形および/または非一時的な機械可読コード(例えば、スクリプト)の形態で完全に具体化することができる。
【0125】
[0133]入出力デバイス1206は、ポート、アンテナ(すなわち、送受信機)、印刷された導電路等のような、データを取引するための任意の構成要素を含むことができる。入出力デバイス1206は、USB(登録商標)、DisplayPort(登録商標)、HDMI(登録商標)、イーサネット、PROFIBUS、PROFINET等を介して有線通信を可能にすることができる。入出力デバイス1206は、適切なメモリ1206との電子通信、光通信、磁気通信およびホログラフィック通信を可能にすることができる。入出力デバイス1206は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラー(例えば、LTE(登録商標)、CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、WiMAX(登録商標)、NFC(登録商標))、GPSなどを介して無線通信を可能にすることができる。入出力デバイス1206は、有線および/または無線通信経路を含むことができる。
【0126】
[0134]センサ1208は、環境の物理的測定値を捕捉し、それをプロセッサ1202に報告することができる。ユーザインタフェース1210は、ディスプレイ、物理的ボタン、スピーカ、マイクロホン、キーボードなどを含むことができる。アクチュエータ1212は、プロセッサ1202が機械的力を制御することを可能にすることができる。アクチュエータ1212は、回転速度を制御するためのインバータまたは他の機構を含むことができる。
【0127】
[0135]処理システム1200は、(例えば、複数の処理機にまたがって)分配することができる。処理システム1200は、特定の特徴が図16に示される複数の態様を有するモジュラー設計を有することができる。たとえば、I/Oモジュールは、揮発性メモリおよび一つ又は複数のプロセッサを含むことができる。
【0128】
[0136]本発明の実施形態は、図面および前述の説明において詳細に例示および説明されてきたが、そのような例示および説明は、例示的または典型的であり、限定的ではないと考えられるべきである。変更および修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内で当業者によってなされてもよい。特に、本発明は、上記および下記に記載される異なる実施形態からの特徴の任意の組合せを有する更なる実施形態をカバーする。本明細書において本発明を特徴付ける記載は、本発明の実施形態を指し、必ずしも全ての実施形態を指すわけではない。
【0129】
[0137]特許請求の範囲において使用される用語は、上述の説明と一致する最も広い合理的な解釈を有すると解釈されるべきである。たとえば、要素の導入における物品「一つの(a)」又は「その(the)」の使用は、複数の要素を排除するものとして解釈されるべきではない。同様に、「または(or)」の記載は、「AまたはB」の記載が「AおよびB」を排除しないように、包含的であると解釈されるべきである。ただし、AおよびBのうちの1つのみが意図されていることが文脈または前述の説明から明らかである場合はこの限りでない。さらに、「A、BおよびCの少なくとも1つ」という記載は、A、BおよびCからなる要素の群の1つ以上として解釈されるべきであり、A、BおよびCがカテゴリーとして関連するか否かにかかわらず、列挙された要素A、BおよびCのそれぞれの少なくとも1つを必要とするものとして解釈されるべきではない。さらに、「A、Bおよび/またはC」または「A、BまたはCの少なくとも1つ」という記載は、列挙された要素からの任意の単一の実体(例えば、A)、列挙された要素からの任意のサブセット(例えば、AおよびB)、または要素A、BおよびCの全てを含むものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16