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特許7435989振込管理システム、振込管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】振込管理システム、振込管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019051354
(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公開番号】P2020154576
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】千葉 博司
(72)【発明者】
【氏名】奥本 耕造
(72)【発明者】
【氏名】古林 昌樹
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-106612(JP,A)
【文献】特開2006-227926(JP,A)
【文献】特開2016-122315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理手段を有し、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理手段は、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号が前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行し、
前記振込依頼人に紐付けて前記資金返却用口座が登録されていない場合、前記第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する振込管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の振込管理システムにおいて、
前記処理手段は、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれもが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致しない場合、前記第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する振込管理システム。
【請求項3】
コンピュータが、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理工程を実行し、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理工程では、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号が前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行し、
前記振込依頼人に紐付けて前記資金返却用口座が登録されていない場合、前記第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する振込管理方法。
【請求項4】
コンピュータを、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理手段として機能させ、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理手段は、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号が前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行し、
前記振込依頼人に紐付けて前記資金返却用口座が登録されていない場合、前記第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振込管理システム、振込管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、振込エラーとなった複数の振込依頼の資金を所定の入金先(依頼人口座)へ一括して入金処理する振込管理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-106746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図13を用いて、振込エラーが発生し、資金返却される場合の処理の流れの一例を説明する。まず、仕向金融機関から被仕向け金融機関に振込依頼(振込電文)が送信される(S100)。被仕向金融機関は、振込依頼に応じて振込処理を実行する(S101)。ここでは、振込エラーが発生したものとする。この場合、被仕向金融機関は仕向金融機関に振込エラー情報を送信し、振込エラーに対する対応内容を照会する(S102)。
【0005】
仕向金融機関は、例えばオペレータが電話等で振込依頼人に対応内容を問い合わせる等の手段により、対応内容を決定する(S103)。対応内容は、資金返却又は振込電文の訂正である。ここでは、資金返却が決定されたものとする。仕向金融機関は、決定した対応内容を被仕向金融機関に通知する(S104)。そして、被仕向金融機関は通知された対応内容に応じた処理を実行する(S105)。ここでは、被仕向金融機関は資金返却処理を実行し、付替情報を仕向金融機関に送信する(S106)。仕向金融機関は、付替情報に基づき返却資金を所定の預金口座に入金する資金返却処理を実行する(S107)。
【0006】
S107の資金返却処理では、仕向金融機関のオペレータがオペレータ端末を介して付替情報を閲覧し、返却資金を入金する預金口座を指定する入力を行う。そして、仕向金融機関のシステムは、当該入力で指定された預金口座に返却資金を入金する。
【0007】
このように、振込エラーが発生し、資金返却される場合、仕向金融機関のオペレータは多くの作業を行わなければならず、手間である。
【0008】
本発明は、振込エラーが発生し、資金返却される場合における仕向金融機関のオペレータの作業負担を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、振込エラーが発生し、資金返却される場合における仕向金融機関のオペレータの作業負担が軽減される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理手段を有し、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理手段は、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれかが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行する振込管理システムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理工程を実行し、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理工程では、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれかが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行する振込管理方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理手段として機能させ、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理手段は、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれかが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行するプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】振込管理システムを導入した第1の金融機関を説明するための図である。
図2】第1の金融機関に導入されるシステムの機能ブロック図の一例である。
図3】本実施形態の装置やシステムのハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態の振込管理システムの機能ブロック図の一例である。
図5】本実施形態の仕向業務情報記憶部に記憶される情報の一例を模式的に示す図である。
図6】本実施形態の被仕向業務情報記憶部に記憶される情報の一例を模式的に示す図である。
図7】本実施形態の振込管理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】本実施形態の振込管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態の振込管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の振込管理システムの機能ブロック図の一例である。
図11】本実施形態の振込管理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12】本実施形態の振込管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】振込エラーが発生した場合の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の振込管理システムの概要を説明する。振込管理システムは、第1の金融機関に導入されているものとする。第1の金融機関は、図1に示すように、複数の支店2の業務の一部又は全部をセンター1でまとめて行う。センター1で行われる業務は、仕向に関する業務(仕向業務)及び被仕向に関する業務(被仕向業務)を含む。センター1には、仕向業務を行う仕向業務オペレータと、被仕向業務を行う被仕向業務オペレータが存在する。仕向業務オペレータは、第1の金融機関で発生した仕向業務を処理する。被仕向業務オペレータは、第1の金融機関で発生した被仕向業務を処理する。
【0015】
振込管理システムは、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになったこと示す振込エラー情報を取得すると、その振込処理の仕向金融機関が第1の金融機関か外部金融機関かを判断する。外部金融機関は、第1の金融機関と異なる金融機関である。
【0016】
そして、振込管理システムは、仕向金融機関が第1の金融機関である場合、振込エラー情報を、仕向業務オペレータにより閲覧される仕向業務情報を記憶する仕向業務情報記憶手段に記憶させる。仕向業務オペレータは、仕向業務情報記憶手段に記憶されている振込エラー情報をピックアップし、処理する。この場合、仕向業務オペレータは、ピックアップした振込エラー情報に基づき、図13のS103及びS107の処理を実行する。すなわち、図13のS102、S104及びS106のような仕向金融機関と被仕向金融機関との間での情報のやり取りや、S105のような被仕向金融機関での処理等は省略される。
【0017】
一方、振込管理システムは、仕向金融機関が外部金融機関である場合、振込エラー情報を、被仕向業務オペレータにより閲覧される被仕向業務情報を記憶する被仕向業務情報記憶手段に記憶させる。被仕向業務オペレータは、被仕向業務情報記憶手段に記憶されている振込エラー情報をピックアップし、処理する。この場合、被仕向業務オペレータは、ピックアップした振込エラー情報に基づき、図13のS102以降の処理を実行する。
【0018】
次に、図2に、第1の金融機関100に導入されるシステムの一例を模式的に示す。図示するように、第1の金融機関100には、振込管理システム10と、勘定系ホスト20と、オペレータ端末30とが導入される。
【0019】
勘定系ホスト20は、預金口座等の残高管理、預金額や融資額に対する利息計算、振込依頼に基づく振込処理等、金融機関の勘定処理を実行する。勘定系ホスト20は、専用回線等の通信ネットワーク40を介して、外部金融機関のシステムと通信する。
【0020】
振込管理システム10は、振込依頼が振込エラーになった場合に特徴的な処理を実行する。振込管理システム10の構成は後述する。
【0021】
オペレータ端末30は、仕向業務オペレータや被仕向業務オペレータ等のオペレータが操作する端末である。オペレータは、オペレータ端末30を介して各種情報を閲覧したり、オペレータ端末30に各種情報を入力したりする。
【0022】
ここで、振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々のハードウエア構成の一例について説明する。振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々が備える各機能は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0023】
図3は、振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々のハードウエア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0024】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、タッチパネル、物理ボタン、カメラ等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0025】
次に、振込管理システム10の機能構成の一例について説明する。図4に、振込管理システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、振込管理システム10は、振込エラー情報取得部13と振分部14とを有する。なお、仕向業務情報記憶部11及び被仕向業務情報記憶部12は、振込管理システム10が有してもよいし、振込管理システム10と通信可能に構成された他の装置が有してもよい。
【0026】
振込エラー情報取得部13は、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになったこと示す振込エラー情報を、第1の金融機関の勘定系ホスト20から取得する。勘定系ホスト20は、被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになると、振込エラー情報を振込管理システム10に送信する。
【0027】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、外部装置から送信されたデータを受信できる状態で待機しており、外部装置から送信されたデータを受信すること、外部装置から配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0028】
振分部14は、振込エラーになった振込処理の仕向金融機関が第1の金融機関である場合、仕向業務情報記憶部11に振込エラー情報を記憶させる。一方、振込エラーになった振込処理の仕向金融機関が外部金融機関である場合、振分部14は、被仕向業務情報記憶部12に振込エラー情報を記憶させる。振分部14は、振込エラーとなった振込処理の振込電文の内容に基づき、仕向金融機関が第1の金融機関であるか外部金融機関であるかを判断できる。
【0029】
仕向業務情報記憶部11は、仕向業務オペレータにより閲覧される仕向業務情報を記憶する。仕向業務情報記憶部11は、第1の金融機関の複数の支店の仕向業務に関する仕向業務情報を記憶する。そして、仕向業務オペレータは、仕向業務情報記憶部11に記憶されている仕向業務情報をピックアップし、処理する。すなわち、仕向業務オペレータは、第1の金融機関の複数の支店の仕向業務を処理する。
【0030】
被仕向業務情報記憶部12は、被仕向業務オペレータにより閲覧される被仕向業務情報を記憶する。被仕向業務情報記憶部12は、第1の金融機関の複数の支店の被仕向業務に関する被仕向業務情報を記憶する。そして、被仕向業務オペレータは、被仕向業務情報記憶部12に記憶されている被仕向業務情報をピックアップし、処理する。すなわち、被仕向業務オペレータは、第1の金融機関の複数の支店の被仕向業務を処理する。
【0031】
図5に、仕向業務情報記憶部11が記憶する仕向業務情報の一例を模式的に示す。図示する仕向業務情報は、通番と、処理日と、処理時刻と、依頼人情報と、振込先情報と、金額と、処理済フラグとを有する。なお、仕向業務情報は、例示した項目の一部を含まなくてもよいし、他の項目を含んでもよい。
【0032】
通番は、複数の仕向業務を互いに識別する情報を示す。例えば、振込エラーとなった振込電文に含まれる振込依頼を互いに識別する情報などであってもよい。
【0033】
処理日は、振込エラーとなった振込処理が実行された日を示す。
【0034】
処理時刻は、振込エラーとなった振込処理が実行された時刻を示す。
【0035】
依頼人情報は、振込エラーとなった振込処理の振込依頼人に関する情報を示す。例えば、振込依頼人の名称、口座情報等を含む。
【0036】
振込先情報は、振込エラーとなった振込処理の振込先に関する情報を示す。例えば、振込先預金口座の名義人やその他の口座情報等を含む。
【0037】
金額は、振込エラーとなった振込処理の振込金額を示す。
【0038】
処理済フラグは、各仕向業務が処理済か否かを示す。処理済フラグの初期値は未処理を示し、その後の任意のタイミングで処理済に変更される。
【0039】
図6に、被仕向業務情報記憶部12が記憶する被仕向業務情報の一例を模式的に示す。図示する被仕向業務情報は、通番と、処理日と、処理時刻と、依頼人情報と、振込先情報と、金額と、処理済フラグとを有する。なお、仕向業務情報は、例示した項目の一部を含まなくてもよいし、他の項目を含んでもよい。
【0040】
通番は、複数の被仕向業務を互いに識別する情報を示す。例えば、振込エラーとなった振込電文に含まれる振込依頼を互いに識別する情報などであってもよい。
【0041】
処理日、処理時刻、依頼人情報、振込先情報及び金額は、仕向業務情報の各項目と同じである。
【0042】
処理済フラグは、各被仕向業務が処理済か否かを示す。処理済フラグの初期値は未処理を示し、その後の任意のタイミングで処理済に変更される。
【0043】
次に、図7のシーケンス図を用いて、振込管理システム10及び勘定系ホスト20の処理の流れの一例を説明する。
【0044】
まず、勘定系ホスト20は、ATM(automatic teller machine)、第1の金融機関のホームページやアプリを介して第1の金融機関の金融機関システムにログインしたPC(personal computer)、スマートフォン、タブレット端末等のユーザ端末、又は外部金融機関のシステム等から、振込依頼(振込電文)を取得する(S10)。次いで、勘定系ホスト20は、取得した振込依頼に基づき振込処理を実行する(S11)。ここでは、振込エラーが発生したものとする。すると、勘定系ホスト20は、被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになったことを示す振込エラー情報を振込管理システム10に送信する(S12)。
【0045】
その後、振込管理システム10は、振込エラーとなった振込処理の仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かを判断する(S13)。そして、振込管理システム10は、判断結果に基づき決定した記憶部(仕向業務情報記憶部11又は被仕向業務情報記憶部12)に、振込エラー情報を記憶させる(S14)。
【0046】
次に、図8のフローチャートを用いて、振込管理システム10の処理の流れの一例(図7のS12乃至S14の部分)を説明する。
【0047】
振込管理システム10は、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになったことを示す振込エラー情報を勘定系ホスト20から取得すると(S20)、その振込処理の仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かを判断する(S21)。振込管理システム10は、振込エラーとなった振込処理の振込電文の内容に基づき、仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かを判断できる。
【0048】
仕向金融機関が第1の金融機関である場合(S21のYes)、振込管理システム10は、仕向業務オペレータにより閲覧される仕向業務情報を記憶する仕向業務情報記憶部11に振込エラー情報を記憶させる(S22)。
【0049】
一方、仕向金融機関が第1の金融機関でない場合(S21のNo)、振込管理システム10は、被仕向業務オペレータにより閲覧される被仕向業務情報を記憶する被仕向業務情報記憶部12に振込エラー情報を記憶させる(S23)。
【0050】
仕向業務オペレータは、仕向業務情報記憶部11に記憶されている振込エラー情報をピックアップし、処理する。例えば、仕向業務オペレータは、ピックアップした振込エラー情報に基づき振込エラーとなった振込処理の振込依頼人を特定し、特定した込依頼人に電話等で問い合わせ、対応内容(資金返却又は振込電文の訂正)を決定する(図13のS103)。そして、仕向業務オペレータは、決定した対応内容の処理を実行する(図13のS107)。
【0051】
一方、被仕向業務オペレータは、被仕向業務情報記憶部12に記憶されている振込エラー情報をピックアップし、処理する。例えば、被仕向業務オペレータは、ピックアップした振込エラー情報に基づき振込エラーとなった振込処理の仕向金融機関を特定し、特定した仕向金融機関に振込エラー情報を送信して対応内容を照会したり(図13のS102)、照会に対する回答を受信したり(図13のS104)、回答で示される対応内容を実行したりする(図13のS105)。
【0052】
以上、本実施形態の振込管理システム10は、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになった場合、仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かに応じて、適切な処理を実行することができる。
【0053】
具体的には、仕向金融機関が第1の金融機関である場合には、仕向業務オペレータにより閲覧される仕向業務情報を記憶する仕向業務情報記憶部11に振込エラー情報を記憶させ、仕向業務オペレータに処理させることができる。結果、仕向金融機関と被仕向金融機関との間での情報のやり取りや、被仕向金融機関での処理等を省略できる。
【0054】
一方、仕向金融機関が外部金融機関である場合には、被仕向業務オペレータにより閲覧される被仕向業務情報を記憶する被仕向業務情報記憶部12に振込エラー情報を記憶させ、被仕向業務オペレータに処理させることができる。結果、従来と同様な手法でエラー処理を実行することができる。
【0055】
このように本実施形態の振込管理システム10によれば、振込エラーが発生した場合に実行される処理、具体的には振込エラーが発生し、かつ、仕向金融機関と被仕向金融機関とが同一の金融機関である場合の処理を簡略化することができる。また、振込管理システム10によれば、状況に応じた適切な処理を実行することができる。
【0056】
また、本実施形態の振込管理システム10は、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになった場合、仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かを判断する手段を有する。当該手段を有するため、上述のように、状況に応じた適切な処理を実行することができる。
【0057】
<第2の実施形態>
本実施形態の振込管理システム10は、振分部14の機能が異なる。振分部14は、振込エラーになった振込処理の仕向金融機関が第1の金融機関である場合、処理済である事を示す情報を付された振込エラー情報を被仕向業務情報記憶部12に記憶させるとともに、未処理である事を示す情報を付された振込エラー情報を仕向業務情報記憶部11に記憶させる。振込管理システム10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。また、振込管理システム10以外の他の要素の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0058】
次に、図9のフローチャートを用いて、振込管理システム10の処理の流れの一例(図7のS12乃至S14の部分)を説明する。
【0059】
振込管理システム10は、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになったことを示す振込エラー情報を勘定系ホスト20から取得すると(S30)、その振込処理の仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かを判断する(S31)。振込管理システム10は、振込エラーとなった振込処理の振込電文の内容に基づき、仕向金融機関が第1の金融機関であるか否かを判断できる。
【0060】
仕向金融機関が第1の金融機関である場合(S31のYes)、振込管理システム10は、処理済である事を示す情報を付された振込エラー情報を被仕向業務情報記憶部12に記憶させ(S32)、未処理である事を示す情報を付された振込エラー情報を仕向業務情報記憶部11に記憶させる(S33)。
【0061】
一方、仕向金融機関が第1の金融機関でない場合(S31のNo)、振込管理システム10は、未処理である事を示す情報を付された振込エラー情報を被仕向業務情報記憶部12に記憶させる(S34)。
【0062】
なお、仕向金融機関が第1の金融機関である場合及び仕向金融機関が第1の金融機関でない場合いずれにおいても、軽微な名義相違等で振込エラーとなった場合、勘定系ホスト20又は振込管理システム10等でそれを自動訂正し、自動入金する場合がある。この場合、処理済である事を示す情報を付された振込エラー情報が被仕向業務情報記憶部12に記憶されてもよい。
【0063】
以上、本実施形態の振込管理システム10は、第1の金融機関が被仕向金融機関として実行した振込処理が振込エラーになり、かつ、仕向金融機関が第1の金融機関である場合には、処理済である事を示す情報を付された振込エラー情報を被仕向業務情報記憶部12に記憶させるとともに、未処理である事を示す情報を付された振込エラー情報を仕向業務情報記憶部11に記憶させる。
【0064】
当該振込管理システム10によれば、第1の実施形態の振込管理システム10と同様な作用効果を実現できる。
【0065】
また、処理済である事を示す情報を付された振込エラー情報を被仕向業務情報記憶部12に記憶させることで、第1の金融機関で発生した被仕向業務を漏れなく蓄積することができる。また、処理済である事を示す情報を付して振込エラー情報を被仕向業務情報記憶部12に記憶させることで、被仕向業務オペレータに不要な作業を行わせる不都合を回避できる。
【0066】
<第3の実施形態>
本実施形態の振込管理システム10は、所定条件を満たせば、振込エラーで外部金融機関から戻ってきた資金を、オペレータによる処理を介さずに、自動的に振込依頼人の預金口座に返却する機能を有する。本実施形態では、振込管理システム10を導入した第1の金融機関は仕向金融機関として機能する。
【0067】
振込管理システム10、勘定系ホスト20及びオペレータ端末30各々のハードウエア構成の一例は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0068】
図10に、振込管理システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、振込管理システム10は、処理部15を有する。図示しないが、振込管理システム10は、振込エラー情報取得部13と振分部14とを有してもよい。また、振込管理システム10は、仕向業務情報記憶部11と被仕向業務情報記憶部12とを有してもよい。
【0069】
仕向業務情報記憶部11、被仕向業務情報記憶部12、振込エラー情報取得部13及び振分部14の構成は、第1又は第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0070】
処理部15は、勘定系ホスト20から電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する。勘定系ホスト20は、送信部21及び受信部22を有する。送信部21は、発信番号を含む電文を外部金融機関のシステム50に送信する。受信部22は、送信部21が送信した電文に含まれていた発信番号を照会番号として含む電文を外部金融機関のシステム50から受信する。
【0071】
図11のシーケンス図を用いて、振込管理システム10及び勘定系ホスト20の処理の流れの一例を説明する。振込管理システム10を導入した第1の金融機関が仕向金融機関であり、外部金融機関が被仕向金融機関である。
【0072】
まず、勘定系ホスト20の送信部21は、振込依頼に関する第1の電文(振込電文:振込依頼)を外部金融機関のシステム50に送信する(S40)。第1の電文は、第1の発信番号を含む。
【0073】
次いで、外部金融機関のシステム50は、第1の電文に基づき振込処理を実行する(S41)。ここでは、振込エラーが発生したものとする。
【0074】
第1の電文に応じた振込処理が振込エラーになった場合、外部金融機関のシステム50は、対応内容を照会する第2の電文(振込エラー情報)を送信する。そして、勘定系ホスト20の受信部22は、振込エラーに応じて外部金融機関のシステム50から送信された第2の電文を受信する(S42)。第2の電文は、第1の電文に含まれていた第1の発信番号を照会番号として含む。
【0075】
次いで、勘定系ホスト20は、第2の電文を振込管理システム10に送信する(S43)。振込管理システム10の処理部15は、第2の電文をオペレータに閲覧させる処理、及び、対応内容の入力をオペレータから受付ける処理等を実行することで、振込エラーに対する対応内容を決定する(S44)。対応内容は、資金返却又は振込電文の訂正であるが、ここでは資金返却が決定されたものとする。
【0076】
振込管理システム10は、決定した対応内容を勘定系ホスト20に通知する(S45)。そして、勘定系ホスト20の送信部21は、対応内容を示す第3の電文(組戻依頼電文:対応内容)を外部金融機関のシステム50に送信する(S46)。第3の電文は、第1の発信番号と異なる第2の発信番号を含む。
【0077】
次いで、外部金融機関のシステム50は、第3の電文に基づいた処理を実行し(S47)、資金返却(付替)の内容を示す第4の電文(付替電文:付替情報)を送信する。そして、勘定系ホスト20の受信部22は、外部金融機関のシステム50から送信された第4の電文を受信する(S48)。第4の電文は、第1の電文に含まれていた第1の発信番号、又は、第3の電文に含まれていた第2の発信番号を照会番号として含む。
【0078】
次いで、勘定系ホスト20は、第4の電文を振込管理システム10に送信する(S49)。振込管理システム10の処理部15は、第4の電文に基づき資金返却処理を実行する(S50)。
【0079】
ここで、図12のフローチャートを用いて、図11のS50の振込管理システム10の処理の流れの一例を説明する。なお、処理順はあくまで一例であり、同様の結果を得られる範囲で、適宜処理順を変更できる。
【0080】
まず、振込管理システム10の処理部15は、振込エラーとなった振込処理の振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されているか確認する(S51)。例えば、予め任意の手段で、第1の金融機関で預金口座を有する顧客各々に対応付けて、振込エラーとなった場合に資金が返却される資金返却用口座が登録されてもよい。その他、振込依頼を受付けるごとに、振込エラーとなった場合に資金が返却される資金返却用口座が登録されてもよい。この場合、振込依頼人は、ATMや顧客端末等を介して振込依頼を入力する際に、資金返却用口座を合わせて登録する。また、金融機関の窓口で用紙に記入して振込依頼を行う場合、振込依頼人は、資金返却用口座を金融機関の担当者に通知する。金融機関の担当者は、受付けた振込依頼及び資金返却用口座を登録する。
【0081】
資金返却用口座が登録されていない場合(S51のNo)、S55に進む。
【0082】
資金返却用口座が登録されている場合(S51のYes)、処理部15は、S40で送受信された第1の電文(振込電文:振込依頼)に含まれた第1の発信番号と、S48で送受信された第4の電文(付替電文:付替情報)に含まれた紹介番号とが一致するか判断する(S52)。
【0083】
一致する場合(S52のYes)、S54に進む。
【0084】
一致しない場合(S52のNo)、処理部15は、S46で送受信された第3の電文(組戻依頼電文:対応内容)に含まれた第2の発信番号と、S48で送受信された第4の電文(付替電文:付替情報)に含まれた紹介番号とが一致するか判断する(S53)。
【0085】
一致する場合(S53のYes)、S54に進む。一致しない場合(S53のNo)、S55に進む。
【0086】
S54では、処理部15は、第4の電文で示される返却資金を、振込エラーとなった振込処理の振込依頼人に紐付けて予め登録されている資金返却用口座に入金させる指示を勘定系ホスト20に送信し、当該入金処理を実行させる。すなわち、処理部15は、振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、第1の電文に含まれる第1の発信番号及び第3の電文に含まれる第3の発信番号のいずれかが第4の電文に含まれる照会番号と一致する場合、第4の電文で示される返却資金を資金返却用口座に入金させる処理を実行する。
【0087】
S55では、処理部15は、オペレータに資金を返却する預金口座を照会する処理を実行する。すなわち、処理部15は、振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されていない場合、第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する。また、処理部15は、第1の電文に含まれる第1の発信番号及び第3の電文に含まれる第3の発信番号のいずれもが第4の電文に含まれる照会番号と一致しない場合、第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する。
【0088】
以上説明した本実施形態の振込管理システム10によれば、所定条件を満たせば、振込エラーで外部金融機関から戻ってきた資金を、オペレータによる処理を介さずに、自動的に振込依頼人の預金口座に返却することができる。結果、振込エラーが発生した場合に実行される処理を簡略化することができる。
【0089】
また、振込管理システム10は、第1の電文(振込電文:振込依頼)に含まれる第1の発信番号及び第3の電文(組戻依頼電文:対応内容)に含まれる第3の発信番号のいずれかが第4の電文(付替電文:付替情報)に含まれる照会番号と一致する場合、上記自動返却を実行する。当該条件を満たした場合のみ上記自動返却を実行することで、間違った預金口座に資金を返却するという不都合を抑制できる。
【0090】
また、付替電文に含まれる照会番号として、振込電文に含まれる発信番号が記入される場合と、組戻依頼電文に含まれる発信番号が記入される場合とがあり得る。いずれが記入されるかは金融機関やオペレータ次第であり、いずれか記入されているかを正確に予見することは難しい。そこで、本実施形態では、振込電文に含まれる発信番号及び組戻依頼電文に含まれる発信番号のいずれかと、付替電文に含まれる照会番号とが一致する場合、上記自動返却を実行するように構成する。このため、上述のように付替電文に含まれる照会番号を正確に予見することが難しい状況下でも、正確に上記自動返却を実行することができる。
【0091】
なお、本実施形態の振込管理システム10は、第1又は第2の実施形態と同様の構成を備える場合、第1又は第2の実施形態と同様の作用効果を実現できる。
【0092】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
1. 発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理手段を有し、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理手段は、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれかが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行する振込管理システム。
2. 1に記載の振込管理システムにおいて、
前記処理手段は、前記振込依頼人に紐付けて前記資金返却用口座が登録されていない場合、前記第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する振込管理システム。
3. 1又は2に記載の振込管理システムにおいて、
前記処理手段は、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれもが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致しない場合、前記第4の電文で示される返却資金の入金先をオペレータに照会する処理を実行する振込管理システム。
4. コンピュータが、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理工程を実行し、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理工程では、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれかが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行する振込管理方法。
5. コンピュータを、
発信番号を含む電文を外部金融機関のシステムに送信する送信手段、及び、前記発信番号を照会番号として含む電文を前記外部金融機関のシステムから受信する受信手段を有する勘定系ホストから電文を取得し、取得した電文に応じた処理を実行する処理手段として機能させ、
前記送信手段は、振込依頼に関する第1の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、振込エラーに応じて前記外部金融機関のシステムから送信された対応内容を照会する第2の電文を受信し、
前記送信手段は、前記対応内容を示す第3の電文を前記外部金融機関のシステムに送信し、
前記受信手段は、前記外部金融機関のシステムから資金返却の内容を示す第4の電文を受信し、
前記処理手段は、
振込依頼人に紐付けて資金返却用口座が登録されており、かつ、前記第1の電文に含まれる第1の前記発信番号及び前記第3の電文に含まれる第3の前記発信番号のいずれかが前記第4の電文に含まれる前記照会番号と一致する場合、前記第4の電文で示される返却資金を前記資金返却用口座に入金させる処理を実行するプログラム。
【0093】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0094】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 センター
2 支店
10 振込管理システム
11 仕向業務情報記憶部
12 被仕向業務情報記憶部
13 振込エラー情報取得部
14 振分部
15 処理部
20 勘定系ホスト
21 送信部
22 受信部
30 オペレータ端末
40 通信ネットワーク
50 外部金融機関のシステム
100 第1の金融機関
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13