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  • 特許-ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法 図1
  • 特許-ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法 図2
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  • 特許-ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20240214BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240214BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240214BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/06
A61K8/19
A61K8/34
A61K8/365
A61K8/41
A61K8/92
A61K9/107
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/18
A61K47/44
A61P17/16
A61Q1/00
A61Q5/00
A61Q19/00
A61Q19/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019114170
(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公開番号】P2021001121
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-04-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501304836
【氏名又は名称】ホシケミカルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】森 國好
(72)【発明者】
【氏名】増田 温子
(72)【発明者】
【氏名】辻 慶一郎
(72)【発明者】
【氏名】川上 雅夫
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-227593(JP,A)
【文献】特開2014-088426(JP,A)
【文献】特開2001-187719(JP,A)
【文献】特開2007-169214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/37
A61K 8/06
A61K 8/19
A61K 8/34
A61K 8/365
A61K 8/41
A61K 8/92
A61K 9/107
A61K 47/10
A61K 47/14
A61K 47/18
A61K 47/44
A61P 17/16
A61Q 1/00
A61Q 5/00
A61Q 19/00
A61Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)下記一般式(A)、
[(A)の式中、Rは、C12~C24の直鎖、分岐、環状の飽和または不飽和の炭化水素、またはベンジル基を示す]で表わされる(A)界面活性剤をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して4~10質量%を配合して得られた配合物に、
(2)(C)親油性界面活性剤をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して2~8質量%を配合して得られた配合物6~18質量%に、
(3)(D)油性成分をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して5~40質量%を混合して得られた配合物に対して、
(4)(E)水溶性多価アルコールをラメラ型液晶乳化組成物全体に対して15~40質量%、(F)塩基性物質をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して0.3~5質量%および(G)水をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して8~40質量%を混合して得られた配合物を加え、
(5)加熱して均一に混合した後に、
(6)冷却する、ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法であり、
前記(A)界面活性剤が、前記式(A)中のR がステアリル基、パルミチル基、ミリスチル基、ラウリル基またはイソステアリル基であり、これらの界面活性剤よりなる群から選ばれる1種類または2種類以上であり、
前記(E)水溶性多価アルコールが、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセリンおよびポリプロパンジオールからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であり、
前記(F)塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることを特徴とするラメラ型液晶乳化組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法に関し、特に、高圧乳化装置や酸化エチレン・酸化プロピレンを付加重合した乳化剤用いずに安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶化技術を用いた組成物は、その構造から皮膚への浸透性がよいなどの特徴があり、化粧品業界を中心に数多くの研究が行われている。
【0003】
リン脂質を使用する方法として、例えば、特許文献1には、(A)ホスファチジルコリンの含有量が50質量%以上である水素添加リン脂質および水溶性多価アルコールとを主成分として含むゲル状混合物と、(B)ポリエチレングリコールの重合度が80~120であるモノステアリン酸ポリエチレングリコールとを含み、平均乳化粒子径が10μm以下であることを特徴とする水中油型乳化化粧料が、開示されている。また、特許文献2には、次の成分(a)、(b)及び(c)、(a)リン脂質、糖脂質又はスフィンゴ脂質の一種又は二種以上0.01~4重量%、(b)ステロール類0.01~2重量%、(c)高分子電解質0.0001~0.05重量%、多糖類生薬抽出物0.0001~0.05重量%又は低分子化合物0.0001~10重量%の一種又は二種以上、を含有する液晶組成物が、開示されている。
【0004】
また、ベタイン型両性界面活性剤を使用する方法として、例えば、特許文献3には、下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分で、(A)炭素数8~26の高級脂肪酸塩15~45質量%、(B)ベタイン型両性界面活性剤7~25質量%、(C)非イオン性界面活性剤1~5質量%で、非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの平均付加モル数10~80)グリセリル、グリセリン、又はポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの平均付加モル数10~80)トリメチロールプロパンの3つの水酸基が、エステル化又はエーテル化された化合物であって、エステル化又はエーテル化部分は、炭素数7~25の飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基であり、水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよく、この水酸基に平均付加モル数が10~80のポリオキシエチレンが付加されていてもよい、ただし、非イオン性界面活性剤に付加されるポリオキシエチレンの総数は、平均付加モル数で10~80であり、(D)多価アルコール15~35質量%を含有し、25℃において液晶状態であることを特徴とする皮膚洗浄剤組成物が、開示されている。さらに、高級アルコールを使用する方法として、例えば、特許文献4には、(A)炭素数16以上の高級アルコール1種または2種以上と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルから選択される1種又は2種以上のHLB値が7~17のである非イオン性界面活性剤が、3:2~5:1のモル比で混合された混合物、20~80質量%、及び、(B)IOB値が1.5~3.5である水溶性溶媒1種または2種以上と、水が、4:6~8:2の質量比で混合された混合物、20~80質量%、からなり、50-80℃では、両連続マイクロエマルション相又はラメラ液晶が分散した両連続マイクロエマルション相からなる液体であり、室温では固体であること、を特徴とするαゲル中間体組成物が、開示されている。
【0005】
また、ラメラ型液晶を製造する技術として、例えば、特許文献5には、(1)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・アルキルエーテルの一般式、HO(CO)-(CO)Rにおいて、n=15~50、m=4~16、Rはアルキル基で炭素数がC12~C24より選ばれたHLB10~20の親水性界面活性剤(a)3~6重量部に、ポリオキシエチレン脂肪酸誘導体よりなり、且つポリオキシエチレン(CO)n、n=15~50、アルキル基の炭素数C15~C24、より選ばれたHLB13以上の親水性界面活性剤(b)の1種類又は2種類以上を3~6重量部を配合して得られた配合物に、(2)親油性界面活性剤(c)2~5重量部を配合して得られた配合物8~17重量部に、(3)油分(d)5~26重量部を混合して予め得られた配合物に対して、(4)水溶性多価アルコール(e)40~80重量部と水(f)8~40重量部との混合物を加えて、(5)加熱し均一に混合して、(6)冷却することを特徴とする液晶乳化組成物の製造方法が、開示されている。さらに、特許文献6には、(1)下記一般式、一般式 HO(CO)-(CO)R(式中、nは15~50、mは4~16の整数、Rは、アルキル基で炭素数がC12~C24により選ばれる。)、のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・アルキルエーテルで、且つHLB10~20の親水性界面活性剤(a)3~8重量部と親油性界面活性剤(b)2~6重量部とからなる混合物5~14重量部に、(2)油分(C)5~30重量部で、かつ油分:界面活性剤合計((a)+(b))の混合比が1:1~3:1の範囲に混合して得られた混合物に対して、(3)水溶性多価アルコール(d)40~80重量部を水(e)8~40重量部に混合して得られた混合物を加えて加熱し、均一に混合して、冷却することを特徴とする液晶構造を有する液晶乳化組成物の製造方法が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-314442号公報
【文献】特開平5-39485号公報
【文献】国際公開第2012/039350号公報
【文献】特許第5889468号公報
【文献】特許第3987551号公報
【文献】特許第3987552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1~3に記載されている技術は、液晶組成物を製造することはできるものの、ラメラ型の液晶を製造することはできるものではなかった。
【0008】
さらに、特許文献4に記載されている技術は、ラメラ型の液晶を製造することはできるものの、安定性に優れたラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造するためには高圧乳化装置等が必要であり、通常の撹拌では安定性に優れたラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造できるものではなかった。また、特許文献5および6に記載されている技術は、塩による影響を考慮しておらず、ラメラ型液晶構造の乳化組成物の安定性には改良の余地があるものであった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、高圧乳化装置や酸化エチレン・酸化プロピレンを付加重合した乳化剤用いずに安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造する製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の種類の界面活性剤を組合せ、さらに塩を配合することによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明のラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、
(1)下記一般式(A)、
[(A)の式中、Rは、C12~C24の直鎖、分岐、環状の飽和または不飽和の炭化水素、またはベンジル基を示す]で表わされる(A)界面活性剤をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して4~10質量%を配合して得られた配合物に、
(2)(C)親油性界面活性剤をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して2~8質量%を配合して得られた配合物6~18質量%に、
(3)(D)油性成分をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して5~40質量%を混合して得られた配合物に対して、
(4)(E)水溶性多価アルコールをラメラ型液晶乳化組成物全体に対して15~40質量%、(F)塩基性物質をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して0.3~5質量%および(G)水をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して8~40質量%を混合して得られた配合物を加え、
(5)加熱して均一に混合した後に、
(6)冷却する、ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法であり、
前記(A)界面活性剤が、前記式(A)中のR がステアリル基、パルミチル基、ミリスチル基、ラウリル基またはイソステアリル基であり、これらの界面活性剤よりなる群から選ばれる1種類または2種類以上であり、
前記(E)水溶性多価アルコールが、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセリンおよびポリプロパンジオールからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であり、
前記(F)塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明のラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、前記(E)水溶性多価アルコールが、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセリンおよびポリプロパンジオールからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。
【0014】
さらにまた、本発明のラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、前記(F)塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、高圧乳化装置や酸化エチレン・酸化プロピレンを付加重合した乳化剤用いずに安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造する製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1のラメラ型液晶乳化組成物の顕微鏡写真である。
図2】実施例1のラメラ型液晶乳化組成物の偏光顕微鏡写真である。
図3】実施例1のラメラ型液晶乳化組成物を2倍希釈したときの顕微鏡写真である。
図4】実施例1のラメラ型液晶乳化組成物を2倍希釈したときの偏光顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のラメラ型液晶乳化組成物の製造方法について具体的に説明する。
本発明のラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、本発明のラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、
(1)下記一般式(A)、
[(A)の式中、Rは、C12~C24の直鎖、分岐、環状の飽和または不飽和の炭化水素、またはベンジル基を示す]で表わされる(A)界面活性剤を4~10質量%を配合して得られた配合物に、
(2)(C)親油性界面活性剤2~8質量%を配合して得られた配合物6~18質量%に、
(3)(D)油性成分5~40質量%を混合して得られた配合物に対して、
(4)(E)水溶性多価アルコール15~40質量%、(F)塩基性物質0.3~5質量%および(G)水8~40質量%を混合して得られた配合物を加え、
(5)加熱して均一に混合した後に、
(6)冷却することを特徴とするものである。また、(1)HLBが8以上の(B)非イオン界面活性剤が、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10およびステアリン酸ポリグリセリル-10よりなる群から選ばれる1種類または2種類以上をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して4~10質量%を配合して得られた配合物に、
(2)(C)親油性界面活性剤をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して2~8質量%を配合して得られた配合物6~18質量%に、
(3)(D)油性成分をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して5~40質量%を混合して得られた配合物に対して、
(4)(E)水溶性多価アルコールをラメラ型液晶乳化組成物全体に対して15~40質量%、(F)塩基性物質をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して0.3~5質量%および(G)水をラメラ型液晶乳化組成物全体に対して8~40質量%を混合して得られた配合物を加え、
(5)加熱して均一に混合した後に、
(6)冷却する、ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法である。これにより、高圧乳化装置や酸化エチレン・酸化プロピレンを付加重合した乳化剤用いずに安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造することができる。マルタ十字等の液晶はその一部が液晶構造であり、皮膚に塗布した場合、壊れてしまい皮膚への浸透性等が悪いものであった。これに対して、本発明で製造されたラメラ型液晶乳化組成物は、全体がラメラ型液晶構造をとるため、細胞間脂質に似た性質を有し、皮膚に塗布した場合、皮膚上で伸びて皮膚との親和性がよいものである
【0018】
本発明において、下記一般式(A)、
[(A)の式中、Rは、C12~C24の直鎖、分岐、環状の飽和または不飽和の炭化水素、またはベンジル基を示す]で表わされる(A)界面活性剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができ、例えば、特開2011-173824号や特開2014-68598号に記載の方法で製造した化合物を使用することができる。
【0019】
また、前記(A)界面活性剤としては、前記式(A)中のRがステアリル基、パルミチル基、ミリスチル基、ラウリル基またはイソステアリル基であり、これらの界面活性剤よりなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。具体的には、例えば、理研ビタミン株式会社製のポエムB-30(商品名)、ポエムB-10(商品名)、花王株式会社製のステップSS(商品名)等を使用することができる。
【0020】
本発明において、HLBが8以上の(B)非イオン界面活性剤は、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10およびステアリン酸ポリグリセリル-10よりなる群から選ばれる1種類または2種類以上であり、HLBが8以上の(B)非イオン界面活性剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができる。かかる(B)非イオン界面活性剤としては、例えば、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL Hexaglyn 1-M(商品名)、NIKKOL DECAGLYN 1-50SV(商品名)等、理研ビタミン株式会社製のポエム J-0021(商品名)、ポエム J-0081Hv(商品名)等を挙げることができる。
【0021】
さらに、本発明において、前記(C)親油性界面活性剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができ、例えば、モノステアリン酸グリセリル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルから選ばれるHLB5以下のものを用いることができる。中でも、モノステアリン酸グリセリルが好ましく、他の界面活性剤を含んでいてもよい。具体的には、例えば、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL MGS-BV2(商品名)、NIKKOL MGS-BSEV(商品名)、NIKKOL MGS-AV(商品名)、NIKKOL MGS-F20V(商品名)、NIKKOL MGS-F40V(商品名)、NIKKOL MGS-F50V(商品名)、NIKKOL MGS-F50SEV(商品名)、NIKKOL MGS-F75V(商品名)、NIKKOL MGS-ASEV(商品名)、NIKKOL MGS-150V(商品名)、NIKKOL MGS-CV(商品名)、NIKKOL MGS-DEXV(商品名)、NIKKOL MGS-TGV(商品名)等を挙げることができる。
【0022】
さらにまた、本発明において、前記(D)油性成分としては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができ、例えば、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン等の炭化水素類、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類、鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類、コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類、サポゲニン類、サポニン類、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類、リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、γ-エルカラクトン等のオキシ酸エステル類、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類、ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及び誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム、ナトリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等を挙げることができ、特に、炭化水素類、ワックス類、植物油脂類、動物性ロウ類、ラノリン類、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴムであることが好ましい。
【0023】
また、本発明において、前記(E)水溶性多価アルコールとしては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができ、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセリンおよびポリプロパンジオールからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましく、中でも、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることよりが好ましい。さらに、特に、グリセリン等の3価のアルコールを使用することにより、より安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造することができる。
【0024】
また、本発明において、前記(F)塩基性物質としては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウム等の無機塩や、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸およびクエン酸等の有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3ープロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールアンモニア水、炭酸アンモニウム等のアミン化合物を用いることができ、中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。一般に、(F)塩基性物質は乳化安定性を損なうために、例えば、特許第3987551号公報および特許第3987552号公報に記載の比較例のように前記(F)塩基性物質用いないことが通常であるが、本発明では、前記(F)塩基性物質を用いることでより安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造することができることを見出したものである。
【0025】
さらに、本発明において、前記(G)水としては、本発明の効果が得られれば、通常、化粧料等に使用できるものを使用することができ、精製水等を使用することができる。
【0026】
さらに、本発明において、ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、(1)前記一般式(A)で表わされる(A)界面活性剤と前記一般式(B)で表わされるHLBが8以上の(B)非イオン界面活性剤とからなる群から選ばれる1種類または2種類以上を4~10質量%を配合して得られた配合物に、(2)(C)親油性界面活性剤2~8質量%を配合して得られた配合物6~18質量%に、(3)(D)油性成分5~40質量%を混合して得られた配合物に対して、(4)(E)水溶性多価アルコール15~40質量%、(F)塩基性物質0.3~5質量%および(G)水8~40質量%を混合して得られた配合物を加え、(5)加熱して均一に混合した後に、(6)冷却する、という工程を行えばよく、通常の化粧料の製造方法で製造することができ、加熱温度や撹拌条件等は、成分にあわせて調整して製造することができる。
【0027】
また、本発明において、ラメラ型液晶乳化組成物の製造方法は、(1)前記一般式(A)で表わされる(A)界面活性剤と前記一般式(B)で表わされるHLBが8以上の(B)非イオン界面活性剤とからなる群から選ばれる1種類または2種類以上を6~8質量%を配合して得られた配合物に、(2)(C)親油性界面活性剤4~5質量%を配合して得られた配合物10~13質量%に、(3)(D)油性成分20~40質量%を混合して得られた配合物に対して、(4)(E)水溶性多価アルコール20~30質量%、(F)塩基性物質0.3~5質量%および(G)水20~40質量%を混合して得られた配合物を加え、(5)加熱して均一に混合した後に、(6)冷却することが好ましい。これにより、より安定性が向上したラメラ型液晶構造の乳化組成物を製造することができる。
【0028】
また、本発明の用途としては化粧料に用いることができ、かかる化粧料は、人間の身体等に使用できるものであり、化粧品を主とするものであるが、医薬部外品、医薬品等の用途を排除するものではない。さらに、前記化粧品とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品、入浴剤等を含むものである。
【0029】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、化粧料等に通常配合される成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、各種ビタミン剤、キレート剤、着色剤、紫外線吸収剤、薬効成分等を配合することができる。
【0030】
さらにまた、本発明において、液晶形成の確認は、液晶は光学異方性を有するので偏光顕微鏡により確認することができる。また、液晶以外の乳化粒子の生成は位相差顕微鏡により確認できる。偏光顕微鏡としては、例えば、オリンパス株式会社製のCX41(商品名)を使用することができ、位相差顕微鏡としては、例えば、オリンパス株式会社製のCKX53-22PHK(商品名)を使用することができる。
【0031】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例
【0032】
(実施例1および比較例1)
下記表1記載の処方に従って、実施例1のラメラ型液晶乳化組成物および比較例1の乳化組成物を作製した。得られたラメラ型液晶乳化組成物および乳化組成物を、株式会社ハイロックス社製の顕微鏡RH-2000(商品名)、350倍の際に用いたレンズ(MXB-2500REZ(商品名))、700倍の際に用いたレンズ(MXB-10C:OL-700II(商品名))および偏光アダプタ(ADB-25p1(商品名))を使用して液晶の有無および2倍希釈したときの液晶の有無を観察した。
【0033】
【表1】
【0034】
図1は、実施例1のラメラ型液晶乳化組成物の顕微鏡写真であり、図2は、実施例1のラメラ型液晶乳化組成物の偏光顕微鏡写真であり、図3は、実施例1のラメラ型液晶乳化組成物を2倍希釈したときの顕微鏡写真であり、図4は、実施例1のラメラ型液晶乳化組成物を2倍希釈したときの偏光顕微鏡写真である。図1図4に示すように、実施例1のラメラ型液晶乳化組成物は、2倍希釈してもラメラ型液晶構造を維持でき、安定性が向上したラメラ型液晶乳化組成物であった。一方、比較例1の乳化組成物は、一部に液晶構造は確認できたが、2倍希釈することで完全に液晶構造が崩れ、液晶構造を維持できない乳化組成物であった。

図1
図2
図3
図4