(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】電動ライン巻き取り機
(51)【国際特許分類】
A01K 97/00 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A01K97/00 Z
(21)【出願番号】P 2020005475
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000179373
【氏名又は名称】山田電器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 誠
(72)【発明者】
【氏名】大田 益夫
(72)【発明者】
【氏名】藤田 重彦
(72)【発明者】
【氏名】三木 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】武元 亮
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-051179(JP,A)
【文献】実開昭54-014992(JP,U)
【文献】特開昭47-023272(JP,A)
【文献】特開2019-062779(JP,A)
【文献】特開2015-138003(JP,A)
【文献】特開2005-204525(JP,A)
【文献】特開平02-312534(JP,A)
【文献】特開2000-316437(JP,A)
【文献】特開2008-148609(JP,A)
【文献】実開昭61-187409(JP,U)
【文献】特開昭57-125637(JP,A)
【文献】米国特許第05709350(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00-99/00
A01K 89/00-89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用リールに巻かれているラインを交換するために用いる電動ライン巻き取り機であって、
本体と、
前記本体に対して、回転可能なように設けられたシャフトと、
前記本体に内蔵されており、前記シャフトを回転駆動するモーターと、
前記本体に内蔵されており、前記モーターの動作を制御するモーター制御回路とを備え、
釣り用リールからラインを巻き取る第1動作モードにおいて、利用者が、空スプールを前記シャフトに固定し、前記シャフトを前記モーターによって回転させて、釣り用リールに巻かれているラインを空スプールに巻き取り、
釣り用リールにラインを巻く第2動作モードにおいて、利用者が、ラインが巻かれたスプールを前記シャフトに固定し、
前記シャフトを前記ラインの巻き取りによって回転させて、スプールに巻かれたラインを釣り用リールで巻き取るものであり、
前記モーター制御回路は、
前記第1動作モードにおいて、前記モーターを第1方向に回転させ、
前記第2動作モードにおいて、前記モーターが前記第1方向と逆の第2方向に回転したとき、前記モーターに負荷電流が流れるように、制御する
電動ライン巻き取り機。
【請求項2】
請求項1記載の電動ライン巻き取り機において、
利用者が、前記第2動作モードにおいてラインにかかるテンションの大きさを調整するための調整部を備え、
前記モーター制御回路は、
前記調整部によって調整されたテンションの大きさに応じて、前記第2動作モードにおける負荷電流の大きさを設定する
ことを特徴とする電動ライン巻き取り機。
【請求項3】
請求項1または2記載の電動ライン巻き取り機において、
前記モーター制御回路は、前記第1動作モードにおいて、前記モーターの回転を開始する際に、回転トルクを徐々に上げる
ことを特徴とする電動ライン巻き取り機。
【請求項4】
請求項1~3記載の電動ライン巻き取り機において、
前記モーター制御回路は、前記第2動作モードにおいて、前記モーターが前記第2方向に回転し始めたとき、前記モーターに流れる負荷電流を徐々に増加させる
ことを特徴とする電動ライン巻き取り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用リールに巻かれているライン(釣り糸)を交換するために用いる電動ライン巻き取り機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、釣り用リールに、スムーズに釣り糸の繰り出し又は繰り入れをさせるための釣り糸巻き機の構成が開示されている。この構成は、上端にサポータが立設されているベース部と、サポータの一端に水平状に枢着されているシャフトと、シャフトを回転作動させる駆動手段と、巻き芯及び巻き芯の両側に配置された留め部を有するリールと、リールの一方の留め部に接触する当接部と留め部の反対側に押圧部とを有する第1および第2当接輪と、第1および第2当接輪の回転に減衰力を与える2つの制動片等を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、一方向のみ軸と共に回転して、逆回転するときは自由回転する単方向軸受を用いている。このため、釣り用リールに糸を繰り入れる時にシャフトが作動せず、第1および第2当接輪、制動片およびリールが同時に摺動する。これにより、減衰力が生じるので、釣り用リールに糸を繰り入れる際に釣り糸にテンションを与えることができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、釣り糸にテンションを与える手段として、複雑な構成のブレーキ機構が用いられている。このため、装置が大がかりなものになっており、部品点数も多くなっている。また、釣り糸に与えるテンションの大きさを調整することができない。
【0006】
本発明は、釣り用リールにラインを巻き取る際にラインにテンションをかけることができる電動ライン巻き取り機を、簡易な構成によって実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、釣り用リールに巻かれているラインを交換するために用いる電動ライン巻き取り機であって、本体と、前記本体に対して回転可能なように設けられたシャフトと、前記本体に内蔵されており、前記シャフトを回転駆動するモーターと、前記本体に内蔵されており、前記モーターの動作を制御するモーター制御回路とを備え、釣り用リールからラインを巻き取る第1動作モードにおいて、利用者が、空スプールを前記シャフトに固定し、前記シャフトを前記モーターによって回転させて、釣り用リールに巻かれているラインを空スプールに巻き取り、釣り用リールにラインを巻く第2動作モードにおいて、利用者が、ラインが巻かれたスプールを前記シャフトに固定し、前記シャフトを前記ラインの巻き取りによって回転させて、スプールに巻かれたラインを釣り用リールで巻き取るものであり、前記モーター制御回路は、前記第1動作モードにおいて、前記モーターを第1方向に回転させ、前記第2動作モードにおいて、前記モーターが前記第1方向と逆の第2方向に回転したとき、前記モーターに負荷電流が流れるように、制御する。
【0008】
この態様によると、電動ライン巻き取り機は、本体に対して回転可能なように設けられたシャフトと、シャフトを回転駆動するモーターと、モーター制御回路とを備える。釣り用リールからラインを巻き取る第1動作モードにおいて、モーター制御回路は、モーターを第1方向に回転させる。これにより、シャフトに固定された空スプールにラインを巻き取ることができる。釣り用リールにラインを巻く第2動作モードにおいて、モーター制御回路は、モーターが第1方向と逆の第2方向に回転したとき負荷電流が流れるように制御する。これにより、シャフトに固定されたスプールから釣り用リールにラインを巻き取る際に、スプールの回転に対して負荷がかかり、ラインにテンションがかかる。すなわち、ラインの巻き取りに用いるモーターを、その発電作用を利用してブレーキ手段として用いることによって、ラインにテンションをかけることができる。したがって、大がかりなブレーキ機構を設ける必要がなく、簡易な構成の電動ライン巻き取り機を実現することができる。
【0009】
前記態様の電動ライン巻き取り機は、利用者が、前記第2動作モードにおいてラインにかかるテンションの大きさを調整するための調整部を備え、前記モーター制御回路は、前記調整部によって調整されたテンションの大きさに応じて、前記第2動作モードにおける負荷電流の大きさを設定する、としてもよい。
【0010】
これにより、利用者は、釣り用リールにラインを巻き取る際にラインにかかるテンションの強さを、調整部の操作によって、容易に調整することができる。
【0011】
また、前記態様の電動ライン巻き取り機において、前記モーター制御回路は、前記第1動作モードにおいて、前記モーターの回転を開始する際に、回転トルクを徐々に上げる、としてもよい。
【0012】
これにより、釣り用リールからラインを巻き取る際に、シャフトに固定された空スプールがゆっくりと回転し始めるので、急な回転スタートによるライン切れを未然に防止することができる。
【0013】
また、前記態様の電動ライン巻き取り機において、前記モーター制御回路は、前記第2動作モードにおいて、前記モーターが前記第2方向に回転し始めたとき、前記モーターに流れる負荷電流が徐々に増加させる、としてもよい。
【0014】
これにより、釣り用リールにラインを巻き取る際に、巻き取り開始時においてラインにかかるテンションが徐々に増加するので、急に大きなテンションがかかることによるライン切れを未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、釣り用リールにラインを巻き取る際にラインにテンションをかけることができる電動ライン巻き取り機を、簡易な構成によって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】実施形態に係る電動ライン巻き取り機の利用形態の例
【
図3】実施形態に係る電動ライン巻き取り機におけるモーター制御回路の回路構成例
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は実施形態に係る電動ライン巻き取り機の外観図である。
図1の電動ライン巻き取り機1は、釣り用リールに巻かれているライン(釣り糸)を交換するために用いるものである。
図2に示すように、スプール51に巻かれているライン52を釣り用リール53に巻き取ったり、あるいは、釣り用リールに巻かれているラインを空スプールに巻き取ったりするのに用いられる。
【0019】
図1の電動ライン巻き取り機1は、上方に突出した突部2を含む本体3と、突部2の一端から水平状に延びており、回転可能なように設けられたシャフト4とを備える。突部2には、シャフトを回転駆動させるモーター10が内蔵されている。また、モーターの動作を制御するモーター制御回路20が、本体3に内蔵されている。シャフト4は、ラインが巻かれているスプールや空スプールを固定するものであり、カラー4Aおよび化粧ナット4Bが設けられている。ステップ9は、ラインの巻き取りの際に、利用者が例えば足を乗せて電動ライン巻き取り機1を固定するのに用いられる。
【0020】
電動ライン巻き取り機1の手前側に、ONスイッチ5A、OFFスイッチ5B、切換スイッチ6、テンション調整つまみ7、および、スピード調整つまみ8が設けられている。ONスイッチ5AおよびOFFスイッチ5Bは、シャフト4を回転駆動するモーターの動作のON/OFFを操作するためのスイッチである。切換スイッチ6は、「巻き取り」動作と「負荷」動作とを切り替えるためのスイッチである。ここで、「巻き取り」動作は、空スプールをシャフト4に固定し、モーター10によってシャフト4を回転させて釣り用リールに巻かれているラインを空スプールに巻き取るときの動作である(第1動作モードに相当する)。「負荷」動作は、ラインが巻かれているスプールをシャフト4に固定し、ラインにテンションをかけつつ、釣り用リールにラインを巻き取るときの動作である(第2動作モードに相当する)。テンション調整つまみ7は、「負荷」動作時において、ラインにかけるテンションを調整するためのつまみである。テンション調整つまみ7は、利用者が、「負荷」動作時においてラインにかかるテンションの大きさを調整するための調整部の一例である。スピード調整つまみ8は、「巻き取り」動作時において、ラインを巻き取るスピードを調整するためのつまみである。
【0021】
図3は本実施形態に係る電動ライン巻き取り機における、モーター制御回路20の回路構成例である。
図3のモーター制御回路20は、シャフト4を回転駆動させるDCモーター10の動作を制御する。
【0022】
DCモーター10は、巻き取り時には、駆動電圧を受けて正回転し、釣りリールからラインを巻き取る動作を行う。一方、負荷時には、逆回転したとき発電して、ラインにテンションを与える負荷となる。
【0023】
入力回路21は、商用電源等の電源入力を受けて、モーター制御回路20の各回路に電源供給する。入力回路21は、ONスイッチ5Aが押されると電源供給を開始し、OFFスイッチ5Bが押されると電源供給を停止する。また、入力回路21は、過電流保護機能や雑音防止機能を有している。DC/DC回路22は、入力回路21から受けた電源電圧をDC/DC変換し、DCモーター10の駆動電圧を出力する。
【0024】
正回転SW回路23は、切換スイッチ6が「巻き取り」に設定されたとき、閉状態になり、切換スイッチ6が「負荷」に設定されたとき、開状態になる。正回転SW回路23が閉状態になったとき、DCモーター10は、DC/DC回路20から出力された駆動電圧を受けて正回転する。巻き取り電流検出回路24は、巻き取り時におけるDCモーター10の電流を検出する。出力電圧設定部25は、例えば可変抵抗を有しており、スピード調整つまみ8によって調整された巻き取りスピードに応じた電圧を設定する。電圧電流調整回路25は、DC/DC回路22から供給されるモーター駆動電圧が、出力電圧調整部25によって設定された電圧になるよう、調整を行う。また、電圧電流調整回路25は、巻き取り電流検出回路24によって検出されたDCモーター10の電流値から、モータロック等の異常を検出したとき、回路を過負荷から保護する動作を行う。
【0025】
遅延回路27は、巻き取り時において、DCモーター10の回転を開始する際に、回転トルクを徐々に上げるための回路である。すなわち、DCモーター10の起動時において、DCモーター10の駆動電圧がゆっくりと立ち上がるように、DC/DC回路20に与える制御信号を遅延させる。
【0026】
負荷電流禁止回路31は、切換スイッチ6が「巻き取り」に設定されたとき、負荷電流を禁止し、切換スイッチ6が「負荷」に設定されたとき、負荷電流の禁止を解除する。負荷電流禁止回路31が負荷電流の禁止を解除したとき、負荷電流制御回路32は、DCモーター10が逆回転したときのみ、DCモーター10に負荷電流が流れるようにする。負荷電流設定部33は、例えば可変抵抗を有しており、テンション調整つまみ7によって調整された負荷トルクに応じた負荷電流を設定する。負荷電流調整回路34は、負荷電流が、負荷電流設定部33によって設定された負荷電流になるように、調整する。遅延回路35は、負荷時において、DCモーター10が逆回転を開始したとき、負荷電流が徐々に増加するようにするための回路である。
【0027】
また、モーター制御回路20は、「負荷」動作時において発生する熱を放熱するための冷却装置を備えていてもよい。また、モーター制御回路20は、「負荷」動作時において想定以上のパワーでラインが巻き取られたとき、負荷電流を減少させて機器を保護するための過温度保護回路を備えていてもよい。
【0028】
ここで、釣り用リールにラインを巻き取る際には、ラインにテンションをかけながらラインを巻かないと、釣りで魚がかかった時などにラインが食い込んで絡まってしまう。本実施形態に係る電動ライン巻き取り機1は、ラインのスプールへの巻き取りに用いるモーター10を、その発電作用を利用してブレーキ手段として用いて、釣り用リールにラインを巻く際に、ラインにテンションをかけることができる。
【0029】
「巻き取り」動作時において、電動ライン巻き取り機1は次のように動作する。利用者は、切換スイッチ6を「巻き取り」に設定する。これにより、正回転SW回路23は閉状態になる。また、負荷電流禁止回路31は、DCモーター10に負荷がかからないように、負荷電流を禁止する。利用者は、シャフト4に空スプールをセットし、釣り用リールに巻かれているラインを引き出して空スプールにかける。そして利用者がONスイッチ5Aを押すと、DC/DC回路22は、入力回路21から電源供給を受けてモーター駆動電圧を出力する。このとき、遅延回路27の作用によって、モーター駆動電圧はゆっくりと立ち上がり、DCモーター10はスロースタートを行う。電圧電流調整回路26は、モーター駆動電圧が、スピード調整つまみ8によって調整されたスピードに応じた出力電圧になるように、DC/DC回路22に制御信号を送る。DCモーター10は、モーター駆動電圧に従って正方向に回転し、これによりシャフト4が回転し、ラインが釣り用リールから空スプールに巻き取られる。全てのラインが空スプールに巻き取られると、利用者はOFFスイッチ5Bを押す。これにより、DC/DC回路22はモーター駆動電圧の出力を停止し、DCモーター10は回転を停止する。
【0030】
「負荷」動作時において、電動ライン巻き取り機1は次のように動作する。利用者は、切換スイッチ6を「負荷」に設定する。これにより、正回転SW回路23は開状態になる。また、負荷電流禁止回路31は、DCモーター10が逆回転したとき負荷がかかるように、負荷電流の禁止を解除する。利用者は、シャフト4にラインの巻かれたスプールをセットし、そのスプールからラインを引き出して釣り用リールにかける。そして利用者は、ONスイッチ5Aを押し、ラインの釣り用リールへの巻き取りを開始する。ラインの巻き取りに伴ってシャフト4が回転し、これにより、DCモーター10は逆方向に回転する。負荷電流制御回路32は、DCモーター10が逆回転したとき、負荷電流調整回路34によって調整された負荷電流が流れるようにする。DCモーター10が逆回転を開始したとき、遅延回路35の作用によって、負荷電流は徐々に増加する。負荷電流調整回路34は、負荷電流が、テンション調整つまみ7によって調整されたテンションに応じた負荷電流になるように、調整する。これにより、DCモーター10の回転に負荷トルクがかかり、釣り用リールに巻き取られるラインにテンションがかかる。利用者は、ラインにテンションがかかった状態で、釣り用リールにラインを巻き取ることができる。ラインの巻き取りが終わると、利用者はOFFスイッチ5Bを押す。これにより、DCモーター10に負荷がかからないようになる。
【0031】
以上のように、本実施形態によると、電動ライン巻き取り機1は、本体に対して回転可能なように設けられたシャフト4と、シャフト4を回転駆動するモーター10と、モーター制御回路20とを備える。釣り用リールからラインを巻き取る「巻き取り」動作において、モーター制御回路20は、モーター10を正方向に回転させる。これにより、シャフト4に固定された空スプールにラインを巻き取ることができる。釣り用リールにラインを巻く「負荷」動作において、モーター制御回路20は、モーター10が逆方向に回転したとき負荷電流が流れるように制御する。これにより、シャフト4に固定されたスプールから釣り用リールにラインを巻き取る際に、スプールの回転に対して負荷がかかり、ラインにテンションがかかる。すなわち、ラインの巻き取りに用いるモーター10を、その発電作用を利用してブレーキ手段として用いることによって、ラインにテンションをかけることができる。したがって、大がかりなブレーキ機構を設ける必要がなく、簡易な構成の電動ライン巻き取り機を実現することができる。
【0032】
また、電動ライン巻き取り機1は、テンション調整つまみ7を備えており、モーター制御回路20は、テンション調整つまみ7によって調整されたテンションの大きさに応じて、「負荷」動作時における負荷電流の大きさを設定する。これにより、利用者は、釣り用リールにラインを巻き取る際にラインにかかるテンションの強さを、テンション調整つまみ7の操作によって、容易に調整することができる。
【0033】
また、モーター制御回路20は、遅延回路27を有し、「巻き取り」動作において、モーター10の回転を開始する際に、回転トルクを徐々に上げる。これにより、釣り用リールからラインを巻き取る際に、シャフト4に固定された空スプールがゆっくりと回転し始めるので、急な回転スタートによるライン切れを未然に防止することができる。
【0034】
また、モーター制御回路20は、遅延回路35を有し、「負荷」動作において、モーター10が逆回転を開始する際に、モーター10に流れる負荷電流を徐々に増加させる。これにより、釣り用リールにラインを巻き取る際に、巻き取り開始時においてラインにかかるテンションが徐々に増加するので、急に大きなテンションがかかることによるライン切れを未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 電動ライン巻き取り機
3 本体
4 シャフト
7 テンション調整つまみ(調整部)
10 モーター
20 モーター制御回路
51 スプール
52 ライン
53 釣り用リール