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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】棒状物の整列装置および整列方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B65G47/28 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020046396
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021147130
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】520093654
【氏名又は名称】株式会社栄進産業
(74)【代理人】
【識別番号】110004129
【氏名又は名称】弁理士法人石田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 博
(72)【発明者】
【氏名】四宮 新一
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-059263(JP,A)
【文献】特開2002-321815(JP,A)
【文献】特開平01-117112(JP,A)
【文献】特開平10-297728(JP,A)
【文献】実開昭57-070484(JP,U)
【文献】特開2012-115467(JP,A)
【文献】実開昭52-130383(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/28
B65G 47/30
B65B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤーへ設置する棒状物の整列装置であって、
マット状の整列手段と、該整列手段の一端側を前記コンベヤー上で架設し他端側を前記コンベヤー上に載置するための設置手段とを備え、
前記整列手段は、前記コンベヤーの搬送方向に直交する幅方向に亘って基材および揺動軸を備え、前記幅方向に直交する当該整列手段の長さ方向に複数の前記基材を一定間隔で列設し、当該基材間を前記揺動軸で連結してなり、
前記整列手段の一端側の端部を垂下させ、前記コンベヤー上から棒状物の高さ未満の位置まで延設可能とし
前記コンベヤーの上面と整列手段の下面との間に棒状物を通過させて当該棒状物の長手方向が前記コンベヤーの幅方向となるように整列させるための経路を形成することを特徴とする棒状物の整列装置。
【請求項2】
コンベヤーへ設置する棒状物の整列装置であって、マット状の整列手段と、該整列手段の一端側を前記コンベヤー上で架設し他端側を前記コンベヤー上に載置するための設置手段とを備え、前記整列手段は、前記コンベヤーの搬送方向に直交する幅方向に亘って基材および揺動軸を備え、前記幅方向に直交する当該整列手段の長さ方向に複数の前記基材を一定間隔で列設し、当該基材間を前記揺動軸で連結してなり、前記コンベヤーの上面と整列手段の下面との間に棒状物を通過させて当該棒状物の長手方向が前記コンベヤーの幅方向となるように整列させるための経路を形成する第1の整列装置と、
油を棒状物に噴霧する処理装置とを備え、
該処理装置は、前記第1の整列装置の上工程側に配置され、
油を噴霧された棒状物を前記第1の整列装置に通すことにより、整列とともに油を棒状物の周面に潤滑させることを可能とすることを特徴とする棒状物の整列装置。
【請求項3】
コンベヤーと、スプレーユニットと、マット状の整列手段と、該整列手段の一端側を前記コンベヤー上で架設し他端側を前記コンベヤー上に載置する設置手段とを備え、
前記整列手段は、前記コンベヤーの幅方向に亘って基材および揺動軸を備え、前記幅方向に直交する長さ方向に複数の前記基材を一定間隔で列設し、当該基材間を前記揺動軸で連結してなり、
スプレーユニットにより棒状物に油を噴霧し、
前記コンベヤーの上面と前記整列手段の下面との間に棒状物を通過させて当該棒状物の長手方向が前記コンベヤー進退方向に対して直交して整列させるとともに、
前記棒状物の周面全体に前記油を潤滑させることを特徴とする棒状物の整列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造ラインにおける棒状物の整列装置、および、棒状物の整列とともに棒状物の表面処理を併せて行うことができる整列装置に関する。本発明において棒状物とは、丸棒状(短手方向断面が円形状)の物品のみならず、多角形棒状(短手方向断面が多角形状)の物品であって転動可能なものを含む。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状物に限らず、物品の整列装置としては、例えば、所定の間隔をおいてほぼ水平方向に、一列に錐下される複数の垂下部材と、当該複数の垂下部材を、その下方部が揺動可能となるように支持する支持部材と、前記垂下部材の下端部と所定の間隔をおいて配置され、前記垂下部材の列方向と垂直な方向に所定の物品を搬送するコンベヤー部とを有する、物品搬送装置が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、棒状部材を整列させるための装置として、長尺材の長手方向を搬送方向に対して直交方向に搬送するコンベヤーと、コンベヤーの上方にあって搬送方向と平行に上流側および下流側に直列に設けられ、長尺材への当接面が搬送方向と逆方向に回転する上流側回転ベルトとコンベアとの距離を調節する調節手段とを有し、重なり合った長尺材の搬送を段階的に阻止して1本ずつに整列する整列手段とを備えた長尺材整列装置が公知である(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-47993
【文献】特開平9-278163
【0005】
上記特許文献1に係る物品搬送装置は、搬送される物品の重なりを解消しようとするものである。垂下部材の下端部とコンベヤー面との間を、一つの物品厚みであれば通過できる間隔とすることで、上に重なった物品を垂下部材と接触させて、重なりを解消するものである。
【0006】
上記構成は物品の重なりを解消しようとする点では問題は生じないが、垂下部材の下端部とコンベヤー面との間を、一つの物品厚みであれば通過できる間隔としているため、重なっていない一つの物品自体が歪んで載置されている場合や、重なっていても最も下にある物品は、整列させることができない欠点があった。
【0007】
一方、上記特許文献2に係る長尺材整列装置の構成は、多数の回転ベルトとコンベヤーの間に長尺材を導入する構成を備えている。多数の回転ベルトを可動させる必要があり不経済である。また、回転ベルト1の平行面Xのコンベア4からの高さHは、搬送される長尺材Aの直径の1倍を超え、2倍未満に調整されている。このため、多数の回転ベルトとコンベヤーの間に長尺材を導入する構成のみでは、長尺材相互の分離はできても、十分な整列はできず、その後のチェーンコンベヤーを別途用いて、整列を行う必要がある。このため、長尺材の整列のための負担が過大である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、低コストで、且つ、短い距離で、棒状物の整列を可能とする整列装置の提供、ならびに、整列と同時に棒状物の表面への処理を併せて行うことができる整列装置の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コンベヤーへ設置する棒状物の整列装置であって、マット状の整列手段と、該整列手段の一端側を前記コンベヤー上で架設し他端側を前記コンベヤー上に載置するための設置手段とを備え、前記整列手段は、前記コンベヤーの搬送方向に直交する幅方向に亘って基材および揺動軸を備え、前記幅方向に直交する当該整列手段の長さ方向に複数の前記基材を一定間隔で列設し、当該基材間を前記揺動軸で連結してなり、前記整列手段の一端側の端部を垂下させ、前記コンベヤー上から棒状物の高さ未満の位置まで延設可能とし、前記コンベヤーの上面と整列手段の下面との間に棒状物を通過させて当該棒状物の長手方向が前記コンベヤーの幅方向となるように整列させるための経路を形成することを特徴とする棒状物の整列装置を、上記課題を解決するための手段とする。
【0010】
また、本発明は、コンベヤーへ設置する棒状物の整列装置であって、マット状の整列手段と、該整列手段の一端側を前記コンベヤー上で架設し他端側を前記コンベヤー上に載置するための設置手段とを備え、前記整列手段は、前記コンベヤーの搬送方向に直交する幅方向に亘って基材および揺動軸を備え、前記幅方向に直交する当該整列手段の長さ方向に複数の前記基材を一定間隔で列設し、当該基材間を前記揺動軸で連結してなり、前記コンベヤーの上面と整列手段の下面との間に棒状物を通過させて当該棒状物の長手方向が前記コンベヤーの幅方向となるように整列させるための経路を形成する第1の整列装置と、油を棒状物に噴霧する処理装置とを備え、該処理装置は、前記第1の整列装置の上工程側に配置され、油を噴霧された棒状物を前記第1の整列装置に通すことにより、整列とともに油を棒状物の周面に潤滑させることを可能とすることを特徴とする棒状物の整列装置を、上記課題を解決するための手段とする。
【0011】
また本発明は、コンベヤーと、スプレーユニットと、マット状の整列手段と、該整列手段の一端側を前記コンベヤー上で架設し他端側を前記コンベヤー上に載置する設置手段とを備え、前記整列手段は、前記コンベヤーの幅方向に亘って基材および揺動軸を備え、前記幅方向に直交する長さ方向に複数の前記基材を一定間隔で列設し、当該基材間を前記揺動軸で連結してなり、スプレーユニットにより棒状物に油を噴霧し、前記コンベヤーの上面と前記整列手段の下面との間に棒状物を通過させて当該棒状物の長手方向が前記コンベヤー進退方向に対して直交して整列させるとともに、前記棒状物の周面全体に前記油を潤滑させることを特徴とする棒状物の整列方法を、上記課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、整列手段は、前記コンベヤーの幅方向に亘る揺動軸を長さ方向に一定間隔で連続して備え、該揺動軸によって、幅方向に配列する基材相互を連結しているため、棒状物に対して基材が撓るとともに、基材の自重によって棒状物を上方から押圧する。棒状物は基材の自重によって押圧されながら、コンベヤーの動きによって回転する。基材が幅方向に亘る揺動軸によって幅方向に揃って撓るため、回転する棒状物を幅方向に揃うように方向づける。これによって、棒状物を幅方向に整列させることができる。
【0013】
また本発明は、上記発明の構成を前提として、隣り合う揺動軸の間隔(p)が、通過される前記棒状物の直径(d)よりも小であることとしたから、上記作用効果を奏する上に、棒状物に対して整列手段の撓りが滑らかとなり、棒状物に対して沿いやすく、接触面積を向上させ、より棒状物を幅方向に整列させることができる。
【0014】
また本発明は、上記いずれかの発明の構成を前提として、前記整列手段の一端側の端部を垂下させ、コンベヤー上から棒状物の高さ未満の位置まで延設可能としたことから、上記いずれかの発明の作用効果を奏する上に、当該一端側の端部が棒状物と接触することにより、棒状物が当該端部によって、幅方向に整列させることができる。
【0015】
また本発明は、上記いずれかの発明の構成を前提として、前記整列手段がコンベヤーベルトであることとしたことにより、上記いずれかの発明の作用効果を奏する上に、既成のコンベヤーベルトを用いることで、導入コストの低廉化を図ることができる。
【0016】
また本発明は、上記いずれかの発明の構成を前提として、当該棒状物の整列装置と、該整列装置が設置されるコンベヤーと、油を棒状物に噴霧する処理装置とを備え、該処理装置は、整列装置の上工程側に配置され、前記整列装置は、油を噴霧された棒状物を前記整列装置を通すことにより、整列とともに油を棒状物の周面に潤滑させることを可能とすることから、棒状物の周面に光沢をもたせ、若しくは、表面を油で保護した状態で、整列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る整列装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る整列手段の一部拡大図であって(a)軸が直線状のもの(b)軸が螺旋状のもの(c)合成樹脂製のものを示す一部拡大図である。
図3】本発明の実施例に係る(a)整列装置をコンベヤーに設置した状態(静止状態)、(b)整列装置に棒状物を載置した状態を示す説明略図である。
図4】本発明の実施例に係る(a)整列装置に棒状物を投入した状態、(b)整列装置により棒状物を整列させた状態を示す説明略図である。
図5】本発明の実施例2に係る整列装置を示す斜視図である。
図6】本発明の実施例2に係る整列装置における(a)第2の整列手段の垂下端部に棒状物が当接した状態、(b)第2の整列手段による棒状物を整列させた状態を示す説明略図である。
図7】本発明の整列方法における(a)スプレーユニットによる噴射の状態(b)食用油を塗布された棒状物を投入する状態、(c)整列とともに油ならし処理(油を潤滑させる処理)を行っている状態を示す説明略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施例に係る整列装置について説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の開示する技術的思想の範囲内において、設計変更等した構成等に及ぶ。尚、本発明において、コンベヤーの進行方向cを長さ方向fとし、長さ方向fに直交する左右方向を幅方向wとする。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1に係る整列装置1は、マット状の整列手段2と、設置手段3とを備える。
【0020】
設置手段3は、コンベヤー4の上方に整列手段2を保持するためのものである。
本実施例に係る設置手段3は、図1に示すように、コンベヤー4の左右側方に配置されるベース32と、左右のベース32からそれぞれ起立した縦枠31と、左右の縦枠31間に架橋される横枠30とを備える。
【0021】
横枠30は上下に並行して、下側となる第1の横枠301と、上側となる第2の横枠302とを備えている。
【0022】
本実施例においては、第1の横枠30(301)に整列手段2の一端側を架設し、第1の横枠30(301)に図示されないクランプを取り付け、整列手段2を挟持固定する構成としている。
【0023】
本実施例に係る整列手段2は、金属線材からなるコンベヤーベルト材によって構成される。コンベヤーベルト材は図2に示すように、幅方向wに亘る基材21が長さ方向fに一定の間隔pで複数設けられ、幅方向wに亘る揺動軸20で隣接する基材21相互を貫通して連結した構成である。
【0024】
基材21は、側面視長円形状を有する螺旋体である。
揺動軸20は図2(a)に示すように直線状の金属線材であってもよいし、図2(b)に示すように螺旋状の金属線材であってもよい。螺旋状とする場合には、螺旋により揺動軸20のずれを生じ難く、信頼性を高めることができる。
また基材21の長さ、揺動軸20のピッチpはいずれも棒状物5の直径dよりも小さく設定されている。
【0025】
一本の揺動軸20に連結される一組の基材21は、揺動軸20を基準として相対的に揺動可能である。このため基材21が幅方向wに亘って揺動する。
整列手段2のうちコンベヤー4に載置される部分を経路形成部22とし、設置手段3に架設され経路形成部22に至るまでの部分を背部23とする。
コンベヤー4と整列手段2との境界であって背部23側となる位置が、棒状物5の投入口24となる。
【0026】
以上の構成の整列装置1について、コンベヤー4(平コンベヤー)の左右にベース32を配置し、コンベヤー4上に整列手段2を配置した構成とする。この状態において、コンベヤー4の側面方向から見た簡略化した説明図を図3および図4に示す。
以下に、実施例に係る整列装置1による整列方法を説明する。
【0027】
図3(a)はコンベヤー4が停止している状態であり、整列手段2は一端側がコンベヤー4上で架設されており、他端側はコンベヤー4に載置されている。整列手段2とコンベヤー4との間に整列経路への取り込み口が形成される。
【0028】
図3(b)に示すように、コンベヤー4を動作させ、整列されていない棒状物5を投入する。本実施例ではコンベヤー4の進行速度は、約2.5m/分程度としている。整列手段2はコンベヤー4に摺接し、コンベヤー4の進行方向に引張された状態となる。また、整列手段2が引張されることで、整列経路への投入口24が拡大される。
【0029】
図4(a)に示すように、整列経路内において、コンベヤー4の上面41に載置された棒状物5は、整列手段2との摺接によって整列手段2との摩擦抵抗を受けながら移動する。このため、棒状物5はコンベヤー4の送り軸40の回転方向と逆向きの回転方向に回転し、コンベヤー4の進行速度の1/2程度の速度で搬送される。
【0030】
そして、基材21が幅方向wに亘る揺動軸20によって幅方向wへライン状に揃って撓り、整列手段2の自重で回転する棒状物5を幅方向wに揃うように方向づける。
また、重なって配置された棒状物5は、図3(b)及び図4(a)に示すように、背部23に接触することによって、コンベヤー4の進行とともに重なりが解消される。
【0031】
本実施例では、基材21の長さ、揺動軸20のピッチがいずれも棒状物5の直径よりも小さく設定されているため、一本の棒状物5に対して複数の基材21がライン状に揃って撓り、回転する棒状物5を幅方向wに揃うように方向づける。
このため、棒状物5を幅方向wに整列させることができる。
【実施例2】
【0032】
本実施例2に係る整列装置1は、図5に示すように、実施例1に係る整列装置1に、補助的に整列手段2Bを増設したものである。
【0033】
設置手段3は、コンベヤー4の左右側方に配置されるベース32と、左右のベース32からそれぞれ起立した縦枠31と、左右の縦枠31間に架橋される第1の横枠34と前記左右の縦枠からコンベヤー進行方向cに延設される側枠33と、左右の側枠33間に架橋される第2の横枠35を備えている。
【0034】
第1の横枠34には第1の整列手段2A、第2の横枠35には第2の整列手段2Bが夫々架設される。
第1の横枠34に架設される第1の整列手段2Aは、実施例1と共通する。
第2の整列手段2Bは、図6に示すように、一端側の端部を垂下させた垂下端部25を備え、垂下端部25はコンベヤー4上から棒状物5の高さ未満の高さ位置hまで延設可能な構成である。
【0035】
実施例1において基本的に整列は可能であるが、処理量が増加した場合等を想定してなされたものである。
【0036】
第1の整列手段2Aを棒状物5が通過した段階で整列が不良であった場合、第2の整列手段2Bの垂下端部25が不整列の棒状物5に当接し、コンベヤー4の進行とともに棒状物5を整列させる。垂下端部25は棒状物5を整列させながら、僅かに撓って、棒状物5を第2の整列経路へ通過させる。その後、第2の整列経路によって、棒状物5の整列状態を維持させる。棒状物5が未だ整列していない場合には第2の整列経路で整列させる。
以上によって、実施例2に係る整列装置1は、整列の確実性を高めることができる。
【実施例3】
【0037】
本実施例3に係る整列装置1は、食用油による棒状物5(例えば、燻製後長さを一定としたサラミ等)の表面全体への光沢の付与のために、実施例1に係る整列装置1に、スプレーユニット6を組み合わせたものである。
【0038】
図7に示すように、スプレーユニット6は整列装置1の上工程側に配置される。
スプレーユニット6自体は棒状物5へ食用油を付着するものである。
スプレーユニット6は食用油を保持する貯留部と、ノズル部とを備える。コンプレッサを用いて、圧搾空気により食用油をミスト化し、棒状物5へ付着させる。
【0039】
本実施例3に係る整列装置1は、スプレーユニット6と組み合わせることで、整列と同時に棒状物5の外面への食用油の付着量を均等化(油ならし)する整列兼油ならし装置として機能するものである。
整列装置1の構成自体は、実施例1の装置と共通する。
【0040】
スプレーユニット6によって食用油を噴霧された棒状物5を、整列装置1へ投入する。
整列経路内において、コンベヤー4上に載置された棒状物5は、整列手段2との摺接によって整列手段2との摩擦抵抗を受けながら移動する。このため、棒状物5はコンベヤー4の送り軸40の回転方向と逆向きの回転方向に回転する。
【0041】
棒状物5に付着された食用油は棒状物5の回転と整列装置1との接触によって、棒状物5の全周面に亘って潤滑される。
本実施例では、基材21の長さ、揺動軸20のピッチがいずれも棒状物5の直径よりも小さく設定されているため、棒状物5の周面に対して沿うように基材21が撓り、食用油が付着された基材21が回転する棒状物5へ食用油を付着させ、油ならしを行うことができる。
【0042】
また、基材21が幅方向wに亘る揺動軸によって幅方向wへライン状に揃って撓り、整列手段2の自重で回転する棒状物5を幅方向wに揃うように方向づけることから、整列を併せて行うことができる。
【0043】
尚、上記実施例1、2、3においては、いずれも整列手段2の架設には、図示されないクランプを用いて固定する構成としているが、本発明は上記構成に限るものではなく、例えば、横枠30にワイヤ等を巻き付けて固定してもよいし、ピン等の係止手段を設けて係止させてもよいし、その他公知の固定手段を適宜使用することも可能である。
【0044】
また設置手段は実施例の形状に限られず、コンベヤー上に整列手段を配置できるものであればよい。
【0045】
また上記実施例においては、整列手段2を構成するコンベヤーベルト材は、金属線材からなるものとしているが、本発明は上記構成に限るものではなく、例えば、合成樹脂等からなるものとすることもできる。この場合において、例えば、図2(c)に示すように、軸体を基材21とともに形成し、複数の軸体によって幅方向wに亘り全体的な揺動軸20が形成されるものとすることも可能である。
【0046】
また上記実施例2においては垂下端部を設けた構成としているが、本発明は当該構成に限定されるものではなく、例えば実施例1の構成において垂下端部を設けることもできる。
【0047】
また上記実施例においては、食品の一例としてサラミを示したが、他の棒状の肉類のみならず、棒状の菓子類や野菜等(ごぼう、アスパラガス等)の搬送の際の整列を行うことができる。また非食品であっても整列させることが可能である。
【0048】
また上記実施例においては、棒状物に食品を用い、食用油を噴霧し、整列および油ならしをするものとしたが、本発明は当該構成に限定されるものではなく、例えば棒状物として金属部品等を用い、防錆用の機械油を噴霧し、整列および油ならしをすることも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 整列装置
2 整列手段(ベルトコンベヤー材)
2A 第1の整列手段
2B 第2の整列手段
20 揺動軸
21 基材
22 経路形成部
23 背部
24 投入口
25 垂下端部
3 設置手段
30 横枠
301 第1の横枠
302 第2の横枠
31 縦枠
32 ベース
33 側枠
34 第1の横枠
35 第2の横枠
4 コンベヤー
40 送り軸
41 上面
5 棒状物
6 スプレーユニット
c コンベヤー進行方向
d 直径
f 長さ方向
h 高さ位置
p 間隔(ピッチ)
w 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7