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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】マスク用バンド束具、及びマスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240214BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20240214BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A41D13/11 H
A41D13/11 E
A62B18/08 C
A62B18/02 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020070814
(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公開番号】P2021167478
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000179926
【氏名又は名称】山本光学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】内田 貴美代
(72)【発明者】
【氏名】橋本 啓樹
(72)【発明者】
【氏名】新田 莉乃
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3160019(JP,U)
【文献】特開2002-028240(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02387895(EP,A1)
【文献】米国特許第05630412(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-1228042(KR,B1)
【文献】中国実用新案第208821774(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/08
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口および鼻を覆うマスク本体(10)と、
両端が前記マスク本体(10)の両側部(10a、10b)と連結される上側バンド(20)と、
前記マスク本体(10)の前記両側部(10a、10b)において、前記上側バンド(20)が連結される部分よりも下側の部分に両端が連結される下側バンド(30)と、
装着者の頭部における左右両側において前記上側バンド(20)と前記下側バンド(30)とを束ねる束具(40)
とを具備するマスク。
【請求項2】
前記束具(40)は、前記上側バンド(20)及び前記下側バンド(30)に沿って移動可能に前記上側バンド(20)及び前記下側バンド(30)と係合する、請求項1に記載のマスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、工事現場等の粉塵の多い場所、及び医療現場等の感染症対策において好適に使用できる防塵マスクなどのマスクに関し、特に、顔面との良好な密着性を実現できるマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
防塵マスクなどのマスクとして、特許文献1には、一対のバンドを具備するマスクが記載されている。一対のバンドは、各々、両端がマスク本体の両側部に連結され、中央部が、装着者の耳ではなく、後頭部に掛けられる。一対のバンドのうち1つは後頭部の上下方向における中央か、中央よりもやや上の位置に掛けられ、他の1つは、後頭部の下側、例えば、首と後頭部との境界近傍に掛けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-73445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のマスクにおいては、装着者の後頭部の形状や、髪質によっては、上側のバンドがずれ落ち、マスクと顔面との密着性を良好に維持できなくなることが問題となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、バンドのずれを防止し、顔面との良好な密着性を維持できるマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示するマスク用バンド束具は、マスク本体と、上側バンドと、下側バンドとを具備するマスクに取付けられ、前記マスクを装着する装着者の頭部における左右両側において、前記上側バンドと前記下側バンドとを束ねる。前記マスク本体は、口および鼻を覆う。前記上側バンドは、両端が前記マスク本体の両側部と連結される。前記下側バンドは、前記マスク本体の前記両側部において、前記上側バンドが連結される部分よりも下側の部分に両端が連結される。ここで、「装着者の頭部」とは、いわゆる「頭」の部分のみならず、顎から頬にかけての部分、すなわち「顔」の部分を含む。
【0007】
また、本願に開示するマスクは、マスク本体(10)と、上側バンド(20)と、下側バンド(30)と、束具(40)とを具備する。前記マスク本体(10)は、口および鼻を覆う。前記上側バンド(20)は、両端が前記マスク本体(10)の両側部(10a、10b)と連結される。前記下側バンド(30)は、前記マスク本体(10)の前記両側部(10a、10b)において、前記上側バンド(20)が連結される部分よりも下側の部分に両端が連結される。前記束具(40)は、装着者の頭部における左右両側において、前記上側バンド(20)と前記下側バンド(30)とを束ねる。
【0008】
本願に開示するマスクにおいて、前記束具(40)は、前記上側バンド(20)及び前記下側バンド(30)に沿って移動可能に前記上側バンド(20)及び前記下側バンド(30)と係合する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマスクによれば、バンドのずれを防止し、顔面との良好な密着性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るマスクを示す前面斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るマスクを示す背面斜視図である。
図3】実施形態に係るマスクの第1使用例を示す装着者の頭部側面図である。
図4】実施形態に係るマスクの第2使用例を示す装着者の頭部側面図である。
図5】実施形態に係るマスクの第3使用例を示す装着者の頭部側面図である。
図6】従来のマスクの一般的な使用例を示す装着者の頭部側面図である。
図7】実施形態に係るマスク用バンド束具の第1実施例を示す斜視図である。
図8】実施形態に係るマスク用バンド束具の第2実施例を示す斜視図である。
図9】実施形態に係るマスク用バンド束具の第3実施例を示す斜視図である。
図10】実施形態に係るマスク用バンド束具の第4実施例を示す斜視図である。
図11】実施形態に係るマスク用バンド束具の第5実施例を示す斜視図である。
図12】実施形態に係るマスク用バンド束具の第6実施例を示す斜視図である。
図13】実施形態に係るマスク用バンド束具の第7実施例を示す斜視図である。
図14】(a)実施形態に係るマスク用バンド束具の第8実施例を示す斜視図である。(b)実施形態に係るマスク用バンド束具の第8実施例を示す分解斜視図である。
図15】(a)実施形態に係るマスク用バンド束具の第9実施例を示す分解斜視図である。(b)実施形態に係るマスク用バンド束具の第9実施例を示す斜視図である。
図16】(a)実施形態に係るマスク用バンド束具の第10実施例を示す分解斜視図である。(b)実施形態に係るマスク用バンド束具の第10実施例を示す斜視図である。
図17】(a)実施形態に係るマスク用バンド束具の第11実施例を示す斜視図である。(b)実施形態に係るマスク用バンド束具の第11実施例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るマスクを図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0012】
〈実施形態〉
以下に、図1図6を参照して、本発明の実施形態に係るマスクを説明する。図1は、実施形態に係るマスクを示す前面斜視図である。図2は、実施形態に係るマスクを示す背面斜視図である。図3は、実施形態に係るマスクの第1使用例を示す装着者の頭部側面図である。図4は、実施形態に係るマスクの第2使用例を示す装着者の頭部側面図である。図5は、実施形態に係るマスクの第3使用例を示す装着者の頭部側面図である。図6は、従来のマスクの一般的な使用例を示す装着者の頭部側面図である。
【0013】
実施形態に係るマスク1は、防塵マスクであり、図1図3に示すように、マスク本体10と、上側バンド20と、下側バンド30と、一対の束具40と、バンド長さ調節具50とを具備する。
【0014】
マスク本体10は、実施形態においては、粉塵用のフィルタを含み、口および鼻を覆う。マスク本体10の素材としては、不織布を好適に使用することができる。また、マスク本体10は、紙製又は不織布以外の布製とすることもできる。マスク本体10の形状は、特に限定されないが、実施形態においては半球状である。
【0015】
図1に示すように、マスク本体10の前面上部には、線状の補強金具11が取付けられている。補強金具11は、鼻梁を挟むなだらかな山形にマスク本体10における上部の形状を保つ。補強金具11がマスク本体10の形状をなだらかな山形に保つことによって、顔面における鼻梁の周辺とマスク本体10の上側縁部との密着性を向上させることができる。なお、補強金具11は必須ではなく、マスク本体10の形状、構造によっては、補強金具11を設けないものとしたり、補強金具11の形状を変更したりすることができる。
【0016】
また、図2に示すように、マスク本体10の背面上部には、鼻梁に対応するスリットを有する鼻パッド12が設けられている。マスク本体10の背面上部に鼻パッド12が設けられることによって、顔面における鼻梁の周辺とマスク本体10の上側縁部との間の気密性を向上させることができる。なお、鼻パッド12は必須ではなく、マスク本体10の形状、構造によっては、鼻パッド12を設けないものとしたり、鼻パッド12の形状、取付位置を変更したりすることができる。
【0017】
上側バンド20は、実施形態においては、ゴムバンドであり、両端が、マスク本体10の右側部10aと左側部10bとに連結される。上側バンド20の両端が連結されるマスク本体10の両側部10a、10bにおける上下方向の位置は特に限定されないが、実施形態においては、上側バンド20の両端は、マスク本体10の上下方向における中央よりも上の位置に連結されている。
【0018】
下側バンド30は、実施形態においては、ゴムバンドであり、マスク本体10の両側部10a、10bにおいて、上側バンド20が連結される部分よりも下側の部分に両端が連結される。実施形態においては、下側バンド30の両端は、マスク本体10の上下方向における中央よりも下の位置に連結されている。
【0019】
図3に示すように、束具40は、装着者の頭部2における左右両側において上側バンド20と下側バンド30とを束ねる。実施形態においては、束具40は、上側バンド20及び下側バンド30に沿って移動可能に上側バンド20及び下側バンド30と係合している。また、図3に示す例においては、束具40は、装着者の耳の付け根の上端に接する位置において、上側バンド20と下側バンド30とを束ねている。
【0020】
束具40によって束ねられた上側バンド20及び下側バンド30のうちの一方は、装着者の後頭部に掛けられ、他方は、装着者の頭頂部に掛けられる。図3に示す例においては、より望ましい装着例として上側バンド20が装着者の後頭部に掛けられ、下側バンド30が装着者の頭頂部に掛けられているが、上側バンド20が、装着者の頭頂部に掛けられ、下側バンド30が、装着者の後頭部に掛けられてもよい。
【0021】
また、束具40は、図4に示すように、装着者の耳の位置よりも頭頂部に近い位置において上側バンド20と下側バンド30とを束ねることも、図5に示すように、装着者の耳の位置よりも口に近い位置において上側バンド20と下側バンド30とを束ねることもできる。
【0022】
バンド長さ調節具50は、図3に示すように、装着者の後頭部に掛けられる方のバンド、図示例においては、上側バンド20に取付けられる。バンド長さ調節具50は、必須ではないが、バンド長さ調節具50が、装着者の後頭部に掛けられる方のバンドに取付けられることによって、装着者の鼻梁の周辺とマスク本体10の上側縁部とのより良好な密着性を得ることができる。特に、鼻梁の周辺部は人の顔においても敏感な部位であり、バンドの長さを適切な長さに調節できることによって、快適な装着性と良好な密着性とをバランスよく向上させることができる。
【0023】
以上、図1図5を参照して説明したように、実施形態のマスク1によれば、束具40によって、装着者の頭部2における左右両側において上側バンド20と下側バンド30とが束ねられ、上側バンド20及び下側バンド30のうちの一方が、装着者の後頭部に掛けられ、他方が装着者の頭頂部に掛けられる。従って、装着者の顎とマスク本体10の下部との密着性が向上されるとともに、装着者の鼻梁の周辺とマスク本体10の上部との密着性が向上される。
【0024】
これに対し、図6に示すように、従来のマスク100においては、上側バンド120及び下側バンド130の両方が後頭部に掛けられる。上側バンド120は、装着当初は後頭部に保持されている。しかしながら、装着者の後頭部の形状や髪質によっては、長期装着時又は工場などでの長時間の作業を行ううちに、上部バンド120がずれ落ちることがあり、そのような場合には、マスク本体110と顔面との密着性を良好に保つことは困難となる。
【0025】
実施形態のマスク1においては、例えば図3に示すように、束具40を節目として、上側バンド20及び下側バンド30に働く力の向きが変わる。従って、上側バンド20及び下側バンド30の一方を装着者の頭頂部に掛けた状態で安定させることが容易となり、長時間の作業中にもバンドがずれることを防止し、マスク本体10と顔面との良好な密着性を維持できる。
【0026】
なお、上側バンド20及び下側バンド30のうちのいずれを装着者の頭頂部に掛けるべきかについては、発明者達の実験によれば、下側バンド30を装着者の頭頂部に掛ける方が、安定的なフィット感を得られたために、好ましいと言える。ただし、束具40が大きな拘束力によって上側バンド20と下側バンド30とを束ねる場合には、上側バンド20及び下側バンド30のいずれを装着者の頭頂部に掛けても装着者は同様のフィット感を得られるものと考えられる。

【0027】
次に、束具40によって、頭部側方のどのような位置で上側バンド20と下側バンド30とを束ねるべきかについて、発明者達の実験結果に基づき考察する。
【0028】
図3に示すように、装着者の耳の付け根の上端に接する位置において上側バンド20と下側バンド30とを束ね、更に、下側バンド30を装着者の頭頂部に掛けたとき、マスクの装着状態は最も安定し、装着者が激しく動いてもバンドがずれることはなかった。また、図3に示す状態において、下側バンド30ではなく上側バンド20を装着者の頭頂部に掛けた場合にも、マスクの装着状態は十分に安定し、激しい動きによってもバンドがずれることはなかった。
【0029】
図4に示すように、束具40によって、装着者の耳の位置より頭頂部に近い位置において上側バンド20と下側バンド30とを束ねた場合にも、顎とマスク本体10の下部との密着性が向上し、マスクの装着状態もある程度安定し、従来よりもバンドはずれにくくなった。
【0030】
図5に示すように、装着者の耳の位置より口に近い位置において上側バンド20と下側バンド30とを束ねた場合には、図3及び図4の使用状態と比較すると、マスクの装着状態における安定性は劣っていた。しかしながら、図6に示す従来のマスク100と比較すると、マスクの装着状態は安定し、マスク本体10と顔面との良好な密着性を維持できた。
【0031】
以上のとおり、束具40によって、どのような位置で上側バンド20と下側バンド30とを束ねるべきかについては、発明者達の実験によれば、装着者の耳の付け根の上端に接する位置において、上側バンド20と下側バンド30とを束ねることが最も好ましいといえる。
【0032】
以下、図7図17を参照して、本発明の実施形態に係るマスク用バンド束具を説明する。実施形態に係るマスク用バンド束具は、図6に示すような従来のマスク、つまり、口および鼻を覆うマスク本体と、両端がマスク本体の両側部と連結される上側バンドと、マスク本体の両側部において、上側バンドが連結される部分よりも下側の部分に両端が連結される下側バンドとを具備するマスクに取付けることができる。なお、実施形態に係るマスク用バンド束具は、図6に示すマスクに限らず、マスク用バンド束具を取付けることによって同様の効果が得られるマスクであれば、どのようなマスクに取付けてもよい。
【0033】
図7は、マスク用バンド束具の第1実施例としての束具40を示し、束具40は、扁平な角筒状であり、中空部に上側バンド20と下側バンド30とが挿通される。束具40は、バンド挿通方向に沿った二辺に、嵌脱可能な凹凸を有しており、上側バンド20と下側バンド30とを中空部に配した状態で凹凸が嵌め合わされる。図8図10の束具40A、40B、40Cも同様に、嵌脱可能な凹凸を有している。また、束具40は、上側バンド20及び下側バンド30に沿って移動可能に上側バンド20及び下側バンド30と係合する。
【0034】
図8は、マスク用バンド束具の第2実施例としての束具40Aを示し、束具40Aは、平面視楕円形状を有する筒体であり、中空部に上側バンド20と下側バンド30とが挿通される。束具40Aは、上側バンド20及び下側バンド30に沿って移動可能に上側バンド20及び下側バンド30と係合する。
【0035】
図9は、マスク用バンド束具の第3実施例としての束具40Bを示し、束具40Bは、短い角筒状であり、中空部に上側バンド20と下側バンド30とが挿通される。束具40Bによれば、束具をよりコンパクトにできる。また、束具40Bは、上側バンド20及び下側バンド30に沿って移動可能に上側バンド20及び下側バンド30と係合する。
【0036】
図10は、マスク用バンド束具の第4実施例としての束具40Cを示し、束具40Cは、円筒状であり、中空部に上側バンド20と下側バンド30とが挿通される。束具40Cは、上側バンド20及び下側バンド30に沿って移動可能に上側バンド20及び下側バンド30と係合する。
【0037】
図11は、マスク用バンド束具の第5実施例としての束具40Dを示し、束具40Dは、長板部材をリング状に形成したフックであり、上側バンド20及び下側バンド30は、束具40Dの周方向における両端部の隙間から内部に嵌め入れられ、束具40Dによって拘束される。
【0038】
図12は、マスク用バンド束具の第6実施例としての束具40Eを示し、束具40Eは、丸棒部材をリング状に形成したフックであり、上側バンド20及び下側バンド30は、束具40Eの周方向における両端部の隙間から内部に嵌め入れられ、束具40Eによって拘束される。
【0039】
図13は、マスク用バンド束具の第7実施例としての束具40Fを示し、束具40Fは、丸棒部材を螺旋状に形成したフックであり、上側バンド20及び下側バンド30は、束具40Fの軸方向における一端部の隙間から内部に入れられる。
【0040】
図14は、マスク用バンド束具の第8実施例としての束具40Gを示し、束具40Gは、中空部の一端開口が幅広に形成された扁平な角筒状であり、中空部に上側バンド20と下側バンド30とが挿通される。中空部の一端開口が幅広とされることによって、上側バンド20及び下側バンド30を頭頂部と後頭部とに掛けるように分岐して伸ばすことが容易となる。
【0041】
図15は、マスク用バンド束具の第9実施例としての束具40Hを示し、束具40Hは、中空部の一端開口が2筋に分岐した扁平な角筒状であり、中空部は、Y字状に形成されている。中空部がY字状に形成されることによって、上側バンド20を後頭部に掛け、下側バンド30を掛けるように、装着者を誘導することが容易となり、装着者がより適切な使用方法でマスク1を使用することが容易となる。また、例えば、上側バンド20の出口に「後に」を示す文字又は記号を設け、下側バンド30の出口に「上に」を示す文字又は記号を設けることによって、より確実に装着者を誘導できる。
【0042】
図16は、マスク用バンド束具の第10実施例としての束具40Iを示し、束具40Iは、平面視十字状ないしはX字状で上側バンド20と下側バンド30とが挿通される中空部を有する。上側バンド20と下側バンド30とが中空部の中で交差するように、上側バンド20と下側バンド30とを中空部に配置することによって、装着者は、自然と上側バンド20を後頭部に掛け、下側バンド30を頭頂部に掛けるように誘導され、装着者がより適切な使用方法でマスクを使用することが容易となる。
【0043】
図17は、マスク用バンド束具の第11実施例としての束具40Jを示し、図17(a)に示すように、束具40Jは、平面視が正方形に近い角筒状であり、中空部に上側バンド20と下側バンド30とが挿通される。また、図17(b)に示すように、束具40Jは、略同形の蓋部材41及びバンド押さえ受部材42と、バンド押さえ43とを具備する。バンド押さえ43は、実施形態においては丸棒部材であり、上側バンド20又は下側バンド30にくい込むように、周面に凹凸が形成されている。バンド押さえ43が、束具40Jの中空部に配されることによって、マスクの長時間の装着時、又はマスクの着脱時においても、束具40Jの位置がずれることがなく、束具40Jの位置を一度調整することで、以降安定して装着し続けることができる。
【0044】
以上、図面(図1図17)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…マスク
10…マスク本体
10a、10b…両側部
11…補強金具
20…上側バンド
30…下側バンド
40…束具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17