(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】給湯装置用の排気アダプタ及び給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20240214BHJP
F23L 17/02 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F24H9/02 301D
F23L17/02 602D
(21)【出願番号】P 2020164932
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 麻望子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 翔平
(72)【発明者】
【氏名】倉田 康平
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-128533(JP,A)
【文献】特開2018-059645(JP,A)
【文献】実開平03-128241(JP,U)
【文献】特開2014-199171(JP,A)
【文献】特開平10-213352(JP,A)
【文献】特開2005-321165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F23L 17/00 - 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルを具備するとともに内部で排気ガスが生じる筐体と、前記排気ガスを前記筐体の内部から外部に導く排気トップと、を有する本体部を備え、前記排気トップが前記前面パネルの前側に突出する筒状の突出部を具備し且つ前記突出部の先端部に排気口が設けられた給湯装置における前記本体部に組み付けられ、前記排気トップによって導かれた前記排気ガスを前記筐体外において誘導する排気アダプタであって、
前記本体部に組み付けられたときに前記前面パネルに対向する対向板を有する対向壁部と、
前記対向壁部を覆うカバー体と、
を有し、
前記対向壁部には、
前記排気ガスを導入する導入口と、
前記導入口の周囲において突出して設けられ、前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられたときに前記排気口の外側に配置される外側ガイドと、
前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられたときに前記排気口の内側に配置される内側ガイドと、
が設けられ、
前記本体部に組み付けられる際に、前記外側ガイド及び前記内側ガイドが前記突出部によってガイドされることにより、前記排気口が前記導入口に連通する位置に位置合わせされる
給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項2】
前記対向壁部において、前記導入口の周囲には、前記外側ガイドの内側かつ前記内側ガイドの外側に少なくとも一部が配置される封止部材を備え、
前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられる際に、前記外側ガイド及び前記内側ガイドが前記突出部によってガイドされることにより、前記先端部が前記封止部材に接触するように案内され、
前記先端部と前記封止部材とが密着した状態で前記排気アダプタが前記本体部に固定される
請求項1に記載の給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項3】
前記内側ガイドは、前記導入口の内縁から突出する内側突出部を備え、
前記内側突出部は、前記導入口の両側に設けられ且つ所定方向に沿って延びる一対の凸部を少なくとも有し、
前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられる際に、前記一対の凸部が前記排気口内に入り込むように前記内側ガイドが前記突出部によってガイドされる
請求項1又は請求項2に記載の給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項4】
前記外側ガイドは、前記導入口を少なくとも部分的に囲む囲い部を有し、
前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられる際に、前記排気口が前記囲い部の内側に入り込むように前記外側ガイドが前記突出部によってガイドされる
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項5】
前記外側ガイドは、前記内側ガイドよりも突出量が大きい
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項6】
前記排気アダプタを前記筐体に連結する連結部を有し、
前記連結部は、前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられた状態で前記排気アダプタ側から前記筐体側に延びる延出部と、前記延出部から折れ曲がる折れ曲がり片と、を有し、
前記延出部の一端側が前記対向壁部に固定又は一体化され、前記延出部の他端側に前記折れ曲がり片が設けられており、
前記折れ曲がり片には、締結部材を挿入するための孔部が形成されており、
前記延出部の一端側が前記対向壁部に固定又は一体化された状態且つ前記排気口が前記導入口に連通する位置に位置合わせされた状態で、前記折れ曲がり片が前記筐体の外面に対して前側から前後に対向する構成をなし、
前記折れ曲がり片の前記孔部及び前記筐体に対して前記締結部材が前側から挿入されて連結される構成をなす
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項7】
前記排気アダプタを前記筐体に連結する第2連結部を有し、
前記第2連結部は、前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられた状態で前記排気アダプタ側から前記筐体側に延びる第2延出部と、前記第2延出部の一端側において折れ曲がる第2折れ曲がり片と、前記第2延出部の他端側において折れ曲がる第3折れ曲がり片と、を有し、
前記第2折れ曲がり片には、第2締結部材を挿入するための第2孔部が形成されており、
前記第3折れ曲がり片は、前記筐体の外縁部に対し、後方側から引っ掛かり、
前記排気口が前記導入口に連通する位置に位置合わせされた状態で、前記第2折れ曲がり片が前記第3折れ曲がり片よりも前側の位置において前記排気アダプタの外面に対して前側から前後に対向する構成をなし、前記第2孔部及び前記排気アダプタに対して前記第2締結部材が前側から挿入されて連結される構成をなす
請求項6に記載の給湯装置用の排気アダプタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給湯装置用の排気アダプタが前記本体部に組み付けられる給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯装置用の排気アダプタ及び給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外付けの排気アダプタが取り付けられる給湯機の一例が開示されている。特許文献1に開示される給湯機は、給湯機の本体の前面に、斜め上向きに突出して開口した排気口が設けられる。断面矩形の排気アダプタは、斜め上向きに傾斜した排気口に対してベース板を介して取り付けられる。排気アダプタ内部の排気通路の底面は、排気口に向けて下り傾斜している。排気通路内のドレンは、上記底面に沿って排気口へ流れて回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気アダプタを給湯装置の本体部に固定し得る構造の給湯装置では、排気アダプタを本体部に固定する作業を行う際に、排気アダプタ側に設けられた排気ガスの導入口を、本体部側に設けられた排気口に適切に位置合わせする必要がある。しかし、排気アダプタを構成する部品が細かく細分化され、設置時やメンテナンス時などにおいてこれらを順次組み付けることを必須とする構造では、作業に手間がかかり作業性が悪い。一方、排気アダプタを構成する部品が一体的なユニットとして構成され、設置時やメンテナンス時などにおいて一体化された排気アダプタが本体部に着脱できるようになっていると、作業性の面で有利である。しかし、排気アダプタの構造が大きくなるほど、排気アダプタを本体部に取り付ける際に排気アダプタに設けられた導入口や本体部に設けられた排気口が見えにくくなるため、作業者が導入口と排気口を位置合わせする作業等を行いにくい。
【0005】
本開示は、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、排気アダプタを取り付ける作業を行う上で作業効率の向上が図られやすく、組み付け後に適正な取付状態が安定的に保たれやすい技術を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つである給湯装置用の排気アダプタは、
前面パネルを具備するとともに内部で排気ガスが生じる筐体と、前記排気ガスを前記筐体の内部から外部に導く排気トップと、を有する本体部を備え、前記排気トップが前記前面パネルの前側に突出する筒状の突出部を具備し且つ前記突出部の先端部に排気口が設けられた給湯装置における前記本体部に組み付けられ、前記排気トップによって導かれた前記排気ガスを前記筐体外において誘導する排気アダプタであって、
前記本体部に組み付けられたときに前記前面パネルに対向する対向板を有する対向壁部と、
前記対向壁部を覆うカバー体と、
を有し、
前記対向壁部には、
前記排気ガスを導入する導入口と、
前記導入口の周囲において突出して設けられ、前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられたときに前記排気口の外側に配置される外側ガイドと、
前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられたときに前記排気口の内側に配置される内側ガイドと、
が設けられ、
前記本体部に組み付けられる際に、前記外側ガイド及び前記内側ガイドとが前記突出部によってガイドされることにより、前記排気口が前記導入口に連通する位置に位置合わせされる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る技術によれば、排気アダプタを取り付ける作業を行う上で作業効率の向上が図られやすく、組み付け後に適正な取付状態が安定的に保たれやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の給湯装置を概略的に例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の給湯装置の構成を例示する説明図である。
【
図3】
図3は、
図1の給湯装置の側面図の一部を拡大して示す拡大図である。
【
図4】
図4は、
図1の給湯装置の断面図の一部を拡大して示す拡大図である。
【
図5】
図5は、
図1の給湯装置を
図4とは異なる方向の切断面で切断した断面の一部を拡大して示す拡大図である。
【
図6】
図6は、
図4の断面図の一部を更に拡大して示す拡大図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の給湯装置の本体部を概略的に例示する斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7の本体部の断面図の一部を拡大して示す拡大図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の給湯装置の排気アダプタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。
【0010】
〔1〕前面パネルを具備するとともに内部で排気ガスが生じる筐体と、前記排気ガスを前記筐体の内部から外部に導く排気トップと、を有する本体部を備え、前記排気トップが前記前面パネルの前側に突出する筒状の突出部を具備し且つ前記突出部の先端部に排気口が設けられた給湯装置における前記本体部に組み付けられ、前記排気トップによって導かれた前記排気ガスを前記筐体外において誘導する排気アダプタであって、
前記本体部に組み付けられたときに前記前面パネルに対向する対向板を有する対向壁部と、
前記対向壁部を覆うカバー体と、
を有し、
前記対向壁部には、
前記排気ガスを導入する導入口と、
前記導入口の周囲において突出して設けられ、前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられたときに前記排気口の外側に配置される外側ガイドと、
前記排気アダプタが前記本体部に組み付けられたときに前記排気口の内側に配置される内側ガイドと、
が設けられ、
前記本体部に組み付けられる際に、前記外側ガイド及び前記内側ガイドが前記突出部によってガイドされることにより、前記排気口が前記導入口に連通する位置に位置合わせされる
給湯装置用の排気アダプタ。
【0011】
上記の〔1〕の給湯装置用の排気アダプタは、排気アダプタを本体部に組み付ける際に、外側ガイド及び内側ガイドが突出部によってガイドされるように案内することができ、排気口を導入口に連通する位置に位置合わせすることができる。よって、この排気アダプタは、排気口に対する導入口の位置決めが容易に且つ正確に行われやすく、作業効率の向上を図ることができる。しかも、この排気アダプタは、本体部に組み付けられた後に、排気口に対して導入口が位置ずれしにくいため、組み付け後に適正な取付状態が安定的に保たれる。
【0012】
〔2〕上記の〔1〕に記載の給湯装置用の排気アダプタにおいて、以下の特徴を有する。上記対向壁部において、上記導入口の周囲には、上記外側ガイドの内側かつ上記内側ガイドの外側に少なくとも一部が配置される封止部材を備える。上記排気アダプタが上記本体部に組み付けられる際に、上記外側ガイド及び上記内側ガイドが上記突出部によってガイドされることにより、上記先端部が上記封止部材に接触するように案内される。上記先端部と上記封止部材とが密着した状態で上記排気アダプタが上記本体部に固定される。
【0013】
上記の〔2〕の給湯装置用の排気アダプタは、突出部の先端部を封止部材に密着させて固定することができるため、突出部の先端部と対向壁部との間から排気ガスが漏れることを抑えることができる。しかも、突出部の先端部を封止部材に密着させるに際し、外側ガイド及び内側ガイドが突出部によってガイドされ、上記先端部が封止部材に接触するように案内されるため、適正な接触状態にするための取付作業がより容易に行われやすい。
【0014】
封止部材は、例えばゴムパッキンなどであってもよく、その他のシール部材であってもよい。封止部材は、突出部の先端部よりも硬度が低い柔らかな柔軟部材である。
【0015】
〔3〕上記の〔1〕又は〔2〕に記載の給湯装置用の排気アダプタにおいて、以下の特徴を有する。上記内側ガイドは、上記導入口の内縁から突出する内側突出部を備える。上記内側突出部は、上記導入口の両側に設けられ且つ所定方向に沿って延びる一対の凸部を少なくとも有する。上記排気アダプタが上記本体部に組み付けられる際に、上記一対の凸部が上記排気口内に入り込むように上記内側ガイドが上記突出部によってガイドされる。
【0016】
上記の〔3〕の給湯装置用の排気アダプタは、導入口の内縁において導入口の両側から突出する一対の凸部が設けられ、所定方向に延びる一対の凸部が排気口内に入り込むように内側ガイドが突出部によってガイドされるため、導入口が排気口の外側に外れるように位置合わせされることをより確実に防ぐことができる。
【0017】
〔4〕上記の〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の給湯装置用の排気アダプタにおいて、以下の特徴を有する。上記外側ガイドは、上記導入口を少なくとも部分的に囲む囲い部を有し、上記排気アダプタが上記本体部に組み付けられる際に、上記排気口が上記囲い部の内側に入り込むように上記外側ガイドが上記突出部によってガイドされる。
【0018】
上記の〔4〕の給湯装置用の排気アダプタは、外側ガイドにおいて導入口を少なくとも部分的に囲む囲い部が設けられ、排気口が囲い部の内側に入り込むように外側ガイドが突出部によってガイドされるため、突出部が導入口付近の領域により簡単に案内されやすい。しかも、囲い部は、突出部の先端部よりも広い範囲を囲むような構成であり、このような広い範囲の囲い部の内側に先端部を入り込ませるような作業を想定した構成であるため、取り付け作業がより容易に行われやすい。
【0019】
〔5〕上記の〔1〕から〔4〕のいずれか1つに記載の給湯装置用の排気アダプタにおいて、上記外側ガイドは、上記内側ガイドよりも突出量が大きい。
【0020】
上記の〔5〕の給湯装置用の排気アダプタは、内側ガイドよりも外側ガイドの突出量が大きくされているため、外側ガイドの位置合わせが先に開始されやすく、初期の位置合わせについては外側ガイドによって突出部が排気口から大きく外れないように案内されやすい。よって、この排気アダプタは、突出部を排気口付近に大まかに合わせる位置合わせが容易に行われやすい。そして、外側ガイドによって大まかな位置合わせが開始された後には、内側ガイドによっても位置合わせがなされ、排気口が導入口に連通する位置に、より正確に位置合わせされ得る。
【0021】
〔6〕上記の〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の給湯装置用の排気アダプタにおいて、以下の特徴を有する。上記排気アダプタを上記筐体に連結する連結部を有する。上記連結部は、上記排気アダプタが上記本体部に組み付けられた状態で上記排気アダプタ側から上記筐体側に延びる延出部と、上記延出部から折れ曲がる折れ曲がり片と、を有する。上記延出部の一端側が上記対向壁部に固定又は一体化され、上記延出部の他端側に上記折れ曲がり片が設けられている。上記折れ曲がり片には、締結部材を挿入するための孔部が形成されている。上記延出部の一端側が上記対向壁部に固定又は一体化された状態且つ上記排気口が上記導入口に連通する位置に位置合わせされた状態で、上記折れ曲がり片が上記筐体の外面に対して前側から前後に対向する構成をなす。上記折れ曲がり片の上記孔部及び上記筐体に対して上記締結部材が前側から挿入されて連結される構成をなす。
【0022】
上記の〔6〕の給湯装置用の排気アダプタは、延出部の一端側が対向壁部に固定又は一体化された状態において、排気口が導入口に連通する位置に位置合わせされていれば、折れ曲がり片を筐体の外面に対して前側から前後に対向する位置関係とすることができる。つまり、上記の排気アダプタは、連結部を筐体に取り付けるための折れ曲がり片の位置合わせが容易に行われやすい。更に、上記の排気アダプタは、折れ曲がり片及び筐体に対して締結部材を前側から挿入すればよいため、締結部材を挿入する作業も容易に行われやすい。
【0023】
〔7〕上記の〔6〕に記載の給湯装置用の排気アダプタにおいて、以下の特徴を有する。上記排気アダプタを上記筐体に連結する第2連結部を有する。上記第2連結部は、上記排気アダプタが上記本体部に組み付けられた状態で上記排気アダプタ側から上記筐体側に延びる第2延出部と、上記第2延出部の一端側において折れ曲がる第2折れ曲がり片と、上記第2延出部の他端側において折れ曲がる第3折れ曲がり片と、を有する。上記第2折れ曲がり片には、第2締結部材を挿入するための第2孔部が形成されている。上記第3折れ曲がり片は、上記筐体の外縁部に対し、後方側から引っ掛かる。上記排気口が上記導入口に連通する位置に位置合わせされた状態で、上記第2折れ曲がり片が上記第3折れ曲がり片よりも前側の位置において上記排気アダプタの外面に対して前側から前後に対向する構成をなし、上記第2孔部及び上記排気アダプタに対して上記第2締結部材が前側から挿入されて連結される構成をなす。
【0024】
上記の〔7〕の給湯装置用の排気アダプタは、第2連結部によっても、当該排気アダプタと筐体とを連結することができる。更に、この排気アダプタは、第2連結部における後方側の部位は、第3折れ曲がり片が筐体の外縁部に対し後方側から引っ掛かった状態とされる。一方、第2連結部における前方側の部位は、排気口が導入口に連通する位置に位置合わせされた状態で、第2折れ曲がり片を排気アダプタの外面に対して前後に対向させ、第2孔部及び排気アダプタに対して第2締結部材を前側から挿入する構成で固定することができる。この構成では、第2折れ曲がり部と第3折れ曲がり部とによって挟み込むように排気アダプタと筐体とを安定的に固定することができる。しかも、第2連結部における後方側の部位は、第3折れ曲がり片が筐体の外縁部に対し後方側から引っ掛かった状態とされるため、後方側からの作業を省略又は簡略化することができ、後方側から無理な姿勢で締結作業を行うことをできる限り行わずに済む。
【0025】
〔8〕上記の〔1〕から〔7〕のいずれか一つに記載の給湯装置用の排気アダプタが前記本体部に組み付けられる給湯装置。
【0026】
上記の〔8〕の給湯装置は、〔1〕から〔7〕のいずれか一つに記載の給湯装置用の排気アダプタと同様の効果を奏することができる。
【0027】
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に関する。
(給湯装置の概要)
図1に示される給湯装置1は、外部から供給された水道水を加熱して出湯させる機能を有する。
図2に示されるように、給湯装置1は、ガスバーナ2、入水管4、出湯管6、熱交換器8、連結管15などを備える。熱交換器8は、一次熱交換器9及び二次熱交換器10を備える。熱交換器8は、一次熱交換器9によって燃焼排気の顕熱を回収した後、二次熱交換器10によって潜熱を回収するように機能する。一次熱交換器9は、箱状に構成されたケース(図示省略)の内部に、給湯側伝熱管部11の一部を構成する伝熱管部13と風呂側伝熱管部111の一部を構成する伝熱管部113とが仕切壁で仕切られた形態で収容される構成をなす。二次熱交換器10は、箱状に構成されたケース10A(
図3等)の内部に、給湯側伝熱管部11の一部を構成する伝熱管部12と風呂側伝熱管部111の一部を構成する伝熱管部113とが仕切壁で仕切られた形態で収容される構成をなす。
【0028】
ガスバーナ2は、燃焼ガスを燃焼させて燃焼排気を発生させる。入水管4は、入水口16からの水が流れ込む経路として構成される。出湯管6は、出湯口18へ湯を送り出す経路として構成される。熱交換器8において給湯側伝熱管部11は、入水管4と出湯管6との間に介在する。熱交換器8は、給湯側の回路で熱交換を行う場合、給湯側伝熱管部11の内部を通る水に対してガスバーナ2での燃焼によって生じた熱を伝える。給湯側伝熱管部11のうちの伝熱管部12は、二次熱交換器10に設けられ、入水管4の下流側に伝熱管部12が接続される。伝熱管部12の下流側には、連結管15が接続される。給湯側伝熱管部11のうちの伝熱管部13は、一次熱交換器9に設けられ、連結管15の下流側に伝熱管部13が接続される。伝熱管部13の下流側には、出湯管6が接続される。
【0029】
給湯装置1は、ガスバーナ102、配管104、106、連結管115などを備え、熱交換器8を利用して風呂の追い炊き等を行う機能を有する。熱交換器8において風呂側伝熱管部111は、配管104と配管106との間に介在する。風呂側伝熱管部111のうちの伝熱管部112は、二次熱交換器10に設けられ、配管104の下流側に伝熱管部112が接続される。伝熱管部112の下流側には、連結管115が接続される。風呂側伝熱管部111のうちの伝熱管部113は、一次熱交換器9に設けられ、連結管115の下流側に伝熱管部113が接続される。伝熱管部113の下流側には、配管106が接続される。
【0030】
給湯装置1は、ドレン配管22及び中和器24を備える。更に、給湯装置1は、制御装置としてのコントローラ28を備える。
【0031】
(本体部の概要)
図1に示されるように、給湯装置1は、給湯装置の本体部1Aと排気アダプタ130とを有する。給湯装置1は、本体部1Aに対して、外側から排気アダプタ130が取り付けられる構成をなす。本体部1Aは、給湯装置1のうち、排気アダプタ130を除いた部分である。本体部1Aは、筐体30と、筐体30に収容される様々な部品を有する。筐体30に収容される部品は、
図2に示される様々な部品であり、例えば、熱交換器8、ガスバーナ2,102、コントローラ28などの部品である。筐体30は、内部で排気ガスが生じるケース体である。
【0032】
筐体30は、筐体本体32及び前面パネル33を備える。筐体本体32は、前端が開放された箱状のケース体である。筐体本体32は、例えば金属材料によって構成される。筐体本体32の内部は、上述の様々な部品を収容する収容空間として構成される。筐体本体32は、上板34、側板35,36、背板37、底板38を備える。上板34は、筐体30の上面部を構成する上壁部である。底板38は、筐体30の底面部を構成する下壁部である。側板35,36は、筐体30の左右の一対の側壁部である。背板37は、筐体30の背面部を構成する後壁部である。上板34と底板38は、上記収容空間の上下方向両側に設けられる。一対の側板35,36は、上記収容空間の左右方向両側に設けられる。背板37は、上記収容空間の後方側に設けられる。
図4には、筐体本体32内に収容される構成部品の一例として、二次熱交換器10が例示される。なお、以下の説明では、二次熱交換器10は、単に熱交換器10とも称される。
【0033】
前面パネル33は、筐体30の前面部を構成する前壁部であり、板状体である。前面パネル33は、例えば金属材料によって構成される。前面パネル33の一方側の表面部は、本体部1Aの前面部を構成する。前面パネル33は、フランジ状に張り出す張出部33Bと張出部33Bよりも前方側に膨出する膨出部33Cとを備える。膨出部33Cは、張出部33Bよりも前方側に立ち上がる立ち上がり部33Dと、立ち上がり部の前端部に設けられる平面部33Eとを備える。平面部33Eの前面は、前後方向と直交する方向に沿った平坦面である。前面パネル33は、筐体本体32の前端に設けられた開口端部を閉塞するように筐体本体32に組み付けられる。前面パネル33は、例えば、ねじやボルトなどの連結部材によって筐体本体32に固定される。前面パネル33は、周縁に張出部33B(フランジ状部分)が形成された四角板状に構成されている。前面パネル33には、開口部33Aが形成されている。開口部33Aは、前面パネル33を構成する板状体(例えば金属板)において、前後方向に貫通した且つ左右方向に長い長孔部として構成される。開口部33Aは、平面部33Eに設けられる。開口部33Aには、後述される突出部42が挿入される。
【0034】
本実施形態では、上板34と底板38とが対向する方向が給湯装置1の上下方向である。上記上下方向は、例えば、鉛直上下方向に沿った方向である。上記上下方向は、一対の側板35,36のそれぞれが延びる方向でもある。上記上下方向と直交する方向であって、一対の側板35,36が対向する方向が給湯装置1の左右方向である。上記左右方向は、上板34及び底板38が延びる方向である。左右方向は、開口部33Aが延びる方向(開口部33Aの長手方向)でもある。上下方向及び左右方向と直交する方向であって前面パネル33と背板37とが対向する方向が給湯装置1の前後方向である。
【0035】
(熱交換器)
図4は、給湯装置1の左右方向中心位置において給湯装置1を左右方向と直交する方向に切断した切断面の一部を拡大して示す断面拡大図である。
図5は、導入口136の上下方向中心位置において給湯装置1を上下方向と直交する方向に切断した切断面の一部を拡大して示す断面拡大図である。
図6は、
図5の一部を拡大して示す拡大図である。
【0036】
図4に示されるように、筐体30の内部において上側の位置には熱交換器10が設けられている。熱交換器10は、開口部33Aの後方側に設けられている。熱交換器10は、ケース10Aと上述の伝熱管部(伝熱管部12,112)とを備える。熱交換器10は、排気ガスがケース10Aの内部を通る構成をなす。ケース10Aは、箱状の構成をなす。ケース10Aは上述の伝熱管部(伝熱管部12,112)を収容する収容空間の前後両側、左右両側、上下両側を囲む箱状の構成をなし、この収容空間内を排気ガスが通過する構成をなす。ケース10Aにおける図示されない後側壁部には、ケース10A内に排気ガスを導くための開口部(導入口)が形成されている。ケース10Aの前側壁部10Bには、ケース10A内を通った排気ガスを排出するための開口部10H(導出口)が形成されている。排気ガスは、ケース10Aの後端部の開口部(導入口)を介してケース10A内に導入され、ケース10A内を通過して前方側の開口部10H(導出口)に向かって流れる構成をなす。ケース10Aは、左右方向に長い箱状の形態をなし、開口部10H(導出口)は、左右方向に沿った細長の形状をなす孔部として形成されている。ケース10Aにおいて、開口部10Hの近くには、排気ガスの気流を絞る絞り部10Xが設けられている。絞り部10Xは、前方側になるにつれて下位置となるように傾斜した傾斜板10Yと、前方側になるにつれて上位置となるように傾斜した傾斜板10Zとを有する。傾斜板10Yと傾斜板10Zとの間を排気ガスが通る構成をなし、傾斜板10Y及び傾斜板10Zは、前方側となるにつれて上下の間隔が狭くなるように絞られた構成をなす。傾斜板10Y及び傾斜板10Zの前端部間を通過した排気ガスが開口部10Hから排出され、排気トップ40に流れ込む構成をなす。
【0037】
(排気トップ)
図7、
図8のように、排気トップ40は、排気口44を備え、熱交換器10(
図8)の前側の排気路を構成する。
図8のように、排気トップ40は、熱交換器10の前側壁部10Bに固定される。排気トップ40は、開口部10Hから排出される排気ガスを導入させて排気口44に導く構成をなす。排気トップ40は、前側壁部10Bに固定される板状部46と、板状部46よりも前方側に突出する突出部42と、を有する。
【0038】
図7のように、突出部42は、前面パネル33の開口部33Aに挿入される。突出部42は、自身の一部が前面パネル33の前面(平面部33Eの前面である平坦面)よりも前側に突出するように配置される。突出部42は、左右方向に長い筒状に構成される。突出部42の先端部42A(前端部)には、排気口44が設けられている。排気口44は、熱交換器10側の空間と排気アダプタ130内の空間とに連通する開口部である。排気口44は、排気トップ40内に流れ込んだ排気ガスが排気アダプタ130側に流れる際の途中の経路をなす。板状部46は、突出部42の基端部から外側に張り出す構成で当該基端部に連結され、突出部42の周囲に環状に設けられる。板状部46は、左右方向に長い環状形態をなしており、開口部10Hの周囲に配置される構成で、熱交換器10の前側壁部10Bに固定される。板状部46は、ねじ、ボルトなどからなる複数の締結部材52によって前側壁部10Bに固定される。板状部46と前側壁部10Bとの間にはパッキンが介在し、板状部46と前側壁部10Bとの間から排気ガスが漏れることが抑えられている。
【0039】
排気トップ40の内部には、上側流路壁47と下側流路壁48とが設けられている。上側流路壁47は、熱交換器10の開口部10H付近から排気口44付近まで及ぶように配置される壁部である。上側流路壁47は、排気トップ40内において排気ガスが流れる流路の上側の壁部を構成する。上側流路壁47は、自身の内面(下面)が前方側になるにつれて上位置となるように傾斜した形態で前上がりに延びている。下側流路壁48は、上側流路壁47に対して上下に対向する壁部であり、排気トップ40内において排気ガスが流れる流路の下側の壁部を構成する。下側流路壁48は、傾斜板10Zと一体的に連結されている。下側流路壁48は、下段部48Aと上段部48Bと段差部48Cとを有する。下段部48Aは、傾斜板10Zに連結され、傾斜板10Z側から前方に延びる壁部である。段差部10Cは、下段部48Aの前端から上方に立ち上がる壁部である。上段部48Bは、段差部10Cの上端から前方に延びる壁部である。このように構成された排気トップ40は、開口部10Hから排出された排気ガスを上側流路壁47と下側流路壁48との間に導入させ、この排気ガスを排気口44から排出させるように誘導する。
【0040】
(排気アダプタ)
図1、
図4のように、排気アダプタ130は、排気トップ40に接触するように本体部1Aに組み付けられる部品である。排気アダプタ130は、排気トップ40によって導かれた排気ガスを自身の内部に取り込み、開口部(排出口)135から排出するように誘導する部品である。排気アダプタ130は、対向壁部132とカバー体134とを備える。
【0041】
対向壁部132は、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられたときに前面パネル33に対向する部分である。対向壁部132は、板状に構成される。対向壁部132は、
図4のように排気アダプタ130が本体部1Aに組み付けられたときに厚さ方向(板厚方向)が前後方向となるように配置される。対向壁部132は、排気アダプタ130内における排気ガスの流路130Aの内壁部を構成する。
図4、
図9のように、対向壁部132は、対向板132Aを備える。対向板132Aは、例えば金属板などによって板状に構成される。対向板132Aは、排気アダプタ130が本体部1Aに組み付けられたときに自身の一方の板面を前面パネル33の平面部33Eに対向させるように配置される。
図4の例では、平面部33Eの表面に沿って対向板132Aの一方の板面が配置され、両表面が略平行とされている。対向板132Aの他方の板面は、流路130Aの内壁面の一部を構成する。
【0042】
対向壁部132には、導入口136、外側ガイド140、内側ガイド150、封止部材158などが設けられている。
【0043】
導入口136は、排気ガスを導入する開口部である。導入口136は、対向壁部132を貫通する構成で開口して設けられる。導入口136は、所定方向に延びる長孔部として構成されている。
図9、
図10のように、本実施形態の例では、導入口136は、排気アダプタ130の長手方向(左右方向)に細長に構成される。
図11のように、本実施形態の例では、導入口136は、対向板132Aに設けられた開口部として構成され、対向板132Aを厚さ方向に貫通する孔部として構成されている。導入口136は、対向板132Aの下端寄りに設けられている。導入口136は、排気トップ40の流路内の空間、熱交換器10内の空間、及び流路130A内の空間に連通し、排気ガスが流れる経路をなす。
【0044】
カバー体134は、対向壁部132を覆うように取り付けられるカバー部材である。カバー体134は、流路130Aの内壁部を構成する。カバー体134の内壁面が、流路130Aの内壁面の一部を構成する。カバー体134は、上側前面壁134A、下側前面壁134B、底壁部134C、側壁部134D,134Eを備え、一方側が開口部として構成された箱状の形態をなす。カバー体134は、対向壁部132側の端部が開口部として構成され、対向壁部132は、カバー体134の開口部を閉塞するように取り付けられる。上側前面壁134Aは、流路130Aにおける前側且つ上側の壁部であり、流路130A内の空間を前側且つ上側から覆う壁部である。下側前面壁134Bは、流路130Aにおける前側且つ下側の壁部であり、流路130A内の空間を前側且つ下側から覆う壁部である。上側前面壁134Aの下端部は、下側前面壁134Bの上端部に対して一体的に連結されている。上側前面壁134Aは、前方側になるにつれて一方の板面(内面)及び他方の板面(外面)がいずれも下位置になるように傾斜して配置される。下側前面壁134Bは、上側前面壁134Aよりも下位置において上側前面壁134Aに対して折れ曲った形態で配置される。下側前面壁134Bは、前方側になるにつれて一方の板面(内面)及び他方の板面(外面)がいずれも上位置になるように傾斜して配置される。底壁部134Cは、流路130Aにおける下側の壁部であり、流路130A内の空間を下側から覆う壁部である。底壁部134Cは、下側前面壁134Bの下端部に一体的に連結されている。側壁部134Dは、流路130Aにおける一方の側方側の壁部であり、流路130A内の空間を左右方向一方側から覆う壁部である。側壁部134Dは、上側前面壁134A、下側前面壁134B、及び底壁部134Cの左右方向一端部に一体的に連結されている。側壁部134Eは、流路130Aにおける他方の側方側の壁部であり、流路130A内の空間を左右方向他方側から覆う壁部である。側壁部134Eは、上側前面壁134A、下側前面壁134B、及び底壁部134Cの左右方向他端部に一体的に連結されている。
【0045】
カバー体134において上側前面壁134Aには、排気ガスの排出口として機能する開口部135が形成されている。開口部135は、左右方向に長い横長の孔部として構成され、排気アダプタ130内の排気ガスが排気アダプタ130外へ流れ出す際の経路をなす。
【0046】
カバー体134において開口部135の開口領域には、開口部135を通気可能に塞ぐように通気性部材138が設けられている。通気性部材138は、例えば、網状、メッシュ状、多孔状の板材やシート材によって構成され、気体の通過が可能な構成をなしている。通気性部材138は、排気アダプタ130の外側から大きめの異物が開口部135を介して排気アダプタ130内に入り込むことを防ぐ機能を有し、一方で、排気アダプタ130内の排気ガスが開口部135を介して排気アダプタ130外に流出することを許容する構成をなす。
【0047】
外側ガイド140は、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられたときに排気口44の外側に配置されるガイド部材である。
図9、
図10のように、外側ガイド140は、導入口136の周囲において対向板132Aの板面(後方側に設けられた裏面)よりも後方側に突出して設けられている。外側ガイド140は、導入口136を少なくとも部分的に囲む囲い部142を有する。囲い部142は、枠状に構成される。囲い部142は、上ガイド壁142A、横ガイド壁142B,142C、下ガイド壁142D,142Eを備える。上ガイド壁142Aは、導入口136よりも上位置において後方側に突出するとともに左右方向に延びる形態をなす。上ガイド壁142Aの前端部には、上ガイド壁142Aよりも上側に張り出す張出部143Aが設けられている。横ガイド壁142Bは、導入口136よりも左右方向一方側において後方側に突出するとともに上下方向に延びる形態をなす。横ガイド壁142Bの前端部には、横ガイド壁142Bよりも左右方向一方側に張り出す張出部143Bが設けられている。横ガイド壁142Cは、導入口136よりも左右方向他方側において後方側に突出するとともに上下方向に延びる形態をなす。横ガイド壁142Cの前端部には、横ガイド壁142Cよりも左右方向他方側に張り出す張出部143Cが設けられている。下ガイド壁142D,142Eは、導入口136よりも下側において後方側に突出するとともに左右方向に延びる形態をなす。下ガイド壁142D,142Eのそれぞれの前端部には、下ガイド壁142D,142Eよりも下側に張り出す張出部143D,143Eが設けられている。
【0048】
このように外側ガイド140が設けられているため、
図12のように排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられる際に、排気口44が囲い部142の内側に入り込むように外側ガイド140が突出部42によってガイドされる。換言すれば、上記位置関係となるように突出部42が外側ガイド140によって相対的にガイドされる。具体的には、外側ガイド140は、突出部42の位置を、上ガイド壁142Aと下ガイド壁142D,142Eとの間で維持するように且つ横ガイド壁142B,142Cの間で維持するように突出部42の位置ずれを規制しながら突出部42を導入口136側に案内する。
【0049】
内側ガイド150は、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられたときに排気口44の内側に配置されるガイド部材である。内側ガイド150は、導入口136の内縁から突出する内側突出部152を備える。内側突出部152は、導入口136の両側に設けられ且つ所定方向に沿って延びる一対の凸部152A,152Bを少なくとも有する。凸部152Aは、導入口136の内縁部における上側の部位から後方側に突出するとともに左右方向に延びる形態をなす。凸部152Aは、自由端側(後端側)となるにつれて左右方向の幅が狭くなる形状をなす。凸部152Aの左右方向の一端部は、後方側になるにつれて左右方向他端部寄りの位置になるように傾斜している。凸部152Aの左右方向の他端部は、後方側になるにつれて左右方向一端部寄りの位置になるように傾斜している。凸部152Bは、導入口136の内縁部における下側の部位から後方側に突出するとともに左右方向に延びる形態をなす。凸部152Bは、自由端側(後端側)となるにつれて左右方向の幅が狭くなる形状をなす。凸部152Bの左右方向の一端部は、後方側になるにつれて左右方向他端部寄りの位置になるように傾斜している。凸部152Bの左右方向の他端部は、後方側になるにつれて左右方向一端部寄りの位置になるように傾斜している。一対の凸部152A,152Bの基端部は、導入口136の内縁部の一部を構成する。外側ガイド140は、内側ガイド150よりも突出量が大きい。具体的には、上ガイド壁142A、横ガイド壁142B,142C、下ガイド壁142D,142Eの後端部がいずれも、一対の凸部152A,152Bのいずれの後端部よりも後方位置となっている。
【0050】
このように内側ガイド150が設けられているため、
図12のように排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられる際に、一対の凸部152A,152Bが排気口44内に入り込むように内側ガイド150が突出部42によってガイドされる。換言すれば、上記位置関係となるように突出部42が内側ガイド150によって相対的にガイドされる。具体的には、内側ガイド150は、一対の凸部152A,152Bがいずれも排気口44内に入り込んだ状態が維持されるように突出部42の位置ずれを規制しながら突出部42を導入口136側に案内する。
【0051】
封止部材158は、対向壁部132において、導入口136の周囲に設けられる。封止部材158は、パッキンとして機能する。封止部材158は、例えばゴムパッキンや樹脂パッキンなどであってもよく、その他のシール部材であってもよい。封止部材158は、外側ガイド140の内側かつ内側ガイド150の外側に少なくとも一部が配置される。封止部材158は、環状に構成される。封止部材158は、板状又はシート状に構成される。封止部材158は、突出部42の先端部よりも硬度が低い柔らかな柔軟部材である。先端部と封止部材158とが密着した状態で排気アダプタ130が排気トップ40に固定される。
図4のような取付状態では、導入口136の周囲の全周に亘って対向板132Aと先端部42Aとの間に封止部材158が挟み込まれた状態で維持される。
【0052】
(固定構造)
本構成では、上述されたように、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられる際に、外側ガイド140及び内側ガイド150が突出部42によってガイドされることにより、先端部42Aが封止部材158に接触するように案内される。換言すれば、上記位置関係となるように突出部42が外側ガイド140及び内側ガイド150によって相対的にガイドされる。このように先端部42Aと封止部材158とが密着した状態で、後述の固定構造により排気アダプタ130が排気トップ40に固定される。
【0053】
図1、
図3、
図4のように、給湯装置1は、排気アダプタ130を筐体30に連結する第1連結部160(連結部)を備える。第1連結部160は、第1延出部162と、第1折れ曲がり片164とを有する。第1延出部162は、延出部の一例に相当する。第1延出部162は、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられた状態で排気アダプタ130側から筐体30側に延びる形態をなす。第1折れ曲がり片164は、第1延出部162から折れ曲がる形態をなす。本実施形態では、
図3、
図4のように、第1延出部162の一端側が対向壁部132に固定されている。具体的には、対向壁部132に対して左右一対の金具156が固定されており、これら一対の金具156が対向壁部132よりも後方側に延びている。そして、第1延出部162は、ねじ、ボルト等のねじ部材198によって金具156に固定されることで、対向壁部132に間接的に固定されている。
【0054】
第1延出部162は、一端側が金具156に固定され、他端側が金具156よりも後方側に延びている。そして、第1延出部162の他端側には第1折れ曲がり片164が設けられている。第1折れ曲がり片164は、第1延出部162の他端部(後端部)から折れ曲がり、上方側に延びている。第1折れ曲がり片164には、第1締結部材191を挿入するための第1孔部168(孔部)が形成されている。第1締結部材191は、締結部材の一例に相当する。第1締結部材191は、ねじ、ボルト等の連結部材である。
【0055】
本構成では、
図4のように、第1延出部162の一端側が対向壁部132に間接的に固定された状態且つ排気口44が導入口136に連通する位置に位置合わせされた状態で、第1折れ曲がり片164が筐体30の外面(具体的には、張出部33Bの外面)に対して前側から前後に対向する構成をなす。そして、
図1、
図4のように、第1折れ曲がり片164の第1孔部168及び筐体30に対して第1締結部材191が前側から挿入されて連結される構成をなす。具体的には、第1折れ曲がり片164は、張出部33Bを筐体本体32にねじ止めするためのねじ孔(張出部33Bに形成されたねじ孔)に対して前側から前後に対向する構成をなしている。従って、第1折れ曲がり片164と張出部33Bと筐体本体32とが第1締結部材191によって共締めされるようになっている。
【0056】
図1、
図3のように、給湯装置1は、排気アダプタ130を筐体30に連結する第2連結部170を有する。第2連結部170は、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられた状態で排気アダプタ130側から筐体30側に延びる第2延出部172と、第2延出部172の一端側(前端側)において折れ曲がる第2折れ曲がり片174と、第2延出部172の他端側(後端側)において折れ曲がる第3折れ曲がり片176と、を有する。第2折れ曲がり片174には、第2締結部材192を挿入するための第2孔部178が形成されている。第3折れ曲がり片176は、筐体30の外縁部に対し、後方側から引っ掛かる。
【0057】
本構成では、
図4のように排気口44が導入口136に連通する位置に位置合わせされた状態で、
図3のように第2折れ曲がり片174が第3折れ曲がり片176よりも前側の位置において排気アダプタ130の外面(具体的には、対向板132Aの前面)に対して前側から前後に対向する構成をなす。そして、
図1、
図3、
図4のように、第2孔部178及び排気アダプタ130(具体的には対向板132A)に対して第2締結部材192が前側から挿入されて連結される構成をなす第2締結部材192は、ねじ、ボルト等の連結部材である。
【0058】
(効果の例)
給湯装置1は、排気アダプタ130を排気トップ40に組み付ける際に、外側ガイド140及び内側ガイド150が突出部42によってガイドされるように案内することができ、排気口44が導入口136に連通する位置に位置合わせすることができる。よって、この給湯装置1は、排気口44に対する導入口136の位置決めが容易に且つ正確に行われやすく、作業効率の向上を図ることができる。しかも、この給湯装置1は、排気アダプタ130が排気トップ40に組み付けられた後に、排気口44に対して導入口136が位置ずれしにくいため、組み付け後に適正な取付状態が安定的に保たれる。
【0059】
給湯装置1は、突出部42の先端部を封止部材158に密着させて固定することができるため、突出部42の先端部と対向壁部132との間から排気ガスが漏れることを抑えることができる。しかも、突出部42の先端部を封止部材158に密着させるに際し、外側ガイド140及び内側ガイド150が突出部42によってガイドされ、先端部が封止部材158に接触するように案内されるため、適正な接触状態にするための取付作業がより容易に行われやすい。
【0060】
給湯装置1は、所定方向に延びる一対の凸部152A,152Bが排気口44内に入り込むように内側ガイド150が突出部42によってガイドされるため、導入口136が排気口44の外側に外れるように位置合わせされることをより確実に防ぐことができる。
【0061】
給湯装置1は、排気口44が囲い部142の内側に入り込むように外側ガイド140が突出部42によってガイドされるため、突出部42が導入口136付近の領域により簡単に案内されやすい。しかも、囲い部142は、突出部42の先端部よりも広い範囲を囲むような構成であり、給湯装置1は、このような広い範囲の囲い部142の内側に先端部を入り込ませるような作業を想定した構成であるため、取り付け作業がより容易に行われやすい。
【0062】
給湯装置1は、内側ガイド150よりも外側ガイド140の突出量が大きくされているため、外側ガイド140の位置合わせが先に開始されやすく、初期の位置合わせについては外側ガイド140によって突出部42が排気口44から大きく外れないように案内されやすい。よって、この給湯装置1は、突出部42を排気口44付近に大まかに合わせる位置合わせが容易に行われやすい。そして、外側ガイド140によって大まかな位置合わせが開始された後には、内側ガイド150によっても位置合わせがなされ、排気口44が導入口136に連通する位置に、より正確に位置合わせされ得る。
【0063】
給湯装置1は、第1延出部162の一端側が対向壁部132に固定又は一体化された状態において、排気口44が導入口136に連通する位置に位置合わせされていれば、第1折れ曲がり片164を筐体30の外面に対して前側から前後に対向する位置関係とすることができる。つまり、給湯装置は、第1連結部160を筐体30に取り付けるための第1折れ曲がり片164の位置合わせが容易に行われやすい。更に、給湯装置は、第1折れ曲がり片164及び筐体30に対して第1締結部材を前側から挿入すればよいため、第1締結部材を挿入する作業も容易に行われやすい。
【0064】
給湯装置1は、第2連結部170によっても、排気アダプタ130と筐体30とを連結することができる。この給湯装置1は、第2連結部170における後方側の部位は、第3折れ曲がり片176が筐体30の外縁部に対し後方側から引っ掛かった状態とされる。一方、第2連結部170における前方側の部位は、排気口44が導入口136に連通する位置に位置合わせされた状態で、第2折れ曲がり片174を排気アダプタ130の外面に対して前後に対向させ、第2孔部178及び排気アダプタ130に対して第2締結部材192を前側から挿入する構成で固定することができる。この構成では、第2折れ曲がり部と第3折れ曲がり部とによって挟み込むように排気アダプタ130と筐体30とを安定的に固定することができる。しかも、第2連結部170における後方側の部位は、第3折れ曲がり片176が筐体30の外縁部に対し後方側から引っ掛かった状態とされるため、後方側からの作業を省略又は簡略化することができ、後方側から無理な姿勢で締結作業を行うことをできる限り行わずに済む。
【0065】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。
【0066】
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1…給湯装置
1A…本体部
30…筐体
33…前面パネル
33A…開口部
40…排気トップ
42…突出部
44…排気口
130…排気アダプタ
132…対向壁部
132A…対向板
134…カバー体
136…導入口
140…外側ガイド
142…囲い部
150…内側ガイド
152…内側突出部
152A,152B…凸部
158…封止部材
160…第1連結部(連結部)
162…第1延出部(延出部)
164…第1折れ曲がり片(折れ曲がり片)
168…第1孔部(孔部)
170…第2連結部
172…第2延出部
174…第2折れ曲がり片
176…第3折れ曲がり片
178…第2孔部
191…第1締結部材(締結部材)
192…第2締結部材