(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20240214BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240214BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/42
A24F40/46
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021068570
(22)【出願日】2021-04-14
(62)【分割の表示】P 2019231762の分割
【原出願日】2018-10-24
【審査請求日】2021-10-19
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100154656
【氏名又は名称】鈴木 英彦
(72)【発明者】
【氏名】イルマズ, ウグルハン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0014772(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0044712(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0262449(US,A1)
【文献】国際公開第2016/178377(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、
ある材料を収容するための第2のセクションと、
を備えるエアロゾル供給デバイスであって、
使用時、前記第1のセクションの前記エアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れが、使用者に吸引される前に前記第2のセクションの前記材料を通り抜けて流れ、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、並設配置で当該エアロゾル供給デバイス内に置かれており、
電源及びコントローラを含む下側デバイスハウジングを備えるデバイス本体をさらに備え、
前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、前記第1のセクションの一つの側面が前記第2のセクションの一つの側面と実質的に同じ場所に置かれ、前記側面の各々が、当該エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線と実質的に平行になるように置かれている
、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記第1のセクションが、前記エアロゾル化可能物質からエアロゾルを生成するための加熱装置を備え、
使用時、前記加熱装置が、前記第2のセクションと隣り合っており、前記第2のセクションの前記材料を加熱するように配置されている、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記加熱装置が少なくとも第1の加熱要素及び第2の加熱要素を備える、請求項
2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が一つの共通面に配置され、前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、前記第2のセクションから実質的に同じ距離にあるように配置されている、請求項
3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が抵抗加熱コイルである、請求項
3又は
4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、実質的に直線的な抵抗加熱コイルである、請求項
5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、下部の垂直コイル又は螺旋コイルである、請求項
5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、
ある材料を収容するための第2のセクションと、
を備えるエアロゾル供給デバイスであって、
使用時、前記第1のセクションの前記エアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れが、使用者に吸引される前に前記第2のセクションの前記材料を通り抜けて流れ、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、並設配置で当該エアロゾル供給デバイス内に置かれており、
電源及びコントローラを含む下側デバイスハウジングを備えるデバイス本体をさらに備え、
前記エアロゾル化可能物質が液体であり、前記第1のセクションが液体リザーバを備え、加熱装置が、前記液体リザーバから第1の加熱要素及び第2の加熱要素まで前記液体を移送するためのウィック構成体を備える
、エアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記ウィック構成体が、前記液体リザーバから前記第1の加熱要素まで前記液体を移送するための第1のウィックと、前記液体リザーバから前記第2の加熱要素まで前記液体を移送するための第2のウィックとを備える、請求項
8に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、互いに独立して制御可能である、請求項
3~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素の一方を、前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素の他方が不作動であるときに作動させることができる、請求項
10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、
ある材料を収容するための第2のセクションと、
を備えるエアロゾル供給デバイスであって、
使用時、前記第1のセクションの前記エアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れが、使用者に吸引される前に前記第2のセクションの前記材料を通り抜けて流れ、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、並設配置で当該エアロゾル供給デバイス内に置かれており、
電源及びコントローラを含む下側デバイスハウジングを備えるデバイス本体をさらに備え、
前記第1のセクションは、使用時、空気が当該エアロゾル供給デバイスに、当該エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に前記第1のセクションへと入るように、かつ、エアロゾルが、当該エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に、前記第1のセクションを出て前記第2のセクションに入るように構成されている
、エアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記第2のセクションは、使用時、エアロゾルが前記第2のセクションの遠位端から近位端まで、当該エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線に実質的に平行な方向に、前記材料を通り抜けて流れるように構成されている、請求項
12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、
ある材料を収容するための第2のセクションと、
を備えるエアロゾル供給デバイスであって、
使用時、前記第1のセクションの前記エアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れが、使用者に吸引される前に前記第2のセクションの前記材料を通り抜けて流れ、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、並設配置で当該エアロゾル供給デバイス内に置かれており、
電源及びコントローラを含む下側デバイスハウジングを備えるデバイス本体をさらに備え、
前記第2のセクションが第1の側壁に多孔性セクションを備え、前記多孔性セクションは、エアロゾルの流れに対しては浸透性を有し、前記材料が前記多孔性セクションから前記第2のセクションを出ることを阻止し、当該エアロゾル供給デバイスは、使用時、前記第1の側壁が前記第1のセクションに隣り合って置かれ、それにより、前記第1のセクションからの生成されたエアロゾルが前記多孔性セクションから前記第2のセクションに入ることができるように構成されている
、エアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記多孔性セクションがメッシュである、請求項
14に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記第2のセクションが、
上部部分と、
下部部分と、
第1のバリアと
を備え、
前記下部部分が前記材料を受け入れるためのものであり、前記第1のバリアは、エアロゾルの流れに対しては浸透性を有し、前記下部部分の前記材料が前記下部部分を出て前記上部部分に入ることを阻止するように配置されている、請求項
14又は
15に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記第1のバリアがメッシュである、請求項
16に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記上部部分が、前記第2のセクションの近位端に面する第2の開口を備え、エアロゾルの流れに対しては浸透性を有する第2のバリアが、前記第2の開口から前記材料が出ないように前記第2の開口に面して配置されている、請求項
16又は
17に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
前記第2のバリアがメッシュである、請求項
18に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションが別個のカートリッジとして設けられている、請求項1~
19のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
前記第2のセクションと一体化しているマウスピースをさらに備える、請求項1~
20のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記第2のセクションと前記マウスピースが、使用時、前記第1のセクションを受けるためのスロットを画定する、請求項
20に従属する場合の請求項
21に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションが、別個に前記デバイス本体に取外し可能に取り付け可能であるように構成されている、請求項
20~
22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項24】
前記第1のセクションが液体カートリッジであり、前記第2のセクションが、タバコを含む材料を受け入れるタバコカートリッジである、請求項1~
23のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項25】
前記第1のセクションが、第1のエアロゾル化可能物質を受け入れる第1のリザーバと、第2のエアロゾル化可能物質を受け入れる第2のリザーバとを備える、請求項1~
24のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項26】
エアロゾル供給デバイスの第1のカートリッジであって、
前記エアロゾル供給デバイスは、
エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、
ある材料を収容するための第2のセクションと、
を備えるエアロゾル供給デバイスであって、
使用時、前記第1のセクションの前記エアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れが、使用者に吸引される前に前記第2のセクションの前記材料を通り抜けて流れ、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、並設配置で当該エアロゾル供給デバイス内に置かれており、
電源及びコントローラを含む下側デバイスハウジングを備えるデバイス本体をさらに備え、
当該第1のカートリッジが、エアロゾル化可能物質を収容するための前記第1のセクションを備えると共に、前記エアロゾル供給デバイスの前記デバイス本体の前記下側デバイスハウジングに取外し可能に連結することができる、第1のカートリッジ。
【請求項27】
当該第1のカートリッジが、エアロゾル化可能物質を収容するためのリザーバと、前記エアロゾル化可能物質からエアロゾルを生成するための加熱装置とを備え、
前記エアロゾル供給デバイスにおいて、使用時、前記加熱装置が、前記第2のセクションに隣り合っており、前記第2のセクションの前記材料を加熱するように配置されている、請求項
26に記載の第1のカートリッジ。
【請求項28】
前記加熱装置が、少なくとも第1の加熱要素及び第2の加熱要素を備える、請求項
27に記載の第1のカートリッジ。
【請求項29】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が一つの共通面に配置され、前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、使用時、前記第2のセクションから実質的に同じ距離にあるように配置されている、請求項
28に記載の第1のカートリッジ。
【請求項30】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が抵抗加熱コイルである、請求項
28又は
29に記載の第1のカートリッジ。
【請求項31】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、実質的に直線的な抵抗加熱コイルである、請求項
30に記載の第1のカートリッジ。
【請求項32】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、下部の垂直コイル又は螺旋コイルである、請求項
30に記載の第1のカートリッジ。
【請求項33】
前記エアロゾル化可能物質が液体であり、前記第1のカートリッジが液体リザーバを備え、前記加熱装置が、前記液体リザーバから前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素まで前記液体を移送するためのウィック構成体を備える、請求項
28~
32のいずれか一項に記載の第1のカートリッジ。
【請求項34】
前記ウィック構成体が、前記液体リザーバから前記第1の加熱要素まで液体を移送するための第1のウィックと、前記液体リザーバから前記第2の加熱要素まで液体を移送するための第2のウィックとを備える、請求項
33に記載の第1のカートリッジ。
【請求項35】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、互いに独立して制御可能である、請求項
28~
34のいずれか一項に記載の第1のカートリッジ。
【請求項36】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素の一方を、前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素の他方が不作動であるときに作動させることができる、請求項
35に記載の第1のカートリッジ。
【請求項37】
前記第1のカートリッジは、使用時、空気が前記エアロゾル供給デバイスに、前記エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に、前記第1のカートリッジへと入り、エアロゾルが、前記エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に、前記第1のセクションを出て前記第2のセクションに入るように構成されている、請求項
26~
36のいずれか一項に記載の第1のカートリッジ。
【請求項38】
エアロゾル供給デバイスの第2のカートリッジであって、
前記エアロゾル供給デバイスは、
エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、
ある材料を収容するための第2のセクションと、
を備えるエアロゾル供給デバイスであって、
使用時、前記第1のセクションの前記エアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れが、使用者に吸引される前に前記第2のセクションの前記材料を通り抜けて流れ、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、並設配置で当該エアロゾル供給デバイス内に置かれており、
電源及びコントローラを含む下側デバイスハウジングを備えるデバイス本体をさらに備え、
前記第2のカートリッジが、前記材料を収容するための前記第2のセクションを備え、前記エアロゾル供給デバイスの前記デバイス本体の前記下側デバイスハウジングに取外し可能に連結可能である、第2のカートリッジ。
【請求項39】
当該第2のカートリッジは、使用時、エアロゾルが当該第2のカートリッジの遠位端から近位端まで、前記エアロゾル供給デバイスの長手方向軸線に実質的に平行な方向に、前記材料を通り抜けて流れるように構成されている、請求項
38に記載の第2のカートリッジ。
【請求項40】
当該第2のカートリッジが第1の側壁に多孔性セクションを備え、前記多孔性セクションは、エアロゾルの流れに対しては浸透性を有し、前記材料が前記多孔性セクションから前記第2のカートリッジを出ることを阻止し、前記エアロゾル供給デバイスは、使用時、前記第1の側壁が前記第1のセクションに隣り合って置かれ、それにより、前記第1のセクションからの生成されたエアロゾルが前記多孔性セクションから当該第2のカートリッジに入ることができるように構成されている、請求項
38又は
39に記載の第2のカートリッジ。
【請求項41】
前記多孔性セクションがメッシュである、請求項
40に記載の第2のカートリッジ。
【請求項42】
前記第2のカートリッジが、
上部部分と、
下部部分と、
第1のバリアと
を備え、
前記下部部分が前記材料を受け入れるためのものであり、前記第1のバリアは、エアロゾルの流れに対しては浸透性を有し、前記下部部分の前記材料が前記下部部分を出て前記上部部分に入ることを阻止するように配置されている、請求項
40又は
41に記載の第2のカートリッジ。
【請求項43】
前記第1のバリアがメッシュである、請求項
42に記載の第2のカートリッジ。
【請求項44】
前記上部部分が、前記第2のセクションの近位端に面する第2の開口を備え、エアロゾルの流れに対しては浸透性を有する第2のバリアが、前記第2の開口から前記材料が出ないように前記第2の開口に面して配置されている、請求項
42又は
43に記載の第2のカートリッジ。
【請求項45】
前記第2のバリアがメッシュである、請求項
44に記載の第2のカートリッジ。
【請求項46】
前記第2のカートリッジと一体化しているマウスピースをさらに備える、請求項
38~
45のいずれか一項に記載の第2のカートリッジ。
【請求項47】
前記第2のセクションと前記マウスピースが、使用時、請求項
26~
37のいずれか一項に記載の前記第1のカートリッジを受け入れるためのスロットを画定する、請求項
46に記載の第2のカートリッジ。
【請求項48】
前記第2のカートリッジがタバコ材料を収容するためのものである、請求項
38~
45のいずれか一項に記載の第2のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引可能な媒体を生成するエアロゾル供給デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコや葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。
【0003】
タバコを燃焼させるこれらの品の代替品を、燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。
【0004】
このような製品の例には、材料を燃焼させるのではなく加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスがある。この材料は、例えばタバコや他の非タバコ製品であることがあり、これらはニコチンを含むことも含まないこともある。
【0005】
別の例として、いわゆるeシガレットデバイスがある。これらのデバイスは、液体を気化して吸引可能な蒸気又はエアロゾルを生成するように加熱される液体を通常含む。この液体は、ニコチン及び/又は加香物、及び/又はグリセロール等のエアロゾル生成物質を含むことができる。知られているeシガレットデバイスは通常、タバコを含まないか使用しない。
【0006】
さらに別の例としては、いわゆるハイブリッドデバイスがある。これらのハイブリッドデバイスは通常、液体と、材料を収容するためのチャンバとを別々に収容する。典型的な例では、この材料はタバコ又は他の香料材料とすることができる。液体は、液体を気化して吸引可能な蒸気又はエアロゾルを生成するように加熱され、この蒸気又はエアロゾルは、その材料を収容するチャンバを通過し、それにより香料等の特性が蒸気又はエアロゾルに付与される。
【0007】
通常、ハイブリッドデバイスでは、材料チャンバ及び液体チャンバは、材料チャンバが液体チャンバの下流に置かれた配置がされる。このようなデバイスでは、液体チャンバと材料チャンバが直線的に配置されるのが典型であり、材料チャンバが使用者の口の近くに(ハイブリッドデバイスの近位端、すなわち口側端部に)ある。このようなデバイスの材料チャンバ及び液体チャンバは、「スタック」配置になっていると言える。この配置では通常、細長い形状のデバイスが得られる。
【0008】
このような直線的なハイブリッドデバイスでは、使用時、液体チャンバからのエアロゾルが、材料チャンバを貫通する実質的にまっすぐの通路を通り抜けて、使用者が吸引するためのデバイスの口側端部に達する。場合によっては、材料チャンバがデバイスの口側端部に近いことにより、タバコ等の材料が材料チャンバから使用者の口の中へ漏れ出ることがある。
【0009】
タバコチャンバ及び液体チャンバのどちらか又は両方が取り外し可能、及び/又は交換可能であるハイブリッドデバイスでは、液体チャンバにアクセスするためにタバコチャンバが取り外されること、又はその逆のことが必要になることがあるために、スタック配置が障害になり得る。
【0010】
エアロゾルに対する所望の効果を得るには、材料チャンバのタバコ等の材料をある程度加熱して、材料から所望の化合物を放出することが一般に必要である。このような加熱は、エアロゾル自体からの熱伝達によって行うことができ、或いはタバコは、加熱手段によって直接加熱することもできる。エネルギー消費を最小限にしながら最適な加熱量を材料に供給することが望ましい。加熱手段で材料を直接加熱する場合、材料チャンバと加熱手段の間が接近していることが、必要な加熱を行うためのエネルギー消費を最小にするのに望ましい。スタック型のハイブリッドデバイスの形状では、材料を効果的及び効率的に加熱することが困難になることが多い。
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、エアロゾルの流れを生成することができるエアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションと、材料を収容するための第2のセクションとを備えるエアロゾル供給デバイスが提供され、使用時、第1のセクションのエアロゾル化可能物質から生成されたエアロゾルの流れは、使用者に吸引される前に第2のセクションの材料を通り抜けて流れ、第1のセクションと第2のセクションは、並設配置でデバイス内に置かれている。
【0012】
第1のセクション及び第2のセクションは、使用時、第1のセクションの一側面が第2のセクションの一側面と実質的に同じ場所に置かれてもよく、各側面は、デバイスの長手方向軸線と実質的に平行になるように置かれている。
【0013】
第1のセクションは、エアロゾル化可能物質からエアロゾルを生成するための加熱装置を備えることができ、使用時、加熱装置は、第2のセクションと隣り合っており、第2のセクションの材料を加熱するように配置されている。
【0014】
加熱装置は、少なくとも第1の加熱要素及び第2の加熱要素を備えることができる。
【0015】
第1の加熱要素及び第2の加熱要素は一つの共通面に配置することができ、また第1の加熱要素及び第2の加熱要素は、第2のセクションから実質的に同じ距離にあるように配置することができる。
【0016】
エアロゾル化可能物質は液体とすることができ、第1のセクションは液体リザーバを備えることができ、加熱装置は、液体リザーバから第1の加熱要素及び第2の加熱要素まで液体を移送するためのウィック構成体を備えることができる。
【0017】
ウィック構成体は、液体リザーバから第1の加熱要素まで液体を移送するための第1のウィックと、液体リザーバから第2の加熱要素まで液体を移送するための第2のウィックとを備えることができる。
【0018】
第1の加熱要素及び第2の加熱要素は、互いに独立して制御可能とすることができる。
【0019】
加熱装置は、第1の加熱要素及び第2の加熱要素の一方を、第1の加熱要素及び第2の加熱要素のもう一方が不作動であるときに作動できるように構成することができる。
【0020】
第1のセクションは、使用時、空気がデバイスに、デバイスの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に第1のセクションへと入り、エアロゾルが、デバイスの長手方向軸線に実質的に垂直の方向に、第1のセクションを出て第2のセクションに入るように構成することができる。
【0021】
第2のセクションは、使用時、エアロゾルが第2のセクションの遠位端から近位端まで、デバイスの長手方向軸線に実質的に平行な方向に、材料を通り抜けて流れるように構成することができる。
【0022】
第2のセクションは第1の側壁に開口を備えることができ、第1のバリアが開口に配置されてもよく、第1のバリアは、エアロゾルの流れに対しては浸透性であり、材料が開口から第2のセクションを出ることを阻止し、デバイスは、使用時、第1の側壁が第1のセクションに隣り合って置かれ、それにより、第1のセクションからの生成されたエアロゾルが開口から第2のセクションに入ることができるように構成されている。
【0023】
第1のバリアはメッシュとすることができる。
【0024】
第2のセクションは、上部部分、下部部分、及び第2のバリアを備えることができ、下部部分は材料を受け入れるためのものであり、第2のバリアは、エアロゾルの流れに対しては浸透性であり、下部部分の材料が下部部分を出て上部部分に入ることを阻止するように配置されている。
【0025】
第2のバリアはメッシュとすることができる。
【0026】
上部部分は、第2のセクションの近位端に面する第2の開口を備えることができ、エアロゾルの流れに対しては浸透性である第3のバリアが、第2の開口から材料が出ないように第2の開口に面して配置されている。
【0027】
第3のバリアはメッシュとすることができる。
【0028】
第1のセクション及び第2のセクションは、別個のカートリッジとして設けることができる。
【0029】
第2のセクションは、第2のセクションと一体化しているマウスピースをさらに備えることができる。
【0030】
第2のセクションとマウスピースは、使用時、第1のセクションを受けるためのスロットを画定することができる。
【0031】
エアロゾル供給デバイスは、デバイス本体をさらに備えることができ、第1のセクション及び第2のセクションは、別個にデバイス本体に取外し可能に取り付け可能であるように構成される。
【0032】
第1のセクションは、第1のエアロゾル化可能物質を受け入れる第1のリザーバと、第2のエアロゾル化可能物質を受け入れる第2のリザーバとを備えることができる。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル供給デバイス用の第1のカートリッジが提供され、この第1のカートリッジは、エアロゾル化可能物質を収容するための第1のセクションを備え、エアロゾル供給デバイスに取外し可能に連結可能である。
【0034】
第1のカートリッジは、エアロゾル化可能液体を収容するためのものとすることができる。
【0035】
第2の態様による第1のカートリッジは、第1の態様の第1のセクションについて上で説明した特徴のいずれも備えることができる。
【0036】
第3の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル供給デバイスの第2のカートリッジが提供され、この第2のカートリッジは、材料を収容するための第2のセクションを備え、エアロゾル供給デバイスに取外し可能に連結可能である。
【0037】
第2のカートリッジは、タバコ材料を収容するためのものとすることができる。
【0038】
第2の態様による第2のカートリッジは、第1の態様の第2のセクションについて上で説明した特徴のいずれも備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明による例示的なハイブリッドデバイスの概略図である。
【
図2】
図1のハイブリッドデバイスに使用するための例示的な材料カートリッジの概略的な側面図である。
【
図3】
図1のハイブリッドデバイスに使用するための例示的な液体カートリッジの概略的な側面図である。
【
図4A】第1の側面から見た、例示的な材料カートリッジ及びマウスピースの斜視図である。
【
図4B】第2の側面から見た、
図4Aの例示的な材料カートリッジ及びマウスピースの斜視図である。
【
図5】例示的な液体カートリッジ、材料カートリッジ及びマウスピースの概略図である。
【
図6】上方から見た材料カートリッジ、及び二つの液体リザーバを有する液体カートリッジの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1を参照すると、エアロゾル供給デバイス100の概略図が示されている。エアロゾル供給デバイス100は吸引デバイスであり(すなわちこのデバイスを使用者が、システム100から供給されるエアロゾルを吸引するために使用する)、またデバイス100は手持ちデバイスである。この例では、デバイス100は電子デバイスである。
【0041】
大まかな概要では、デバイス100は、エアロゾル供給品200中に用意されたエアロゾル供給材料20を気化する。この例では、エアロゾル供給材料20は液体であり、例えばeリキッドであるが、他の例では、エアロゾル供給材料は、ゲル等の任意の他のタイプのエアロゾル化可能材料でもよい。この例でのデバイス100は、エアロゾル供給品200から生成されたどのようなエアロゾル及び/又は蒸気も使用者に吸引される前に、材料(30、
図2)を収容するための材料チャンバ430を通過するので、ハイブリッドデバイスというることができる。
【0042】
材料30は、使用者が吸引するための蒸気及び/又はエアロゾルがデバイス100から出る前に、蒸気及び/又はエアロゾルに特性、例えば香料を付与する、又はその特性を改質することができる。材料30は、例えば、タバコから構成する、又はタバコを含むことができる。この材料がタバコを含む場合、エアロゾルがタバコを通り抜けて、また越えて進むときにエアロゾルは、タバコにその感覚刺激性特性を加えるタバコ材料からの有機化合物又は他の化合物若しくは成分を同伴して、その香料が材料チャンバ430を通過するにつれてエアロゾルに香料が付与される。
【0043】
材料30の適切な例には、タバコ自体、様々な種類のタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、挽きタバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品が含まれ得る。タバコの場合、材料30等はタバコのロッド、タバコのポッド又はプラグ、ばらのタバコ、塊等の形状でよく、また例えば、比較的乾燥した形、又は比較的湿った形でもよい。材料30は、ある長さに切断され、材料チャンバ230に入れられたタバコロッドのプラグの形であってもよい。材料30は、他の非タバコ製品を含んでもよく、これは製品によって、ニコチンを含むことも含まないこともある。
【0044】
材料30は、香料以外に(又は香料に加えて)、エアロゾルの特性を変更するためのものでもよい。
【0045】
いくつかの例では、材料30は、エアロゾルの他の一つ以上の感覚刺激特性を変更する(例えば、使用者にとってのエアロゾルの感触、香り又は見た目を変更する)物質であってもよいし、その物質を含んでもよい。
【0046】
いくつかの例では、材料30は、pHを下げる、又は上げることによってエアロゾルのpHを(例えば、エアロゾルの酸性又は塩基性を変更することによって)変更する物質であってもよいし、その物質を含んでもよい。
【0047】
いくつかの例では、材料30は、エアロゾル中のアルデヒドの量を変更する(例えば、低減する)物質であってもよいし、その物質を含んでもよい。
【0048】
いくつかの例では、材料30は、エアロゾル流のこれらの、又は実際には他の特性のうちの、二つ以上の異なる組み合わせを変更する物質であってもよいし、その物質を含んでもよい。
【0049】
しかし、エアロゾルに様々な香料を付与するにはタバコ以外の材料も使用できることを理解されたい。
【0050】
材料30がタバコである、又はタバコを含む場合、エアロゾル流が材料30から十分なニコチンを引き出すということもある。別法として、又は加えて、材料30がタバコを全く含まない場合、材料30は、例えば材料をニコチンでコーティングすることによって、ニコチンで強化することができる。実際には、たとえ材料30がタバコである、又はタバコを含む場合であっても、材料30は、ニコチンでコーティングすること、又はそれとは別にニコチンで強化することができる。別の例として、材料30がタバコであろうとなかろうと、又はタバコを含もうと含むまいと、及び/又はニコチンを含もうと含むまいと、この例示的な液体20では、ニコチンをエアロゾル供給材料に供給することができる。したがって、システム100が使用者にニコチンを供給するものである場合、ニコチンは、エアロゾル供給材料中に供給されてもよく、材料がニコチンである、若しくはニコチンを含む場合には材料30から得られてもよく、材料が非タバコ材料である場合には材料30のコーティング等として供給されてもよく、材料がタバコ材料、又はこれらの任意の組み合わせである場合には材料30のコーティング等として供給されてもよい。同様に加香物が、材料30に(その物質がタバコであろうとなかろうと、又はタバコを含もうと含むまいと)、及び/又はエアロゾル供給材料に加えられることもある。
【0051】
少なくともいくつかの例では、蒸気が生成され、この蒸気は次に、使用者が吸引するための材料チャンバ(図示せず)を経由してエアロゾル供給デバイスを出る前に、少なくとも一部が凝縮してエアロゾルを形成する。
【0052】
この点において、第1に、一般に蒸気は、その臨界温度未満の温度において気相の物質であることに留意されるとよい。このことは、例えば蒸気は、その圧力を増大させることによって、温度を低下させなくても液体に凝縮させることができることを意味する。一方で、一般にエアロゾルは、空気又は他の気体中の微小な固体粒子のコロイドである。「コロイド」とは、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質全体に浮遊している物質のことである。
【0053】
便宜のために、本書で使用される用語のエアロゾルは、エアロゾル、蒸気、又はエアロゾルと蒸気の組み合わせを意味すると解釈すべきである。
【0054】
図1に戻ると、ハイブリッドデバイス100は、この例ではエアロゾル供給カートリッジ200である(以下では液体カートリッジと呼ばれることもある)第1のセクション200と、デバイス本体300と、この例では材料カートリッジ400である、材料を受容するための第2のセクションとを備える。この例では、材料カートリッジ400はマウスピース50を備え、このマウスピースは、材料カートリッジと一体化して形成されても、材料カートリッジ400の上端(すなわち、使用時に使用者の口に最も近い端部であるので、近位端又は口側端部)450に取外し可能に取り外されてもよい。
【0055】
デバイス本体300は、デバイス100の様々な構成要素に電力供給するための、通常はバッテリーである電源320を含むデバイス本体下側ハウジング310を備える。バッテリー320は、再充電可能バッテリーでも使い捨てバッテリーでもよい。マイクロチップ及び関連する回路を備え得るコントローラ330もまた、デバイス100の様々な構成要素の動作を制御するために下側ハウジング310内に設けられる。例えば一つ以上の制御ボタンである使用者入力手段340が、使用者がコントローラ330を操作するために、下側ハウジング310の外側に設けられてもよい。
【0056】
この例では、デバイス本体300は上側ハウジング350も備え、この上側ハウジングは、デバイス100の近位端150まで延び、液体カートリッジ200及び材料カートリッジ400が挿入される空所ないしはキャビティを画定する。別の例では、デバイス本体300は上側ハウジングを備えないこともあり、液体カートリッジ及び材料カートリッジは下側デバイスハウジングだけに付くことができ、或いは電源及び制御電子回路が液体カートリッジ又は材料カートリッジによって構成されることがあり、この場合にはデバイスは、デバイス本体を備える必要がない。
【0057】
図1から分かるように、液体カートリッジ200と材料カートリッジ400は並設配置の形で置かれている。ここで「並設」とは、液体セクションの一側面が材料セクションの一側面と実質的に同じ場所に置かれ、前記の各側面がデバイスの長手方向軸線と実質的に平行であることを意味する。これは、材料カートリッジと液体カートリッジが直線的に縦に配置される典型的なハイブリッドデバイスとは対照的である。
【0058】
本発明によって提供される並設配置は、直線的なハイブリッドデバイスとは異なっており、より小型のデバイスを実現する。さらに、本発明では、液体カートリッジ又は材料カートリッジが別個にデバイスから取り外されることが可能になり、これは、直線的なハイブリッドデバイスでは不可能なこともある。
【0059】
この例では、液体カートリッジ200の上側すなわち近位の部分が、液体20を収容する液体リザーバ220を備え、液体カートリッジ200の下側すなわち遠位の部分が、液体リザーバ220からの液体20をエアロゾル化するためのエアロゾル化部分260を備える。この例では、エアロゾル化部分260は加熱装置を備える。
【0060】
エアロゾル化部分260は、液体20をエアロゾル化するために少なくとも一つの加熱要素に液体を供給する少なくとも一つのウィックを備え得ることが好ましい。加熱装置は複数の加熱要素を備えることができ、各加熱要素は、まっすぐな加熱要素でもコイルでもよい。各ウィックは、一つの加熱要素に供給することも、全部又は任意の数の加熱要素に供給することもできる。
【0061】
この例の加熱装置では、液体20が、第1の加熱コイル250aによってエアロゾル化されるように、液体リザーバ220から第1のウィック240a(
図3)によって供給され、また第2のウィック240b(
図3)によって第2の加熱コイル250bまで供給される。この2コイルシステムの動作のさらなる詳細については、以下で
図3及び
図5を参照して論じる。
【0062】
別の例では、エアロゾル化部分260は、加熱手段を備えないこと、又はウィックを備えないことがあり、また例えば、超音波アトマイザを備えることがある。
【0063】
液体20は、妥当な温度で、好ましくは100~300℃の、又はより具体的には約150~250℃の範囲内で気化可能な液体であることが、システム100の電力消費を低く保つ助けになるので好ましい。適切な材料には、例えばプロピレングリコール及びグリセロール(グリセリンとも呼ばれる)を含む、eシガレットデバイスに従来使用されているものが含まれる。第1の加熱コイル250a及び第2の加熱コイル250bは、チャンバ430の材料30もまた加熱するように配置されて、材料30の、材料を通り抜けて流れるエアロゾルに対する効果が強化されることが有利である。
【0064】
この例の液体カートリッジ最下端、すなわち遠位端270は、デバイス本体下側ハウジング310との電気接続部を形成する電気接点(図示せず)を備える。このようにして、第1の加熱コイル250a及び第2の加熱コイル250bは、バッテリー320から電力供給され、コントローラ330によって制御される。
【0065】
したがって、使用時、使用者がマウス50を吸引し、空気が一つ以上の空気入口411から引き込まれる(この空気の流れは、
図1にブロック矢印10で示されている)。この例では、空気は、一つ以上の空気入口411から、デバイス100の長手方向軸線に実質的に垂直の方向に、デバイス100に引き込まれる。加熱コイル250a及び250bは、使用者が制御ボタン340を操作することによって(又は別法として、それ自体は知られているように、パフ検出器(図示せず)によって)電力供給され、液体20は、液体リザーバ220から第1のウィック240a及び第2のウィック240bを介して引き込まれ、コイルによって加熱されて液体20が気化し、エアロゾルが生成される。
【0066】
加熱コイル250a、250bを備えるエアロゾル化部分260は、開口セクション290(
図1に点線で表示)を備える。この開口セクション290は、空気が空気入口411から引き込まれてコイル250a、250bに到達できるようにする窓(
図3に示す)であり、ここで空気は、生成されたエアロゾルと混合する。次に流れ10は、エアロゾル同伴空気の流れ(以下では簡単のためにエアロゾル流と呼ぶ)として液体カートリッジ200を出て、材料カートリッジ400に入る。
【0067】
材料カートリッジ400は、材料30が収容されている材料チャンバ430を備える。材料カートリッジ400は第1のハウジングを備え、第1のハウジングの内壁、すなわち液体カートリッジ200に面する第1のハウジングの壁には多孔性セクション490(
図1に破線で示す)がある。
【0068】
上述したように、使用時、液体カートリッジ200と材料カートリッジ400は並んで置かれている。液体カートリッジ200の開口セクション290は、材料カートリッジ400の多孔性部分490と並べられる。第1のシール280(
図3)は開口セクション290のまわりに延び、第2のシール480(
図2)は多孔性セクション490のまわりに延びる。第1のシール280と第2のシール480は互いに当接し(
図5に示すように)、エアロゾルが液体カートリッジ開口セクション290から材料カートリッジ多孔性セクション490を通り抜けて材料チャンバ430に入るための封止された通路を形成する。
【0069】
そのため、使用者がデバイスを吸引すると、エアロゾル流10がエアロゾル化部分260から多孔性セクション490を通り抜けて材料チャンバ430の中に引き込まれる。エアロゾル流10は、材料チャンバ430から、デバイス100の長手方向軸線に平行な方向にマウスピース50に向かって引き込まれて、この例ではタバコ材料である材料30を通り抜ける。エアロゾル流10が材料30を通り抜けるときに、エアロゾルのテイスト等の特性を変える、又はそれを増すことができる材料30の一つ以上の成分がエアロゾル流に同伴することになる。
【0070】
使用時に液体カートリッジ200と材料カートリッジ400が並んで置かれているので、材料チャンバ430が、第1の加熱コイル250a及び第2の加熱コイル250bを備える液体カートリッジ260の下部部分に隣り合って位置していることが分かる(例えば、
図1、及び
図5から)。そのため、この場合にはタバコ材料である材料30は、第1の加熱コイル250a及び第2の加熱コイル250bに近接しており、タバコ30は、加熱コイル250a、250bによって直接加熱することができる。
【0071】
この並設配置のさらなる利点は、材料チャンバ430が、加熱コイル250a、250bに面する大きな表面積を呈することである。そのため、典型的な直線的ハイブリッドデバイスよりも効果的で均一なタバコの加熱を達成することができる。材料を通り抜けるエアロゾルは、このより効果的な加熱の結果として、より良好に強化される。
【0072】
並設配置によりまた、いくつかの例では
図3に見られるように形状が実質的に四角形である、比較的大きい多孔性セクション490が可能になる。多孔性セクション490は、液体カートリッジ200から材料チャンバ430へのエアロゾル移動10のための大きな表面積を呈する。並設配置のさらなる利点は、この配置によりエアロゾル流10の通路が短くなることである。そのため、エアロゾル流によって失われる熱が少なく、より暖かい蒸気を材料へも使用者へも送出することができる。これらの特徴は、エアロゾルの特性をより効果的に変更する材料30をもたらす。その理由は、より多くの暖かいエアロゾルが、直線的デバイスにおけるよりも表面積の大きい材料30へ送出されるからである。
【0073】
使用時、特に材料がタバコである場合には、十分又は適切な量の化合物がタバコから確実に放出されるように、タバコ又は少なくともタバコの表面が、約190℃から210℃までの間、より好ましくは約200℃の温度に加熱されることが好ましい。存在するタバコの量は、例えば50~300mgほどの範囲内とすることができる。タバコの量の最適値は、例えば50~150mgの範囲内とすることができ、130mgが、いくつかの適用例で特に適切であると現在分かっている値である。典型的な例では、システムの動作ごと(すなわち一服ごと)に加熱されるタバコの量は、約8~50mgという対応する範囲内になり得る。
【0074】
次に
図2を参照すると、
図1の例示的な材料カートリッジ400の概略的な側面図が示されている。材料30は、材料カートリッジ400の下部部分430に収容されている。多孔性膜490が、使用時に液体カートリッジ200に面するように構成された壁に設けられている。この例では、多孔性膜490は柔らかい微細メッシュを備えるが、別の例では多孔性膜は、チャンバの中へのエアロゾルの流れに対しては浸透性であるが固体タバコ材料等の材料30を材料チャンバ430に収容するのに適している、任意の多孔性バリアとすることができる。多孔性膜490は、
図1を参照して上述したように、液体カートリッジ200からのエアロゾル流10がタバコ材料30の中に進めるようにする。多孔性膜490は、ポリプロピレン等のプラスチック材料、又はステンレス鋼若しくはアルミニウム等の金属を含むことができ、例えば、アルミニウム箔を含むことができる。多孔性膜490は、約0.1mmから約1.2mmまでの間の厚さを有することができ、例えば、多孔性膜490がプラスチック材料を含む場合には約1.2mmの厚さを有し、多孔性膜が金属を含む場合には約0.1mmの厚さを有することができる。多孔性膜490は、有利には、収容されるべき材料30の直径よりも小さいことが有利な最大アパーチャサイズを持つメッシュである。例えば、材料30がタバコである場合、最大メッシュアパーチャサイズは、約0.2mmから約0.7mmの間とすることができ、この最大メッシュアパーチャサイズは、使用されるタバコの種類に応じて選択することができる。
【0075】
別の利点として、多孔性膜は、カートリッジがデバイス100に取り付けられる前に使用者が材料カートリッジ400の内部の材料30との感覚的な相互作用を行えるようにしながら、材料30を適所に収容する。例えば、材料30がタバコである場合、使用者は、タバコカートリッジ400を手で扱いながら、多孔性膜490を通してタバコの匂いをかぐことができる。この例では、材料チャンバ230の少なくとも一部が透明であって、使用者がタバコを見ることができ、感覚的なユーザエクスペリエンスが向上する。第2のシール480は、多孔質膜を適所に保持するために、且つ材料30が材料カートリッジ400から漏れることを防止するために、多孔性セクション490のまわりに延びる。多孔性膜490は、加熱コイル250a、250bから発生する熱に耐えるように耐熱性になっている。
【0076】
図4Aは、マウスピース50を有する材料カートリッジ400の第1の外側から見た第1の斜視図であり、カートリッジの下部部分が部分断面図で示されている。
図4Bは、同じ材料カートリッジの第2の内側から見た第2の斜視図であり、カートリッジのマウスピース50上部セクションが部分断面図で示されている。
【0077】
図4Aは、カートリッジ400の外側、すなわち、使用時に液体カートリッジ200に隣り合わない面を示す。第1のバリア40が、タバコカートリッジ400の材料チャンバ430の上部全体にわたって実質的に水平に延びて、タバコ30を材料チャンバ430に閉じ込める。第1のバリア40は、エアロゾル(10、
図1)に対しては浸透性であるが、材料30が材料チャンバ430から材料カートリッジ上部部分(上部セクションともいう)420の方へ出ることを阻止する。この例では、第1のバリア40はメッシュである。第1のバリア40がメッシュである例では、メッシュは、上述した多孔性膜490の材料のいずれかを含むことができる。第1のバリア40は、有利には、約180℃までの温度に耐えることができる耐熱性材料である。
【0078】
この例では、マウスピース50はタバコカートリッジ400に取り付けられている。別の例では、マウスピース50は、タバコカートリッジに取り外し可能に取り付けることができる。さらに別の例では、マウスピース50は、材料カートリッジ400と一体化して形成することができる。タバコカートリッジ400の上部部分420の最上部に、第2のバリア60が実質的に水平に延びる。第2のバリア60は、材料30が材料チャンバ430から意図せずに使用者に吸引されることへの追加的な防護手段を形成する。さらに、第2のメッシュは、マウスピース50のマウスアパーチャ510から、ある垂直距離に設けられる。この垂直距離によりマウスピースチャンバ580が形成され、このマウスピースチャンバは、材料30から漏れて使用者の口の中に入ることを低減することに寄与する。エアロゾルがタバコ等の材料30を通り抜けると、エアロゾルの一部が縮合物に凝縮することがある。材料が使用者の口に接近しすぎている例示的なデバイスでは、凝縮物がデバイスから使用者の口の中へ漏れ出ることがある。第2のバリア60によって得られた材料30とマウスピース50の間の垂直距離は、凝縮物があっても使用者の口に到達しないようにすることに寄与する。この例のタバコカートリッジ400はまた
図5に見ることもでき、タバコチャンバの上部部分420及びマウスピースチャンバは、概略的な断面図において見ることができる。
【0079】
図4B及び
図5から、材料チャンバ430は、材料カートリッジ上部セクション420の最上部の幅よりも小さい幅を有することが分かる。この例では、マウスピース50は、近位端に向かって幅が広がる材料カートリッジ400の最上部に取り付けられる。材料カートリッジ400は、材料チャンバ430においてデバイス100の長手方向軸線と実質的に平行である内面を有するが、材料チャンバは、材料カートリッジ400の幅が材料カートリッジ上部セクション420の最上部に向かって増加するように湾曲している。そのため、材料カートリッジ400の内面は、
図5に示されるように、液体カートリッジ200をこれら二つが並んで置かれたときに収容するように形づくられている。
【0080】
図3は、
図1の液体カートリッジ200の概略的な側面図を示す。液体カートリッジは、液体20を収容する液体リザーバ220を備える。液体カートリッジ200の遠位部分は、エアロゾル化部分260を備える。エアロゾル化部分260は、液体20を液体リザーバ220から第1の加熱コイル250aへ供給するための第1のウィック240aと、液体20を第2の加熱コイル250bへ供給するための第2のウィック240bとを備える。この例の液体リザーバ220は、カートリッジ200のエアロゾル化部分260の両側面に下方へと延び、第1のウィック240a及び第2のウィック240bは、液体リザーバ220の下部部分の両側面から吸い込む。
【0081】
第1のウィック240a及び第2のウィック240bは、液体リザーバ220に収容された液体20と流体接触している。ウィック240a、240bは一般に吸収性であり、液体20を液体リザーバ220から毛管現象によって吸い込む作用をする。ウィック240a、240bは、好ましくは不織であり、例えば綿又は毛材料等でも、例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリプロピレン等を含む合成材料でも、セラミック材料でもよい。
【0082】
図1を参照して上述したように、エアロゾル化部分260は、空気が空気入口411から流入して第1のコイル250a及び第2のコイル250bにおいて生成されたエアロゾルを同伴できるようにする開口セクション290を備える。第2のシール280は開口セクション290のまわりに延びる。エアロゾル化部分260は、エアロゾル化部分260の近位端に開口セクション290の幅全体にわたって延びる剛性のバーである上側バー230aを備える。カートリッジの遠位端260に液体カートリッジ200の幅全体にわたって延びる剛性のバーである下側バー230bもまた含まれる。下側バー230bは、加熱コイル250a、250bをデバイス本体300に接続する電気接続部270を備える。
【0083】
材料30を加熱することは、満足のいく感覚的エクスペリエンスを使用者に提供する上で重要な要素である。例えば、材料30がタバコを含む場合、タバコを加熱すると、使用者が経験するタバコテイストの豊かさが増し、より多くのニコチン等の成分がエアロゾルの流れに同伴することになり得る。
【0084】
材料30を加熱するように配置された少なくとも第1の加熱要素及び第2の加熱要素を備える加熱装置を使用すると、材料30への効率的な熱伝達が行われ、物質30の比較的大きい表面領域を加熱することが可能になる。加えて、加熱要素一つ当たりで消費される電力は、その要素が唯一の要素である加熱装置の要素によって消費される必要のある電力よりも少なくなり得る。
【0085】
第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bは、液体カートリッジ200と材料カートリッジ400が並列している場合には、チャンバ430と隣り合って置かれる。それに応じて、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bは、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bを作動させたときに物質30を加熱し温度を上げることができるように、チャンバ430の十分近くに置かれる。
【0086】
この例における第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bは、材料チャンバ430の多孔性セクション490と実質的に平行である一つの共通面に配置される。この配置により、チャンバ430において物質30を均一に加熱しやすくなる。
【0087】
第1の加熱要素250aと第2の加熱要素250bは、やはりチャンバ230において物質30を均一に加熱することを確実にするために細長く、実質的に平行に配置されることがある。
【0088】
第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bのそれぞれは、例えばニクロム抵抗ヒータやセラミックヒータ等を含む電気抵抗ヒータとすることができる。図示の例では、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bは、コイルの形をしているワイヤである。第1の加熱要素及び第2の加熱要素のそれぞれは、直線的なコイル、湾曲したコイル、下部垂直コイル、又は螺旋コイルとすることができる。
【0089】
代替例では、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bのそれぞれは、プレート(二つ以上の異なる材料からなる多層プレートとすることができ、そのうちの一つ以上の層を導電性とし、そのうちの一つ以上の層を非導電性とすることができる)、メッシュ(例えば、織られていても不織でもよく、やはり同様に多層とすることができる)、フィルムヒータ、等の形とすることができる。
【0090】
別の加熱装置もまた、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bとして、非導電性加熱装置、又は他の電気加熱装置を含めて使用されてよく、例えば、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bのそれぞれが誘電加熱要素であってもよい。
【0091】
図に示された例では、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bは、実質的に直線的な(すなわち、まっすぐな)抵抗加熱コイルであり、各コイルがそれぞれのウィック240a、240bを取り囲み、このウィックは、その加熱要素250a又は250bと(熱的に)接触している。ウィック240a、240bはまた、液体リザーバ220に収容された液体20とも流体接触している。ウィック240a、240bは一般に吸収性であり、液体20を液体リザーバ220から毛管現象によって吸い込む作用をする。
【0092】
ウィック240a、240bは、好ましくは不織であり、例えば綿又は毛材料等でも、例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリプロピレン等を含む合成材料でも、セラミック材料でもよい。
【0093】
いくつかの例では、制御回路330は、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bの作動を別個に制御できるように構成される。
【0094】
これらの例では、制御回路330は、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bの一方を作動させることができ、第1の加熱要素250a及び第2の加熱要素250bのもう一方は不作動になるように構成することができる。
【0095】
使用時、特に材料30がタバコである場合には、十分又は適切な量の化合物がタバコから確実に放出されるように、タバコ又は少なくともタバコの表面が、約190℃から210℃までの間、より好ましくは約200℃の温度に加熱されることが好ましい。
【0096】
存在するタバコの量は、例えば50~300mgほどの範囲内とすることができる。タバコの量の最適値は、例えば50~150mgの範囲内とすることができ、130mgが、いくつかの適用例で特に適切であると現在分かっている値である。典型的な例では、システムの動作ごと(すなわち1パフ(1回の吸引)ごと)に加熱されるタバコの量は、約8~50mgという対応する範囲内になり得る。
【0097】
エアロゾル供給カートリッジ200と材料カートリッジ400の並設配置により、エアロゾル供給カートリッジ200が、エアロゾル化可能物質用に、例えば異なる香料の液体を収容する二つのリザーバを備えることが可能になる。
図6に示された例では、カートリッジ200は、第1の液体リザーバ220’及び第2の液体リザーバ220”を備え、また液体カートリッジ200は、第1の液体リザーバ220’がカートリッジの第1のセクションを占め、第2の液体リザーバ220”がカートリッジの第2のセクションを占めるように、垂直に分割されている。
【0098】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、デバイス100の少なくとも一部分、例えばマウスピース50を覆うための、また、例えば使用者のバッグ又はポケットに入れられたときにデバイス100のその部分に接触しないようにしておくための、衛生キャップ(図示せず)をさらに備えることができる。衛生キャップはまた、美的な利益をもたらすこともでき、例えば、金属仕上げ、その表面の模様、又は代替色等を備えることができる。デバイス100は、デバイスの近位端を先にして、又はデバイスの遠位端を先にして衛生キャップに挿入することができる。衛生キャップはまた、いくつかの例では接点を備えることもでき、その内側は使用者入力手段340に接触し、キャップがまだデバイスの上にある間に、使用者がデバイス100を起動できるようにすることができる。
【0099】
本書で使用される用語の「香料」及び「香味料」は、現地の規則で許可される場合に、所望の風味又は香りを作り出すために成人消費者向けの製品に使用されてもよい材料を指す。これらには、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、リンゴ、ドランビュイ(商標)、バーボン、スコッチ、ウィスキー、オランダハッカ、セイヨウハッカ、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウィキョウ、ピーマン、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及びチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加物が含まれ得る。これらは、模造品、合成若しくは天然の成分、又はこれらの混合品でもよい。これらは、任意の適切な形態、例えば油、液体、又は粉末でもよい。
【0100】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は、特許請求された本発明を実践できる、且つ吸引可能な媒体を生成するように構成された優れたシステムを提供する、様々な実施形態を説明及び例によって示す。本開示の利点及び特徴は、諸実施形態の単なる代表例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらの利点及び特徴は、特許請求された、又は別に開示された特徴を理解することを助け教示するためにだけ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本開示に対する限定、又は特許請求の範囲の等価物に対する限定と解釈されるべきものではないこと、並びに、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、また修正を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部材、ステップ、手段等の様々な組み合わせを適切に備えるか、これらから成るか、これらから本質的に成ることができる。本開示は、現在は特許請求されていない、しかし将来は特許請求される可能性がある、他の発明を含み得る。
【符号の説明】
【0101】
100…エアロゾル供給デバイス、200…エアロゾル供給カートリッジ(第1のセクション)、260…エアロゾル化部分、400…材料カートリッジ(第2のセクション)。