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特許7436051VoIP機能を有するネットワーク接続装置、その制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】VoIP機能を有するネットワーク接続装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/45 20130101AFI20240214BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20240214BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G06F21/45
G06F21/31
H04M11/00 302
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021205949
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091284
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】奥村 耕平
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-163030(JP,A)
【文献】特開2004-213440(JP,A)
【文献】特開2005-182354(JP,A)
【文献】特開2004-213475(JP,A)
【文献】特開2005-123702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/45
G06F 21/31
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
VoIP(Voice over Internet Protocol)機能を有するネットワーク接続装置であって、
少なくとも、管理者端末の電話番号に対応する管理者電話番号データ、及び、該ネットワーク接続装置へログインするためのログインフォームに対応するログインフォームデータを保存する記憶部、
前記ログインフォームデータを利用者端末へ送信するよう、及び、該利用者端末において表示された前記ログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信するよう、構成されたデータ送受信部、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合自動的にログインを承認するよう構成された処理部、及び、
前記利用者電話番号データを受信した場合前記管理者端末に発呼するよう、該管理者端末と前記ネットワーク接続装置の通話セッションが確立した場合前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させるデータを該管理者端末へ送信するよう、及び、前記ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を該管理者端末から受信するよう、構成されたVoIP通信部
を含む、ネットワーク接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク接続装置において、
前記VoIP通信部は、更に、該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を、該承認又は拒否に夫々対応する前記管理者端末におけるダイヤルボタン操作によって生じた信号として受信するよう、構成されていること
を特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワーク接続装置において、
前記記憶部には、更に、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データが保存されていること、
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記承認の通知を受信した場合前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されていること
を特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のネットワーク接続装置において、
前記記憶部には、更に、ログインが拒否された旨を通知するためのログイン失敗画面を表示するためのログイン失敗画面データが保存されていること、
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記拒否の通知を受信した場合又は所定時間内に管理者端末から前記承認又は拒否の通知を受信しない若しくは前記通話セッションが切断された場合前記ログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されていること
を特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項5】
請求項1に記載のネットワーク接続装置において、
前記VoIP通信部は、更に、利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合、前記利用者の電話装置に発呼し、該利用者の電話装置と該管理者端末との通話セッションを確立させるよう、構成されていること
を特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項6】
請求項5に記載のネットワーク接続装置において、
前記記憶部には、更に、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データが保存されていること、
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を受信した場合、前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されていること
を特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項7】
VoIP機能を有するネットワーク接続装置の制御方法であって、
該方法は、
利用者端末において表示されたログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信すること、
前記利用者電話番号データを受信した場合、管理者端末に発呼し、該管理者端末との通話セッションを確立すること、
前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させるデータを管理者端末へ送信すること、
該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を前記管理者端末から受信すること、
前記承認の通知を受信した場合、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データを前記利用者端末へ送信し、他方、前記拒否の通知を受信した場合又は所定時間内に前記管理者端末から前記承認又は拒否の通知を受信しない若しくは前記通話セッションが切断された場合、ログインが拒否された旨を通知するためのログイン失敗画面を表示するためのログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信すること、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合、自動的にログインを承認すること、
を含む、
ネットワーク接続装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項7に記載のネットワーク接続装置の制御方法を実行させるプログラム。
【請求項9】
VoIP機能を有するネットワーク接続装置の制御方法であって、
該方法は、
利用者端末において表示されたログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信すること、
前記利用者電話番号データを受信した場合、管理者端末に発呼し、該管理者端末との通話セッションを確立すること、
前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させるデータを管理者端末へ送信すること、
利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合、前記利用者の電話装置に発呼し、該利用者の電話装置と該管理者端末との通話セッションを確立させること、
該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を受信した場合、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データを前記利用者端末へ送信すること、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合、自動的にログインを承認すること、
を含む、
ネットワーク接続装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載のネットワーク接続装置の制御方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、VoIP(Voice over Internet Protocol)機能を有するネットワーク接続装置、該装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばHGW(home gateway)の設定変更をするためにHGWにログインする場合において、ログインのためのパスワードを入力するためにPC(personal computer)等の利用者端末に搭載されたブラウザによってアクセス可能なWebGUI(Graphical User Interface)が用意されることがあるが、このパスワードを忘失する利用者は少なくない。そのため、利用者がパスワードを忘失した場合であっても、WebGUIを介したログインを実行可能にすることが望まれる。
【0003】
利用者がパスワードを忘失した場合であってもWebGUIを介したログインを可能にする方法の例として、非特許文献1及び特許文献1に記載された方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-132725号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】“Aterm(登録商標)WX3000HPユーザーズマニュアル”の“初期化する”,[online],2021年10月27日,NECプラットフォームズ株式会社,[令和3年12月6日検索],インターネット,<URL:https://www.aterm.jp/function/wx3000hp/guide/format.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下の分析は本発明者によってなされたものである。
【0007】
非特許文献1は、利用者が無線LAN装置のパスワードを忘失した場合に新たなパスワードを設定するために当該装置を初期化することを記載している。
【0008】
特許文献1に記載された方法は、利用者がパスワードを忘失したためにサーバへのログインに失敗した場合、そのこと及び利用者の識別情報がサーバからサーバの管理者に電子メールで通知され、管理者はその情報に基づいて信頼できる利用者であると判断した場合、登録されているパスワードを電子メールで利用者に通知するものである。しかしながら、この方法は、管理者が利用者のパスワードを忘失又は紛失(誤消去、誤廃棄等)している場合には実行できない。更に、この方法では、管理者が利用者のパスワードを含む電子メールを他人に誤送信してしまうようなセキュリティ上のリスクもある。
【0009】
本開示の課題は、とりわけ、利用者がHGW等のネットワーク接続装置のログインパスワードを忘失した又は知らない場合でも、更にはネットワーク接続装置の管理者が利用者のログインパスワードを忘失又は紛失した場合であっても、ネットワーク接続装置を初期化することも、利用者にログインパスワードを通知することもなく安全にネットワーク接続装置へのログインを可能にすることに貢献する、VoIP機能を有するネットワーク接続装置、該装置の制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の視点により、VoIP機能を有するネットワーク接続装置が提供される。
該ネットワーク接続装置は、
少なくとも、管理者端末の電話番号に対応する管理者電話番号データ、及び、該ネットワーク接続装置へログインするためのログインフォームに対応するログインフォームデータを保存する記憶部、
前記ログインフォームデータを利用者端末へ送信するよう、及び、該利用者端末において表示された前記ログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信するよう、構成されたデータ送受信部、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合自動的にログインを承認するよう構成された処理部、及び、
前記利用者電話番号データを受信した場合前記管理者端末に発呼するよう、該管理者端末と前記ネットワーク接続装置の通話セッションが確立した場合前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させるデータを該管理者端末へ送信するよう、及び、前記ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を該管理者端末から受信するよう、構成されたVoIP通信部
を含む(形態1)。
本開示の第2の視点により、VoIP機能を有するネットワーク接続装置の制御方法が提供される。
該方法は、
利用者端末において表示されたログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信すること、
前記利用者電話番号データを受信した場合、管理者端末に発呼し、該管理者端末との通話セッションを確立すること、
前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させるデータを管理者端末へ送信すること、
該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を前記管理者端末から受信すること、
前記承認の通知を受信した場合、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データを前記利用者端末へ送信し、他方、前記拒否の通知を受信した場合又は所定時間内に前記管理者端末から前記承認又は拒否の通知を受信しない若しくは前記通話セッションが切断された場合、ログインが拒否された旨を通知するためのログイン失敗画面を表示するためのログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信すること、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合、自動的にログインを承認すること、
を含む(形態7)。
本開示の第3の視点により、コンピュータに、形態7のネットワーク接続装置の制御方法を実行させるプログラムが提供される(形態8)。
本開示の第4の視点により、VoIP機能を有するネットワーク接続装置の制御方法が提供される。
該方法は、
利用者端末において表示されたログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信すること、
前記利用者電話番号データを受信した場合、管理者端末に発呼し、該管理者端末との通話セッションを確立すること、
前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させるデータを管理者端末へ送信すること、
利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合、前記利用者の電話装置に発呼し、該利用者の電話装置と該管理者端末との通話セッションを確立させること、
該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を受信した場合、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データを前記利用者端末へ送信すること、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合、自動的にログインを承認すること、
を含む(形態9)。
本開示の第5の視点により、コンピュータに、形態9のネットワーク接続装置の制御方法を実行させるプログラムが提供される(形態10)。
【0011】
上記形態1のネットワーク接続装置において、
前記VoIP通信部は、更に、該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を、該承認又は拒否に夫々対応する前記管理者端末におけるダイヤルボタン操作によって生じた信号として受信するよう、構成されていることが好ましい(形態2)。
形態1又は2のネットワーク接続装置において、
前記記憶部には、更に、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データが保存されていること、
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記承認の通知を受信した場合前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されていることが好ましい(形態3)。
形態1又は2のネットワーク接続装置において、
前記記憶部には、更に、ログインが拒否された旨を通知するためのログイン失敗画面を表示するためのログイン失敗画面データが保存されていること、
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記拒否の通知を受信した場合又は所定時間内に管理者端末から前記承認又は拒否の通知を受信しない若しくは前記通話セッションが切断された場合前記ログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されていることが好ましい(形態4)。
形態1のネットワーク接続装置において、
前記VoIP通信部は、更に、利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合、前記利用者の電話装置に発呼し、該利用者の電話装置と該管理者端末との通話セッションを確立させるよう、構成されていることが好ましい(形態5)。
形態5のネットワーク接続装置において、
前記記憶部には、更に、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データが保存されていること、
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を受信した場合、前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されていることが好ましい(形態6)。
【発明の効果】
【0012】
本開示ないしその各視点は、とりわけ、利用者がHGW等のネットワーク接続装置のログインパスワードを忘失した又は知らない場合でも、更にはネットワーク接続装置の管理者が利用者のログインパスワードを忘失又は紛失した場合であっても、ネットワーク接続装置を初期化することも、利用者にログインパスワードを通知することもなく安全にネットワーク接続装置へのログインを可能にすることに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示のネットワーク接続装置のためのログイン及び承認処理の一例の概念図。
図2】本開示のネットワーク接続装置によって提供されるログインフォームの一例。
図3】本開示のネットワーク接続装置のためのログイン及び承認処理において使用される管理者端末の一例。
図4】本開示のネットワーク接続装置のためのログイン及び承認処理において使用される利用者端末の一例。
図5】本開示のネットワーク接続装置の一例。
図6】本開示に応じたWebGUIログイン処理シーケンスの一例。
図7】本開示に応じたWebGUIログイン処理フローの一例。
図8】本開示に応じた承認処理の第1実施形態についての承認処理シーケンスの一例。
図9】本開示に応じた承認処理フローの一例。
図10】本開示に応じた承認処理の第2実施形態についての承認処理シーケンスの一例。
図11】本開示に応じた承認処理の第3実施形態についての承認処理シーケンスの一例。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、専ら本開示の理解を助けるためのものであり、本開示を図示の態様に限定することは意図していない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印は、信号、情報、データ等の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。更に、各図におけるブロック間の接続は有線又は無線方式の何れでも可能である。更に、プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0015】
また、本開示において、「ネットワーク」は、典型的にはインターネットであるが、これに限定されず、例えばイントラネット等のような複数の情報処理装置の相互接続を媒介する任意のネットワークを含む。
【0016】
更に、本開示において、「ネットワーク接続装置」は、例えばHGWや無線又は有線LAN装置等のような、ネットワークに接続可能であり、その設定、ログイン等のためにWebGUIを提供する任意の装置を含む。なお、「WebGUI」は、ネットワーク接続装置が提供するユーザインターフェースの一例に過ぎない。従って、利用者端末においてネットワーク接続装置の設定等のための情報の表示やユーザによる情報の入力が可能な、例えばCUI(Character User Interface)等の任意のユーザインターフェースを「WebGUI」の代替として又は追加的に使用することができる。従って、ログインフォームも画像ベースのもの(図2参照)に限定されず、文字ベース等のものも使用可能である。
【0017】
更に、本開示において、「利用者端末」は、ネットワーク接続装置に、有線、無線を問わず、アクセスし、ネットワーク接続装置が提供するWebGUIを介してネットワーク接続装置の設定等を実行可能であればよく、例えばPC(personal computer)、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等であるが、これらに限定されない。
【0018】
更に、本開示において、「電話装置」とは、特定の電話番号が割り当てられており、通話可能であればよく、例えば固定電話機、いわゆるフィーチャーフォン、スマートフォン等の携帯電話機等であるが、これらに限定されない。また、「電話装置」はソフトウェアによっても実現可能である。更に、「電話装置」は、利用者端末等の他の装置と別体の装置として実現可能であるが、ハードウェア、ソフトウェアを問わず、利用者端末の一部ないし一機能としても構成可能である。従って、スマートフォンは「利用者端末」かつ「電話装置」として構成ないし機能可能である。また、PC、タブレット、PDA等も「利用者端末」かつ「電話装置」として構成ないし機能可能である。更に、固定電話機やフィーチャーフォンも、ネットワーク接続装置が提供するWebGUIを介してネットワーク接続装置の設定等を実行可能であれば、「利用者端末」かつ「電話装置」として構成ないし機能可能である。
【0019】
更に、本開示において、「管理者端末」は、ネットワーク接続装置とVoIP通信可能であればよく、例えば固定電話機、いわゆるフィーチャーフォン、スマートフォン等の携帯電話機等であるが、これらに限定されず、例えばPC、タブレット、PDA等でもあり得る。なお、「管理者端末」は、とりわけスマートフォンである場合、ネットワーク接続装置にアクセスし、ネットワーク接続装置が提供するWebGUIを介してネットワーク接続装置の設定等を実行可能であるため、「利用者端末」としても機能することが可能であり、その反対も同様である。
【0020】
更に、本開示において、「接続」は、無線方式及び有線方式の何れも含み得る。
【0021】
図1は、本開示に応じたネットワーク接続装置のためのログイン及び承認処理の一例の概念図である。なお、図1においては、利用者端末20は電話装置をその一部ないし一機能として含むが、利用者端末20とは別体の電話装置を使用することも可能である。
【0022】
利用者は、HGW30にログインするためのパスワードを忘失した場合、HGW30が用意するWebGUIに利用者端末20のブラウザによってアクセスし、ログインフォーム40(図2参照)に利用者端末20の電話番号を入力する。これに応じて、HGW30はそのVoIP機能を用いて管理者端末10にアクセスし利用者のログインの承認依頼を管理者に通知する。そして、管理者は管理者端末10のダイヤル操作によってHGW30にログインの承認(又は拒否)を通知する。
【0023】
このように、本開示によれば、HGW30のログインパスワードを忘失したないし知らない場合に利用者がすべきことは、基本的に、HGW30が用意するWebGUIのログインフォーム40に利用者の電話装置の電話番号を入力することだけである。従って、管理者等から利用者へのパスワードの通知やHGW30の初期化は不要であり、そのため、利用者はセキュアにWebGUIを介してHGW30にログインすることができる。
【0024】
図3は、本開示に応じたネットワーク接続装置のためのログイン及び承認処理において使用される管理者端末10の一例を示す。
【0025】
図3に示された一例では、管理者端末10は固定電話として構成されている。
【0026】
図示の管理者端末は、制御部100、処理部110、受話器130、ダイヤルボタン140及び音声信号送受信部150を含む。
【0027】
制御部100は、処理部110の制御を行うCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
処理部110は、音声信号送受信部150と音声データの受け渡しを行うよう、音声信号送受信部150から受け取った音声データを処理し、受話器130への音声再生を行うよう、及び、受話器130から取得した音声の解析、ダイヤルボタン140の操作の検知を行い、検知したダイヤルに従いダイヤルトーンを生成し、音声信号送受信部150へ送信するよう構成されたモジュールである。
【0029】
受話器130は、処理部110から受信した音声データを再生する。又、受話器130は、音声を取得し、処理部110へ音声データを送信する。
【0030】
ダイヤルボタン140は、ダイヤル操作信号を処理部110へ送信する。
【0031】
音声信号送受信部150は、電話網と接続するインターフェースである。
【0032】
図4は、本開示に応じたネットワーク接続装置のためのログイン及び承認処理において使用される利用者端末の一例を示す。
【0033】
図4に示された一例では、利用者端末20はスマートフォンとして構成されており、電話装置としても機能する。
【0034】
図示の利用者端末20は、制御部200、処理部210、スピーカ220、マイク230、タッチパネル240及び無線信号送受信部250を含む。
【0035】
制御部200は、処理部210の制御を行うCPUである。
【0036】
処理部210は、無線信号送受信部250のパケットデータの受け渡しを行うよう、無線信号送受信部250から受け取ったパケットを処理し、スピーカ220に音声再生を行わせるよう、及び、マイク230から取得した音声の解析、タッチパネル240の操作の検知及び表示を行い、音声データやダイヤルトーンを生成し、音声信号送受信部150へ送信するよう構成されたモジュールである。
【0037】
スピーカ220は処理部210から受信した音声データを再生する。
【0038】
マイク230は、音声を取得し、処理部210へ音声データを送信する。
【0039】
タッチパネル240は、操作信号を処理部210へ送信し、また、処理部210から受信したデータを表示することができる。
【0040】
無線信号送受信部250は、インターネット又はHGW30と接続し、HTTPパケットやSIPパケット等の送受信を行うインターフェースである。なお、例えば利用者端末20がPC等である場合、HGW30と利用者端末20との通信は有線方式で行うことも可能であり、従って、無線方式・有線方式の何れにも拘わらずHGW30と利用者端末20との通信を可能にするという意味で、無線信号送受信部250はデータ送受信部として構成されることも可能である。
【0041】
図5は、本開示に応じたネットワーク接続装置の一例を示す。
【0042】
図5に示された一例では、ネットワーク接続装置はHGW30である。なお、HGW30は据え置き型/携帯型を問わずインターネットと接続するゲートウェイ装置を指す。
【0043】
図示のHGW30は、制御部300、記憶部310、処理部320、無線信号送受信部330及びパケット送受信部340を含む。
【0044】
制御部300は、記憶部310や処理部320の制御を行うCPUである。
【0045】
記憶部310は、制御部300から受け取った管理者端末10の電話番号や、ログインフォーム40の表示に必要なHTMLデータ等を保存する記憶装置である。
【0046】
処理部320は、無線信号送受信部330やパケット送受信部340から受け取ったパケットの解析を行うよう、及び、記憶部310から取り出したデータを利用し、HTTPパケットやRTPパケットを生成し、無線信号送受信部330やパケット送受信部340へパケットの受け渡しをするよう構成されたモジュールである。また、処理部320は、更に、ログインフォーム40に適正なパスワードが入力された場合、自動的にログインを承認するよう構成されている。
【0047】
無線信号送受信部330は、HGW30に帰属した無線端末、例えば利用者端末20との通信を行い、HTTPパケット等の送受信を行うインターフェースである。なお、例えば利用者端末20がPC等である場合、HGW30と利用者端末20との通信は有線方式で行うことも可能であり、従って、無線方式・有線方式の何れにも拘わらずHGW30と利用者端末20との通信を可能にするという意味で、無線信号送受信部330はデータ送受信部として構成されることも可能である。
【0048】
パケット送受信部340は、インターネットや電話網と接続し、RTPパケット等の送受信を行うインターフェースであり、VoIP通信部と称することも可能である。
【0049】
(WebGUIログイン処理の一例)
以下に、本開示に応じたWebGUIログイン処理の一例を、本開示に応じたWebGUIログイン処理シーケンスの一例を示す図6及び本開示に応じたWebGUIログイン処理フローの一例を示す図7を参照して説明する。
【0050】
まず、利用者は、HGWに帰属した利用者端末のブラウザ等を利用してHGWのWebGUIへアクセスすると(S100(図6))、WebGUIのログイン処理が開始される(S200(図7))。
【0051】
利用者端末はHGW30にログインフォーム(図2参照)のデータを要求し(S110(図6))、HGWはログインフォームデータを利用者端末へ送信し(S115(図6))、利用者端末(のディスプレイ等)においてログインフォームを表示させる(S210(図7))。
【0052】
利用者端末は、利用者の操作によってログインフォームの電話番号入力欄に入力された電話番号に対応する電話番号データをHGWへ送信する(S120(図6);S220(図7))。なお、利用者がパスワードを忘失しておらず、ログインフォームのパスワード入力欄に適正なパスワードを入力した場合は、HGWは自らログインを承認し、ログイン後のWebGUI画面データを利用者端末へ送信し(S185(図6)参照)、利用者端末においてWebGUI画面を表示する(S190(図6);S260(図7)参照)。
【0053】
利用者端末が電話番号データをHGW30へ送信すると(S130(図6))、HGWは応答として承認待ち画面データを送信し(S135(図6))、利用者端末において承認待ち画面が表示される(S140(図6);S230(図7))。また、HGWは承認処理を開始する(S145(図6)、後掲図9のS400も参照)。
【0054】
この間、利用者端末(のブラウザ)は、承認結果を定期的にHGWへ問い合わせ(S150(図6);S240(図7))、承認処理が継続している場合は(S155(図6))、承認処理が完了するまで問い合わせを繰り返す(S160(図6))。その間、利用者端末においては承認待ち画面が継続的に表示される。
【0055】
承認処理の完了(S170(図6);S250(図7))後、利用者端末から承認結果の問い合わせを受けた場合(S180(図6))において、(管理者によって)ログインが承認されていれば、HGWは、ログイン後のWebGUI画面データを利用者端末へ送信し(S185(図6))、利用者端末においてWebGUI画面を表示する(S190(図6);S260(図7))。これによって、WebGUIログイン処理は終了する(S299(図7))。
【0056】
他方、上記の問い合わせ(S180(図6))の際に、(管理者によって)ログインの承認が拒否されていた場合は、HGWは、承認結果の問い合わせの応答として、ログイン失敗を通知するWebGUI画面データを利用者端末へ送信し(S185(図6))、利用者端末においてログイン失敗画面を表示する(S270(図7))。これによって、利用者はログイン拒否された旨を了知することができる。
【0057】
(承認処理の第1実施形態)
以下に、図8に示した本開示に応じた承認処理の第1実施形態についての承認処理シーケンスの一例を、図9に示した本開示に応じた承認処理フローの一例も参照して説明する。
【0058】
承認処理を開始すると(S400(図9))、HGWは管理者端末へINVITEを送信し、管理者端末の着信音を鳴らす(S300(図8);S405(図9))。
【0059】
管理者が着信に応答すると(S409(図9))、管理者端末はHGWへ200 OKを送信し(S310(図8))、HGWはACK応答する(S320(図8))。これによって、管理者端末とHGWの通話セッション(1)が確立する(S330(図8);S410(図9))。
【0060】
通話セッション(1)が確立すると、HGWは、自動音声(1)を管理者端末において再生し、管理者へログインの許可申請が来ている旨や、利用者の電話番号と操作方法を通知する(S340(図8);S415(図9))。
【0061】
管理者が利用者のログイン許可を承認すると判断し、例えば管理者端末でダイヤルボタンの“1”を押下した場合(S350(図8);S420(図9))、HGWは、管理者がログインを承認したと判断し(S355(図8);S425(図9))、ログインを承認した旨を通知する自動音声(2)を管理者端末で再生する(S360(図8);S430(図9))。
【0062】
その後、HGWは管理者端末へBYEを送信し(S370(図8))、管理者端末は200 OKを応答する(S380(図8))。これによって、HGWは、通話セッション(1)を切断し(S435(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0063】
他方、管理者が利用者のログインを拒否する場合は、上記自動音声(1)の再生後(S415(図9))、管理者が例えばダイヤルボタンの“2”を押下すると(S420(図9))、HGWは、管理者がログインを拒否したと判断し(S440(図9))、ログインを拒否した旨を通知する自動音声(3)を管理者端末で再生する(S445(図9))。
【0064】
その後は、承認の場合と同様に、HGWは管理者端末へBYEを送信し(S370(図8))、管理者端末は200 OKを応答する(S380(図8))。これによって、HGWは、通話セッション(1)を切断し(S435(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0065】
また、上記自動音声(1)の再生後(S415(図9))、管理者がダイヤルを操作せず(S420(図9))、通話を終了した場合も、ログイン拒否をしたとみなすこともできる。この場合は、通話セッション(1)が切断された時点で(S450(図9))、HGWはログイン拒否と判定し(S455(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0066】
さらに、管理者がHGWからの着信に応答しなかった場合も(S409(図9))、HGWはログインを拒否したとみなし(S455(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0067】
(承認処理の第2実施形態)
以下に、図10に示した本開示に応じた承認処理の第2実施形態についての承認処理シーケンスの一例を、図9に示した本開示に応じた承認処理フローの一例も参照して説明する。第2実施形態は、管理者が利用者の電話番号のみではログインの承認をすべきか否か判断できず、利用者と直接通話をして判断することを望む場合についての承認処理に関するものである。
【0068】
まず、通話セッション(1)の確立(S410(図9))及び自動音声(1)の再生(S415(図9))までは、第1実施形態と同様である。
【0069】
次に、自動音声(1)の再生後(S415(図9))、管理者が利用者の電話番号のみではログインの承認をすべきか否か判断できず、利用者と直接通話をして判断することを望む場合、管理者が例えばダイヤルボタンの“3”を押下する(S500(図10);S420(図9))ことにより、HGWは、利用者の電話番号へ直接電話を繋ぐ旨と、操作方法を通知する自動音声(4)を管理者端末において再生する(S505(図10);S460(図9))。
【0070】
その後、HGWは利用者端末へINVITEを送信し、利用者端末の着信音を鳴らす(S510(図10);S470(図9))。
【0071】
利用者が電話に出ると、利用者端末はHGWへ200 OKを送信し(S515(図10))、HGWはACK応答する(S520(図10))。これによって、利用者端末と管理者端末の通話セッション(2)が確立する(S525(図10);S475(図9))。
【0072】
管理者が利用者と通話した結果としてログインを承認する場合に例えばダイヤルボタンの“1”を押下することにより(S530(図10);S480(図9))、HGWは利用者端末へBYEを送信し(S535(図10))、利用者端末は200 OKを応答する(S540(図10))。これによって、HGWは、通話セッション(2)を切断し(S485(図9))、ログインを承認したと判断する(S545(図10);S425(図9))。
【0073】
その後、HGWは、ログインを承認した旨を通知する自動音声(2)を管理者端末で再生する(S550(図10);S430(図9))。
【0074】
そして、HGWは管理者端末へBYEを送信し(S555(図10))、管理者端末は200 OKを応答する(S560(図10))。
【0075】
これによって、HGWは、通話セッション(1)を切断し(S435(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0076】
他方、管理者は、利用者と通話した結果としてログインを拒否する場合、ダイヤルボタンを押さず、そのまま通話を終了する。即ち、通話セッション(1)と(2)が切断される(S490(図9))ことによって、HGWは、ログイン拒否と判定し(S495(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0077】
(承認処理の第3実施形態)
以下に、図11に示した本開示に応じた承認処理の第3実施形態についての承認処理シーケンスの一例を説明する。第3実施形態は、管理者自身がWebGUIを介してHGWにログインする場合についての承認処理に関するものであり、この場合、HGWへのログインフォームには管理者端末の電話番号が入力される。
【0078】
第3実施形態においては、利用者端末は管理者の手元にあることが想定されるため、承認フローは簡略化され、WebGUIを介したHGWへのログインは容易化される。より具体的には、管理者端末においてHGWからの着信があった場合、管理者が任意の指定時間内に着信を切断する操作を行う事によって、HGWは管理者が利用者端末と管理者端末を同時に操作しているものとみなし、WebGUIを介したログインを承認する処理とし、承認操作を簡略化する。
【0079】
なお、WebGUIログイン処理シーケンスは、図6に示したシーケンスと同じであるので、説明は省略するが、ログインフォームに入力される電話番号は管理者端末の電話番号である。なお、利用者端末は管理者が操作するものとする。
【0080】
まず、HGWが承認処理を開始すると(S145(図6も参照))、HGWは管理者端末へINVITEを送信し、管理者端末の着信音を鳴らす(S300)。
【0081】
管理者端末の着信音が鳴った後、管理者は管理者端末において電話を切断する操作をすることによって、BYEをHGWへ送信する(S600)。
【0082】
このとき、HGWはINVITEの送信時刻とBYEの受信時刻の差分を算出し、任意の指定時間より短い場合、管理者が管理者端末と利用者端末を同時に操作しているものとみなし、ログインを承認する。
【0083】
その後、HGWは200 OKを応答し(S610)、HGWは承認を完了する(S170;図6も参照)。
【0084】
尚、任意の指定時間は、管理者端末で鳴動音が1~2回鳴る時間が想定されるが、管理者によって設定可能としても良い。
【0085】
他方、任意の指定時間内に管理者端末が操作されなかった場合、利用者が管理者になりすまして利用者端末を操作した(従って管理者端末の電話番号をログインフォームに入力した)可能性がある。この場合は、図8ないし図10に示した通常の承認処理シーケンスへ移行し、承認操作が実行される(図9も参照)。即ち、管理者は管理者端末において着信に応答し、ダイヤル操作をしてログインを承認する必要があるが、この場合、管理者端末においてHGWからの着信に応答がないため(S409(図9))、HGWはログインが拒否されたとみなし(S455(図9))、承認処理を終了する(S499(図9))。
【0086】
(承認処理の第4実施形態)
以下に、承認処理の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、管理者端末と利用者端末が同一の場合についての承認処理の一例である。第4実施形態は、「管理者端末」がネットワーク接続装置にアクセスし、ネットワーク接続装置が提供するWebGUIを介してネットワーク接続装置の設定等を実行可能であること、従って「利用者端末」としても機能し得るスマートフォン等であることを想定している。
【0087】
第4実施形態では、管理者が、利用者に代わって、自ら管理者端末によって利用者のためにHGWのログインフォームにアクセスして管理者端末の電話番号を入力し、管理者端末におけるHGWからの着信を自ら切断するため、第3実施形態の承認処理は更に簡略化される。
【0088】
尚、この場合、図9のS420におけるダイヤル操作において、ダイヤルボタン“3”の操作は通常は実行されることはなく、従って、図10のシーケンスが実行されることはない。
【0089】
上記の各実施形態においては、利用者端末は電話装置を構成の一部又は機能の一部として含んでいるが、HGWにログインするための特定の電話番号を有しかつ管理者端末との通話が可能な別個の電話装置を使用することも可能である。
【0090】
上記実施形態及び図面に記載された記号“INVITE”、“ACK”及び“BYE”はUAC(User Agent Client:電話をかける側)-UAS(User Agent Server:電話を受ける側)間でのSIP(Session Initiation Protocol)メッセージとしてのリクエストメッセージの先頭に記載されるリクエスト行に記述されるSIPメソッド(命令)であり、“INVITE”は「セッション確立」、“ACK”は「セッション確立の確認」及び“BYE”は「セッションの終了」を意味する。
また、上記実施形態及び図面に記載された記号“200 OK”は、SIPメッセージとしてのレスポンスメッセージの先頭に記載されるステータス行に記述される成功応答に対応する200番台(2xx)のレスポンスコードの1つであり、リクエストが正常に処理できたことを意味する。
【0091】
なお、図3図5に示す構成は、管理者端末、利用者端末及びHGWのハードウェア構成を限定する趣旨ではない。これらの装置は、図示しないハードウェアを含んでもよい。例えば図3及び図4に示す装置も制御部に内部バスによって相互接続される記憶部ないしメモリを含むことができる。
【0092】
図3図5に示す装置の制御部は、上記のCPUに限定されず、例えばMPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の任意のプロセッサとして構成可能であり、そのユニット数も1つに限られず、複数のプロセッサを含むことも可能である。
【0093】
図5に示すHGWに含まれている並びに図3及び図4に含まれ得る記憶部ないしメモリには、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0094】
図3図5に示す装置の無線信号送受信部等としてのインターフェースには、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0095】
図3図5に示す装置の機能は、処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、記憶部ないしメモリに格納されたプログラムを制御部が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0096】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]VoIP機能を有するネットワーク接続装置。
該ネットワーク接続装置は、
少なくとも、管理者端末の電話番号に対応する管理者電話番号データ、及び、該ネットワーク接続装置へログインするためのログインフォームに対応するログインフォームデータを保存する記憶部、
前記ログインフォームデータを利用者端末へ送信するよう、及び、該利用者端末において表示された前記ログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信するよう、構成されたデータ送受信部、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合自動的にログインを承認するよう構成された処理部、及び、
前記利用者電話番号データを受信した場合前記管理者端末に発呼するよう、該管理者端末と前記ネットワーク接続装置の通話セッションが確立した場合前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)データを該管理者端末へ送信するよう、及び、前記ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を該管理者端末から受信するよう、構成されたVoIP通信部
を含む。
[付記2]上記のネットワーク接続装置において、前記VoIP通信部は、更に、該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を、該承認又は拒否に夫々対応する前記管理者端末におけるダイヤルボタン操作によって生じた信号として受信するよう、構成されている。
[付記3]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データ(例えばWebGUIを表示するためのWebGUIデータ)が保存されている。
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記承認の通知を受信した場合前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記4]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、ログインが拒否された旨を通知するためのログイン失敗画面を表示するためのログイン失敗画面データが保存されている。
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記拒否の通知を受信した場合又は所定時間内に管理者端末から前記承認又は拒否の通知を受信しない若しくは前記通話セッションが切断された場合前記ログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記5]上記のネットワーク接続装置において、前記VoIP通信部は、更に、利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合、前記利用者の電話装置に発呼し、該利用者の電話装置と該管理者端末との通話セッションを確立させるよう、構成されている。
[付記6]上記のネットワーク接続装置において、前記利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知は、該要求に対応する前記管理者端末におけるダイヤルボタン操作によって生じた信号として受信される。
[付記7]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データ(例えばWebGUIの表示のためのWebGUIデータ)が保存されている。
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を受信した場合、前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記8]上記のネットワーク接続装置において、前記ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知は、該承認に対応する前記管理者端末におけるダイヤルボタン操作によって生じた信号として受信される。
[付記9]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、利用者からのログインの許可申請があること及び該許可申請に対してなすべき所定の操作方法を管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)ログイン許可申請メッセージデータが保存されている。
前記VoIP通信部は、更に、該許可申請メッセージデータを、前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)データと共に、該管理者端末へ送信するよう構成されている。
[付記10]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、利用者からのログインを承認したことを管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)ログイン許可メッセージデータが保存されている。
前記VoIP通信部は、更に、前記ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を該管理者端末から受信した場合前記ログイン許可メッセージデータを該管理者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記11]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、利用者からのログインを拒否したことを管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)ログイン拒否メッセージデータが保存されている。
前記VoIP通信部は、更に、前記ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による拒否の通知を該管理者端末から受信した場合前記ログイン拒否メッセージデータを該管理者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記12]上記のネットワーク接続装置において、前記記憶部には、更に、利用者の電話装置に直接電話を繋ぐこと及びこの場合になすべき所定の操作方法を管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)直接通話用メッセージデータが保存されている。
前記VoIP通信部は、更に、利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合前記直接通話用メッセージデータを該管理者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記13]上記のネットワーク接続装置において、前記VoIP通信部は、更に、前記利用者の電話装置と前記管理者端末との通話セッション中に前記承認の通知を受信した場合、該通話セッションを切断し、前記ログイン許可メッセージデータを該管理者端末へ送信するよう、構成されている。
前記データ送受信部は、更に、前記VoIP通信部が前記承認の通知を受信した場合前記表示データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記14]上記のネットワーク接続装置において、前記利用者の電話装置と前記管理者端末との通話セッション中における前記承認の通知は、該承認に対応する前記管理者端末におけるダイヤルボタン操作によって生じた信号として受信される。
[付記15]上記のネットワーク接続装置において、前記VoIP通信部は、更に、前記利用者の電話装置と前記管理者端末との通話セッションが前記承認の通知を受信する前に切断され、これに応じて、該管理者端末と該ネットワーク接続装置との通話セッションが切断された場合、承認処理を終了するよう、構成されている。
前記データ送受信部は、付加的に、該承認処理が終了した場合前記ログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記16]上記のネットワーク接続装置において、前記データ送受信部は、前記管理者が前記発呼に応答しない場合、前記ログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信するよう、構成されている。
[付記17]VoIP機能を有するネットワーク接続装置の制御方法。
該方法は、
利用者端末において表示されたログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信すること、
前記利用者電話番号データを受信した場合、管理者端末に発呼し、該管理者端末との通話セッションを確立すること、
前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)データを管理者端末へ送信すること、
該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認又は拒否の通知を前記管理者端末から受信すること、
前記承認の通知を受信した場合、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データ(例えばWebGUIを表示するためのWebGUIデータ)を前記利用者端末へ送信し、他方、前記拒否の通知を受信した場合又は所定時間内に前記管理者端末から前記承認又は拒否の通知を受信しない若しくは前記通話セッションが切断された場合、ログインが拒否された旨を通知するためのログイン失敗画面を表示するためのログイン失敗画面データを前記利用者端末へ送信すること、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合、自動的にログインを承認すること、
を含む。
[付記18]VoIP機能を有するネットワーク接続装置の制御方法。
該方法は、
利用者端末において表示されたログインフォームに入力された利用者の電話装置の電話番号に対応する利用者電話番号データ又はパスワードに対応するパスワードデータを受信すること、
前記利用者電話番号データを受信した場合、管理者端末に発呼し、該管理者端末との通話セッションを確立すること、
前記利用者の電話装置の電話番号を管理者に了知させる(とりわけ自動音声を再生するための)データを管理者端末へ送信すること、
利用者との直接通話を求める管理者の要求の通知を受信した場合、前記利用者の電話装置に発呼し、該利用者の電話装置と該管理者端末との通話セッションを確立させること、
該ネットワーク接続装置への利用者のログインの管理者による承認の通知を受信した場合、該ネットワーク接続装置の設定のための表示データ(例えばWebGUIの表示のためのWebGUIデータ)を前記利用者端末へ送信すること、
適正なパスワードに対応するパスワードデータを受信した場合、自動的にログインを承認すること、
を含む。
[付記19]コンピュータに、上記のネットワーク接続装置の制御方法を実行させるプログラム。
[付記20]前記利用者端末は、前記利用者の電話装置をその構成の一部又は機能の一部として含むことができる。
[付記21]前記利用者端末と前記利用者の電話装置は別体に構成されることが可能である。
[付記22]前記利用者の電話装置の電話番号の代わりに、前記管理者端末の電話番号を前記ログインフォームに入力することも可能である。
[付記23]前記管理者端末は、前記利用者端末として使用されることも可能である。
【0097】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素( 各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0098】
10 管理者端末
20 利用者端末
30 HGW
40 ログインフォーム

100 制御部
110 処理部
130 受話器
140 ダイヤルボタン
150 音声信号送受信部

200 制御部
210 処理部
220 スピーカ
230 マイク
240 タッチパネル
250 無線信号送受信部(ないしデータ送受信部)

300 制御部
310 記憶部
320 処理部
330 無線信号送受信部(ないしデータ送受信部)
340 パケット送受信部(ないしVoIP通信部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11