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特許7436058粒子噴流の流れ場を監視するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】粒子噴流の流れ場を監視するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01P 3/36 20060101AFI20240214BHJP
   C23C 24/04 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G01P3/36 C
C23C24/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021576882
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 FI2020050408
(87)【国際公開番号】W WO2020260754
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】20195557
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518463544
【氏名又は名称】オセイル オイ
【氏名又は名称原語表記】OSEIR OY
【住所又は居所原語表記】Ahertajankatu 17 Tampere Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ラルヨ,ユッシ
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-531906(JP,A)
【文献】特開2016-57160(JP,A)
【文献】国際公開第2007/138818(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 3/00- 5/26
C23C24/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスダイナミック噴霧の制御方法であって、
加速ノズル(NOZ1)を用いて粒子噴流(JET0)を提供することと、
粒子噴流(JET0)に照射光パルス(LB0)を照射することと、
照射光パルス(LB0)で照射された粒子噴流(JET0)の画像(IMG2)を捕捉することと、
捉された画像(IMG2)を解析することによって、1または複数の速度値(v(x))を決定することと
1または複数の決定された速度値(v(x))を基準データ(REF1)と比較することと、
比較の結果に基づいて、コールド噴霧工程の1または複数の動作パラメータ(PAR1)を調整することとを含み、
画像(IMG2)は、撮像光学系(210)を含む撮像ユニット(200)を用いて捕捉され、集光によって画像センサ(SEN1)上に対象物面(O1)の光学画像を結像し、撮像ユニット(200)の光軸(AX2)はノズル(NOZ1)の中心軸(AX0)に対して傾斜(γ1)しており、画像センサ(SEN1)は、対象物面(O1)が粒子噴流(JET0)の粒子(P0)の移動方向(v)と実質的に平行になるように、光軸(AX2)に対して傾斜(β1)しており、画像センサ(SEN1)が、画像センサ(SEN1)の表面法線と光軸(AX2)との間の角度(90°-β1)が、ゼロと実質的に異なるように光軸(AX2)に対して傾斜(β1)していることを特徴とする方法。
【請求項2】
加速ノズル(NOZ1)が、粒子噴流(JET0)の粒子(P0)の少なくとも80%が400m/sよりも高い速度(v,vk+1)で移動し、粒子噴流(JET0)の粒子(P0)の温度が1000℃以下であるように、粒子噴流(JET0)を提供するように配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
撮像ユニット(200)の被写界深度(d12)が、2mmより小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
撮像ユニット(200)の被写界深度(d 12 )が、0.1mm~1.0mmの範囲にあることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
撮像ユニット(200)の被写界深度(d12)が、ノズル(NOZ1)の出口端部における粒子噴流(JET0)の幅の2%~40%の範囲にあることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
アクチュエータ(ACU1)が、対象物面(O1)とノズル(NOZ1)の軸(AX0)との間の距離(d1)が移動中に一定であるように、加速ノズル(NOZ1)と撮像ユニット(200)との組み合わせを標的対象物(TARG1)に対して移動させるように配設されていることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ノズル(NOZ1)の中心軸(AX0)と撮像ユニット(200)の光軸(AX2)との間の角度(γ1)が、45°~85°の範囲にあることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ノズル(NOZ1)の中心軸(AX0)と撮像ユニット(200)の光軸(AX2)との間の角度(γ1)が、70°~80°の範囲にあることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
画像センサ(SEN1)のセンサ面(ACT1)と撮像ユニット(200)の光軸(AX2)との間の角度(β1)が、65°~89°の範囲にあることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
画像センサ(SEN1)のセンサ面(ACT1)と撮像ユニット(200)の光軸(AX2)との間の角度(β1)が、75°~85°の範囲にあることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
粒子噴流(JET0)は、照射光のシート(LB0)によって照射され、照射光のシート(LB0)は、照射光のシート(LB0)が対象物面(O1)と実質的に平行になるように撮像ユニット(200)の対象物面(O1)に重なることを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
対象物面(O1)と結像光学系(210)との間の距離(a)が、ノズル(NOZ1)の出口端部における粒子噴流(JET0)の横断方向幅(dJET0)の5~50倍の範囲にあることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
1または複数の決定された速度値(v(x))に基づいて粒子噴流(JET0)の中心軸(AXJ0)の位置(dAXJ0)を決定することと、粒子噴流(JET0)の中心軸(AXJ0)の決定された位置(dAXJ0)に従って標的対象物(TARG1)に対して粒子噴流(JET0)を移動させることを制御することとを含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
1または複数の決定された速度値(v(x))を基準データ(REF1)と比較することと、比較の結果に基づいて、コールド噴霧操作を有効または無効にすることとを含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
標的対象物(TARG1)上に被膜(COAT1)を形成することを含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
捕捉された画像(IMG2)を解析することによって1または複数の分布(v(x),n(x))を決定することを含み、決定された分布の少なくとも1つが速度分布(v(x))または粒子数密度分布(n(x))であることを特徴とする、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
コールド噴霧装置(1000)であって、
粒子噴流(JET0)を提供するための加速ノズル(NOZ1)と、
粒子噴流(JET0)に照射光パルス(LB0)を照射する照射ユニット(100)と、
粒子噴流(JET0)を捕捉する撮像ユニット(200)と、
捕捉された画像を解析して1または複数の速度値(v(x))を決定するデータ処理装置(400)と、
を含み、
撮像ユニット(200)は、画像センサ(SEN1)と、光を集光して画像センサ(SEN1)上に対象物面(O1)の光学画像を形成する撮像光学系(210)とを含み、撮像ユニット(200)の光軸(AX2)はノズル(NOZ1)の中心軸(AX0)に対して傾斜(γ1)しており、画像センサ(SEN1)は、対象物面(O1)が粒子噴流(JET0)の粒子(P0)の平均移動方向(vk)と実質的に平行になるように光軸(AX2)に対して傾斜(β1)しており、画像センサ(SEN1)の表面法線と光軸(AX2)との間の角度(90°-β1)は、ゼロと実質的に異なるように光軸(AX2)に対して傾斜(β1)していることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールド噴霧被覆の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスダイナミックコールド噴霧によって対象物を被覆することができる。コールド噴霧は、被覆粒子を超音速ガス噴流で加速することと、粒子を標的対象物に衝突させ、粒子が塑性変形を受け、対象物に付着するようにすることとを含んでよい。粒子の大きさは、たとえば1~50μmの範囲であってよく、粒子の速度は、たとえば400~1200m/sの範囲であってよい。噴霧された粒子の温度は、通常、当該粒子の溶融温度よりも実質的に低く保たれる。
【0003】
形成された被膜の特性は、たとえば破壊試験または非破壊試験によって測定することができる。被膜の特性に対するコールド噴霧の動作パラメータの影響は、たとえば、1または複数の動作パラメータを変化させて被膜を形成し、形成された被膜の特性を測定し、動作パラメータの関数として測定された特性をプロットすることによって決定することができる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかのバージョンは、コールド噴霧を制御する方法に関するものであってよい。いくつかのバージョンは、コールド噴霧によって被膜を形成するための装置に関するものであり得る。コールド噴霧装置の動作を制御する方法に関するバージョンもある。コールド噴霧装置の動作を確認する方法に関するバージョンもある。
【0005】
一態様に従えば、ガスダイナミック噴霧を制御するための方法が提供され、該方法は、
加速ノズル(NOZ1)を用いて粒子噴流(JET0)を提供することと、
粒子噴流(JET0)を照射光パルス(LB0)で照射することと、
照射光パルス(LB0)で照射された粒子噴流(JET0)の画像(IMG2)を捕捉することと、
捕捉された画像(IMG2)を解析することによって、1または複数の速度値(v(x))を決定することと、を含み、
画像(IMG2)は、撮像光学系(210)を含む撮像ユニット(200)を用いて捕捉され、集光によって画像センサ(SEN1)上に対象物面(O1)の光学画像を結像し、撮像ユニット(200)の光軸(AX2)はノズル(NOZ1)の中心軸(AX0)に対して傾斜(γ1)しており、画像センサ(SEN1)は、対象物面(O1)が粒子噴流(JET0)の粒子(P0)の移動方向(v)と実質的に平行になるように、光軸(AX2)に対して傾斜(β1)している。
【0006】
さらなる態様は、特許請求の範囲および/または実施例において定義される。
【0007】
本発明の様々な実施形態に求められる保護範囲は、独立請求項によって規定される。独立請求項の範囲に該当しない、本明細書に記載された実施形態および特徴がある場合には、本発明の様々な実施形態を理解するために有用な例として解釈されるものとする。
【0008】
コールド噴霧装置は、粒子噴流を提供するための加速ノズルを含んでいてよい。コールド噴霧によって被膜を形成するために、粒子噴流を標的対象物に向けることができる。粒子噴流の粒子は、粒子が塑性変形を受け、標的対象物に付着するように、標的対象物に衝突してよい。コールド噴霧は、たとえば、重要な部品に被膜を形成する場合、検証する必要がある場合がある。航空機の重要部品を製造する場合など、コールド噴霧の検証を行う必要がある場合がある。
【0009】
粒子噴流は、撮像ユニットを含む監視装置を用いて行って監視されてよい。撮像ユニットは、粒子噴流の測定領域の画像を捕捉するように配設されてよい。検出された粒子の数を数えるために、および/または検出された粒子の速度を決定するために、1または複数の捕捉された画像が解析されてよい。監視装置は、捕捉された画像を解析することによって1または複数の速度値を決定するように配設されてよい。監視装置は、1または複数の速度分布を決定するように配設されてもよく、速度分布は、位置の関数として速度を示してよい。
【0010】
監視装置は、捕捉された画像を解析して1または複数の個数密度値を決定するように配設されてよい。監視装置は、1または複数の数密度分布を決定するように配設されてもよく、数密度分布は、位置の関数としての数密度を示してよい。監視装置はまた、決定された速度値から、および決定された数密度値から、質量流束値を計算するように配設されてよい。質量流束値は、溶射装置で被膜を形成するための局所的な堆積速度を示すものであってよい。
【0011】
コールド噴霧操作は、監視装置で測定された1または複数の値に基づいて制御および/または検証される場合がある。たとえば、測定された1または複数の速度値は、基準データと比較されてよい。比較の結果に基づいて、コールド噴霧を制御するための制御動作が実行されてよい。制御動作は、たとえば、コールド噴霧の1または複数の動作パラメータを調整することを含んでよい。制御操作は、たとえば、実行されたコールド噴霧操作が有効であるか無効であるかを検証すること、たとえば、標的対象物に形成された被膜を受け入れるか拒否することを含む場合がある。
【0012】
コールド噴霧装置の動作は、撮像ユニットを含む光学測定装置を用いて確認することができる。撮像ユニットは、測定領域内を移動する粒子を検出するように配設されてよい。測定領域は、物体平面を含んでよい。撮像ユニットは、対象物面の近傍で移動している粒子の実質的に鮮明な画像を捕捉するように配設されてよい。監視装置は、捕捉された画像を解析することによって、たとえば1または複数の速度値を決定するように配設されてよい。監視装置は、たとえば1または複数の速度分布を決定するように配設されてよい。監視装置は、たとえば1または複数の数密度値を決定するように配設されてよい。監視装置は、たとえば1または複数の粒子数密度分布を決定するように配設されてよい。監視装置は、決定された速度値から、および粒子数密度値から、たとえば質量流束値を計算するように配設されてよい。
【0013】
加速ノズルと標的対象物との間の距離は、たとえば、被覆粒子の速度を最大化するために、および/または加速ガスの消費を低減するために、および/または粒子噴流の正確な制御を容易にするために、短くしてもよい。加速ノズルと標的対象物との間の距離は、撮像ユニットのハウジングの幅と比較して、短くてよい。
【0014】
撮像ユニットの向きは、加速ノズルと標的対象物の距離が短い場合、および/または、測定領域が標的対象物に近い場合にも撮像ユニットが粒子噴流の画像を捕捉するように選択することができる。撮像ユニットは、短い粒子噴流の監視を容易にするために傾けられていてよい。撮像ユニットは、短い粒子噴流の連続的な監視を容易にするために傾けられていてよい。
【0015】
撮像ユニットの角度の向きが、対象物面の角度の向きに影響を及ぼし得る。対象物面の向きが、粒子噴流の粒子に対する撮像ユニットの能力に影響を及ぼし得る。撮像ユニットの被写界深度は、粒子噴流の直径と比較すると小さい場合がある。撮像ユニットの傾斜した向きを使用すると、移動する粒子の光学画像が非常に短い期間のみ鮮明さを維持するように、粒子が測定領域を通って急速に移動する状況が発生する可能性がある。この期間が、捕捉された画像を解析することによって粒子を確実に検出することが困難であるほど短い場合がある。また、捕捉された画像を解析して粒子の速度を正確に測定することが困難なほど短い時間であり得る。
【0016】
撮像素子は、撮像ユニットの光軸に対して傾斜していてよい。画像センサは、短い粒子噴流の効果的な監視を可能にするように、傾斜した向きを有していてよい。画像センサは、標的対象物に近い粒子噴流の効果的な監視を可能にするように、傾斜した向きを有してよい。画像センサの表面法線と撮像ユニットの光軸との間の角度は、ゼロと実質的に異なっていてよい。傾斜した画像センサを使用する場合、移動粒子の速度ベクトルは、撮像ユニットの対象物面と実質的に平行であってよい。傾斜したセンサは、画像認識アルゴリズムを使用することによる粒子の信頼性の高い検出を容易にし得る。傾斜したセンサは、移動粒子の画像を捕捉するためにより長い露光時間を使用することを可能にし得る。傾斜したセンサは、照射パルスシーケンスのより長い時間幅を使用することを可能にすることができる。傾斜したセンサは、粒子の速度の測定の精度を向上させることを可能にすることができる。傾斜したセンサは、粒子噴流の横断方向における空間分解能を向上させることができる。傾斜したセンサは、標的対象物に近い位置での粒子速度の測定を可能にする。傾斜したセンサは、標的対象物の近傍における粒子速度の変化率を測定することを可能にすることができる。さらに、傾斜したセンサは、一部の粒子が標的対象物から跳ね返ったかどうかを検出することを容易にすることができる。
【0017】
粒子噴射の監視によって、溶射装置の最適な動作パラメータを容易に決定することができる。粒子噴流の監視によって、被膜の品質および/または信頼性を向上させることができる。連続的な監視によって、1または複数の測定値が許容範囲外にある場合に被覆プロセスを中断することができる。加速ガスおよび/または粒子は高価である。被覆中に発生した問題によって、標的対象物が不合格になるのであれば、不完全な被覆プロセスを継続する必要はない。粒子噴射を監視することで、不完全な被覆のために不合格となる標的対象物に費やされる費用を削減することができる。
【0018】
被覆作業は、被膜を形成している間、粒子噴流を実質的に連続的に監視するように実行されてよい。たとえば、噴霧ガンは、アクチュエータを使用して標的対象物に対して移動させることができる。アクチュエータは、たとえば、産業用ロボットであってよい。監視装置の撮像ユニットおよび照射ユニットは、撮像ユニットの対象物面が噴霧ガンのノズルの動きを連続的に追跡し得るように、移動する噴霧ガンに機械的に取り付けられてよい。撮像ユニットと照射ユニットとは、ノズルと一緒に移動するようにノズルに取り付けられてよい。
【0019】
コールド噴霧装置の運転コストが高くなる場合がある。被覆粒子のコストおよび/または作動ガスのコストが高くなる可能性がある。連続監視を行う場合、被覆動作中に既に異常動作が検出されることがある。監視装置は、1または複数の速度測定値と基準データとの比較が異常な動作を示す場合に、たとえばアラームを提供するように配設されてよい。被覆プロセスの1または複数の動作パラメータは、監視装置から得られた情報に基づいて、被覆動作中に調整されるかもしれない。動作パラメータを調整しても正常な運転にならない場合などには、塗布作業を終了することができる。異常動作を検出した場合、塗布を中止することができる。
【0020】
粒子噴流の中心軸は、噴霧ガンの加速ノズルの対称軸に対してずれていることがある。噴霧ガンの加速ノズルの位置に関する情報は、時として、誤りである可能性さえある。一実施形態において、本方法は、1または複数の決定された分布に基づいて粒子噴流の中心軸の実際の位置を決定することを含んでいてよい。本方法は、たとえば、1または複数の決定された分布の重心を計算することによって、粒子噴流の中心位置を決定することを含んでいてよい。この方法は、たとえば、1または複数の決定された分布に関数をフィッティングすることによって、粒子噴流の実際の中心位置を決定することを含んでよい。
【0021】
本方法は、粒子噴流の中心軸の決定された位置に関する情報をコールド噴霧装置の制御システムに伝達することを含んでいてよい。コールド噴霧装置の制御システムは、粒子噴流の中心軸の決定された位置に関する情報を使用して、標的対象物に対する粒子噴流の位置を調整および/または補正するように配設されてよい。粒子噴流の実際の中心に関する情報は、標的対象物上に形成される被膜の局所的な厚さの、より正確な制御を促進し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下の実施例では、添付図面を参照して、いくつかの変形例をより詳細に説明する。
【0023】
図1a】例として、ガスダイナミックコールド噴霧によって対象物に被膜を形成する様子を断面図で示している。
図1b】異なるサイズの被覆粒子で被膜を形成するための最小速度と最大速度を例として示している。
図1c】例として、光監視装置を含む塗布装置を示す。
図1d】例として、ノズルの軸と粒子噴流の軸を示している。
図1e】粒子噴流の質量流束の横方向分布を例として示している。
図2a】例として、コールド噴霧で標的対象物に被膜を形成する様子を立体的に示している。
図2b】例として、基準領域を通過する粒子を検出する様子を立体的に示している。
図2c】例として、粒子噴流の測定領域のキャプチャ画像を立体的に示している。
図2d】例として、監視装置のユニットを立体的に示している。
図3a】画像センサの垂直な向きを利用して粒子噴流を監視する様子を側面から見た例である。
図3b】例として、撮像ユニットの傾斜方向を利用して粒子噴流を監視する様子を側面から見ている。
図3c】画像センサの傾斜方向を利用して粒子噴射を監視する様子を側面から見た例である。
図3d】例として、側面図において、撮像ユニットと標的との間のギャップを示している。
図3e】例として、撮像ユニットが噴霧ガンに取り付けられている監視装置を立体的に示す図である。
図4a】例として、照射光のパルスのタイミングを示している。
図4b】例として、測定装置の画像センサが捕捉された画像を示している。
図4c】例として、測定装置の画像センサで捕捉された画像を示している。
図4d図4cのデジタル画像に注釈を加えている。
図4e】例として、捕捉された画像を解析して求めた粒子の速度ベクトルを示している。
図4f】例として、1回の露光時間内に複数のパルス列を供給する場合の光パルスを照射するタイミングを示している。
図5】例として、粒子噴流のある位置における確率分布関数を示している。
図6】例として、捕捉された画像を解析して1または複数の分布の決定を示している。
図7】例として、決定された分布と基準分布の比較を示している。
図8】例として、捕捉された画像を解析して1または複数の速度値を決定し、決定した1または複数の速度値に基づいてコールド噴霧装置の動作を制御するための方法手順を示している。
図9a】例として、折り畳まれた光軸を使用することによって、および画像センサの傾斜方向を使用することによって、粒子噴流を監視することを側面図で示している。
図9b】例として、側面図において、図9aの撮像ユニットと標的との間のギャップを示している。
図9c】例として、折り畳まれた光軸を使用することによって、および画像センサの垂直方向を使用することによって、粒子噴流を監視することを側面図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1aを参照すると、粒子噴流JET0の被覆粒子P0は、速度vで移動することができる。粒子P0は、標的対象物TARG1の表面に衝突したときに変形してよい。噴流JET0の粒子P0は、変形した被覆粒子CP1に変換されてよい。複数の被覆粒子CP1は、標的対象物TARG1に付着していてよい。複数の被覆粒子CP1は、合わせて被膜COAT1を構成してよい。標的対象物TARG1は、たとえば、エンジンの部品、ガスタービンの部品、および/または、航空機の部品であってよい。
【0025】
図1bを参照すると、被膜を形成するのに適した速度範囲は、粒子径DP0に依存し得る。下側の曲線CRV1は、最小速度限界を表し、上側の曲線CRV2は、最大速度限界を表すことがある。被膜を形成するのに適した速度範囲は、上側の曲線CRV2と下側の曲線CRV1との間に存在し得る。限界CRV1より低い速度および限界CRV2より高い速度は、標的対象物TARG1の浸食および/または以前に形成された被膜COAT1の浸食の原因となる場合がある。
【0026】
被覆工程は、最適領域OR1を有してよい。粒子速度および粒子径が最適領域OR1内に存在するように粒子噴流を供給することによって、所望の特性を有する被膜が形成されてよい。最適領域は、たとえば、粒子の材料および標的対象物の材料に依存してよい。
【0027】
コールド噴霧被覆操作は、たとえば、粒子噴流の粒子の少なくとも所定の割合が最適領域OR1内に存在する場合に、有効であると判断され得る。
【0028】
コールド噴霧被覆操作は、たとえば、粒子噴流の粒子の所定割合未満が最適領域OR1内に存在する場合、無効であると判定され得る。
【0029】
図1cを参照すると、被覆装置1000は、粒子噴流JET0の1または複数の速度値を測定するための光学測定装置500を含んでいてよい。1または複数の測定値は、基準データと比較されてもよく、比較の結果に基づいて、噴霧動作が制御されてよい。特に、測定装置500は、粒子噴流JET0の速度分布を測定してよい。測定された分布は、基準分布と比較されてもよく、比較の結果に基づいて、噴霧動作が制御されてよい。
【0030】
装置1000は、粒子P0を高速に加速させることによって粒子噴流JET0を提供してよい。装置1000は、作動ガスGAS0を高速に加速させる加速ノズルNOZ1を含んでいてよい。加速ノズルNOZ1は、たとえば発散ノズルであってよく、作動ガスを超音速、すなわち音速よりも高い速度に加速するように配設されてよい。発散ノズルは、たとえば、ド・ラバルノズル(de Laval nozzle)であってよい。粒子P0は、供給ノズルNOZ1を介して作動ガスGAS0に導かれてよい。加速された作動ガスGAS0は、今度は、粒子P0を高速に加速させてよい。加速された粒子P0は、合わせて粒子噴流JET0を構成してよい。加速ノズルNOZ1は、高速度v、vk+1、vk+2、...で移動する複数の粒子P0,P0k+1,P0k+2,...を含む粒子噴流JET0を供給してよい。ノズルNOZ1は、中心軸AX0を対称に有していてよい。
【0031】
粒子噴流JET0の粒子P0は、被膜COAT1を形成するように、標的対象物TARG1に衝突してよい。装置100は、たとえば、標的対象物TARG1の広い面積に被膜を形成するために、ノズルNOZ1と標的対象物TARG1との間の相対移動を引き起こすためのアクチュエータACU1を含んでよい。特に、アクチュエータACU1は、ノズルNOZ1を移動させるように配設されてよい。
【0032】
作動ガスGAS0は、たとえば、ガスボンベCYL1から供給されてよい。作動ガスGAS0は、たとえば、ヘリウムまたは窒素であってよい。装置1000は、作動ガスGAS0の流量および/または圧力を制御するためのバルブVAL1を含んでいてよい。装置1000は、作動ガスGAS0を加熱するためのヒーターHEAT1を含んでいてよい。作動ガスGAS0は、プレナムチャンバCHA1を介してノズルNOZ1へ導かれてよい。装置1000は、制御された流量で被覆粒子P0を粒子噴流JET0に供給する粒子供給ユニットFEED1を含んでよい。装置1000は、供給ユニットFEED1に粒子P0を供給するための容器SILO1を含んでいてよい。
【0033】
装置1000は、加熱された作動ガスGAS0の圧力および/または温度を監視するための1または複数のセンサG1,G2を含んでいてよい。装置1000は、供給ユニットFEED1から受け取った粒子P0を粒子噴流JET0に導くための供給ノズルNOZ2を含んでいてよい。粒子は、キャリアガスGAS0’を用いて供給ユニットFEED1からノズルNOZ2へ運ばれてよい。たとえば、キャリアガスGAS0’として、作動ガスGAS0の部分流を用いて、供給ユニットFEED1から粒子噴流JET0に粒子を搬送してよい。装置1000は、キャリアガス流の流量および/または圧力を制御するためのバルブVAL2を含んでいてよい。粒子P0およびキャリアガスは、供給ユニットからダクトTUB1を介して供給ノズルNOZ2まで導かれてよい。
【0034】
加速ノズルNOZ1、プレナムチャンバCHA1、および供給ノズルNOZ2は、一緒にユニットGUN1を構成してもよく、たとえば、噴霧ガンと呼ばれることがある。
【0035】
装置1000は、噴霧ガンGUN1の動作を制御する制御部CNT2を含んでもよい。たとえば、制御ユニットCNT2は、選択された動作パラメータPAR1に従って、装置1000の動作を制御するように配設されてよい。動作パラメータPAR1は、たとえば、作動ガスの流量、作動ガスの圧力、作動ガスの温度、粒子の流量、および/または、ノズルNOZ1を移動させるための軌跡であってよい。動作パラメータPAR1は、たとえば、メモリMEM20に記憶されてよい。
【0036】
装置1000は、ユーザに情報を提供するため、および/またはユーザ入力を受信するためのユーザインタフェースUIF2を含んでいてよい。
【0037】
装置1000は、標的TARG1に対するノズルNOZ1の位置を示す位置情報POS1を提供してよい。
【0038】
測定装置500は、装置1000から位置情報POS1を受信してよい。位置情報POS1は、軸AX0の横断方向位置を示していてよい。位置情報POS1は、たとえば、アクチュエータACU1から、アクチュエータACU1の位置センサから、および/または装置1000の制御ユニットCNT2から受信されてよい。位置情報POS1はまた、たとえばアクチュエータACU1が測定装置500の撮像ユニット200に対してノズルを移動させ得る状況において、ノズルNOZ1の軸AX0に対する対象物面O1の相対位置を示すものであってよい。
【0039】
装置1000は、粒子噴流JET0の1または複数の分布を測定するための光学測定装置500を含んでいてよい。測定装置500は、光学測定装置500の対象物面O1の近傍で移動している粒子を検出するように配設されてよい。
【0040】
記号dは、対象物面O1とノズルNOZ1の軸AX0との間の距離を示すことができる。SX、SYおよびSZは、直交する方向を示してよい。方向SYは、ノズルNOZ1の軸線AX0の方向と平行であってよい。方向SXは、たとえば、横方向(lateral direction)と呼ばれてよい。方向SZは、たとえば、横断方向(transcverse direction)と呼ばれてよい。
【0041】
監視装置500は、たとえば、測定された速度値をユーザに表示するための、および/またはユーザからのユーザ入力を受信するためのユーザインタフェースUIF1を含んでいてよい。ユーザインタフェースUIF1は、たとえば、決定された分布をユーザに表示してよい。
【0042】
図1dを参照すると、粒子噴流JET0の中心軸AXJ0は、加速ノズルNOZ1の中心軸AX0に対して変位することもあり、dAXJ0は、たとえば測定装置500の対象物面O1の中心における軸AX0と軸AXJ0との間の距離を示していてよい。変位dAXJ0は、たとえば、噴霧ガンGUN1の1または複数の非対称な流れに起因して生じ得る。たとえば、供給ノズルNOZ2は、加速ノズルNOZ1の軸AX0に対して変位し得る。たとえば、噴霧ガンGUN1のプレナムチャンバCHA1に1または複数のガス流が非対称に導入され得る。
【0043】
加速ノズルNOZ1の軸AX0は、たとえば、加速ノズルNOZ1の対称軸となるように定義されてよい。
【0044】
本方法は、たとえば、標的TARG1の横方向および横断方向の異なる位置における堆積率を正確に制御するために、粒子噴流JET0の中心軸AXJ0の横方向および/または横断方向位置を測定することを含んでいてよい。
【0045】
本方法は、1または複数の決定された分布(v(x),v(z))に基づいて粒子噴流JET0の中心軸AXJ0の位置を決定することを含んでよい。本方法は、粒子噴流(JET0)の中心軸(AXJ0)の決定された位置に応じて、標的対象物(TARG1)に関して粒子噴流(JET0)を移動させることを制御することを含んでよい。
【0046】
噴流JET0の軸AXJ0は、たとえば、粒子噴流JET0の空間質量流束分布の重心にあるように定義されてよい。
【0047】
加速ノズルNOZ1は、出口において内径dNOZ1を有してよい。
【0048】
図1eは、例として、横方向位置座標xの関数としての粒子噴流JET0の相対質量流束J(x)/JMAXを示す。質量流束J(x)の単位は、たとえば、単位時間当たりの単位面積当たりの質量(g/m/s)でよい。JMAXは、質量流束の最大値を表してよい。相対質量流束は、質量流束を最大値JMAXで除算した値を意味してよい。第1近似として、位置(x,y,z)における質量流束J(x,y,z)は、粒子数密度n(x,y,z)に粒子平均速度v(x,y,z)を乗じたものに比例してよい。第1近似に、位置(x,z)において被膜COAT1を形成するための堆積速度は、位置(x,y,z)における質量流束J(x,y,z)に実質的に比例してよい。なお、数密度とは、単位体積あたりの数または粒子を意味する
【0049】
記号xAX0は、ノズルNOZ1の軸AX0の横方向位置を示すことができる。記号xAXJ0は、粒子噴流JET0の軸AXJ0の横方向位置を表してよい。
【0050】
記号xBND1は、質量流束が最大値JMAXの50%に等しい第1横方向位置を示してよく、xBND2は、質量流束が最大値JMAXの50%に等しい第2横方向位置を示してよい。dJET0は、横方向SXにおける粒子噴流JET0の幅を示してよい。粒子噴流JET0の幅dJET0は、たとえば、距離xBND2-xBND1に等しくてよい。粒子噴流JET0の幅dJET0は、たとえば、質量流束分布が最大値JMAXの50%に達する点間の(最大)距離を意味してよい。幅dJET0は、たとえば、質量流束分布J(x,y,z)の全幅-半値幅(FWHM幅)を意味し得る。
【0051】
図2aを参照すると、噴流JET0の移動粒子P0は、標的対象物TARG1に衝突すると、変形し得る。変形した粒子CP1は、標的対象物TARG1の表面SRF2上に堆積層COAT1を形成してよい。記号L2は、加速ノズルNOZ1と標的対象物TARG1の表面SRF2との間の距離を示していてよい。
【0052】
図2bを参照すると、ノズルNOZ1は、基準領域AREA0を介して粒子束を提供してよい。L0は、加速ノズルNOZ1と基準領域AREA0との間の距離を表してよい。噴流は、基準領域AREA0の位置において直径(dJET0)を有していてよい。測定装置500は、測定時間に基準領域AREA0を通過する粒子の速度、個数密度および/またはサイズを測定するように配設されてよい。測定装置500は、基準領域AREA0を通過する粒子の画像を捕捉するように配設されてよい。測定装置500は、基準領域AREA0の近傍の粒子噴流を監視するように配設されてよい。
【0053】
一実施形態において、基準領域AREA0は、たとえば、距離L0が距離L2と実質的に等しくなるように位置決めされてよい。たとえば、ノズルは、装置500がノズルから距離L2で移動している粒子を検出することを監視することができるように、標的対象物から監視位置まで離れて移動されてよい。
【0054】
噴流を実質的に連続的に監視する場合、ノズルと標的との間の距離は、監視の間、L2に等しくてよい。測定装置500は、粒子が標的に衝突する前に粒子を検出するように配設されてよい。距離L0は、距離L2よりも短くてよい。
【0055】
光学測定装置500は、基準領域AREA0を通過する粒子P0の1または複数の特性を測定するように配設されてよい。光学測定装置500は、基準領域AREA0を通過する粒子P0の1または複数の速度値を測定するように配設されてよい。光学測定装置500は、たとえば位置座標xの関数として、および/または位置座標zの関数として、基準領域AREA0における1または複数の速度分布を決定するように配設されてよい。光学測定装置500は、たとえば位置座標xの関数として、および/または位置座標zの関数として、基準領域AREA0における1または複数の数密度分布n(x)、n(z)、n(x,z)、n(x,y,x)、などを決定するように配設されてよい。
【0056】
図2cおよび図2dを参照すると、測定装置500は、撮像ユニット200と、データ処理部400と、を含んで構成されてよい。撮像ユニット200は、粒子噴流JET0の測定領域RG0内に位置する粒子のデジタル画像IMG2を捕捉するように配設されてよい。撮像ユニット200は、高フレームレートで複数の画像を捕捉するように配設されてよい。撮像ユニット200は、ビデオカメラであってよい。
【0057】
測定装置500は、捕捉された画像を解析することによって、1または複数の速度値を測定するように配設されてよい。測定装置500は、捕捉された画像を解析することによって、1または複数の空間分布F1(x),F1(x)を測定するように配設されてよい(図4e)。装置500は、捕捉された画像内の粒子の画像を検出するように配設されてよい。装置500は、捕捉された画像における検出可能な粒子の画像を計数するように配設されてよい。装置500は、同じ粒子の第1サブ画像と第2サブ画像との間の変位から、粒子の速度を決定するように配設されてよい。装置500は、複数の粒子の速度(v,vk+1)から平均速度値(vAVE)を決定するように配設されてよい。
【0058】
たとえば、装置500は、空間的な粒子速度分布を測定するように配設されてよい。測定装置500は、捕捉された画像を解析することによって、横方向速度分布を測定するように配設されてよい。速度分布(vAVE(x))は、たとえば、ノズルNOZ1の軸AX0に対する横方向位置(x)の関数としての粒子平均速度(vAVE)であってよい。横方向位置は、たとえば方向SXのx座標によって指定されてよい。
【0059】
なお、測定装置500は、捕捉された画像を解析して空間速度分布を測定するように配設してよい。粒子P0は、軸AX0の方向に(すなわち、方向SYに)大きな軸方向速度成分vを有していてよい。また、粒子P0は、方向SXの横方向速度成分vおよび/または方向SZの横断方向速度成分vを有していてよい。測定装置500は、測定領域RG0に位置する各粒子について、たとえば速度成分vおよびvを測定するように配設されてよい。測定装置500は、横方向位置xの関数としての軸方向速度成分vについての空間速度分布を測定するように配設されてよい。
【0060】
なお、測定装置500は、捕捉された画像(図5)を解析して、局所速度確率分布(p(v))を測定するように配設してよい。
【0061】
測定装置500は、捕捉された画像を解析することによって、質量流の空間分布を測定するように配設され得る。位置xにおける質量流束の値は、たとえば、測定された速度vAVE(x)と測定された粒子数密度n(x)と定数mP0とを乗算することによって決定され得る。定数mP0は、たとえば、単一の粒子P0の平均質量を表すことができる。
【0062】
1または複数の空間分布は、たとえば、粒子噴流の有効幅(dJET0)についての情報を提供し得る。
【0063】
粒子P0は、照射ユニット100に向けて光LB1を反射、屈折および/または散乱させ得る。粒子P0は、照射光LB0を反射、屈折および/または散乱させることによって、反射光LB1を提供し得る(図2d)。
【0064】
撮像ユニット200は、集光光学系210と画像センサSEN1とを含んで構成されてよい。集光光学系210は、粒子から受光した光LB1を集光して、画像センサSEN1上に光学画像IMG1を形成するように配設されてよい。画像センサSEN1は、1または複数の光学画像IMG1をデジタル画像IMG2に変換し得る。データ処理ユニット400は、画像センサSEN1から得られた1または複数のデジタル画像IMG2を解析するように構成されてよい。データ処理ユニット400は、1または複数のデータ処理操作たとえば1または複数の分布を決定するための操作を実行するように構成されてよい。データ処理ユニット400は、コールド噴霧装置の動作を確認するために、コールド噴霧装置の動作を制御するために、および/または決定された分布が異常領域を含む場合に表示を提供するために構成されてよい。
【0065】
画像センサSEN1は、たとえば、CMOSセンサまたはCCDセンサであってよい。CMOSとは、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を意味する。CCDとは、電荷結像素子(Charge Coupled Device)を意味する。画像センサSEN1は、2次元アレイに配設された複数の光検出画素を含んでよい。
【0066】
デジタル画像IMG2は、方向SξおよびSνによって規定される画像空間において、幅ξIMGおよび高さνIMGを有し得る。軸AX0の画像は、たとえば、方向Sξと実質的に平行であってよい。方向Sνは、方向Sξに対して垂直であってよい(図4b)。
【0067】
SX、SYおよびSZは直交する方向を示す場合がある。ノズルNOZ1の軸AX0は、方向SYと平行であってよい。方向SXは、横方向と呼ばれてもよい。方向SZは、横断方向と呼ばれてもよい。撮像ユニット200は、光軸AX2を有してよい。撮像ユニット200の光軸AX2は、たとえば、ノズルNOZ1の軸AX0に対して横断方向であってよい。
【0068】
測定装置500の測定領域RG0は、実質的に平面的な堆積であってよく、測定領域RG0の中央部に対象物面O1を含む。測定領域RG0の厚さは、横断方向SZにおける被写界深度d12に等しくてよい。測定領域RG0は、対象物面O1から、方向SZに、および、また反対方向-SZに被写界深度d12の50%の距離だけ延びてよい。
【0069】
撮像ユニット200の被写界深度d12は、たとえば2mmより小さくてもよく、有利には0.1mm~1.0mmの範囲であってよい。
【0070】
被写界深度d12は、たとえば、ノズルNOZ1の出口端部における粒子噴流JET0の幅dの2%~40%の範囲であってよい。
【0071】
対象物面O1と結像光学系210との距離aは、たとえば、ノズルNOZ1の出口端部における粒子噴流JET0の横断方向幅dJET0の5~50倍の範囲であってよい。
【0072】
撮像ユニット200は、粒子が測定領域RG0内にあるとき、画像センサSEN1上に粒子の実質的にシャープな画像を形成し得る。撮像ユニット200は、粒子が対象物面O1から被写界深度d12の50%以内にあるとき、画像センサSEN1上に粒子の実質的に鮮明な画像を形成してよい。撮像ユニット200は、粒子が測定領域RG0の外側にあるが測定領域RG0に近いとき、画像センサSEN1上に粒子のぼやけた画像を形成し得る。それでも、粒子によっては、測定領域RG0から大きく離れていて、撮像ユニット200がそれらの粒子の検出可能な画像を形成しない場合がある。
【0073】
画像センサSEN1上に形成される各光学画像IMG1は、測定領域RG0の画像であり得る。画像IMG1は、粒子噴流JET0の移動粒子P0の1または複数のサブ画像P1を含み得る。測定領域RG0は、たとえば撮像ユニット200の対象物面と呼ばれる中心面O1を有し得る。撮像光学系210は、限定された被写界深度d12を有し得る。その結果、撮像ユニット200は、当該粒子P0が対象物面O1上に位置する場合にのみ、粒子P0の鮮明なサブ画像P1を撮像素子SEN1上に形成し得る。また、粒子P0と対象物面O1との間の距離がゼロよりも大きい場合には、粒子P0のサブ画像P1は、鮮鋭度が低い、すなわち、わずかにぼやけた画像であり得る。測定領域RG0は、第1境界E1と第2境界E2との間に位置し得る。対象物面O1は、境界E1,E2の間に位置し得る。境界E1,E2の間の距離は、撮像ユニット200の被写界深度d12に等しくてよい。測定領域RG0は、横断方向SZに厚さd12を有していてよい。
【0074】
装置1000は、ノズルNOZ1の軸AX0に対する、対象物面O1の横断方向位置zを変更するように配設され得る。対象物面O1の横断方向位置zは、たとえば、撮像ユニット200に対してノズルNOZ1を移動させるためのアクチュエータACU1を用いて変更されてよい。アクチュエータACU1は、ノズルNOZ1をたとえば方向SZに移動させる。アクチュエータACU1は、たとえば、平行移動を含んでもよく、1または複数のステッピングモータによって移動される。アクチュエータACU1は、たとえば、産業用ロボットであってよい。
【0075】
連続的な監視のために、撮像ユニット200は、ノズルNOZ1の移動中、対象物面O1の位置がノズルNOZ1に対して固定されたままであってよいように、ノズルNOZ1に取り付けられてよい。
【0076】
粒子噴流JET0の各移動粒子P0は、ノズルNOZ1の軸AX0に対して瞬間的な横方向位置xを有していてよい。
【0077】
測定領域RG0の外にある粒子P0は、画像センサSEN1上でぼやけたサブ画像を有することができる。装置500は、粒子の速度を決定するための基準としてぼやけたサブ画像が使用されないように動作するように配設されてよい。
【0078】
撮像ユニット200は、画像センサSEN1の露光時間Texの間、測定領域RG0に位置する各粒子P0の実質的にシャープな画像P1を形成し得る。撮像ユニット200は、照射光パルスLB0のトリガー中に、測定領域RG0に位置する各粒子P0の実質的に鮮明な画像P1を形成してよい。画像センサSEN1の活性領域上に形成される光学画像IMG1は、複数のサブ画像P1を含んでよい。各サブ画像P1は、粒子P0の画像であってよい。画像センサSEN1は、光学画像IMG1をデジタル(捕捉)画像IMG2に変換してよい。
【0079】
撮像ユニット200によって捕捉された画像IMG2は、測定領域RG0と粒子噴流JET0との共通の重なり部分を表し得る。1つの捕捉された画像に現れる粒子の平均数は、たとえば、2~1000の範囲内であってよい。1つの捕捉された画像に現れる粒子の平均数は、たとえば、10~100の範囲内であってよい。粒子P0のサブ画像P1は、画像解析アルゴリズムによって検出され得る。粒子P0は、画像IMG2の捕捉中に高速で移動し得る。捕捉された画像に現れる各粒子の速度は、変位値Δuと、露光および/または照射のタイミングとから決定され得る。各粒子P0の光学画像P1は、画像IMG2の捕捉中に移動し得る。光学画像の移動は、変位値Δuを規定してもよく、この変位値Δuは、画像解析によって、捕捉された画像IMG2から決定され得る。粒子P0の各実質的にシャープな画像P1は、変位値Δuと関連付けられ得る。粒子P0の速度vは、変位値Δuと、照射の継続時間(T)および/または露光時間Texとから決定され得る。
【0080】
測定装置500は、捕捉されたデジタル画像IMG2を解析することによって1または複数の速度値を決定するためのデータプロセッサ400を含み得る。決定された速度値は、たとえば、メモリMEM1に格納され得る。測定装置500は、捕捉されたデジタル画像IMG2を解析することによって1または複数の横方向分布F1(x),F1(x)を形成するためのデータ処理装置400を含んでもよい。横方向分布F1(x),F1(x)は、たとえば、メモリMEM1に記憶され得る。
【0081】
測定装置500は、対象物面O1が軸AX0に対して第1横断方向位置z1にあるとき(たとえば、d=z1)、粒子噴流JET0の第1画像IMG2z1を捕捉し得る。測定装置500は、対象物面O1が軸AX0に対して異なる第2横断方向位置z2にあるとき(たとえばd=z2)、粒子噴流JET0の第2画像IMG2z2を捕捉してよい。測定装置500は、第1捕捉画像を解析することによって、第1横方向分布F1(x)を決定し得る。測定装置500は、第2捕捉画像IMG2を解析することによって、第2横方向分布F1(x)を決定してよい。測定装置500は、横方向分布から1または複数の横断方向分布を決定するように配設されてよい。
【0082】
連続監視の間、対象物面O1はノズルに対して固定された位置に留まることができる。たとえば、対象物面O1は、ノズルの軸AX0と実質的に一致し得る。たとえば、対象物面O1は、横方向速度分布が噴霧装置の異常な動作状態に敏感に反応する位置(たとえば、z=z1)に設定され得る。
【0083】
図2dを参照すると、監視装置500は、照射光LB0を提供するための照射ユニット100を含み得る。照射ユニット100は、シート状の照射光LB0を提供してよい。照射ユニット100は、測定領域RG0を照射するために、シート状の照射光LB0を提供するように配設され得る。照射光のシートLB0は、測定領域RG0に重なってよい。照射光のシートLB0は、対象物面O1を含み得る。照射光のシートLB0は、対象物面O1と実質的に平行であってよい。照射ユニット100は、照射光LB0を提供するために、たとえば1または複数のレーザエミッタを含んでよい。照射ユニット100は、照射光LB0を提供するために、たとえば1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含んでよい。
【0084】
照射ユニット100の位置は、照射光LB0が測定領域RG0に重なり得るように、および/または照射光LB0が対象物面O1と実質的に平行になり得るように、たとえば撮像ユニット200の位置と機械的に結合されてよい。照射ユニット100は、撮像ユニット200に取り付けられてよい。
【0085】
照射ユニット100は、照射光パルスのシートLB0を提供するように配設されてよい。シートは、厚さd0を有し得る。照射シートの厚さd0は、たとえば、被写界深度d12より小さくてもよく(d0>d12)、被写界深度d12と実質的に等しくてもよく(d0=d12)、被写界深度d12より大きくてもよい(d0>d12)。被写界深度d12より小さいかまたは被写界深度d12に等しい厚さd0を使用すると、捕捉された画像からぼやけたサブ画像を除去することによって、捕捉された画像の解析を容易にすることができる。
【0086】
照射光ビームLB0は、光軸AX2の方向にたとえば厚さd0を有してよい。照射ユニット100は、たとえば実質的に平面的な光ビームを提供するように配設されてよい。光シートによって噴流を照射することで、厚さd0および/または測定領域RG0の位置を正確に定義することができる。
【0087】
照射ユニット100は、照射光ビームLB0を変調するように配設され得る。照射ユニット100は、制御信号S100に従って、照射光ビームLB0の光強度を変調するように配設されてよい。測定装置500は、照射光ビームLB0を変調するための制御信号S100を提供するように配設し得る。制御信号S100は、たとえば、照射ユニット100の動作のタイミングを制御するためのタイミングパルスを含んでいてよい。照射ユニット100は、1または複数の照射光パルスLB0を提供するように配設されてよい。
【0088】
画像センサSEN1は、1または複数の光学画像IMG1をデジタル画像IMG2に変換し得る。データ処理ユニット400は、画像センサSEN1から得られた1または複数のデジタル画像IMG2を解析するように構成され得る。データ処理ユニット400は、1または複数のデータ処理装置を含んでよい。データ処理ユニット400は、1または複数のデータ処理動作を行うように構成されてよく、たとえば、1または複数の速度値を決定するためのデータ処理動作、分布を決定するためのデータ処理動作、決定された分布を参照データと比較するためのデータ処理動作、および/または比較の結果に基づいて制御動作を実行するためのデータ処理動作を行うように構成され得る。データ処理ユニット400は、コールド噴霧装置の動作を確認するように、コールド噴霧装置の動作を制御するように、および/または決定された分布が異常領域を含む場合の指示を提供するように構成されてもよい。
【0089】
装置500は、1または複数の分布F1(x),F1(x)を記憶するためのメモリMEM1を含み得る。たとえば、第1横方向分布F1(x)は、対象物面O1が第1位置z=zにあるときに捕捉された画像IMG2からたとえば決定されてもよく、第2横方向分布F1(x)は、対象物面O1が異なる第2位置z=zにあるときに捕捉された画像IMG2からたとえば決定されてよい。たとえば、決定された分布F1(x)を基準分布REF1(たとえば図7参照)と比較することによって、異常状態が検出されてよい。装置500は、1または複数の基準分布REF1を記憶するためのメモリMEM2を含んでよい。
【0090】
装置500は、ユーザからユーザ入力を受信するための、および/またはユーザに情報を提供するためのユーザインタフェースUIF1を含み得る。ユーザインタフェースUIF1は、ユーザ入力を受信するためのたとえばキーパッドまたはタッチスクリーンを含んでよい。ユーザインタフェースUIF1は、視覚情報を表示するためのたとえばディスプレイを含んでもよい。ユーザインタフェースUIF1は、たとえば、画像を解析することによって決定された1または複数の測定値を表示するためのディスプレイを含んでよい。ユーザインタフェースUIF1は、たとえば、1または複数の決定された分布を表示するためのディスプレイを含んでもよい。ユーザインタフェースUIF1は、たとえば、装置によって測定された1または複数の値が許容範囲外である場合に表示を行うためのディスプレイを含んでもよい。ユーザインタフェースUIF1は、装置によって測定された1または複数の速度値が許容範囲外である場合に指示を提供するためのたとえば音声出力装置を含んでよい。ユーザインタフェースUIF1は、装置によって測定された1または複数の速度値が許容範囲外である場合に、視覚的なアラームおよび/またはアラーム音を提供するように構成されよい。
【0091】
装置500は、データを受信および/または送信するための通信ユニットRXTX1を含み得る。装置500は、たとえば、通信ユニットRXTX1を介してコールド噴霧装置1000の制御ユニットCNT2と通信するように配設されもよい。装置500は、通信ユニットRXTX1を介して、たとえば、位置情報POS1を受信してもよい。位置情報POS1は、たとえば、ノズルNOZ1の位置を示す。装置500は、通信ユニットRXTX1を介して、プロセス制御データを送信してもよい。プロセス制御データは、たとえば、コールド噴霧装置1000の1または複数のプロセスパラメータPAR1を調整するためのデータで構成され得る。装置500は、通信ユニットRXTX1を介して1または複数の測定値を送信し得る。装置500は、たとえばインターネットサーバーに1または複数の測定値を送信してよい。
【0092】
装置500は、コンピュータプログラムコードPROG1を格納するためのメモリMEM3を含んでよい。
【0093】
コードPROG1は、1または複数のデータプロセッサによって実行されると、システムまたは装置500に、捕捉された画像を解析することによって1または複数の速度値を決定し、1または複数の速度値を参照データと比較し、比較の結果に基づいて噴霧装置の動作を制御させることができる。
【0094】
コードPROG1は、1または複数のデータプロセッサによって実行されると、システムまたは装置500に、キャプチャされた画像を解析することによって1または複数の分布F1(x)を決定すること、1または複数の分布F1(x)を参照データREF1と比較すること、および比較の結果に基づいて散布装置の動作を制御することを行わせることができる。
【0095】
1または複数の決定された値は、ユーザおよび/またはシステムに提供され得る。たとえば、1または複数の決定された分布は、ユーザインタフェースUIF1のディスプレイ上に表示されてよい。
【0096】
たとえば、1または複数の決定された分布は、識別子に関連付けられ、データベースに格納される場合がある。決定されたデータは、たとえば、保護されたデータアーカイブに格納され得る。保存されたデータは、その後、識別子に基づいてデータベース(アーカイブ)から検索される場合がある。標的対象物は、たとえば、航空機の部品であってもよく、この場合、アーカイブされた製造データを後で調査する可能性があることが有用である場合がある。データベースは、その後、たとえばインターネットサーバーを介してアクセスすることができる。
【0097】
図3a~図3cは、撮像ユニット200の対象物面O1の角度の向きαに対する画像センサの角度の向きβの影響を説明する図である。
【0098】
図3aは、撮像ユニット200の光軸AX2と加速ノズルNOZ1の中心軸との間の角度γ1が90°に等しく、画像センサSEN1のアクティブエリアACT1と光軸AX2との間の角度β1が90°に等しい場合の設定図である。すなわち、図3aは、撮像ユニット200の光軸AX2が加速ノズルNOZ1の軸AX0に垂直であり、画像センサSEN1が光軸AX2に垂直である状況を示している。図3aの構成は、たとえば、ノズルNOZ1と標的TARG1との間の距離L2が非常に大きく、撮像ユニット200の垂直な向きを用いて粒子噴流JET0の画像を捕捉することができる場合に使用され得る。なお、画像センサSEN1は、監視が可能なようにノズルNOZ1を標的TARG1から具体的に遠ざけた場合にも、光軸AX2に対して垂直であってよい。
【0099】
粒子噴流JET0は、複数の粒子、たとえば、P0,P0k+1を含んでよい。一部の粒子は、対象物面O1内に位置していてもよく、一部の粒子は、対象物面O1の外側に位置していてもよい。撮像ユニット200は、粒子が対象物面O1内にある場合にのみ、画像センサSEN1上に粒子の鮮明な画像を形成してよい。また、撮像ユニット200は、粒子が対象物面O1から外れているが測定領域RG0の内部にあるとき、画像センサSEN1上に粒子の僅かにぼやけた画像を形成してもよい。
【0100】
撮像ユニット200は、撮像素子SEN1上に対象物面O1の鮮明な画像を形成し得る。移動粒子P0,P0k+1の速度ベクトルv,vk+1は、光軸AX2の垂直方向により、図3aの対象物面O1と実質的に平行であってよい。画像センサSEN1上に形成される光学画像IMG1は、対象物面O1内を移動する粒子のシャープな画像P1,P1k+1を含んでもよい。画像センサSEN1は、光学画像IMG1をデジタル画像IMG2に変換することによって、捕捉画像IMG2を提供してもよい。
【0101】
撮像光学系210は、粒子P0kからの光LB1を集め得る。撮像光学系210は、集めた光LB1を集光して集光ビームLB1’を形成してもよい。集光ビームLB1’は、粒子P0kの鮮明な画像P1を画像センサSEN1上に形成するように、画像センサSEN1に衝突してもよい。結像光学系210は、粒子P0の鮮明な像P1を画像センサSEN1の活性領域ACT1上に結像させてもよい。アクティブエリアは、画像センサの活性光線検出面を意味する。
【0102】
撮像光学系210は、対象物面O1の鮮明な画像を形成し得る。撮像光学系210は、像面IP1上に対象物面O1の鮮明な像を形成してもよい。対象物面O1は、たとえば、第1対象物点Qaおよび第2対象物点Qbを有し得る。撮像光学系210は、第1対象物点Qaのシャープな像点Qa’を形成してもよい。結像光学系210は、第2対象物点Qbのシャープな像点Qb’を形成してもよい。
【0103】
記号γ1は、撮像ユニット200の光軸AX2と加速ノズルNOZ1の中心軸AX0との間の角度を示す。α1は、撮像ユニット200の光軸AX2と、撮像ユニット200の対象物面O1とのなす角度を示す。
【0104】
画像センサのセンサ面(ACT1)は、画像センサの光検出画素によって規定される平面であってよい。センサ面は、たとえば、活性光線検出面、または、活性領域β1と呼ばれることもある。β1は、撮像ユニット200の光軸AX2と画像センサSEN1のセンサ面(ACT1)との間の角度を示す。
【0105】
記号cは、撮像光学系210の中心K1と、撮像ユニット200の筐体270の外面との間の距離を示し得る。距離cは、ノズルNOZ1の軸AX0の方向で測定され得る。図3aの構成は、たとえば、ノズルNOZ1と標的TARG1との間の距離L2が距離cより大きい場合に使用され得る。
【0106】
図3bを参照すると、加速ノズルNOZ1と標的対象物TARG1との距離L2が小さい状況において粒子噴流JET0を監視するために、撮像ユニット200が傾斜していてよい。図3bは、光軸AX2が加速ノズルNOZ1の軸AX0に対して傾斜しており、画像センサSEN1が光軸AX2に対して垂直であり、対象物面O1が光軸AX2に対して垂直である比較構成を表している。図3bの撮像ユニット200の対象物面O1は、移動粒子P0,P0k+1の速度ベクトルv,vk+1に対して傾斜している。その結果、粒子は対象物面O1内を急速に移動するので、粒子の画像はごく短時間の間だけ鮮明さを維持することができる。対象物面内に瞬間的に位置する各粒子は、対象物面から急速に移動する可能性がある。このように短時間であるので、捕捉された画像を解析して粒子を確実に検出すること、および/または捕捉された画像を解析して粒子の速度を正確に測定することが困難となる場合がある。
【0107】
図3cを参照すると、短い粒子噴流JET0を監視するために、すなわち距離L2が小さいときに、撮像ユニット200はたとえば傾斜していてもよい。撮像ユニット200は、たとえば、標的TARG1に近い測定領域RG0を監視するために傾斜していてもよい。撮像ユニット200は、たとえば、撮像ユニット200と標的TARG1との間に保護ギャップGAP2を設けるために傾斜していてもよい。
【0108】
撮像ユニット200が傾斜した姿勢のときに噴流JET0の監視を容易にするために、画像センサSEN1は光軸AX2に対して傾斜していてもよい。画像センサSEN1は、撮像ユニット200の光軸AX2が加速ノズルNOZ1の中心軸AX0に対して傾斜している状況において、噴流JET0の粒子P0の移動方向(v,vk+1)と実質的に平行なたとえば対象物面O1を提供するために傾斜した姿勢を有し得る。撮像素子SEN1は、ノズルNOZ1の中心軸AX0と実質的に平行な対象物面O1を提供するために、傾斜した向きを有し得る。
【0109】
移動粒子P0,P0k+1の速度ベクトルv,vk+1は、対象物面O1と実質的に平行であってよい。測定領域RG0を経由して移動する粒子の速度ベクトルv,vk+1の平均方向は、対象物面O1と実質的に平行であり得る。その結果、移動する粒子の画像は、より長い時間にわたって鮮明さを維持することができる。より長い時間は、捕捉された画像を解析することによる粒子の信頼性の高い検出を容易にし得る。より長い時間は、捕捉された画像を解析することによる粒子の速度の正確な測定を容易にし得る。
【0110】
粒子噴流の1または複数の特性は、画像センサSEN1によって捕捉された、粒子の実質的にシャープな、1または複数の画像を解析することによって決定され得る。
【0111】
画像センサの傾斜方向は、標的に近い粒子噴流を監視することを可能にし得る。画像センサの傾斜方向は、標的に近い粒子噴流を実質的に連続的に監視することを可能にし得る。画像センサの傾斜方向は、撮像ユニットと標的との間に十分な保護ギャップGAP2が残っている状況において、粒子噴流の監視を可能にすることができる。画像センサの傾斜方向は、ノズルと標的との間の距離L2が小さい場合に、粒子噴流の監視を可能にし得る。たとえば、加速ノズルNOZ1と標的対象物TARG1との間の距離L2は、撮像光学系210の中心K1と撮像ユニット200のハウジング270との間の距離c2よりも実質的に短くてもよい。
【0112】
撮像光学系210は、粒子P0からの光LB1を集光し得る。撮像光学系210は、集めた光LB1を集光して集光ビームLB1’を形成してもよい。集光ビームLB1’は、粒子P0kの鮮明な画像P1を画像センサSEN1上に形成するように、画像センサSEN1に衝突し得る。結像光学系210は、粒子P0の鮮明な像P1を画像センサSEN1の活性領域ACT1上に結像させてもよい。
【0113】
撮像光学系210は、粒子P0k+1からの光LB1k+1を集めてもよい。撮像光学系210は、集めた光LB1k+1を集光して集光ビームLB1’k+1を形成し得る。集光ビームLB1’k+1は、粒子P0k+1の鮮明な画像P1k+1を画像センサSEN1上に形成するように、画像センサSEN1に衝突してよい。結像光学系210は、粒子P0k+1のシャープな像P1k+1を画像センサSEN1の活性領域ACT1上に結像させてもよい。
【0114】
また、集光ビームLB1’のくびれが画像センサSEN1の表面と一致するように、かつ集光ビームLB1’k+1のくびれが画像センサSEN1の表面と一致するように画像センサSEN1は、傾き得る。言い換えれば、集光ビームLB1’のくびれと集光ビームLB1’k+1のくびれとが画像センサSEN1のセンサ面ACT1と一致するように画像センサSEN1が傾斜し得る。
【0115】
対象物面O1は、たとえば、第1対象物点Qaと第2対象物点Qbとを有し得る。撮像光学系210は、第1対象物点Qaのシャープな像点Qa’を形成し得る。結像光学系210は、第2対象物点Qbのシャープな像点Qb’を形成してもよい。撮像光学系210は、対象物面O1のシャープな像を像面IP1上に形成してもよい。像面IP1は、像点Qa’,Qb’を含んでよい。画像センサSEN1の傾斜方向は、対象物面O1が粒子噴流JET0の粒子の速度ベクトル(v,vk+1)と実質的に平行となるように選択され得る。画像センサSEN1の傾斜方向は、画像センサSEN1のセンサ平面ACT1が画像平面IP1と一致し得るように選択されてよい。集光ビームLB1’は、点Qa’においてくびれを有してよい。集光ビームLB1’k+1は、点Qb’においてくびれを有してよい。ビームのくびれは、ビームの最も狭い領域を意味する。撮像光学系210は、センサSEN1のアクティブエリア上に第1対象物点Qaのシャープな像点Qa’を形成し得る。結像光学系210は、センサSEN1のアクティブエリア上に第2対象物点Qbのシャープな像点Qb’を形成してもよい。
【0116】
ノズルNOZ1の中心軸AX0と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度γ1は、たとえば45°~85°の範囲であってよく、有利には70°~80°の範囲であってよい。
【0117】
なお、記号α1は、対象物面O1と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度を示し得る。対象物面O1は、光軸AX2に対して傾斜していてよい。対象物面O1と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度α1は、たとえば45°~85°の範囲内、有利には70°~80°の範囲内であってよい。
【0118】
画像センサSEN1のセンサ面(ACT1)と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度β1は、たとえば65°~89°の範囲であってよく、有利には75°~85°の範囲であってよい。画像センサSEN1の表面法線と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度(90°-β1)は、それぞれ、たとえば、1°~25°の範囲内、有利には5°~15°の範囲内であってよい。
【0119】
撮像ユニット200の光軸AX2は、撮像光学系210の中心点K1と、撮像素子SEN1の活性領域の中心点K2とによって規定され得る。光軸AX2は、光学系210のK1を通過した光が画像センサSEN1の受光能動領域ACT1の中心K2まで伝播する経路を規定する線であってよい。
【0120】
撮像ユニット200は、筐体270を含んで構成され得る。撮像ユニット200のハウジング270の大きさは、画像センサSEN1のアクティブエリアACT1の大きさより実質的に大きくてよい。撮像ユニット200の幅は、画像センサSEN1のアクティブエリアACT1の幅より実質的に大きくよい。
【0121】
図3dを参照すると、加速ノズルNOZ1は、粒子噴流JET0に加えて、ガス噴流を提供し得る。ガス噴流は、加速ガスGAS0を含んでもよいし、加速ガスGAS0を含んでもよい。ガス噴流は、標的TARG1に衝突し得る。衝突したガス噴流は、軸AX0から離れるように標的TARG1の表面に沿って広がり得る壁面噴流JET5を形成し得る。壁面噴流JET5は、ノズルNOZ1から噴出された加速ガスGAS0を含んでもよい。壁面噴流JET5は、巻き込まれた周囲ガス、たとえば周囲空気、再循環する加速ガスGAS0および/または保護ガスを含んでもよい。壁面噴流JET5は、標的TARG1に付着していない跳ね返された被覆粒子(BP0)を含み得る。壁面噴流JET5のガスおよび粒子BP0は、標的TARG1の表面に沿って、軸AX0から放射状に離れるように伝播し得る。壁面噴流JET5は、撮像ユニット200の加熱および/または汚染を引き起こす可能性がある。粒子は、たとえば光学系210に付着することによって撮像ユニット200の動作を妨害する可能性がある。撮像ユニット200と標的TARG1との間のギャップGAP2は、撮像ユニット200に対する壁面噴流JET5の加熱および/または汚染の影響を低減または回避するように、壁面噴流JET5のための経路を提供し得る。L5は、撮像ユニット200と標的TARG1との間の最小距離を示し得る。保護ギャップGAP2は、軸AX0の方向に幅L5を有し得る。保護ギャップGAP2の幅L5は、たとえば5mm以上であってよく、有利には15mm以上であってよい。保護ギャップGAP2は、たとえば、標的対象物TARG1の凸状または凹状の表面部分を被覆する場合にも有用である(図9bも参照)。
【0122】
図3eを参照すると、監視装置500は、標的TARG1上に被膜COAT1を形成している間、粒子噴流を実質的に連続的に監視するように動作するように配設され得る。
【0123】
加速ノズルNOZ1と撮像ユニット200の組み合わせを標的対象物TARG1に対して移動させるアクチュエータACU1が配設され得る。アクチュエータACU1は、対象物面O1とノズルNOZ1の軸AX0との間の距離(d1)が当該移動中に実質的に一定となるように、加速ノズルNOZ1および撮像ユニット200の組み合わせを移動させ得る。また、ノズルNOZ1と対象物面O1とが同じ方向(たとえば方向SZ)に同じ距離を移動し得るように、撮像ユニット200と照射ユニット100とが移動ノズルNOZ1に取り付けられ得る。
【0124】
照射ユニット100は、照射光シートLB0の位置が対象物面O1と一致するように、たとえば1または複数の支持構造291,292によって撮像ユニット200に機械的に接続され得る。撮像ユニット200および照射ユニット100は、1または複数の機械的支持構造291,292によって移動散布ガンGUN1に取り付けられ得る。また、ノズル、撮像ユニット200、および照射ユニット100は、アクチュエータACU1の可動部に取り付けられ得る。構造体291,292は、ノズルNOZ1に対する撮像ユニット200および照射ユニット100の位置を固定し得る。ユニット100,200とNOZ1との間の剛性機械的接続は、たとえばアクチュエータACU1を使用することによってノズルNOZ1を標的対象物TARG1に対して移動させる状況において、対象物面O1および照射シートLB0がノズルNOZ1に対して同じ相対位置に留まり得ることを簡単かつ確実な方法で保証し得る。アクチュエータACU1は、撮像ユニット200、および照射ユニット100をノズルNOZ1と共に移動させるように配設され得る。また、アクチュエータACU1は、加速ノズルNOZ1、撮像ユニット200、および照射ユニット100の組み合わせを、標的対象物TARG1に対して移動させるように配設され得る。
【0125】
撮像ユニット200は、たとえば、標的TARG1に近い粒子噴流JET0の監視を容易にするために、傾斜画像センサSEN1を含んで構成されて得る。撮像ユニット200は、被覆動作中の粒子噴流JET0の実質的に連続的な監視を容易にするために、傾斜画像センサSEN1を含み得る。
【0126】
監視装置500は、捕捉された画像を解析することによって1または複数の速度値を提供するように配設され得る。監視装置500は、たとえば速度分布vAVE(x)および/または粒子数密度分布n(x)を提供するように配設され得る。
【0127】
図4aおよび図4bを参照すると、撮像ユニット200は、画像センサSEN1の露光時間Texの間、測定領域RG0に位置する各粒子P0の画像P1を形成してよい。画像センサSEN1のアクティブエリアACT1上に形成される光学画像IMG1は、複数のサブ画像P1を含んでよい。各サブ画像P1は、粒子P0の画像であってよい。画像センサSEN1は、光学画像IMG1をデジタル(捕捉)画像IMG2に変換してよい。キャプチャされた(単一の)デジタル画像IMG2は、露光時間Texの間に画像センサSEN1上に形成された全ての光学画像IMG1を表してよい。
【0128】
撮像ユニット200によって捕捉された画像IMG2は、粒子噴流JET0の領域RG0を表していてよい。一枚の捕捉された画像に現れる粒子の平均数は、たとえば、2~1000の範囲内であってよい。1枚の捕捉された画像に現れる粒子の平均数は、たとえば、10~100の範囲内であってよい。粒子P0のサブ画像P1は、画像解析アルゴリズムによって検出されてよい。粒子P0は、画像IMG2の捕捉中に高速で移動していてよい。捕捉された画像に現れる各粒子の速度は、変位値Δuと、露光および/または照射のタイミングとから決定され得る。各粒子P0の光学画像P1は、画像IMG2の捕捉中に移動し得る。光学画像の移動は、変位値Δuを規定してもよく、この変位値Δuは、画像解析によって、捕捉された画像IMG2から決定され得る。粒子P0の各実質的にシャープな画像P1は、変位値Δuと関連付けられ得る。粒子P0の速度vは、変位値Δuと、照射の継続時間(T)および/または露光時間Texとから決定され得る。
【0129】
照射光パルス列SEQ1,SEQ2を用いる場合、粒子P0の速度vは、変位値Δuと、照射光パルスLB0のタイミング(たとえばt3-t1)とから決定されてよい。特に、粒子の軸方向速度は、Δu/Tに実質的に比例してよい。
【0130】
図4aは、例として、測定領域RG0における照射光LB0の光強度の時間変化を示す。
【0131】
照射ユニット100は、たとえば、画像解析アルゴリズムによるサブ画像P1の検出を容易にするために、パルスシーケンスSEQ1、SEQ2を提供するように配設されてよい。パルスシーケンスSEQ1は、たとえば2つ以上のパルスを含んでよい。第1パルスシーケンスは、たとえば時刻t1,t2,t3で開始するパルスを含んでよい。第2パルスSEQ2シーケンスは、たとえば時刻t1’,t2’,t3’で開始するパルスを含んでよい。
【0132】
粒子P0は、露光時間Texの間、光パルスLB0のシーケンスSEQ1によって照射されてよい。第1画像IMG2t0を取込むための第1露光時間は、時刻t0に開始されてよい。第1照射光パルスLB0は、時刻t1に開始されてよい。Tは、照射光パルスLB0の持続時間を示してよい。第2画像IMG2t0’をキャプチャするための第2露光時間は、時刻t0’で開始してよい。照射光パルスLB0の第2シーケンスSEQ2は、時刻t0’に開始されてよい。
【0133】
図4bを参照すると、デジタル画像IMG2は、たとえば、サブ画像P1t1,P1t2,P1t3を含んでよい。各サブ画像P1は、粒子P0の画像であってよい。また、サブ画像P1k+1は、粒子P0k+1の画像であってよい。サブ画像P1k+2は、粒子P0k+2の画像であってよい。
【0134】
各サブ画像P1の寸法は、対応する粒子P0の速度に実質的に比例し得る。1または複数のサブ画像P1は、方向Sξにおいて寸法Δuを有し得る。1または複数のサブ画像P1k+1は、寸法Δuk+1を有し得る。1または複数のサブ画像P1k+2は、寸法Δuk+2を有し得る。
【0135】
露光時間Texは、各粒子P0がデジタル画像IMG2に現れる2つ以上のサブ画像P1から形成されるグループGRPによって表されるように、複数の光パルスを時間的にオーバーラップさせてよい。たとえば、粒子P0は、サブ画像P1t1,P1k,t2,P1k,t3の第1グループGRPによって表されてよい。隣接するサブ画像P1k,t1,P1k,t2間の距離は、粒子P0kの速度vおよび光パルスのタイミングに依存し得る。
【0136】
サブ画像P1k,t1,P1k,t2,P1k,t3の第1グループGRPは、方向Sξに寸法Δuを有していてよい。第2グループGRPk+1は、寸法Δuk+1を有してよい。第3グループGRPk+2は、寸法Δuk+2を有してよい。
【0137】
サブ画像は、たとえば、画像解析アルゴリズムによって検出され得る。装置500は、画像解析アルゴリズムを使用することによってサブ画像を検出するように構成され得る。装置500は、画像解析アルゴリズムを使用することによって、1または複数のキャプチャ画像IMG2から寸法Δu,Δuk+1,Δuk+2を決定するように構成され得る。
【0138】
個々の粒子P1の速度は、対応するサブ画像P1の寸法Δuと、照射光パルスLB0のタイミングまたは持続時間Tとから計算され得る。たとえば、粒子P0の速度vは、値Δu/Tに実質的に比例し得る。
【0139】
デジタル画像IMG2は、方向SξおよびSνによって定義される画像空間において、幅ξIMGおよび高さνIMGを有してよい。軸AX0の画像は、方向Sξと平行であり得る。また、方向Sνは、方向Sξに垂直であり得る。
【0140】
幅ξIMGは、たとえば1024ピクセルに等しくてもよく、高さνIMGは、たとえば512ピクセルに等しくてもよい。
【0141】
また、粒子の速度は、連続的な照射光、すなわちパルス化されていない光を用いて測定することもできる。その場合、粒子P0の速度vは、値Δu/Texに実質的に比例し得る。
【0142】
パルス照射を使用することで、瞬間的に高い強度を得ることができ、かつ/または、サブ画像を形成するタイミングを正確に行うことができ得る。
【0143】
その結果、画像IMG2を解析することで、画像IMG2に現れる各粒子の速度を決定することができる。また、サブ画像P1k,t1,P1k,t2,P1k,t3が一緒になって結合形状を形成してもよく、捕捉された画像IMG2を解析する際に、サブ画像P1k,t1,P1k,t2,P1k,t3を確実に検出しやすくすることができる。第2粒子P0k+1は、サブ画像P1k+1,t1、P1k+1,t2、P1k+1,t3から形成される第2グループGRPk+1によって表され得る。
【0144】
図4cおよび図4dは、例として、照射パルスシーケンスを用いて捕捉された(デジタル)画像IMG2を示している。図4cおよび図4dは、同じキャプチャ画像IMG2を示している。1または複数の照射パルスを使用する場合、捕捉された画像IMG2は、サブ画像(たとえば、P1k,t1,P1k,t2,P1k,t3)の容易に識別可能な実質的に線形のグループGRPを含んでよく、各グループGRPは、キャプチャ画像IMG2の露出時間Tex中にパルスシーケンスによって照射された単一の移動粒子(たとえば、P0)を表すことができる。第1グループGRPの第1サブ画像P1k,t1の位置は、たとえば画像座標(ξ,ν)によって指定され得る。位置(ξ,ν)は、画像IMG2が捕捉されたときの粒子P0の位置を示し得る。位置(ξ,ν)は、照射パルスシーケンスの第1パルスがトリガーされたときの粒子P0の位置を示し得る。
【0145】
粒子の速度は、捕捉された画像を解析することによって決定され得る。たとえば、第1粒子P0の速度は、サブ画像P1k,t1,P1k,t2,P1k,t3から形成される第1グループGRPの寸法Δuから決定され得る。たとえば、第2粒子P0k+1の速度は、サブ画像P1k+1,t1,P1k+1,t2,P1k+1,t3から形成される第2グループGRPk+1の次元uk+1から決定され得る。
【0146】
本方法は、1枚の捕捉された画像に現れる粒子の数を数えることを含んでいてよい。本方法は、捕捉された画像に現れる粒子の数を数えることを含んでいてよい。粒子密度は、計数された粒子の数から決定されてよい。このように、粒子密度は、捕捉された画像を解析することによって決定されてよい。
【0147】
撮像ユニット200は、被写界深度内にある粒子が画像センサSEN1上で実質的にシャープなサブ画像を有し、被写界深度外にある粒子が画像センサSEN1上でぼやけたサブ画像を有し得るように、一定の被写界深度(d12)を有していてよい。
【0148】
図4dに示すサブ画像(P1)の中にはシャープなものもあり、図4dに示すサブ画像(P1)の中にはぼやけているものもある。
【0149】
サブ画像(たとえばP1k,t1,P1k,t2,P1k,t3)から形成されるグループ(たとえばGRP)は、パターン認識アルゴリズムを用いて検出し得る。各粒子P0は、パルスシーケンスSEQ1の間、実質的に一定の速度を有すると仮定してよい。
【0150】
粒子を表す候補グループは、該グループのサブ画像が実質的に直線的に配列され、該候補グループの隣接するサブ画像間の距離が照射光パルスLB0のタイミング(t1,t2,t3)に一致する場合に受け入れられることができる。
【0151】
候補グループは、たとえば、当該グループのサブ画像が直線的に並んでいない場合、および/または当該候補グループの隣接するサブ画像間の距離が照射光パルスLB0のタイミング(t1,t2,t3)と一致しない場合、廃棄されてよい。
【0152】
AX0’は、ノズルNOZ1の軸AX0の位置を示し得る。AREA0’は、基準領域AREA0の位置を示し得る。基準領域AREA0の投影位置は、捕捉された画像IMG2に重畳された線AREA0’によって示され得る。軸AX0の投影位置は、線AX0’で示されてもよく、この線は、捕捉された画像IMG2に重畳され得る。
【0153】
図4eは、例として、粒子の速度ベクトルv,vk+1を示す複数の矢印記号を示す。速度ベクトルは、図4cの捕捉された画像を解析することによって決定され得る。本方法は、1または複数の捕捉された画像を解析することによって、粒子の方向移動を決定することを含んでもよい。各矢印記号の長さは、粒子の速度に比例してもよく、矢印記号の方向は、粒子の移動の方向を示し得る。
【0154】
粒子の速度は、横断方向成分が大きい場合がある。つまり、速度は常に噴流の軸AX0に平行とは限らない。粒子の速度vは、軸方向成分vk,y、横方向成分vk,x、および横断方向成分vk,zを有し得る。軸方向成分vk,zは、軸AX0と平行である。横方向成分vk,xと横断方向成分vk,yとは軸AX0に直角である。第1近似として、各粒子の運動エネルギーは、横方向成分および横断方向成分を省略して、軸方向成分から計算することができる。第1近似に、粒子P0が標的対象物TARG1に付着する能力は、当該粒子の軸方向速度成分に依存し得る。速度値(vRMS,vAVE)は、個々の粒子P0の軸方向の速度値から決定され得る。個々の粒子P0の軸方向の速度値は、捕捉された画像から決定され得る。
【0155】
AVEは、測定時間に基準領域(AREA0)を通過する粒子の平均速度を示す。第1近似に対して、粒子の質量流量が実質的に一定である状況において、噴流中の粒子の数密度は、粒子の平均速度vAVEに反比例し得る。平均速度vAVEは、測定時間に測定装置によって捕捉された画像を解析することによって決定されてよい。決定された速度分布は、たとえば、横方向位置xの関数として、または横断方向位置zの関数として、平均速度vAVEを示すことができる。
【0156】
また、捕捉された画像IMG2を解析することによって、RMS速度値vRMSを決定し得る。RMSとは、二乗平均平方根を意味する。RMS速度値vRMSは、粒子の平均運動エネルギーを示すものであり得る。
【0157】
本方法は、捕捉された画像IMG1を解析することによって、粒子噴流JET0の幅および/または半径方向の寸法を決定することを含み得る。
【0158】
監視装置500自体の1または複数の動作パラメータは、画像の解析に基づいて、調整および/または最適化され得る。たとえば、パルスシーケンスSEQ1の時間幅Tは、検出された粒子の平均速度に基づいて調整され得る。たとえば、捕捉された画像IMG1のサブ画像P1の輝度に基づいて、照射光LB0の強度を増減させ得る。たとえば、各照射パルスの時間幅は、捕捉された画像IMG1のサブ画像P1の明るさに基づいて増加または減少され得る。また、たとえば、捕捉された画像に現れる検出粒子の数に基づいて、ノズルNOZ1に対して対象物面O1を移動させるためのステップサイズを選択し得る。また、移動のためのステップサイズは、たとえば、1または複数の決定された分布(F1(x),F2(z))を解析することによって決定され得る。決定されたステップサイズに従って、対象物面O1の位置が変更され得る。たとえば、分布の異常領域に関するデータを収集するように、ステップサイズが決定され得る。
【0159】
図4fを参照すると、装置500は、単一の画像IMG2の露光時間Texの間に2つ以上のパルスシーケンスSEQ1,SEQ2を提供するように配設されてよい。各シーケンスSEQ1,SEQ2、...は、たとえば3つ以上の照射光パルスを含んでもよい。連続するシーケンスは、ブランキング時間TBLANKによって分離され得る。たとえば、第1シーケンスSEQ1は、時刻t1,t2,t3に発光される照射光パルスLB0を含んでもよく、第2シーケンスSEQ2は、時刻t4,t5,t6に発光される照射光パルスLB0を含んでもよい。
【0160】
本方法は、
各単一画像IMG2の露光時間Texの間に2つ以上のパルスシーケンスSEQ1、SEQ2のみを提供することによって画像IMG2を捕捉することと、
第2画像IMG2を解析することによって、1または複数の分布を決定することと、を含んでよい。
【0161】
装置500は、検出された粒子の数を増加させるために、たとえば一回の露光時間Texの間に複数のシーケンスSEQ1,SEQ2を提供するように配設され得る。照射ユニット100は、捕捉画像IMG2において検出された粒子の数が所定の限界値よりも低い状況において検出された粒子の数を増加させるために、たとえば単一の露光時間Texの間に複数のシーケンスSEQ1,SEQ2を提供するように配設され得る。検出可能な粒子の数を増加させるために、露光時間Texを増加させ得る。
【0162】
画像捕捉に時間がかかり、画像解析に時間がかかる場合がある。一枚の画像で検出可能な粒子の数を増やすことで、画像解析が容易になる場合がある。単一の画像において検出可能な粒子の数を増加させることは、露光時間Texが長いために捕捉された画像の総数が低くなる状況であっても、検出された粒子の総数が増加するように、画像解析を容易にすることができる。
【0163】
本方法は、
各単一画像IMG2の露光時間Texの間にただ1つのパルスシーケンスSEQ1を提供することによって、第1画像IMG2を捕捉することと、
第1画像IMG2中の検出された粒子の第1数NUM1を計数することと、
第1数を第1限界値LIM1と比較することと、
検出された粒子の第1数NUM1が、第1限界値LIM1より低い場合、各単一画像IMG2の露光時間Texの間に2つ以上のパルスシーケンスSEQ1,SEQ2のみを供給して第2画像IMG2を捕捉することと、
第2画像IMG2を解析することによって、1または複数の分布を決定することと、を含んでよい。
【0164】
連続するシーケンスSEQ1,SEQ2間のブランキング時間TBLANKは、画像解析を容易にするために、各移動粒子P0がデジタル画像IMG2に現れるサブ画像P1の1つのグループGRPのみを提供し得るように、十分に長くなるように選択されてよい。
【0165】
連続するシーケンスSEQ1,SEQ2間のブランキング時間TBLANKは、画像IMG2に現れる最も遅い移動粒子が、デジタル画像IMG2に現れるサブ画像P1の1つのグループGRPのみを提供し得るように、十分に長くなるように選択されてよい。
【0166】
連続するシーケンスSEQ1,SEQ2間のブランキング時間TBLANKは、測定領域RG0において第1シーケンスSEQ1によって照射された最も遅い移動粒子でさえ、第2シーケンスSEQ2の開始前に測定領域RG0から移動する十分な時間を有するように十分に長くなるように選択され得る。比Tex/Tは、比ξIMG/ΔuMIN以上となるように選択されてよい。
【0167】
第1シーケンスSEQ1で(遅い)粒子P0を照射することは、画像IMG2に現れるサブ画像P1のグループGRPを提供し得る。記号Tは、第1パルスシーケンスSEQ1の時間幅を表し得る。記号ΔuMINは、(遅い)粒子P0のサブ画像P1のグループGRPの変位値を表し得る。記号ξIMGは、画像IMG2の幅を示し得る。
【0168】
図5は、例として、捕捉画像から求めた速度値に回帰関数を当てはめて得られる確率密度関数p(v)を示す図である。本方法は、測定データに回帰関数をフィットさせることを含み得る。確率密度関数p(v)は、すべての可能な速度にわたる確率密度関数p(v)の積分が1に等しくなるように、任意選択で正規化され得る。確率密度関数p(v)は、噴流JET0の所与の点における粒子の測定された速度分布を表すことができる。確率密度関数p(v)は、速度vPEAKに関連するピーク値pMAXを有し得る。速度vPEAKは、粒子P0の最確速度を示し得る。速度分布p(v)は、第1速度vおよび第2速度vによって定義され得る幅ΔvFWHMを有し得る。速度v、vは、速度分布p(v)が、速度v,vにおける最大値pMAXの50%に等しくなるように選択され得る。
【0169】
図6を参照すると、方法は、十分な数の検出された粒子に基づいて分布を決定するように、ある位置(たとえばz=z2)における複数の画像を捕捉し、解析することを含み得る。
【0170】
たとえば、対象物面O1が軸AX0に対して横断方向位置z=z2にあるときに捕捉された画像群IMG2z2,t21、IMG2z2,t22、IMG2z2,t23、IMG2z2,t24を解析することによって分布F12(x)を決定し得る。分布F12(x)は、たとえば、横方向位置xの関数としての粒子平均速度vAVE(x)を示す横方向速度分布であってよい。
【0171】
図7を参照すると、この方法は、決定された分布F1(x)を基準分布REF1と比較することを含み得る。基準分布REF1は、たとえば、横方向位置xの関数としての平均速度を示す速度分布vREF(x)であり得る。たとえば、分布F1(x)と基準分布REF1との比較は、粒子噴流JET0の一部における平均粒子速度が異常に高いことを示すことができる。記号AR2は、分布の異常な領域を示し、記号NR1は、分布の正常な領域を示し得る。異常領域AR2は、たとえば、決定された分布が基準分布REF1から実質的に逸脱している領域であり得る。
【0172】
本方法は、比較の結果に基づいてコールド噴霧工程の1または複数の動作パラメータPAR1を調整することを含み得る。たとえば、加速ノズルNOZ1に対する供給ノズルNOZ2の相対位置は、所望の分布F1(x)を提供するように調整され得る。たとえば、所望の速度分布を提供するように、噴霧装置の1つまたは複数の流量が調整され得る。
【0173】
本方法は、測定された分布が基準分布と実質的に一致するか否かを確認することによって、コールド噴霧操作を有効または無効と分類することを含んでいてもよい。
【0174】
図8は、例として、コールド噴霧を制御するための方法ステップを示している。特に、図8の方法は、被覆作業中のコールド噴霧の実質的に連続的な監視に使用することができる。
【0175】
噴霧装置1000は、ステップ1210において、第1動作パラメータセット(PAR1)に従って粒子噴流JET0を提供するように配設されてもよい。
【0176】
ステップ1220において、第1動作パラメータセット(PAR1)に従って、標的対象物TARG1上に被膜が形成されてもよい。
【0177】
測定領域RG0が照射光パルスLB0で照らされるとき、測定領域RG0の1または複数の画像IMG2が被覆中に捕捉されてもよい(ステップ1230)。
【0178】
捕捉された画像IMG2を解析することによって、1または複数の速度値(たとえば、平均速度vAVE)を決定し得る(ステップ1240)。
【0179】
ステップ1250において、1または複数の決定された速度値が参照データREF1と比較されてもよい。
【0180】
ステップ1260において、比較の結果に基づいて、コールド噴霧装置1000の適切な動作が確認され得る。装置500は、1または複数の測定された速度値(たとえばvAVE)が許容範囲外である場合、たとえばユーザインタフェースUIF1を介してたとえば表示を提供してもよい。装置500は、1または複数の測定された速度値(たとえばvAVE)が許容範囲外である場合、たとえばアラームを提供してももよい。装置500は、1または複数の測定された速度値(たとえばvAVE)が許容範囲外である場合、噴霧ガンGUN1の動作を中断するように配設されてももよい。
【0181】
また、標的対象物TARG1に対して加速ノズルNOZ1の位置を変更し得る(ステップ1270)。なお、撮像ユニット200および照射部110は、移動ノズルNOZ1に対して対象物面O1の位置が固定されたままとなるように、噴霧ガンGUN1に取り付けられ得る。
【0182】
ステップ1220,1230,1240,1250,1260,1270は、たとえば、被覆動作が終了するまで繰り返され得る。
【0183】
本方法は、比較の結果に基づいて、装置の動作を検証することを含み得る。検証は、たとえば、1または複数の決定された分布が指定された範囲外であるか否かを決定することを含み得る。噴霧動作は、たとえば、少なくとも1つの決定された分布が指定された範囲外である場合、無効であると決定され得る。散布操作は、たとえば、各関連する決定された分布が指定された範囲内にあるとき、有効であると決定され得る。
【0184】
図9aおよび図9bを参照すると、装置500は、折り畳まれた撮像構成を提供するために、1または複数のビーム偏向要素M1を含み得る。ビーム偏向要素M1は、たとえば、ミラー、プリズム、または回折格子であってよい。回折格子は、たとえば単色照明LB0を使用する場合に、偏向要素M1として使用され得る。
【0185】
ビーム偏向素子M1は、撮像ユニット200で検出された光LB1,LB1k+1を偏向することによって折り返し光軸AX2’を提供し得る。また、折り返し光軸AX2’は、対象物面O1に対して傾斜していてもよく、折り返し光軸AX2’は、ノズルNOZ1の軸AX0に対して傾斜し得る。
【0186】
ノズルNOZ1の中心軸AX0と撮像ユニット200の折り返し光軸AX2’との間の角度γ1は、たとえば45°~85°の範囲であってよく、有利には70°~80°の範囲であってよい。
【0187】
折り畳み式撮像構成を使用することで、狭い場所での、および/または被膜が標的対象物の凸面に形成されている状況での粒子噴流の監視がさらに容易になる。
【0188】
画像センサSEN1は、粒子P0の平均移動方向と実質的に平行な対象物面O1を提供するために、光軸AX2に対して傾斜し得る。
【0189】
画像センサSEN1のセンサ面と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度β1は、たとえば65°~89°の範囲であってよく、有利には75°~85°の範囲であってよい。画像センサSEN1の表面法線と撮像ユニット200の光軸AX2との間の角度(90°-β1)は、それぞれ、たとえば、1°~25°の範囲内、有利には5°~15°の範囲内であり得る。
【0190】
図9bを参照すると、傾斜画像センサは、ビーム偏向素子M1と標的対象物TARG1との間に保護ギャップGAP2を提供することもできる。ギャップGAP2は、壁面噴流JET5の加熱および/または汚染効果を低減し得る。ギャップGAP2は、たとえば、標的TARG1の表面が凸領域および/または凹領域を有する被覆プロセスの監視を形成する場合にも有用であり得る。
【0191】
図9cは、画像センサSEN1が光軸AX2に対して垂直な場合の比較例である。折り返し光軸AX2は、速度ベクトルvk+1に対して傾斜しており、対象物面O1は、折り返し光軸AX2’に対して垂直である。対象物面O1は、粒子P0k+1の速度ベクトルvk+1に対して傾斜している。粒子P0k+1の光学画像P1k+1は、非常に短い期間の間だけシャープな状態を維持することができる。この期間は、非常に短いので、捕捉された画像を解析することによって粒子P0k+1を確実に検出することが困難であり得る。時間は、非常に短いので、捕捉された画像を解析することによって粒子P0k+1の速度vk+1を正確に測定することが困難であり得る。
【0192】
ガスダイナミックコールド噴霧は、たとえばガス噴流で被膜材料粒子を加速することを含み、粒子が塑性変形を受けて標的に付着するように標的対象物に粒子を衝突させることを含む方法によって、標的上に被膜を形成することを意味し得る。粒子の速度は、たとえば、400m/s以上であり得る。粒子の速度は、たとえば、400m/s~1200m/sの範囲内であり得る。
【0193】
被覆粒子の運動エネルギーは、被覆粒子が標的に衝突したときに、粒子の変形および/または標的の表面の局所的な変形を引き起こす可能性がある。粒子噴流中を移動するときの粒子の最高温度は、粒子の材料の溶融温度より実質的に低いままであり得る。粒子の直径は、たとえば、1~100μmの範囲内であってよい。粒子の適切なサイズ範囲は、粒子の材料および/または標的の材料に依存し得る。大きな標的は、たとえば、標的に対して粒子噴流の中心軸を移動させることによって被覆され得る。被覆粒子の材料は、たとえば、金属、ポリマー、セラミック、複合材料であり得る。粒子の材料は、多結晶体であり得る。
【0194】
粒子を高速のガス噴流に導入することによって、粒子を加速し得る。ガスと粒子を超音速に加速するために、ガス噴流を、たとえば、加圧および加熱されたガスを分岐ノズルに導くことによって提供し得る。超音速とは、音速以上の速度のことである。特に、発散ノズルは、ド・ラバルノズルとすることができる。加速ガス噴流のガスは、たとえば、ヘリウムまたは窒素であり得る。20℃の窒素における音速は349m/sである。20℃のヘリウムにおける音速は1007m/sである。加速用ガスとしてヘリウムを用いると、より高い粒子速度が得られる可能性がある。ガスの温度は、たとえば、500℃~900℃の範囲であり得る。被覆プロセスのパラメータは、衝突時に粒子の塑性変形を提供するように選択されてもよく、粒子噴流中を移動するときの粒子の最高温度は、粒子の材料の溶融温度未満に留まり得る。
【0195】
粒子P0の温度は、粒子から放射される熱放射が画像センサSEN1によって捕捉される画像に大きく寄与しない程度に低くてよい。撮像ユニット200は、粒子P0から放出される熱放射を退けるための光学フィルタを任意に含んでよい。
【0196】
本方法は、被覆プロセスの1または複数の動作パラメータを選択することを含み得る。操作パラメータは、たとえば、ガス圧、ガス温度、粒子サイズ、粒子の材料、ノズルの寸法、標的の材料、ノズルおよび/または標的の間の距離、標的に対するノズルの横断方向速度などを含んでよい。
【0197】
また、コールド噴霧は、積層造形による対象物の製造に用いることができる。製造された対象物は、被覆粒子の材料を含んでもよく、または実質的に被覆粒子の材料から成ってもよい。
【0198】
当業者であれば、本発明による装置および方法の修正および変形を知り得ることは明らかであろう。図は模式的なものである。添付の図面を参照して上述した特定の実施形態は、例示に過ぎず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c