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特許7436076アンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物
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  • 特許-アンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】アンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   C07K 5/093 20060101AFI20240214BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20240214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20240214BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20240214BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C07K5/093
A61K38/06 ZNA
A61P43/00 111
A61P17/00
A61P17/10
A61P17/14
A61Q19/00
A61Q7/00
A61K8/64
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022532060
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2020009498
(87)【国際公開番号】W WO2021107316
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0157560
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522212044
【氏名又は名称】スパドエリクサー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジャン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン ソ
【審査官】野村 英雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-538981(JP,A)
【文献】特開2002-262871(JP,A)
【文献】特開2016-175927(JP,A)
【文献】特表2007-514442(JP,A)
【文献】"Asp-Lys-Phe",[online], INTERNET,PubChem, NIH,2007年02月09日,PubChem CID 14454354,https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Asp-Lys-Phe
【文献】SHEPPECK II, J.E., et al.,"Synthesis of statistically exhaustive fluorescent peptide substrate library for profiling protease specificity.",BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS,2000年,Vol.10,pp.2639-2642
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列で構成されたペプチドを含み、
前記ペプチドを構成するアミノ酸は、いずれもD型であることを特徴とする、化粧料組成物。
【請求項2】
前記化粧料組成物は、にきびまたは脱毛緩和の効果を提供することを特徴とする、請求項に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アンドロゲンとは、男性ホルモンまたはテストイドとして知られているステロイドホルモンをいい、アンドロゲン受容体に結合して男性生殖系の成長と発達を調節し、脂肪蓄積の抑制、筋肉量の増加などのいろんな機能を遂行する。前記アンドロゲンは、睾丸から分泌されるテストステロン、該テストステロンが変わって尿中に排泄されるアンドロステロンやデヒドロエピアンドロステロン、副腎皮質から分泌されるアドレノステロンなどを含む。
【0003】
前記アンドロゲンは、DNAの特定部位と相互作用するタンパク質転写因子であるアンドロゲン受容体(AR)のみを経由して作用し、テストステロン及びそれよりも遥かに強い同族体であるジヒドロテストテロン(DHT)の作用モードは、ARへの結合に依存することになり、その後、RNAポリメラーゼIIによる転写が起こるようになる。
【0004】
しかし、アンドロゲンは、前記のような生理的調節機能だけではなく、多様な疾病に関連しており、例えば、前立腺癌の初期進展はアンドロゲンに起因するものと知られており、アンドロゲンが皮脂腺を刺激して皮脂を過多分泌させると炎症反応によってにきびが発生し、ジヒドロテストステロン(DHT)のような変性化されたアンドロゲンが毛根細胞のアンドロゲン受容体と結合して毛髪破壊物質であるBMP、DKK-1、TGF-β1などが分泌されて脱毛が発生するようになる。よって、下記特許文献のように前記アンドロゲン受容体の活性を阻害することにより、アンドロゲンに起因する疾病治療に用いられることができるアンドロゲン受容体活性阻害剤が開発されつつある。
【0005】
しかし、従来のアンドロゲン受容体活性阻害剤は、ほとんどが化学合成されるものであるから、アンドロゲン関連疾病の治療時に副作用が発生するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2002-0089347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、アンドロゲン関連疾患である前立腺癌、皮膚疾患、脱毛などの緩和のために用いられるアンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、次の構成を有する実施形態によって具現される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、本発明によるペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列で構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、本発明によるペプチドにおいて、前記ペプチドを構成するアミノ酸は、いずれもD型であり、前記ペプチドはアンドロゲン受容体の活性を低下させることを特徴とする。
【0011】
本発明のまた他の実施形態によれば、本発明によるペプチドは、肌トラブルの緩和のために用いられることを特徴とする。
【0012】
本発明のまた他の実施形態によれば、本発明によるペプチドは、にきびまたは脱毛の緩和のために用いられることを特徴とする。
【0013】
本発明のまた他の実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は、配列番号1のアミノ酸配列で構成されたペプチドを含み、前記ペプチドを構成するアミノ酸は、いずれもD型であることを特徴とする。
【0014】
本発明のまた他の実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は、にきびまたは脱毛緩和の効果を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、前述した実施形態によって次の効果が得られる。
【0016】
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを用いてアンドロゲン受容体の活性を阻害することで、アンドロゲン関連疾患である前立腺癌、皮膚疾患、脱毛などを緩和することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態によるペプチドがPSA発現に及ぼす影響を確認するためのWestern blot分析結果を示すイメージである。
図2】本発明の一実施形態によるペプチドがARとPOLIIとの物理的結合に及ぼす影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明によるアンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチド及びこれを用いる化粧料組成物を、添付された図面を参照して詳しく説明する。特別な定義がない限り、本明細書のすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ技術者が理解する当該用語の一般的意味と同様であり、本明細書に使われた用語の意味と衝突する場合は、本明細書に使われた定義に従う。また、本発明の要旨を無駄に濁らす恐れがある公知の機能及び構成に対しては詳細な説明を省略する。明細書全体に亘って、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に相反する記載がない限り、他の構成要素を排除するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
本発明の一実施形態は、アンドロゲン受容体の活性を阻害するペプチドに関するものであって、前記ペプチドは、配列番号1(Asp-Lys-Phe)のアミノ酸配列で構成され、前記ペプチドを構成するアミノ酸(Asp、Lys及びPhe)は、いずれもD型(D-form)であることを特徴とする。前記ペプチドは、アンドロゲン受容体の活性を阻害してアンドロゲンがアンドロゲン受容体に結合することによって発生する疾患を緩和することができる。より具体的に、前記ペプチドは、アンドロゲン受容体の活性を阻害し、前立腺癌、皮膚疾患の緩和させることができる。詳しくは、前記ペプチドは、皮脂の過多分泌を防止することでにきびを緩和し、DHTによる脱毛などを緩和するようになる。
【0020】
本発明のまた他の実施形態は、配列番号1(Asp-Lys-Phe)のアミノ酸配列で構成されたペプチドを含み、前記ペプチドを構成するアミノ酸(Asp、Lys及びPhe)は、いずれもD型(D-form)である化粧料組成物に関するものであって、にきび、脱毛などの肌トラブルを緩和することができる。
【0021】
本発明の化粧料組成物は、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子多糖、スフィンゴ脂質及び海草エキスからなる群から選ばれた組成物をさらに含むことができる。
【0022】
前記水溶性ビタミンとしては、化粧料に配合可能なものであれば如何なるものであってもよく、望ましくは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどが挙げられ、これらの塩(チアミン塩酸塩、アスコルビン酸ナトリウム塩など)や誘導体(アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム塩など)も、本発明で用いられることができる水溶性ビタミンに含まれる。前記水溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素法または化学合成法などの通常の方法によって得られる。
【0023】
前記油溶性ビタミンとしては、化粧料に配合可能なものであれば如何なるものであってもよく、望ましくは、ビタミンA、カロチン、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE(d1-α-コフェロール、d-α-トコフェロール)などが挙げられ、これらの誘導体(パルミチン酸アスコルビン、ステアリン酸アスコルビン、ジパルミチン酸アスコルビン、酢酸dl-アルファ・トコフェロール、ニコチン酸dl-アルファ・トコフェロールビタミンE、DL-パントテニルアルコール、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなど)なども、本発明で使われる油溶性ビタミンに含まれる。前記油溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素または化学合成法などの通常の方法によって取得することができる。
【0024】
前記高分子多糖としては、化粧料に配合可能なものであれば如何なるものであってもよく、望ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸またはその塩(ナトリウム塩など)などが挙げられる。例えば、コンドロイチン硫酸またはその塩などは、通常、哺乳動物や魚類から精製して使用し得る。
【0025】
前記スフィンゴ脂質としては、化粧料に配合可能なものであれば如何なるものであってもよく、望ましくは、セラミド、ピトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質などが挙げられる。前記スフィンゴ脂質は、通常、哺乳類、魚類、貝類、酵母または植物などから通常の方法によって精製するか、または化学合成法によって得られる。
【0026】
前記海草エキスとしては、化粧料に配合可能なものであれば如何なるものであってもよく、望ましくは、褐藻エキス、紅藻エキス、緑藻エキスなどが挙げられ、さらに、これらの海草エキスから精製されたカラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなども本発明ジ用いられる海草エキスに含まれる。前記海草エキスは、海草から通常の方法によって精製して得られる。
【0027】
本発明の化粧料組成物には、通常、化粧料組成物に配合される他の成分を配合することができる。例えば、油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などが挙げられる。
【0028】
前記油脂成分としては、エステル系油脂、炭化水素系油脂、シリコン系油脂、フッ素系油脂、動物油脂、植物油脂などが挙げられる。前記エステル系油脂としては、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノレン酸エチル、リノレン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリストール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸セトステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノレン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル、カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグルリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアルキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソセトステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸セトステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどのエステル系などが挙げられる。前記炭化水素系油脂としては、スクアレン、流動パラフィン、アルファ-オレフインオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタルリンワックス、ワセリンなどの炭化水素系油脂などが挙げられる。前記シリコン系油脂としては、ポリメチルシリコン、メチルフェニルシリコン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコン油、アミノ変性シリコン油などが挙げられる。前記フッ素系油脂としては、パーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。前記動物または植物油脂としては、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、ゴマ油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ピマザ油、ヒマワリ油、ぶどう種子油、綿実油、椰子油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、シアバター、月見草油、マッカダミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、牛脂、麻油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油、カンデリラアックス、カルナバワックス、液状ラノリン、硬化ヒマシ油などの動物または植物油脂が挙げられる。
【0029】
前記保湿剤としては、水溶性低分子保湿剤、脂溶性分子保湿剤、水溶性高分子、脂溶性高分子などが挙げられる。前記水溶性低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビタンール、マンニトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチルレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールB(重合度n=2以上)、ポリプロピレングリコール(重合度n=2以上)、ポリグリセリンB(重合度n=2以上)、乳酸、乳酸塩などが挙げられる。前記脂溶性低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどが挙げられる。前記水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンタンガム、メチルセルコース、ヒドロキシメチルセルコース、ヒドロキセチルセルコース、ヒドロキシプロピルセルコース、カルボキシメチルセルコース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどが挙げられる。前記脂溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン・エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体、ニトロセルローズ、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコンなどが挙げられる。
【0030】
前記エモルリエント剤としては、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノルリン脂肪酸コレステリルエステルなどが挙げられる。
【0031】
前記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。前記非イオン性界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POEPOP(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)共重合体、POEPOPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質などが挙げられる。前記陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフロオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。前記陽イオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジセトステアリルジメチルアンモニウム、塩化セトステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ジチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩などが挙げられる。前記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾルリン誘導体型、アミドアミン型などが挙げられる。
【0032】
前記有機及び無機顔料としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレイ、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、及びこれらの錯体等の無機顔料;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロ、CIピグメントオレンジなどの有機顔料、及びこれらの無機顔料と有機顔料の複合顔料などが挙げられる。
【0033】
前記有機粉体としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属せっけん;セチリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸塩、ラウリルリン酸カルシウムなどのアルキルリン酸金属塩;N-ラウロイル-β-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-β-アラニン亜鉛、N-ラウロイルグルリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸多価金属塩;N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイルタウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸多価金属塩;N-エプシロン-ラウロイル-L-リジン、N-エプシロン-パルミトイルリジン、N-α-パルミトイルオルニチン、N-α-ラウロイルアルギニン、N-α-硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニンなどのN-アシル塩基性アミノ酸;N-ラウロイルグリシルグルリシンなどのN-アシルポリペプチド;α-アミノカプロン酸、α-アミノラウリン酸などのα-アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、四フッ化エチレンなどが挙げられる。
【0034】
前記紫外線吸収剤としては、p-アミノベンゾ酸、p-アミノベンゾ酸エチル、p-アミノベンゾ酸アミル、p-アミノベンゾ酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、p-メトキシケイ皮酸-2-エトキシエチル、p-メトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサングリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0035】
前記殺菌剤としては、ヒノキチオール、トリクロール酸、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、感光素301号、モノニトログァヤコールナトリウム、ウンデシレン酸などが挙げられる。
【0036】
前記酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エリソルビン酸などが挙げられる。
【0037】
前記pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどが挙げられる。
【0038】
前記アルコールとしては、セチルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
【0039】
また、その他に添加しても良い配合成分は、これらに限定されるものではなく、また、前記如何なる成分も本発明の目的及び効果を損傷させない範囲内で配合可能であるが、総重量に対して、望ましくは、0.01~5%の重量%、より望ましくは、0.01~3%の重量%で配合される。
【0040】
本発明の化粧料組成物は、溶液、乳化物、粘性型混合物などの形状を取ることができる。
【0041】
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分として、前記化合物以外に化粧料組成物に通常用いられる成分を含むことができ、例えば、安定化剤、溶解剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常の助剤及び担体を含む。
【0042】
本発明の化粧料組成物は、当業界において一般に製造される如何なる剤形で製造されてもよく、例えば、乳液、クリーム、ファウンデーション、ローション、美容液、毛髪化粧料などが挙げられる。より具体的に、本発明の化粧料組成物は、スキンローション、スキンソフトナー、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、ハンドクリーム、モイスチャークリーム、エッセンス、パック、せっけん、化粧水、ミルクローション、ゲル、軟膏、パッチ、クレンジングフォーム、ボディクレンザー、アストリンゼント、噴霧剤の剤形を含む。本発明の剤形がペースト、クリームまたはジェルである場合は、担体成分として、動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、でんぷん、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが用いられることができる。本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが用いられることができ、特に、スプレーの場合には、更に、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進体を含むことができる。本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として、溶媒、溶媒剤または乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エチルアルコール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエイト、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルが挙げられる。本発明の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として、水、エチルアルコールまたはプロピレングリコールのような液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタンールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガまたはトラカントなどが用いられることができる。本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングである場合には、担体成分として、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオン酸、イミダゾリウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、リノリン誘導体またはエトシキル化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられることができる。
【0043】
以下、実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。しかし、これらは本発明をより詳術するためのものに過ぎず、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではない。
【0044】
<実施例1>ペプチドの合成
下記表1に記載された配列番号1のペプチドは、D型のアミノ酸を用いて自動化合性器(PeptrEx-R48、ペプトロン、韓国)を用いてFMOC固相合成法(FMOC solid-phase method)で合成した。合成されたペプチドは、C18分析用RPカラム(Shiseido capcell pak)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(Prominence LC-20AB、Shimadzu、日本)で精製及び分析したし、質量分析計(HP 1100 Series LC/MSD、Hewlett-Packard、米国)を用いて同定した。すなわち、合成されたペプチドは、配列番号1(Asp-Lys-Phe)のアミノ酸配列で構成され、前記ペプチドを構成するアミノ酸(Asp、Lys及びPhe)は、いずれもD型(D-form)を有する。
【0045】
【表1】
【0046】
<実施例2>実施例1によって製造されたペプチドが前立腺癌細胞におけるアンドロゲン受容体の活性を阻害して前立腺特異抗原(PSA)発現を低下させることを確認
1)前立腺癌細胞(Lncap)をウェル当たり5×10となるように用意した後、20nM濃度のDHTと、それぞれ1、10、100μM濃度のAR Pep1を前立腺癌細胞に処理した後、37℃、5%COインキュベーターで24時間の間培養した。対照群として何らの処理もしないものと、DHTのみを単独処理したものとを用いた。前立腺癌細胞をPBSにて3回洗浄した後、0.1μM PMSP(phenylmethylsulfonyl fluoride)、1μg/mlペプスタチンA(pepstatin A)、10μg/mlロイペプチン(leupeptin)、1μg/mlアプロチニン(aprotinin)及び1mM NaVOが含まれた1% NP40溶解緩衝液(1%Nonidet P40、0.1M NaCl、0.05M tris(pH8.0)、5mM EDTA)で溶解した。
【0047】
2)細胞溶解物をBradford assay方法を用いて定量した後、電気泳動のためのサンプルを用意した。免疫沈殿物を12.5%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動を施し、展開されたタンパク質をニトロセルローズ膜に移送した後、ブロッキング溶液(0.05% Tween20および3%牛血清アルブミン含有のTris緩衝食塩水(Tris-buffered saline、TBS)にて常温で1時間程度処理した。その後、抗PSAポリクローナル抗体(Santa cruz、CA、USA)が添加されたTBS緩衝液で2時間反応させた後、0.05% Tween20が含まれたTBS緩衝液で洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼに共役する抵ウサギIgA(horseradish peroxidase conjugated anti-rabbit IgG)(Santa cruz、USA)にて常温で1時間処理した後、0.05%Tween20を含むTBSにて5回洗浄して抗体検出キット(antibody detection kit)(Ab frontier、Koera)を用いて現像し、その結果を図1に示した。同量の細胞溶解物を電気泳動したことを確認するために、抗βアクチンモノクローナル抗体(Santa cruz、CA、USA)を用いてアクチンを認識した。
【0048】
3)図1を見れば、前立腺癌細胞にDHTを処理する場合、前立腺特異抗原(PSA)の発現が促進されるが、AR Pep1を一緒に処理したとき、前記PSAの発現が低下することを確認することができ、これから前記AR Pep1が前立腺癌細胞にアンドロゲン受容体の活性を阻害することが分かる。
【0049】
<実施例3>実施例1によって製造されたペプチドがアンドロゲン受容体の活性を阻害してARとPOLIIとの物理的結合に低下させることを確認
1)ヒト表皮角化細胞(HaCaT)をウェル当たり4.5×10となるように用意した後、20nM濃度のDHTと、それぞれ20nM、1、10、100μM濃度のAR Pep1とをヒト表皮角化細胞に処理した後、37℃、5%COインキュベーターで24時間の間培養した。対照群として何らの処理もしないものと、DHTのみを単独処理したものを用いた。各ウェルの細胞をPBSにて洗浄して2%ホルムアルデヒドで15分間処理して固定させた後、0.1%TritonX-100を5分間処理して細胞中への抗体透過性を高めた。その後、anti-ARポリクローナル抗体(Santa cruz、USA)及び抗POLIIモノクローナル抗体(Santa cruz、USA)を添加して、イン・サイチュPLAキット(Sigma-Aldrich)を使用してPLAプローブを加えた後、ハイブリダイゼーション(hybridization)、ライゲーション(ligation)、増幅(amplification)及びマウンティングの段階を行った。
【0050】
2)それぞれの細胞から検出される発光信号(PLA signals)を共焦点レーザー顕微鏡(Olympus fluoview FW1000;Olympus、Japan)で測定してAR及びPOLII抗体の物理的な相互作用を定量し、その結果を表2に示した。
【0051】
3)図2を見れば、ヒト表皮角化細胞にDHTを処理する場合、ARとRNAPOLIIとの相互作用が増加するが、AR Pep1を一緒に処理したときに、前記ARとRNA POLIIとの相互作用の増加を減少させることを確認することができ、前記AR Pep1がアンドロゲン受容体の活性を阻害することが分かる。すなわち、AR Pep1がアンドロゲン受容体の活性を阻害して、DHTによるARとRNA POLIIとの相互作用の増加を減少させることで、皮膚疾患(にきび、脱毛など)を緩和することができるようになる。
【0052】
<実施例4>実施例1によって製造されたペプチドが脱毛防止に及ぼす効果に対する動物実験
1)7週齢C57BL/6マウスのなどを除毛した後、DHTを首部位に5日間注入する。その後、皮膚に同一量で試料を毎日塗布し、20日が経過した後に背中の皮膚を採取してホルマリン固定液に保管した。前記ホルマリン固定液に保管されたマウスの皮膚をパラフィンブロックに作製してセクショニングした後、染色(H&E staining)を進めた後、光学顕微鏡で観察して毛包数を比較した。試料1は対照群としてPBSを用い、試料2~4は、AR Pep1をそれぞれ2%、3%、4%を含むPBS溶液を用いた。
【0053】
2)実験結果、試料2~4は、試料1に比べて毛包数が100%以上増加したし、試料2から試料4に行くほど毛包数が多いことを確認した。
【0054】
<実施例5>実施例1によって製造されたペプチドを含有した化粧料組成物の皮膚貼付実験を通じた皮脂抑制効果の確認
1)皮脂が過多分泌される30代男性25人を対象とし、額部位を70エチルアルコールで拭った後乾燥させた。細部テープを額に貼った後に剥がすことにより確認した。以後、額部位に毎日朝及び夕方に3週間同一量の化粧料組成物を使用するようにした後(前記化粧料組成物をシートに濡らした後前記シートを額に一定時間付着して進行)、3週間が経った翌日細部テープを額に貼った後剥がすことにより確認した。化粧料組成物の塗布前及び塗布後の細部テープを確認することで皮脂の相対的な減少が認められた。化粧料組成物は、AR pep1、防腐剤0.02wt%、香料0.4wt%、グリセリン2wt%、精製水残量wt%を含み、化粧料組成物1~4は、それぞれAR pep1が0、2、3、4wt%を含む。
【0055】
2)実験結果、3週間化粧料組成物を使用した後に額の皮膚を確認した結果、如何なる刺激が発生しなかったし、化粧料組成物の使用前後の皮脂の相対的な減少を確認した結果、対照群である化粧料組成物1を用いた場合は、有意義な皮脂の減少が認められなかったが、化粧料組成物2~4を用いた場合には、顕著な皮脂の減少を確認することができた。また、化粧料組成物2から4に行くほど皮脂の減少が大きかったことが確認できた。
【0056】
<実施例6>実施例1によって製造されたペプチドを含有した化粧料組成物の皮膚貼付実験を通じた脱毛緩和効果の確認
1)遺伝的素因のない男性型脱毛症を患っている男性(男性型脱毛症は、遺伝的素因とアンドロゲンが重要な因子であることが知られている)10人を対象とし、脱毛部位に毎日朝及び夕方に8週間同一量の実施例4の化粧料組成物1~4を塗布した後、8週間が経過した後に肉眼で毛髪状態を確認した。
【0057】
2)実験結果、対照群である化粧料組成物1を用いた場合、毛髪が太くなるか、再成長が行われず、 化粧料組成物2~4を用いた場合には、毛髪が太くなるとともに個数が多くなったことを確認することができ、これにより、化粧料組成物2から4に行くほど毛髪の太さと個数がより大きくなることを確認することができた。
【0058】
以上のように、出願人は本発明の望ましい実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の技術的思想を具現する一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を具現する限り、如何なる変更例または修正例も本発明の範囲に属するものと解釈されなければならない。
図1
図2
【配列表】
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