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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】流体遮断装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/34 20060101AFI20240214BHJP
   F16K 7/12 20060101ALI20240214BHJP
   F16K 7/16 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F16K1/34 D
F16K7/12 B
F16K7/16 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023520558
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 IB2021055256
(87)【国際公開番号】W WO2021255634
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】102020000014203
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】522485969
【氏名又は名称】ラッティーノックス・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】RATTIINOX S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ラッティ,ワルテル
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開平1-188777(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第72681(EP,A1)
【文献】特開2002-122253(JP,A)
【文献】特開平11-037329(JP,A)
【文献】特開2004-156693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/34
F16K 7/12
F16K 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体遮断装置(1)であって、
バルブ本体(2)を含み、
前記バルブ本体(2)は、少なくとも部分的に入口ダクト(3)および出口ダクト(4)を区画し、
前記入口ダクト(3)は、所定の横方向入口ダクト寸法(Di)を有し、
前記バルブ本体(2)は、中間部分(5)を含み、前記中間部分(5)は、少なくとも部分的に中間チャンバ(6)を区画し、前記中間チャンバ(6)は、前記入口ダクト(3)と前記出口ダクト(5)との間の流体接続を提供し、
前記入口ダクト(3)は、前記中間部分(5)と前記入口ダクト(3)との交差によって形成される入口ダクト接続エッジ(7)を含み、
前記中間チャンバ(6)は、シール面(14)を含み、
前記中間チャンバ(6)は、ダイヤフラム(8)を収容し、
前記ダイヤフラム(8)は、単一ピースの本体を有し、
前記ダイヤフラム(8)は、ダイヤフラムシール部(9)を含み、前記ダイヤフラムシール部(9)は、前記入口ダクト(3)の閉鎖位置においてダイヤフラム支持面(20)により前記シール面(14)と協働して前記入口ダクト(3)を閉塞させ、
前記ダイヤフラム(8)は、ダイヤフラム屈曲部(10)を含み、前記ダイヤフラム屈曲部(10)は、前記ダイヤフラムシール部(9)を、専ら曲げ状態で動作するように前記バルブ本体(2)に恒久的に接続し、
前記ダイヤフラムシール部(9)は、ダイヤフラムシート(11)を区画し、
前記流体遮断装置(1)はさらに、
制御要素(12)を含み、
前記制御要素(12)は、所定の横方向制御ステム寸法(Dp)を含む制御ステム(13)を含み、
前記制御ステム(13)は、前記ダイヤフラムシート(11)に一体的に受容され、
前記制御ステム(13)は、少なくとも前記入口ダクト(3)の閉鎖位置と前記入口ダクト(3)の開放位置との間で、所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に沿って移動する動作を前記ダイヤフラムシール部(9)に伝達し、
前記シール面(14)は、前記所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に直交して配置される平坦なシール面であり、
前記ダイヤフラム支持面(20)は、前記所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に直交して配置される平坦な支持面であり、
前記横方向制御ステム寸法(Dp)は、前記横方向入口ダクト寸法(Di)より大きい値と、前記制御ステム(13)と前記入口ダクト接続エッジ(7)との間の前記所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に直交する平面上で測定した距離が、前記横方向入口ダクト寸法(Di)の25%より小さい距離だけ残す寸法と、の間にあり、
前記制御ステム(13)は、前記ダイヤフラム(8)の前記本体内に進入して螺合するセルフタッピングステムねじ(27)を含み、これにより前記ダイヤフラムシート(11)内にダイヤフラムねじ(28)を形成し、これにより前記セルフタッピングステムねじ(27)のプロファイルと前記ダイヤフラム(8)の前記本体の間に密接な結合を形成しており
前記セルフタッピングステムねじ(27)は、前記ダイヤフラムシート(11)の壁面にねじ込むことにより前記ダイヤフラム(8)の本体を変形させ、前記ダイヤフラム(8)の本体の閉鎖時の推力と開放時の引っ張りを受ける前記ダイヤフラム(8)の本体の抵抗部で前記ダイヤフラム(8)の本体に貫入させる皮質タイプのねじである、
流体遮断装置(1)。
【請求項2】
記セルフタッピングステムねじ(27)は、所定のねじ高さを有する前記制御ステム(13)のテーパ状で尖ったねじ山(44)を含み、前記ねじ山(44)によって変形した前記ダイヤフラム(8)の本体の材料をらせん状ねじチャネル(45)を完全に満たすように受け入れることができる、ねじ高さと同様の大きさの前記らせん状ねじチャネル(45)をその間に残し、
及び/又は、
前記セルフタッピングステムねじ(27)は、前記ダイヤフラムシート(11)を形成するその狭い部分において、前記ダイヤフラム(8)の本体の厚さの1/2から1/4まで変化する所定のねじ高さを有する前記制御ステム(13)の先細りで尖ったねじ山(44)を含み、前記ダイヤフラム(8)の本体の中に1/2から1/4の間で変化する深さで入り込むように、前記ダイヤフラム(8)の本体の抵抗部分を形成し、それが前記ねじ山(44)と相互作用して、前記ダイヤフラム(8)の閉鎖時の推力と開放時の引っ張りにさらされたときの繰り返しサイクルに抵抗し、
又は、
前記セルフタッピングステムねじ(27)は、前記ダイヤフラムシート(11)を形成するその狭い部分において、前記ダイヤフラム(8)の本体の厚さの1/3に等しい所定のねじ高さを有する前記制御ステム(13)の先細りで尖ったねじ山(44)を含み、前記ダイヤフラム(8)の本体の中に1/3に等しい深さまで入り込むように、前記ダイヤフラム(8)の本体に抵抗部分を形成し、それが前記ねじ山(44)と相互作用して、前記ダイヤフラム(8)の閉鎖時の推力と開放時の引っ張りにさらされたときの繰り返しサイクルに抵抗し、
前記横方向制御ステム寸法(Dp)は、前記所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に直交する平面上で測定した、前記制御ステム(13)と前記入口ダクト接続エッジ(7)との間の距離を、前記横方向入口ダクト寸法(Di)の22%より小さい距離(Dg)だけ残す、
請求項1に記載の流体遮断装置(1)。
【請求項3】
シールダイヤフラム(9)の前記入口ダクト(3)の前記閉鎖位置において、前記制御ステム(13)と前記入口ダクト接続エッジ(7)との間で前記所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に平行に測定した距離(Dz)は、前記横方向入口ダクト寸法(Di)の7%と15%との間である、
請求項1または2に記載の流体遮断装置(1)。
【請求項4】
少なくとも1つのダイヤフラム部分(8)が前記制御ステム(13)の一端を取り囲み、
及び/又は、
前記ダイヤフラム(8)は、前記制御要素(12)を前記中間チャンバ(6)から分離する、
請求項1~3のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【請求項5】
記中間チャンバ(6)は、前記バルブ本体(2)の前記中間部分(5)と前記ダイヤフラム(8)とによって、また前記入口ダクト(3)及び前記出口ダクト(4)にアクセスするための間隙又は開口(15、16)によって区切られ、
及び/又は、
前記ダイヤフラム(8)は、前記中間チャンバ(6)を制御要素摺動チャンバ(17)から分離し、
前記制御要素摺動チャンバ(17)は、前記制御要素(12)を、前記入口ダクト(3)の前記閉鎖位置と前記入口ダクト(3)の開放位置との間のその動きにおいて受け入れ、案内する、
請求項1~4のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【請求項6】
前記ダイヤフラム(8)は、軸対称の形状であり、
及び/又は、
前記ダイヤフラムシール部(9)は、カップ形状であり、
及び/又は、
前記ダイヤフラムシール部(9)は、ダイヤフラムステム(18)と、拡大ダイヤフラムベース(19)と、を含み、
前記拡大ダイヤフラムベース(19)は、前記中間チャンバ(6)の前記シール面(14)と密封的に協働するダイヤフラム支持面(20)を含み、
及び/又は、
前記ダイヤフラム屈曲部(10)は、逆ドーム型であり、
及び/又は、
前記ダイヤフラム屈曲部(10)は、ダイヤフラム接続部(21)によって前記バルブ本体に接続する、
請求項1~5のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【請求項7】
前記ダイヤフラム(8)が、加圧下で製造されるビレットまたはバーから機械加工の手段で得られるPTFEと呼ばれるポリテトラフルオロエチレンで作られ、
及び/又は、
前記バルブ本体(2)はステンレス鋼で作られ、
及び/又は、
前記制御要素(12)はステンレス鋼で作られる、
請求項1~6のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【請求項8】
前記制御ステム(13)は、前記制御ステム(13)の端部に配置されたステムヘッド(46)を含み、
前記ステムヘッド(46)は、前記ダイヤフラムシート(11)のシートボトム(48)に当接する前記所定のダイヤフラム動作方向(X-X)に直交する平坦なステム端面(47)を含んで、前記制御ステム(13)を前記ダイヤフラム(8)と一体化し、
及び/又は、
前記ステムヘッド(46)は、前記セルフタッピングステムねじ(27)から排出溝(49)によって分離されており、前記排出溝(49)は、前記制御ステム(13)が前記セルフタッピングステムねじ(27)で前記ダイヤフラムシート(11)を区画する壁に挿入されて前記ダイヤフラム(8)の材料が変形すると、その変形した材料が前記排出溝(49)に入って前記制御ステムをその結合位置から前記ダイヤフラム(8)にねじ外れするのを防止する、
請求項1~7のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【請求項9】
前記制御要素(12)は、アクチュエータ(30)の制御シャフト(29)に接続され、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、空気圧アクチュエータ(30)の制御シャフト(29)に接続され、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、ばね(31)によって前記入口ダクト(3)の前記閉鎖位置へ常にバイアスされている、
請求項1~8のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【請求項10】
前記制御要素(12)は、単一ピースの要素であり、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、前記ダイヤフラムシート(11)に受容され、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、制御要素プレート(32)を含み、前記制御要素プレート(32)は、前記制御ステム(13)と一体に設けられ、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、制御要素プレート(32)を含み、前記制御要素プレート(32)は、前記ダイヤフラム屈曲部(10)に向くダイヤフラム支持面(33)を含み、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、制御要素プレート(32)を含み、前記制御要素プレート(32)は、ダイヤフラム支持面(33)を含み、前記ダイヤフラム支持面(33)は円錐形又は球形セクターの形状であり、
及び/又は、
前記制御要素(12)は、制御要素プレート(32)を含み、前記制御要素プレート(32)は、ダイヤフラム支持面(33)を含み、
前記入口ダクト(3)を閉塞するための前記ダイヤフラム(8)の位置で、かつ前記ダイヤフラム(8)が摩耗または経年劣化していない状態では、前記ダイヤフラム支持面(33)と前記ダイヤフラム屈曲部(10)との間にダイヤフラムクリアランス(34)が存在し、
前記ダイヤフラムシール部(9)から、前記ダイヤフラム(8)を前記バルブ本体(2)に接続するためのダイヤフラム接続部(21)まで移動すると、前記ダイヤフラムクリアランス(34)が大きくなる、
請求項1~9のいずれか1つに記載の流体遮断装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流体遮断装置の分野に関するものであり、特に、クリーン及びアセプティック(aseptic:無菌)と呼ばれる用途向けのタイプの屈曲ダイヤフラムバルブに関するものである。アセプティック製造工程では、CIPおよびSIPの要件を満たすことができる装置が必要とされる。クリーンおよびアセプティックバルブには、コンパクトで、処理液の滞留部分がなく、洗浄液の使用を最小限に抑えることができることが求められる。このため、これらのバルブは特殊なステンレス鋼とPTFEダイヤフラムで作られており、シール部の曲げと圧縮の条件下で専ら動作する。
【0002】
化学工場や食品工場で使用されるバルブは、本体がステンレスで、バルブ本体やダイヤフラムはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から作られる。
【0003】
PTFEは、繰返し圧縮による応力がかかると、圧縮によって得られない場合は、滑り(コールドフロー)を起こすことがある。そこで、これらのバルブのシャッタ本体は、予め圧縮されたポリテトラフルオロエチレン材料を、所望のダイヤフラムの形状を得るように切り屑除去によって機械的に加工したものである。
【背景技術】
【0004】
このような圧縮製造工程によって安定化されても、クリーンおよびアセプティックバルブ(CAD:Clean & Aseptic Designともいう)の公知のダイヤフラムは、バルブの頻繁な開閉による経時的、特に周期的な高圧にさらされると、「再圧縮」という体積減少を起こす。
【0005】
CADバルブの場合、ダイヤフラムの体積の減少は、バルブ本体に対するダイヤフラムのシール支持を常に確保するようにダイヤフラムを開閉しなければならないアクチュエータのストロークに変動を伴う。ダイヤフラムの材料が再圧縮した場合、ダイヤフラムを動かすアクチュエータのストロークが限界に達し、バルブ自体が閉まらなくなる危険性が頻繁にある。
【0006】
文献US4051865A、SE445852B、US5609185A、およびUS2014158923A1から、曲げの条件下で機能するダイヤフラムバルブの解決法が知られている。
【0007】
文献US5377956Aから、その動作のために把持要素によってアンダーカットとして外部に把持された、きのこ形のペダンクルを有するダイヤフラムを製造することが知られている。
【0008】
この既知の解決法は、繰り返し開閉サイクルを受けると、ダイヤフラムが破損してバルブを開くことができなくなる危険性を伴うキノコ状のペダンクルの急激な劣化をもたらす。
【0009】
類似した解決法が文献US2001032958A1から知られる。
【0010】
動作論理を考慮すると全く異なる解決策が、US4359204A、EP0508658A2、及びFR1249282Aから知られており、ここでは、ダイヤフラムではなく膜がシャッタ要素として提供される。弾性材料から作られる膜は、閉鎖位置でその拡張を可能にするために蛇腹状に折り返されている。
【0011】
これらの蛇腹状の折りは、亀裂や膜材料の粒子または破片の分離など、非常に早い段階で構造的破壊の兆候を示し、これはCADバルブが主に意図する多くの化学または食品工場において容認できないことである。
【0012】
これらの既知の膜は、プロセスの終了時に、遮断装置のチャンバ内に製品が存在しないことを保証する必要がある分野での用途には適さない。特に、これらの膜のいくつかの形状により、膜とバルブ本体の間に存在する間隙だけでなく、膜自体の折り目にも、製品が最小量であっても捕捉されたままでないことが保証されなければならない。この要件が満たされなければ、第1の流体の通過は、空にして洗浄した後でも、膜のひだの中に少量でも残っている第2の流体を汚染する危険性がある。従って、これらの既知の装置は、CADバルブが必要とされるプロセスには不向きである。
【0013】
文献US3134570Aから、膜が作られる弾性材料の伸長で機能する膜バルブが知られている。
【0014】
この解決策も、上述した蛇腹膜のすべての制限を有し、非常に限られた寿命に設定されている延伸膜の構造に応力を生じさせ、多くの工場に適さない多数の開閉サイクルにさらされる。
【0015】
他の解決策は、EP0072681、JPH01-188777、US2006/065868、US2002/003222、US2008/116412から既知である。しかしながら、これらの既知の解決策は、ダイヤフラムが制御部材によって閉鎖中に押され、制御部材によって開放中に引かれるという強い欠点を有し、2つの非常に危険な欠点を示している。一方では、ダイヤフラムが押されてそのサイズが経時的に変化し、その正しい装置封止閉鎖位置が変更される。
【0016】
一方、制御部材によって発揮される引っ張りおよび圧縮作用は、すぐに制御部材のグリップを緩め、制御部材とダイヤフラムとの間に変位、時にはクリアランス、時には相対変位を生じ、再び、正しい装置封止閉鎖位置が時間と共に変化するという問題を有する。
【0017】
従って、周期的圧縮下でのダイヤフラムの挙動の変動を最小限に抑え、ダイヤフラムの疲労応力を強調する形態を避け、同時に、制御ステムとダイヤフラムとの間の強固で持続的な接続を実現する必要性が強く感じられたままである。
【発明の概要】
【0018】
従って、本発明の目的は、背景技術の欠点を解決し、上記の要件を達成できるようにすることであり、ダイヤフラム材料の再圧縮を抑えて経時的にシールを確保することができる流体遮断装置を提供することである。
【0019】
この目的、およびその他の目的が、請求項1の流体遮断装置によって達成される。
【0020】
いくつかの有利な実施形態が従属請求項の主題である。
【0021】
一般的な実施形態と、上記で説明し、さらに以下で説明する変形例とによって、以下の利点を得ることが可能である。
【0022】
ダイヤフラム部のうち、入口ダクトの間隙または開口に面する部分は、特に寸法が小さく、ダイヤフラムの材料疲労や再圧縮によるダイヤフラムの寸法変化を小さくすることが可能である。
【0023】
提案された解決策により、相反する複数のニーズを満たすことが可能であり、すなわち、完全なシールを保証するように、ダイヤフラム、特にそのシール部を入口ダクトのエッジに近い中間チャンバの支持面又はシール面に押し付け、そして同時に制御ステムとダイヤフラムの間の分離を避け、また、バルブ本体に対して押し付けられたダイヤフラムの体積又は厚さの過度の変化、制御要素の可変ストロークを時間的に強いてしまうダイヤフラムの、避けるべき寸法変化を避け、常に正確な動作を有することである。
【0024】
提案された解決策によって、制御ステムの体積を大幅に増加させ、ダイヤフラム本体の体積を減少させることができる。
【0025】
数日間にわたり24時間繰り返される4秒間のサイクルで実施された試験から、本発明によるダイヤフラムは、最小の変形、わずか0.3mmの短縮、そしてとりわけ、急速に安定する変形を示した。したがって、請求項の解決策は、PTFE製のダイヤフラムの再圧縮を低減することを示した。
【0026】
有利には、実施形態によれば、ステンレス鋼で作られる制御要素とPTFEで作られるダイヤフラムの体積の比率は、厳しい条件下でも長寿命に到達することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照して非限定的な例として与えられる、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0028】
図1図1は、本発明に係る、空気圧アクチュエータに接続している流体遮断装置の不等角図を模式的に示す。
図2図2は、図1の装置およびアクチュエータの、正中面または、入口ダクトの開閉のための所定のダイヤフラム動作方向を通る平面で切った不等角断面図を模式的に示す。
図3図3は、図1の装置およびアクチュエータの、部品が分離された不等角断面図を模式的に示す。
図4図4は、図1の装置およびアクチュエータの、正中面または、入口ダクトの開閉のための所定のダイヤフラム動作方向を通る平面で切った断面図を示す。
図5図5は、図1の装置およびアクチュエータの、正中面または、入口ダクトの開閉のための所定のダイヤフラム動作方向を通る平面で切った断面図を示し、閉鎖位置にある。
図6図6は、図1の装置およびアクチュエータの、正中面または、入口ダクトの開閉のための所定のダイヤフラム動作方向を通る平面で切った断面図を示し、開放位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明を当業者が実施および使用できるように、添付の図面を参照して詳細に説明する。説明した実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、説明した基本原理は、添付の請求項で定義した本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用することが可能である。したがって、本発明は、説明され、示された実施形態に限定されるとみなされるべきではなく、説明され、請求された特徴に準拠した最も広い保護範囲が付与されるべきである。
【0030】
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明の分野における通常の技術者によって一般的に使用されるのと同じ意味を有する。矛盾が生じた場合、提供された定義を含む本明細書が拘束力を有する。さらに、実施例は単に例示のために提供されたものであり、そのようなものとして、限定的に考慮されるべきではない。
【0031】
本明細書に記載された実施形態の理解を容易にするために、いくつかの特定の実施形態を参照し、それらを説明するために特定の用語が使用される。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的を有し、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0032】
一般的な実施形態によれば、流体遮断装置1は、バルブ本体2を含む。
【0033】
バルブ本体2は、少なくとも部分的に入口ダクト3および出口ダクト4を区画する。
【0034】
入口ダクト3は、所定の横方向入口ダクト寸法Diを有する。
【0035】
一実施形態によれば、横方向入口ダクト寸法Diは、管状形状を有する入口ダクト3の直径である。一実施形態によれば、出口ダクト4は、所定の横方向出口ダクト寸法Deを有する。一実施形態によれば、横方向出口ダクト寸法Deは、管状形状を有する出口ダクト4の直径である。
【0036】
バルブ本体2は、中間部分5を含む。中間部分5は、少なくとも部分的に中間チャンバ6を区画し、中間チャンバ6は、入口ダクト3と出口ダクト5との間の流体接続を提供する。
【0037】
入口ダクト3は、中間部分5と入口ダクト3との交差によって形成される入口ダクト接続エッジ7を含む。
【0038】
一実施形態によれば、出口ダクト4は、中間部分5と出口ダクト4との間の交差によって形成される出口ダクト接続エッジ4を含む。
【0039】
中間チャンバ6は、シール面14を含む。
【0040】
一実施形態によれば、シール面14は、入口ダクト接続エッジ7の近くに配置されている。
【0041】
中間チャンバ6には、ダイヤフラム8が収容されている。
【0042】
ダイヤフラム8は、本体が単一ピースで形成されている。
【0043】
ダイヤフラム8は、ダイヤフラムシール部9を含み、ダイヤフラムシール部9は、入口ダクト3の閉鎖位置において、ダイヤフラム支持面20により、シール面14と協働して入口ダクト3を閉塞させる。
【0044】
ダイヤフラム8は、ダイヤフラム屈曲部10を含み、ダイヤフラム屈曲部10は、専ら曲がった状態で動作するように、ダイヤフラムシール部9をバルブ本体2に恒久的に接続する。
【0045】
ダイヤフラムシール部9は、ダイヤフラムシート11を区画する。
【0046】
流体遮断装置1は、制御要素12をさらに含む。
【0047】
制御要素12は、所定の横方向制御ステム寸法Dpを含む制御ステム13を含んでいる。
【0048】
制御ステム13は、ダイヤフラムシート11に一体的に受容される。
【0049】
制御ステム13は、少なくとも入口ダクト3の閉鎖位置と入口ダクト3の開放位置との間で、所定のダイヤフラム動作方向X-Xに沿って移動する動作をダイヤフラムシール部9に伝達する。
【0050】
本文中では、入口ダクトとダイヤフラムの間の協働について述べられるときは、常に代替的に出口ダクトとダイヤフラムの間の協働としても理解されなければならない。実際、ある用途では、ダイヤフラムは入口ダクトを閉塞し、他の用途では出口ダクトを閉塞させる。有利には、シール面14は、所定のダイヤフラム動作方向X-Xに対して直交するように配置された平坦なシール面である。例えば、シール面14は、環状の平坦面であるが、必ずしもそうではない。例えば、シール面14は、入口ダクト接続エッジ7又は出口ダクト接続エッジを取り囲む面であるが、必ずしもそうではない。
【0051】
ダイヤフラム支持面20は、所定のダイヤフラム動作方向X-Xに直交して配置された平坦な支持面であり、または、出口ダクト接続エッジと協働しなければならない場合には、出口ダクト4に対して長手方向に向けられた所定のダイヤフラム出口動作方向Y-Yに直交して配置された平坦な支持面である。例えば、ダイヤフラム支持面20は、環状の平坦面であるが、必ずしもそうではない。
【0052】
横方向制御ステム寸法Dpは、横方向入口ダクト寸法Diより大きい値と、制御ステム13と入口ダクト接続エッジ7との間の所定のダイヤフラム動作方向X-Xに直交する平面上で測定した距離が、横方向入口ダクト寸法Diの25%より小さい距離だけ残す寸法と、の間にある。
【0053】
有利には、制御ステム13は、ダイヤフラム8の本体内に進入して螺合するセルフタッピングステムねじ27を含んでおり、これによりダイヤフラムシート11内にダイヤフラムねじ28を形成し、これによりセルフタッピングステムねじ27のプロファイルとダイヤフラム8の本体の間に密接な結合を形成している。セルフタッピングねじの提供により、制御ステムは、ダイヤフラムシート11を区画するダイヤフラム8の壁を変形させて貫通し、ねじ山44の間に入り込むダイヤフラム8の材料を変形させて、制御ステムとダイヤフラム8との間に堅い接続、それによってダイヤフラムとステムの間にわずかな動きを示すことなくダイヤフラム8の多数または非常に多数の開閉サイクルを可能にする堅い接続が形成される。
【0054】
横方向の制御ステム寸法Dp及び入口ダクト寸法Diの特徴と、ダイヤフラム8の本体内のセルフタッピングステムねじ27によって生じる密接な結合との組み合わせは、ダイヤフラム8の変形又は寸法変化を経時的にも低減又は著しく低減することができる解決法を生み出し、装置の正しい動作を経時的にも保証し、制御ステム13の動きに忠実かつ正確に追随するダイヤフラム8の最適かつ正確な位置合わせにより常に完全なシールを経時的に保証することができる。
【0055】
実施形態によれば、セルフタッピングステムねじ27は、ダイヤフラムシート11の壁面にねじ込むことによりダイヤフラム本体8を変形させ、ダイヤフラム本体8の閉鎖時の推力と開放時の引っ張りを受けるダイヤフラム本体8の抵抗部でダイヤフラム本体8に貫入させる皮質タイプのねじである。
【0056】
一実施形態によれば、セルフタッピングステムねじ27は、所定のねじ高さを有する制御ステム13のテーパ状で尖ったねじ山44を含み、このねじ山44によって変形したダイヤフラム8の本体の材料をらせん状ねじチャネル45を完全に満たすように受け入れることができる、ねじ高さと同様の大きさのらせん状ねじチャネル45をその間に残している。
【0057】
一実施形態によれば、セルフタッピングステムねじ27は、ダイヤフラムシート11を形成するその狭い部分において、ダイヤフラム8の本体の厚さの1/2から1/4まで変化する所定のねじ高さを有する制御ステム13の先細りで尖ったねじ山44を含み、ダイヤフラム8の本体の中に1/2から1/4の間で変化する深さで入り込むように、ダイヤフラム8の本体の抵抗部分を形成し、それがねじ山44と相互作用し、ダイヤフラム8の閉鎖時の推力と開放時の引っ張りにさらされたときの繰り返しサイクルに抵抗する。
【0058】
一実施形態によれば、セルフタッピングステムねじ27は、ダイヤフラムシート11を形成するその狭い部分において、ダイヤフラム8の本体の厚さの1/3に等しい所定のねじ高さを有する制御ステム13の先細りで尖ったねじ山44を含み、ダイヤフラム8の本体の中に1/3に等しい深さまで入り込むように、ダイヤフラム8の本体に抵抗部分を形成し、それがねじ山44と相互作用して、ダイヤフラム8の閉鎖時の推力と開放時の引っ張りにさらされたときの繰り返しサイクルに抵抗する。
【0059】
一実施形態によれば、制御ステム13は、制御ステム13の端部に配置されたステムヘッド46を含む。
【0060】
一実施形態によれば、ステムヘッド46は、ダイヤフラムシート11のシートボトム48に当接する所定のダイヤフラム動作方向X-Xに直交する平坦なステム端面47を含み、制御ステム13をダイヤフラム8と一体化している。
【0061】
一実施形態によれば、ステムヘッド46は、セルフタッピングステムねじ27から排出溝49によって分離されており、この排出溝49は、制御ステム13がそのセルフタッピングステムねじ27でダイヤフラムシート11を区画する壁に挿入されてダイヤフラム8の材料が変形すると、その変形した材料が排出溝49に入って、制御ステムをその結合位置からダイヤフラム8にねじ外れするのを防止している。この排出溝49が設けられていることにより、ダイヤフラム8の本体の材料は、皮質ねじの強制ねじ込みによって変形すると、変形して排出溝49に入り、制御ステム13をその完全な作動位置にロックするアンダーカット停止部を形成し、これにより非常に多数の作動開閉サイクルが保証され、制御ステム13とダイヤフラム8、ダイヤフラム8と中間チャンバシール面14との間の相対位置が失われ、長期にわたって装置の完全なシールが作られないようにすることが確保される。
【0062】
一実施形態によれば、横方向制御ステム寸法Dpは、所定のダイヤフラム動作方向X-Xに直交する平面上で測定した、制御ステム13と入口ダクト接続エッジ7との間の距離を、横方向入口ダクト寸法Diの22%より小さい距離だけ残す。
【0063】
一実施形態によれば、流体遮断装置1は、Clean & Aseptic DesignまたはCAD装置、すなわち、装置によって処理される連続した流体間の汚染が許されず、装置自体を必ずしも分解せずに中間チャンバ6の完全な洗浄が可能でなければならない用途向けの装置1である。
【0064】
一実施形態によれば、そして既に上述したように、説明したいずれの実施形態においても、「入口ダクト」を「出口ダクト」に置き換えること、及び「出口ダクト」を「入口ダクト」に置き換えることが可能である。
【0065】
従って、一実施形態によれば、横方向制御ステム寸法Dpは、横方向出口ダクト寸法Deより大きい値と、所定のダイヤフラム動作方向Y-Yに直交する平面上で測定された、制御ステム13と出口ダクト接続エッジとの距離を、横方向出口ダクト寸法Dの25%より小さい距離だけ残す寸法と、の間である。
【0066】
一実施形態によれば、横方向制御ステム寸法Dpは、所定のダイヤフラム動作方向Y-Yに直交する平面上で測定した、制御ステム13と出口ダクト接続エッジとの間の距離を、横方向入口ダクト寸法Diの22%よりも小さい距離だけ残しておく。
【0067】
一実施形態によれば、シールダイヤフラム9の出口ダクト4の閉鎖位置において、制御ステム13と出口ダクト接続エッジとの間の所定のダイヤフラム動作方向Y-Yに平行に測定した距離は、横方向出口ダクト寸法Deの7%と15%との間である。
【0068】
図に示す実施形態から分かるように、一実施形態によれば、装置1は、バルブ本体2と、バルブ本体2の一端に嵌め込まれ、ねじ式の締め付けリングナット25でその上に固定された摺動体24とを含む。
【0069】
摺動体24に接続され、上部を空気圧アクチュエータトップ36で閉じた空気圧アクチュエータシリンダ35が設けられ、これと一緒に圧力チャンバ37を形成する。
【0070】
空気圧アクチュエータシリンダ35には、圧力チャンバ37に加圧流体を供給するために、ピストン38の移動のための加圧流体供給ダクトが存在する。
【0071】
圧力チャンバ37に収容され、空気圧アクチュエータピストン39が提供され、このピストンには制御シャフト29が接続されている。
【0072】
一実施形態によれば、装置1は、開弁インジケータ40をさらに含む。
【0073】
開弁インジケータ40は、制御シャフト29又は空気圧アクチュエータピストン39上に置かれ、キャップ42を介して空気圧アクチュエータトップ36から出るように自由に受け取られる表示ステム41を含む。
【0074】
弾性要素又はばね31は、バルブ閉鎖位置、すなわちダイヤフラム8の閉鎖位置に、空気圧アクチュエータピストン39を常にバイアスしている。
【0075】
圧力チャンバ37の流体封止が可能となるように、可動部材にシール43が設けられている。
【0076】
制御要素12は、制御シャフト29に、例えば、回転には空回りできるが並進には拘束された状態で接続されている。
【0077】
上述したように、摺動体24は、その接続フランジ23でバルブ本体2の一端に嵌め込まれ、その制御ステム13がダイヤフラム8に固定された状態で制御要素12を収容する。
【0078】
図に示す例では、ダイヤフラム8は軸対称の形状であり、単一のピースである。
【0079】
ダイヤフラム8は、接続フランジ23とバルブ本体2との間に、パック締めで拘束された環状ダイヤフラム取付体22を有するダイヤフラム接続部21を含む。
【0080】
ダイヤフラム8は、さらにダイヤフラム屈曲部10とダイヤフラムシール部9とを含む。
【0081】
ダイヤフラム屈曲部10は、ダイヤフラム封鎖部9をダイヤフラム接続部21に連結し、ダイヤフラム封鎖部9が中間チャンバ6における入口ダクト3の出口間隙の閉鎖位置から出口間隙の開放位置に通過することが可能となるように屈曲しながら変形させる。
【0082】
一実施形態によれば、ダイヤフラム屈曲部10は、平坦またはわずかに凹んだまたは円錐形の形状を有し、ダイヤフラムが閉鎖位置にあるときにそれ自体の上に折り返ることが防止される。
【0083】
一実施形態によれば、バルブ本体2は、入口ダクト3の出口間隙を閉塞するダイヤフラムシール部9を支持及びシールとして受けるように適合された、環状で平坦な中間チャンバシール面14を含む。
【0084】
一実施形態によれば、シールダイヤフラム9の入口ダクト3の閉鎖位置において、制御ステム13と入口ダクト接続エッジ7との間の、所定のダイヤフラム動作方向X-Xに平行に測定した距離は、横方向の入口ダクト寸法Diの7%と15%との間である。
【0085】
一実施形態によれば、ダイヤフラム8は、ダイヤフラムシール部9を含み、ダイヤフラムシール部9は、シール面と協働して出口ダクト4を閉塞させる。
【0086】
一実施形態によれば、制御ステム13は、少なくとも出口ダクト3の閉鎖位置と出口ダクト4の開放位置との間で、所定のダイヤフラム動作方向Y-Yに沿って移動する動きをダイヤフラムシール部9に伝達する。
【0087】
一実施形態によれば、少なくとも1つのダイヤフラム部分8が制御ステム13の一端を取り囲む。
【0088】
一実施形態によれば、ダイヤフラム8は、制御要素12を中間チャンバ6から分離する。
【0089】
一実施形態によれば、中間チャンバ6は、バルブ本体2の中間部分5とダイヤフラム8とによって、また、入口ダクト3及び出口ダクト4にアクセスするための間隙又は開口15、16によって区切られる。
【0090】
一実施形態によれば、ダイヤフラム8は、中間チャンバ6を制御要素摺動チャンバ17から分離し、制御要素摺動チャンバ17は、制御要素12を、入口ダクト3の閉鎖位置と入口ダクト3の開放位置との間のその動きにおいて受け入れ、案内する。
【0091】
一実施形態によれば、ダイヤフラム8は、軸対称の形状である。
【0092】
一実施形態によれば、ダイヤフラムシール部9は、カップ形状である。
【0093】
一実施形態によれば、ダイヤフラムシール部9は、ダイヤフラムステム18と拡大ダイヤフラムベース19とを含む。
【0094】
一実施形態によれば、拡大ダイヤフラムベース19は、中間チャンバ6のシール面14と密封的に協働するダイヤフラム支持面20を含む。
【0095】
一実施形態によれば、ダイヤフラム屈曲部10は、逆ドーム型である。
【0096】
一実施形態によれば、ダイヤフラム屈曲部10は、ダイヤフラム接続部21によってバルブ本体に接続する。
【0097】
一実施形態によれば、ダイヤフラム接続部21は、バルブ本体2と摺動体24の接続フランジ23との間でダイヤフラム8をパック締めするように適合された環状ダイヤフラム取付体22を含む。
【0098】
一実施形態によれば、摺動体24は、制御要素12を受け入れ、案内するように適合された制御要素摺動チャンバ17を区画する。
【0099】
一実施形態によれば、摺動体24は、バルブ本体2の外部ねじ部26に螺合したねじ付きリングナット25によってバルブ本体2に連結されている。
【0100】
一実施形態によれば、ダイヤフラム8は、PTFEと呼ばれるポリテトラフルオロエチレンで作られる。
【0101】
一実施形態によれば、バルブ本体2は、ステンレス鋼または耐腐食性に優れた他の合金で作られる。
【0102】
一実施形態によれば、制御要素12は、ステンレス鋼で作られる。
【0103】
一実施形態によれば、制御ステム13は、ダイヤフラム8の本体に入り込んで螺合するセルフタッピングステムねじ27を含み、これによりダイヤフラムシート11にダイヤフラムねじ28を形成し、これによりセルフタッピングステムねじ27のプロファイルとダイヤフラム8の本体の間に密接な結合を形成する。
【0104】
一実施形態によれば、制御ステム13とダイヤフラム8の本体との間の結合は、部品の螺合を外そうとするとダイヤフラム8の破損を伴うほど緊密なものである。
【0105】
実施形態によれば、制御要素12はステンレス鋼製であり、その制御ステム13は、ダイヤフラム8のPTFE製本体を螺合により変形させる皮質タイプのねじ山を有する。制御ステム13のねじ山の山頂は非常に先細りで尖っており、ねじ山のらせん面の溝は非常に広い。ねじ山の高さは、閉鎖時にスラストを受け、開放時に牽引を受けることになるダイヤフラム8のPTFE製の本体における抵抗部分を増加させるために大きく突出している。
【0106】
一実施形態によれば、制御要素12は、アクチュエータ30の制御シャフト29に接続される。
【0107】
一実施形態によれば、制御要素12は、空気圧アクチュエータ30の制御シャフト29に接続される。
【0108】
一実施形態によれば、制御要素12は、ばね31によって入口ダクト3の閉鎖位置へ常にバイアスされている。
【0109】
一実施形態によれば、制御要素12は、単一ピースの要素である。
【0110】
一実施形態によれば、制御要素12は、ダイヤフラムシート11に受容される。
【0111】
一実施形態によれば、制御要素12は、制御要素プレート32を含む。
【0112】
一実施形態によれば、制御要素プレート32は、制御ステム13と一体に設けられている。
【0113】
一実施形態によれば、制御要素12は、制御要素プレート32を含む。
【0114】
一実施形態によれば、制御要素プレート32は、ダイヤフラム屈曲部10に向くダイヤフラム支持面33を含む。
【0115】
一実施形態によれば、制御要素12は、制御要素プレート32を含む。
【0116】
一実施形態によれば、制御要素プレート32は、ダイヤフラム支持面33を含み、ダイヤフラム支持面33は円錐形又は球形セクターの形状である。
【0117】
一実施形態によれば、制御要素12は、制御要素プレート32を含む。
【0118】
一実施形態によれば、制御要素プレート32は、ダイヤフラム支持面33を含む。
【0119】
一実施形態によれば、入口ダクト3を閉塞するためのダイヤフラム8の位置で、かつダイヤフラム8が摩耗または経年劣化していない状態では、ダイヤフラム支持面33とダイヤフラム屈曲部10との間にダイヤフラムクリアランス34が存在し、ダイヤフラムシール部9から、ダイヤフラム8をバルブ本体2に接続するためのダイヤフラム接続部21まで移動すると、ダイヤフラムクリアランス34が大きくなる。
【0120】
当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、偶発的なニーズを満たすために、上述の実施形態に対して多くの変更および適合を行うことができ、または機能的に同等である他の要素に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 流体遮断装置
2 バルブ本体
3 入口ダクト
4 出口ダクト
5 中間部分
6 中間チャンバ
7 入口ダクト接続エッジ
8 ダイヤフラム
9 ダイヤフラムシール部
10 ダイヤフラム屈曲部
11 ダイヤフラムシート
12 制御要素
13 制御ステム
14 中間チャンバシール面
15 入口ダクトにアクセスするための間隙又は開口
16 出口ダクトにアクセスするための間隙又は開口
17 制御要素摺動チャンバ
18 ダイヤフラムステム
19 拡大ダイヤフラムベース
20 ダイヤフラム支持面
21 ダイヤフラム接続部
22 環状ダイヤフラム取付体
23 接続フランジ
24 摺動体
25 ねじ付リングナット
26 バルブ本体ねじ山部
27 セルフタッピングステムねじ
28 ダイヤフラムねじ
29 制御シャフト
30 アクチュエータ
31 ばね
32 制御要素プレート
33 ダイヤフラム支持面
34 ダイヤフラムクリアランス
35 空気圧アクチュエータシリンダ
36 空気圧アクチュエータトップ
37 圧力チャンバ
38 加圧流体供給ダクト
39 空気圧アクチュエータピストン
40 開弁インジケータ
41 インジケータステム
42 キャップ
43 シール
44 ねじ山
45 らせん状ねじチャネル
46 ステムヘッド
47 ステム端面
48 シートボトム
49 排出溝
Di 横方向入口ダクト寸法
De 横方向出口ダクト寸法
Dp 横方向制御ステム寸法
Dg 制御ステムとシール面との間のX-Xに直角な距離
Dz 所定のダイヤフラム動作方向X-Xに平行に測定した制御ステムと入口ダクト接続エッジとの間の距離
X-X 入口ダクトの解放および閉鎖のための所定のダイヤフラム動作方向
Y-Y 出口ダクトの解放および閉鎖のための所定のダイヤフラム動作方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6