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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】粘着フィルム
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20240214BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20240214BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240214BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J11/04
C09J11/06
C09J133/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019206024
(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公開番号】P2021080312
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】福井 千晃
【審査官】藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-308525(JP,A)
【文献】特開2019-052254(JP,A)
【文献】国際公開第2015/178378(WO,A1)
【文献】特開2014-189563(JP,A)
【文献】特開2019-112528(JP,A)
【文献】特開昭62-183386(JP,A)
【文献】特開平3-23978(JP,A)
【文献】特開平11-286165(JP,A)
【文献】特開2002-96567(JP,A)
【文献】特開平11-314452(JP,A)
【文献】特開2006-193599(JP,A)
【文献】特開2000-281989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00- 43/00
C09J 1/00- 5/10
C09J 7/00- 7/50
C09J 9/00-201/10
G09F 1/00- 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
粘着剤、レーザー光の照射により変色する変色剤、および、可塑剤を含む粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層中における前記可塑剤の含有率は、前記粘着剤100質量部に対し、1質量部以上30質量部以下であり、
前記レーザー光の照射により変色した部位の少なくとも一部が被着体に転写されるように構成されていることを特徴とする粘着フィルム。
【請求項2】
前記粘着剤層は、再剥離型の粘着剤層である請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項3】
前記粘着剤層は、前記粘着剤として、アクリル系粘着剤を含んでいる請求項1または2に記載の粘着フィルム。
【請求項4】
前記粘着剤層は、前記変色剤として、ビスマス系化合物、モリブデン系化合物および銅系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
【請求項5】
前記粘着剤層中における前記変色剤の含有率が、0.5質量%以上50質量%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロゴや製品、生産者の情報、シリアル番号、管理情報等の各種情報をラベル等に印字して、そのラベル等を被着体である対象製品に貼付することが行われている。そして、このような各種情報が印字されるラベルには、微細な印字を可能とすることから、レーザー光による印字(レーザマーキング)を行うレーザーマーカーラベルが採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来では、ラベルを被着体から剥離した場合に、記録されていた情報が不明となり、また、情報が記録されていた事実さえ不明になることがあった。
【0004】
一方、対象商品等の被着体に記録した情報を控えとして管理する必要がある場合があるが、別々に記録を行うと、偽装が行われる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-083185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、レーザー光の照射により、粘着フィルムとともに被着体自体にも情報を記録することができる粘着フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)~(5)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と、
粘着剤、レーザー光の照射により変色する変色剤、および、可塑剤を含む粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層中における前記可塑剤の含有率は、前記粘着剤100質量部に対し、1質量部以上30質量部以下であり、
前記レーザー光の照射により変色した部位の少なくとも一部が被着体に転写されるように構成されていることを特徴とする粘着フィルム。
【0008】
(2) 前記粘着剤層は、再剥離型の粘着剤層である上記(1)に記載の粘着フィルム。
【0009】
(3) 前記粘着剤層は、前記粘着剤として、アクリル系粘着剤を含んでいる上記(1)または(2)に記載の粘着フィルム。
【0010】
(4) 前記粘着剤層は、前記変色剤として、ビスマス系化合物、モリブデン系化合物および銅系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでいる上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘着フィルム。
【0011】
(5) 前記粘着剤層中における前記変色剤の含有率が、0.5質量%以上50質量%以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘着フィルム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レーザー光の照射により、粘着フィルムとともに被着体自体にも情報を記録することができる粘着フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の粘着フィルムの第1実施形態の構成を示す模式的な縦断面図である。
図2】第1実施形態に係る粘着フィルムに対するレーザー光照射時の状態を示す模式的な縦断面図である。
図3】レーザー光照射後に被着体から第1実施形態に係る粘着フィルムを剥離した状態を示す模式的な縦断面図である。
図4】本発明の粘着フィルムの第2実施形態の構成を示す模式的な縦断面図である。
図5】第2実施形態に係る粘着フィルムに対するレーザー光照射時の状態を示す模式的な縦断面図である。
図6】レーザー光照射後に被着体から第2実施形態に係る粘着フィルムを剥離した状態を示す模式的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[粘着フィルム]
まず、本発明の粘着フィルムについて説明する。
【0015】
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の粘着フィルムの第1実施形態の構成を示す模式的な縦断面図であり、図2は、第1実施形態に係る粘着フィルムに対するレーザー光照射時の状態を示す模式的な縦断面図であり、図3は、レーザー光照射後に被着体から第1実施形態に係る粘着フィルムを剥離した状態を示す模式的な縦断面図である。
【0016】
粘着フィルム1は、基材12と、レーザー光Leの照射により変色する変色剤を含む粘着剤層10とを備えている。粘着フィルム1は、粘着剤層10を被着体20に貼着した状態で、レーザー光Leが照射されるものである。
【0017】
粘着フィルム1では、粘着剤層10がレーザー光Leの照射により変色する変色剤を含むことにより、レーザー光Leを照射して、粘着剤層10の対応する部位に変色した部分である変色部11を形成することができる(図1図2参照)。そして、レーザー光Leの照射により変色した部位の少なくとも一部が被着体20に転写され、被着体20に転写部21が形成されるように構成されている(図2図3参照)。
【0018】
これにより、被着体20に所定の情報を記録することができる(レーザーマーキング)。特に、粘着フィルム1を剥離した場合であっても、被着体20に所定の情報を記録する記録部としての転写部21を残存させることができる。
【0019】
したがって、例えば、被着体20から粘着フィルム1が不本意に剥離してしまった場合や、何者かによって悪意により被着体20から粘着フィルム1が不本意に剥離されてしまった場合でも、被着体20に記録された所定の情報を読み出すことができる。
【0020】
また、前記情報が記録されている被着体20が粘着フィルム1を有さない状態になっている場合に、例えば、被着体20が、粘着フィルム1が剥離するような環境に置かれた履歴を有するものであると判断することができたり、何者かが被着体20に記録された情報に改ざんの意思を持って粘着フィルム1を剥離しようとした可能性があることを判断することができる。したがって、例えば、粘着フィルム1の有無などの貼着状態により、被着体20が流通等の過程で受けた履歴を判断することができる。
【0021】
また、粘着剤層10は、一般に、他の部位に比べて塑性変形しやすく、内部応力をためにくい。そのため、例えば、変色可能な部位が、変色に伴って体積変化する場合であっても、粘着フィルム1全体としての不本意な変形が防止され、粘着フィルム1の耐久性の低下等を生じにくい。
【0022】
また、粘着フィルムの他の部位を変色可能に構成する場合に比べて、粘着フィルムの製造が容易となる。また、変色可能な部位を別途設ける場合に比べて、粘着フィルムの層構成を単純化させることができる。
【0023】
また、被着体20に記録された情報である転写部21と、粘着剤層10に記録された情報である変色部11とを、対応したものとすることができる。そのため、例えば、レーザー光Leの照射後に被着体20から粘着フィルム1を剥離する場合に、レーザー光Leの照射により変色した部位の一部が被着体20に転写されるとともに、レーザー光Leの照射により変色した部位の他の一部(より具体的には、厚さ方向の他の一部)が粘着剤層10に残存するように構成されていると、レーザー光Leの照射後に被着体20から剥離した粘着フィルム1(変色部11を有する粘着フィルム1)を、被着体20に形成した情報(転写部21)の控えとすることができる。また、レーザー光Leの照射後に被着体20から剥離した粘着フィルム1(変色部11を有する粘着フィルム1)を他の被着体に貼着することにより、複数の物品に、対応する情報(典型的には同一の情報)を付与することができる。
【0024】
以下、粘着フィルム1を構成する各構成について、詳細に説明する。
<基材>
基材12は、粘着剤層10を支持する機能を有している。
【0025】
図2を参照しつつ説明するような方法で、変色部11、転写部21を形成する場合には、基材12の構成材料としては、光透過性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;アセテート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、酢酸セルロース等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、可視光、レーザー光Leの透過性等の観点から、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等が好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。なお、第2実施形態で図5を参照しつつ説明するような方法で、変色部11、転写部21を形成する場合には、基材12は、光透過性を有するものに限定されず、例えば、各種金属材料等で構成されていてもよい。
【0026】
また、基材12は、前述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、改質剤、防錆剤、充填剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、重合禁止剤、架橋剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤等が挙げられる。
【0027】
また、基材12は、単層よりなるものであってもよいし、複数の層を備える積層体であってもよい。また、基材12は、例えば、厚さ方向に組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
【0028】
基材12の厚さは、特に限定されないが、15μm以上300μm以下であるのが好ましく、30μm以上200μm以下であるのがより好ましい。
基材12は、光透過性を有するものであるのが好ましい。
【0029】
これにより、基材12が設けられた面側からの変色部11によるパターンの視認性を優れたものとすることができる。また、基材12が設けられた面側からレーザー光Leを照射することにより、好適に変色部11を形成することができる。
【0030】
基材12についての可視光の透過率は、特に限定されないが、80%以上であるのが好ましく、90%以上100%以下であるのがより好ましく、95%以上99.99%以下であるのがさらに好ましい。
【0031】
これにより、粘着剤層10中でレーザー光Leの照射により変色して形成される変色部11とそれ以外の部位(変色していない非変色部)とのコントラストをより大きいものとすることができ、変色部11によるパターンの視認性をより向上させることができる。
【0032】
基材12についてのレーザー光Le(変色部11の形成に用いるレーザー光Le)の透過率は、特に限定されないが、80%以上であるのが好ましく、90%以上100%以下であるのがより好ましく、95%以上99.99%以下であるのがさらに好ましい。
【0033】
これにより、粘着フィルム1の基材12が設けられた面側からレーザー光Leを照射して、変色部11を形成する場合に、基材12側から照射したレーザー光Leを、より効率よく、粘着剤層10に到達させることができる。その結果、レーザー光Leの照射による変色部11の形成のエネルギー効率をより向上させることができる。また、粘着剤層10中でレーザー光Leの照射により変色して形成される変色部11とそれ以外の部位(変色していない非変色部)とのコントラストをより大きいものとすることができ、変色部11によるパターンの視認性をより向上させることができる。
【0034】
<粘着剤層>
粘着剤層10は、粘着フィルム1を被着体20に貼着する際に、被着体20と接触(密着)する部位である。
【0035】
また、粘着剤層10は、レーザー光Leが照射された部位が変色して変色部11を形成することにより、各種情報が記録される層である。また、粘着剤層10は、レーザー光Leの照射により変色した部位の少なくとも一部が被着体20に転写され、被着体20に転写部21を形成することができるように構成されている。
【0036】
なお、本明細書において、「変色」とは、レーザー光Leを照射する前の色調から変化することをいう。変色の典型的な例としては、黒色以外の状態(無色を含む)から黒色に変化する場合が挙げられる。
【0037】
通常、転写部21は、粘着フィルム1が貼着されていた被着体20の表面付近に形成されるが、浸透等により被着体20の内部に形成されてもよい。
【0038】
粘着剤層10は、正常な使用形態において、粘着フィルム1が被着体20に貼着された後に剥離することを想定している再剥離型の粘着剤層であってもよいし、強粘着タイプや被着体20から剥離しようとした場合に糊残りを生じやすく設計されているもの等のように、剥離することを想定していないものであってもよいが、再剥離型の粘着剤層であるのが好ましい。
【0039】
これにより、粘着フィルム1を被着体20から剥離する際に不本意な糊残り等が発生することをも防止することができる。
【0040】
(粘着剤)
粘着剤層10を構成する粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤等が挙げられるが、中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
【0041】
これにより、粘着剤層10と基材12との密着性をより高いものとすることができる。また、粘着剤層10と被着体20との界面付近におけるレーザー光Leの照射による炭化反応を好適に進行させることができ、被着体20に転写部21をより好適に形成することができる。また、粘着剤の透明性をより高いものとすることができる。その結果、粘着剤層10が後述するような白色粒子を含む場合に、そのことによる効果がより顕著に発揮され、変色部11が設けられた粘着フィルム1を観察する際の、粘着フィルム1の変色部11が設けられた部位とそれ以外の部位とのコントラストがより大きくなり、記録された情報の視認性がより優れたものとなる。
【0042】
アクリル系粘着剤は、アクリル酸、メタクリル酸(以下、これらをまとめて「(メタ)アクリル酸」とも表記する。)またはこれらのエステル化合物(アクリレート、メタクリレート(以下、これらをまとめて「(メタ)アクリレート」とも表記する。))等の(メタ)アクリル酸誘導体をモノマー成分として含むものであればよく、前記以外のモノマー成分を含むものであってもよい。
【0043】
特に、アクリル系粘着剤としては、主成分として、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単独重合体、(メタ)アクリル酸エステル単位二種以上を含む共重合体および(メタ)アクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なくとも一種を含有するもの(以下、単に「アクリル系ポリマー」ともいう。)が好ましく用いられる。該(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル等が挙げられる。また、官能性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。アクリル系粘着剤は、一般に、溶剤型とエマルジョン型に大別され、溶剤型は、通常前記アクリル系ポリマー、溶剤、架橋剤および所望に応じて用いられる粘着付与剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等から構成されており、架橋システムとしてはメチロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架橋等が利用される。一方、エマルジョン型は、通常、前記アクリル系ポリマー、乳化剤、水性溶媒、所望に応じて用いられる粘着付与剤等から構成される。
【0044】
粘着剤層10を構成する粘着剤は、架橋剤により架橋した架橋型粘着剤を含んでいるのが好ましい。
【0045】
これにより、粘着剤層10の凝集力をより優れたものとすることができ、被着体20から剥離する際の糊残りをより効果的に防止することができる。
【0046】
架橋剤(特に、アクリル系粘着剤における架橋剤)としては、例えば、脂肪族イソシアネート化合物、芳香族イソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン系化合物等のポリイミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属アルコキシド、金属塩等が使用できる。より具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等やその誘導体である脂肪族イソシアネート化合物、アルミニウム-イソプロピレート、アルミニウム-secブチレート、アルミニウムアセチルアセトナート等のアルミニウムキレート化合物や、テトライソプロピルチタネート、テトラキス(2-エチルヘキソキシ)チタネート等のチタンキレート化合物等の金属キレート化合物等が挙げられる。
【0047】
粘着剤中における架橋剤成分の含有量は、特に限定されないが、粘着主剤のポリマー成分100質量部に対して、0.01質量部以上7.5質量部以下であるのが好ましく、2質量部以上6.5質量部以下であるのがより好ましく、3質量部以上6質量部以下であるのがさらに好ましい。
【0048】
これにより、再剥離により適切な粘着力が得られるとともに、被着体20から剥離した際の糊残りの発生をより効果的に防止することができる。
【0049】
(変色剤)
変色剤は、レーザー光Leが照射されることにより変色する成分であり、粘着剤層10に変色部11を形成するのに寄与する成分である。
【0050】
変色剤としては、例えば、レーザー光Leの照射により、レーザー光Leの作用で変色剤自身が化学反応(例えば、酸化反応や還元反応等)により発色(変色)する物質、粘着剤層10が含む変色剤の周囲の樹脂組成物(例えば、粘着剤層10を構成する樹脂材料(粘着剤)等)が化学反応(例えば、炭化)し発色(変色)させる物質等を好適に用いることができる。
【0051】
変色剤は、粘着剤層10中において分散した状態であってもよいし、溶解した状態であってもよい。
【0052】
変色剤としては、例えば、銅系化合物、モリブデン系化合物、ビスマス系化合物、鉄系化合物、ニッケル系化合物、クロム系化合物、ジルコニウム系化合物、ネオジム系化合物、アンチモン系化合物、チタン系化合物、マイカ系化合物、スズ系化合物等が挙げられる。
【0053】
これらの中でも、粘着剤層10は、変色剤として、ビスマス系化合物、モリブデン系化合物および銅系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでいることが好ましい。
【0054】
これにより、レーザー光Le照射時における粘着剤層10の発色性をより優れたものとすることができるとともに、被着体20に転写部21をより好適に形成することができる。また、レーザー光Le照射による粘着剤層10の不本意な膨れや、粘着剤層10と基材12との密着性の低下等をより効果的に防止することができる。このようなことから、変色部11の視認性、粘着フィルム1の信頼性をより向上させることができるとともに、転写部21の視認性、耐久性をより向上させることができる。
【0055】
粘着剤層10中における変色剤の含有率は、特に限定されないが、0.5質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましい。
【0056】
これにより、粘着剤層10中の変色剤以外の成分の機能を十分に発揮させつつ、粘着剤層10の発色性をより優れたものとすることができ、また、視認性、耐久性等に優れた転写部21をより好適に形成することができる。また、レーザー光Le照射時における粘着フィルム1の不本意な変性、劣化等をより効果的に防止することができる。
【0057】
変色部11の色は、特に限定されないが、暗色であることが好ましい。
具体的には、粘着剤層10の表面側から観察した場合の変色部11が設けられた部位におけるLの値(JIS Z8781-4で規定されるL表示の色度図でのLの値)は、0以上60以下であるのが好ましく、0以上40以下であるのがより好ましい。
【0058】
これにより、一般に、変色部11と非変色部との色差を大きくし、変色部11の視認性をより高めることができる。特に、粘着剤層10が白色粒子を含む場合に、変色部11と非変色部との明度差を大きくし、コントラストを高めることができ、変色部11の視認性をさらに高めることができる。また、上記のような暗色の変色部11は、前述した変色剤を用いて好適に形成することができる。
【0059】
(白色粒子)
粘着剤層10は、白色粒子を含んでいてもよい。
【0060】
これにより、変色部11が形成されていない状態、変色部11が形成されていない部位での白色度を上げ、変色部11と、非変色部とのコントラストを向上させ、変色部11によるパターンの視認性をさらに向上させることができる。
【0061】
白色粒子は、一般に、レーザー光Leによる影響を受けにくいものである。
このような白色粒子としては、例えば、白色顔料等を用いることができ、具体的には、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0062】
中でも、白色粒子は、酸化チタン、炭酸カルシウムのうち少なくとも1種を含んでいるのが好ましい。
【0063】
これにより、白色粒子の白色度や安定性をより優れたものとすることができ、上述したような効果をより安定的にかつより顕著に発揮させることができる。
【0064】
白色粒子の平均粒径は、0.2μm以上0.4μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上0.3μm以下であるのがより好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0065】
粘着剤層10中における白色粒子の含有率は、0.1質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上25質量%以下であるのがより好ましい。
【0066】
これにより、粘着剤層10中の他の成分の機能を十分に発揮させつつ、前述したような白色顔料を含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。
【0067】
(可塑剤)
粘着剤層10は、可塑剤を含んでいてもよい。
【0068】
これにより、粘着剤層10の柔軟性をより優れたものとすることができる。また、粘着剤層10の再剥離性をより優れたものとすることができ、粘着剤層10を被着体20から剥離する際の操作性をより優れたものとすることができる。また、レーザー光Leの照射により炭化した粘着剤層の成分を、好適に被着体20に転写することができる。
【0069】
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸2-エチルヘキシル等のトリメリット酸エステル系可塑剤、フタル酸系ポリエステル等のポリエステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル系可塑剤、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ステアリン酸ブチル等のエポキシ系可塑剤等が挙げられる。
【0070】
粘着剤層10中における可塑剤の含有率は、特に限定されないが、粘着剤100質量部に対し、1質量部以上30質量部以下であるのが好ましく、5質量部以上25質量部以下であるのがより好ましい。
【0071】
可塑剤の含有率が低すぎると、可塑剤の種類等によっては、前述したような可塑剤を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、可塑剤の含有率が高すぎると、粘着剤層10の柔軟性が過度となる可能性がある。
【0072】
(その他の成分)
また、粘着剤層10は、前述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、粘着付与剤、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、改質剤、防錆剤、充填剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、重合禁止剤、架橋剤、触媒、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤等が挙げられる。
【0073】
これらの成分の含有量は、特に限定されないが、これらの成分全体として、10質量%を超えないことが好ましい。
【0074】
粘着剤層10は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、組成の異なる部位を有していてもよい。例えば、変色剤は、粘着剤層10の厚さ方向のうち、粘着剤層10の表面(被着体20に接触する面)付近に偏在していてもよい。この場合、例えば、粘着フィルム1の製造において、いったん形成した粘着剤層の表面に変色剤を含む組成物(例えば、塗布液)を付与して形成して、最終的な粘着剤層10としてもよい。また、例えば、白色粒子は、粘着剤層10の厚さ方向のうち、粘着剤層10の表面(被着体20に接触する面)付近、または、基材12との接触面側付近に偏在していてもよい。
【0075】
粘着剤層10の厚さは、5μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
【0076】
これにより、粘着フィルム1の被着体20に貼着する際の貼着のしやすさ等の粘着フィルム1の取り扱いのしやすさをより向上させることができるとともに、変色部11によるパターンの視認性をより向上させることができる。また、変色部11および転写部21の色濃度を、いずれもより高いものとすることができ、粘着フィルム1および被着体20に形成される情報の視認性をより確実に優れたものとする上で有利である。
【0077】
粘着フィルム1は、被着体20への貼着前には、被着体20への接触面(本実施形態では、粘着剤層10)が剥離ライナーで被覆されていてもよい。
【0078】
これにより、粘着フィルム1の搬送時および保管時等において、粘着フィルム1(被着体20への接触面)を好適に保護することができる。
【0079】
剥離ライナーとしては、特に制限されず、粘着フィルムの分野で通常使用されるものを用いることができる。剥離ライナーとしては、例えば、紙基材またはフィルム基材の表面に剥離層が設けられたもの等が挙げられる。
【0080】
紙基材としては、例えば、上質紙、クラフト紙、グラシン紙等の紙類が挙げられる。また、フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂で構成されたフィルムが挙げられる。紙基材およびフィルム基材には、填料等の充填剤が含有されていてもよい。
【0081】
剥離層の構成材料としては、例えば、シリコーン、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0082】
剥離ライナーの厚さは、特に限定されないが、10μm以上150μm以下であるのが好ましく、20μm以上130μm以下であるのがより好ましい。
【0083】
本実施形態の粘着フィルム1が貼着される被着体20は、特に限定されず、いかなる材料で構成されたものであってもよく、また、いかなる形状、大きさのものであってもよい。
【0084】
[レーザーマーキング]
粘着フィルム1は、レーザー光Leを照射して、粘着剤層10の対応する部位に変色部11を形成することにより所定の情報を記録するとともに、被着体20の対応する部位に転写部21を形成することにより前記所定の情報を記録する(レーザーマーキング)。
【0085】
情報の記録に用いるレーザー光Leとしては、例えば、半導体レーザー、YAGレーザー、He-Neレーザー、COレーザー、YVOレーザー等が挙げられ、中でも、YAGレーザーが好ましい。
【0086】
これにより、変色部11および転写部21を容易かつ確実に形成することができるとともに、基材12、粘着剤層10、被着体20等の不本意な変性、劣化等をより好適に防止することができる。
【0087】
レーザーマーキングにより記録される情報の内容は、特に限定されず、例えば、種々の文字、記号、符号、点、線、図形、模様またはこれらの任意の組合せとすることができ、当該情報の内容は任意であり、いかなるものであってもよい。
【0088】
例えば、複数の粘着フィルム1に同じ内容が記録されてもよいし、例えば、製造番号、製品情報等のように、個体識別のために、粘着フィルム1毎に異なる情報が記録されてもよい。
前記情報は、例えば、バーコードのような二次元コードであってもよい。
【0089】
≪第2実施形態≫
図4は、本発明の粘着フィルムの第2実施形態の構成を示す模式的な縦断面図、図5は、第2実施形態に係る粘着フィルムに対するレーザー光照射時の状態を示す模式的な縦断面図、図6は、レーザー光照射後に被着体から第2実施形態に係る粘着フィルムを剥離した状態を示す模式的な縦断面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
【0090】
本実施形態の粘着フィルム1は、基材12と、レーザー光Leの照射により変色する変色剤を含む粘着剤層10と、基材12と粘着剤層10との間に設けられ、光を反射する機能を有する反射層13とを有している。言い換えると、粘着フィルム1の被着体20に接触する面とは反対の面側に反射層13が設けられている。
【0091】
このような構成により、被着体20がレーザー光Leの透過性を有している場合に、基材12が光透過性を有していなくても、図5に示すように、被着体20側からレーザー光Leを照射することにより、好適に変色部11および転写部21を形成することができる。すなわち、変色部11および転写部21の形成のためにレーザー光Leを照射する際、照射したレーザー光Leの一部は、粘着剤層10で吸収されないが、反射層13が配されていることにより、当該吸収されなかったレーザー光Leは、反射層13で反射されることとなる(図5参照)。その結果、当該反射されたレーザー光Leが、変色部11および転写部21の形成に寄与することができる。したがって、照射したレーザー光Leのエネルギーのうち変色部11および転写部21の形成に寄与する成分の割合を高めることができる。よって、より小さいエネルギーで変色部11および転写部21を形成することができたり、所定のエネルギー量のレーザー光Leでより変色の度合いの大きい変色部11および転写部21、より耐久性に優れた転写部21を形成することができたりする。また、基材12の光透過性が低い場合や、基材12がレーザー光Leに対する耐性の低いものである場合であっても、変色部11および転写部21を好適に形成することができるため、基材12の構成材料等の選択の幅を広げることができる。例えば、各種紙材料、不織布、織物等で構成された基材12を好適に用いることができる。その結果、粘着フィルム1全体として構成の幅を広げることができる。
【0092】
本実施形態のように、粘着フィルム1が反射層13を有するものである場合、被着体20から剥離された粘着フィルム1の変色部11を観察する場合、通常、粘着剤層10の面側から観察することになる。
【0093】
また、このような場合において、転写部21が形成された被着体20を転写部21が設けられた表面側から観察する場合、前記のように粘着剤層10の面側から粘着フィルムを観察した場合の情報に対して、反転(鏡像関係にある)パターンが観察される。
【0094】
<反射層>
反射層13は、光を反射する機能を有していればよいが、レーザー光Leの照射により形成された変色部11よりも明度が高い明色層であるのが好ましい。
【0095】
これにより、被着体20から剥離された粘着フィルム1において、変色部11によるパターンの視認性をより向上させることができるとともに、レーザー光Leの照射による変色部11の形成を行う際のエネルギー効率をより向上させることができる。
【0096】
また、反射層13は、レーザー光Leの照射により形成された転写部21よりも明度が高い明色層であるのが好ましい。
【0097】
これにより、レーザーマーキングの過程において、転写部21が十分な色濃度になっているか否かの判断が容易となり、色濃度が不十分である場合に追加でレーザー光Leの照射を行う等の調整が容易となる。
【0098】
特に、反射層13は、白色を呈するものである場合に、上記のような効果がより顕著に発揮される。
【0099】
このような反射層13は、例えば、着色剤を含む材料で構成することができる。具体的には、着色剤および結着剤(バインダー樹脂)を含む材料で構成することができる。着色剤としては、特に限定されないが、変色部11や転写部21よりも明度が高い明色を呈するものであることが好ましい。
これにより、前述したのと同様の効果が発揮される。
【0100】
反射層13を構成する反射性の材料としては、例えば、各種金属や、白色を呈する無機顔料、有機顔料等の白色系着色剤等が挙げられる。
【0101】
白色を呈する無機顔料としては、例えば、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム、マイカ等が挙げられる。
【0102】
また、白色を呈する有機顔料としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
【0103】
反射層13は、例えば、気相成膜法により形成された膜(例えば、蒸着膜等)であってもよいし、光反射性の材料とバインダーとを含む組成物を塗工等により層状に成形したものであってもよい。
【0104】
反射層13が金属材料で構成された金属層である場合、当該反射層13の厚さは、0.01μm以上5.0μm以下であるのが好ましい。
【0105】
反射層13は、前述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、バインダー、粘着付与剤、白色系着色剤以外の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、改質剤、防錆剤、充填剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、重合禁止剤、架橋剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤等が挙げられる。
【0106】
反射層13についての可視光の反射率(例えば、レーザー光Leの反射率)は、特に限定されないが、30%以上100%以下であるのが好ましく、50%以上100%以下であるのがより好ましく、70%以上100%以下であるのがさらに好ましい。
【0107】
これにより、前述したような反射層13を設けることによる効果がより顕著に発揮される。
【0108】
<第2の粘着剤層>
また、図4に示す構成では、基材12と反射層13との間に、第2の粘着剤層14が設けられている。
【0109】
これにより、例えば、反射層13が粘着性を有さない場合であっても、基材12と反射層13との密着性を優れたものとすることができる。また、粘着フィルム1の製造において、各層の形成順序の自由度が増す。
【0110】
第2の粘着剤層14を構成する粘着剤としては、例えば、前述した粘着剤層(第1の粘着剤層)10の構成成分として例示した粘着剤が挙げられる。
【0111】
第2の粘着剤層14は、前述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、粘着付与剤、白色系着色剤以外の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、改質剤、防錆剤、充填剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、重合禁止剤、架橋剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤等が挙げられる。
【0112】
第2の粘着剤層14の厚さは、5μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
【0113】
これにより、粘着フィルム1の被着体20に貼着する際の貼着のしやすさ等の粘着フィルム1の取り扱いのしやすさをより向上させることができる。
【0114】
本実施形態の粘着フィルム1が貼着される被着体20は、少なくとも粘着フィルム1が貼着される部位が、光透過性を有するものであれば、特に限定されない。
【0115】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0116】
例えば、本発明の粘着フィルムは、前述した以外の構成をさらに備えるものであってもよい。例えば、本発明の粘着フィルムは、コート層(例えば、印刷用コート層等)や中間層を備えていてもよい。
【0117】
また、前述した第1実施形態では、粘着フィルムの基材の面側(粘着剤層とは反対の面側)から、レーザー光を照射する場合について説明したが、被着体がレーザー光の透過性を有する場合、第2実施形態で説明したのと同様に、被着体を介して、粘着フィルムの粘着剤層の面側からレーザー光を照射してもよい。このような場合、基材が粘着剤層側からレーザー光を照射した場合に当該レーザー光の反射性を有する場合(より具体的には、基材全体が光反射性の材料で構成されている場合、基材の粘着剤層に対向する面が光反射性の材料で構成されている場合、基材が光反射性の材料で構成された層を有するとともに、当該層よりも粘着剤層側に光透過性を有する層のみが設けられている場合等)には、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0118】
1…粘着フィルム
10…粘着剤層(第1の粘着剤層)
11…変色部
12…基材
13…反射層
14…第2の粘着剤層
20…被着体
21…転写部
Le…レーザー光
図1
図2
図3
図4
図5
図6