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特許7436100単一周波数ネットワークにおけるACK/NACKメッセージング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】単一周波数ネットワークにおけるACK/NACKメッセージング
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20240214BHJP
   H04W 72/044 20230101ALI20240214BHJP
   H04L 1/16 20230101ALI20240214BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/044 110
H04L1/16
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108580
(22)【出願日】2022-07-05
(62)【分割の表示】P 2018522720の分割
【原出願日】2016-11-28
(65)【公開番号】P2022133395
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】15197274.2
(32)【優先日】2015-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518144182
【氏名又は名称】アイピーコム ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビナス、マイク
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ルフト、アヒム
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/125738(WO,A1)
【文献】特開2013-081193(JP,A)
【文献】特表2010-539845(JP,A)
【文献】特表2013-500636(JP,A)
【文献】特表2014-513506(JP,A)
【文献】特表2010-537546(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024570(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04L 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のデータ伝送が複数の基地局のそれぞれによって成功受信されたかどうかを示すべく共通の無線リソースを使用する前記複数の基地局からユーザ機器デバイスへのフィードバックを与える方法であって、
前記複数の基地局はそれぞれ、前記データ伝送の受信成功の場合に、前記共通の無線リソースのうちの第1のフィードバックリソースを使用して肯定応答を送信し、前記データ伝送の受信不成功の場合に、前記共通の無線リソースのうちの第2のフィードバックリソースを使用して否定応答を送信し、前記第1のフィードバックリソース及び前記第2のフィードバックリソースは互いに直交する
方法。
【請求項2】
前記第1のフィードバックリソース及び前記第2のフィードバックリソースは、直交するコードシーケンスである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コードシーケンスはそれぞれ、前記共通の無線リソースを使用してデータを送信するユーザ機器デバイスの数の少なくとも2倍に等しいビット長を有する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のフィードバックリソース及び前記第2のフィードバックリソースは、異なる時間又は周波数リソースである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ヌル送信は、フィードバックメッセージを送信するために使用されないフィードバックリソースで基地局により送信される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の基地局が共通の無線リソースを使用して送信するネットワークにおいて動作するユーザ機器のデバイスであって、前記デバイスは、前記複数の基地局にそれぞれ単一のデータを送信し、前記デバイスが、肯定応答のフィードバックメッセージと否定応答のフィードバックメッセージとの両方を、互いに異なる前記複数の基地局から同時に受信し得るように前記データが成功受信されたかどうかを示す同時に送信されたフィードバックメッセージを前記複数の基地局から受信すべく配置され、肯定応答の前記フィードバックメッセージは、前記共通の無線リソースのうちの共通の第1の無線リソースを使用して送信され、否定応答の前記フィードバックメッセージは、前記共通の無線リソースのうちの前記第1の無線リソースに直交する共通の第2の無線リソースを使用して送信され、前記デバイスは、受信成功の肯定応答のために受信されたフィードバックメッセージを解析すべく配置され、そのような肯定応答のフィードバックメッセージが受信されない場合にだけ、受信された前記フィードバックメッセージを解析して、受信の否定応答が受信されたかどうかを決定すべく配置される、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ機器デバイスが複数の基地局からの同時送信を受信する単一周波数ネットワークに関し、複数の基地局からの同時送信は、同じ無線リソースを使用する。
【背景技術】
【0002】
複数の基地局は、単一周波数ネットワークを作成し、それ故にモバイルデバイスに1つの単セルとして現れる。加えて、基地局は、UEが次に移動するように予想されるエリアを包含すべく、UEの移動に従って、特定のモバイルデバイス(UE)に現在データを送信している基地局のセットに追加され、そのセットから除去され、すなわち、特定のUEへの送信に関して、UEの移動に従って、一部のセルはスイッチがオンにされ、一部のセルはスイッチがオフにされる。基地局がいかなるUEにも送信する必要がない場合、それはまた、全体にスイッチがオフにされ(電源が切られ)得る。
【0003】
本発明の文脈において、用語SFNは、より大きい拡張エリアを通常は包含する同期して動作する基地局のセットとして理解され得るが、このより大きいセット(いわゆるSFNクラスタ)からの基地局のサブセットとしても理解され得る。隣接するSFNクラスタ間の干渉を回避すべく、それぞれのSFNクラスタに使用されているリソースは、互いに直交し得る。
【0004】
本発明は、アップリンクにおいて、自動再送要求(ARQ)を適用することにより、アップリンク(UL)方向(モバイルデバイスから基地局への)の複数の基地局に向かう接続のために後方エラー制御を可能にすることに関する。フィードバック情報に基づき、不成功に受信されたパケットの再送信が要求される。それ故に、各々のパケットの受信は、受信している基地局により応答される(ACKの送信により肯定、又はNACKで否定)。
【0005】
ARQの使用とACK及びNACKメッセージの送信とは、周知である。実例は、例えば、米国特許出願公開第2014/0348077A1号明細書、欧州特許出願公開第2083530A2号明細書、国際公開第2014/98483号及び国際公開第2010/084901号などの文献に見つけられ得る。
【0006】
欧州特許出願公開第1223703A1号明細書は、複数の受信機が、同じリソース(時間、周波数及びコード)に関して送信機にrx品質フィードバックを送信し、それにより、フィードバックの発信元が、コード又は特定のマルチアンテナ技法により確認されるブロードキャスト/マルチキャストシステムにおけるACK/NACK送信のための方法を提案する。確認は、当該方法の配備全てに必要なことはないが、意図される重複フィードバックは、説明されていない。
【0007】
複数の送信機による単一の受信機へのフィードバック送信のための既知の技法は、異なる送信機により同時に送信されるACK又はNACKが1つのACK又はNACKとして現れる機能と、異なる送信機により同時に送信されるACK(又はNACK)が、受信機での受信品質の向上に至る機能とが欠けており、それ故に複数の基地局から単一のUEにフィードバックを配信することができない。
【0008】
上記の特徴は、3G及び4G通信システムにおいて使用されるHARQメカニズムの特質のために要求される。当該メカニズムは、送信のストールを防止すべく、受信機から送信機に適時のフィードバックを必要とする。受信機(基地局)が、単一のフィードバック(ACK又はNACK)を送信すべくそれら自身を統合するのに十分な時間はない。従って、即時のフィードバックが各々の基地局により生成されなければならず、様々な受信品質が、様々なフィードバック(ACK又はNACK)に至ることとなる。
【0009】
米国特許出願公開第2005/0180328A1号明細書は、複数の基地局のためのACK/NACK送信アルゴリズムを説明する。アルゴリズムの一部は、UEが、異なる基地局からのメッセージが同じ無線リソースを使用せず、個別に復号され得ることを示す、基地局ごとのACK/NACK状態を決定することを示す。米国特許出願公開第2003/0152031号明細書は、UEが、受信された複数のACK及びNACKを決定し、異なる基地局が同じリソースを使用して送信しないことを再び示すことができる同様なシステムを説明する。WCDMA(登録商標)システムにおいて、各々の基地局は、その基地局に特有のスクランブリングコードを使用してメッセージを送信することとなることが予想されるであろう。
【0010】
欧州特許出願公開第1638362A2号明細書はまた、複数の基地局がACK又はNACKを送信し得るシステムを説明する。前の2つの文献と同様に、各々の基地局は、そのACK/NACKメッセージのために互いに異なる無線リソースを使用し、それらが個別に復号されるのを可能にするであろう。米国特許出願公開第2012/0026935A1号明細書は、リレーノードを含むLTEシステムにおけるACK/NACKメッセージングを説明する。特定のチャネルは、eNB及びリレーノードが異なる無線リソースを使用するように、リレーノードからの送信に割り当てられる。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、データ伝送が成功受信されたかどうかを示すべく単一周波数ネットワークの複数の基地局からユーザ機器デバイスへのフィードバックを与える方法を提供し、基地局はそれぞれ、データ伝送の受信成功の場合に、第1のフィードバックリソースを使用して肯定応答を送信し、データ伝送の受信不成功の場合に、第2のフィードバックリソースを使用して否定応答を送信し、第1のフィードバックリソース及び第2のフィードバックリソースとは互いに直交し、第1のフィードバックリソース及び第2のフィードバックリソースは複数の基地局と共通である。
【0012】
更なる態様において、本発明は、単一周波数ネットワークにおいて動作するように適合されるユーザ機器のデバイスを提供し、デバイスは、単一周波数ネットワークにおいてデータを基地局にデータを送信し、デバイスが、肯定応答のフィードバックメッセージと否定応答のフィードバックメッセージとの両方を同時に受信し得るようにデータが成功受信されたかどうかを示すフィードバックメッセージを基地局から同時に受信すべく配置され、肯定応答のフィードバックメッセージは、共通の第1の無線リソースを使用して送信され、否定応答のフィードバックメッセージは、第1の無線リソースに直交する共通の第2の無線リソースを使用して送信され、デバイスは、受信成功の肯定応答のために受信されたフィードバックメッセージを解析すべく配置され、そのような肯定応答のフィードバックメッセージが受信されない場合にだけ、受信されたフィードバックメッセージを解析して、受信の否定応答が受信されたかどうかを決定すべく配置される。
【0013】
本発明の好ましい態様は、従属請求項に従って提供される。
【0014】
UEは、複数の基地局からUEの最新のアップリンク送信に関連するACK又はNACKを受信することが可能であるが、一方ACKの全て及びNACKの全てが、受信品質の向上した単一のオーバーレイ信号として受信されている。以下が含まれる。
【0015】
好ましくは、異なる送信機により同時に送信されるACKは、送信される任意のNACKも確認されている間に同期する送信スキームに起因して1つのACKとして現れる。これは、同一のリソースの多重使用に起因するリソースをセーブするので有益である。
【0016】
異なる送信機により同時に送信されるACKは、また同期する送信に起因して、受信機での受信品質の向上に至り得る。これは、送信の信頼性を高めるので有益である。
【0017】
ブランク送信が回避され得る。すなわち、特定の基地局がNACKを送信する場合、ACKリソースのTX電力がゼロとなることが回避される。これは、送信信号のピーク対平均比(PAR)を減少させるので有利であり、そのことは、より安価な電力増幅器の利用を可能にするであろう。これは、以下の手段により達成される。
【0018】
「ヌル送信」のための特定コードは、異なる時間周波数リソースが、NACK送信及びACK送信のために定義される場合に使用され得る。この特定コードは、使用されないコマンドのために保留されるリソース上(例えば、ACKが送信された場合、NACKリソース上)に送信される。
【0019】
ACK及びNACKための異なるコードは、同じ時間周波数リソース上に使用され得る。各々の基地局は、ACKか、NACKかのどちらかを送信することとなるので、ヌル送信は回避される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここで、本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して例としてだけ説明される。
図1】単一周波数ネットワークの概略図を示す。
図2】3つの可能な多重化スキームのための応答リソースを示す。
図3】メッセージシーケンスチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、第1の実施形態において、3つの基地局BS、BSn+1及びBSn+2は、UEのための単一周波数ネットワークとして役立つように構成され、すなわち、基地局は、UEにデータを同時に送信し、UEからデータを同時に受信する。UEに関して、基地局からの重複信号は、1つの単セルに由来して効果的に現れる。
【0022】
自動再送要求(ARQ)手順が、アップリンクに適用される。関与される各基地局は、受信されるアップリンクパケットのために個別のフィードバックを送信中のUEに送信する。
【0023】
本発明の目的は、単一の送信ACKは、たとえ複数のNACKが同時に送信されたとしても確実に検出されるべきことである。これは、不要な再送信を回避すべく重要である。特定の送信パケットに対応して、ACKが送信されない信頼できる検出が提供されることも好ましい。これは、必要な再送信が見落とされないのを確実にすべく重要である。
【0024】
これらの要求に備えたARQ手順は、以下のようなものがある。
【0025】
第1のフィードバックリソース(ACKリソース)は、ACKの送信のために全ての基地局により使用され、第2のリソース(NACKリソース)は、NACKの送信のためにACKリソースに直交する。これにより、異なる基地局により送信されるACK及びNACKは、互いに干渉しないことが可能になる。加えて、複数の基地局のそれぞれによる複数のACK又はNACKの同期した並列送信は、受信品質を向上させることとなる。リソースは、特定の周波数範囲、時間インスタンス及びコードの組み合わせである。
【0026】
図2を参照すると、3つの異なる多重化技法、周波数多重化、時間多重化及び符号多重化のために可能な直交フィードバックリソースが示される。
【0027】
周波数の多重化に関して、異なる周波数(又は、サブキャリア)がACK及びNACKのために使用されるが、使用されるコード及び時間スロットは、同一であり得る。ヌル送信を回避すべく、ACK/NACKのために使用されるコードと直交するヌルコードが、使用されていないリソース上に送信される。
【0028】
時間多重化に関して、異なる時間スロットがACK及びNACKのために使用されるが、使用されるコード及びサブキャリアは、同一であり得る。ヌル送信を回避すべく、ヌルコードは、使用されていないリソース上に送信される。
【0029】
符号多重化のために、異なるコードが、ACK及びNACKのために使用される。使用されるサブキャリア及び時間スロットは、同一であり得る。ACKか、NACKのどちらかが送信され、それ故にヌル送信は生じ得ないので、ヌルコードは、必要とされない。これは、リソースをセーブするので、好ましい実施形態である。
【0030】
いわゆる「ウォルシュコード」が、フィードバック情報を符号化するために使用される。ACKに関して、コード「1 1」が使用される一方、NACKに関して、コード「1 -1」が使用される。
【0031】
コードに対する2つの長さは、2つの異なるタイプのフィードバック情報を区別するために必要とされる最小値である。困難な状況(例えば、フィードバック送信中の多数の基地局、高い経路損失、不均等な受信電力)下でフィードバック情報を区別する際の信頼性が、コード長が増加された場合に必要とされるより大量のリソースのコストについて高められる。より信頼できるフィードバック情報の符号化に関して、ACKに対して、コード「1 1 1 1 1 1 1 1」が使用され得、NACK対して、コード「1 -1 1 -1 1 -1 1 -1」が使用され得る。
【0032】
図3を参照すると、図1においてUEと3つの基地局との間で交換されるメッセージを示すメッセージフローチャートが示される。
【0033】
第1の局面において、UEは、第1のペイロードパケットを送信する。これは、BS及びBSn+1により正しく受信され(図3において実線により示される)が、BSn+2(点線)により間違って受信される。局面2において、BS及びBSn+1は、肯定フィードバック、すなわちACKをUEに送信し戻す。BSn+2は、間違った受信に起因してNACKを送信する。符号多重化は、ACK及びNACKを区別するために使用され、すなわち、全てのBSは、フィードバック情報の送信のために同じ時間スロット及び同じサブキャリアを使用し、ACK及びNACKのために個別のコードを使用することとなる。この例において、ACKは、「1 1」として送信される一方、NACKは、「1 -1」として送信される。送信電力は、関与される全てのBS(例えば、接続設定で構成される)に対して等しい。これは、より近いBSの受信信号電力が、遠く離れたBSの受信信号電力よりも高いことを意味する。この特性は、ACK受信がNACK受信よりも信頼できることを確実にするので有利である。フィードバックが一度送信されると、単一のオーバーレイフィードバック信号が、UEにより受信される。UEは、ACKコードとの相関により信号をデコードする。これが先ず行われ、ACKの検出により、検出手順は放置され、次のペイロードパケットの送信が開始することとなるからである。この例において、ACKコードの相関ピークが、ノイズレベルを明らかに超えていることが検出され、すなわち、ACKが検出される。これは、パケット#1が正しく受信された(少なくとも1つのBSにより)ことを示し、UEは次のペイロードパケットの送信を進める。少なくとも1つのACKが送信されたので、1又は複数の基地局が、第1のペイロードパケットを正しく受信しなかったことは、UEに関心はない。
【0034】
局面3において、UEは、ペイロードパケット#2を送信する。受信状態が、関与される基地局に対して異なるという事実のために、更なる手段がなければ、BSは、次のパケットが再送信であるか、新たなパケットであるかに気付かない。それ故に、UEは、使用されるARQ方法に従って必要とされる情報をパケットごとに含む。メッセージは、新たなパケットにおいて「新たなデータインジケータ」示すことを符号化する段階と、再送信において「冗長バージョン」を示すことを符号化する段階を含む。
【0035】
局面4に示されるように、ペイロードパケット#2は、全ての基地局BS~BSn+2により正しく受信されておらず、それ故に、全ての基地局は、コード「1 -1」を使用することによりUEにNACKを送信する。UEは、ACKのために相関ピークを計算し、ピークが非常に低いことを検出する。それは、ノイズレベルよりも著しく高くはない。これは、ACKが受信されなかったという第1の指標である。以下の検出段階において、UEは、NACKのために相関ピークを計算する。それがノイズレベルを明らかに超えていて、すなわち、NACKが検出される。これは、ACKが受信されなかったという第2の指標である。
【0036】
前の段階で見つけられた2つの指標に基づき、UEは、増加した電力、及び/又はよりロバスト性のある変調及び符号化でペイロードパケット#2を再送信することを決定する。この再送信は、BSにより正しく受信される。
【0037】
その場合、ACKもNACKもUEにより検出されないなら、再送信が試みられる。これらの再送信の試みのうち、あまりにも多くが成功しなかった(ACKが検出されない)場合、UEは、「無線リンク故障」状態に入ることとなる。すなわち、最新の既知のセルに再接続しようとする、又は別の適したセル(又は、SFNクラスタ)を見つけようとする。
【0038】
上記の手順は、単一のUEへのフィードバックを可能にする。複数のUEがSFNアップリンク接続を有する場合、複数のフィードバックリソースが必要とされる。追加のリソースは、周知の多重化技法(時間、周波数又は符号多重)により可能にされる。符号多重を使用することが、好ましい。それ故、使用されるコードの長さは、アクティブSFNアップリンクに対してUEの数の少なくとも2倍でなければならない。より長いコードを使用することにより、ノイズに対する検出信頼性を更に向上することとなる。例えば、以下の表に示されるように、8個のUEは、以下の長さ16のコードでフィードバックを同時に取得し得る。
【表1】
【0039】
上記に説明される手順は、ACKか、NACKかのどちらかの送信を必要とする。代替案として、以下の手順は、ACKの送信を必要とするだけである(ペイロードパケットが正しく受信された場合)。さもなければ、パケットが正しく受信されなかった場合、フィードバックは送信されないであろう。
【0040】
基地局がペイロードパケットを正しく受信していない場合、受信されたフィードバック信号は、1又は複数のオーバーレイACK又はブランク送信から成り得る。
【0041】
UEは、フィードバック信号においてACKを検出しようとする。成功の場合、すなわち、復号された信号がノイズレベルを明らかに超えた場合、UEは、次のペイロードパケットを送信を進めることとなる。復号された信号がノイズレベルを明らかに超えていない場合、UEはこれをNACKと解釈する。その結果、最新のペイロードパケットを再送信することとなる。
【0042】
この代替的な実施形態は、リソースをセーブするので有利である。ACKリソースだけが必要とされる。それ故に、長さ8のコードは、8個のUEためのフィードバックチャネルを可能にするのに十分である。一方、ブランク送信は、より高いPARで信号を操作できる電力増幅器を必要とする場合がある。
(項目1)
データ伝送が成功受信されたかどうかを示すべく単一周波数ネットワークの複数の基地局からユーザ機器デバイスへのフィードバックを与える方法であって、基地局はそれぞれ、データ伝送の受信成功の場合に、第1のフィードバックリソースを使用して肯定応答を送信し、データ伝送の受信不成功の場合に、第2のフィードバックリソースを使用して否定応答を送信し、第1のフィードバックリソース及び第2のフィードバックリソースは互いに直交し、第1のフィードバックリソース及び第2のフィードバックリソースは複数の基地局と共通である、
方法。
(項目2)
第1のフィードバックリソース及び第2のフィードバックリソースは、直交するコードシーケンスである、
項目1に記載の方法。
(項目3)
前記コードシーケンスはそれぞれ、前記単一周波数ネットワークにおいてデータを送信するユーザ機器デバイスの数の少なくとも2倍に等しいビット長を有する、
項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第1のフィードバックリソース及び前記第2のフィードバックリソースは、異なる時間又は周波数リソースである、
項目1に記載の方法。
(項目5)
ヌル送信は、フィードバックメッセージを送信すべく使用されないフィードバックリソースの基地局により送信される、
項目4に記載の方法。
(項目6)
単一周波数ネットワークにおいて動作するユーザ機器のデバイスであって、前記デバイスは、前記単一周波数ネットワークにおいてデータを基地局にデータを送信し、前記デバイスが、肯定応答のフィードバックメッセージと否定応答のフィードバックメッセージとの両方を同時に受信し得るように前記データが成功受信されたかどうかを示すフィードバックメッセージを基地局から同時に受信すべく配置され、肯定応答の前記フィードバックメッセージは、共通の第1の無線リソースを使用して送信され、否定応答の前記フィードバックメッセージは、前記第1の無線リソースに直交する共通の第2の無線リソースを使用して送信され、前記デバイスは、受信成功の肯定応答のために受信されたフィードバックメッセージを解析すべく配置され、そのような肯定応答のフィードバックメッセージが受信されない場合にだけ、受信された前記フィードバックメッセージを解析して、受信の否定応答が受信されたかどうかを決定すべく配置される、デバイス。
図1
図2
図3