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特許7436106医療用ハンドカバー及び医療用ハンドカバーを調製するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】医療用ハンドカバー及び医療用ハンドカバーを調製するための方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/015 20060101AFI20240214BHJP
   A61B 7/00 20060101ALI20240214BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20240214BHJP
   A41D 13/08 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A41D19/015 610Z
A61B7/00 D
A41D19/00 A
A41D13/08 101
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020128204
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2021025192
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】62/881,013
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520282502
【氏名又は名称】ステソグローブ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】イアン アレクサンダー ウェッブ
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0095017(US,A1)
【文献】中国実用新案第208876580(CN,U)
【文献】国際公開第2018/191639(WO,A2)
【文献】米国特許第05486322(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0010822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 19/015
A61B 7/00
A41D 19/00
A41D 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用ハンドカバー(200)であって、
医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される指なし内腔を画定する1つ又は複数の材料であり、前記医療機器が聴診器であり、前記1つ又は複数の材料が、前記聴診器の音響性能に関して音響的に透過性であり、前記1つ又は複数の材料が熱可塑性ウレタン(TPU)を含む、1つ又は複数の材料と、
前記手及び前記医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部(100)であり、前記内腔が、前記医療機器を持っている手、及び前記手によって握られている前記聴診器の少なくともチェストピースの両方をしっかりと包囲するように構成される、開口部(100)と、
を含む、医療用ハンドカバー(200)。
【請求項2】
前記1つ又は複数の材料が、独立して、熱硬化性ゴム(ラテックス、ニトリル、シリコン、ポリイソプレン、ネオプレンなど)、ビニル、低密度ポリエチレン、紡績織PE、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)、などのすべての熱可塑性材料のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項3】
前記1つ又は複数の材料が、前記聴診器の音響性能に関して、前記医療用ハンドカバーに包囲された前記聴診器と比較して覆いのない聴診器の音の曲線が、約50Hz~約2kHzの医学的に重要な周波数範囲内でほぼ完全に重畳されるという点で、音響的に透過性であり、ほぼ完全に重畳されるとは、前記医学的に重要な周波数範囲における前記覆いのない聴診器のデシベル値に基づいて、約30%未満のデシベル減少、又は約25%未満のデシベル減少、又は約20%未満のデシベル減少、又は約15%未満のデシベル減少、又は約10%未満のデシベル減少、又は約8%未満のデシベル減少、又は約5%未満のデシベル減少、又は約3%未満のデシベル減少、又は約1%未満のデシベル減少、又は約0.5%未満のデシベル減少が存在するか、又は実質的にデシベル減少がないことを意味する、請求項1又は2に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項4】
前記1つ又は複数の材料が、伸縮性がある、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項5】
前記医療用ハンドカバーが、両利き用である、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項6】
前記聴診器が前記医療用ハンドカバーと共に使用されるときに前記聴診器を介して得られる音質が、前記聴診器が前記医療用ハンドカバーなしで使用されるときに前記聴診器を介して得られる音質と実質的に同じであり、前記音質が、振幅、周波数、又はデシベルレベルのうちの1つ又は複数を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項7】
前記開口部が、袖口玉縁をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項8】
前記1つ又は複数の材料が、透明又は不透明である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項9】
前記内腔が、握り拳の状態で前記医療機器を持っている前記手をしっかりと包囲するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバーを調製するための方法であって、前記医療用ハンドカバーは、成人の手の掌側に対応する第1の表面(210)と、成人の手の甲側に対応する第2の表面(220)とを含み、前記第1及び第2の表面が、医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定し、前記方法が、成人の手の掌側に対応する第1の表面と成人の手の甲側に対応する第2の表面との間の継ぎ目を熱溶着するステップと、熱溶着された前記継ぎ目をダイカットして、前記医療用ハンドカバーを形成するステップとを含み、前記第1の表面及び/又は前記第2の表面が、それぞれ、前記1つ又は複数の材料の第1のフィルム及び/又は前記1つ又は複数の材料の第2のフィルムから形成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、診察時の感染病原体の伝播を防ぐ及び/又は最小限にするために医療機器を持っている手を包囲するための医療用ハンドカバー、その調製の方法、その使用の方法、その梱包の方法、そのようなカバーを供給するためのデバイス、供給の方法、並びにそのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]医療分野では、感染病原体及び他の汚染物質の伝播は、今も継続する懸念事項である。医療環境における感染症のまん延に対処するため、グローブ、マスク、ガウン、及び保護眼鏡などの保護カバーの使用が要請される。現在実施されている予防措置の多くは、医療従事者から患者への、及びその逆の、感染病原体のまん延を防ぐ。これらの措置にもかかわらず、感染病原体は、依然として、患者を診察するために利用される医療機器(例えば、聴診器)を通じて医療従事者から患者へ伝播してしまう場合がある。各患者の診察の間に医療機器を滅菌するためのいくつかの推奨事項が存在するが、そのような行為は、厳密に励行されていない。
【0003】
[0003]医療従事者の間で受け入れられるように、効果的で、使用が簡便であり、装着が容易な医療用カバーの必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]本発明の目的は、医療機器を持っている手をしっかりと包囲するために、十分に柔らかく、伸縮性があり、形状整合可能である医療用ハンドカバーを提供することである。
【0005】
[0005]本発明の別の目的は、診察されている患者への感染病原体の伝播を最小限にすることである。
【0006】
[0006]本発明のさらなる目的は、医療機器を用いて診察されている患者の不安を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]上の目的などは、いくつかの実施形態においては、医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料を含む医療用ハンドカバーを対象とする本開示によって満たされる。医療用ハンドカバーは、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部をさらに含み得る。1つ又は複数の材料は、独立して、熱硬化性ゴム(ラテックス、ニトリル、シリコン、ポリイソプレン、ネオプレンなど)、熱可塑性ウレタン(TPU)、ビニル、低密度ポリエチレン、紡績織ポリエチレン(紡績織PE)、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)などのすべての熱可塑性材料のうちの1つ又は複数を含み得る。1つ又は複数の材料は、熱硬化性ゴムを含み得る。材料厚は、約40~約125μm、典型的には約60μmであり得る。硬度は、約30~約80ショアAであり得る。切断時伸びDIN EN ISO 527は、>600%であり得る。DIN ISO 34-1、Bに基づいて60μm材料を使用したときの引き裂き伝播抵抗KN/mは、>40であり得る。1つ又は複数の材料は、好ましくは溶着倣い及び切断によって作製され得る熱可塑性材料を含み得る。そのような熱可塑性材料は、約30~100μm、好ましくは約50μmの材料厚を有し得る。硬度は、約40~約100ショアAであり得る。切断時伸びDIN EN ISO 527は、>400 %であり得る。DIN ISO 34-1、Bに基づいて50μm材料を使用したときの引き裂き伝播抵抗KN/mは、>40であり得る。そのような熱可塑性材料は、着用手続きの間の「くっつき」を低減するために高いすべり係数を有する。1つ又は複数の材料は、水溶性ポリビニルアルコール(PVOH)を含み得る。1つ又は複数の材料は、エコ格付け及び性能を向上させるためにバイオベースの材料を含み得る。熱硬化性ゴム及び熱可塑性材料のすべての前述の例は、約222Nmの遠UVCを使用してインラインで清浄/滅菌するのがより容易である。熱硬化性ゴム及び熱可塑性材料のすべての前述の例は、前述した例に該当しない熱硬化性ゴム及び熱可塑性材料よりも透明である。熱硬化性ゴム及び熱可塑性材料のすべての前述の例は、良好なUV安定性、耐加水分解性、及び微生物耐性を示す。熱硬化性ゴム及び熱可塑性材料の前述の例を高速で生産することが所望される場合、そのような製造の間の伸張を低減するために犠牲PE担体膜を提供することが好ましい。医療用ハンドカバーの内腔を画定する1つ又は複数の材料のための特に好ましい材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPUポリエーテル変異体)、ポリイソプレンゴム、及び/又はビニルを含むが、それは、すべてのこれらの材料が、柔らかい、伸縮性がある、低刺激性、耐引裂性、バクテリアバリア性、及び半透明という性質を同時に有し、結果として、特に、伸縮性があること、及び音響的に透過性であることが同時に存在するためである。1つ又は複数の材料は、音響的に透過性であり、特に、医療機器である聴診器の音響性能に関して、好ましくは、医療用ハンドカバーに包囲された聴診器と比較して覆いのない聴診器の音の曲線が、約50Hz~約2kHzの医学的に重要な周波数範囲内でほぼ完全に重畳されるという点で、音響的に透過性であり得、ほぼ完全に重畳されるとは、上記医学的に重要な周波数範囲における覆いのない聴診器のデシベル値に基づいて、約30%未満のデシベル減少、又は約25%未満のデシベル減少、又は約20%未満のデシベル減少、又は約15%未満のデシベル減少、又は約10%未満のデシベル減少、又は約8%未満のデシベル減少、又は約5%未満のデシベル減少、又は約3%未満のデシベル減少、又は約1%未満のデシベル減少、又は約0.5%未満のデシベル減少が存在するか、又は実質的にデシベル減少がないことを意味する。1つ又は複数の材料は、伸縮性があり得、特に、医療用ハンドカバーは、円形又は楕円形である断面を有し得、及び好ましくは、成人の手の掌の側を親指まで横切って測定される医療用ハンドカバーの周りの未伸張の円周が、約200mm~約260mm、又は約210mm~約250mm、又は約220mm~約240mmの範囲にあり、医療用ハンドカバーが、好ましくは二面であり、平らに置かれるとき、各面が好ましくは、約100mm~約150mm、又は約105mm~約125mm、又は約110mm~約120mmの範囲にある幅を有し、医療用ハンドカバーが楕円形であるとき、断面、短軸プラス長軸は、好ましくは、約100mm~約130mm、又は約105mm~約125mm、又は約110m~約120mmの範囲にあり、医療用ハンドカバーが三次元であるとき、好ましくは、医療用ハンドカバーが型浸漬及び硬化によって調製された後に型から取り外されたとき、円筒断面が、好ましくは、約65mm~約85mm、又は約68mm~約82mm、又は約70mm~約78mmの範囲にあり、好ましくは伸張した円周が、未伸張の円周の約2倍、又は約3倍、又は約4倍、又は約5倍、又は約6倍、又は約7倍、又は約8倍、又は約9倍、又は約10倍、又は約11倍、又は約12倍、又は約13倍、又は約14倍、又は約15倍大きい。医療用ハンドカバーは、浸漬及び硬化のプロセスによって調製され得る。医療用ハンドカバーは、両利き用であり得る。内腔は、指なしであり得る。内腔は、手の親指を分けるための別個の内腔を含み得る。医療機器は、聴診器であり得る。聴診器が医療用ハンドカバーと共に使用されるときに聴診器を介して得られる音質は、聴診器が医療用ハンドカバーなしで使用されるときに聴診器を介して得られる音質と実質的に同じであり得る。音質は、振幅、周波数、又はデシベルレベルのうちの1つ又は複数を含み得る。開口部は、袖口玉縁をさらに含み得る。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態において、本開示は、成人の掌側に対応する第1の表面及び成人の手の甲側に対応する第2の表面を含む医療用ハンドカバーを対象とする。第1及び第2の表面は、医療機器を持っている手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定し得る。医療用ハンドカバーは、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするために医療用ハンドカバーの一端に開口部をさらに含み得る。第1の表面は、第1の材料を含み得、第2の表面は、第2の材料を含む。第1の材料は、第2の材料とは異なり得る。第1の材料は、第2の材料と同じであり得る。第1の材料及び第2の材料は、独立して、熱硬化性ゴム(ラテックス、ニトリル、シリコン、ポリイソプレン、ネオプレンなど)、熱可塑性ウレタン(TPU)、ビニル、低密度ポリエチレン、紡績織PE、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)などのすべて熱可塑性材料のうちの1つ又は複数を含み得る。第1の表面は、熱可塑性ウレタンを含み得る。第2の表面は、ビニル又は低密度ポリエチレン又は紡績織PEを含み得る。第1の表面は、透明又は不透明であり得る。第1の表面は、音響的に透過性である材料を含み得る。第1の表面は、伸縮性のある材料を含み得る。第1の表面及び/又は第2の表面は、印刷されたキャラクタを含み得る。第1の表面及び第2の表面は、熱溶着され、ダイカットされ得る。医療用ハンドカバーは、両利き用であり得る。内腔は、指なしであり得る。内腔は、手の親指を分けるための別個の内腔を含み得る。医療機器は、聴診器であり得る。聴診器が医療用ハンドカバーと共に使用されるときに聴診器を介して得られる音質は、聴診器が医療用ハンドカバーなしで使用されるときに聴診器を介して得られる音質と実質的に同じであり得る。音質は、振幅、周波数、デシベルレベルのうちの1つ又は複数を含み得る。第1の表面及び第2の表面は、シームレスであり得る。内腔は、握り拳の状態で医療機器を持っている手をしっかりと包囲するように構成され得る。内腔は、医療機器を持っている手、及び手によって握られている医療機器の少なくとも一部の両方をしっかりと包囲するように構成され得、該一部は、医療機器が聴診器である場合、例えば、聴診器のチェストピースである。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態において、本開示は、感染病原体の伝播から患者を守るための方法を対象とする。本方法は、手に医療機器を持つステップと、医療機器を持っている手を本明細書に説明される実施形態に従う医療用ハンドカバー内に挿入するステップとを含み得る。医療用ハンドカバーは、(A)又は(B)を含み得、(A)は、手の掌側に対応する第1の表面と、手の甲側に対応する第2の表面であって、第1及び第2の表面が、医療機器を持っている手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する、第2の表面と、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部とを含み、(B)は、医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料と、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部とを含む。医療用ハンドカバーに包囲されていない医療機器を持っている手と接触した表面と比較して、より少ない感染病原体が、医療用ハンドカバーに包囲された医療機器を持っている手と接触した表面に伝播され得る。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態において、本開示は、医療機器を用いた診察時の患者の不安を低減するための方法を対象とする。本方法は、医療用ハンドカバーが医療機器を持っている手を包囲している状態で患者を診察するステップを含み得る。医療用ハンドカバーは、印刷されたキャラクタを含む、本明細書に説明されるもののうちのいずれかであり得る。医療用ハンドカバーは、(A)又は(B)を含み得、(A)は、手の掌側に対応する第1の表面と、手の甲側に対応する第2の表面であって、第1及び第2の表面が、医療機器を持っている手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する、第2の表面と、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部とを含み得、第1の表面及び/又は第2の表面が、印刷されたキャラクタを含み得、(B)は、医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料と、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部とを含み得、キャラクタが、1つ又は複数の材料に印刷され得る。医療機器を持っている手が医療用ハンドカバーに包囲された状態で診察される患者は、医療機器を持っている手が医療用ハンドカバーに包囲されていない状態で診察される患者と比較して、より少ない不安を経験し得る。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態において、本開示は、医療用ハンドカバーを製造するための方法を対象とする。1つの実施形態において、本方法は、液状である1つ又は複数の材料に型を浸漬するステップと、浸漬された型に被覆される1つ又は複数の材料を硬化させて医療用ハンドカバーを形成するステップとを含み得る。本方法は、浸漬された型を回転させるステップを含み得る。本方法は、浸漬された型を逆さにするステップを含み得る。本方法は、キャラクタ、ロゴ、グラフィック、又はそれらの組合せを医療用ハンドカバーに印刷するステップを含み得る。本方法は、医療用ハンドカバーの開口部における1つ又は複数の材料の余剰部分を丸めて、丸まった袖口玉縁にするステップを含み得る。本方法は、セラミック及び/又はアルミニウムを含み得る。別の実施形態において、本方法は、手の掌側に対応する第1の表面と手の甲側に対応する第2の表面との間の継ぎ目を溶着するステップと、溶着された継ぎ目をダイカットして、医療用ハンドカバーを形成するステップとを含み得る。本方法は、第1の表面及び/又は第2の表面が、それぞれ第1のフィルム及び/又は第2のフィルムから形成される、ということを含み得、第1のフィルム及び/又は第2のフィルムは、事前に印刷されたキャラクタ、ロゴ、グラフィック、又はそれらの組合せを含み得る。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態において、本開示は、医療用ハンドカバー供給デバイスを対象とする。供給デバイスは、1つ又は複数の医療用ハンドカバーを格納するための内側を画定する容器と、容器内の医療用ハンドカバーが取り出され得る穴とを備え得る。医療用ハンドカバーのスタックは、デイジーチェーン構成で連結され得る。医療用ハンドカバーのスタックは、医療用ハンドカバーによって包囲される手の甲側に対応する医療用ハンドカバーの表面が容器の外側に向くように、容器の内側に格納され得る。医療用ハンドカバーのスタックは、開口部により近い医療用ハンドカバーの一端が容器の外側に向くように、容器の内側に格納され得る。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態において、本開示は、医療用ハンドカバーのスタック、供給デバイス、及び医療機器、例えば聴診器、のうちの1つ又は複数を備えるキットを対象とする。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態において、本開示は、複数の医療用ハンドカバーを梱包するための方法を対象とする。本方法は、複数の医療用ハンドカバーを容器内に積み重ねるステップ、複数の医療用ハンドカバーをロール、スプール、若しくはドラムに巻くステップ、複数の医療用ハンドカバーをデイジーチェーン構成で連結するステップ、又はそれらの組合せを含み得る。本方法は、複数の医療用ハンドカバーを平坦化するステップと、容器内に充填するステップとを含み得る。本方法は、医療用ハンドカバーを滅菌するステップを含み得る。滅菌は、UV滅菌、ガンマ照射、酸化エチレン滅菌(ETO)、又はそれらの組合せを含み得る。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態において、本開示は、供給デバイスから医療用ハンドカバーを供給する方法を対象とする。本方法は、医療用ハンドカバーによって包囲される手の掌側に対応する医療用ハンドカバーの表面の無菌状態が損なわれないように、医療用ハンドカバーによって包囲される手の甲側に対応する医療用ハンドカバーの表面を介して、又は開口部により近い医療用ハンドカバーの一端を介して容器から医療用ハンドカバーを取り出すステップを含み得る。
【0016】
定義
[0016]本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「a material(材料)」は、単一の材料並びに2つ以上の異なる材料の混合を含む、などである。
【0017】
[0017]本明細書で使用される場合、測定量に関連した用語「約」は、測定を行い、測定の目的及び測定設備の精度に見合うレベルの注意を払う当業者によって予測されるように、その測定量における通常の変動を指す。特定の実施形態において、用語「約」は、列挙した数の±10%を含み、結果として、「約10」は9~11を含む。
【0018】
[0018]本明細書で使用される場合、「患者」は、処置の必要性を示唆する特定の症状(複数可)の臨床兆候が見られる、ある疾患のために予防的に処置される、又は処置されるべき疾患と診断されている対象、特に人間(しかし、人間以外も包含し得る)を指す。
【0019】
[0019]用語「対象」は、用語「患者」の定義を包含し、その他の点で健康である個人を除外しない。
【0020】
[0020]用語「~の処置」及び「処置すること」は、疾患、例えば、移植片機能の遅延、の重症度を軽減する、又はそれを防ぐことを意図した、活性剤(複数可)の投与を含む。
【0021】
[0021]用語「~の予防」及び「防ぐこと」は、疾患、例えば、移植片機能の遅延、の発症の回避を含む。
【0022】
[0022]用語「疾患」(複数可)は、対象への有効量の活性剤の投与によって、又は予防措置をとること(医療機器用の衛生医療カバーを利用することなど)によって、処置、軽減、又は予防され得る、不安又は感染などの、医学的状態を指す。
【0023】
[0023]本明細書内の値の範囲の列挙は、本明細書内に別途示されない限り、単に、範囲内に入る各々別個の値に個々に言及する簡略方法として機能することが意図されるものであり、各々別個の値は、それがあたかも本明細書内に個々に列挙されるかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に説明されるすべての方法は、本明細書内に別途示されない限り、又は別途文脈により明確に否定されない限り、任意の好適な順で実施され得る。あらゆる例の使用、又は本明細書に提供される例示的な言語(例えば、「など」)は、単に、特定の材料及び方法を明らかにすることが意図され、範囲に制限を課すものではない。本明細書における言語は、任意の特許請求されていない要素が、開示された材料及び方法の実践に必須であると解釈されるべきではない。
【0024】
[0024]本開示の上の特徴及び他の特徴、それらの性質、並びに様々な利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を検討することにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】FIG.1Aは、実施形態に従う型浸漬及び硬化によって調製される医療用ハンドカバーを描写する図である。FIG1Bは、実施形態に従う溶着及びダイカットによって調製される医療用ハンドカバーを描写する図である。
図2】聴診器を持っている手をしっかりと包囲している、実施形態に従う医療用ハンドカバーを描写する図である。
図3】実施形態に従う、キャラクタが印刷された状態の医療用ハンドカバーを描写する図である。
図4】FIG.4A~FIG.4Dは、実施形態に従う医療用ハンドカバーを製造するための型浸漬及び硬化プロセスを描写する図である。
図5】実施形態に従う医療用ハンドカバーを製造するための溶着及びダイ硬化プロセスを描写する図である。
図6】覆いのない聴診器、及び既存の市販製品で包囲された聴診器と比較した際の、実施形態に従う医療用ハンドカバーで包囲された聴診器の音響性能を描写する図である。
図7a】覆いのない聴診器を通じて伝播される音の波形を描写する図である。
図7B】実施形態に従う医療用ハンドカバーに包囲された聴診器を通じて伝播される音の波形を描写する図である。
図7C】既存の市販の聴診器カバーに包囲された聴診器を通じて伝播される音の波形を描写する図である。
図8A】心音及び肺音の標準ライブラリ、ここでは3Mリットマン(Littmann)聴診音ライブラリと対比して、周波数分析を使用した聴診音の品質の低下を理解することが意図される聴音の正確さを示すために、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を、カバー材料を使用しない制御試験と対比して示す図である。
図8B】心音及び肺音の標準ライブラリ、ここでは3Mリットマン(Littmann)聴診音ライブラリと対比して、周波数分析を使用した聴診音の品質の低下を理解することが意図される聴音の正確さを示すために、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を、カバー材料を使用しない制御試験と対比して示す図である。
図8C】心音及び肺音の標準ライブラリ、ここでは3Mリットマン(Littmann)聴診音ライブラリと対比して、周波数分析を使用した聴診音の品質の低下を理解することが意図される聴音の正確さを示すために、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を、カバー材料を使用しない制御試験と対比して示す図である。
図8D】心音及び肺音の標準ライブラリ、ここでは3Mリットマン(Littmann)聴診音ライブラリと対比して、周波数分析を使用した聴診音の品質の低下を理解することが意図される聴音の正確さを示すために、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を、カバー材料を使用しない制御試験と対比して示す図である。
図8E】心音及び肺音の標準ライブラリ、ここでは3Mリットマン(Littmann)聴診音ライブラリと対比して、周波数分析を使用した聴診音の品質の低下を理解することが意図される聴音の正確さを示すために、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を、カバー材料を使用しない制御試験と対比して示す図である。
図9】性能順での音質概要を描写する図であって、選択が、図8A図8Eの試験によって示されるような正確さの定性的評価に基づく図である。
図10A】材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示す図であって、試験結果が、聴診器ヘッドをカバーする材料なしと対比した様々な試験材料を使用して、また、2つの音源であって、第1の心音が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す図である。
図10B】材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示す図であって、試験結果が、聴診器ヘッドをカバーする材料なしと対比した様々な試験材料を使用して、また、2つの音源であって、第1の心音が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す図である。
図10C】材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示す図であって、試験結果が、聴診器ヘッドをカバーする材料なしと対比した様々な試験材料を使用して、また、2つの音源であって、第1の心音が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す図である。
図10D】材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示す図であって、試験結果が、聴診器ヘッドをカバーする材料なしと対比した様々な試験材料を使用して、また、2つの音源であって、第1の心音が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す図である。
図10E】材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示す図であって、試験結果が、聴診器ヘッドをカバーする材料なしと対比した様々な試験材料を使用して、また、2つの音源であって、第1の心音が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す図である。
図10F】材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示す図であって、試験結果が、聴診器ヘッドをカバーする材料なしと対比した様々な試験材料を使用して、また、2つの音源であって、第1の心音が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す図である。
図11】音源1、即ち、正常な心音を使用した、図10A図10Fに示される試験の結果の概要を示す図である。
図12】音源2、即ち、重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音を使用した、図10A図10Fに示される試験の結果の概要を示す図である。
図13図8図12に示されるすべての試験に使用される試験設備を示す図である。別途記載のない限り、本特許出願におけるすべての試験は、摂氏約23度の室温及び約1013,25ミリバールの通常の大気圧下で実施されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0035]本発明は、医療機器を持っている手をしっかりと包囲する(即ち、手が医療機器を持っている際には、手及び医療機器の両方を包囲する)ように構成される医療用ハンドカバー、その調製の方法、その梱包の方法、その供給の方法、医療用ハンドカバーを包囲する梱包及び/又は供給容器、医療用ハンドカバーを使用する方法、並びに医療用ハンドカバーを備えるキットを対象とする。
【0027】
医療用ハンドカバー
[0036]1つの実施形態において、本開示は、FIG.1Aに示される医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料を含む医療用ハンドカバーを包含する。医療用ハンドカバーは、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部100をさらに含み得る。この実施形態に従う医療用ハンドカバーは、開口部の周りに袖口玉縁110をさらに含み得る。この実施形態に従う医療用ハンドカバーは、FIG.4A~FIG.4Dに関して下にさらに詳細に説明されるように、浸漬及び硬化のプロセスによって調製され得る。
【0028】
[0037] FIG.1Aに示されるような医療用ハンドカバーは、医療機器を持っている手を包囲することになる内腔部分におけるより広い幅(セクション120)、開口部付近の一端により近いより狭い幅(セクション130)、開口部のある医療用ハンドカバーの一番端における再びより広い幅(セクション140)を特徴とする、砂時計形状を有し得る。
【0029】
[0038]別の実施形態において、本開示は、FIG1Bに示されるように、成人の掌側に対応する第1の表面210及び成人の手の甲側に対応する第2の表面220を含む医療用ハンドカバーを包含する。第1及び第2の表面は、医療機器を持っている手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定し得る。医療用ハンドカバーは、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部230をさらに含み得る。この実施形態に従う医療用ハンドカバーは、図5に関して下にさらに詳細に説明されるように、熱溶着及びダイカットによって調製され得る。第1の表面と第2の表面との間の遷移は、シームレスであり得る。
【0030】
[0039]特定の実施形態において、第1の表面210は、第1の材料を含み得、第2の表面220は、第2の材料を含み得る。第1の材料及び第2の材料は、同じか、又は異なり得る。例えば、第1の表面は、熱可塑性ウレタンを含み得、及び/又は、第2の表面は、ビニル若しくは低密度ポリエチレンを含み得る。
【0031】
[0040]医療用ハンドカバーを形成する材料は、独立して、熱硬化性ゴム(ラテックス、ニトリル、シリコン、ポリイソプレン、ネオプレン、ポリクロロプレンなど)、熱可塑性材料(ポリウレタン(TPU)、ビニル、低密度ポリエチレン、紡績織PE、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)など)のうちの1つ又は複数を含み得る。熱硬化性ゴムは、浸漬及び硬化方法によって製造される医療用ハンドカバーに特に好適であり得る。熱可塑性材料は、溶着及びダイカットによって製造される医療用ハンドカバーに特に好適であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に説明される医療用ハンドカバーに使用される材料は、触ると暖かく、患者フレンドリであり得る。
【0032】
[0041]弾性、硬度、触覚感度、巧妙性、音響透過性、消費者ニーズ(例えば、一般人口の約6.4%に生じるラテックスアレルギーなどの、アレルギーの原因となる)、色、不透明度、厚さ、加工のし易さ、安定性、及び同様のものなどを含むがこれらに限定されない、異なる考慮事項が、医療用ハンドカバーのために最終的に選択される材料(複数可)を決定し得る。
【0033】
[0042]好適な熱可塑性材料は、約20ショアA~約100ショアA、約30ショアA~約90ショアA、又は約40ショアA~約85ショアAの範囲にある硬度を有し得る。熱可塑性材料を含む医療用ハンドカバーの厚さは、約5ミクロン~約150ミクロン、約15ミクロン~約135ミクロン、又は約25ミクロン~約125ミクロンの範囲にあり得る。
【0034】
[0043]好適な熱硬化性ゴムは、約10ショアA~約90ショアA、約20ショアA~約75ショアA、又は約30ショアA~約60ショアAの範囲にある硬度を有し得る。熱硬化性ゴムを含む医療用ハンドカバーの厚さは、約20ミクロン~約200ミクロン、約35ミクロン~約175ミクロン、又は約50ミクロン~約150ミクロンの範囲の範囲にあり得る。
【0035】
[0044]本明細書に説明される医療用ハンドカバーと共に使用され得る医療機器は、限定するものではないが、聴診器、超音波プローブ、ハイドロディステンションプローブ、近赤外プローブ、及び同様のものを含む。性能の最小限の低下を要する他の医療機器(例えば、性能の約10%未満、約8%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満の低下)が、本明細書に説明される医療用ハンドカバーと共に使用され得る。
【0036】
[0045]医療用ハンドカバーは、医療機器及び医療機器を持っている手の両方の上に伸張することができるように、十分に柔らかく、形状整合可能であるようにすることが不可欠である。例えば、図2に示されるように、医療機器が聴診器であるとき、医療用ハンドカバー200は、患者上への(医療用ハンドカバーを介した)聴診器ヘッドの容易な位置付けのための聴診器ヘッドの回転を制限することなく、聴診器ヘッド250の上に伸張しなければならない。医療用ハンドカバーは、医師が医療機器(例えば、聴診器)を、医師にとって自然な形で持つことができるように設計される。いくつかの実施形態において、医療用ハンドカバーは、握り拳の状態で、指がチェストピースの周りを握って、第1指及び第2指がタバコを持つのに似た位置で、2本の指の間、又はそれらの組合せで、聴診器などの医療機器を持っている医師に順応するように設計され得る。
【0037】
[0046]医療機器が、聴診器、又は音波を調べることによって使用される別の医療機器であるとき、医療用ハンドカバーは、音の伝播を損なうことがないように音響的に透過性である材料でできていることが重要である。表現「音響的に透過性」は、本明細書で使用される場合、音の伝播が損なわれない、又は最小限しか損なわれない材料を指し、これは、実験的に測定され、音響インピーダンス、周波数、振幅、デシベルレベル、又はそれらの組合せに基づいて定量化され得る。いくつかの実施形態において、医療用ハンドカバーは、図6でさらに例示されるような医学的及び診断的に重要な周波数スペクトルにおける音響変換を改変しない。
【0038】
[0047]同様の理由から、医療用ハンドカバーは、医療機器を持っている手をしっかりと包囲し、様々なサイズの手及び/又は機器にフィットすることが可能である伸縮性のある材料でできていることが重要である。緩いフィットは、混乱を生む背景雑音を発生させ得る。伸縮性のある材料は、気密シールを作り出すために医療機器に対するいくらかの圧力により伸張し得る。いくつかの実施形態において、医療用ハンドカバーは、医療機器に形状整合し得る(例えば、聴診器ダイヤフラムに形状整合し、おそらくは、患者の皮膚に対して押圧されるときにダイヤフラムに接触する)。密封シールは、潜在的な誤診を招き得る追加の背景雑音(パチパチ鳴る音など)の発生なしに医療機器の動きを可能にし得る(場合によっては、パチパチ鳴る音は、医学的問題の指標であり得るため)。
【0039】
[0048]本開示の特定の実施形態は、聴診器が医療用ハンドカバーと共に使用されるときに聴診器を介して得られる音質が、聴診器が医療用ハンドカバーなしで使用されるときに聴診器を介して得られる音質と実質的に同じである医療用ハンドカバーを目指す。音質は、振幅、周波数、又はデシベルレベルのうちの1つ又は複数の測度であり得る。例えば、聴診器が医療用ハンドカバーと共に使用されるときの、聴診器を介して得られる音の振幅及び/又は周波数及び/又はデシベルレベルは、聴診器が医療用ハンドカバーなしで使用されるときの、聴診器を介して得られる音の振幅及び/又は周波数及び/又はデシベルレベルの、約30%以内、約25%以内、約20%以内、約15%以内、約10%以内、約5%以内、約1%以内、それと実質的に同じ、又は同じであり得る。
【0040】
[0049]医療用ハンドカバー内の内腔は、指なしであり得るか、又は、手の親指用の別個の内腔を含み得、医療機器を持っている手をしっかりと包囲するように構成され得る(例えば、握り拳の状態で医療機器を持っている手を包囲するように構成される)。1つの実施形態において、医療用ハンドカバーは、両利き用である。
【0041】
[0050]いくつかの実施形態において、手の掌側に対応する医療用ハンドカバーの表面は、透明又は不透明である。特定の実施形態において、医療用ハンドカバーはまた、手の掌側又は手の甲側に対応する表面のいずれかに印刷されたキャラクタ(図3に描写されるような)を有し得る。
【0042】
[0051]医療用ハンドカバーは、円形又は楕円形である断面を有し得る。医療用ハンドカバーの周りの未伸張の円周(掌側を親指まで横切って測定される)は、約200mm~約260mm、約210mm~約250mm、又は約220mm~約240mmの範囲にあり得る。医療用ハンドカバーが、二面であり、平らに置かれるとき、各面は、約100mm~約150mm、約105mm~約125mm、又は約110mm~約120mmの範囲にある幅260を有し得る。医療用ハンドカバーが楕円形である実施形態において、断面(短軸プラス長軸)は、約100mm~約130mm、約105mm~約125mm、又は約110m~約120mmの範囲にある。医療用ハンドカバーが三次元である実施形態において(即ち、型浸漬及び硬化によって調製された後に型から取り外されるとき)、円筒断面270は、約65mm~約85mm、約68mm~約82mm、又は約70mm~約78mmの範囲にある。伸張した円周は、未伸張の円周より約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約13倍、約14倍、又は約15倍大きくてもよい。
【0043】
[0052]医療用ハンドカバーの長さ280は、約100mm~約600mm、約150mm~約550mm、約200mm~約500mm、約220mm~約480mm、約220mm~約240mm、約240mm~約480mm、約300mm~約480mm、約350mm~約480mm、又は約400mm~約480mmの長さの範囲にあり得る。医療用ハンドカバーのより長い長さは、無菌用途及び同様のもののために設計され得る。
【0044】
製造方法
[0053]1つの実施形態において、本開示は、FIG.4Aにあるように、セラミック又はアルミニウム型を液状である1つ又は複数の材料に浸漬することによって医療用ハンドカバーを調製する方法を対象とする。本方法は、FIG.4Bにあるように、浸漬された型を被覆する1つ又は複数の材料を硬化させるステップをさらに含み得る。本方法は、浸漬された型を回転させる及び/又は逆さにするステップをさらに含み得る。1つ又は複数の材料が硬化された後、それは、FIG.4Cにあるように、グラフィックがタンポ(パッド)印刷され得る。したがって、本方法は、キャラクタ、ロゴ、グラフィック、又はそれらの組合せを医療用ハンドカバーに印刷するステップをさらに含み得る。
【0045】
[0054]この実施形態に従って調製される医療用ハンドカバーは、医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料を含み得る。医療用ハンドカバーは、手及び医療機器の内腔への進入を可能にするように構成されるカバーの一端における開口部をさらに含み得る。医療用ハンドカバーの開口部端付近の余剰の材料は、丸められて開口部の周りの袖口玉縁にされ得る。丸まった玉縁袖口は、(成型されるように)円形又は楕円形になるという自然の性質を有し得、これが、掴む、グローブをこじ開ける、並びに手及び/又は医療機器を挿入するのを簡便にし得る。
【0046】
[0055]最終的な医療用ハンドカバーは、FIG.4Dにあるように、空気によって、又は手で、型から取り外され得る。型浸漬及び硬化プロセスに従って調製された医療用ハンドカバーは、三次元であり得、型からの取り外し後に平坦化され、任意選択的に積み重ねられ、梱包され得る(即ち、容器に充填される)。
【0047】
[0056]別の実施形態において、本開示は、第1の材料と第2の材料との間の継ぎ目を溶着し、医療用ハンドカバー形状にダイカットすることによって医療用ハンドカバーを調製する方法を対象とする。第1及び第2の材料は、2巻の第1及び第2のプレーンな又は事前に印刷されたフィルム、例えば、図5の510及び520を、起源とし得る。例えば、フィルム(複数可)には、キャラクタ、ロゴ、グラフィック、又はそれらの組合せが事前に印刷され得る。第1の材料は、手の掌側に対応する第1の表面を形成し得る。第2の材料は、手の甲側に対応する第2の表面を形成し得る。
【0048】
[0057]図5に描写されるプロセスにおける部分530にあるように、回転及び往復ツールが、第1及び第2の材料のフィルムを一緒に溶着するため、並びに医療用ハンドカバー形状にプロファイル切断するために使用され得る。第1及び第2の材料は、熱溶着、RF溶着、又は超音波溶着によって、一緒に溶着され得る。様々な好適なツールが使用され得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0049】
[0058]いくつかの実施形態において、医療用ハンドカバーの形状に切断された後に残っている廃棄フィルム材料は、図5に描写されるプロセスにおける部分540にあるように、はぎ取られて、リサイクルされ得る。
【0050】
[0059]熱溶着及びダイカット製造方法によって生産される医療用ハンドカバーは、複数の医療用ハンドカバーを梱包容器内にきちんと積み重ねるのに、又は複数の医療用ハンドカバーをロール、スプール、ドラム、及び同様のものに巻くのに適したものにする、平坦であり得る。いくつかの実施形態において、複数の医療用ハンドカバーは、梱包の前に、デイジーチェーン構成で連結され得る。
【0051】
[0060]特定の実施形態において、本明細書に説明される製造及び/又は梱包方法は、梱包の前に、医療用ハンドカバーを滅菌するステップをさらに含み得る。限定するものではないが、UV滅菌、ガンマ照射、酸化エチレン滅菌(ETO)、又はそれらの組合せなど、様々な滅菌方法が利用され得る。
【0052】
梱包及び供給デバイス
[0061]いくつかの実施形態において、本開示は、医療用ハンドカバー供給デバイスを対象とする。供給デバイスは、本明細書に説明される複数の医療用ハンドカバーのスタックを保持し得る。供給デバイスは、複数の医療用ハンドカバーを格納するための内側を画定する容器と、容器内の医療用ハンドカバーが手動で取り出され得る穴とを備え得る。
【0053】
[0062]容器は、そこに梱包される医療用ハンドカバーの底面積に対応する底面積を有し得る。例えば、約100mm~約150mmの範囲にある幅、及び約100mm~約600mmの範囲にある長さを有する医療用ハンドカバーの場合、容器は、約100mm×100mm~約150mm×600mmの範囲にある底面積を有し得、約110mm~約120mmの範囲にある幅、及び約220mm~約240mmの範囲にある長さを有する医療用ハンドカバーの場合、容器は、約110mm×220mm~約120mm×240mmの範囲にある底面積を有し得る。好適な容器底面積は、本明細書に開示される幅及び長さの組合せのいずれかを有する他の医療用ハンドカバーについても同様に導出され得る。
【0054】
[0063]深さ、容器が、例えば、そこに梱包される医療用ハンドカバーの数に応じて、変化し得る場合。特定の実施形態において、容器の深さは、約50mm~約100mm、約55mm~約95mm、約60mm~約85mm、又は約65mm~約75mmの範囲にあり得る。
【0055】
[0064]特定の実施形態において、梱包容器の底面積及び深さは、使い易さのために、市場で現在使用される容器のものと類似する。例えば、容器は、医療用ハンドカバーが緩く充填されている段ボール箱、積み重ねられた複数の医療用ハンドカバーを有するパウチ、無菌医療用ハンドカバーを有する使い捨ての密閉パウチ、医療用ハンドカバーが充填された多用途プラスチック容器であり得る。使い捨ての密閉パウチは、出張診察用の携帯型容器設計であり得る。
【0056】
[0065]医療用ハンドカバーは、供給デバイス内に、限定するものではないが、互いの上に積み重ねられる、デイジーチェーン構成で連結される、緩く充填される、又はそれらの組合せなど、様々な構成で梱包され得る。
【0057】
[0066]1つの実施形態において、医療用ハンドカバーのスタックは、医療用ハンドカバーによって包囲される手の甲側に対応する医療用ハンドカバーの表面が容器の外側に向くように、容器の内側に格納される。この実施形態では、供給デバイスから医療用ハンドカバーを供給する方法は、医療用ハンドカバーによって包囲される手の甲側に対応する医療用ハンドカバーの表面を介して容器から(穴を通じて)医療用ハンドカバーを取り出すステップを含み得る。
【0058】
[0067]別の実施形態において、医療用ハンドカバーのスタックは、開口部により近い医療用ハンドカバーの一端が容器の外側に向くように、容器の内側に格納される。この実施形態では、供給デバイスから医療用ハンドカバーを供給する方法は、医療用ハンドカバーの開口部により近い表面を介して容器から(穴を通じて)医療用ハンドカバーを取り出すステップを含み得る。
【0059】
[0068]本明細書に説明される供給方法は、診察時に患者に接触する及び/又は最も近接する医療用ハンドカバーの表面(例えば、医療用ハンドカバーによって包囲される手の掌側に対応する医療用ハンドカバーの表面)の無菌状態を維持する、改善されたロジスティックス、衛生的、及び洗練された供給を目指す。
【0060】
産業用途
[0069]1つの実施形態において、本開示は、感染病原体の伝播から患者を守るための方法を対象とする。本方法は、手に医療機器を持つステップを含み得る。本方法は、医療機器を持っている手を本明細書に説明される医療用ハンドカバーのいずれかに挿入するステップをさらに含み得る。特定の実施形態において、手が、まず、医療用ハンドカバーに(医療機器を持たずに)挿入され得、その後、医療機器が、医療用ハンドカバーに挿入されて、医療用ハンドカバーの内腔内で手に握られる。これらの実施形態において、医療用ハンドカバーに包囲されていない医療機器を持っている手と接触した表面と比較して、より少ない感染病原体が、医療用ハンドカバーに包囲された医療機器を持っている手と接触した表面に伝播することが企図され得る。
【0061】
[0070]1つの実施形態において、本開示は、医療機器を用いた診察時の患者の不安を低減する方法を対象とする。本方法は、(例えば、図3に示されるように)印刷されたキャラクタを含む本明細書に説明される医療用ハンドカバーのいずれかが医療機器を持っている手を包囲している状態で患者を診察するステップを含み得る。これらの実施形態において、医療機器を持っている手が医療用ハンドカバーに包囲されている状態で診察される患者は、医療機器を持っている手が医療用ハンドカバーに包囲されていない状態で診察される患者と比較して、より少ない不安を経験することが企図され得る。
【0062】
[0071]特定の実施形態において、本開示は、本明細書に説明される医療用ハンドカバー供給デバイスのいずれか、本明細書に説明される医療用ハンドカバーのいずれか(任意選択的に、供給デバイス内に包含される)、及び医療機器(聴診器など)のうちの1つ又は複数を備えるキットを対象とする。
【実施例
【0063】
[0072]以下の実施例は、本発明を理解するのを助けるために明記され、本明細書に説明される、及び特許請求される発明を特に限定するものと解釈されるべきではない。当業者の管理権限内にある、現在知られている、又は後に開発されるあらゆる等価物の置き換えを含む本発明のそのような変形形態、及び製剤の変更又は治療設計の小変更は、本明細書に組み込まれる発明の範囲内に入るものと考えるべきである。
【0064】
[0073]実施形態に従う医療用ハンドカバーと共に使用される聴診器の音質を試験した。ミシガン大学医学図書館からの心音の伝播を、A)リットマン聴診器、B)実施形態に従う医療用ハンドカバー内に包囲された聴診器、及びC)衛生保護を提供するとして市販されているカバー内に包囲された聴診器で試験した。聴診器自体(A)の音響性能が、実施形態に従うカバー内に包囲された聴診器(B)と比較して、及び既存の市販製品内に包囲された聴診器(C)と比較して、図6に描写される。図6に見られるように、覆いのない聴診器(A)の音曲線は、本明細書に説明される医療用ハンドカバー内に包囲された聴診器(B)と比較すると、約50Hz~約2kHz(又は約50Hz~約100Hz)の医学的に重要な周波数範囲において、ほぼ完全に重畳される。「ほぼ完全に重畳される」とは、所与の周波数値又は周波数範囲において、覆いのない聴診器(A)のデシベル値に基づいて、約30%未満のデシベル減少、約25%未満のデシベル減少、約20%未満のデシベル減少、約15%未満のデシベル減少、約10%未満のデシベル減少、約8%未満のデシベル減少、約5%未満のデシベル減少、約3%未満のデシベル減少、約1%未満のデシベル減少、約0.5%未満のデシベル減少があること、実質的にデシベル減少がないこと、又はデシベル減少がないこと(即ち、0%)を意味する。対照的に、図6は、覆いのない聴診器(A)と比較して、衛生保護を提供するとして市販されている先行技術のカバー(ステソキャップ(stethocap))(C)内に包囲された聴診器のデシベルレベル音曲線が、医学的に重要な周波数範囲において減少されることを示す。本明細書に説明される医療用ハンドカバーは、医学的又は診断的に重要な周波数範囲内の音響変換を改変しない。
【0065】
[0074]サンプルA、B、及びCの振幅は、図7A図7B、及び図7Cにそれぞれ描写される。図7A及び図7Bを見て分かるように、実施形態に従うカバー内に包囲された聴診器(サンプルB)は、制御群(即ち、聴診器自体の音響性能-サンプルA)を識別可能に改変しない。対照的に、聴診器を包囲する既存の市販製品(stethocap-硬質、半硬質、又は多孔質材料でできている)(サンプルC)は、通常の指圧によりパチパチ鳴る音をもたらす。サンプルCにおいて試験された製品で検出された音害は、図7Cに示される波形に現れる。そのような音害は、誤診を招き得る。図8A図8Eは、心音及び肺音の標準ライブラリ、ここでは3Mリットマン聴診音ライブラリと対比して、周波数分析を使用した聴診音の品質の低下を理解することが意図される聴音の正確さを示すために、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を、カバー材料を使用しない制御試験と対比して示す。図8Aは、カバー材料なしの制御試験(上の曲線)、及び聴診器をカバーするカバー材料として紡績織ポリエチレンを用いた試験(下の曲線)を示す。図8Bは、カバー材料なしの制御試験(上の曲線)、及び下の曲線ではビニル(PVC)を用いた試験を示す。図8Cは、カバー材料なしの制御試験(上の曲線)、及び熱可撓性ポリウレタン(TPU)の試験(下の曲線)を示す。図8Dは、カバー材料なしの制御試験(上の曲線)、及び聴診器のカバー材料としてポリエチレン(LDPE)の試験(下の曲線)を示す。図8Eは、聴診器のためのカバー材料なしの制御試験(上の曲線)、及び下の曲線では聴診器をカバーするためのカバー材料としてポリイソプレン(タンパク質を含まないラテックス)の試験を示す。図9は、性能順での音質概要を描写し、選択は、図8A図8Eの試験によって示されるような正確さの定性的評価に基づく。図10A図10Fは、図10Aでは聴診器をカバーする材料なしの試験、及びカバー材料を使用しない前述の制御試験と対比した、聴診器ヘッドをカバーする5つの異なる材料の試験の試験結果を示し、試験結果は、聴診器をカバーする材料なしと対比した、様々な試験材料を使用し、また、2つの音源であって、第1の心音源が正常な心臓の音であり、第2の音源が重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音であり、両方とも3Mリットマン聴診音ライブラリから取られた心音である、2つの音源を使用することによって、音量の低下を理解することが意図される音の振幅を示す。図10Aは、聴診器のためのカバー材料なしの制御振幅を示す。図10Bは、左上の隅に制御振幅、及び主となる図表には聴診器のためのカバー材料として紡績織ポリエチレン(例えば、Tyvek)を使用したときの振幅を示す。図10Cは、左上の隅にカバー材料なしの制御振幅、及び主となる図表には聴診器のためのカバー材料としてビニル(PVC)を使用したときの振幅を示す。図10Dは、左上の隅に聴診器をカバーするためのカバー材料を使用しないときの制御振幅、及び主となる図表には聴診器のためのカバー材料として熱可撓性ポリウレタン(TPU)を用いた試験の結果として生じる振幅を示す。図10Eは、左上の隅にカバー材料なしの試験の制御振幅、及び主となる図表には聴診器をカバーするためにポリエチレンであるカバー材料を用いて試験したときの振幅を示す。図10Fは、左上の隅にカバー材料なしの試験の制御振幅、及び主となる図表には聴診器を熱硬化性ポリイソプレンでカバーしたときの結果として生じる振幅を示す。図11は、音源1、即ち、正常な心音を使用した、図10A図10Fに示される試験の結果の概要を示す。図12は、音源2、即ち、重度の大動脈弁狭窄症を患った心臓の心音を使用した、図10A図10Fに示される試験の結果の概要を示す。図13は、図8図12に示されるすべての試験に使用される試験設備を示す。図8図13に示され、説明される試験から、本発明は、1つ又は複数の材料のための最も好ましい材料が、弾性熱可塑性ポリウレタンフィルム(TPU)であることを確認することできた。図8図13に関して示され、説明されるような前述の試験は、TPU材料が、可聴診断情報を他の試験材料よりも正確に保持し、音量の損失が非常にわずかしか存在しないことも確実にするということを示す。雑音の多い環境では、これは重要な利点となり得る。加えて、TPUの柔らかい弾性表面は、身体との摩擦のない接触を提供する。PEのような可撓性の低い材料を試験するとき、位置付けの動きが、おそらくは、パチパチ鳴る音をもたらし得、この音は心臓又は肺の問題の症状であり、誤診を招き得る。TPUは、音源2の重度の大動脈弁狭窄症例にあるように、より柔らかく、より静かで、より複雑な音を使用するときに、かなり良好な結果を収めた。
【0066】
[0075]先述の説明において、特定の材料、寸法、プロセスパラメータなど、多数の特定の詳細事項は、本発明の徹底的な理解を提供するために明記される。特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされ得る。「例」又は「例示」という言葉は、本明細書では、例、例え、又は例証として機能することを意味するために使用される。「例」又は「例示」として本明細書に説明される任意の態様又は設計は、必ずしも、他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。むしろ、「例」又は「例示」という言葉の使用は、概念を具体的な方式で提示することが意図されるにすぎない。本出願において使用される場合、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包含的な「又は」を意味することが意図される。即ち、別途指定のない限り、又は文脈から明白でない限り、「Xは、A又はBを含む」は、自然な包括的な入れ替えのいずれかを意味することが意図される。即ち、XがAを含む、XがBを含む、又はXがA及びBの両方を含む場合、「Xは、A又はBを含む」は、先述の場合のいずれかの下で満足される。本明細書全体にわたる「実施形態」、「特定の実施形態」、又は「1つの実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所での「実施形態」、「特定の実施形態」、又は「1つの実施形態」という表現の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態について言及しているわけではない。
【0067】
[0076]本発明は、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されている。したがって、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく、例証的な意味とされる。本明細書に示され、説明されるものに加えて、本発明の様々な変更形態は、当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
本明細書は以下の実施形態を開示する。
(実施形態1)
医療用ハンドカバーであって、
医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料と、
前記手及び医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部と、を含む、医療用ハンドカバー。
(実施形態2)
前記1つ又は複数の材料が、独立して、熱硬化性ゴム(ラテックス、ニトリル、シリコン、ポリイソプレン、ネオプレンなど)、熱可塑性ウレタン(TPU)、ビニル、低密度ポリエチレン、紡績織PE、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)、などのすべての熱可塑性材料のうちの1つ又は複数を含む、実施形態1に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態3)
前記1つ又は複数の材料が、熱硬化性ゴムを含む、実施形態1又は2に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態4)
前記1つ又は複数の材料が、音響的に透過性であり、特に、前記医療機器である聴診器の音響性能に関して、好ましくは、前記医療用ハンドカバーに包囲された前記聴診器と比較して覆いのない聴診器の音の曲線が、約50Hz~約2kHzの医学的に重要な周波数範囲内でほぼ完全に重畳されるという点で、音響的に透過性であり、ほぼ完全に重畳されるとは、前記医学的に重要な周波数範囲における前記覆いのない聴診器のデシベル値に基づいて、約30%未満のデシベル減少、又は約25%未満のデシベル減少、又は約20%未満のデシベル減少、又は約15%未満のデシベル減少、又は約10%未満のデシベル減少、又は約8%未満のデシベル減少、又は約5%未満のデシベル減少、又は約3%未満のデシベル減少、又は約1%未満のデシベル減少、又は約0.5%未満のデシベル減少が存在するか、又は実質的にデシベル減少がないことを意味する、実施形態1~3のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態5)
前記1つ又は複数の材料が、伸縮性があり、特に、前記医療用ハンドカバーが、円形又は楕円形である断面を有し得、及び好ましくは、前記成人の手の掌の側を親指まで横切って測定される前記医療用ハンドカバーの周りの未伸張の円周が、約200mm~約260mm、又は約210mm~約250mm、又は約220mm~約240mmの範囲にあり、前記医療用ハンドカバーが好ましくは、二面であり、平らに置かれるとき、各面が好ましくは、約100mm~約150mm、又は約105mm~約125mm、又は約110mm~約120mmの範囲にある幅(260)を有し、前記医療用ハンドカバーが楕円形であるとき、断面、短軸プラス長軸は、好ましくは約100mm~約130mm、又は約105mm~約125mm、又は約110m~約120mmの範囲にあり、前記医療用ハンドカバーが三次元であるとき、好ましくは前記医療用ハンドカバーが、型浸漬及び硬化によって調製された後に型から取り外されたとき、円筒断面(270)が、好ましくは、約65mm~約85mm、又は約68mm~約82mm、又は約70mm~約78mmの範囲にあり、好ましくは、伸張した円周が、未伸張の円周より約2倍、又は約3倍、又は約4倍、又は約5倍、又は約6倍、又は約7倍、又は約8倍、又は約9倍、又は約10倍、又は約11倍、又は約12倍、又は約13倍、又は約14倍、又は約15倍大きい、実施形態1~4のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態6)
浸漬及び硬化のプロセスによって調製される、実施形態1~5のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態7)
前記医療用ハンドカバーが、両利き用である、実施形態1~6のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態8)
前記内腔が、指なしである、実施形態1~7のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態9)
前記内腔が、前記手の前記親指を分けるための別個の内腔を含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態10)
前記医療機器が、聴診器である、実施形態1~9のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態11)
前記聴診器が前記医療用ハンドカバーと共に使用されるときに前記聴診器を介して得られる音質が、前記聴診器が前記医療用ハンドカバーなしで使用されるときに前記聴診器を介して得られる音質と実質的に同じである、実施形態10に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態12)
前記音質が、振幅、周波数、又はデシベルレベルのうちの1つ又は複数を含む、実施形態11に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態13)
前記開口部が、袖口玉縁をさらに含む、実施形態1~12のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態14)
医療用ハンドカバーであって、
成人の手の掌側に対応する第1の表面と、
前記手の甲側に対応する第2の表面であって、前記第1及び第2の表面が、医療機器を持っている前記手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する、第2の表面と、
前記手及び医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部と、を含む、医療用ハンドカバー。
(実施形態15)
前記第1の表面が、第1の材料を含み、前記第2の表面が、第2の材料を含む、実施形態14に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態16)
前記第1の材料が、前記第2の材料とは異なる、実施形態15に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態17)
前記第1の材料が、前記第2の材料と同じである、実施形態15に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態18)
前記第1の材料及び前記第2の材料が、独立して、熱硬化性ゴム(ラテックス、ニトリル、シリコン、ポリイソプレン、ネオプレンなど)、熱可塑性ウレタン(TPU)、ビニル、低密度ポリエチレン、紡績織PE、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)などのすべての熱可塑性材料のうちの1つ又は複数を含む、実施形態14~17のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態19)
前記第1の表面が、熱可塑性ウレタンを含む、実施形態18に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態20)
前記第2の表面が、ビニル又は低密度ポリエチレンを含む、実施形態18又は19に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態21)
前記第1の表面が、透明又は不透明である、実施形態14~20のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態22)
前記第1の表面が、音響的に透過性である材料を含む、実施形態14~21のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態23)
前記第1の表面が、伸縮性がある材料を含む、実施形態14~22のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態24)
前記第1の表面及び/又は前記第2の表面が、印刷されたキャラクタを含む、実施形態14~23のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態25)
前記第1の表面及び前記第2の表面が、熱溶着され、ダイカットされる、実施形態14~24のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態26)
前記医療用ハンドカバーが、両利き用である、実施形態14~25のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態27)
前記内腔が、指なしである、実施形態14~26のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態28)
前記内腔が、前記手の前記親指を分けるための別個の内腔を含む、実施形態14~26のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態29)
前記医療機器が、聴診器である、実施形態14~28のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態30)
前記聴診器が前記医療用ハンドカバーと共に使用されるときに前記聴診器を介して得られる音質が、前記聴診器が前記医療用ハンドカバーなしで使用されるときに前記聴診器を介して得られる音質と実質的に同じである、実施形態29に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態31)
前記音質が、振幅、周波数、デシベルレベルのうちの1つ又は複数を含む、実施形態30に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態32)
前記第1の表面及び前記第2の表面がシームレスである、実施形態14~31のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態33)
前記内腔が、握り拳の状態で前記医療機器を持っている前記手をしっかりと包囲するように構成される、実施形態1~32のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態34)
前記内腔が、前記医療機器を持っている前記手、及び前記手によって握られている前記医療機器の少なくとも一部の両方をしっかりと包囲するように構成され、前記一部は、前記医療機器が聴診器である場合、例えば、聴診器のチェストピースである、実施形態1~33のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー。
(実施形態35)
感染病原体の伝播から患者を保護するための方法であって、
手に医療機器を持つステップと、
前記医療機器を持っている前記手を医療用ハンドカバー内に挿入するステップと、を含み、
前記医療用ハンドカバーが、(A)又は(B)を含み、
(A)が、
前記手の掌側に対応する第1の表面と、
前記手の甲側に対応する第2の表面であり、前記第1及び第2の表面が、前記医療機器を持っている前記手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する、第2の表面と、
前記手及び医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部と、を含み、
(B)が、
医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料と、
前記手及び医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部と、を含む、方法。
(実施形態36)
前記医療用ハンドカバーに包囲されていない前記医療機器を持っている前記手と接触した表面と比較して、より少ない感染病原体が、前記医療用ハンドカバーに包囲された前記医療機器を持っている前記手と接触した表面に伝播する、実施形態35に記載の方法。
(実施形態37)
医療機器を用いた診察時の患者の不安を低減する方法であって、前記方法が、医療用ハンドカバーが前記医療機器を持っている手を包囲している状態で前記患者を診察するステップを含み、前記医療用ハンドカバーが、(A)又は(B)を含み、
(A)が、
前記手の掌側に対応する第1の表面と、
前記手の甲側に対応する第2の表面であり、前記第1及び第2の表面が、医療機器を持っている前記手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する、第2の表面と、
前記手及び医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部と、を含み、
前記第1の表面及び/又は前記第2の表面が、印刷されたキャラクタを含み、
(B)が、
医療機器を持っている成人の手をしっかりと包囲するように構成される内腔を画定する1つ又は複数の材料と、
前記手及び医療機器の前記内腔への進入を可能にするように構成される前記カバーの一端における開口部と、を含み、
キャラクタが、前記1つ又は複数の材料に印刷されている、方法。
(実施形態38)
前記医療用ハンドカバーに包囲された前記医療機器を持っている前記手で診察される患者が、前記医療用ハンドカバーに包囲されていない前記医療機器を持っている手で診察される患者と比較して、より少ない不安を経験する、実施形態37に記載の方法。
(実施形態39)
実施形態1~34のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバーのスタックを保持するため、及び前記スタックから医療用ハンドカバーを手動で供給するための医療用ハンドカバー供給デバイスであって、医療用ハンドカバーのスタックを格納するための内側を画定する容器と、前記容器内の医療用ハンドカバーが取り出され得る穴とを備える、医療用ハンドカバー供給デバイス。
(実施形態40)
前記医療用ハンドカバーのスタックが、デイジーチェーン構成で連結される、実施形態39に記載の医療用ハンドカバー供給デバイス。
(実施形態41)
前記医療用ハンドカバーのスタックが、前記医療用ハンドカバーによって包囲される手の甲側に対応する前記医療用ハンドカバーの表面が前記容器の外側に向くように、前記容器の前記内側に格納される、実施形態39又は40に記載の医療用ハンドカバー供給デバイス。
(実施形態42)
前記医療用ハンドカバーのスタックが、前記開口部により近い前記医療用ハンドカバーの前記一端が前記容器の外側に向くように、前記容器の前記内側に格納される、実施形態39又は40に記載の医療用ハンドカバー供給デバイス。
(実施形態43)
実施形態39~42のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー供給デバイス、医療用ハンドカバーのスタック、及び聴診器を備えるキット。
(実施形態44)
実施形態14~34のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバーを調製するための方法であって、手の掌側に対応する第1の表面と前記手の甲側に対応する第2の表面との間の継ぎ目を熱溶着するステップと、熱溶着された前記継ぎ目をダイカットして、前記医療用ハンドカバーを形成するステップとを含む方法。
(実施形態45)
前記第1の表面及び/又は前記第2の表面が、それぞれ第1のフィルム及び/又は第2のフィルムから形成され、前記第1のフィルム及び/又は前記第2のフィルムが、事前に印刷されたキャラクタ、ロゴ、グラフィック、又はそれらの組合せを含む、実施形態44に記載の方法。
(実施形態46)
実施形態44又は45に記載の方法によって調製される複数の医療用ハンドカバーを梱包する方法であって、前記複数の医療用ハンドカバーを容器内に積み重ねるステップを含む方法。
(実施形態47)
実施形態44又は45に記載の方法によって調製される複数の医療用ハンドカバーを梱包する方法であって、前記複数の医療用ハンドカバーをロール、スプール、又はドラムに巻くステップを含む方法。
(実施形態48)
実施形態44又は45に記載の方法によって調製される複数の医療用ハンドカバーを梱包する方法であって、前記複数の医療用ハンドカバーをデイジーチェーン構成で連結するステップを含む方法。
(実施形態49)
実施形態1~13のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバーを調製する方法であって、型を1つ又は複数の材料内に浸漬するステップであり、前記1つ又は複数の材料が液状である、ステップと、浸漬された前記型に被覆される前記1つ又は複数の材料を硬化させて前記医療用ハンドカバーを形成するステップとを含む方法。
(実施形態50)
浸漬された前記型を回転させるステップを含む、実施形態49に記載の方法。
(実施形態51)
浸漬された前記型を逆さにするステップを含む、実施形態49又は50に記載の方法。
(実施形態52)
キャラクタ、ロゴ、グラフィック、又はそれらの組合せを前記医療用ハンドカバーに印刷するステップを含む、実施形態49~51のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態53)
前記医療用ハンドカバーの前記開口部における前記1つ又は複数の材料の余剰部分を丸めて、丸まった袖口玉縁にするステップを含む、実施形態49~52のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態54)
前記型が、セラミック及び/又はアルミニウムを含む、実施形態49~53のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態55)
実施形態49~54のいずれか一項に記載の方法によって調製される複数の医療用ハンドカバーを梱包する方法であって、前記複数の医療用ハンドカバーを平坦化するステップと、容器内に充填するステップとを含む方法。
(実施形態56)
前記医療用ハンドカバーを滅菌するステップをさらに含む、実施形態44~55のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態57)
滅菌するステップが、UV滅菌、ガンマ照射、酸化エチレン滅菌(ETO)、又はそれらの組合せを含む、実施形態56に記載の方法。
(実施形態58)
実施形態39~42のいずれか一項に記載の医療用ハンドカバー供給デバイスから医療用ハンドカバーを供給する方法であって、前記方法が、前記医療用ハンドカバーによって包囲される手の掌側に対応する前記医療用ハンドカバーの表面の無菌状態が損なわれないように、前記医療用ハンドカバーによって包囲される手の甲側に対応する前記医療用ハンドカバーの表面を介して、又は前記開口部により近い前記医療用ハンドカバーの一端を介して前記容器から前記医療用ハンドカバーを取り出すステップを含む方法。
【符号の説明】
【0068】
100 開口部
110 袖口玉縁
120 セクション
130 セクション
140 セクション
200 医療用ハンドカバー
210 第1の表面
220 第2の表面
230 開口部
250 聴診器ヘッド
260 幅
270 円筒断面
280 長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11
図12
図13