(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
B66F9/24 A
(21)【出願番号】P 2021205794
(22)【出願日】2021-12-20
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】卯路 彰
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-156641(JP,A)
【文献】特開2021-022802(JP,A)
【文献】特開2020-132431(JP,A)
【文献】特開2015-040120(JP,A)
【文献】特開2013-043736(JP,A)
【文献】特開平11-208825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0096735(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00 - 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトを遠隔から操作する遠隔操作システムにおいて、
前記フォークリフトに設けられたカメラと、
前記カメラによって撮影される画像を表示する表示部と、
荷役される対象物である荷役対象物の順序を決定する荷役順序決定部と、
前記荷役順序決定部に基づいて、複数の前記荷役対象物の順序を案内するための複数の順序ガイドを同時に前記表示部に表示する順序ガイド表示部と、
前記荷役対象物の特徴を記憶する対象物情報記憶部と、を備え、
前記荷役対象物の特徴は、前記荷役対象物の上面幅、上面形状及び重量からなり、
前記荷役順序決定部は、前記荷役対象物の特徴に基づいて複数の前記荷役対象物を積み重ねることができると共に、所定の時間の範囲内に出荷時間が設定されている所定の数の範囲内の前記荷役対象物に基づいて、前記荷役対象物の順序を決定する
ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項2】
前記順序ガイドは、前記フォークリフトと前記荷役対象物とを結ぶ帯状体で構成されると共に、前記荷役対象物の順序を示す番号が前記帯状体上に表示されている
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトを遠隔から操作するための遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトは、オペレータが搭乗して荷物を運搬及び積み降ろしする作業を行うものである。そのため、オペレータが迅速かつ的確にフォークリフトを操作するためには、長年の経験が必要である。一方、熟練のオペレータの人数は限られていることから、人口の少ない地方においては、熟練のオペレータの人数が足りないことがある。そのため、熟練のオペレータが多い地域から、熟練のオペレータが遠隔で地方のフォークリフトを操作することが要望されている。
【0003】
また、人体に悪影響を及ぼすガスが充填されたタンクや、落下すると爆発する爆発物を荷役する場合等には、オペレータは、荷役場所である倉庫から離れて遠隔でフォークリフトを操作することが好ましい。
【0004】
そのため、フォークリフトを遠隔から操作するための遠隔操作システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。遠隔操作システムでは、フォークリフトが荷役を行う倉庫から離れた遠隔の基地局に操作装置が設けられており、オペレータが操作装置を使って遠隔の基地局からフォークリフトを操作するように構成されている。
【0005】
フォークリフトは、制御装置、無線通信装置、カメラ、センサ、車両の走行及び昇降等を作動する駆動装置等を備える。基地局の操作装置は、ハンドル、レバー、ペダル、制御部、表示部等を備える。例えば、表示部は、表示モニタが2つ設けられており、一方の表示モニタには、フォークリフトに搭載されたカメラで撮影される車両前方の画像が表示されて、他方の表示モニタには、センサで検出される情報等が表示される。
【0006】
フォークリフトで運搬及び積み降ろしを行う際、オペレータは、表示部の画像に基づいて車両前方の荷役対象物を確認しながらハンドルやレバー等を使ってフォークリフトを操作する。一方、従来の遠隔操作システムでは、効率的に対象物を荷役するための順序を案内する手段はなく、オペレータは効率的に対象物を荷役することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、フォークリフトを遠隔で操作する際に、オペレータが効率的に対象物を荷役するための順序を把握することができる遠隔操作システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、フォークリフトを遠隔から操作する遠隔操作システムにおいて、フォークリフトに設けられたカメラと、カメラによって撮影される画像を表示する表示部と、荷役される対象物である荷役対象物の順序を決定する荷役順序決定部と、荷役順序決定部に基づいて、複数の荷役対象物の順序を案内するための複数の順序ガイドを同時に表示部に表示する順序ガイド表示部と、を備える。
【0010】
好ましくは、順序ガイドは、フォークリフトと荷役対象物とを結ぶ帯状体で構成されると共に、荷役対象物の順序を示す番号が帯状体上に表示されている。
【0011】
また、遠隔操作システムは、さらに、対象物の特徴を記憶する対象物情報記憶部を備え、荷役順序決定部は、荷役対象物の特徴に基づいて、荷役対象物の順序を決定することが好ましい。
【0012】
また、荷役順序決定部は、対象物の特徴に基づいて複数の荷役対象物を積み重ねることができるように、荷役対象物の順序を決定してもよい。
【0013】
また、好ましくは、荷役対象物の特徴は、荷役対象物の上面幅、上面形状及び重量からなる。
【0014】
また、荷役順序決定部は、所定の時間の範囲内に出荷時間が設定されている所定の数の範囲内の荷役対象物に基づいて、荷役対象物の順序を決定することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る遠隔操作システムによると、フォークリフトを遠隔で操作する際に、オペレータが効率的に対象物を荷役するための順序を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図6】遠隔操作システムの制御フローを示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて、本発明に係る遠隔操作システムの一実施形態を説明する。
【0018】
[遠隔操作システム]
図1のとおり、遠隔操作システムは、施設100において走行および荷役作業を行うためのフォークリフト1を備えている。そして、遠隔操作システムは、施設100から離れた遠隔地に設けられた基地局200が設けられている。基地局200には、操作装置2が設けられており、オペレータが操作装置2を用いて、所定のフォークリフト1を遠隔で操作することができる。
【0019】
本実施形態では、施設100は、倉庫であるが、工場等でもよい。また、本実施形態では、フォークリフト1は、リーチ式フォークリフトであるが、カウンターバランス式フォークリフト等でもよい。例えば、オペレータが遠隔の基地局200からフォークリフト1を操作することで、施設100において、人体に悪影響を及ぼすガスが充填されたタンクや、落下すると爆発する爆発物を荷役することができる。
【0020】
施設100内には、複数の対象物(荷物)110が床面に直置きされており、「平置き」又は「平積み」と呼ばれる方法で複数の対象物110が保管されている。平置き等は、対象物110が大きい場合や、対象物110が載置されたパレットごとにフォークリフト1で運ぶ必要がある場合に用いられ、毎日出荷があるような動きが早いものを扱う場合に適している。
【0021】
[フォークリフト]
図2のとおり、フォークリフト1は、カメラ10、レーザースキャナ12、駆動装置13、制御部14、無線通信部15等を備える。
図3のとおり、制御部14は、画像処理部141、フォークリフト位置取得部142、駆動コントロール部143等を備える。制御部14は、CPU(中央処理装置)、入出力インターフェース、ROM、RAM等で構成されており、情報を処理するためのプログラムが記憶される。制御部14には、カメラ10、レーザースキャナ12、駆動装置13、無線通信部15が接続されている。
【0022】
駆動装置13は、車体の後部に設けられた駆動輪16を駆動するための走行モータ、車体の前部に設けられたフォーク17を昇降・傾動・進退するための複数の油圧シリンダー等からなる。基地局200に設けられた操作装置2からの操作信号が無線通信部15を介して制御部14に送られて、この操作信号が駆動コントロール部143で処理されて、操作装置2の操作に基づいて、走行モータ及び油圧シリンダーの駆動装置13が駆動されるようになっている。これにより、オペレータによる操作装置2の操作に連動して、走行モータ及び油圧シリンダー等の駆動装置13が駆動して、フォークリフト1を操作することができる。
【0023】
カメラ10は、フォークリフト1に搭乗して操作するオペレータの目線の位置に配置されており、オペレータの目線の位置からフォークリフト1の前方を撮影するようになっている。カメラ10は、例えば、CCDイメージセンサ又はC-MOSイメージセンサを備えている。カメラ10で撮影される画像は、制御部14の画像処理部141で画像処理されて、操作装置2に設けられた表示部20(
図4)に表示されるようになっている。これにより、基地局200で操作装置2を用いてフォークリフト1を遠隔操作するオペレータは、表示部20によって、フォークリフト1に搭乗して操作するときと同じ目線でフォークリフト1の前方を確認することができる。
【0024】
フォークリフト1は、レーザースキャナ12を備えており、施設100内には、複数の反射部101が設置される。レーザースキャナ12は、レーザーを水平に360度回転しながら反射部101に送受信する。その結果、フォークリフト1は、施設100内の走行経路に沿って配置された複数の反射部101をレーザースキャナ12で認識することができる。ここで、反射部101は、施設100内の壁面等に固定されており、その位置情報が、制御部14のフォークリフト位置取得部142のマップ上に記憶されている。フォークリフト1は、複数の反射部101をレーザースキャナ12で認識することで、フォークリフト位置取得部142が、三角測量の原理に基づいて、フォークリフト1の位置を計測および取得することができる。
【0025】
[操作装置]
図4のとおり、操作装置2は、表示部20、操作部21、制御部23、無線通信部24等を備える。制御部23は、画像処理部231、対象物情報記憶部232、荷役順序決定部233、順序ガイド表示部234等を備える。制御部23は、CPU(中央処理装置)、入出力インターフェース、ROM、RAM等で構成されており、情報を処理するためのプログラムが記憶される。制御部23には、表示部20、操作部21、無線通信部24が接続されている。
【0026】
表示部20は、例えば、2つの表示モニタからなり、一方の表示モニタには、フォークリフト1に搭載されたカメラ10で撮影されている車両の前方の画像が表示されて、他方の表示モニタには、各種センサ類で検出される情報や操作に必要な情報等が表示されるようになっている。
【0027】
操作部21は、ハンドル、レバー、ペダル等を備えており、オペレータが、フォークリフト1を実際に搭乗して操作する場合と同様に操作できるようになっている。操作部21からの操作信号は、制御部23を介して無線通信部24で送信されて、フォークリフト1の無線通信部15で受信される。そして、オペレータが操作部21のハンドルやレバー等を操作することで、上述したとおり、フォークリフト1の駆動装置13等を遠隔から操作することができる。
【0028】
対象物情報記憶部232は、施設100に保管されている各対象物110の位置及び特徴が記憶されている。対象物110は施設100に平置きされていることから、対象物110の位置は水平座標(XY座標)によって記憶されている。例えば、対象物110が施設100に入荷されて、対象物110がフォークリフト1で施設100の所定位置に置かれると、対象物情報記憶部232は、フォークリフト位置取得部142によるフォークリフト1の位置に基づいて、各対象物110の位置をマップ情報として記憶するようになっている。
【0029】
また、対象物情報記憶部232は、フォークリフト1に設けられたカメラ10及び重量センサ(不図示)に基づいて、各対象物110の特徴である上面幅、上面形状及び重量を記憶するようになっている。
【0030】
荷役順序決定部233は、対象物情報記憶部232に記憶された各対象物110における出荷時間、上面幅、上面形状及び重量等に応じて、プログラム又は機械学習等によって、フォークリフト1で荷役する対象物となる荷役対象物110の順序を決定するようになっている。なお、フォークリフト1で荷役される対象物は荷役対象物110と呼ばれる。
【0031】
複数の荷役対象物110が出荷される際、荷役順序決定部233は、所定の時間の範囲内(例えば、14時30分から14時50分まで)に出荷時間が設定されている所定限度の数の範囲内(例えば、3個まで)の荷役対象物110を選択して、選択された各荷役対象物110の特徴である上面幅、上面形状及び重量に基づいて、荷役対象物110を積み重ねることができるように、荷役対象物110の順序を決定するようになっている。
【0032】
荷役順序決定部233は、記憶されているプログラム又は機械学習等に基づいて、所定の時間の範囲内に出荷時間が設定されている所定限度の数の範囲内の荷役対象物110のうち、重量が小さく安定性の低い上面幅及び上面形状の荷役対象物110が上から下に配置されて積み重ねられるよう、荷役対象物110の順序を決定する。
【0033】
例えば、所定の時間の範囲に出荷時間が設定されている荷役対象物110が5個であり、所定限度の数の範囲が3個である場合、荷役順序決定部233は、3個の荷役対象物110のうち、重量が小さく、上面幅が小さく、上面形状で凹凸や傾斜が多い荷役対象物110から順に1番目、2番目、3番目と決定する。換言すると、荷役順序決定部233は、重量が大きく、上面幅が大きく、上面形状で凹凸や傾斜が少ない荷役対象物110から順に3番目、2番目、1番目と決定する。
【0034】
そして、1番目の荷役対象物110がフォークリフト1で運搬されて、2番目の荷役対象物110の上に1番目の荷役対象物110が積み重ねられ、積み重ねられた1番目及び2番目の2個の荷役対象物110がフォークリフト1で運搬されて、3番目の荷役対象物110の上に1番目及び2番目の荷役対象物110が積み重ねられて、積み重ねられた1番目、2番目及び3番目の3個の荷役対象物110がフォークリフト1で運搬及び出荷される。
【0035】
所定限度の数の範囲の荷役対象物110において、重量が小さく安定性の低い上面幅及び上面形状の荷役対象物110が上に配置されて、重量が大きく安定性の高い上面幅及び上面形状の荷役対象物110が下に配置されて積み重ねられることから、フォークリフト1で積み重ねられた荷役対象物110を運搬する際に、荷崩れする可能性が非常に低くなり安定して複数の荷役対象物110を同時に運搬することができる。そのため、複数の荷役対象物110を効率的かつ安定的に運搬及び出荷することができる。
【0036】
図5のとおり、荷役順序決定部233で決定された荷役対象物110に対して、順序ガイド表示部234は、記憶されているプログラムによって、荷役対象物110の順序を案内するための順序ガイドGR1,GR2,GR3を表示するようになっている。本実施形態では、順序ガイドGR1,GR2,GR3は、表示部20に表示される画像上の水平方向(XY方向)にフォークリフト1と荷役対象物110とを結ぶと共に、フォークリフト1の幅と同一幅の帯状体で表示されており、オペレータがフォークリフト1を操作する際に、フォークリフト1が走行する経路を想定しやすいようになっている。そして、荷役対象物110の順序が、帯状体の順序ガイドGR1,GR2,GR3上に表示されるようになっている。
【0037】
荷役順序決定部233によって決定された荷役対象物110が3個である場合、順序ガイド表示部234は、1番目、2番目及び3番目を示す順序ガイドGR1,GR2,GR3を表示部20に表示するようになっている。そして、順序ガイド表示部234は、荷役対象物110の順序を示す番号Nが付された順序ガイドGR1,GR2,GR3を表示部20に表示して、オペレータが、荷役対象物110の順序を直感的に認識できるようになっている。
【0038】
[制御フロー]
図6に基づいて、遠隔操作システムにおける制御部14,23が行う制御フローについて説明する。
【0039】
フォークリフト位置取得部142によって、常時、フォークリフト1の位置が計測および取得される(ステップS1)。そして、表示部20には、常時、カメラ10によって撮影される画像が表示されている。オペレータは、表示部20に表示された画像に基づいて、操作部21でフォークリフト1を遠隔操作する。
【0040】
対象物情報記憶部232によって、各対象物110の位置及び特徴が記憶される(ステップS2)。対象物情報記憶部232は、各対象物110の位置と共に、各対象物110の特徴である上面幅、上面形状及び重量を記憶する。
【0041】
そして、荷役順序決定部233によって、対象物情報記憶部232に記憶された各対象物110における出荷時間、上面幅、上面形状及び重量等に応じて、プログラム又は機械学習等によって、フォークリフト1で荷役する対象物となる荷役対象物110の順序を決定する(ステップS3)。
【0042】
さらに、荷役順序決定部233で決定された荷役対象物110に対して、順序ガイド表示部234は、表示部20に表示される画像上の水平方向(XY方向)にフォークリフト1と荷役対象物110とを結ぶと共に、荷役対象物110の順序を案内するための順序ガイドGR1,GR2,GR3を表示する(ステップS4)。
【0043】
そして、フォークリフト位置取得部142及び対象物情報記憶部232によって、フォークリフト1が、1番目の順序ガイドGR1で案内された1番目の荷役対象物110に到達したと認識されると(ステップS5)、順序ガイド表示部234は、フォークリフト1が到達した1番目の順序ガイドGR1を非表示にする(ステップS6)。そして、オペレータは、フォークリフト1で1番目の荷役対象物110を運搬する。
【0044】
その後、表示部20に2番目の順序ガイドGR2が表示されていることから、上記ステップS5に戻り(ステップS7)、オペレータは、フォークリフト1を2番目の荷役対象物110に走行させて、1番目の荷役対象物110を2番目の荷役対象物110に積み重ねる。
【0045】
そして、フォークリフト1が、2番目の順序ガイドGR2で案内された2番目の荷役対象物110に到達したと認識されると(ステップS5)、順序ガイド表示部234は、フォークリフト1が到達した2番目の順序ガイドGR2を非表示にする(ステップS6)。そして、オペレータは、フォークリフト1で1番目及び2番目の荷役対象物110を運搬する。
【0046】
その後、表示部20に3番目の順序ガイドGR3が表示されていることから、上記ステップS5に戻り(ステップS7)、オペレータは、フォークリフト1を3番目の荷役対象物110に走行させて、1番目及び2番目の荷役対象物110を3番目の荷役対象物110に積み重ねて出荷する。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されない。例えば、以下のように変更することもできる。
・上記実施形態では、荷役対象物110の特徴に基づいて荷役対象物110の順序が決定されているが、対象物110が同一の形状及び重量である場合、荷役対象物110の位置等に応じて、効率的に運搬できるよう、荷役対象物110の順序が決定されてもよい。
・上記実施形態では、順序ガイドGR1,GR2,GR3が、フォークリフト1と荷役対象物110とを結ぶ帯状体で構成されると共に、荷役対象物110の順序を示す番号Nが帯状体上に表示されるが、荷役対象物110の正面や上方等に番号が表示される態様であってもよい。
・上記実施形態では、複数の荷役対象物110が積み重ねられるよう、荷役対象物110の順序が決定されるが、荷役対象物110の位置等に応じて、効率的に運搬できるよう、荷役対象物110の順序が決定されてもよい。
・上記実施形態では、順序ガイドGR1,GR2,GR3は、フォークリフト1の幅と同一幅を有する帯状体であるが、矢印、一定周期で点滅する線、細線等であってもよい。
・上記実施形態では、荷役対象物110の順序を示すために、番号Nが付された順序ガイドGR1,GR2,GR3が表示されているが、順序に応じて、順序ガイドの色、形状等が設定されていてもよい。
【0048】
本発明の効果について説明する。
【0049】
本発明は、フォークリフト1を遠隔から操作する遠隔操作システムにおいて、フォークリフト1に設けられたカメラ10と、カメラ10によって撮影される画像を表示する表示部20と、荷役される対象物である荷役対象物110の順序を決定する荷役順序決定部233と、荷役順序決定部233に基づいて、複数の荷役対象物110の順序を案内するための複数の順序ガイドGR1,GR2,GR3を同時に表示部20に表示する順序ガイド表示部234と、を備えている。
【0050】
これによって、オペレータは、表示部20に表示される画像に基づいて、フォークリフト1を遠隔から操作することができる。そして、表示部20の画像に表示される順序ガイドGR1,GR2,GR3で、オペレータに対して、荷役対象物110の順序を直感的に案内することができるので、オペレータは、フォークリフト1で荷役対象物110を順番通りに運搬することで、効率的に運搬することができるようになっている。
【0051】
また、順序ガイドGR1,GR2,GR3は、フォークリフト1と荷役対象物110とを結ぶ帯状体で構成されると共に、荷役対象物110の順序を示す番号が帯状体上に表示されていることが望ましい。
【0052】
これによって、オペレータは、帯状体の順序ガイドGR1,GR2,GR3に沿って、フォークリフト1を走行することができるので、荷役対象物110の位置を見失うことなく認識することができるようになっている。
【0053】
好ましくは、遠隔操作システムは、さらに、対象物110の特徴を記憶する対象物情報記憶部232を備えており、荷役順序決定部233は、荷役対象物110の特徴に基づいて、荷役対象物110の順序を決定するようになっている。
【0054】
これによって、オペレータは、表示部20の画像に表示される順序ガイドGR1,GR2,GR3に従って、オペレータがフォークリフト1で荷役対象物110を順番に運搬することで、効率的に運搬することができるようになっている。
【0055】
さらに、荷役順序決定部233は、対象物110の特徴に基づいて複数の荷役対象物110を積み重ねることができるように、荷役対象物110の順序を決定することが望ましい。
【0056】
そのため、荷役対象物110を積み重ねる際に、荷崩れする可能性が非常に低くなり安定して複数の荷役対象物110を同時に運搬することができることから、複数の荷役対象物110を効率的かつ安定的に運搬及び出荷することができる。
【0057】
また、荷役対象物110の特徴は、荷役対象物110の上面幅、上面形状及び重量からなっていてもよい。
【0058】
これによって、重量が小さく安定性の低い上面幅及び上面形状の荷役対象物110が上に配置されて、重量が大きく安定性の高い上面幅及び上面形状の荷役対象物110が下に配置されて積み重ねられることから、フォークリフト1で積み重ねられた荷役対象物110を運搬する際に、荷崩れする可能性が非常に低くなり安定して複数の荷役対象物110を同時に運搬することができる。
【0059】
そして、荷役順序決定部233は、所定の時間の範囲内に出荷時間が設定されている所定の数の範囲内の荷役対象物110に基づいて、荷役対象物110の順序を決定することが好ましい。
【0060】
このように、所定の時間の範囲内に出荷時間が設定されている所定の数の範囲内の荷役対象物110を対象としていることから、効率的かつ安定的に複数の荷役対象物110を積み重ねて出荷することができるようになっている。
【符号の説明】
【0061】
1 フォークリフト
10 カメラ
14 制御部
141 画像処理部
2 操作装置
20 表示部
21 操作部
23 制御部
231 画像処理部
232 対象物情報記憶部
233 荷役順序決定部
234 順序ガイド表示部
GR1,GR2,GR3 順序ガイド
N 番号